JPH07320659A - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JPH07320659A
JPH07320659A JP10648794A JP10648794A JPH07320659A JP H07320659 A JPH07320659 A JP H07320659A JP 10648794 A JP10648794 A JP 10648794A JP 10648794 A JP10648794 A JP 10648794A JP H07320659 A JPH07320659 A JP H07320659A
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JP
Japan
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magnetic field
arm
deflection coil
deflection
rear side
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Application number
JP10648794A
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English (en)
Inventor
Michio Nakamura
三千夫 中村
Satoshi Kadokawa
敏 角川
Shigeru Tsuchida
茂 土田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一列配置の3電子ビームの集中特性および画
面周辺部のフォーカス特性を良好にすることを目的とす
る。 【構成】 一列配置の3電子ビームを放出する電子銃7
と、3電子ビームをその配列方向に偏向するサドル形第
1偏向コイル11、直交する方向に偏向するトロイダル形
第2偏向コイル13を有する偏向装置21とを備えるカラー
受像管装置において、その第2偏向コイルの後部側に、
この第2偏向コイルの発生する後部漏洩磁界と磁気的に
結合する第1アームと、この第1アームに取込まれた磁
束を導く結合部と、この結合部に導かれた磁束を第1偏
向コイルの後部側と第2偏向コイルの後部側との間に放
出して磁界を形成する第2アームとを有する磁界制御素
子22を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管装置に
係り、特にセルフコンバーゼンス・インライン型カラー
受像管の3電子ビームの集中および画面周辺部のフォー
カス特性を良好にするカラー受像管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管装置は、電子銃から
放出される3電子ビームを偏向装置の発生する磁界によ
り偏向して蛍光体スクリーンを走査することにより、カ
ラー画像を再生する構造に形成されている。図7にこの
カラー受像管装置の主流であるるインライン型カラー受
像管装置を示す。このカラー受像管装置は、パネル1お
よびこのパネル1に一体に接合されたファンネル2から
なる外囲器を有し、そのパネル1の内面に、青、緑、赤
に発光する垂直方向に細長いストライプ状の3色蛍光体
層からなる蛍光体スクリーン3が設けられ、この蛍光体
スクリーン3に対向して、その内側にシャドウマスク4
が配置されている。一方、ファンネル2のネック5内
に、同一水平面上を通るセンタービーム6G および一対
のサイドビーム6B ,6R からなる一列配置の3電子ビ
ーム6B ,6G ,6R を放出するインライン型電子銃7
が配設されている。そしてファンネル2の外側に、この
電子銃7から放出された3電子ビーム6B ,6G ,6R
を偏向する水平、垂直偏向磁界を発生する偏向装置8が
装着されている。
【0003】上記偏向装置8の一例を図8に示す。この
偏向装置8は、セミトロイダル型偏向装置であり、モー
ルド10の内側に配置された水平偏向磁界を発生する上
下一対のサドル型水平偏向コイル11と、コア12に巻
回されてモールド10の外側に配置され、垂直偏向磁界
を発生する上下一対のトロイダル型垂直偏向コイル13
とを有する。この偏向装置8の発生する水平、垂直偏向
磁界の分布は、電子銃から放出される3電子ビームの偏
向特性および集中特性を決定するため、きわめて重要で
ある。
【0004】すなわち、図9に示すように、一般にイン
ライン型カラー受像管装置の電子銃7から放出される一
対のサイドビーム6B ,6R は、偏向磁界を通過して蛍
光体スクリーン3に達するとき、集中誤差を生じ、蛍光
体スクリーン3よりも内側に電子銃7側を凹とする破線
14上に集中する(過集中)。しかもこの一対のサイド
ビーム6B ,6R の集中点とセンタービーム6G とは、
必ずしも集中が一致せず、コマ収差が生ずる。そのた
め、図10に示すように、蛍光体スクリーン上に描かれ
るセンタービーム6G および一対のサイドビーム6B ,
6R のラスター15B ,15G ,15R はずれる。な
お、16B ,16G ,16R は、センタービーム6G お
よび一対のサイドビーム6B ,6R のビームスポットで
ある。
【0005】しかしカラー受像管装置において、蛍光体
スクリーン上に品位良好な画像を再生するためには、画
面全域にわたり3電子ビームを集中させることが必要で
ある。この3電子ビームの集中手段として、従来より補
正回路により3電子ビームの偏向に同期してダイナミッ
クに集中補正する手段があるが、現在はインライン型電
子銃の特性を生かして、偏向磁界を特定の非斉一磁界と
することにより、一列配置の3電子ビームを集中する手
段がセルフコンバーゼンス方式として広く採用されてい
る。
【0006】このセルフコンバーゼンス方式のインライ
ン型カラー受像管装置では、図11(a)に示すよう
に、同一水平面上を通るセンタービーム6G および一対
のサイドビーム6B ,6R からなる一列配置の3電子ビ
ーム6B ,6G ,6R に対して、水平偏向磁界17H を
ピンクッション形、同(b)に示すように、垂直偏向磁
界17V をバレル形としている。このように水平偏向磁
界17H をピンクッション形とすると、水平軸(X軸)
上、すなわち図11(a)のA−A線上では、図12
(a)に曲線18aで示すように、ビームスポットを水
平方向に伸長する好ましくない磁界強度の垂直成分BY
が中心から水平方向に離軸するにしたがって増加する。
同時に中心から垂直方向(Y軸方向)に任意離れた点に
おける磁界強度の垂直方向成分BY も、図11(a)の
B−B線に対応して図12(a)に曲線18b で示すよ
うに、水平方向に離れるにしたがって増加の傾向を示
す。また中心から水平方向に任意離れた点における磁界
強度の垂直成分BY は、図11(a)のC−C線に対応
して図12(b)に曲線18c で示すように、垂直方向
に離れるにしたがって減少する。一方、バレル形の垂直
偏向磁界17V については、図11(b)のD−D線、
E−E線、F−F線に対応して、図13(a)および
(b)にそれぞれ磁界強度の水平方向成分BY を曲線1
8d ,18e ,18fで示すように、ピンクッション形
水平偏向磁界とは逆の特性を示す。
【0007】このように同一水平面上を通るセンタービ
ーム6G および一対のサイドビーム6B ,6R からなる
一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,6R に対して、水
平偏向磁界17H をピンクッション形、垂直偏向磁界1
7V をバレル形とすることにより、一列配置の3電子ビ
ーム6B ,6G ,6R を蛍光体スクリーン上に集中する
ことが可能となる。すなわち、水平および垂直偏向磁界
が斉一磁界であるときは、図9に示したように水平、垂
直、対角軸ともに過集中となって、蛍光体スクリーン上
に描かれるパターンは、図10に示したようにずれる
が、上記のように水平偏向磁界17H をピンクッション
形、垂直偏向磁界17V をバレル形とする非斉一磁界に
すると、図14に示すように、蛍光体スクリーン上のビ
ームスポット16B ,16G ,16R は、水平、垂直、
対角軸ともに図10に示した斉一磁界の場合よりも接近
し、画面全域にわたり集中する方向に変化する。しかし
このように画面全域にわたり集中する方向に変化して
も、センタービームと一対のサイドビームとの関係は、
コマ収差のため、必ずしも一定とはならない。また画面
対角軸端部での集中特性は、水平および垂直偏向磁界の
組合わせにより得られるものであるため、カラー受像管
装置の偏向角や画面サイズなどにより変化する。以上要
するに、同一水平面上を通るセンタービームおよび一対
のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出
するインライン型カラー受像管装置については、偏向装
置の水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界を
バレル形とすることにより、一対のサイドビームを画面
全域にわたり集中させることができる。しかしなおコマ
収差が残存し、画像品位を劣化する。したがってこのコ
マ収差を補正する必要がある。
【0008】このコマ収差を補正する手段としては、特
公昭51−26208号公報に示されているように、電
子銃の電極に磁性体を配置することが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、同一水
平面上を通るセンタービームおよび一対のサイドビーム
からなる一列配置の3電子ビームを放出するインライン
型カラー受像管装置の3電子ビームを画面全域にわたり
集中させるために、偏向装置の発生する水平偏向磁界を
ピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形として、こ
の非斉一磁界により集中するようにしたカラー受像管装
置がある。しかし偏向装置の発生する偏向磁界を非斉一
磁界とすると、偏向にともなって画面上のビームスポッ
トが歪む。
【0010】すなわち、電子ビームを斉一磁界により偏
向した場合は、図15に示すように、画面全域にわたり
ほぼ円形のビームスポット16(16B ,16G ,16
R )が得られる。しかし非斉一磁界により偏向すると、
図16に示すように、画面の中心では、ほぼ円形のビー
ムスポット16が得られるが、画面の水平軸端では、ピ
ンクッション形水平偏向磁界17H により、電子ビーム
6(6B ,6G ,6R)の上半分が下方に、下半分が上
方に押圧されるローレンツ力を受け、水平方向を長軸と
する楕円形状に歪む。また画面の垂直軸端では、バレル
形垂直偏向磁界17V により、電子ビーム6の右半分が
右方、左半分が左方に押圧されるローレンツ力を受け、
水平方向を長軸とする楕円形状に歪む。そのため、画面
周辺部のフォーカス特性が劣化する。
【0011】特に最近開発されつつある蛍光体スクリー
ンのアスペクト比が16:9の横長画面のハイビジョン
用高精細カラー受像管装置では、従来の蛍光体スクリー
ンのアスペクト比が4:3のカラー受像管装置に対し
て、走査線が525本から1125本と倍増するため、
水平偏向周波数が15.75 kHz から33.75 kH
z と高くなっている。この水平偏向周波数の増大は、前
述の電子銃の電極に配置された磁性体によるコマ収差補
正に悪影響を及ぼす。すなわち、この電子銃の電極に配
置された磁性体は、ヒステリシス特性をもち、水平偏向
磁界が零になっても磁化が残留する。そのため、この残
留磁化により非対称な集中誤差が生ずるという問題があ
る。
【0012】この発明は、上記諸問題点に鑑みてなされ
たものであり、偏向装置の磁界分布によりコマ収差を補
正して、同一平面上を通るセンタービームおよび一対の
サイドビームからなる一列配置の3電子ビームの集中特
性を良好にするとともに、ビームスポットの歪を軽減し
て、画面周辺部のフォーカス特性を良好にすることを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】同一平面上を通るセンタ
ービームおよび一対のサイドビームからなる一列配置の
3電子ビームを放出する電子銃と、この電子銃から放出
された3電子ビームを3電子ビームの配列方向に偏向す
るサドル形第1偏向コイルおよびこの第1偏向コイルの
外側に配置され、3電子ビームを3電子ビームの配列方
向と直交する方向に偏向するトロイダル形第2偏向コイ
ルを有する偏向装置とを備えるカラー受像管装置におい
て、偏向装置の第2偏向コイルの後部側に、この第2偏
向コイルの発生する後部漏洩磁界と磁気的に結合する第
1アームと、この第1アームに磁気的に結合して第1ア
ームに取込まれた磁束を導く結合部と、この結合部に磁
気的に結合して結合部に導かれた磁束を第1偏向コイル
の後部側と第2偏向コイルの後部側との間に放出して磁
界を形成する第2アームとを有する磁界制御素子を配置
した。
【0014】また、その第1アームを第2偏向コイルの
後部側の外周を取囲む円弧状に形成し、第2アームに第
1偏向コイルの後部側と第2偏向コイルの後部側との間
に配置されて偏向装置の前端部方向に延在する複数の磁
極形成部分を設けた。
【0015】さらに、同一平面上を通るセンタービーム
および一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビ
ームを放出する電子銃と、この電子銃から放出された3
電子ビームを3電子ビームの配列方向に偏向するピンク
ツション形偏向磁界を発生するサドル形第1偏向コイル
およびこの第1偏向コイルの外側に配置され、3電子ビ
ームを3電子ビームの配列方向と直交する方向に偏向す
るバレル形偏向磁界を発生するトロイダル形第2偏向コ
イルを有する偏向装置とを備えるカラー受像管装置にお
いて、偏向装置の第2偏向コイルの後部側に、この第2
偏向コイルの発生する後部漏洩磁界と磁気的に結合する
第1アームと、この第1アームに磁気的に結合して第1
アームに取込まれた磁束を導く結合部と、この結合部に
磁気的に結合して結合部に導かれた磁束を第1偏向コイ
ルの後部側と第2偏向コイルの後部側との間に放出して
ピンクッション形磁界を形成する第2アームとを有する
磁界制御素子を配置した。
【0016】
【作用】上記のように、偏向装置のトロイダル形第2偏
向コイルの後部側に、この第2偏向コイルの発生する後
部漏洩磁界と磁気的に結合する第1アームと、この第1
アームに磁気的に結合して第1アームに取込まれた磁束
を導く結合部と、この結合部に磁気的に結合して結合部
に導かれた磁束を第1偏向コイルの後部側と第2偏向コ
イルの後部側との間に放出して磁界を形成する第2アー
ムとを有する磁界制御素子を配置すると、画面周辺部の
フォーカス特性を劣化するトロイダル形第2偏向コイル
からの漏洩磁界を低減して、画面周辺部のフォーカス特
性を良好にすることができる。またトロイダル形第2偏
向コイルからの後部漏洩磁界を取込んで第1偏向コイル
の後部側と第2偏向コイルの後部側との間に放出してピ
ンクッション形磁界を形成することにより、トロイダル
形第2偏向コイルの磁界分布を、蛍光体スクリーン側を
バレル形、電子銃側をピンクッション形とすることによ
り、コマ収差を低減することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0018】図1にその一実施例であるインライン型カ
ラー受像管装置を示す。このカラー受像管装置は、パネ
ル1およびこのパネル1に一体に接合されたファンネル
2からなる外囲器を有し、そのパネル1の内面に、青、
緑、赤に発光する垂直方向に細長いストライプ状の3色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が設けられ、この
蛍光体スクリーン3に対向して、その内側にシャドウマ
スク4が配置されている。一方、ファンネル2のネック
5内に、同一水平面上を通るセンタービーム6G および
一対のサイドビーム6B ,6R からなる一列配置の3電
子ビーム6B ,6G ,6R を放出するインライン型電子
銃7が配設されている。またファンネル2の径大部20
とネック5との境界部近傍の外側に偏向装置21が装着
されている。
【0019】この偏向装置21は、図2に示すように、
モールド10の内側に配置され、上記電子銃から放出さ
れる3電子ビームの通過領域にピンクッション形水平偏
向磁界を発生する上下一対のサドル型水平偏向コイル1
1(第1偏向コイル)と、コア12に巻回されてモール
ド10の外側に配置され、上記電子銃から放出される3
電子ビームの通過領域にバレル形垂直偏向磁界を発生す
る上下一対のトロイダル型垂直偏向コイル13(第2偏
向コイル)とを有する。さらにこのカラー受像管装置に
おいては、垂直偏向コイル13の後部側(電子銃側)に
一対の磁界制御素子22が配置されている。
【0020】この各磁界制御素子22は、けい素鋼板な
どの強磁性材料からなり、垂直偏向コイル13の後部側
外周を取囲む円弧状の第1アーム23と、垂直偏向コイ
ル13の後端部側とモールド10を介して水平偏向コイ
ル11の後部側との間に挿入されて、偏向装置21の前
端部方向に延在する第2アーム24と、これら第1、第
2アーム23、24と磁気的に結合するように一体に形
成された結合部25とからなる断面ほぼコ字状に形成さ
れている。その第2アーム24には、後述するように両
側部に一対の磁極形成部分26が形成される。
【0021】このように垂直偏向コイル13の後部側に
一対の磁界制御素子22を配置すると、垂直偏向コイル
13の後部から電子銃7方向に放出される後部漏洩磁界
を第1アーム23に取込み、この第1アーム23に取込
まれた磁束を結合部25を介して第2アーム24に導
き、第2アーム24の両側部の一対の磁極形成部分26
から放出して、偏向装置21の後部側にピンクッション
磁界を形成する。それにより偏向装置21の垂直偏向磁
界は、蛍光体スクリーン3側が垂直偏向コイル13の発
生するバレル形磁界、電子銃7側が磁界制御素子22に
よって形成されるピンクッション磁界となり、バレル形
垂直偏向磁界のコマ収差を低減して、3電子ビーム6B
,6G ,6R を画面全域にわたり集中誤差をなくして
一致させることができる。
【0022】バレル形垂直偏向磁界のコマ収差を補正す
る手段として、従来、実開昭60−40944号公報に
示されている手段がある。この補正手段は、図3に示す
ように、偏向装置8の後端部に磁性材料からなる一対の
E形コア27に各3個のコイル28を取付け、これらコ
イル28に垂直偏向電流を流して6極磁界29を形成す
るようにしたものがある。しかしこのコマ収差補正手段
は、その6極磁界29により垂直偏向磁界が水平偏向磁
界よりも電子銃側に移動する。そのため、その水平、垂
直偏向磁界により電子ビームを画面の対角軸端部に偏向
するとき、この6極磁界29のピンクッション形磁界成
分により、垂直偏向が水平偏向よりも早く始まり、3電
子ビーム6B ,6G ,6R に水平偏向磁界が作用すると
きは、3電子ビーム6B ,6G ,6R は、管軸より垂直
方向に離れた位置を通る。さらにこの垂直偏向が上記ピ
ンクッション形磁界成分によりおこなわれるため、セン
タービーム6G の離軸量が一対のサイドビーム6B ,6
R の離軸量よりも大きくなる。そのため、センタービー
ム6G は、一対のサイドビーム6B ,6R よりも、水平
偏向磁界による垂直方向の収差を大きく受ける。その結
果、図4に蛍光体スクリーン上に描かれるラスター15
B ,15G ,15R およびビームスポット16B ,16
G ,16R で示すように、画面の垂直軸端では、センタ
ービーム6Gおよび一対のサイドビーム6B ,6R は、
良好に集中するが、対角軸端では、センタービーム6G
の垂直方向の偏向量が一対のサイドビーム6B ,6R の
垂直方向の偏向量よりも少なくなり、対角部でのコンバ
ーゼンスが大きく劣化する。
【0023】これに対し、図1、2、に示したこの例の
磁界制御素子22の配置された偏向装置21では、偏向
装置21の垂直偏向磁界の発生と同時に、磁界制御素子
22によりピンクッション形磁界が形成される。しかも
そのピンクッション形磁界を形成する第2アームが偏向
装置21の前端部方向に延在しているので、垂直偏向コ
イルの形成する垂直偏向磁界を偏向装置21の前端部方
向に移動させる。この垂直偏向磁界の移動は、磁界制御
素子22の第2アーム24の形状(主として偏向装置の
前端部方向への突出長)により変化し、図5(a)乃至
(d)に偏向装置21の垂直軸(Y軸)および垂直軸か
ら30°、45°の軸31,32での第2アーム24の
長さをそれぞれL0 ,L30,L45として示したように、
これら長さL0 ,L30,L45を適切に設定することによ
り、実質的に垂直方向および水平方向の偏向中心を一致
させることができる。それにより画面対角部でのコンバ
ーゼンスのずれをなくし、画面全域にわたり3電子ビー
ム6B ,6G ,6R の集中を良好にすることができる。
【0024】またこの磁界制御素子22の形成するピン
クッション形磁界は、第2アーム24の両側部の長さL
45を他の部分に対して適切に設定することにより、その
両側部間に形成される。そして図6に示すように、この
第2アーム24の両側部の開き角度θを0°から逐次大
きくすることにより、そのピンクッション形磁界34の
形状が変化し、センタービームに対するコマ収差補正作
用が徐々に大きくなる。このコマ収差補正作用は、両側
部の開き角度θがほぼ45°のとき最大となり、45°
以上になると、逆に徐々に減少する。したがってこの第
2アーム24の開き角度θを適切に設定することによ
り、コマ収差を実用上零に補正することができる。
【0025】このような磁界制御素子22についてその
形状を種々変えて画面水平軸端、垂直軸端および対角軸
端での水平方向および垂直方向の集中誤差を調査した結
果、磁界制御素子22の形状を最適化することにより、
従来のカラー受像管装置に対し、水平方向の過集中を約
30%低減でき、垂直方向のコマ収差を25%低減する
ことができた。さらに垂直偏向コイル13の電子銃7側
に発生する後部漏洩磁界を約50%低減でき、画面の垂
直軸端および対角軸端でのビームスポットの歪を改善
し、画面周辺部のフォーカス特性を良好にすることがで
きた。さらにまた垂直偏向コイル13の発生する垂直偏
向磁界の非斉一性を弱めて、一対のサイドビーム6B ,
6R の集中誤差をなくす偏向装置の設計が容易となり、
一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,6R の集中特性を
良好にすることができた。
【0026】
【発明の効果】同一平面上を通るセンタービームおよび
一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
放出する電子銃と、この電子銃から放出された3電子ビ
ームをその配列方向に偏向するサドル形第1偏向コイル
および3電子ビームの配列方向と直交する方向に偏向す
るトロイダル形第2偏向コイルを有する偏向装置とを備
えるカラー受像管装置において、その偏向装置の第2偏
向コイルの後部側に、この第2偏向コイルの発生する後
部漏洩磁界と磁気的に結合する第1アームと、この第1
アームに取込まれた磁束を導く結合部と、この結合部に
導かれた磁束を第1偏向コイルの後部側と第2偏向コイ
ルの後部側との間に放出して磁界を形成する第2アーム
とを有する磁界制御素子を配置すると、より具体的に
は、その第1アームを第2偏向コイルの後部側の外周を
取囲む円弧状に形成し、第2アームに偏向装置の前端部
方向に延在する複数の磁極形成部分を設けると、画面周
辺部のフォーカス特性を劣化する第2偏向コイルからの
後部漏洩磁界を低減して、画面周辺部のフォーカス特性
を良好にすることができる。また第2偏向コイルからの
後部漏洩磁界を取込んで第1偏向コイルの後端部側と第
2偏向コイルの後端部側との間に放出してピンクッショ
ン形磁界を形成することにより、トロイダル形第2偏向
コイルの磁界分布を、蛍光体スクリーン側をバレル形、
電子銃側をピンクッション形として、コマ収差を低減す
ることができる。したがって上記のように偏向装置に磁
界制御素子を配置することにより、通常の画面サイズが
4:3のカラー受像管装置は勿論、画面サイズが16:
9のハイビジョン用高精細カラー受像管装置に適用し
て、きわめて精細かつ色純度の良好なカラー受像管装置
とすることができる。また特に第1偏向コイルの発生す
る偏向磁界をピンクツション形、第2偏向コイルの発生
する偏向磁界をバレル形とするカラー受像管装置に適用
して大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるインライン型カラー
受像管装置の構成を示す図である。
【図2】図2(a)は磁界制御素子の配置された偏向装
置の構成を示す図、図2(b)は図2(a)におけるB
−B線断面の矢視図である。
【図3】図3(a)は従来のコマ収差補正手段の設けら
れた偏向装置の構成を示す図、図3(b)はそのコマ収
差補正手段を示す図である。
【図4】上記コマ収差補正手段による3電子ビームの集
中を説明するための図である。
【図5】図5(a)乃至(d)はそれぞれ図2(a)に
示した偏向装置の磁界制御素子の第2アームの形状を説
明するための図である。
【図6】その第2アームの開き角を説明するための図で
ある。
【図7】従来のインライン型カラー受像管装置の構成を
示す図である。
【図8】その偏向装置の構成を示す図である。
【図9】従来のインライン型カラー受像管装置の3電子
ビームの集中特性を説明するための図である。
【図10】従来のインライン型カラー受像管装置の3電
子ビームのラスターのずれを説明するための図である。
【図11】図11(a)はインライン型カラー受像管装
置の3電子ビームを集中する水平偏向磁界の形状を示す
図、図11(b)は垂直偏向磁界の形状を示す図であ
る。
【図12】図12(a)および(b)はそれぞれ上記水
平偏向磁界の強度を説明するための図である。
【図13】図13(a)および(b)はそれぞれ上記垂
直偏向磁界の強度を説明するための図である。
【図14】インライン型カラー受像管装置の水平、垂直
偏向磁界を非斉一磁界とした場合の3電子ビームの集中
を説明するための図である。
【図15】インライン型カラー受像管装置の3電子ビー
ムを斉一磁界により偏向した場合のビームスポットの形
状を示す図である。
【図16】図16(a)乃至(c)はそれぞれインライ
ン型カラー受像管装置の3電子ビームを非斉一磁界によ
り偏向した場合のビームスポットの形状を説明するため
の図である。
【符号の説明】
3…蛍光体スクリーン 6B ,6R …一対のサイドビーム 6G …センタービーム 7…電子銃 11…水平偏向コイル 12…コア 13…垂直偏向コイル 15B ,15G ,15R …ラスター 16B ,16G ,16R …ビームスポット 21…偏向装置 22…磁界制御素子 23…第1アーム 24…第2アーム 25…結合部 26…磁界形成部分 34…ピンクッション形磁界

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面上を通るセンタービームおよび
    一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
    放出する電子銃と、この電子銃から放出された3電子ビ
    ームを上記3電子ビームの配列方向に偏向するサドル形
    第1偏向コイルおよびこの第1偏向コイルの外側に配置
    され、上記3電子ビームを上記3電子ビームの配列方向
    と直交する方向に偏向するトロイダル形第2偏向コイル
    を有する偏向装置とを備えるカラー受像管装置におい
    て、 上記偏向装置は上記第2偏向コイルの後部側に配置され
    た磁界制御素子を有し、この磁界制御素子が上記第2偏
    向コイルの発生する後部漏洩磁界と磁気的に結合する第
    1アームと、この第1アームに磁気的に結合して上記第
    1アームに取込まれた磁束を導く結合部と、この結合部
    に磁気的に結合して上記結合部に導かれた磁束を上記第
    1偏向コイルの後部側と上記第2偏向コイルの後部側と
    の間に放出して磁界を形成する第2アームとを有する構
    造に形成されていることを特徴とするカラー受像管装
    置。
  2. 【請求項2】 第1アームは第2偏向コイルの後部側の
    外周を取囲む円弧状に形成され、第2アームは第1偏向
    コイルの後部側と上記第2偏向コイルの後部側との間に
    配置され、偏向装置の前端部方向に延在する複数の磁極
    形成部分を有することを特徴とする請求項1記載のカラ
    ー受像管装置。
  3. 【請求項3】 同一平面上を通るセンタービームおよび
    一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
    放出する電子銃と、この電子銃から放出された3電子ビ
    ームを上記3電子ビームの配列方向に偏向するピンクッ
    ション形偏向磁界を発生するサドル形第1偏向コイルお
    よびこの第1偏向コイルの外側に配置され、上記3電子
    ビームを上記3電子ビームの配列方向と直交する方向に
    偏向するバレル形偏向磁界を発生するトロイダル形第2
    偏向コイルを有する偏向装置とを備えるカラー受像管装
    置において、 上記偏向装置は上記第2偏向コイルの後部側に配置され
    た磁界制御素子を有し、この磁界制御素子が上記第2偏
    向コイルの発生する後部漏洩磁界と磁気的に結合する第
    1アームと、この第1アームに磁気的に結合して上記第
    1アームに取込まれた磁束を導く結合部と、この結合部
    に磁気的に結合して上記結合部に導かれた磁束を上記第
    1偏向コイルの後部側と上記第2偏向コイルの後部側と
    の間に放出してピンクッション形磁界を形成する第2ア
    ームとを有する構造に形成されていることを特徴とする
    カラー受像管装置。
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