JP2002112278A - インライン型カラー陰極線管装置 - Google Patents

インライン型カラー陰極線管装置

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JP2002112278A
JP2002112278A JP2000292882A JP2000292882A JP2002112278A JP 2002112278 A JP2002112278 A JP 2002112278A JP 2000292882 A JP2000292882 A JP 2000292882A JP 2000292882 A JP2000292882 A JP 2000292882A JP 2002112278 A JP2002112278 A JP 2002112278A
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Japan
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convergence correction
convergence
phosphor screen
ray tube
cathode ray
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JP2000292882A
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Inventor
Yuichi Sano
雄一 佐野
Masahiro Yokota
昌広 横田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インライン・セルフコンバーゼンス型カラー
陰極線管装置では、非斉一な偏向磁界とすることでダイ
ナミックコンバーゼンス回路を不要としていたが、ビー
ムスポットに歪を生じ解像度劣化を起こしている。これ
を改善するためにコンバーゼンス補正コイルで補正して
対応しているが、依然としてコンバーゼンス特性が劣化
し易く、またサイドビームの水平方向でのミスコンバー
ゼンスが発生している。これらを更に改善し良好なビー
ムスポットが得られ、コンバーゼンス特性の劣化を補正
したインライン型カラー陰極線管装置を提供する。 【解決手段】 水平方向の偏向に同期したパラボラ電流
をコンバーゼンス補正コイル27に供給すると共に、こ
のパラボラ電流をリアクタ(変調手段)29を用いて垂
直周期で変調をかけ、コンバーゼンス補正量を変化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビジョ
ン受像機並びにカラー端末ディスプレイ等に使用される
インライン型カラー陰極線管装置に関し、特に高品位カ
ラーテレビジョン用や高解像度ディスプレイ用に用いら
れるカラー陰極線管の画面の平坦化及び奥行きの短縮化
等を行う上で問題となるフォーカス及びコンバーゼンス
の改善を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】一般にインライン型カラー陰極線管装置
は、図17に示すように、表示部が矩形状を呈するフェ
ースパネル61と、このフェースパネル61に連接され
た漏斗状のファンネル62と、このファンネル62の径
小部に連接された円筒状のネック63から構成されるガ
ラス製の外囲器64を有している。
【0003】このフェースパネル61の内面には、赤、
青、緑に発光するドット状もしくはストライプ状の3色
蛍光体層を有する蛍光体スクリーン65が設けられ、そ
してこの蛍光体スクリーン65に対向してその内側を一
つのセンタービーム66G、その両側に一対のサイドビ
ーム66R,66Bが位置する一列配置の電子ビーム6
6が通過し、色選別を行うためのシャドウマスク67が
フェースパネル61内側面にマスクフレーム68を介し
て取着され、ネック63内には3本の電子ビーム66を
放出する電子銃69が配設されてカラー陰極線管70が
構成されている。また、この電子ビーム66はネック6
3からファンネル62の径小部にかかる外囲器64の外
周に装着された偏向ヨーク71の磁界によって偏向さ
れ、この電子ビーム66で蛍光体スクリーン65を水平
及び垂直方向に走査することによって、蛍光体スクリー
ン65上にカラー画像を再生している。
【0004】更に、このネック63の外周面上には、ピ
ュリティマグネット72及びスタティックコンバーゼン
スマグネット73からなるピュリティ・コンバーゼンス
・マグネット(PCM)74が配設されている。このP
CM74は、いずれも板状で環状の一対のマグネットか
ら構成されており、このマグネットを相対的に回転させ
ることによって電子ビーム66に対する磁力を変化させ
て電子ビーム66の軌道等を調整している。
【0005】このようなカラー陰極線管装置では、回路
的なコンバーゼンス補正を一切不要としたインライン・
セルフコンバーゼンス型カラー陰極線管装置が現在の主
流となっている。このインライン・セルフコンバーゼン
ス型カラー陰極線管装置では、電子銃69を同一水平面
上を通るセンタービーム66G及び一対のサイドビーム
66R,66Bからなる一列配置の3電子ビーム66
R,66G,66Bを放出するインライン型カラー陰極
線管70と、このカラー陰極線管70と組合せて使用す
る偏向ヨーク71を水平偏向磁界がピンクッション型
に、垂直偏向磁界がバレル型となるように、夫々水平偏
向コイルと垂直偏向コイルを巻回して非斉一磁界とする
ことで、この偏向ヨーク71の磁界分布並びにPCM7
4を調整することで、格別の動的な補正手段を要するこ
となく、蛍光体スクリーン65全体に亘りコンバーゼン
ス特性を満足させている。
【0006】即ち、図18に示すように、ネック63の
外側にPCM74を配置し、このPCM74を調整して
蛍光体スクリーン65の中心でインライン型の3電子ビ
ーム66B,66G,66Rを一致させると、蛍光体ス
クリーン65の周辺では、3電子ビーム66B,66
G,66Rの行路長が長くなるために、破線で示したよ
うに一対のサイドビーム66B,66Rがオーバーコン
バーゼンスとなる。
【0007】これを補正するために、図19(a)に示
すように水平偏向コイル75Hの発生する水平偏向磁界
76Hをピンクッション型にすると、電子銃69から蛍
光体スクリーン65に向かって右側に偏向するときの3
電子ビーム66B,66G,66Rが水平偏向磁界76
Hから受ける力FHB,FHG,FHRは、FHB>F
HG>FHRの関係になり、相対的に一対のサイドビー
ム66B,66Rはセンタービーム66Gから遠ざかる
方向に変位してアンダーコンバーゼンス方向に作用す
る。同様に図19(b)に示すように垂直偏向コイル7
7Vの発生する垂直偏向磁界78Vをバレル型にする
と、この垂直偏向磁界78Vが一対のサイドビーム66
B,66Rに及ぼす力FVB,FVRには互いに遠ざか
る方向の成分が生じ、アンダーコンバーゼンス方向に作
用する。そしてこれら水平、垂直偏向磁界76H,78
Vのピンクッション型及びバレル型磁界の強さを調整す
ることで、図18に実線で示したように3電子ビーム6
6B,66G,66Rを蛍光体スクリーン65の周辺で
一致させている。
【0008】しかしながら、このインライン・セルフコ
ンバーゼンス型カラー陰極線管装置では、非斉一偏向磁
界によって電子ビーム66に歪みが生じ、特に画面周辺
部のビームスポット横潰れによる解像度劣化やモアレ発
生の原因となっている。
【0009】つまり、水平、垂直偏向磁界76H,78
Vを上記のような非斉一磁界にすると、3電子ビーム6
6B,66G,66Rには図20に示すような相対的な
力Fa,Fbが作用し、水平方向に発散、垂直方向に集
束するレンズ作用を受ける。
【0010】図21は、電子ビーム66に作用するレン
ズ効果を示す図で、上側は電子ビーム66垂直方向、下
側は電子ビーム66水平方向に対する効果であり、破線
は蛍光体スクリーン65中心、実線は蛍光体スクリーン
65周辺に向かう電子ビーム66である。図中DLは図
20に示した偏向磁界によるレンズ、MLは電子銃69
の集束レンズである。またQLは蛍光体スクリーン65
各点におけるフォーカス条件を最適にする補助レンズ
で、ダイナミックに変動する電圧を利用して主レンズ近
傍の電子銃69部に設けられる。QLの作用は主に行路
長差による像面湾曲収差とDLによる非点収差の補償で
あるが、図では説明を簡単にするために行路長差を無視
して示しており、QLは蛍光体スクリーン65周辺でD
Lを補償する作用を持つ非点収差レンズとしている。
【0011】この図からも解るように、図中破線にて示
すように蛍光体スクリーン65中央に向かう電子ビーム
66はDLとQLの影響を受けないために水平、垂直方
向のレンズ倍率が共に等しい関係となり、丸い物点は蛍
光体スクリーン65上で丸い像点を結ぶ。
【0012】ところが、蛍光体スクリーン65周辺に向
かう電子ビーム66では、MLから蛍光体スクリーン6
5側に大きく離れた所にあるDLによって垂直方向で集
束、水平方向で発散作用を受け、更にML近傍のQLで
DLによる非点収差を補償することになる。
【0013】このためDLとQLとMLの組合せレンズ
の倍率は、蛍光体スクリーン65中央に向かう電子ビー
ム66の場合のMLのみの倍率に対して垂直方向で縮小
(蛍光体スクリーン65上でビームスポットが小)、水
平方向で増大(蛍光体スクリーン65上でビームスポッ
トが大)となり、結果として丸い物点に対して水平方向
に潰れた像点を結ぶことになる。
【0014】これとは別にビームスポットの歪みを引起
す原因として、電子ビーム66の蛍光体スクリーン65
に対する入射角度にも一因がある。これは蛍光体スクリ
ーン65中心では電子ビーム66は直角に入射するため
にビームスポットの歪みはないが、蛍光体スクリーン6
5周辺では蛍光体スクリーン65に対する入射角が大き
くなるので、ビームスポットが放射方向に延びる形状に
歪むことが原因である。この歪みの作用も画面の平坦化
または広角度偏向化によって更に増長される。
【0015】しかしながら、蛍光体スクリーン65の垂
直端では、バレル型の垂直偏向磁界78Vが及ぼすビー
ムスポットへの影響と蛍光体スクリーン65に入射する
電子ビーム66の入射角度による影響が、互いに相反す
る方向であるために、ビームスポットの歪みは緩和され
る。
【0016】これに対して、蛍光体スクリーン65の水
平端では、ピンクッション型の水平偏向磁界76Hと蛍
光体スクリーン65に入射する電子ビーム66の入射角
度の影響が、互いに強め合う方向であるために、ビーム
スポット歪みは増長される結果となる。
【0017】よって、インライン・セルフコンバーゼン
ス型カラー陰極線管装置では、図22に示すようなビー
ムスポットの歪みを生じる。これは上述したメカニズム
によるため、平坦度が重視されるようになってきた近年
において特に問題の重要性が増してきたものである。
【0018】この問題を解決する手段として、水平偏向
磁界76Hの磁界分布であるピンクッション形を斉一
(バレル)方向に修正し、これに伴って蛍光体スクリーン
65左右端で生じるオーバーコンバーゼンスを新たに付
加したコンバーゼンス補正コイルにて補正する技術があ
る。
【0019】この技術の代表的な構成では、図23に示
すように偏向ヨーク71のネック63側に4極磁界を発
生するコンバーゼンス補正コイル79a,79bが配置
され、このコンバーゼンス補正コイル79a,79bに
水平偏向周期のパラボラ電流を通電し、蛍光体スクリー
ン65左右端でアンダーコンバーゼンス補正を行うよう
になっている。
【0020】このコンバーゼンス補正コイル79a,7
9bは、コ字状のコア80a,80bの中央部に巻線8
1a,81bを巻回し、各コア80a,80bの開放端
を互いに対向するように、ネック63の外周面に配置し
て構成されている。なお、偏向ヨーク71のコア82の
径大部側のセパレータ83には、ピンクッション歪を補
正するためのNSマグネット84a,84bが、夫々管
軸を挟んで対向する位置に取着されている。
【0021】図24は、この蛍光体スクリーン65のH
軸端に向かう電子ビーム66に作用するレンズ効果を示
す図で、図21と同様に上側は電子ビーム66の垂直方
向、下側は電子ビーム66の水平方向に対する効果を表
している。水平偏向磁界76Hを斉一磁界としたため
に、図21では存在していたDLがなくなり、代わりに
コンバーゼンス補正コイル79a,79bによるレンズ
CLが発生する。CLはコンバーゼンス補正コイル79
a,79bの構造にもよるが、電子銃69部で補正する
構造を除けばDLと同様の非点収差を発生するように作
用する。
【0022】ところが、CLは電子銃69の陰極から偏
向ヨーク71の中心までの間に配置、理想的には主レン
ズ近傍に配置されるのが最善な方法であり、DLに比べ
て主レンズからの管軸方向距離が遥かに小さい。このた
め、CLとQLとMLの組合せレンズ倍率変化は殆ど起
こらず、結果としてビームスポットの水平方向の潰れが
改善され、解像度等が向上することとなる。
【0023】ところが、この偏向システムを実際に用い
た場合、コンバーゼンス補正コイル79a,79bにて
蛍光体スクリーン65の水平方向端で19インチのカラ
ー陰極線管の場合には約5mm以上のコンバーゼンス補
正が必要になり、コンバーゼンス補正コイル79a,7
9bの量産時のバラツキ等により、既存のものは0.5
mm〜1mm程度の補正しか行うことができず、蛍光体
スクリーン65水平軸(H軸)端と対角軸(D軸)端の
補正量の差を生じる問題がある。
【0024】そのため従来のセルフコンバーゼンス型の
偏向ヨーク71も含めた偏向ヨーク71の設計的なエラ
ーとして、蛍光体スクリーン65水平軸端と対角端での
サイドビーム66B,66Rの水平方向のミスコンバー
ゼンスを生じる結果となっていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】現在のカラー陰極線管
装置は、電子銃69が同一水平面上を通るセンタービー
ム66G及び一対のサイドビーム66B,66Rからな
る一列配置の3電子ビーム66B,66G,66Rを放
出するインライン型とし、偏向ヨーク71の発生する水
平偏向磁界76Hをピンクッション型、垂直偏向磁界7
8Vをバレル型として、これら水平、垂直偏向磁界76
H,78Vにより一列配置の3電子ビーム66B,66
G,66Rを偏向するインライン・セルフコンバーゼン
ス型カラー陰極線管装置が広く実用化されている。
【0026】しかしこのインライン・セルフコンバーゼ
ンス型カラー陰極線管装置については、非斉一な偏向磁
界によるビームスポットの歪みを生じ、特に画面左右端
での解像度劣化等を引起す問題があった。
【0027】そこでピンクッション型の水平偏向磁界7
6H分布を弱めて斉一(バレル型)方向に修正し、これ
に伴って蛍光体スクリーン65左右端で生じるオーバー
コンバーゼンスを新たに付加したコンバーゼンス補正コ
イル79a,79bにて補正する技術が確立された。
【0028】ところが、コンバーゼンス補正コイル79
a,79bの量産時のバラツキ等により、従来のセルフ
コンバーゼンス型偏向ヨーク71よりもコンバーゼンス
特性が劣化し易いという問題があった。
【0029】また、セルフコンバーゼンス型の偏向ヨー
ク71も含めて偏向ヨーク71の設計的なエラーとして
蛍光体スクリーン65水平軸端と対角端でのサイドビー
ムの水平方向のミスコンバーゼンスを生じる場合もあっ
た。
【0030】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、良好なビームスポットを得るために
ピンクッション型の水平偏向磁界を斉一(バレル型)方
向に修正し、コンバーゼンス補正コイルを導入したとき
に生じるコンバーゼンス特性の劣化を有効に補正するこ
とを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、内面に3色蛍
光体層を配置した蛍光体スクリーンを有する略矩形状の
フェースパネルと、このフェースパネルに連接された漏
斗状のファンネルと、このファンネルの外周部分に装着
された偏向ヨークと、この偏向ヨークによって水平及び
垂直方向に偏向されるセンタービーム及び一対のサイド
ビームを放出し、蛍光体スクリーンとシャドウマスクを
介して対峙するネック内に配置されたインライン型の電
子銃と、このネック外周に配置され、前記水平方向の偏
向に同期したパラボラ電流が供給されるコンバーゼンス
補正コイルと、このコンバーゼンス補正コイルに流れる
パラボラ電流を垂直周期で変調をかける変調手段とを具
備し、コンバーゼンス補正コイルによって、相対的に蛍
光体スクリーンの中心に対して少なく共水平方向に沿っ
た周辺で、サイドビームをセンタービームから遠ざける
方向に補正し、偏向ヨークの蛍光体スクリーン側で、水
平方向の偏向磁界分布を弱いピンクッション型磁界、も
しくは略斉一磁界に構成すると共に、変調手段によって
コンバーゼンス補正量を変化させるように構成してい
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0033】図1には、カラー陰極線管に偏向ヨークを
装着した構成を示す。このカラー陰極線管は、管軸(Z
軸)を通り互いに直交する水平軸(H軸)と垂直軸(V
軸)を持つ外面が平坦な略矩形状のフェースパネル10
と、このフェースパネル10に連接された漏斗状のファ
ンネル11、及びこのファンネル11の径小部端に連接
された円筒状のネック12からなる真空外囲器13を有
する。
【0034】このフェースパネル10の内面には、青、
緑、赤に発光するストライプ状の3色蛍光体層を有する
蛍光体スクリーン14が設けられ、更に、この蛍光体ス
クリーン14から離間且つ対向してその対向面に多数の
電子ビーム通過孔15が所定の配列ピッチで形成された
シャドウマスク(色選別用マスク)16が配置されてい
る。
【0035】また、ネック12内には、同一水平面上を
通るセンタービーム17G及び一対のサイドビーム17
B,17Rからなる一列配置の3電子ビーム17B,1
7G,17Rを放出する電子銃18が配置されてカラー
陰極線管19が構成されている。そして、このネック1
2のファンネル11側からファンネル11の径小部20
にかけて偏向ヨーク21が装着されている。この偏向ヨ
ーク21後部のネック12の外側にピュリティ・コンバ
ーゼンスマグネット(PCM)22が設けられている。
【0036】この偏向ヨーク21の詳細を図2に示す。
【0037】偏向ヨーク21は、上下一対の水平偏向コ
イル(図示せず)と、左右一対の垂直偏向コイル23
a,23bと、これら水平及び垂直偏向コイル23a,
23bの外側に配置された漏斗状の磁性体コア24と、
偏向ヨーク21のネック12側に設けられた上下一対の
コマフリーコイル25a,25bと、偏向ヨーク21の
蛍光体スクリーン14側に配置された上下一対のNSマ
グネット26a,26bとから構成され、更にコマフリ
ーコイル25a,25bよりもネック12側の偏向ヨー
ク21後端部に配置されたコンバーゼンス補正コイル2
7a,27b,27c,27dがネック12部に沿って
巻付けられている。
【0038】コンバーゼンス補正コイル27a,27
b,27c,27dは、4つのコイル27a,27b,
27c,27dによる磁極が隣接する象限で極性が反転
するように巻回されており、通電により一対のサイドビ
ーム17B,17Rに対してオーバーコンバーゼンス、
あるいはアンダーコンバーゼンスさせるような作用を持
つ。
【0039】そして、このコンバーゼンス補正コイル2
7a,27b,27c,27dには、3電子ビーム17
B,17G,17Rが蛍光体スクリーン14のH軸端に
向かうとき、3電子ビーム17B,17G,17Rの配
列方向に一対のサイドビーム17B,17Rをセンター
ビーム17Gから遠ざける(アンダーコンバーゼンス)よ
うな4極磁界を発生させる水平偏向周期のパラボラ電流
が電流供給回路28から給電され、これにより水平偏向
コイルのピンクッション型磁界成分を弱める(オーバー
コンバーゼンス)ことができる。
【0040】図3にコンバーゼンス補正コイル27a,
27b,27c,27dの回路構成を示す。これは上述
したコンバーゼンス補正コイル27a,27b,27
c,27dと電流供給回路28の他に可飽和リアクタ2
9を有している。
【0041】可飽和リアクタ29は図4に示すように壷
型コア30a,30bとI型コア31a,31bによっ
て閉磁路を形成し、壷型コア30a、30bには、水平
偏向周期のパラボラ電流が通電されるインダクタンス可
変コイル32a,32bと垂直偏向電流が通電される制
御コイル33a,33bが夫々同軸に巻回されている。
【0042】ここで、インダクタンス可変コイル32
a,32bは互いに起磁力を弱め合う向きに結合し、制
御コイル33a,33bは互いに起磁力を強め合う向き
に結合している。このI型コア31a,31bは、制御
コイル33a,33bによる磁束を強めるためのもの
で、壷形コア30a,30bだけで十分な磁束が確保で
きる場合には、省略することも可能である。なお、ここ
では壷型コア30a,30bとI型コア31a,31b
の組合わせで可飽和リアクタ29を構成しているが、コ
字状の一対のコアの端部同士を突合せた構成やEI型コ
アの組合せとして閉磁路に構成することも可能である。
【0043】そして、コンバーゼンス補正コイル27
a,27b,27c,27dは夫々一対のインダクタン
ス可変コイル32a,32bに並列接続されて電流供給
回路28に接続されている。
【0044】このように可飽和リアクタ29を構成する
ことにより、垂直偏向電流に準じて蛍光体スクリーン1
4上下部でインダクタンス可変コイル32a,32bの
インダクタンスLbを小さくすることができる。
【0045】即ち、水平偏向周期のパラボラ電流がコン
バーゼンス補正コイル27a,27b,27c,27d
側に分流する電流Iaは、インダクタンス可変コイル3
2a,32bのインダクタンスLbが大きい水平軸端で
は最も大きくなり、インダクタンス可変コイル32a,
32bのインダクタンスLbが小さくなる対向軸端でI
aは最も小さくなる。なお、可飽和リアクタ29には、
電流Ibが流れる。
【0046】これらの状態を解り易く表1にまとめて示
す。
【表1】 次に本発明の効果について具体的にコンバーゼンスパタ
ーンを用いて説明する。
【0047】蛍光体スクリーン14上の第1象限に矩形
状のパターンを描いた場合において、赤、緑、青ビーム
17R,17G,17Bのコンバーゼンス特性の一例を
図5に示す。
【0048】この場合、H,V端ではコンバーゼンスが
一致しているが、対角方向のD端では赤と青がH軸方向
にアンダーコンバーゼンス状態になっている。ここで、
従来のコンバーゼンス補正コイル79a,79bのコン
バーゼンス補正パターンは、図6のようにH端とD端で
赤と青をH軸方向にアンダーコンバーゼンスさせる量α
が同一であった。
【0049】図7は、図5の状態からコンバーゼンス補
正コイル27a,27b,27c,27dをオフにした
場合のコンバーゼンス特性を示したものである。即ち、
図7に示すようなコンバーゼンス特性に図6に示すよう
なコンバーゼンス補正コイル79a,79bの補正パタ
ーンを加えると、図5に示すようなコンバーゼンス特性
が得られることが解る。
【0050】そこで、前述した閉磁路形の可飽和リアク
タ29を用いると、コンバーゼンス補正コイル27a,
27b,27c,27dに通電されるパラボラ電流は、
蛍光体スクリーン14のH端で大きく、D端で小さくな
るように垂直偏向電流を制御コイル33a,33bに供
給することによって、インダクタンスLを制御するよう
に構成している。
【0051】従って、コンバーゼンス補正コイル27
a,27b,27c,27dの補正パターンは、図8の
ように図7のコンバーゼンスパターンと反対方向のパタ
ーンとなる。
【0052】この結果、コンバーゼンス特性を図9のよ
うにH,D端部で同時に一致させることができる。
【0053】また、別の例として図10のようにH端か
らD端に向かって中間部まではコンバーゼンスが一致し
ているが、この中間部からD端にかけて急激にコンバー
ゼンスエラーが生じているようなパターンのときは、制
御コイル33a,33bに通電する垂直偏向電流自体を
ダイオード等により変調すればよい。この場合コンバー
ゼンス補正コイル27a,27b,27c,27dの補
正量が垂直方向に変化する立ち上がりを遅らせることが
でき、図11のような補正パターンにすることができる
ので、図9のようにコンバーゼンス特性をH,D端部で
同時に一致させることができる。
【0054】また別な例として、図12のようにH,V
端ではコンバーゼンスが一致しているが、D端では赤と
青がH軸方向にオーバーコンバーゼンス状態になってい
る場合には、図4の可飽和リアクタ29の可飽和コア3
1a,31bの外側に、図13に示すように磁極が同じ
向きとなるように更にマグネット34a,34bを設け
てバイアスさせるように構成された可飽和リアクタ29
を使用する。
【0055】この場合、垂直偏向電流に準じて蛍光体ス
クリーン14上下端でインダクタンス可変コイル32
a,32bのインダクタンスLbを大きくすることがで
き、水平偏向周期のパラボラ電流がコンバーゼンス補正
コイル27a,27b,27c,27d側に分流する電
流Iaが、H軸端では小さく、D軸端では大きくなるた
めに、図14のような補正パターンとすることができる
ので、図9のようにコンバーゼンス特性をH,D端部で
同時に一致させることができる。
【0056】そして、制御コイル33a,33bに通電
する電流を、垂直偏向電流をダイオードで整流したもの
にすると、垂直偏向電流の磁極反転がなくなるため、可
飽和リアクタ29の構造を簡略化することができ、ま
た、コンバーゼンス補正コイル27a,27b,27
c,27dによるコンバーゼンス補正は、コンバーゼン
ス補正コイル27a,27b,27c,27dと並列、
もしくは直列にボリュームを接続して補正量を可変させ
れば、補正量を適宜調整することが可能となる。
【0057】また、コンバーゼンス補正コイル27a,
27b,27c,27dの構成は、図2に示したものに
限定されるものではなく、例えば図2に示す偏向ヨーク
21のネック12側に設けられたコマフリーコイル25
a,25bのコ字状のコア35a,35bに、4つの磁
極が隣接する象限で極性が反転するように夫々コンバー
ゼンス補正コイル27a,27bを巻回して構成したも
の等で構成することも可能で、更に、コンバーゼンス補
正コイル27a,27b,27c,27dの回路構成及
び可飽和リアクタ29の構成も、図3に示したものに限
定されることはない。
【0058】そして、コンバーゼンス電流供給回路28
によっては、画面V軸上においても、コンバーゼンス電
流が零ではなく、オーバーコンバーゼンス補正方向に電
流を通電させるものがあり、この場合は上述の手段によ
りV軸端のコンバーゼンス補正量も変化することになる
が、相対的にV軸端とD軸端のコンバーゼンス補正差を
生じさせる動作には変わりはない。
【0059】図15は,コンバーゼンス補正コイル27
a,27b,27c,27dの別の回路構成を示す図で
あり、その他の基本構成は上記実施例と同様であるの
で、同様構成部分には同じ符号を付して、その詳細な説
明は省略する。
【0060】図15では,制御コイル33a,33bに
互いに逆向きに設けたダイオード36a,36b及び可
変抵抗37a,37bの直列回路を夫々並列に接続して
構成したものである。
【0061】このように構成することによって、蛍光体
スクリーン14上側に偏向されるときは、ダイオード3
6aが導通方向にバイアスされるため、ダイオード36
a側に垂直偏向電流が分流するので、可変抵抗37aを
調整することにより、蛍光体スクリーン14右上と左上
のD端部のコンバーゼンス補正量を変化させることがで
き、同様に蛍光体スクリーン14下側に偏向されるとき
は、ダイオード36bが導通方向にバイアスされるの
で、ダイオード36b側に垂直偏向電流が分流し、可変
抵抗37bを調整することにより、蛍光体スクリーン1
4右下と左下のD端部のコンバーゼンス補正量を変化さ
せることができる。
【0062】従って、蛍光体スクリーン14上下対角端
部でコンバーゼンス補正量を夫々変えることができ、図
16のようなコンバーゼンス特性を容易に修正すること
ができる。
【0063】
【発明の効果】ビームスポットを良好にするために、水
平偏向磁界を略斉一化し、電子銃の陰極から偏向ヨーク
の中心までの間にコンバーゼンス補正コイルを設けた陰
極線管装置において、コンバーゼンス補正電流を変調す
る回路を付加することで、コンバーゼンスエラーを有効
に補正し、蛍光体スクリーン全域にわたりコンバーゼン
ス特性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装置
を示す一部切欠斜視図。
【図2】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装置
を構成する偏向ヨークを示す斜視図。
【図3】同じくコンバーゼンス補正回路を示す回路図。
【図4】同じくリアクタを示す回路構成図。
【図5】従来のカラー陰極線管装置のコンバーゼンス特
性を示す説明図。
【図6】従来のコンバーゼンス補正コイルの補正パター
ンを示す説明図。
【図7】従来のカラー陰極線管装置においてコンバーゼ
ンス補正コイルをオフにした場合のコンバーゼンス特性
を示す説明図。
【図8】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装置
のコンバーゼンス補正コイルの補正パターンを示す説明
図。
【図9】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装置
のコンバーゼンス特性を示す説明図。
【図10】従来のカラー陰極線管装置の他のコンバーゼ
ンス特性を示す説明図。
【図11】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装
置のコンバーゼンス補正コイルの他の補正パターンを示
す説明図。
【図12】従来のカラー陰極線管装置の更に他のコンバ
ーゼンス特性を示す説明図。
【図13】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装
置を構成するリアクタの他の構成を示す回路構成図。
【図14】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装
置のコンバーゼンス補正コイルの更に他の補正パターン
を示す説明図。
【図15】本発明に係るインライン型カラー陰極線管装
置を構成するコンバーゼンス補正回路の他の構成例を示
す回路図。
【図16】従来のカラー陰極線管装置の他の全象限での
コンバーゼンス特性を示す説明図。
【図17】従来のカラー陰極線管装置を示す断面図。
【図18】従来のカラー陰極線管装置の蛍光体スクリー
ンの中心及び周辺での3電子ビームのコンバーゼンス状
態を示す説明図。
【図19】従来のカラー陰極線管装置を構成する偏向ヨ
ークの発生する水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を示す説
明図。
【図20】同じく偏向磁界がビームスポットに及ぼす力
を説明するための略図。
【図21】同じく偏向磁界がビームスポットに及ぼすレ
ンズ効果を説明するための説明図。
【図22】従来のカラー陰極線管装置のビームスポット
の歪を示す説明図。
【図23】同じくビームスポットの改善策を講じた偏向
ヨークを示す斜視図。
【図24】同じく改善策を講じた偏向磁界がビームスポ
ットに及ぼすレンズ効果を説明するための説明図。
【符号の説明】
10:フェースパネル 11:ファンネル 12:ネック 14:蛍光体スクリーン 16:シャドウマスク 17G:センタービーム 17R,17B:サイドビーム 18:電子銃 21:偏向ヨーク 27:コンバーゼンス補正コイル 29:リアクタ(変調手段) 36a,36b:ダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C042 AA07 HH01 HH03 HH07 HH12 5C060 BE02 BE07 CA04 CE03 CF01 CG04 HA03 HA09 HA14 JA02 JA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に3色蛍光体層を配置した蛍光体ス
    クリーンを有する略矩形状のフェースパネルと、 このフェースパネルに連接された漏斗状のファンネル
    と、 このファンネルの外周部分に装着された偏向ヨークと、 この偏向ヨークによって水平及び垂直方向に偏向される
    センタービーム及び一対のサイドビームを放出し、前記
    蛍光体スクリーンとシャドウマスクを介して対峙するネ
    ック内に配置されたインライン型の電子銃と、 このネック外周に配置され、前記水平方向の偏向に同期
    したパラボラ電流が供給されるコンバーゼンス補正コイ
    ルと、 このコンバーゼンス補正コイルに流れるパラボラ電流を
    垂直周期で変調をかける変調手段とを具備し、 前記コンバーゼンス補正コイルによって、相対的に前記
    蛍光体スクリーンの中心に対して、少なくとも前記水平
    方向に沿った周辺で、前記サイドビームを前記センター
    ビームから遠ざける方向に補正し、前記偏向ヨークの前
    記蛍光体スクリーン側で、水平方向の偏向磁界分布を弱
    いピンクッション型磁界、もしくは略斉一磁界に構成す
    ると共に、前記変調手段によってコンバーゼンス補正量
    を変化させたことを特徴とするインライン型カラー陰極
    線管装置。
  2. 【請求項2】 前記変調手段は、前記コンバーゼンス補
    正コイルに接続されたリアクタから構成され、このリア
    クタのインダクタンスを垂直方向に対して変化させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインライン型カラー陰極
    線管装置。
  3. 【請求項3】 前記変調手段は、前記リアクタに接続さ
    れたダイオードを有し、このダイオードによって垂直偏
    向電流を変調して、前記リアクタに供給することを特徴
    とする請求項1記載のインライン型カラー陰極線管装
    置。
  4. 【請求項4】 前記コンバーゼンス補正コイルは、前記
    蛍光体スクリーンの中心でのコンバーゼンス補正量に対
    し、前記蛍光体スクリーン水平方向端でのコンバーゼン
    ス補正量が、相対的に5mm以上にしたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1つに記載のインライン型
    カラー陰極線管装置。
  5. 【請求項5】 前記コンバーゼンス補正コイルは、前記
    蛍光体スクリーン上の水平方向軸を挟んで対称な位置
    で、夫々コンバーゼンス補正量を異ならせたことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のインライ
    ン型カラー陰極線管装置。
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