JP2003070012A - 可飽和リアクタ - Google Patents

可飽和リアクタ

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JP2003070012A
JP2003070012A JP2001254632A JP2001254632A JP2003070012A JP 2003070012 A JP2003070012 A JP 2003070012A JP 2001254632 A JP2001254632 A JP 2001254632A JP 2001254632 A JP2001254632 A JP 2001254632A JP 2003070012 A JP2003070012 A JP 2003070012A
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magnetic
saturable reactor
magnetic field
pole
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JP2001254632A
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Yoshinori Miyamoto
佳典 宮本
Haruo Shigematsu
晴夫 重松
Masao Noguchi
正雄 野口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/70Arrangements for deflecting ray or beam
    • H01J29/72Arrangements for deflecting ray or beam along one straight line or along two perpendicular straight lines
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/56Correction of beam optics
    • H01J2229/568Correction of beam optics using supplementary correction devices
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    • HELECTRICITY
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    • H01J2229/703Electron beam control outside the vessel by magnetic fields
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  • Details Of Television Scanning (AREA)
  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイアス磁界を効率良く供給可能であり、
又、磁極からの洩れ磁界が低く、又、低コストな可飽和
リアクタを提供する。 【解決手段】 第1マグネット11のS極はコア1に接
しており、第2マグネット12のN極はコア3に接して
いる。閉磁部材14は第1マグネット11のN極のと第
2マグネット12のS極とを磁気的に結合して閉磁路を
形成する。閉磁部材14は例えば珪素鋼鈑等の電磁鋼帯
から成り、バネ弾性を有している。同様に、コア2,4
に対してマグネット22,21が設けられ、マグネット
22,21に対して閉磁部材24が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CRT(陰極線
管)表示装置の偏向ヨークに適用されてミスコンバーゼ
ンス補正回路や糸巻型歪補正回路を構成する可飽和リア
クタに関する。
【0002】
【従来の技術】偏向ヨークに可飽和リアクタを用いる従
来技術として例えばミスコンバーゼンス補正回路と糸巻
(ピンクッション)型歪補正回路とが挙げられる。両者
は回路構成は異なるが、用いられる可飽和リアクタの構
成は同じである。以下に、それぞれの回路及び両者に共
通する可飽和リアクタを説明する。
【0003】<<ミスコンバーゼンス補正回路>> <画面四隅部の垂直方向ミスコンバーゼンス>図13
に、画面の四隅部に生じる垂直方向ミスコンバーゼンス
(以下「PQv」とも呼ぶ)を説明するための模式図を
示す。図13に示すようにPQvとは、CRTのスクリ
ーンないしは画面200の上下端部の横線R,Bが、画
面200の左右方向(横方向)中央で交差するように垂
直方向にずれた(傾いた)状態のミスコンバーゼンスを
指す。なお、横線R,Bはインライン型電子銃の両サイ
ド電子ビームによって画面200上に描画される。
【0004】このような横線が交差するミスコンバーゼ
ンスを補正するためには、偏向ヨークが発生する水平偏
向磁界の中心を垂直方向に平行移動すればよいことが知
られている。一般的に、偏向ヨークは上下1対の水平偏
向コイルを備えているので、それぞれの水平偏向コイル
に流れる電流の分流比を変えることで上述の磁界の平行
移動を実現できる。このとき、PQvでは画面200の
上下で横線R,Bの上下関係が逆になるので、垂直偏向
の周期(以下「垂直周期」とも呼ぶ)に同期させて上記
分流比を動的に制御する必要がある。
【0005】<PQv補正回路の構成>PQvを補正す
るための従来技術として、可飽和リアクタを用いる方法
が広く利用されている。図14に従来のPQv補正回路
の一例を説明するための回路図を示す。
【0006】図14に示すように、従来のPQv補正回
路では水平偏向電流IHが端子P1,P2間の水平偏向
電流経路を流れる。端子P1,P2間には水平偏向コイ
ルLH1、水平補正コイルL2P,L1Pがこの順序で
直列に接続されており、第1の電流経路を構成してい
る。同様に、端子P1,P2間には水平偏向コイルLH
2、水平補正コイルL4P,L3Pがこの順序で直列に
接続されており、第2の電流経路を構成している。すな
わち、端子P1,P2間には第1の電流経路と第2の電
流経路とが並列に接続されている。
【0007】また、従来のPQv補正回路では垂直偏向
電流IVが端子P3,P4間の垂直偏向電流経路を流れ
る。端子P3と中間端子P11との間に垂直偏向コイル
LVが設けられている。なお、垂直偏向コイルLVは複
数のコイルと複数の抵抗器との組み合わせ回路等の種々
の構成が考えられるため、便宜上ブロックで示してい
る。中間端子P11と端子P4との間に垂直補正コイル
L5P及び抵抗器R1が互いに並列に接続されている。
【0008】従来のPQv補正回路に用いられる可飽和
リアクタ101Pは、水平補正コイルL1P〜L4P、
垂直補正コイルL5P、コア1P〜5P及びマグネット
6P,7Pで構成されている。水平補正コイルL1Pは
コア1Pに巻線されており、同様に水平補正コイルL2
P〜L4Pはコア2P〜4Pに巻線されている。また、
垂直補正コイルL5Pはコア5Pに巻線されている。水
平補正コイルL1P,L2Pは、水平偏向電流IHが流
れた場合に、互いに逆向きの磁界が発生するように巻線
方向及び配置方向が設定されている。水平補正コイルL
3P,L4Pの巻線方向及び配置方向についても同様で
ある。また、マグネット6P,7Pはコア1P〜5Pの
集合体の左右両端に設けられており、それぞれが発生す
る磁界が互いに逆向きになるように(図14の例では両
マグネット6P,7PのS極をコア1P〜5Pの集合体
に向けて)配置されている。なお、従来の可飽和リアク
タ101Pは後に更に説明する。
【0009】<PQv補正回路の作用>可飽和リアクタ
の作用(後述する)によって、上述のPQv補正回路で
は垂直偏向電流IVが流れる場合に(すなわち画面上下
部を偏向する場合に)、水平補正コイルL1P,L2P
の合成インダクタンスと水平補正コイルL3P,L4P
の合成インダクタンスとに差が生じる。例えば画面上部
では後者の方が大きく、画面下部では前者の方が大きく
なる(逆の場合もある)。
【0010】したがって、画面上部では、第1の電流経
路に第2の電流経路よりも多くの電流が流れるので、水
平偏向磁界の中心は水平偏向コイルLH2側に平行移動
する。逆に、画面下部では、第2の電流経路に第1の電
流経路よりも多くの電流が流れるので、水平偏向磁界の
中心は水平偏向コイルLH1側に平行移動する。このよ
うにして水平偏向磁界の中心を画面の上下で逆方向に平
行移動させることにより、PQvを補正することができ
る。
【0011】<<糸巻型歪補正回路>> <画面左右方向中間部の縦線の糸巻型歪>図15に画面
の左右方向中間部に生じる縦線の糸巻型歪(以下「中間
ピン歪」とも呼ぶ)を説明するための模式図を示す。図
15に示すように中間ピン歪とは、画面200の左右端
部の縦線G1が略直線状である場合に、画面の左右方向
中間部の縦線G2が糸巻型に歪んだ状態をいう。なお、
縦線G1,G2はインライン型電子銃のセンタービーム
によって画面200上に描画される。
【0012】換言すれば、中間ピン歪は隣り合う縦線の
間隔、すなわち水平偏向のリニアリティ(以下「水平リ
ニアリティ」とも呼ぶ)が画面200の上下方向端部と
上下方向中央部とで異なっている状態ということもでき
る。したがって、水平リニアリティを垂直周期に同期し
て制御することにより、中間ピン歪を補正することがで
きる。
【0013】ところで、一般に、CRT表示装置にはS
字補正回路と呼ばれる水平リニアリティ補正回路が水平
偏向コイルに直列に接続されている。この回路は、水平
偏向電流波形を変調することにより、画面左右方向端部
の縦線間隔が左右方向中央部の縦線間隔よりも大きくな
るのを抑制する。この抑制効果は、水平偏向コイルのイ
ンダクタンスが大きいと小さくなり、水平偏向コイルの
インダクタンスが小さいと大きくなる。したがって、水
平偏向コイルのインダクタンスを垂直周期に同期して変
化させることにより、中間ピン歪を補正できる。
【0014】<中間ピン歪補正回路の構成>図16に従
来の中間ピン歪補正回路の一例を説明するための回路図
を示す。図16に示すように、従来の中間ピン歪補正回
路では水平偏向電流IHが端子P1,P2間の水平偏向
電流経路を流れる。端子P1と中間端子P12との間に
水平偏向コイルLH1,LH2が互いに並列に接続され
ている。中間端子P12と端子P2との間に水平補正コ
イルL2P,L1P,L3P,L4Pがこの順序で直列
に接続されている。
【0015】また、従来の中間ピン歪補正回路では垂直
偏向電流IVが端子P3,P4間の垂直偏向電流経路を
流れている。この垂直偏向電流経路の構成は上述のPQ
v補正回路の垂直偏向電流経路と同じである。
【0016】また、従来の中間ピン歪補正回路に用いら
れる可飽和リアクタ101Pの構成は、上述のPQv補
正回路のそれと同じである。
【0017】すなわち、中間ピン歪補正回路とPQv補
正回路とは、水平偏向コイルと水平補正コイルとの接続
形態が異なる(直列であるか並列であるか)点を除い
て、同じ回路構成である。
【0018】<中間ピン歪補正回路の作用>可飽和リア
クタの作用(後述する)によって、上述の中間ピン歪補
正回路では、水平補正コイルL1P〜L4Pの合成イン
ダクタンスが、垂直偏向電流IVが流れる場合には(す
なわち画面上下部では)大きくなる一方で、垂直偏向電
流IVが流れない場合には(すなわち画面上下方向中央
部では)小さくなる。
【0019】したがって、画面上下端部ではS字補正効
果が小さくなるので、画面左右方向端部の縦線間隔が大
きくなる。逆に、画面上下方向中央部ではS字補正効果
が大きくなるので、画面左右方向端部の縦線間隔が小さ
くなる。この結果、中間ピン歪が補正される。
【0020】<<従来の可飽和リアクタ> <従来の可飽和リアクタの構成>図17に上述の従来の
可飽和リアクタ101Pの模式的な外観図(側面図及び
上面図)を示す。なお、図17に示す構造は特開200
0−173497号公報に開示されている。
【0021】従来の可飽和リアクタ101Pにおいて、
糸巻形状のコア1P〜4Pに水平補正コイルL1P〜L
4Pが巻線されており、糸巻形状のコア5Pに垂直補正
コイルL5Pが巻線されている。そして、コア5Pの一
方の端面にコア1P,2Pの一方の端面が接しており、
コア5Pの他方の端面にコア3P,4Pの一方の端面が
接している。
【0022】また、コア1P,2Pの双方の他方の端面
に単一のマグネット6Pの一方の端面(S極)が共通に
接しており、コア3P,4Pの双方の他方の端面に単一
のマグネット7Pの一方の端面(N極)が共通に接して
いる。マグネット6P,7Pが発生する磁界は互いに逆
向きである(図17の例では両マグネット6P,7Pの
S極がコア1P〜5Pの集合体に向いている)。
【0023】このとき、図17の左図(側面図)に示す
ように、マグネット6Pとして2個のコア1P,2Pの
双方全体を覆う程度に大型のマグネットが用いられてい
る。具体的には、2個のコア1P,2P及びマグネット
6Pの端面は円形をしており、2個のコア1P,2Pの
直径の和がマグネットの直径にあたる。マグネット7P
についてもマグネット6Pと同様である。
【0024】更に、図17の側面図に示すように、従来
の可飽和リアクタ101Pは断面が半円弧の磁気シール
ド板24P及び保持枠25Pを有しており、磁気シール
ド板24Pは可飽和リアクタ101Pの外周の少なくと
も一部を覆っている。なお、磁気シールド板24Pを有
さない構造の可飽和リアクタもある。
【0025】<従来の可飽和リアクタの作用>図18に
従来の可飽和リアクタ101Pの各コア1P〜5Pの飽
和/非飽和状態を説明するための模式図を示す。
【0026】図18は水平偏向電流IHを横軸に又垂直
偏向電流IVを縦軸に取った座標平面を表しており、横
軸はCRTの画面の横方向に又縦軸は画面縦方向に対応
する。図18中の9つのマーク(それぞれ5つの4角形
から成る)は、各マークの図示位置に対応した画面上の
位置へ偏向を行う場合に可飽和リアクタ101Pの各コ
ア1P〜5Pが飽和状態又は非飽和状態のいずれにある
かを示している。なお、非飽和状態にあるコアを白い4
角形で又飽和状態にあるコアを黒い4角形で図示してい
る。
【0027】まず、画面中央へ偏向する場合(IH=
0,IV=0)、マグネット6P,7Pが発生する磁界
(以下「バイアス磁界」とも呼ぶ)によってコア1P〜
4Pは全て飽和している。
【0028】画面左端ないしは横軸左端へ偏向する場合
(IH=min,IV=0)、水平補正コイルL2P,
L4Pが発生する磁界はバイアス磁界と逆向きになる。
このため、コア1P,3Pは飽和した状態である一方
で、コア2P,4Pの飽和が解ける。逆に、画面右端な
いしは横軸右端へ偏向する場合(IH=max,IV=
0)、コア1P,3Pの飽和が解け、コア2P,4Pは
飽和状態になる。
【0029】画面上端ないしは縦軸上端へ偏向する場合
(IH=0,IV=max)、垂直補正コイルL5Pが
発生する磁界はマグネット7Pによるバイアス磁界と逆
向きになる。このため、コア3P,4Pの飽和が解け、
コア1P,2Pが飽和した状態となる。逆に、画面下端
ないしは縦軸下端へ偏向する場合(IH=0,IV=m
in)、コア1P,2Pの飽和が解け、コア3P,4P
が飽和した状態となる。
【0030】画面四隅部(左上、右上、左下及び右下)
へ偏向する場合、各コア1P〜5Pの状態は水平補正コ
イルL1P〜L4P、垂直補正コイルL5P及びマグネ
ット6P,7Pが発生する各磁界の強さのバランスで決
まる。一般的には、図18に示すように、左上及び右上
へ偏向する場合にはコア1P〜5Pが上端へ偏向する場
合と同じ状態になるように、又、左下及び右下へ偏向す
る場合にはコア1P〜5Pが下端へ偏向する場合と同じ
状態になるように、上記各磁界の強さが設定されること
が多い。
【0031】飽和したコアに巻線されたコイルのインダ
クタンスは小さくなるので、画面上部(IV>0)へ偏
向する場合、水平補正コイルL1P,L2Pのインダク
タンスは水平補正コイルL3P,L4Pのそれよりも小
さくなる。したがって、図14のPQv補正回路のよう
な回路構成では、第1の電流経路(コイルLH1,L2
P,L1Pが直列接続された経路)に第2の電流経路
(コイルLH2,L4P,L3Pが直列接続された経
路)よりも大きい電流が流れる。逆に、画面下部(IV
<0)へ偏向する場合、第2の電流経路に第1の電流経
路よりも大きい電流が流れる。また、画面上下方向中央
部(IV=0)へ偏向する場合、両経路の分流比は等し
い。このように、水平偏向コイルLH1,LH2に流れ
る電流の分流比が垂直周期で(上下反対称に)変化す
る。
【0032】これに対して、図16の中間ピン歪補正回
路のような回路構成では、水平補正コイルL1P〜L4
Pの合成インダクタンスは、画面上下部(IV>0,I
V<0)へ偏向する場合、2個のコアの飽和が解けるた
め、大きくなる。これに対して、画面上下方向中央部
(IV=0)へ偏向する場合、左右端でのみ2個のコア
の飽和が解けるので、平均的には画面上下部よりも合成
インダクタンスが小さくなる。したがって、水平補正コ
イルL1P〜L4Pの合成インダクタンスが垂直周期で
(上下対称に)変化する。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】従来の可飽和リアクタ
101Pでは、上述のようにマグネット6Pとして2個
のコア1P,2Pの双方全体を覆う程度に大型のマグネ
ットが用いられている。このため、マグネット6Pの端
面(S極)のうちでコア1P,2Pで覆われていない部
分(図17中のハッチング部分を参照)での磁界が有効
に利用されていない、すなわちマグネット6Pの磁界の
利用効率が低いと考えられる。したがって、コア1P,
2Pに所望の磁界を与えるためにはマグネット6Pとし
てより強力なマグネットを用いる必要が生じ、その結
果、コストが高くなってしまう。
【0034】更に、従来の可飽和リアクタ101Pで
は、マグネット6Pの上述のコア1P,2Pで覆われて
いない部分及び他方の端面(N極)からの磁界の洩れが
CRTの電子ビームの軌道に影響を及ぼし、ミスコンバ
ーゼンスを発生させる。
【0035】なお、マグネット7Pについてもマグネッ
ト6Pと同様の問題点がある。
【0036】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、従来の可飽和リアクタ101Pと比較して、バイ
アス磁界を有効に(効率良く)供給可能であり、又、磁
極からの洩れ磁界が低く、又、低コストな可飽和リアク
タを提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の可飽和
リアクタは、コア付き垂直補正コイルと、前記垂直補正
コイルと磁気的に結合するように配置された4個のコア
付き水平補正コイルと、前記4個の水平補正コイルのう
ちの2個にバイアス磁界を与えるための互いに極性が異
なる2個の磁極を含む第1バイアス磁界供給部と、前記
4個の水平補正コイルのうちの残りの2個にバイアス磁
界を与えるための互いに極性が異なる2個の磁極を含む
第2バイアス磁界供給部とを備える。
【0038】請求項2に記載の可飽和リアクタは、請求
項1に記載の可飽和リアクタであって、前記第1又は/
及び第2バイアス磁界供給部は、前記2個の磁極のうち
の第1磁極を有する第1マグネットと、前記2個の磁極
のうちの第2磁極を有する第2マグネットとを含み、前
記第1マグネットは、前記第1磁極とは極性が反対の第
3磁極を有し、前記第2マグネットは、前記第2磁極と
は極性が反対の第4磁極を有し、前記第1又は/及び第
2バイアス磁界供給部は、前記第1マグネットの前記第
3磁極と前記第2マグネットの前記第4磁極とを磁気的
に結合する閉磁部材を更に含む。
【0039】請求項3に記載の可飽和リアクタは、請求
項2に記載の可飽和リアクタであって、前記閉磁部材は
電磁鋼部材を含む。
【0040】請求項4に記載の可飽和リアクタは、請求
項2又は請求項3に記載の可飽和リアクタであって、前
記閉磁部材はバネ弾性を有する。
【0041】請求項5に記載の可飽和リアクタは、請求
項1乃至請求項4のいずれかに記載の可飽和リアクタで
あって、前記第1又は/及び第2バイアス磁界供給部
は、前記2個の磁極を有する単一の第3マグネットを含
む。
【0042】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>図1に実施の形
態1に係る可飽和リアクタ101の模式的な外観図(側
面図及び上面図)を示し、図2に可飽和リアクタ101
におけるバイアス磁界(後述のマグネット11,12,
21,22が発生する磁界)Bmを説明するための模式
図を示す。
【0043】可飽和リアクタ101は、コア付き垂直補
正コイルL5と、4個のコア付き水平補正コイルL1〜
L4と、第1マグネット11,21と、第2マグネット
12,22と、閉磁部材14,24と、ホルダないしは
ケース30とを備えている。なお、図面の煩雑を避ける
ためホルダ30は破線で図1の右図(上面図)にのみ図
示しており、また、図2ではホルダ30の図示化を省略
している。
【0044】詳細には、コア1〜5は例えば糸巻状ない
しはドラム状をしており、コア5に垂直補正コイルL5
が巻線されており、また、コア1に水平補正コイルL1
が巻線されており、同様にコア2〜4に水平補正コイル
L2〜L4がそれぞれ巻線されている。4個のコア付き
水平補正コイルL1〜L4はコア付き垂直補正コイルL
5と磁気的に結合するように配置されている。具体的に
は、コア5の一方の端面にコア1,3の一方の端面が接
しており、コア5の他方の端面にコア2,4の一方の端
面が接している。なお、コア1〜5の端面は例えば円形
である。
【0045】第1マグネット11はS極(ないしは第1
磁極)をコア1の他方の端面に接触させて配置されてお
り、第2マグネット12はN極(ないしは第2磁極)を
コア3の他方の端面に接触させて配置されている。この
とき、第2マグネット12のN極から出るバイアス磁界
Bmはコア3,コア5及びコア1をこの順に通って第1
マグネット11のS極に入るという閉磁路(閉ループ)
を形成する。
【0046】特に、閉磁部材14は第1マグネット11
のN極(ないしは第3磁極)と第2マグネット12のS
極(ないしは第4磁極)とを磁気的に結合する。具体的
には、閉磁部材14は磁性体から成るヨーク板で構成さ
れている。このとき、上記磁性体として例えば珪素鋼鈑
等の安価な電磁鋼帯で形成することにより、低コストに
閉磁部材14,24を、したがって可飽和リアクタ10
1を提供することができる。
【0047】閉磁部材14は例えば帯状部材を基材とし
当該帯状部材の両端部を略U字型に折り返した形状(例
えば紙を綴じた後の曲げ状態にあるホッチキス針のよう
な形状)を有しており、かかる形状に起因して閉磁部材
14はバネ作用ないしはバネ弾性を有している。そし
て、閉磁部材14は上述の曲げられた両端部を第1マグ
ネット11のN極及び第2マグネット12のS極にそれ
ぞれ接触させて配置されている。これにより、第1マグ
ネット11のN極から出るバイアス磁界Bmは閉磁部材
14を通って第2マグネット12のS極に入るという閉
磁路を形成する。
【0048】同様に、第1マグネット21はS極(ない
しは第1磁極)をコア4の他方の端面に接触させて配置
されており、第2マグネット22はN極(ないしは第2
磁極)をコア2の他方の端面に接触させて配置されてい
る。このとき、第2マグネット22のN極から出るバイ
アス磁界Bmはコア2,コア5及びコア4をこの順に通
って第1マグネット21のS極に入るという閉磁路を形
成している。
【0049】特に、閉磁部材24は第1マグネット21
のN極(ないしは第3磁極)と第2マグネット22のS
極(ないしは第4磁極)とを磁気的に結合する。閉磁部
材24は上述の閉磁部材14と同様の材質・形状を有し
ており、閉磁部材24の両端部を第1マグネット21の
N極及び第2マグネット22のS極にそれぞれ接触させ
て配置されている。これにより、第1マグネット21の
N極から出るバイアス磁界Bmは閉磁部材24を通って
第2マグネット22のS極に入るという閉磁路を形成す
る。
【0050】このように可飽和リアクタ101では、コ
ア5の同じ端面に対面配置された2個のマグネット1
1,12に対して閉磁部材14が設けられており、同様
に2個のマグネット21,22に対して閉磁部材24が
設けられている。
【0051】なお、マグネット11,12,21,22
のN極及びS極の端面はコア1〜4の上記他方の端面
(マグネット11,12,21,22に対面する端面)
と同程度あるいはそれ以下の大きさの円形をしている。
また、図1の例ではコア5を介して異なる極性の磁極が
対面するようにマグネット11,22が配置されてお
り、同様にマグネット12,21が配置されている。
【0052】可飽和リアクタ101では、第1及び第2
マグネット11,12並びに閉磁部材14を含む構成が
第1バイアス磁界供給部10にあたり、第1及び第2マ
グネット21,22並びに閉磁部材24を含む構成が第
2バイアス磁界供給部20にあたる。
【0053】ホルダ30は例えば絶縁材料から成る器形
状の部材であり、上述のように配置されたコア付きコイ
ルL1〜L5、マグネット11,12,21,22及び
閉磁部材14,24はホルダ30の器形状内に収納され
ている。
【0054】可飽和リアクタ101によれば、4個の水
平補正コイルL1〜L4のそれぞれに磁極(N極又はS
極)が設けられている。このため、図17の従来の可飽
和リアクタ101Pとは異なり、水平補正コイルL1〜
L4の端面と同程度あるいはそれ以下の大きさの磁極を
用いることができる。すなわち、4個の磁極を従来の可
飽和リアクタ101Pよりも小型のマグネットで以て構
成することができる。
【0055】したがって、バイアス磁界Bmを有効に
(効率良く)コア1〜4に、換言すれば水平補正コイル
L1〜L4に供給することができる。更に、磁極からの
洩れ磁界を低減することができ、その結果、該洩れ磁界
に起因したミスコンバーゼンスを低減してCRTの表示
品質を向上することができる。更に、小型マグネットの
適用によりコストを削減することができる。
【0056】また、閉磁部材14,24によって第1マ
グネット11,21のN極及び第2マグネット12,2
2のS極からの磁界の洩れを抑制することができる。こ
れにより、該洩れ磁界に起因したミスコンバーゼンスを
低減してCRTの表示品質を向上することができる。
【0057】更に、閉磁部材14,24を含む上述の閉
磁路(磁性体のみから成る)によれば、閉磁部材を有さ
ない従来の可飽和リアクタ101Pのように磁路が空気
を含む場合と比較して、磁路抵抗が小さくなる。このた
め、閉磁部材14,24を設けない場合よりも磁力が弱
いマグネットをマグネット11,12,21,22とし
て用いても、水平補正コイルL1〜L4のコア1〜5を
飽和させうる磁束密度が得られる。したがって、そのよ
うな弱いマグネットの適用によりコストを削減すること
ができる。
【0058】また、閉磁部材14,24はバネ弾性によ
って、ホルダ30内に配置されたコア1〜5等の部品の
押さえとして働く(例えば一般的な各種機器に設けられ
る乾電池ホルダの電極が乾電池押さえとして働くのと同
様の作用による)。このとき、閉磁部材14,24の弾
性変形によって、ホルダ30内の各部品毎の寸法ばらつ
き(具体的にはコア1,3、コア5及びコア2,4の配
列方向(図1では左右方向)におけるばらつき)を、換
言すれば全体としての累積的ばらつきを吸収することが
できる。これにより、例えばコアの寸法ばらつきの管理
や該ばらつきに応じた選別等の品質管理が緩和され、製
造効率ないしは生産性を向上させることができる。
【0059】なお、従来の可飽和リアクタ101Pの磁
気シールド24P(図17参照)は、マグネット6P,
7P間に閉磁路を形成するものではない。したがって、
磁気シールド24Pは、閉磁部材14,24のような洩
れ磁界を抑制する効果等を奏しえない。
【0060】さて、可飽和リアクタ101(及び後述の
可飽和リアクタ102〜104)は、従来の可飽和リア
クタ101Pに代えて既述の図14のPQv補正回路及
び図16の中間ピン歪補正回路に適用可能である。具体
的には、水平補正コイルL1〜L4及び垂直補正コイル
L5を従来の可飽和リアクタ101PのコイルL1P〜
L4P及びコイルL5Pにそれぞれ対応させることによ
り上記回路に適用可能である。なお、図1と図17とを
比較すれば分かるように、可飽和リアクタ101と従来
の可飽和リアクタ101Pとでは水平補正コイルL1〜
L4及びコア1〜4の配置位置が異なる。
【0061】可飽和リアクタ101では、マグネット1
1,12,21,22がコア1〜4に、したがって水平
補正コイルL1〜L4にバイアス磁界Bmを供給する。
このとき、マグネット11,22は(図1の上面図にお
いて)同じ向きのバイアス磁界Bmを形成する一方で、
マグネット12,21は上記マグネット11,22とは
逆向きのバイアス磁界Bmを形成する(図2参照)。ま
た、可飽和リアクタ101では、水平補正コイルL1,
L4が(図1の上面図において)同じ向きの磁界を発生
するように且つ水平補正コイルL2,L3が上記コイル
L1,L4とは逆向きの磁界を発生するように、コイル
L1〜L4の巻線方向が又はコイルL1〜L4に流れる
電流の向きが設定される。かかる構成・設定の下、可飽
和リアクタ101は以下のように動作・作用する。
【0062】ここで、図3に可飽和リアクタ101の各
コア1〜5の飽和/非飽和状態を説明するための模式図
を示し、図4〜図9は画面上の各位置における可飽和リ
アクタ101に生じる磁界を説明するための模式図を示
す。なお、図4〜図9ではホルダ30の図示化を省略し
ている。
【0063】図3は水平偏向電流IHを横軸に又垂直偏
向電流IVを縦軸に取った座標平面を表しており、横軸
はCRTのスクリーンないしは画面の横方向に又縦軸は
画面縦方向に対応する。図3中の9つのマーク(それぞ
れ5つの4角形から成る)は、各マークの図示位置に対
応した画面上の位置へ電子ビームを偏向する場合に可飽
和リアクタ101の各コア1〜5が飽和状態又は非飽和
状態のいずれにあるかを示している。なお、非飽和状態
にあるコアを白い4角形で又飽和状態にあるコアを黒い
4角形で図示している。
【0064】まず、画面中央へ電子ビームを偏向する場
合(IH=0,IV=0)、水平補正コイルL1〜L4
及び垂直補正コイルL5のいずれにも電流が流れないた
め、図4に示すようにコア1〜4にはマグネット11,
12,21,22が発生するバイアス磁界Bmのみが作
用している。このとき、コア1〜4は全て飽和してい
る。
【0065】画面左端ないしは横軸左端へ偏向する場合
(IH=min,IV=0)、図5に示すように、水平
補正コイルL1,L3が発生する磁界Bhはマグネット
11,12が発生するバイアス磁界Bmと同じ向きであ
るのに対して、水平補正コイルL2,L4が発生する磁
界Bhはマグネット22,21が発生するバイアス磁界
Bmと逆向きになる。このため、コア1,3が飽和した
状態であるのに対して、コア2,4の飽和が解ける(非
飽和状態になる)。
【0066】逆に、画面右端ないしは横軸右端へ偏向す
る場合(IH=max,IV=0)、図6に示すよう
に、水平補正コイルL1,L3が発生する磁界Bhはマ
グネット11,12が発生するバイアス磁界Bmと逆向
きになり、水平補正コイルL2,L4が発生する磁界B
hはマグネット22,21が発生するバイアス磁界Bm
と同じ向きになる。このため、コア1,3の飽和が解
け、コア2,4が飽和状態になる。
【0067】画面上端ないしは縦軸上端へ偏向する場合
(IH=0,IV=max)、図7に示すように、垂直
補正コイルL5が発生する磁界Bvはマグネット11,
22が発生するバイアス磁界Bmと同じ向きであるのに
対して、マグネット12,21が発生するバイアス磁界
Bmとは逆向きになる。このため、コア3,4の飽和が
解け、コア1,2が飽和した状態となる。
【0068】逆に、画面下端ないしは縦軸下端へ偏向す
る場合(IH=0,IV=min)、図8に示すよう
に、垂直補正コイルL5が発生する磁界Bvはマグネッ
ト11,22が発生するバイアス磁界Bmとは逆向きに
なり、マグネット12,21が発生するバイアス磁界B
mと同じ向きになる。このため、コア1,2の飽和が解
け、コア3,4が飽和した状態となる。
【0069】画面左上へ偏向する場合(IH=min,
IV=max)は上述の画面左端及び画面上端へ偏向す
る場合の両状態が重なったものと考えることができる
(図9参照)。この場合、コア1〜4の飽和/非飽和状
態はマグネット11,12,21,22、水平補正コイ
ルL1〜L4及び垂直補正コイルL5が発生する各磁界
の強さのバランスによって決まる。
【0070】可飽和リアクタ101では、水平補正コイ
ルL1〜L4が発生する磁界Bhの方が垂直補正コイル
L5が発生する磁界Bvよりも弱くなるように、各コイ
ルL1〜L5の巻数比が調整されている。より具体的に
は、垂直補正コイルL5による磁界Bvが働いている場
合には水平補正コイルL1〜L4による磁界Bhの作用
を無視しうる程度に上記巻線比が調整されている。
【0071】したがって、画面左上へ偏向する場合のコ
ア1〜5の状態は画面上端へ偏向する場合のそれに近い
と考えることができる。すなわち、コア3,4の飽和が
解け、コア1,2が飽和した状態になる。
【0072】また、画面右上へ偏向する場合(IH=m
ax,IV=max)におけるコア1〜4の飽和/非飽
和状態も、画面上端及び左上へ偏向する場合と同様であ
る。
【0073】同様に、画面左下へ偏向する場合(IH=
min,IV=min)及び画面右下へ偏向する場合
(IH=max,IV=min)におけるコア1〜4の
飽和/非飽和状態は画面下端へ偏向する場合と同様であ
る。すなわち、コア1,2の飽和が解け、コア3,4が
飽和した状態になる。
【0074】このように、図1と図17とを比較すれば
分かるように(ただし、コア1〜4の配置位置は異な
る)、可飽和リアクタ101のコア1〜4の飽和/非飽
和状態は、従来の可飽和リアクタ101Pのそれらと同
じである。
【0075】ところで、図1の可飽和リアクタ101に
おいて、コア5を介して同じ極性の磁極が対面するよう
に4個のマグネット11,12,21,22を配置して
も構わない。例えば、可飽和リアクタ101の各マグネ
ット21,22の磁極を反転させても構わない(図1と
後述の図10とを参照)。
【0076】このとき、そのように磁極を反転させた可
飽和リアクタ101においては水平補正コイルL2,L
3に供給されるバイアス磁界が同じ向きになる。また、
上述のように、水平補正コイルL2,L3は同じ向きの
磁界が発生するように巻線方向等が設定される。このた
め、上述のように変形した可飽和リアクタ101では、
回路上、水平補正コイルL2,L3を等価な素子として
利用可能である。
【0077】かかる点に鑑みれば、図10の模式的な外
観図(側面図及び上面図)に示す可飽和リアクタ102
は従来の可飽和リアクタ101Pに代えて既述の図14
のPQv補正回路及び図16の中間ピン歪補正回路に適
用可能である。可飽和リアクタ102は、上述のように
変形した可飽和リアクタ101においてコイルL2をコ
イルL4として又コイルL4をコイルL2として、更に
マグネット22をマグネット21として又マグネット2
1をマグネット22として扱う構成にあたる。
【0078】この様に構成しても、図1の可飽和リアク
タ101と同様の効果を得ることができる。
【0079】<実施の形態2>図11に実施の形態2に
係る可飽和リアクタ103の模式的な外観図(側面図及
び上面図)を示す。図11と図1とを比較すれば分かる
ように、可飽和リアクタ103は、既述の可飽和リアク
タ101の閉磁部材14,24に代えて、閉磁部材1
5,25を備えている。可飽和リアクタ103において
コア1〜5、コイルL1〜L5及びマグネット11,1
2,21,22及びホルダ30の配置形態は可飽和リア
クタ101と同様である。
【0080】詳細には、閉磁部材15,25は大略U字
型をしており、かかる形状に起因してバネ作用ないしは
バネ弾性を有している。なお、閉磁部材15,25は既
述の閉磁部材14,24と同様の材質から成る。そし
て、閉磁部材15は上記U字型の両腕部で第1マグネッ
ト11、コア1,5,2及び第2マグネット22を挟持
しており、同様に閉磁部材25は上記U字型の両腕部で
第2マグネット12、コア3,5,4及び第1マグネッ
ト21を挟持している。つまり、可飽和リアクタ101
では、コア5を介して対面する2個のマグネット11,
22に対して閉磁部材15が設けられており、同様に2
個のマグネット12,21に対して閉磁部材25が設け
られている。
【0081】したがって、可飽和リアクタ103では、
閉磁部材15によって第1マグネット11のN極と第2
マグネット22のS極とが磁気的に結合し、閉磁部材2
5によって第1マグネット21のN極と第2マグネット
12のS極とが磁気的に結合する。
【0082】なお、可飽和リアクタ103では、第1及
び第2マグネット11,22並びに閉磁部材15を含む
構成が第1バイアス磁界供給部10にあたり、第1及び
第2マグネット21,12並びに閉磁部材25を含む構
成が第2バイアス磁界供給部20にあたる。
【0083】可飽和リアクタ103によれば既述の可飽
和リアクタ101と同様の効果が得られる。特に、閉磁
部材15,25は既述の閉磁部材14,24よりも長い
帯状部分(閉磁部材15,25が成すU字型の底部)を
有している。該長い帯状部分は撓みやすいので、閉磁部
材15,25はバネ弾性がより大きい。したがって、バ
ネ弾性に起因した既述の効果がより顕著に得られる。
【0084】<実施の形態3>図12に実施の形態3に
係る可飽和リアクタ104の模式的な外観図(側面図及
び上面図)を示す。図12と図1とを比較すれば分かる
ように、可飽和リアクタ104は、既述の可飽和リアク
タ101のマグネット11,12,21,22及び閉磁
部材14,24に代えて、N極及びS極の両磁極を有す
る単一のU字型マグネット(ないしは第3マグネット)
13,23を備えている。なお、可飽和リアクタ104
においてコア1〜5、コイルL1〜L5及びホルダ30
の配置形態は可飽和リアクタ101と同様である。
【0085】詳細には、U字型マグネット13はS極を
コア1の上記他方の端面に接触させて又N極をコア3の
上記他方の端面に接触させて配置されている。同様に、
U字型マグネット23はS極をコア4の上記他方の端面
に接触させて又N極をコア2の上記他方の端面に接触さ
せて配置されている。これにより、U字型マグネット1
3,23がコア1〜4に、したがって水平補正コイルL
1〜L4にバイアス磁界Bmを供給する。
【0086】なお、可飽和リアクタ104では、U字型
マグネット13が第1バイアス磁界供給部10にあた
り、U字型マグネット23を含む構成が第2バイアス磁
界供給部20にあたる。
【0087】可飽和リアクタ104によれば、既述の閉
磁部材14,15,24,25を用いた可飽和リアクタ
101〜103と比較して部品数及び製造工程数が減る
ので、製造効率を向上させることができる。
【0088】なお、例えば可飽和リアクタ101のマグ
ネット21,22及び閉磁部材24をU字型マグネット
23に変えて、閉磁部材とU字型マグネットとを組み合
わせても構わない。
【0089】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、4個の水
平補正コイルのそれぞれに磁極が設けられている。この
ため、例えば2個の水平補正コイルに対して共通に単一
の磁極を設けた従来の可飽和リアクタとは異なり、水平
補正コイルの端面と同程度の(あるいはそれ以下の)大
きさの磁極を用いることができる。すなわち、4個の磁
極を上記従来の可飽和リアクタよりも小型のマグネット
で以て構成することができる。したがって、バイアス磁
界を有効に(効率良く)供給することができる。更に、
磁極からの洩れ磁界を低減することができ、その結果、
該洩れ磁界に起因したミスコンバーゼンスを低減してC
RTの表示品質を向上することができる。更に、小型マ
グネットの適用によりコストを削減することができる。
【0090】請求項2に係る発明によれば、閉磁部材に
よって第1マグネットの第3磁極及び第2マグネットの
第4磁極からの磁界の洩れを抑制することができる。し
たがって、該洩れ磁界に起因したミスコンバーゼンスを
低減してCRTの表示品質を向上することができる。
【0091】更に、閉磁部材を設けない場合と比較して
磁路抵抗が小さくなるので、第1及び第2マグネットと
して磁力がより弱いマグネットを用いても水平補正コイ
ルのコアを飽和させることができる。したがって、弱い
マグネットの適用によりコストを削減することができ
る。
【0092】請求項3に係る発明によれば、安価な電磁
鋼部材により、低コストに閉磁部材を、したがって可飽
和リアクタを提供することができる。
【0093】請求項4に係る発明によれば、可飽和リア
クタが備えるコア付き垂直補正コイル等の部品をホルダ
内に収容する場合に、閉磁部材の弾性変形によって各部
品毎の寸法ばらつきを、換言すれば全体としての累積的
ばらつきを吸収することができる。これにより、部品の
品質管理が緩和され、製造効率を向上させることができ
る。更に、閉磁部材を押さえとして働かせることができ
る。
【0094】請求項5に係る発明によれば、閉磁部材を
用いる場合と比較して部品数及び製造工程数が減るの
で、製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る可飽和リアクタの模式的
な外観図である。
【図2】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
バイアス磁界を説明するための模式図である。
【図3】 実施の形態1に係る可飽和リアクタの各コア
の飽和/非飽和状態を説明するための模式図である。
【図4】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図5】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図6】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図7】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図8】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図9】 実施の形態1に係る可飽和リアクタにおける
磁界を説明するための模式図である。
【図10】 実施の形態1に係る他の可飽和リアクタの
模式的な外観図である。
【図11】 実施の形態2に係る可飽和リアクタの模式
的な外観図である。
【図12】 実施の形態3に係る可飽和リアクタの模式
的な外観図である。
【図13】 垂直方向ミスコンバーゼンス(PQv)を
説明するための模式図である。
【図14】 従来のPQv補正回路を説明するための回
路図である。
【図15】 中間ピン歪(糸巻型歪)を説明するための
模式図である。
【図16】 従来の中間ピン歪補正回路を説明するため
の回路図である。
【図17】 従来の可飽和リアクタの模式的な外観図で
ある。
【図18】 従来の可飽和リアクタの各コアの飽和/非
飽和状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1〜5 コア、10 第1バイアス磁界供給部、11,
21 第1マグネット、12,22 第2マグネット、
13,23 U字型マグネット(第3マグネット)、1
4,15,24,25 閉磁部材、20 第2バイアス
磁界供給部、101〜104 可飽和リアクタ、Bm
バイアス磁界、L1〜L4 水平補正コイル、L5 垂
直補正コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 正雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5C042 HH01 HH07 5C060 BE02 BE07 CA03 CE03 CF03 CF08 HA09 JA00 5C068 AA17 BA08 BA16 JA01 JB01 KA14 KA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア付き垂直補正コイルと、 前記垂直補正コイルと磁気的に結合するように配置され
    た4個のコア付き水平補正コイルと、 前記4個の水平補正コイルのうちの2個にバイアス磁界
    を与えるための互いに極性が異なる2個の磁極を含む第
    1バイアス磁界供給部と、 前記4個の水平補正コイルのうちの残りの2個にバイア
    ス磁界を与えるための互いに極性が異なる2個の磁極を
    含む第2バイアス磁界供給部とを備える、可飽和リアク
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可飽和リアクタであっ
    て、 前記第1又は/及び第2バイアス磁界供給部は、 前記2個の磁極のうちの第1磁極を有する第1マグネッ
    トと、 前記2個の磁極のうちの第2磁極を有する第2マグネッ
    トとを含み、 前記第1マグネットは、前記第1磁極とは極性が反対の
    第3磁極を有し、 前記第2マグネットは、前記第2磁極とは極性が反対の
    第4磁極を有し、 前記第1又は/及び第2バイアス磁界供給部は、前記第
    1マグネットの前記第3磁極と前記第2マグネットの前
    記第4磁極とを磁気的に結合する閉磁部材を更に含む、
    可飽和リアクタ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の可飽和リアクタであっ
    て、 前記閉磁部材は電磁鋼部材を含む、可飽和リアクタ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の可飽和リ
    アクタであって、 前記閉磁部材はバネ弾性を有する、可飽和リアクタ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の可飽和リアクタであって、 前記第1又は/及び第2バイアス磁界供給部は、前記2
    個の磁極を有する単一の第3マグネットを含む、可飽和
    リアクタ。
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