JP2000188765A - ミスコンバージェンス補正装置 - Google Patents

ミスコンバージェンス補正装置

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JP2000188765A
JP2000188765A JP10363869A JP36386998A JP2000188765A JP 2000188765 A JP2000188765 A JP 2000188765A JP 10363869 A JP10363869 A JP 10363869A JP 36386998 A JP36386998 A JP 36386998A JP 2000188765 A JP2000188765 A JP 2000188765A
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coils
magnetic field
coil
horizontal
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Kyosuke Aoki
恭介 青木
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面コーナーの横ミスコンバージェンスを補
正可能なこれまでのミスコンバージェンス補正装置で
は、カラー陰極線管の前面スクリーンの画面上に生じる
中間左右ピン歪の補正については考慮がなされていなか
った。 【解決手段】 固定バイアス磁界が与えられるコイルL
1,L2を有する第1の可飽和リアクタ11と、固定バ
イアス磁界が与えられ、かつコイルL5によって垂直偏
向電流に応じた可変バイアス磁界が与えられるコイルL
3,L4を有する第2の可飽和リアクタ12とを並列に
接続し、またブリッジ回路23の回路出力端O,P間に
コイルL6〜L9のブリッジ回路24を接続し、このブ
リッジ回路24の回路出力端Q,R間にコンバージェン
ス補正用コイルLc1〜Lc4を接続する。そして、コ
イルL1〜L4のブリッジ回路23の入力端S,T間
に、水平偏向コイルL12,L13を通してノコギリ波
の水平偏向電流を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機やディスプレイモニター等で使用するカラー陰極線管
(CRT)のミスコンバージェンスを補正するミスコン
バージェンス補正装置に関し、特に可飽和リアクタを用
いてミスコンバージェンスの補正をなすミスコンバージ
ェンス補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コアに巻回されかつ互いに直列に接続さ
れた第1,第2のコイルと、同コアに巻回されかつ互い
に直列に接続された第3,第4のコイルとをブリッジ状
に結線し、同コアを通して第1,第4のコイルと第2,
第3のコイルに対して固定のバイアス磁界を与える構成
の可飽和リアクタを用いて、カラー陰極線管のミスコン
バージェンスを補正するミスコンバージェンス補正装置
が知られている。
【0003】上記構成のミスコンバージェンス補正装置
では、第1,第3のコイルの接続点と第2,第4のコイ
ルの接続点が水平偏向コイルに接続される一方、第1,
第2のコイルの共通接続点と第3,第4のコイルの共通
接続点との間にコンバージェンス補正用コイルが接続さ
れ、水平偏向コイルを通してノコギリ波状の水平偏向電
流が供給されることで、コンバージェンス補正用コイル
には水平周期のパラボラ状波形電流(以下、パラボラ電
流と称す)が流れ、これによって横ミスコンバージェン
スの補正が行われる。
【0004】また、第1〜第4のコイルと同じコアにバ
イアス用コイルを巻回し、このバイアス用コイルに垂直
周期のパラボラ電流を供給することによって第1〜第4
のコイルに与える可変バイアス磁界を形成する構成の可
飽和リアクタを用いたミスコンバージェンス補正装置も
知られている(例えば、特開平4−298943号公報
参照)。このミスコンバージェンス補正装置では、コン
バージェンス補正用コイルにパラボラ電流が水平周期で
供給されるとともに、この水平周期のパラボラ電流が垂
直周期で変調されるため、特に画面のコーナー部の横ミ
スコンバージェンスを補正することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のミスコンバージェンス補正装置では、上記公報
の開示内容から明らかなように、バイファイラー巻され
た2組のコイルが必要とされるので、構造が複雑とな
り、コストの面でも不利である。しかも、特に画面コー
ナーの横ミスコンバージェンスについては補正できるも
のの、カラー陰極線管の前面スクリーンの画面上に生じ
る中間左右ピンクッション歪(縦線内部ピンクッション
歪)の補正については考慮がなされていなかった。
【0006】ここで、この中間左右ピンクッション歪に
ついて説明する。テレビジョン受像機において、電子ビ
ームを偏向してカラー陰極線管の前面スクリーンに投影
することによって形成される画像には、いわゆるピンク
ッション形状の歪が生じる。このピンクッション歪(以
下、ピン歪と略称する)は、上下横線歪や縦線歪であ
る。しかし、これらの歪を補正しても、前面スクリーン
の画面上には、中間左右ピン歪が生じる。
【0007】図11に、中間左右ピン歪について、前面
スクリーンを正面から見た状態を示す。同図において、
Oは画面の横方向の中心を通る中心線である。カラー陰
極線管において、画面の左右両端が直線となるように補
正すると、図11に実線で示したように、中心線Oに近
いほど大きな補正残りが生じる。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、構造が簡単で、かつ
画面コーナーの横ミスコンバージェンスについて補正で
きることに加えて、中間左右ピン歪についても補正可能
なミスコンバージェンス補正装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるミスコンバ
ージェンス補正装置では、第1,第2のコイルを直列に
接続し、これらコイルに対して固定バイアス磁界を与え
てなる第1の可飽和リアクタと、第3,第4のコイルを
直列に接続し、これらコイルに対して固定バイアス磁界
を与えるとともに、垂直周期の電流に応じた可変バイア
ス磁界を与えてなる第2の可飽和リアクタとを並列に接
続し、また第1,第2のコイルの共通接続点と第3,第
4のコイルの共通接続点との間に、4つのコイルをブリ
ッジ状に接続するとともに、このブリッジ回路の回路出
力端間にコンバージェンス補正用コイルを接続する。そ
して、第1,第2のコイルおよび第3,第4のコイルに
対して水平偏向電流を供給する。
【0010】上記構成のミスコンバージェンス補正装置
において、第1,第2の可飽和リアクタが並列に接続さ
れることで、固定バイアス磁界が与えられている第1,
第2のコイルと第3,第4のコイルが第1のブリッジ回
路を形成する。そして、この第1のブリッジ回路に水平
偏向電流を供給することで、当該ブリッジ回路の各コイ
ルのインダクタンスが流れる電流の方向に応じて増減す
る。このインダクタンスの増減に伴い、第1のブリッジ
回路の回路出力端間に接続されている4つのコイルから
なる第2のブリッジ回路に水平周期のパラボラ電流が流
れる。
【0011】また、第3,第4のコイルに対して垂直周
期の電流に応じた可変バイアス磁界が与えられることか
ら、第2のブリッジ回路の回路出力端間に接続されてい
るコンバージェンス補正用コイルには垂直周期で変調さ
れた水平周期のパラボラ電流が補正電流として流れる。
これにより、画面の上下端と中央部では電流値が異な
り、コンバージェンス補正量も変化する。その結果、画
面コーナーの横ミスコンバージェンスの補正が行われ
る。
【0012】さらに、第2の可飽和リアクタにおいて、
第3,第4のコイルが水平補正コイルとして、垂直周期
の電流に応じた可変バイアス磁界を与える垂直変調用コ
イルが垂直補正コイルとしても機能する。すなわち、こ
の2つの水平補正コイルとこれに固定バイアス磁界を与
える永久磁石および1つの垂直補正コイルの作用によ
り、画面の上下に偏向した場合に、中間部で画サイズが
小さくなり、左右のコーナー部では画サイズが等しくな
り、画面上では、中間左右ピン歪の補正が行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施形態に係るミスコンバージェンス補正装置の回路図
である。
【0014】図1において、第1の可飽和リアクタ11
は、互いに直列に接続された第1,第2のコイルL1,
L2を有し、この2つのコイルL1,L2に対して固定
バイアス磁界を与える構成となっている。
【0015】すなわち、図2に示すように、2つのコイ
ルL1,L2は、第1,第2のドラムコア12,13に
それぞれ逆方向の磁界を発生する巻線方向で巻回され、
両コア12,13間に介在する永久磁石14によって固
定バイアス磁界が与えられている。本例では、永久磁石
14は、ドラムコア12側がN極、ドラムコア13側が
S極になるように配置されている。そして、2つのコイ
ルL1,L2、2つのドラムコア12,13および永久
磁石14は、ケース15に収納されている。
【0016】また、第2の可飽和リアクタ16は、互い
に直列に接続された第3,第4のコイルL3,L4を有
し、この2つのコイルL3,L4に対して固定バイアス
磁界を与えるとともに、垂直変調用コイルである第5の
コイルL5によって垂直周期の電流に応じた可変バイア
ス磁界を与える構成となっている。
【0017】すなわち、図3に示すように、2つのコイ
ルL3,L4は、第1,第2のドラムコア17,18に
それぞれ逆方向の磁界を発生する巻線方向で巻回され、
両ドラムコア17,18の外側に配置された2つの永久
磁石19,20によって固定バイアス磁界が与えられる
とともに、両ドラムコア17,18間に介在するドラム
コア21に巻回された垂直変調用コイルL5によって当
該コイルL5に流れる垂直周期の電流に応じた可変バイ
アス磁界が与えられるようになっている。
【0018】本例では、永久磁石19はドラムコア17
側がS極となるように、永久磁石20はドラムコア18
側がN極となるようにそれぞれ配置されている。そし
て、3つのコイルL3,L4,L5、3つのドラムコア
17,18,21および2つの永久磁石19,20は、
ケース22に収納されている。
【0019】上記構成の第1,第2の可飽和リアクタ1
1,16は、電気的に互いに並列に接続されている。す
なわち、第1の可飽和リアクタ11の第1,第2のコイ
ルL1,L2と、第2の可飽和リアクタ16の第3,第
4のコイルL3,L4とが並列に接続されて第1のブリ
ッジ回路23を形成している。
【0020】第1〜第4のコイルL1〜L4からなる第
1のブリッジ回路23において、当該ブリッジ回路23
の回路出力端間、即ち第1,第2のコイルL1,L2の
共通接続点Oと第3,第4のコイルL3,L4の共通接
続点Pとの間には、第6,第7のコイルL6,L7が互
いに直列に接続され、さらに第8,第9のコイルL8,
L9が互いに直列に接続されている。すなわち、直列接
続の第6,第7のコイルL6,L7と、直列接続の第
8,第9のコイルL8,L9とが互いに並列に接続され
て第2のブリッジ回路24を形成している。
【0021】4つのコイルL6〜L9からなる第2のブ
リッジ回路24において、当該ブリッジ回路24の回路
出力端間、即ち第6,第7のコイルL6,L7の共通接
続点Qと第8,第9のコイルL8,L9の共通接続点R
との間には、コンバージェンス補正用コイルLc1〜L
c4が接続されている。このコンバージェンス補正用コ
イルLc1〜Lc4は四重極コイルであり、カラー陰極
線管のネック部に配される。
【0022】すなわち、コンバージェンス補正ヨークの
構成の一例を示す図4において、カラー陰極線管のネッ
ク部41を左右から挟むように略U字形状の一対のコア
42a,42bが配され、この一対のコア42a,42
bの各脚部にコンバージェンス補正用コイルLc1〜L
c4が巻回されている。
【0023】再び図1において、互いに並列に接続され
た水平偏向コイルL10,L11および互いに直列に接
続された垂直偏向コイルL12,L13は偏向ヨークの
コイルであり、水平偏向コイルL10,L11には図示
せぬ水平偏向回路から水平周期のノコギリ波形状の電
流、即ち水平偏向電流が供給され、垂直偏向コイルL1
2,L13には図示せぬ垂直偏向回路から垂直周期のノ
コギリ波形状の電流、即ち垂直偏向電流が供給される。
その結果、電子ビームの偏向が行われる。
【0024】そして、水平偏向電流は水平偏向コイルL
10,L11を通して、コイルL1〜L4からなるブリ
ッジ回路23の入力端間、即ちコイルL1,L3の共通
接続点SとコイルL2,L4の共通接続点Tとの間に流
れる。一方、垂直偏向コイルL12,L13の直列回路
に対して、抵抗R1,可変抵抗VRおよび抵抗R3の直
接回路が並列に接続され、可変抵抗VRの摺動子が垂直
偏向コイルL12,L13の共通接続点Uに接続されて
いる。
【0025】また、第2の可飽和リアクタ16の垂直変
調用コイルL5の一端にはダイオードD1,D2の各カ
ソードが接続され、その他端には抵抗R3,R4の各一
端が接続されている。ダイオードD1のアノードと抵抗
R3の他端が、またダイオードD2のアノードと抵抗R
4の他端がそれぞれ接続されている。ダイオードD1の
アノードと抵抗R3の他端はさらに、垂直偏向コイルL
13と抵抗R2の共通接続点に接続されている。
【0026】次に、上記構成の本実施形態に係るミスコ
ンバージェンス補正装置の回路動作について説明する。
【0027】先ず、第1,第2の可飽和リアクタ11,
16において、4つのコイルL1,L2,L3,L4が
ブリッジ状に接続され、互いに逆方向の磁界が発生する
ように巻回された第1,第2のコイルL1,L2に対し
て永久磁石14によって固定バイアス磁界が与えられ、
第3,第4のコイルL3,L4に対してそれぞれ永久磁
石19,20によって固定バイアス磁界が与えられてい
る状態での回路動作について、図5の原理説明図を用い
て説明する。
【0028】第1のブリッジ回路23の2つの回路入力
端間、即ちコイルL1,L3の共通接続点SとコイルL
2,L4の共通接続点Tとの間に、水平偏向コイルL1
0,L11を通してノコギリ波状の水平偏向電流を供給
したとき、電流が図5に実線の矢印で示すように接続点
Sに流入したとすると、コイルL1,L4によって固定
バイアス磁界と同一方向の磁界が発生し、またコイルL
2,L3によって当該バイアス磁界と反対方向の磁界が
発生する。
【0029】このとき、コイルL1,L4での磁界は、
水平偏向電流に応じて発生した磁界が固定バイアス磁界
と同一方向であることから増加する。したがって、コイ
ルL1,L4のインダクタンスが減少する。また、コイ
ルL2,L3での磁界は、水平偏向電流に応じて発生し
た磁界が固定バイアス磁界と反対方向であることから減
少する。したがって、コイルL2,L3のインダクタン
スが増加する。これにより、共通接続点Sから流入した
電流は、インダクタンスの小さい方のコイルを流れるこ
とになる。
【0030】すなわち、共通接続点Sから流れ込んだ電
流は、図5に実線の矢印で示すように、コイルL1を流
れた後共通接続点OからコイルL6〜L9の第2のブリ
ッジ回路24に流入し、当該ブリッジ回路24を流れた
後共通接続点Pから流出し、さらにコイルL4を経て共
通接続点Tから外部へ流れ出る。
【0031】一方、ノコギリ波の水平偏向電流が図5に
破線の矢印で示すように共通接続点Tに流入すると、コ
イルL1,L4によって固定バイアス磁界と反対方向の
磁界が発生し、またコイルL2,L3によって当該バイ
アス磁界と同一方向の磁界が発生する。
【0032】このとき、コイルL1,L4での磁界は、
水平偏向電流に応じて発生した磁界が固定バイアス磁界
と反対方向であることから減少する。したがって、コイ
ルL1,L4のインダクタンスが増加する。また、コイ
ルL2,L3での磁界は、水平偏向電流に応じて発生し
た磁界が固定バイアス磁界と同一方向であることから増
加する。したがって、コイルL2,L3のインダクタン
スが減少する。これにより、共通接続点Tから流入した
電流は、先の場合と同様に、インダクタンスの小さい方
のコイルを流れることになる。
【0033】すなわち、共通接続点Tから流れ込んだ電
流は、図5に破線の矢印で示すように、コイルL2を流
れた後共通接続点OからコイルL6〜L9の第2のブリ
ッジ回路24に流入し、当該ブリッジ回路24を流れた
後共通接続点Pから流出し、さらにコイルL3を経て共
通接続点Sから外部へ流れ出る。
【0034】このように、ブリッジ状に結線された4つ
のコイルL1〜L4に流れる電流の方向にかかわらず、
4つのコイルL6〜L9からなる第2のブリッジ回路2
4には同一方向(図の矢印方向)の電流が流れるため、
この電流の波形は図6の波形図に示すようにパラボラ状
波形に近いものとなる。すなわち、この水平周期のパラ
ボラ電流がコイルL6〜L9のブリッジ回路24に流れ
ることになる。
【0035】次に、第2の可飽和リアクタ16の回路動
作について説明する。この第2の可飽和リアクタ16で
は、ノコギリ波の垂直偏向電流が垂直偏向コイルL1
2,L13に供給されると、この垂直偏向電流がダイオ
ードD1,D2で整流されて第5のコイルL5に流れる
ことにより、第3,第4のコイルL3,L4には垂直偏
向電流に応じた可変バイアス磁界が発生する。この可変
バイアス磁界は、第3,第4のコイルL3,L4に対す
る永久磁石19,20による固定バイアス磁界を打ち消
す方向の磁界である。
【0036】このように、第2の可飽和リアクタ16に
おいて、ノコギリ波状の垂直偏向電流を整流した電流を
第5のコイルL5に供給し、第3,第4のコイルL3,
L4にその固定バイアス磁界を打ち消す方向の可変バイ
アス磁界を発生させることにより、コイルL6〜L9の
ブリッジ回路24には、垂直周期で変調された水平周期
のパラボラ電流が流れることになる。
【0037】ここで、ブリッジ回路24において、コイ
ルL6〜L9の各インダクタンスを当該ブリッジが不平
衡となるように設定しておくことにより、ブリッジ回路
24の回路出力端Q,R間に接続されているコンバージ
ェンス補正用コイルLc1〜Lc4にはその不平衡条件
に応じて、図7の波形図に示すように、垂直周期で変調
された水平周期のパラボラ電流が流れることになる。
【0038】ところで、図4のコンバージェンス補正ヨ
ークの概略構成図において、同図に矢印で示す方向の電
流がコンバージェンス補正用コイルLc1〜Lc4に流
れると、コンバージェンス補正用コイルLc1〜Lc4
による磁界の発生によってコア42a,42bの各端部
が図示のような極性となる。その結果、緑色のセンター
ビームGに対してその両側の青色,赤色の再度ビーム
B,Rが外方向に変位してX軸(水平走査軸)の左右両
端近傍で発生する対称横ミスコンバージェンスの補正が
行われる。
【0039】そして、上述したように、垂直周期で変調
された水平周期のパラボラ電流がコンバージェンス補正
用コイルLc1〜Lc4に流れることにより、画面の上
下端と中央部では電流値(磁界の大きさ)が異なり、コ
ンバージェンス補正量も変化するため、画面コーナーの
横ミスコンバージェンスの補正が行われる。
【0040】また、図3に示す第2の可飽和リアクタ1
6、即ち第3〜第5のコイルL3〜L5および永久磁石
19,20は、中間左右ピン歪を補正する機能をも持
つ。このとき、第3,第4のコイルL3,L4は水平補
正コイルとして機能し、第5のコイル、即ち垂直変調用
コイルL5は垂直補正コイルとして機能する。
【0041】なお、以下の説明では、右側偏向の場合を
例に採って説明するが、左側偏向の場合にも、基本的に
は同様である。また、第3,第4のコイルL3,L4を
水平補正コイルL3,L4と称し、垂直変調用コイルL
5を垂直補正コイルと称するものとする。
【0042】右側偏向の場合において、一方の水平補正
コイル、例えばコイルL3が発生する磁界の方向は、一
対の永久磁石19,20による固定バイアス磁界の方向
と逆であり、他方の水平補正コイルL4が発生する磁界
の方向は、当該バイアス磁界の方向と同じであるとす
る。
【0043】また、カラー陰極線管の画面上の位置は、
図8に示す関係になっているものとする。図8は、画面
上の表示位置の関係を説明する図であり、前面スクリー
ンを正面から見た状態を示している。図8において、
A,B,E,Fは画面の水平方向の各位置を、C,D,
G,Hは水平方向の各位置A,B,E,Fの上下方向の
位置をそれぞれ示している。
【0044】先述した画面上の中間左右ピン歪は、図8
の画面上では、位置A,Eにおいて特に顕著に現れる。
これらの位置A,Eは、画面の中心と水平方向の左右端
の位置B,Fとの中間に位置しているので、以下、中間
部と言う。
【0045】右側偏向の場合、中間左右ピン歪が生じる
と、図11に示したように、図8の中間部Aがその上下
方向の位置Cよりも画面の中心側になる。なお、左側偏
向の場合は、画面の中心位置を通る垂直線に対して左右
対称の関係にあるので、中間部Eとその上下方向の位置
Cと同様である。
【0046】以下には、画面上の位置(表示位置)A〜
Gを、それぞれ図8のように定義して、各位置A〜Gに
おけるコイルのインダクタンスの変化状態を説明する。
【0047】図3において、水平補正コイルL3が発生
する磁界の方向は、一対の永久磁石19,20による固
定バイアス磁界の方向と逆である。右側偏向の場合、図
8の位置A,B,C,Dにおいて、水平補正コイルL3
のインダクタンスは、磁束密度の変化に伴って図9の特
性図に示すようになる。図9は、水平補正コイルL3に
ついて、磁束密度とインダクタンスの変化状態の一例を
示す特性図である。図9において、横軸は磁束密度に対
応する位置を、縦軸はインダクタンスをそれぞれ示す。
【0048】他方、水平補正コイルL4が発生する磁界
の方向は、一対の永久磁石19,20による固定バイア
ス磁界の方向と同じである。右側偏向の場合、図8の位
置A,B,C,Dにおいて、水平補正コイルL4のイン
ダクタンスは、磁束密度の変化に伴って図10の特性図
に示すようになる。図10は、水平補正コイルL4につ
いて、磁束密度とインダクタンスの変化状態の一例を示
す特性図である。図10において、横軸は磁束密度に対
応する位置を、縦軸はインダクタンスをそれぞれ示す。
【0049】図9および図10において、白矢印Mは一
対の永久磁石19,20によるバイアス磁束密度、斜線
の矢印Aは水平補正コイルL3,L4による位置(中間
部)Aの磁束密度、網目の矢印Bは水平補正コイルL
3,L4による位置(右端)Bの磁束密度、実線の矢印
C,Dは垂直補正コイルL5による画面の上下端の位置
C,Dの磁束密度をそれぞれ示している。
【0050】また、インダクタンスL(1A)〜L(1D)は、
それぞれ位置A〜位置Dにおける水平補正コイルL3の
インダクタンスを示し、インダクタンスL(2A)〜L(2D)
は、それぞれ位置A〜位置Dにおける水平補正コイルL
4のインダクタンスを示している。
【0051】図1に示したように、水平補正コイルであ
る第3,第4のコイルL3,L4は互いに直列に接続さ
れており、またそのコイルL3,L4の巻線方向は逆方
向の磁界を発生するように互いに逆方向である。そし
て、この水平補正コイルL3,L4には、水平偏向回路
(図示せず)からノコギリ波の水平偏向電流が水平偏向
コイルL10,L11を通して供給される。
【0052】一方、垂直補正コイルL5には、垂直偏向
回路(図示せず)から垂直偏向コイルL12,L13に
供給されるノコギリ波の垂直偏向電流を、ダイオードD
1,D2によって整流した電流が流れる。これにより、
垂直周期で変調された可変バイアス磁界が垂直補正コイ
ルL5によって、一対の永久磁石19,20による固定
バイアス磁界を打ち消す方向に与えられる。その結果、
図8に示したそれぞれの位置A〜Dごとにインダクタン
スが変化する。
【0053】先ず、図9により、水平補正コイルL3に
ついて、中間部の位置Aとその上下方向の位置Cにおけ
るインダクタンスの変化を考察する。水平補正コイルL
3が発生する磁界の方向は、一対の永久磁石19,20
の磁界の方向と逆であり、その分だけバイアス磁界が加
わっている。
【0054】したがって、画面の中間部である位置Aの
インダクタンスL(1A)は、図9に示したように、白矢印
M(一対の永久磁石19,20によるバイアス磁束密
度)と、斜線の矢印A(水平補正コイルL3による位置
Aの磁束密度)との差、即ち斜線の矢印Aの先端に対応
する位置Aのインダクタンス(1A)となる。図9において
は、このインダクタンス(1A)はインダクタンスの最大値
とほぼ一致する。
【0055】また、画面上の位置Cにおけるインダクタ
ンスL(1C)は、斜線の矢印Aの位置から、実線の矢印C
(垂直補正コイルL5による画面の上下端の位置Cの磁
束密度)の分だけ左方、即ち実線の矢印Cの先端に対応
する。この位置CにおけるインダクタンスL(1C)は、位
置AのインダクタンスL(1A)よりもやや小さいが、イン
ダクタンスL(1A)とほぼ等しい値である。よって、L(1
A)≒L(1C)となる。
【0056】続いて、図10により、水平補正コイルL
4について、中間部の位置Aとその上下方向の位置Cに
おけるインダクタンスの変化を考察する。水平補正コイ
ルL4が発生する磁界の方向は、一対の永久磁石19,
20の磁界の方向と同じである。そのため、水平補正コ
イルL4の場合、位置AにおけるインダクタンスL(2A)
は、図10から明らかなように、白矢印M(一対の永久
磁石19,20によるバイアス磁束密度)と、斜線の矢
印A(水平補正コイルL4による位置Aの磁束密度)と
の差、即ち斜線の矢印Aの先端に対応する位置Aのイン
ダクタンス(2A)となる。
【0057】他方、画面上の位置Cにおけるインダクタ
ンスL(2C)は、斜線の矢印Aの位置から、実線の矢印C
(垂直補正コイルL5による画面の上下端の位置Cの磁
束密度)の分だけ左方、即ち実線の矢印Cの先端に対応
する。したがって、位置AのインダクタンスL(2A)と位
置CのインダクタンスL(2C)とを比べると、位置Aのイ
ンダクタンスL(2A)よりも位置CのインダクタンスL(2
C)の方が大きい。すなわち、L(2A)<L(2C)である。
【0058】そして、位置Aにおける水平補正コイルL
3,L4の合成インダクタンスL(1A)+L(2A)と、位置
Cにおける合成インダクタンスL(1C)+L(2C)とを比較
すると、L(1A)+L(2A)<L(1C)+L(2C)となる。その
結果、位置Aよりも位置Cの方がインダクタンスが大き
くなり、画サイズは小さくなる。
【0059】次に、図8に示した画面上の右端の位置B
とその上下方向の位置Dにつき、同様に、インダクタン
スの変化について考察する。
【0060】先ず、水平補正コイルL3については、図
9に示したように、位置BのインダクタンスL(1B)は、
網目の矢印Bの先端に対応する値で、位置Cにおけるイ
ンダクタンスL(1C)と等しい。位置Dのインダクタンス
L(1D)は、この網目の矢印Bの先端から、実線の矢印D
の長さ分だけ左方、即ち実線の矢印Dの先端に対応す
る。したがって、位置BのインダクタンスL(1B)と位置
DのインダクタンスL(1D)との関係は、図9からも明ら
かなように、L(1B)>L(1D)である。
【0061】また、水平補正コイルL4については、図
10に示したように、位置BのインダクタンスL(2B)
は、白矢印M(一対の永久磁石19,20によるバイア
ス磁束密度)と、網目の矢印Bとが加わった位置、即ち
網目の矢印Bの選択に対応する値である。同様に、位置
DのインダクタンスL(2D)は、この網目の矢印Bの先端
に対応する値よりも、実線の矢印Dの長さ分だけ左方、
即ち実線の矢印Dの先端に対応する。そして、両者の大
小関係は、L(2B)<L(2D)である。
【0062】そこで、位置Bにおける水平補正コイルL
3,L4の合成インダクタンスL(1B)+L(2B)と、位置
Dにおける水平補正コイルL3,L4の合成インダクタ
ンスL(1D)+L(2D)とが、L(1B)+L(2B)=L(1D)+L
(2D)となるように、水平補正コイルL3,L4のインダ
クタンスを変化させれば、位置Bと位置Dにおけるイン
ダクタンスを等しくすることができる。したがって、位
置Bと位置Dにおける画サイズも等しくなる。
【0063】以上の説明から明らかなように、互いに逆
方向の磁界が発生する巻線方向で巻回された一対の水平
補正コイルL3,L4、これら水平補正コイルL3,L
4に対して固定のバイアス磁界を与える一対の永久磁石
19,20および一つの垂直補正コイルL5の作用によ
り、中間左右ピン歪を補正することができる。すなわ
ち、画面の上下に偏向した場合に、中間部で画サイズが
小さくなり、左右の部分(コーナー部)では画サイズが
等しくなるので、画面上では、中間左右ピン歪が補正さ
れることになる。
【0064】また、このようにして中間左右ピン歪の補
正を実現する第2の可飽和リアクタ16を、コーナー横
ミスコンバージェンス補正に兼用したことにより、従来
技術のように、バイファイラー巻された2組のコイルを
用いなくても、コーナー横ミスコンバージェンス補正を
実現できるため、コーナー横ミスコンバージェンス補正
のための第1の可飽和リアクタ11の構造を簡単にで
き、コストの面でも有利となる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固定バイアス磁界が与えられる2つのコイルを有する第
1の可飽和リアクタと、固定バイアス磁界が与えられる
2つのコイルおよびこの2つのコイルに垂直周期の電流
に応じた可変バイアス磁界を与える1つのコイルを有す
る第2の可飽和リアクタとを並列に接続するとともに、
第1,第2のコイルの共通接続点と第3,第4のコイル
の共通接続点との間に、4つのコイルをブリッジ状に接
続し、このブリッジ回路の回路出力端間にコンバージェ
ンス補正用コイルを接続し、第1〜第4のコイルに水平
偏向電流を供給するようにしたことにより、簡単な構造
にて画面コーナーの横ミスコンバージェンスおよび中間
左右ピン歪の各補正を同時に行えることになる。
【0066】このように、中間左右ピン歪の補正機能を
コーナー横ミスコンバージェンスの補正機能の中に組み
込むようにしたことにより、コンバージェンス特性を合
わせたり、フォーカスを最適にするために巻線分布を変
更するときの制約条件が少なくなるため、全体のコンバ
ージェンスの性能を向上させることができ、また無効の
インダクタンスが減るため、偏向感度を向上できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るミスコンバージェン
ス補正装置の回路図である。
【図2】第1の可飽和リアクタの一例を示す概略構成図
である。
【図3】第2の可飽和リアクタの一例を示す概略構成図
である。
【図4】コンバージェンス補正ヨークの概略構成図であ
る。
【図5】第1,第2の可飽和リアクタの原理説明図であ
る。
【図6】ブリッジ回路に流れる水平パラボラ電流の波形
図である。
【図7】コンバージェンス補正用コイルに流れる垂直周
期で変調された水平パラボラ電流の波形図である。
【図8】画面上の表示位置の関係を説明する図である。
【図9】一方の水平補正コイルについて磁束密度とイン
ダクタンスの変化状態の一例を示す特性図である。
【図10】他方の水平補正コイルについて磁束密度とイ
ンダクタンスの変化状態の一例を示す特性図である。
【図11】中間左右ピン歪についての説明図である。
【符号の説明】
11…第1の可飽和リアクタ、12,13,17,1
8,21…ドラムコア、14,19,20…永久磁石、
16…第2の可飽和リアクタ、23,24…ブリッジ回
路、Lc1〜Lc4…コンバージェンス補正用コイル、
L10,L11…水平偏向コイル、L12,L13…垂
直偏向コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2のコイルを直列に接続し、こ
    れらコイルに対して固定バイアス磁界を与えてなる第1
    の可飽和リアクタと、 第3,第4のコイルを直列に接続し、これらコイルに対
    して固定バイアス磁界を与えるとともに、垂直周期の電
    流に応じた可変バイアス磁界を与えてなり、前記第1の
    可飽和リアクタに対して並列に接続された第2の可飽和
    リアクタと、 前記第1,第2のコイルおよび前記第3,第4のコイル
    に対して水平偏向電流を供給する手段と、 前記第1,第2のコイルの共通接続点と前記第3,第4
    のコイルの共通接続点との間にブリッジ状に接続された
    4つのコイルと、 前記4つのコイルからなるブリッジ回路の回路出力端間
    に接続されたコンバージェンス補正用コイルとを備えた
    ことを特徴とするミスコンバージェンス補正装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の可飽和リアクタは、前記第
    3,第4のコイルに対してその固定バイアス磁界を打ち
    消す方向の可変バイアス磁界を与える垂直変調用コイル
    を有することを特徴とする請求項1記載のミスコンバー
    ジェンス補正装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の可飽和リアクタは、前記第
    3,第4のコイルが巻回された第1,第2のコアと、前
    記第1,第2のコア間に介在しかつ前記垂直変調用コイ
    ルが巻回された第3のコアと、前記第1,第2のコアの
    外側に配された一対の永久磁石とを有することを特徴と
    する請求項2記載のミスコンバージェンス補正装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の可飽和リアクタの各々
    において、2つのコイルの巻線方向が互いに逆向きの磁
    界を発生する方向であることを特徴とする請求項1記載
    のミスコンバージェンス補正装置。
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