JP2000308084A - ミスコンバージェンス補正装置、偏向ヨークおよび陰極線管 - Google Patents

ミスコンバージェンス補正装置、偏向ヨークおよび陰極線管

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JP2000308084A
JP2000308084A JP11110573A JP11057399A JP2000308084A JP 2000308084 A JP2000308084 A JP 2000308084A JP 11110573 A JP11110573 A JP 11110573A JP 11057399 A JP11057399 A JP 11057399A JP 2000308084 A JP2000308084 A JP 2000308084A
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coils
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magnet
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Toshiya Takagishi
敏哉 高岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性片を偏向ヨークの後端部付近に付加して
画面左右の非対称ミスコンバージェンスの補正を行う
と、磁性体が水平偏向磁界だけでなく、垂直偏向磁界も
吸収するために、他の主要なコンバージェンス特性に悪
影響を与える。 【解決手段】 可飽和リアクタ23の4つのコイルL1
〜L4からなるコイルブリッジ回路で得られる水平周期
のパラボラ波電流を、陰極線管のネック部に配した補正
コイルL5〜L8に流す構成のミスコンバージェンス補
正回路において、バイアスマグネット28によってコイ
ルL1,L2とコイルL3,L4に与える逆方向のバイ
アス磁界のバランスを調整するバイアス調整マグネット
29を可飽和リアクタ23に設け、このバイアス調整マ
グネット29によって補正コイルL5〜L8に流すパラ
ボラ波電流の0レベルクロス点を基準とする波形の非対
称性を調整し、画面左右の非対称ミスコンバージェンス
を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機やディスプレイモニター等で使用するカラー陰極線管
(CRT)のミスコンバージェンスを補正するミスコン
バージェンス補正装置、このミスコンバージェンス装置
を搭載した偏向ヨークおよびこの偏向ヨークを用いたカ
ラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに逆方向の磁界を発生する第1,第
2のコイルと、互いに逆方向の磁界を発生する第3,第
4のコイルとを有し、第1のコイルと第4のコイル、第
2のコイルと第3のコイルをそれぞれ直列にかつブリッ
ジ状に結線したコイルブリッジ回路を形成する一方、こ
れらコイルが巻装されたコアを通して第1,第2のコイ
ルと第3,第4のコイルに対して逆方向の同じ固定バイ
アス磁界を与える構成の可飽和リアクタを用いて、カラ
ー陰極線管のミスコンバージェンスを補正するミスコン
バージェンス補正装置が知られている。
【0003】上記構成のミスコンバージェンス補正装置
では、第1〜第4のコイルによるコイルブリッジ回路の
回路入力端間に水平周期のノコギリ波電流を供給するこ
とにより、当該コイルブリッジ回路の出力として水平周
期のパラボラ状波形電流(以下、パラボラ波電流と称
す)が得られる。このパラボラ波電流を、陰極線管のネ
ック部を挟んで垂直軸方向において対向配置された2組
のコイル対からなる補正コイルに流すことにより、この
補正コイルによって陰極線管のネック部の周りに4極磁
界が発生し、この4極磁界によって画面左右のミスコン
バージェンスの補正が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画面左右の
ミスコンバージェンスには、ミスコンバージェンスが画
面左右で対称に発生するもの(以下、画面左右の対称ミ
スコンバージェンスと称す)と、画面左右で非対称に発
生するもの(以下、画面左右の非対称ミスコンバージェ
ンスと称す)とがある。これに対し、上述した可飽和リ
アクタを用いたミスコンバージェンス補正装置では、可
飽和リアクタにおいて、第1,第2のコイルと第3,第
4のコイルに対して逆方向の同じ固定バイアス磁界が与
えられていることから、画面左右で同じ補正量が得られ
るため、画面左右の対称ミスコンバージェンスについて
は良好に補正を行うことができる。
【0005】ところが、第1,第2のコイルと第3,第
4のコイルに対して逆方向の同じ固定バイアス磁界が与
えられていることから、画面左右での補正量のバランス
を調整するのは容易ではなく、したがって画面左右の非
対称ミスコンバージェンスについての補正は難しかっ
た。従来の可飽和リアクタを用いたミスコンバージェン
ス補正装置において、画面左右の非対称ミスコンバージ
ェンスの補正を実現するには、磁性体を偏向ヨークの後
端部近傍の左右どちちらか一方に付加し、水平偏向磁界
の左右のバランスを崩すことによって行うことになる。
【0006】しかしながら、磁性片を偏向ヨークの後端
部付近に付加した場合には、磁性体が水平偏向磁界だけ
でなく、垂直偏向磁界も吸収するために、磁界の変化は
所望のミスコンバージェンス特性だけの変化に止まら
ず、他の主要なコンバージェンス特性に悪影響を与える
ことになる。また、所望の補正量を得るためには、磁性
片を大きくする必要があるので、材料費が高く付くとと
もに、装置が大がかりになるという問題点がある。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、簡単な構成にて他の
主要なコンバージェンス特性に悪影響を与えることな
く、画面左右の対称ミスコンバージェンスおよび非対称
ミスコンバージェンスの双方を良好に補正可能なミスコ
ンバージェンス補正装置、これを搭載した偏向ヨークお
よびこれを用いた陰極線管を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、互いに逆方
向の磁界を発生する第1,第2のコイルと、互いに逆方
向の磁界を発生する第3,第4のコイルとを有し、第1
のコイルと第4のコイル、第2のコイルと第3のコイル
がそれぞれ直列にかつブリッジ状に結線され、水平偏向
コイルに対して直列に接続されたコイルブリッジ回路
と、このコイルブリッジ回路における第1,第2のコイ
ルと第3,第4のコイルとに逆方向の固定バイアス磁界
を与えるバイアスマグネットとを有する可飽和リアクタ
を用い、偏向ヨークの後端部に該偏向ヨークの垂直軸方
向においてそれぞれ対向してコイルが一対ずつ配置され
た補正コイルを、コイルブリッジ回路の回路出力端間に
直列に接続した構成のミスコンバージェンス補正装置、
これを搭載した偏向ヨークおよびこれを用いた陰極線管
において、第1〜第4のコイルに対して与えるバイアス
磁界の総量を変えずに、第1,第4のコイルと第2,第
3のコイルとに与える逆方向のバイアス磁界のバランス
を調整するバイアス調整手段を可飽和リアクタに付加し
た構成となっている。
【0009】上記構成の可飽和リアクタにおいて、バイ
アスマグネットによって第1,第2のコイルと第3,第
4のコイルとに逆方向の固定バイアス磁界を与えた状態
で、コイルブリッジ回路の回路入力端間に水平周期のノ
コギリ波電流を供給すると、コイルブリッジ回路の回路
出力端間に水平周期のパラボラ波電流が得られ、この電
流は補正コイルに流れる。すると、この補正コイルによ
って陰極線管のネック部の周りに4極磁界が発生し、こ
の4極磁界によって電子ビームが偏向されることによ
り、画面左右の対称ミスコンバージェンスの補正が行わ
れる。
【0010】また、バイアスマグネットによる固定バイ
アス磁界をベースとして、第1,第2のコイルに与える
バイアス磁界と第3,第4のコイルに与えるバイアス磁
界のバランスをバイアス調整手段によって調整する。バ
イアス磁界のバランスが崩れることにより、コイルブリ
ッジ回路の回路出力端間に得られる水平周期のパラボラ
波電流が、0レベルクロス点を基準として左右非対称の
波形となる。そして、このパラボラ波電流が補正コイル
に流れると、この補正コイルによる画面左右の補正量が
アンバランスとなり、したがって画面左右の非対称ミス
コンバージェンスの補正が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明に係るカラー陰極線管の全
体像を示す概略斜視図である。図1において、受像管バ
ルブ11の開口部には内面に蛍光面が設けられたパネル
12が装着され、受像管バルブ11のネック部にはコー
ン形状の偏向ヨーク(Deflecting Yoke;DY)13が取
り付けられ、受像管バルブ11の後端部には電子銃14
が内装されている。
【0013】図2に、本発明が適用される偏向ヨーク1
3の背面図(A)およびその側面図(B)をそれぞれ示
す。図2(A),(B)において、偏向ヨーク13の後
端部、即ち受像管バルブ11のネック部に相当する部分
には、当該ネック部を挟んで上下に位置するように、即
ち偏向ヨーク13の垂直軸(図1のY軸)方向において
略C字型形状のコア22a,22bが対向配置されてい
る。そして、コア22aの両脚部には補正コイルL5,
L6がそれぞれ巻装され、コア22bの両脚部には補正
コイルL7,L8がそれぞれ巻装されている。
【0014】これら4つの補正コイルL5〜L8は、後
述するように、互いに直列に接続されている。また、こ
れら補正コイルL5〜L8に対して水平周期のパラボラ
波電流を供給するための可飽和リアクタ23が、基板2
4を介してDYコア21に取り付けられている。この可
飽和リアクタ23および4つの補正コイルL5〜L8に
より、画面左右のミスコンバージェンスを補正するミス
コンバージェンス補正装置が構成されている。
【0015】図3は、可飽和リアクタ23を用いたミス
コンバージェンス補正装置の回路例を示す結線図であ
る。図3において、互いに直列に接続された第1,第4
のコイルL1,L4と、同様に互いに直列に接続された
第2,第3のコイルL2,L3とがブリッジ状に、即ち
L1,L4コイル回路とL2,L3コイル回路とが互い
に並列に接続されてコイルブリッジ回路25を構成して
いる。これら2組のコイル対において、コイルL1とコ
イルL2、コイルL3とコイルL4がそれぞれ磁気的に
対をなし、コイルL1とコイルL4、コイルL2とコイ
ルL3がそれぞれ磁気的に対をなしている。
【0016】磁気的なコイル対、即ちコイルL1とコイ
ルL2、コイルL3とコイルL4は、図4に示すよう
に、2つのドラムコア26,27にそれぞれ巻装されて
いる。ドラムコア26に対してコイルL1,L2を巻装
するに当たっては、絶縁層を有する導線を二本同時に巻
くことで一回の巻線作業で2つのコイルを作るいわゆる
バイファイラー巻にするのが好ましい。このバイファイ
ラー巻によれば、コイルL1,L2の巻線状態が等しく
なり、これらコイルL1,L2に対してほぼ等しい磁気
的特性を持たせることができる。ドラムコア27に対す
る第3,第4のコイルL3,L4の巻装に際しても同様
のことが言える。ただし、別個にコイルを巻く場合で
も、各コイルの特性がほぼ等しくなるように巻線を調整
すれば良いので、必ずしもバイファイラー巻に限定され
るものではない。
【0017】また、第1のコイルL1および第2のコイ
ルL2による磁界の向きと、第3のコイルL3および第
4のコイルL4による磁界の向きとが互いに逆方向にな
るように、第1のコイルL1と第2のコイルL2、第3
のコイルL3と第4のコイルL4はそれぞれドラムコア
26,27に巻回されている。なお、磁界の方向は、コ
イルの巻き方向とコイルに流れる電流の向きによって決
まる。
【0018】図4において、2つのドラムコア26,2
7の間には、例えば立方体形状のバイアスマグネット2
8が配置されている。このバイアスマグネット28は、
ドラムコア26,27側の両端部がN極,S極となるよ
うに着磁されている。これにより、バイアスマグネット
28は、第1,第2のコイルL1,L2と第3,第4の
コイルL3,L4とに対して逆方向の同一の固定バイア
ス磁界を与える。ここでは、バイアスマグネット28
は、ドラムコア26側がS極、ドラムコア27側のN極
になるように配置されている。
【0019】また、バイアスマグネット28以外にも、
第1〜第4のコイルL1〜L4に対して与えるバイアス
磁界の総量を変えることなく、第1,第2のコイルL
1,L2と第3,第4のコイルL3,L4とに与える逆
方向のバイアス磁界のバランスを調整するバイアス調整
手段、例えば円板状のバイアス調整マグネット29が設
けられている。以上の第1〜第4のコイルL1〜L4、
ドラムコア26,27、バイアスマグネット28および
バイアス調整マグネット29により、可飽和リアクタ1
3が構成されている。
【0020】バイアス調整マグネット29は、特に図5
から明らかなように、周方向において4極に着磁されて
おり、バイアスマグネット28の例えば上面でかつ極性
境界線(N極とS極の境境界)近傍に回転可能に配置さ
れている。このバイアス調整マグネット29は、図4に
示すように、その磁極境界線がバイアスマグネット28
の磁極境界線と一致する回転位置では、バイアスマグネ
ット28のN極から出る磁界とS極に入る磁界に対して
磁気的作用を均等に及ぼすことから、第1,第2のコイ
ルL1,L2に与えるバイアス磁界と第3,第4のコイ
ルL3,L4に与えるバイアス磁界のバランスを保つ。
【0021】再び図3において、第1〜第4のコイルL
1〜L4からなるコイルブリッジ回路25は、互いに並
列に接続された水平偏向コイルLH1,LH2に対して
直列に接続されている。これにより、コイルブリッジ回
路25の回路入力端P,Q間には、水平偏向コイルLH
1,LH2を通して水平周期のノコギリ波形状の水平偏
向電流が、図示せぬ水平偏向回路から供給される。ま
た、コイルブリッジ回路25の回路出力端R,Sには、
先述した4つの補正コイルL5〜L8が直接に接続され
ている。
【0022】ここで、上記構成のミスコンバージェンス
補正装置における補正動作について説明する。先ず、バ
イアスマグネット28によって固定バイアス磁界が与え
られた第1〜第4のコイルL1〜L4からなるコイルブ
リッジ回路25の回路動作について、図6の等価回路を
用いて説明する。
【0023】2つの回路入端P,Q間に、水平偏向コイ
ルLH1,LH2を通してノコギリ波の水平偏向電流I
hが供給された場合において、先ず、図6に実線の矢印
で示すように、一方の回路入力端Pから電流が流入した
とすると、第1,第2のコイルL1,L2によってバイ
アスマグネット28による固定バイアス磁界と同一方向
の磁界が発生し、また第3,第4のコイルL3,L4に
よって当該固定バイアス磁界と反対方向の磁界が発生す
る。
【0024】このとき、第1,第2のコイルL1,L2
による磁界が固定バイアス磁界と同一方向であることか
ら、第1,第2のコイルL1,L2が巻装されたドラム
コア26が飽和し、また第3,第4のコイルL3,L4
による磁界が固定バイアス磁界と反対方向であることか
ら相殺され、第3,第4のコイルL3,L4が巻装され
たドラムコア27の飽和が和らぐため、第3,第4のコ
イルL2,L3のインダクタンスが増加する。
【0025】したがって、一方の回路入力端Rから流入
した電流は、インダクタンスの小さい方のコイル、即ち
第1,第2のコイルL1,L2を流れることになるた
め、図6に実線の矢印で示す方向に第1のコイルL1を
介して回路出力端Rから補正コイルL5〜L8に流れ、
さらに回路出力端Sから第2のコイルL2を流れて他方
の回路入力端Qから流出する。
【0026】一方、コイルブリッジ回路25において、
図6に破線の矢印で示すように、他方の回路入力端Qか
ら水平偏向電流が流入すると、第1,第2のコイルL
1,L2によってバイアスマグネット28による固定バ
イアス磁界と反対方向の磁界が発生し、また第3,第4
のコイルL3,L4によって当該固定バイアス磁界と同
一方向の磁界が発生する。
【0027】このとき、第1,第2のコイルL1,L2
による磁界が固定バイアス磁界と反対方向であることか
ら相殺され、第1,第2のコイルL1,L2が巻装され
たドラムコア26の飽和が和らぐため、第1,第2のコ
イルL1,L2のインダクタンスが増加し、また第3,
第4のコイルL3,L4による磁界が固定バイアス磁界
と同一方向であることから、第3,第4のコイルL3,
L4が巻装されたドラムコア27が飽和する。
【0028】したがって、他方の回路入力端Qから流入
した電流は、先の場合と同様に、インダクタンスの小さ
い方のコイルを流れることになるため、図6に破線の矢
印で示す方向に第4のコイルL4を介して回路出力端R
から補正コイルL5〜L8に流れ、さらに回路出力端S
から第3のコイルL3に流れて一方の回路入力端Pから
流出する。
【0029】このように、ブリッジ状に結線された第1
〜第4のコイルL1〜L4に流れる電流の方向にかかわ
らず、補正コイルL5〜L8には同一方向(図の矢印方
向)の電流Icが流れるため、この電流Ipの波形は、
パラボラ状波形に近いものとなる。すなわち、この水平
周期のパラボラ波電流が補正電流Ipとして補正コイル
L5〜L8に流れることになる。
【0030】ここで、緑の蛍光面を光らせる電子ビーム
をセンタービームG、青,赤の蛍光面を光らせる各電子
ビームを再度ビームB,Rとするインライン配列の電子
銃を有するカラー陰極線管において、水平周期のパラボ
ラ波電流を補正電流Ipとして補正コイルL5〜L8に
流すことにより、電子銃から出射される3本の電子ビー
ムB,G,Rに対して、図4に矢印で示す方向の4極磁
界が発生し、画面の左右におけるミスコンバージェン
ス、即ちGのラスターに対するR,Bの各ラスターのず
れを補正することができる。
【0031】次に、可飽和リアクタ23におけるバイア
ス調整マグネット29の回転位置に応じた動作につい
て、図7(A),(B),(C)の動作説明図を用いて
説明する。なお、図7(A),(B),(C)におい
て、白抜きの矢印の長さは、磁界の強さを表わすものと
する。
【0032】まず、可飽和リアクタ23において、図7
(A)に示すように、バイアス調整マグネット29がバ
イアスマグネット28に対して磁極境界線が一致する回
転位置にあるとすると、バイアス調整マグネット29は
バイアスマグネット28のN極から出る磁界とS極に入
る磁界に対して磁気的作用を均等に及ぼす。したがっ
て、第1,第2のコイルL1,L2と第3,第4のコイ
ルL3,L4に対して逆方向の同じバイアス磁界が与え
られることになる。
【0033】これにより、可飽和リアクタ23で得られ
る水平周期の補正パラボラ波電流Ipの波形は、図7
(A)の波形図から明らかなように、0レベルクロス点
を基準として左右対称となる。これは、左右対称波形の
補正パラボラ波電流Ipに基づくミスコンバージェンス
の補正量が画面の左右で同じになることを意味する。し
たがって、バイアス調整マグネット29が図7(A)の
回転位置にあるときは、図8(A)に示すように、画面
の左右でGのラスターに対してRのラスターが左側にず
れ、Bのラスターが右側にずれる画面左右の対称ミスコ
ンバージェンスについて補正が行われることになる。
【0034】次に、可飽和リアクタ23において、図7
(B)に示すように、バイアス調整マグネット29がバ
イアスマグネット28に対して、その2つのS極がバイ
アスマグネット28のN,S極側に位置し、2つのN極
がバイアスマグネット28の磁極境界線に関して対称に
なる回転位置にあるとすると、バイアス調整マグネット
29はバイアスマグネット28のN極から出る磁界を弱
め、S極に入る磁界を強めるように磁気的作用を及ぼ
す。したがって、第1,第2のコイルL1,L2には強
いバイアス磁界が与えられ、第3,第4のコイルL3,
L4には弱いバイアス磁界が与えられることになる。
【0035】これにより、可飽和リアクタ23で得られ
る水平周期の補正パラボラ波電流Ipの波形は、図7
(B)の波形図から明らかなように、0レベルクロス点
を基準として右側が高く、左側が低い波形となる。これ
は、この左右非対称波形の補正パラボラ波電流Ipに基
づくミスコンバージェンスの補正量が、画面の右側で大
きく、左側で小さくなることを意味する。したがって、
バイアス調整マグネット29が図7(B)の回転位置に
あるときは、図8(B)に示すように、画面の左側では
Gのラスターに対してRのラスターが左側にずれ、Bの
ラスターが右側にずれ、画面の右側ではGのラスターに
対してRのラスターが右側にずれ、Bのラスターが左側
にずれる画面左右の非対称ミスコンバージェンスについ
て補正が行われることになる。
【0036】また、可飽和リアクタ23において、図7
(C)に示すように、バイアス調整マグネット29がバ
イアスマグネット28に対して、その2つのN極がバイ
アスマグネット28のN,S極側に位置し、2つのS極
がバイアスマグネット28の磁極境界線に関して対称に
なる回転位置にあるとすると、バイアス調整マグネット
29はバイアスマグネット28のN極から出る磁界を強
め、S極に入る磁界を弱めるように磁気的作用を及ぼ
す。したがって、第1,第2のコイルL1,L2には弱
いバイアス磁界が与えられ、第3,第4のコイルL3,
L4には強いバイアス磁界が与えられることになる。
【0037】これにより、可飽和リアクタ23で得られ
る水平周期の補正パラボラ波電流Ipの波形は、図7
(C)の波形図から明らかなように、0レベルクロス点
を基準として右側が低く、左側が高い波形となる。これ
は、この左右非対称波形の補正パラボラ波電流Ipに基
づくミスコンバージェンスの補正量が、画面の右側で小
さく、左側で大きくなることを意味する。したがって、
バイアス調整マグネット29が図7(C)の回転位置に
あるときは、図8(C)に示すように、画面の左側では
Gのラスターに対してBのラスターが左側にずれ、Rの
ラスターが右側にずれ、画面の右側ではGのラスターに
対してBのラスターが右側にずれ、Rのラスターが左側
にずれる画面左右の非対称ミスコンバージェンスについ
て補正が行われることになる。
【0038】なお、上述した動作説明では、図7
(A),(B),(C)に示すバイアス調整マグネット
29の3つの回転位置での動作について説明したが、バ
イアス調整マグネット29の回転位置については、
(A)の回転位置から(B)の回転位置までの間、およ
び(A)の回転位置から(C)の回転位置までの間で連
続的に調整可能である。これにより、画面左右の非対称
ミスコンバージェンスの補正量を、バイアス調整マグネ
ット29の回転位置に応じて連続的に調整(微調整)す
ることができる。
【0039】上述したように、可飽和リアクタ23を用
い、コイルブリッジ回路25の回路出力端R,S間に補
正コイルL5〜L8を接続した構成のミスコンバージェ
ンス補正回路、これを搭載した偏向ヨークおよびこれを
用いた陰極線管において、第1,第2のコイルL1,L
2と第3,第4のコイルL3,L4に与える逆方向のバ
イアス磁界のバランスを調整するバイアス調整マグネッ
ト29を可飽和リアクタ23に設けたことにより、この
バイアス調整マグネット29の回転位置を変えることに
よって補正コイルL5〜L8に流す水平周期の補正パラ
ボラ波電流Ipの0レベルクロス点を基準とする波形の
非対称性を調整することができるため、画面左右の対称
ミスコンバージェンスのみならず、画面左右の非対称ミ
スコンバージェンスについても補正することができる。
【0040】特に、バイアス調整マグネット29が円板
状でかつ周方向において4極に着磁され、バイアスマグ
ネット28の例えば上面でかつ極性境界線近傍に回転可
能に配置されていることから、バイアス調整マグネット
29を回転させても、バイアスマグネット28のN,S
極の各領域におけるバイアス調整マグネット29のN極
とS極の面積の割合は常に一定であるため、バイアス調
整マグネット29が回転することによって第1〜第4の
コイルL1〜L4に与えるバイアス磁界の総量が変化す
ることはない。したがって、画面左右の非対称ミスコン
バージェンスに対する補正を行っても、画面左右の対称
ミスコンバージェンスに対する補正量が変化することは
ない。
【0041】なお、上記実施形態では、バイアスマグネ
ット28に対してその両端側にドラムコア26,27を
配した構成の可飽和リアクタ23に適用した場合を例に
とって説明したが、本発明は、かかる構成の可飽和リア
クタ23への適用に限定されるものではない。
【0042】一例として、図9に示すように、直方体形
状のバイアスマグネット28′の下面側のS極面、N極
面にドラムコア26,27を近接配置した構成の可飽和
リアクタ23′にも同様に適用可能である。この場合に
は、周方向において4極に着磁されたバイアス調整マグ
ネット29を、バイアスマグネット28′の上面側でか
つ極性境界線近傍に回転可能に配置することで、上記実
施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可飽和リアクタを用い、そのコイルブリッジ回路の回路
出力端間に補正コイルを接続した構成のミスコンバージ
ェンス補正回路、これを搭載した偏向ヨークおよびこれ
を用いた陰極線管において、磁気的に対をなす2組のコ
イル対に与える逆方向のバイアス磁界のバランスを調整
するバイアス調整手段を可飽和リアクタに設けたことに
より、このバイアス調整手段によって補正コイルに流す
水平周期のパラボラ波電流の0レベルクロス点を基準と
する波形の非対称性を調整することができるため、画面
左右の対称ミスコンバージェンスのみならず、画面左右
の非対称ミスコンバージェンスについても良好に補正す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管の全体像を示す斜
視図である。
【図2】本発明が適用される偏向ヨークの背面図(A)
およびその側面図(B)である。
【図3】本発明に係るミスコンバージェンス補正装置の
回路例を示す結線図である。
【図4】可飽和リアクタの構造の一例および補正コイル
の配置構造を示す図である。
【図5】バイアス調整マグネットの一例を示す平面図で
ある。
【図6】コイルブリッジ回路および補正コイルの等価回
路図である。
【図7】バイアス調整マグネットの回転位置に応じた動
作説明図である。
【図8】画面左右のミスコンバージェンスの種類を示す
図である。
【図9】可飽和リアクタの構造の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】 13…偏向ヨーク、14…電子銃、23,23′…可飽
和リアクタ、25…コイルブリッジ回路、26,27…
ドラムコア、28,28′…バイアスマグネット、29
…バイアス調整マグネット、L1〜L4…第1〜第4の
コイル、L5〜L8…補正コイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに逆方向の磁界を発生する第1,第
    2のコイルと、互いに逆方向の磁界を発生する第3,第
    4のコイルとを有し、第1のコイルと第4のコイル、第
    2のコイルと第3のコイルがそれぞれ直列にかつブリッ
    ジ状に結線され、水平偏向コイルに対して直列に接続さ
    れたコイルブリッジ回路と、前記コイルブリッジ回路に
    おける第1,第2のコイルと第3,第4のコイルとに逆
    方向の固定バイアス磁界を与えるバイアスマグネット
    と、前記第1〜第4のコイルに対して与えるバイアス磁
    界の総量を変えずに第1,第2のコイルと第3,第4の
    コイルとに与える逆方向のバイアス磁界のバランスを調
    整するバイアス調整手段とを有する可飽和リアクタと、 偏向ヨークの後端部に該偏向ヨークの垂直軸方向におい
    てそれぞれ対向してコイルが一対ずつ配置され、前記コ
    イルブリッジ回路の回路出力端間に直列に接続された補
    正コイルとを備えたことを特徴とするミスコンバージェ
    ンス補正装置。
  2. 【請求項2】 前記バイアス調整手段は、周方向に4極
    に着磁され、前記バイアスマグネットの極性境界線近傍
    に回転可能に配置された円板状のマグネットであること
    を特徴とする請求項1記載のミスコンバージェンス補正
    装置。
  3. 【請求項3】 互いに逆方向の磁界を発生する第1,第
    2のコイルと、互いに逆方向の磁界を発生する第3,第
    4のコイルとを有し、第1のコイルと第4のコイル、第
    2のコイルと第3のコイルがそれぞれ直列にかつブリッ
    ジ状に結線され、水平偏向コイルに対して直列に接続さ
    れたコイルブリッジ回路と、前記コイルブリッジ回路に
    おける第1,第2のコイルと第3,第4のコイルとに逆
    方向の固定バイアス磁界を与えるバイアスマグネット
    と、前記第1〜第4のコイルに対して与えるバイアス磁
    界の総量を変えずに第1,第2のコイルと第3,第4の
    コイルとに与える逆方向のバイアス磁界のバランスを調
    整するバイアス調整手段とを有する可飽和リアクタと、 偏向ヨークの後端部に該偏向ヨークの垂直軸方向におい
    てそれぞれ対向してコイルが一対ずつ配置され、前記コ
    イルブリッジ回路の回路出力端間に直列に接続された補
    正コイルとを備えたことを特徴とする偏向ヨーク。
  4. 【請求項4】 前記バイアス調整手段は、周方向に4極
    に着磁され、前記バイアスマグネットの極性境界線近傍
    に回転可能に配置された円板状のマグネットであること
    を特徴とする請求項3記載の偏向ヨーク。
  5. 【請求項5】 互いに逆方向の磁界を発生する第1,第
    2のコイルと、互いに逆方向の磁界を発生する第3,第
    4のコイルとを有し、第1のコイルと第4のコイル、第
    2のコイルと第3のコイルがそれぞれ直列にかつブリッ
    ジ状に結線され、水平偏向コイルに対して直列に接続さ
    れたコイルブリッジ回路と、前記コイルブリッジ回路に
    おける第1,第2のコイルと第3,第4のコイルとに逆
    方向の固定バイアス磁界を与えるバイアスマグネット
    と、前記第1〜第4のコイルに対して与えるバイアス磁
    界の総量を変えずに第1,第2のコイルと第3,第4の
    コイルとに与える逆方向のバイアス磁界のバランスを調
    整するバイアス調整手段とを有する可飽和リアクタと、 偏向ヨークの後端部に陰極線管の垂直軸方向においてそ
    れぞれ対向してコイルが一対ずつ配置され、前記コイル
    ブリッジ回路の回路出力端間に直列に接続された補正コ
    イルとを備えた偏向ヨークを用いたことを特徴とする陰
    極線管。
  6. 【請求項6】 前記バイアス調整手段は、周方向に4極
    に着磁され、前記バイアスマグネットの極性分離部近傍
    に回転可能に配置された円板状のマグネットであること
    を特徴とする請求項5記載の陰極線管。
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