JP2003064164A - フェノール系重合体、その製法及びその用途 - Google Patents

フェノール系重合体、その製法及びその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂系半導体封止剤における硬
化剤として有用であり、低吸水性、低弾性率、低溶融粘
度のエポキシ樹脂組成物を形成することが可能なフェノ
ール系重合体、それを効率よく製造する方法及びエポキ
シ樹脂硬化剤としての用途を提供する。 【解決手段】 4,4’−ジハロメチルビフェニルとフ
ェノールの重縮合によって得られるフェノールビフェニ
ルアラルキル樹脂をベンジルハライドによりベンジル化
し、フェノール骨格に対して0.2〜1.5モル倍のベ
ンジル基を導入したフェノール系重合体をエポキシ樹脂
硬化剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形材、各種バイ
ンダー、コーティング材、積層材などに有用な新規フェ
ノール系重合体、その製造方法及びそれをエポキシ樹脂
硬化剤として用いた組成物ないしはその硬化物に関す
る。特には、エポキシ樹脂系半導体封止材における硬化
剤として有用な、低吸水性、低弾性率、低溶融粘度を兼
ね備えたフェノール系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の封止方法としては、経済性、生
産性、物性のバランスからエポキシ樹脂による樹脂封止
が一般的に使用されており、中でもオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック硬化剤
とシリカなどの無機充填材とからなる樹脂封止が広く使
用されてきた。しかし近年、LSIチップの大型化、パ
ッケージの薄型化/小型化、実装方式の変更などに伴
い、封止材に対する要求性能が大きく変わってきてお
り、従来のエポキシ樹脂封止材料では、耐湿性、耐熱
性、信頼性などの点で充分な対応が難しくなってきてい
る。例えば、半田付け時の熱処理時に、吸湿水分の急激
な気化膨張に伴うパッケージのクラックや剥離の発生が
問題になっている。
【0003】このため吸湿性が低く、半田付け温度にお
ける弾性率が低いエポキシ樹脂や硬化剤の開発が望まれ
ている。このような要望に対して、硬化剤としてフェノ
ールアラルキル樹脂(特公昭47−13782号、特公
昭47−15111号など)を用いる方法が実用化され
ている。フェノールアラルキル樹脂は、フェノール化合
物をハロメチル基やアルコキシメチル基、ヒドロキシメ
チル基などを2個有する芳香族化合物と反応させること
によって得られるもので、OH基濃度が低下する効果で
低吸水化や熱時低弾性化を図るものであり、それなりの
効果は認められるが、未だ充分なものではなかった。
【0004】最近、アルコキシメチル基を2個以上有す
る芳香族化合物としてビス(メトキシメチルビフェニ
ル)を用いたタイプのフェノールビフェニルアラルキル
樹脂が提案されており(特許第3122834号な
ど)、ある程度の改善はなされているが、この場合も充
分満足すべきものとは言えなかった。とくに大型、薄型
のパッケージの場合、鉛フリー半田対応で、半田付け温
度の上昇が避けられない状況では、さらなる低吸水化や
低弾性率化の材料が求められた。
【0005】このような状況の中で、ナフトールなど多
環芳香族化合物の利用なども提案されているが(特開平
9−176262号)、溶融粘度の上昇のためフェノー
ルを過剰に使用することが必須となっており、必ずしも
充分な改善が得られていない状況である。
【0006】その他にも、ナフトールアラルキル樹脂や
石油ピッチをフェノールと共にホルムアルデヒドと共重
合したもの、ジビニルベンゼンとフェノールの付加反応
物、ジシクロペンタジエンとフェノールの付加反応物な
どが提案されているが、目標とする特性を満足するまで
には至っていない。
【0007】さらに特定のポリフェノール類をベンジル
化したものも提案されており(特開平8−120039
号)、耐熱性、低吸水性、機械的強度等に優れるエポキ
シ樹脂組成物が得られることが開示されているが、とく
に好ましいとされているフェノール骨格がメチレン基又
はチオエーテル結合で連結されたポリフェノール類をベ
ンジル化したものは、低吸水化や低弾性率化が不足して
おり、鉛フリー半田対応材としては全く不充分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、半導体封止用エポキシ樹脂硬化系において、硬化剤
として使用した場合に低粘度、低吸水で低弾性化を達成
できるような新規なフェノール系重合体を提供すること
にある。本発明の他の目的は、このようなフェノール系
重合体を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、このようなフェノール系重
合体のエポキシ樹脂硬化剤としての使用、及びエポキシ
樹脂に配合した硬化性組成物ならびにその硬化物を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1)で表されるフェノール系重合体に関する。
【化8】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
素又はメチル基、R、R、Rはそれぞれ水素又は
炭素数1〜4のアルキル基、a、b、cは、0≦a≦
2、0≦b≦2、1≦c≦5で、(a+bc)/(1+
c)が0.2〜1.5の範囲にあり、c個のbは互いに
同一又は異なるものである。)
【0010】本発明はまた、下記一般式(2)で示され
るフェノールビフェニルアラルキル樹脂と一般式(3)
で示されるベンジル化合物類を、酸触媒の存在下で反応
させることを特徴とする上記式(1)で示されるフェノ
ール系重合体の製造方法に関する。
【化9】 (式中、R、R、Rはそれぞれ水素又は炭素数1
〜4のアルキル基、cは1≦c≦5)
【化10】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
素又はメチル基、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキ
ル基)
【0011】本発明はまた、上記一般式(2)で示され
るフェノールビフェニルアラルキル樹脂と一般式(4)
で示されるベンジルハライド類を、水の存在下で反応さ
せることを特徴とする上記一般式(1)で示されるフェ
ノール系重合体の製造方法に関する。
【化11】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
素又はメチル基、Xは、Cl,Br又はI)
【0012】上記一般式(2)で示されるフェノールビ
フェニルアラルキル樹脂は、一般式(5)で示されるビ
フェニル化合物と一般式(6)で示されるフェノール類
を酸触媒の存在下で反応させて得ることができるし、一
般式(7)で示されるジハロメチルビフェニル化合物と
一般式(6)で示されるフェノール類を水の存在下で反
応させることによっても得ることができる。
【化12】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基、
、Rはそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアルキル
基)
【化13】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基)
【化14】 (式中、Xは、Cl,Br又はI、R、Rはそれぞ
れ水素又は炭素数1〜4のアルキル基)
【0013】本発明はまた、上記一般式(1)のフェノ
ール系重合体からなるエポキシ樹脂用硬化剤及び上記一
般式(1)のフェノール系重合体とエポキシ樹脂を含有
するエポキシ樹脂組成物、さらにはこれを硬化してなる
エポキシ樹脂硬化物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)で示されるフェ
ノール系重合体において、Arはアリール基であり、例
えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、メチルフェニ
ル、ベンジルフェニル、メチルナフチルなどの基を例示
することができる。またR、Rはそれぞれ水素又は
メチル基であり、好ましくは両者が水素の場合である。
さらにR ,R,Rはそれぞれ水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピ
ル、n−プロピル、イソブチル、nーブチル、t−ブチ
ルなどのアルキル基である。また一般式(1)における
ビフェニル骨格部の重合単位としては、4,4’−型、
2,4'−型、2,2’−型など種々のものがあるが、
とくに4,4’−型のものが好ましい。
【0015】またcは1≦c≦5、好ましくは1≦c≦
4を満足する。この式の意味は、フェノール系重合体が
単一重合度のものであれば、cが5以下の整数であるこ
とを意味するが、フェノール系重合体が異なる重合度の
ものの混合物である場合、すなわちcが複数種のものの
混合物である場合は、その平均値が1〜5の値であるこ
とを意味しており、平均値がこの範囲となる限り部分的
にcが6以上、例えば6〜10のものが混合されていて
もよい。一般にはフェノール系重合体として重合度の異
なる混合物である場合の方が製造が容易で、しかも低溶
融粘度になるので好ましい。
【0016】上記一般式においてはまた、a及びbは、
それぞれ0≦a≦2及び0≦b≦2であって、(a+b
c)/(1+c)が0.2〜1.5、好ましくは0.4
〜1.2の範囲にあり、またc個のbは互いに同一又は
異なるものである。b個のベンジル基は、cが1より大
きい場合は、末端のフェノール骨格に結合しているもの
と分子鎖中のフェノール骨格に結合しているものがある
が、末端のフェノール骨格に結合しているものの方が平
均的に数が多いものと考えられる。
【0017】上記一般式において、cが5より大きいフ
ェノール系重合体を使用すると溶融粘度が高くなり、成
形性を損なう傾向となるので、cが5以下となるような
上記範囲であることが好ましい。また(a+bc)/
(1+c)の値が上記範囲より小さいものは、吸水率の
低下及び半田付け温度域での弾性率の低下が充分でな
く、またその値が大きくなりすぎるとエポキシ樹脂の硬
化剤として使用するときに、硬化速度が遅くなり好まし
くない。
【0018】これらa、b、cの値によって決定される
べきものであるが、上記フェノール系重合体としてはま
た、150℃における溶融粘度が700mPa・s以
下、好ましくは500mPa・s以上の範囲にあり、ま
た水酸基価が220〜350g/eq、とくに230〜
330g/eqの範囲にあることが好ましい。
【0019】上記フェノール系重合体の代表的なもの
は、一般式(1)におけるR、R、R、R、R
がそれぞれ水素であり、Arがフェニル基であり、ビ
フェニル骨格の重合単位が4,4’−型である一般式
(8)で示されるものを挙げることができる。
【化15】
【0020】このようなフェノール系重合体は、マスス
ペクトル分析(MS)、プロトンNMR(H−NM
R)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、水酸基
当量等により同定することができる。図1は実施例1で
得られ、上記(8)式によって示すことができるフェノ
ール系重合体のマススペクトルチャートである。マスス
ペクトルの分子量ピークと(8)式のc及びa+bcの
関係を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】図2は上記フェノール系重合体のプロトン
NMRのチャートであり、芳香族(フェノール核、ビフ
ェニル核、ベンジル基由来のフェニル核)が6.5〜
7.6ppm、メチレンが3.6〜4.1ppm、OH
基が8.2〜9.5ppmに検出され、フェノールがベ
ンジル基及びメチレン結合を介してビフェニル基と連結
された構造であることが判る。
【0023】図3は上記フェノール系重合体のGPCチ
ャートであり、図4はその原料であり、一般式(2)に
おいてR、R、Rがそれぞれ水素であり、ビフェ
ニル骨格部の重合単位が4,4’−型である次式(9)
で示されるフェノールビフェニルアラルキル樹脂のGP
Cチャートである。
【化16】
【0024】図3と図4の対比から明らかなように、上
記フェノール系重合体は分子量分布を有しており、ベン
ジル化によって分子量が大きくなったこと、ベンジル化
されたことにより、フェノール核へベンジル基が置換す
る数の分布(ばらつき)によって、ピークがさらに増え
たことが判る。
【0025】さらにフェノール系重合体のOH基を過剰
の無水酢酸でアセチル化し、その時に消費された無水酢
酸を定量することによって求められる水酸基当量303
g/eqという値は、一般式(8)においてc=2.
0、(a+bc)/(1+c)=1.0の場合の水酸基
当量(計算値)と極めてよい一致をする。
【0026】以上のことから、このフェノール系重合体
が、一般式(8)で示される構造を有するものであると
結論づけることができる。
【0027】上記一般式(1)で示されるフェノール系
重合体は、以下の方法によって効率的に製造することが
できる。第1の方法は、一般式(2)で示されるフェノ
ールビフェニルアラルキル樹脂と一般式(3)で示され
るベンジル化合物類を酸触媒の存在下で反応させること
によって得ることができる。
【0028】フェノールビフェニルアラルキル樹脂の一
般式(2)において、R,R,Rはそれぞれ水素
又は炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、nーブ
チル、t−ブチルなどのアルキル基である。またcは、
1≦c≦5、好ましくは1≦c≦4を満足する。この式
の意味は、フェノールビフェニルアラルキル樹脂が単一
重合度のものであれば、cが5以下の整数であることを
意味するが、フェノールビフェニルアラルキル樹脂が異
なる重合度のものの混合物である場合、すなわちcが複
数種のものの混合物である場合は、その平均値が1〜5
の値であることを意味しており、平均値がこの範囲にあ
る限り部分的にcが6以上、例えば6〜10のものが混
合されていてもよい。
【0029】また一般式(3)において、Arはアリー
ル基であり、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、
メチルフェニル、ベンジルフェニル、メチルナフチルな
どの基を例示することができる。またR、Rはそれ
ぞれ水素又はメチル基であり、好ましくは両者が水素の
場合である。またRは、水素又は炭素数1〜4のアル
キル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−プ
ロピル、イソブチル、nーブチル、t−ブチルなどのア
ルキル基である。一般式(3)で示されるベンジル化合
物類として具体的には、ベンジルアルコール、o−メチ
ルベンジルアルコール、m−メチルベンジルアルコー
ル、p−メチルベンジルアルコール、p−エチルベンジ
ルアルコール、p−イソプロピルベンジルアルコール、
p−t−ブチルベンジルアルコール、p−シクロヘキシ
ルベンジルアルコール、p−フェニルベンジルアルコー
ル、2−ナフチルカルビノール、7−メチル−2−ナフ
チルカルビノール及びこれらの核置換異性体、α−メチ
ルベンジルアルコール、α,α−ジメチルベンジルアル
コール、ベンジルメチルエーテル、o−メチルベンジル
メチルエーテル、m−メチルベンジルメチルエーテル、
p−メチルベンジルメチルエーテル、p−エチルベンジ
ルメチルエーテル及びこれらの核置換異性体、ベンジル
エチルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベン
ジルn−プロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテ
ル、ベンジルn−ブチルエーテル、p−メチルベンジル
メチルエーテル及びその核置換異性体などを挙げること
ができる。
【0030】上記反応において使用可能な酸触媒として
は、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、蓚酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
フルオロメタンスルホン酸などの有機酸、塩化亜鉛、塩
化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデル
クラフツ触媒を、単独又は併用して用いることができ
る。
【0031】上記反応は、例えば、一般式(2)で示さ
れるフェノールビフェニルアラルキル樹脂中のフェノー
ル骨格1分子当たり、一般式(3)で表されるベンジル
化合物類を0.2〜1.5分子、好ましくは0.4〜
1.2分子となる量用い、酸触媒を添加して60〜18
0℃、好ましくは70〜160℃程度の温度で1〜10
時間程度維持することによって行うのがよい。ベンジル
化合物類は一括して添加して反応を行うことができる
が、例えばフェノールビフェニルアラルキル樹脂と酸触
媒からなる系に、攪拌下でベンジル化合物類を滴下しな
がら反応を行うこともできる。反応終了後は、必要に応
じ、触媒を蒸留や洗浄など一般的な手法で除去するか、
または塩基成分により触媒を失活させたのち、反応容器
から反応生成物を取り出し、冷却することにより、所望
のフェノール系重合体を得ることができる。
【0032】一般式(1)で示されるフェノール系重合
体を得る第2の方法は、一般式(2)で示されるフェノ
ールビフェニルアラルキル樹脂と一般式(4)で示され
るベンジルハライド類とを、水の存在下に反応させる方
法である。
【0033】一般式(4)において、Arはアリール基
であり、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、メチ
ルフェニル、ベンジルフェニル、メチルナフチルなどの
基を例示することができる。またR、Rはそれぞれ
水素又はメチル基であり、好ましくは両者が水素の場合
である。またXは、Cl、BrまたIである。ベンジル
ハライド類として具体的には、ベンジルクロライド、ベ
ンジルブロマイド、ベンジルアイオダイト、o−メチル
ベンジルクロライド、m−メチルベンジルクロライド、
p−メチルベンジルクロライド、p−エチルベンジルク
ロライド、p−イソプロピルベンジルクロライド、p−
t−ブチルベンジルクロライド、p−シクロヘキシルベ
ンジルクロライド、p−フェニルベンジルクロライド、
2−ナフチルメチルクロライド、7−メチル−2−ナフ
チルメチルクロライド及びこれらの核置換異性体、α−
メチルベンジルクロライド、α,α−ジメチルベンジル
クロライドなどを例示することができる。
【0034】この反応でもフェノールビフェニルアラル
キル樹脂中のフェノール骨格1分子当たり、一般式
(4)で表されるベンジルハライド類を0.2〜1.5
分子、好ましくは0.4〜1.2分子となる量用い、反
応開始剤である水の共存下で、60〜180℃、好まし
くは70〜160℃程度の温度で1〜10時間程度維持
することによって行うのがよい。共存させる水の量は、
フェノールビフェニルアラルキル樹脂とベンジルハライ
ド類の合計重量に対して100ppm以上程度で効果的
であり、一方あまり多量に存在させても無意味であるの
で、例えば0.5重量%以下程度とするのがよい。この
反応においては必要に応じ、前記したような酸触媒を併
用することができる。
【0035】尚、一般式(2)で示されるフェノールビ
フェニルアラルキル樹脂は、次の2方法により効率的に
製造することができる。第1の方法は、一般式(5)で
示されるビフェニル化合物と一般式(6)で示されるフ
ェノール類を、酸触媒の存在下で反応させる方法であ
る。
【0036】一般式(5)において、Rは水素又は炭素
数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプ
ロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、t−
ブチルなどの基であり、2個のRは互いに同一でも異な
っていてもよい。また、R、Rはそれぞれ水素又は
炭素数1〜4のアルキル基、例えば上記Rにおいて例示
したような基である。一般式(5)で示されるビフェニ
ル化合物として具体的には、4,4’−ジヒドロキシメ
チルビフェニル、2−メチル−4,4’−ジヒドロキシ
メチルビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジ
ヒドロキシメチルビフェニル、4,4’−ジメキシメチ
ルビフェニル、4,4’−ジエキシメチルビフェニル、
4,4’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,
4’−ジ−t−ブトキシメチルビフェニル、2−メチル
−4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、2,2’−
ジヒドロキシメチルビフェニル、2,4’−ジヒドロキ
シメチルビフェニルなどを例示することができる。とく
に好ましいビフェニル化合物は、4,4’−ジヒドロキ
シメチルビフェニル及び4,4’−ジメキシメチルビフ
ェニルである。
【0037】一般式(6)で表されるフェノール類とし
ては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、p−イソプロピルフェノール、p−n−ブチ
ルフェノール、p−イソブチルフェノール、p−t−ブ
チルフェノール及びこれらの核置換異性体などを挙げる
ことができる。
【0038】上記ビフェニル化合物とフェノール類の反
応に使用される酸触媒としては、一般式(2)のフェノ
ールビフェニルアラルキル樹脂と一般式(3)で示され
るベンジル化合物類の反応に使用できる上記例示の酸触
媒の中から選択することができる。
【0039】一般式(5)のビフェニル化合物とフェノ
ール類の反応比率は、フェノールビフェニルアラルキル
樹脂の平均重合度cが1〜5の範囲となるような割合で
あり、フェノール類1モルに対し、上記ビフェニル化合
物を0.03〜0.70モル、とくに0.10〜0.5
0モルの割合とするのが好ましい。
【0040】反応は、ビフェニル化合物とフェノール類
の合計量に対して酸触媒を0.004〜6重量%程度添
加して、60〜180℃、好ましくは80〜160℃程
度の温度で1〜10時間程度維持することによって行う
のがよい。反応終了後は、未反応のフェノール類を留去
することによって、一般式(2)のフェノールビフェニ
ルアラルキル樹脂を得ることができる。この場合、酸触
媒を含有する場合にはそのまま一般式(3)のベンジル
化合物との反応に使用できる。また酸触媒を含有しない
場合には、新たに酸触媒を加えて一般式(3)のベンジ
ル化合物との反応に使用できるし、一般式(4)で示さ
れるベンジルハライド類との反応にも使用することがで
きる。
【0041】一般式(2)のフェノールビフェニルアラ
ルキル樹脂を製造する第2の方法は、一般式(7)で示
されるジハロメチルビフェニル化合物と一般式(6)で
示されるフェノール類を水の存在下で反応させる方法で
ある。一般式(7)において、R、Rはそれぞれ水
素又は炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブ
チル、t−ブチルなどの基である。ジハロメチルビフェ
ニル化合物として具体的には、4,4’−ジクロロメチ
ルジフェニル、4,4’−ジブロモメチルジフェニル、
4,4’−ジアイオノメチルジフェニル、2−メチル−
4,4’−ジクロロメチルジフェニル、2,2’−ジメ
チル−4,4’−ジクロロメチルジフェニル、2,2’
−ジクロロメチルジフェニル、2,4’−ジクロロメチ
ルジフェニルなどを挙げることができる。これらの中で
とくに好ましいのは、4,4’−ジクロロメチルジフェ
ニルである。
【0042】ジハロメチルビフェニル化合物とフェノー
ル類の反応比率は、フェノールビフェニルアラルキル樹
脂の平均重合度cが1〜5の範囲となるような割合であ
り、フェノール類1モルに対し、上記ジハロメチルビフ
ェニル化合物を0.03〜0.70モル、とくに0.1
0〜0.50モルの割合とするのが好ましい。
【0043】両者の反応は、反応開始剤である水の共存
下で、60〜180℃、好ましくは80〜160℃程度
の温度で1〜10時間程度維持することによって行うの
がよい。共存させる水の量は、100ppm以上程度で
効果的であり、一方あまり多量に存在させても無意味で
あるので、ジハロメチルビフェニル化合物とフェノール
類の合計量に対して、例えば0.5重量%以下程度とす
るのがよい。
【0044】反応終了後は、未反応のフェノールを蒸留
除去することによって、一般式(2)で示されるフェノ
ールビフェニルアラルキル樹脂を得ることができる。フ
ェノールの蒸留除去に伴い、副生したハロゲン化水素も
除去されるので、この反応で得たフェノールビフェニル
アラルキル樹脂は、一般式(4)で示されるベンジルハ
ライド類と反応させるのに使用するのが好ましい。
【0045】本発明の上記一般式(1)のフェノール系
重合体は、成形材、各種バインダー、コーティング材、
積層材などに使用することができる。とりわけエポキシ
樹脂硬化剤として有用であり、エポキシ樹脂系半導体封
止材における硬化剤として使用すると、低吸水性、低弾
性率、低溶融粘度のエポキシ樹脂組成物を得ることがで
きる。
【0046】上記本発明のフェノール系重合体とともに
使用することができるエポキシ樹脂としては、例えばビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ
樹脂、フェノール、ナフトールなどのキシリレン結合に
よるアラルキル樹脂のエポキシ化物、ジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタリン型エポキ
シ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エ
ポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂など、分子中にエ
ポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が挙げられる。
これらエポキシ樹脂は単独で使用しても、2種類以上を
併用してもよい。
【0047】エポキシ樹脂の硬化に際しては、硬化促進
剤を併用することが望ましい。かかる硬化促進剤として
は、エポキシ樹脂をフェノール樹脂系硬化剤で硬化させ
るための公知の硬化促進剤を用いることができ、例えば
3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類及び
そのテトラフェニルボロン塩、有機ホスフィン化合物お
よびそのボロン塩、4級ホスホニウム塩などを挙げるこ
とができる。より具体的には、トリエチルアミン、トリ
エチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7など
の3級アミン、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニル
ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチル
フェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフ
ィンなどの有機ホスフィン化合物、テトラフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホス
ホニウムテトラナフトエ酸ボレートなどを挙げることが
できる。中でも低吸水性や信頼性の点から、有機ホスフ
ィン化合物や4級ホスホニウム4級ボレート塩が好まし
い。
【0048】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて、無機充填剤、カップリング剤、離型剤、着色
剤、難燃剤、難燃助剤、低応力剤等を、添加または予め
反応して用いることができる。また他の硬化剤を併用す
ることもできる。このような硬化剤の例として、フェノ
ールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フェ
ノールビフェニルアラルキル樹脂、フェノールナフチル
アラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェ
ノールメタン型ノボラック樹脂などを挙げることができ
る。
【0049】とくに半導体封止用に使用する場合は、無
機充填剤の添加は必須である.このような無機充填剤の
例として、非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ガ
ラス、珪酸カルシウム、石膏、炭酸カルシウム、マグネ
サイト、クレー、タルク、マイカ、マグネシア、硫酸バ
リウムなどを挙げることができるが、とくに非晶性シリ
カ、結晶性シリカなどが好ましい。また優れた成形性を
維持しつつ、充填剤の配合量を高めるために、細密充填
を可能とするような粒度分布の広い球形の充填剤を使用
することが好ましい。
【0050】カップリング剤の例としては、ビニルシラ
ン系、アミノシラン系、エポキシシラン系などのシラン
系カップリング剤やチタン系カップリング剤を、離型剤
の例としてはカルナバワックス、パラフィンワックス、
ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオ
レフィンワックスなど、また着色剤としては、カーボン
ブラックなどをそれぞれ例示することができる。難燃剤
の例としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化合
物、リン化合物など、また難燃助剤としては三酸化アン
チモンなどを挙げることができる。低応力化剤の例とし
ては、シリコンゴム、変性ニトリルゴム、変性ブタジエ
ンゴム、変性シリコンオイルなどを挙げることができ
る。
【0051】本発明のフェノール系重合体とエポキシ樹
脂の配合比は、耐熱性、機械的特性などを考慮すると、
水酸基/エポキシ基の当量比が0.5〜1.5、とくに
0.8〜1.2の範囲にあることが好ましい。また他の
硬化剤と併用する場合においても水酸基/エポキシ基の
当量比が上記割合となるようにするのが好ましい。硬化
促進剤は、硬化特性や諸物性を考慮すると、エポキシ樹
脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で使用
するのが好ましい。さらに半導体封止用のエポキシ樹脂
組成物においては、無機充填剤の種類によっても若干異
なるが、半田耐熱性、成形性(溶融粘度、流動性)、低
応力性、低吸水性などを考慮すると、無機充填剤を組成
物全体の60〜93重量%を占めるような割合で配合す
ることが好ましい。
【0052】エポキシ樹脂組成物を成形材料として調製
する場合の一般的な方法としては、所定の割合の各原料
を、例えばミキサーによって充分混合後、熱ロールやニ
ーダーなどによって混練処理を加え、さらに冷却固化
後、適当な大きさに粉砕し、必要に応じタブレット化す
るなどの方法を挙げることができる。このようにして得
た成形材料は、例えば低圧トランスファー成形などによ
り半導体封止を行うことができる。エポキシ樹脂組成物
の硬化は、例えば100〜250℃の温度範囲で行うこ
とができる。
【0053】
【実施例】[実施例1]4つ口フラスコにフェノール9
6.7g(1.03モル)、4,4’−ジクロロメチル
ビフェニル103.3g(0.41モル)及び水0.5
gを仕込んで昇温させ、系内が均一になり、HClの発
生が始まった後、100℃で3時間保持し、さらに15
0℃で1時間熱処理を加えた。反応で出てくるHClは
そのまま系外へ揮散させ、アルカリ水でトラップした。
この段階で未反応4,4’−ジクロロメチルビフェニル
は残存しておらず、全て反応したことをガスクロマトグ
ラフィで確認した。反応終了後、減圧にして未反応フェ
ノールを系外へ除去し、最終的に約4000Paで15
0℃まで減圧処理することで、残存フェノールがガスク
ロマトグラフィで未検出になった。得られたフェノール
ビフェニルアラルキル樹脂は、一般式(9)で示される
もので、OH基当量は213g/eqであり、OH基当
量から計算したcの平均値は2.0であった。
【0054】引き続きこのフェノールビフェニルアラル
キル樹脂を140℃に保持しながら、さらに塩化ベンジ
ル77.0g(0.61モル)及び水0.5gを1時間
かけて滴下し、さらに2時間保持した。反応で出てくる
HClはそのまま系外へ揮散させ、アルカリ水でトラッ
プした。このようにして目的とするフェノール系重合体
196.8gを得た。ICI溶融粘度計により測定した
150℃での溶融粘度は480mPa・sであり、アセ
チル化逆滴定法で求めたOH基当量は303g/eqで
あった。またマススペクトルチャートを図1に、プロト
ンNMRチャートを図2に、GPCチャートを図3に、
原料フェノールビフェニルアラルキル樹脂のGPCチャ
ートを図4に示す。すでに説明したように、これらのデ
ータにより、得られたフェノール系重合体が一般式
(8)で示されるものであり、式中のcの平均値が2.
0、(a+bc)/(1+c)が1.0のものであるこ
とがわかった。
【0055】[実施例2]塩化ベンジルの使用量を5
7.7g(0.46モル)とした以外は、実施例1と同
様にして行い、フェノール系重合体180.2gを得
た。150℃での溶融粘度は430mPa・sであり、
OH基当量は280g/eqであった。またこのGPC
のチャートを図5に示した。これらのデータにより、得
られたフェノール系重合体が一般式(8)で示され、c
の平均値が2.0、(a+bc)/(1+c)が0.7
4のものであることがわかった。
【0056】[実施例3]4つ口フラスコにフェノール
130.6g(1.39モル)と4,4’−ジメトキシ
メチルビフェニル67.8g(0.28モル)を仕込ん
で昇温させ、60℃になったときにパラトルエンスルホ
ン酸1水和物1.6gを20%水溶液にして加えた後、
135℃で3時間保持し、さらに150℃で1時間熱処
理を加えた。反応で出てくるメタノールはそのまま系外
へ揮散させ、冷却後トラップした。この段階で、未反応
4,4’−ジメトキシメチルビフェニルは残存しておら
ず、全て反応したことをガスクロマトグラフィで確認し
た。反応終了後、減圧にして未反応フェノールを系外へ
除去し、最終的に2660Paで140℃まで減圧処理
することで、残存フェノールがガスクロマトグラフィで
未検出になった。得られたフェノールビフェニルアラル
キル樹脂は、一般式(9)で示されるもので、cの平均
値が1.3のものであった。
【0057】このフェノールビフェニルアラルキル樹脂
を140℃に保持しながら、ベンジルアルコール24.
9g(0.23モル)を1時間かけて滴下し、さらに3
時間保持した。反応で出てくる水はそのまま系外へ揮散
させ、冷却後トラップした。このようにして目的とする
フェノール系重合体113.6gを得た。150℃での
溶融粘度は130mPa・sであり、OH基当量は24
8g/eqであった。これらのデータにより、フェノー
ル系重合体が一般式(8)で示され、cの平均値が1.
3、(a+bc)/(1+c)が0.50のものである
ことがわかった。
【0058】[実施例4〜6]実施例1〜3で得たフェ
ノール系重合体、エポキシ樹脂(住友化学社製ESCN
−195、オルソクレゾールノボラック型、エポキシ当
量195g/eq)、溶融シリカ、トリフェニルホスフ
ィン、アミノシランカップリング剤及びカルナバワック
スを表2に示す割合で配合し、充分に混合した後、85
℃±3℃の2本ロールで3分混練し、冷却、粉砕するこ
とにより、成形用組成物を得た。トランスファー成形機
で成型用組成物を圧力100kgf/cmで175
℃、2分間成形後、180℃、6時間ポストキュアを行
い、吸水率用、曲げ弾性率用及びガラス転移温度(T
g)用のテストピースを得た。
【0059】これら成形材料の物性を、次の方法により
測定した。
【0060】(1)吸水率 サンプル形状50mm径×3mmの円盤を、85℃、相
対湿度85%RH雰囲気下で168時間吸水させたとき
の吸水率を測定。
【0061】吸水率(%)=(処理後の重量増加分/処
理前の重量)×100 (2)曲げ弾性率 サンプル形状80×10×4mmの短冊を260℃雰囲
気で10分放置後、JIS K6911に準じて測定 (3)ガラス転移温度(Tg) TMAにより、線膨張係数を測定し、線膨張係数の変曲
点をTgとした。
【0062】[比較例1]実施例1〜3のフェノール系
重合体の代りに市販のフェノールアラルキル樹脂(住金
ケミカル社製HE10C−10、OH基当量168g/
eq)を用いた以外は同様にして成型用組成物を作成
し、その評価を行った。
【0063】[比較例2]実施例1〜3のフェノール系
重合体の代りに、市販のフェノールノボラック樹脂(昭
和高分子社製、OH基当量106g/eq)を用いた以
外は同様にして成型用組成物を作成し、その評価を行っ
た。
【0064】これらの評価結果を表2に併記する。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、成形材、各種バインダ
ー、コーティング材、積層材などに有用なフェノール系
重合体を提供することができる。このようなフェノール
系重合体は、とくにエポキシ樹脂硬化剤として有用であ
り、とりわけ半導体封止用として用いた場合に、低吸水
性、低弾性率、低溶融粘度のエポキシ樹脂組成物を形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたフェノール系重合体のマ
ススペクトルのチャートである。
【図2】 実施例1で得られたフェノール系重合体のプ
ロトンNMRのチャートである。
【図3】 実施例1で得られたフェノール系重合体のG
PCチャートである。
【図4】 実施例1のフェノール系重合体の原料である
フェノールビフェニルアラルキル樹脂のGPCチャート
である。
【図5】 実施例2で得られたフェノール系重合体のG
PCチャートである
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 CA04 CA14 CA16 CB03 CC01 CD00 CE05 CF03 4J036 AA01 AC01 AD07 AD08 AE05 AE07 AF06 AF08 AG00 AH00 FA03 FA05 JA07 4M109 AA01 EA02 EB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるフェノール系重
    合体。 【化1】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
    素又はメチル基、R、R、Rはそれぞれ水素又は
    炭素数1〜4のアルキル基、a、b、cは、0≦a≦
    2、0≦b≦2、1≦c≦5で、(a+bc)/(1+
    c)が0.2〜1.5の範囲にあり、c個のbは互いに
    同一又は異なるものである。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R、R、R
    、R、Rが全て水素である請求項1記載のフェノ
    ール系重合体。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で示されるフェノールビフ
    ェニルアラルキル樹脂と一般式(3)で示されるベンジ
    ル化合物類を、酸触媒の存在下で反応させることを特徴
    とする請求項1記載のフェノール系重合体の製造方法。 【化2】 (式中、R、R、Rはそれぞれ水素又は炭素数1
    〜4のアルキル基、cは1≦c≦5) 【化3】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
    素又はメチル基、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキ
    ル基)
  4. 【請求項4】 一般式(2)で示されるフェノールビフ
    ェニルアラルキル樹脂と一般式(4)で示されるベンジ
    ルハライド類を、水の存在下で反応させることを特徴と
    する請求項1記載のフェノール系重合体の製造方法。 【化4】 (式中、Arはアリール基、R、Rは、それぞれ水
    素又はメチル基、Xは、Cl,Br又はI)
  5. 【請求項5】 一般式(2)で示されるフェノールビフ
    ェニルアラルキル樹脂が、一般式(5)で示されるビフ
    ェニル化合物と一般式(6)で示されるフェノール類を
    酸触媒の存在下で反応させて得られるものである請求項
    3又は4記載の製造方法。 【化5】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基、
    、Rはそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアルキル
    基) 【化6】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基)
  6. 【請求項6】 一般式(2)で示されるフェノールビフ
    ェニルアラルキル樹脂が、一般式(7)で示されるジハ
    ロメチルビフェニル化合物と一般式(6)で示されるフ
    ェノール類を水の存在下で反応させて得られるものであ
    る請求項3又は4記載の製造方法。 【化7】 (式中、Xは、Cl,Br又はI、R、Rはそれぞ
    れ水素又は炭素数1〜4のアルキル基)
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載のフェノール系重合
    体からなるエポキシ樹脂用硬化剤。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載のフェノール系重合
    体とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 無機充填剤を含有する請求項8記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 半導体封止用に使用される請求項8又
    は9記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10記載のエポキシ樹脂組
    成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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