JP2003064087A - アゼチジノン化合物の結晶 - Google Patents
アゼチジノン化合物の結晶Info
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- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Abstract
より簡便な製造法に使用しうる原料化合物の結晶を提供
する。 【構成】 カルバペネム抗生剤の合成中間体
である式(I): 【化1】 式中、R1はカルボキシル基の保護基を表し、X−は陰
イオン残基を表す、で示される化合物の製造を、中間生
成物を単離・精製せずに連続的に行うための原料であ
る、次式(II−a) 【化2】 式中、 【化3】 はt−ブチルジメチルシリル基を表し、PNBは4−ニ
トロベンジル基を表す、で示される化合物の結晶。
Description
ム化合物の製造法に使用するアゼチジノン化合物の結晶
に関し、さらに詳しくは、次式(I): 【0002】 【化3】 【0003】式中、R1はカルボキシル基の保護基を表
し、X−は陰イオン残基を表す、で示されるカルバペネ
ム化合物の簡便で、収率のよい製造法に使用するアゼチ
ジノン化合物の結晶に関する。 【0004】 【従来の技術】上記式(I)のカルバペネム化合物は、
そのR1のカルボキシル保護基を除去せしめることによ
り、本発明者等が先に提案した(特開昭64−2577
9号参照)優れた抗菌活性を有し抗菌剤として有用な、
次式(A): 【0005】 【化4】 【0006】で示される化合物へ誘導することができ、
したがって式(A)の化合物の合成中間体として有用で
ある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記式(I)で示され
る化合物は、(a)式(II): 【0008】 【化5】 【0009】式中、R1はカルボキシル基の保護基を表
し、R2は水酸基の保護基を表す、で示される化合物
の、R2の水酸基の保護基を脱離し、(b)得られる式
(III): 【0010】 【化6】 【0011】式中、R1は上記の意味を有する、で示さ
れる化合物を環化せしめ、さらに(c)得られる式(I
V): 【0012】 【化7】 【0013】式中、R1は上記の意味を有する、で示さ
れる化合物をアシル化して当該化合物のオキソ基におけ
る反応性誘導体に変えた後、式(V): 【0014】 【化8】 【0015】式中、X−は陰イオン残基を表す、で示さ
れる化合物と反応せしめることにより製造される。 【0016】かかる方法は、上記の反応において、各工
程(a)、(b)および(c)を、中間生成物を特に単
離・精製することなく連続して行うことができ、したが
って、式(I)の化合物を大量に製造する工業的製造に
おいて特に有利である。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】本方法の利点は、上記
反応の各工程(a)〜(c)を同一反応容器内で(すな
わち、ワン・ポットで)行うことができることである。
そのために、本発明は上記反応の工程(a)で使用する
化合物(II)のなかでも、R1のカルボキシル基の保
護基として、特に好ましい4−ニトロベンジル基(PN
B)であり、R2で示される水酸基の保護基として、特
に好ましいtert−ブチルジメチルシリル基である、
次式(II−a): 【0018】 【化9】 【0019】式中、 【化10】 はt−ブチルジメチルシリル基を表し、PNBは4−ニ
トロベンジル基を表す、で示されるアゼチジノン化合物
の結晶を提供しようとするものである。 【0020】 【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めの本発明は、粉末X線回折図形において、面間隔
(d)6.79、6.63、5.46、5.34、5.
12、4.97、4.66、4.41、4.37、3.
94、3.80、3.70、3.59、3.42および
2.96Åに特徴的ピークを有する、上記式(II−
a)で示されるアゼチジノン化合物の結晶である。 【0021】従来この化合物は無晶形の粉末でしか得ら
れておらず、特に工業的な規模で、かつワン・ポット製
造を考えた場合には、化合物の純度が高く、取り扱い易
い結晶で単離・精製されることは、特に好ましいもので
ある。 【0022】 【発明の実施の形態】本明細書において、「低級」なる
語は、この語が付された基または化合物の炭素原子数が
1〜7個、好ましくは1〜4個であることを意味する。 【0023】また、「カルボキシル基の保護基」はペプ
チド化学の分野においてカルボキシル基の保護基として
それ自体既知の任意のカルボキシル基保護基であること
ができ、例えばカルボン酸のエステル残基を例示するこ
とができる。かかるエステル残基の代表例としては、以
下のものが挙げられる: (a)低級アルキルエステル残基:例えばメチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピル
エステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、te
rt−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエ
ステルなど。 【0024】(b)適当な置換基を少なくとも1個有し
ていてもよい低級アルキルエステル残基:例えばアセト
キシメチルエステル、プロピオニルオキシメチルエステ
ル、ブチリルオキシメチルエステル、バレリルオキシメ
チルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、ヘキ
サノイルオキシメチルエステル、1−(または2−)ア
セトキシエチルエステル、1−(または2−または3
−)アセトキシプロピルエステル、1−(または2−ま
たは3−または4−)アセトキシブチルエステル、1−
(または2−)プロピオニルオキシメチルエステル、1
−(または2−または3−)プロピオニルオキシプロピ
ルエステル、1−(または2−)ブチリルオキシエチル
エステル、1−(または2−)イソブチリルオキシエチ
ルエステル、1−(または2−)ピバロイルオキシエチ
ルエステル、1−(または2−)ヘキサノイルオキシエ
チルエステル、イソブチリルオキシメチルエステル、2
−エチルブチリルオキシメチルエステル、3,3−ジメ
チルブチリルオキシメチルエステル、1−(または2
−)ペンタノイルオキシエチルエステル等の低級アルカ
ノイルオキシ(低級)アルキルエステル残基;2−メシ
ルエチルエステル等の低級アルカンスルホニル(低級)
アルキルエステル残基;2−ヨードエチルエステル、
2,2,2−トリクロロエチルエステル等のモノ(また
はジまたはトリ)ハロ(低級)アルキルエステル残基;
メトキシカルボニルオキシメチルエステル、エトキシカ
ルボニルオキシメチルエステル、プロポキシカルボニル
オキシメチルエステル、tert−ブトキシカルボニル
オキシメチルエステル、2−メトキシカルボニルオキシ
メチルエステル、1−エトキシカルボニルオキシエチル
エステル、1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル
エステル等の低級アルコキシカルボニルオキシ(低級)
アルキルエステル残基;フタリジリデン(低級)アルキ
ルエステル残基;(5−メチル−2−オキソ−1,3−
ジオキソール−4−イル)メチルエステル、(5−エチ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メ
チルエステル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−
ジオキソール−4−イル)エチルエステル等の(5−低
級アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−
イル)(低級)アルキルエステルなど。 【0025】(c)低級アルケニルエステル残基:例え
ばビニルエステル、アリルエステルなど。 【0026】(d)低級アルキニルエステル残基:例え
ばエチニルエステル、プロピニルエステルなど。 【0027】(e)適当な置換基を少なくとも1個有し
ていてもよいアラルキルエステル残基:例えばベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−ニトロ
ベンジルエステル、フエネチルエステル、トリチルエス
テル、ベンズヒドリルエステル、ビス(メトキシフェニ
ル)メチルエステル、3,4−ジメトキシベンジルエス
テル、4−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルベ
ンジルエステルなど。 (f)適当な置換基を少なくとも1個有していてもよい
アリールエステル残基:例えばフェニルエステル、4−
クロロフェニルエステル、トリルエステル、tert−
ブチルフェニルエステル、キシリルエステル、メシチル
エステル、クメニルエステルなど。 【0028】(g)その他:フタリジルエステルなど。 【0029】かかるカルボキシル基の保護基のうち好ま
しいものとしては、ニトロ基で置換されていてもよいフ
ェニル−低級アルキル基、および低級アルケニル基が挙
げられ、さらに好ましくは4−ニトロベンジル基が挙げ
られる。 【0030】さらに、「アミノ基の保護基」は、ペプチ
ド化学の分野においてアミノ基の保護基としてそれ自体
既知の任意のアミノ保護基であることができ、「水酸基
の保護基」としては例えばトリメチルシリル、トリエチ
ルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジフェニ
ル−tert−ブチルシリル等のシリル基、ベンジルオ
キシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル等の置換また
は未置換のベンジルオキシカルボニル基、その他通常使
用される水酸基の保護基が包含される。 【0031】本発明により提供される化合物の結晶を使
用した、式(I)で示される化合物の製造法を反応式で
示せば以下の通りである。 【0032】そのなかでも好適には、式(I)で示され
る化合物は、式(II)中、R1のカルボキシル基の保
護基として、特に好ましい4−ニトロベンジル基(PN
B)であり、R2の水酸基の保護基としてtert−ブ
チルジメチルシリル基である式(II−a)の化合物の
結晶を使用した製造方法である。 【0033】かかる式(II−a)の化合物の結晶を使
用した場合には、工程(a)で得られる化合物(II
I)も結晶として製造されてくるのである。 【0034】 【化11】 【0035】式中、R1,R2およびX−は上記と同一
の意味を有する。 【0036】以下に、上記製造工程をさらに詳しく説明
する。 【0037】工程(a):工程(a)は、式(II)の
化合物においてR2で示される水酸基の保護基を脱離さ
せる工程である。 【0038】例えば、R2がt−ブチルジメチルシリル
基のようなトリオルガノシリル基である保護基の除去
は、式(II)の化合物をメタノール、エタノール、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのような溶媒中で、
塩酸、硫酸、酢酸などのような酸の存在下に、0〜10
0℃の温度で0.5〜18時間酸性加水分解することに
より実施することができる。(上記「トリオルガノシリ
ル基」は、より好ましくは低級アルキル基、フェニル基
およびフェニルアルキル基から独立に選ばれる有機基で
置換されたシリル基を包含する。)なお、式(II)中
においてR1が4−ニトロベンジル基であり、R2がt
−ブチルジメチルシリル基である次式(II−a): 【0039】 【化12】 【0040】ならびに式(II−a)のt−ブチルジメ
チルシリル基を工程(a)の操作により脱離して得た次
式(III−a): 【0041】 【化13】 【0042】の両化合物は、特に結晶形態で得ることが
できるものである。 【0043】従来これら化合物はいずれも無晶形の粉末
でしか得られておらず、特に工業的な規模でのワン・ポ
ット製造を考えた場合には化合物の純度が高く、取り扱
い易い結晶で単離・精製されることは特に好ましいもの
であるといえる。 【0044】したがって、本発明の目的は上記の式(I
I−a)で示される化合物の結晶を提供することであ
る。 【0045】工程(b):工程(b)は、式(III)
の化合物に金属触媒を作用させることによって環化せし
め、式(IV)で示されるオキソ化合物を得る工程であ
る。 【0046】該環化は、例えば式(III)の化合物を
不活性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステ
ル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の
ハロゲン化炭化水素類;アセトン、ジメチルホルムアミ
ド、ピリジン、アセトニトリル等の中から適当に選択さ
れた溶媒、好適にはジクロロメタン、アセトンまたは酢
酸エチル中で、金属触媒、例えば、ビス(アセチルアセ
トナト)Cu(II)、硫酸銅、銅粉末、酢酸ロジウム
(II)、オクタン酸ロジウム(II)、または四酢酸
鉛等、好適にはオクタン酸ロジウム(II)の存在下
に、室内ないし溶媒の還流温度で1〜7時間撹拌するこ
とによって実施することができる。 【0047】上記金属触媒の使用量は特に臨界的ではな
く、適宜変更することができるが、通常式(III)の
化合物に対して0.2〜2.0重量%、より好ましくは
0.5〜1.0重量%用いられる。これにより式(I
V)の化合物がほぼ定量的に生成する。 【0048】反応終了後、反応混合物から溶媒を減圧下
に留去すれば、残渣として式(IV)の化合物を得るこ
ともできるが、該反応混合物を何ら処理することなく、
同じ反応容器内でそのまま次の工程に供する。 【0049】工程(c):工程(c)において、式(I
V)の化合物のアシル化は、上記工程(b)で得られる
式(IV)の化合物を含む反応混合物あるいは濃縮残渣
として得られる式(IV)の化合物に、適当なアシル化
剤を作用させることにより行うことができる。 【0050】このアシル化により上記式(IV)の化合
物のオキソ基における反応性誘導体である次式(V
I): 【0051】 【化14】 【0052】式中、Raはアシル基を表し、R1は前記
と同一の意味を有する、で示される化合物が生成する。 【0053】しかして、上記アシル化反応に使用しうる
アシル化剤としては次式 【0054】 【化15】RaOH (VII) 式中、Raは上記と同一の意味を有する、で示される酸
もしくはその塩、またはその反応性誘導体、例えば次式 【0055】 【化16】RaHal (VII−1) 式中、Halはハロゲン原子を表し、Raは上記と同一
の意味を有する、で示される酸ハロゲン化物や、次式 【0056】 【化17】Ra 2O (VII−2) 式中、Raは上記と同一の意味を有する、で示される酸
無水物が挙げられる。 【0057】ここで、Raによって示される「アシル
基」としては、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、複素
環アシル基および芳香族基または複素環基で置換された
脂肪族アシル基のようなカルボン酸、炭酸、スルホン
酸、燐酸およびカルバミン酸から誘導されるアシル基が
挙げられる。かかるアシル基の代表例を以下に掲げる
と、 (a)脂肪族アシル基:例えばホルミル、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソ
バレリル、ビバロイル、ヘキサノイル等の低級アルカノ
イル基のようなアルカノイル基;例えばメシル、エチル
スルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホ
ニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、ペン
チルスルホニル、ヘキシルスルホニル等の低級アルキル
スルホニル基のようなアルキルスルホニル基;例えばメ
チルカルバモイル、エチルカルバモイル等のN−アルキ
ルカルバモイル基;例えばメトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、第三級ブトキシカルボニル等の低級アルコキシカ
ルボニル基のようなアルコキシカルボニル基;例えばビ
ニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル等の低
級アルケニルオキシカルボニル基のようなアルケニルオ
キシカルボニル基;例えばアクリロイル、メタクリロイ
ル、クロトノイル等の低級アルケノイル基のようなアル
ケノイル基;例えばシクロプロパンカルボニル、シクロ
ペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル等のシ
クロ(低級)アルカンカルボニル基のようなシクロアル
カンカルボニル基;燐酸ジエチルのような燐酸ジ(低
級)アルキル基など。 【0058】(b)芳香族アシル基:例えばベンゾイ
ル、トルオイル、キシロイル等のアロイル基;例えばN
−フェニルカルバモイル、N−トリルカルバモイル、N
−ナフチルカルバモイル等のN−アリールカルバモイル
基;例えばベンゼンスルホニル、トシル等のアレーンス
ルホニル基;燐酸ジフェニル等の燐酸ジアリール基な
ど。 【0059】(c)複素環アシル基:例えばフロイル、
テノイル、ニコチノイル、イソニコチノイル、チアゾリ
ルカルボニル、チアジアゾリルカルボニル、テトラゾリ
ルカルボニル等の複素環カルボニル基など。 【0060】(d)芳香族基で置換された脂肪族アシル
基:例えばフェニルアセチル、フェニルプロピオニル、
フェニルヘキサノイル等のフェニル(低級)アルカノイ
ル基のようなアラルカノイル基;例えばベンジルオキシ
カルボニル、フエネチルオキシカルボニル等のフェニル
(低級)アルコキシカルボニル基のようなアラルコキシ
カルボニル基;例えばフエノキシアセチル、フエノキシ
プロピオニル等のフエノキシ(低級)アルカノイル基の
ようなアリールオキシアルカノイル基など。 【0061】(e)複素環基で置換された脂肪族アシル
基:例えばチエニルアセチル、イミダゾリルアセチル、
フリルアセチル、テトラゾリルアセチル、チアゾリルア
セチル、チアジアゾリルアセチル、チエニルプロピオニ
ル、チアジアゾリルプロピオニル等の複素環(低級)ア
ルカノイル基のような複素環アルカノイル基など。 【0062】これらのアシル基はさらに、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等の低級アルキル基;例えば塩素、臭素、
沃素、フッ素のようなハロゲン;例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等の低級アルコキシ基;例え
ばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピ
ルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等の
低級アルキルチオ基;ニトロ基等のような適当な置換基
1個以上で置換されていてもよく、そのような置換基を
有する好ましいアシル基としては、例えばクロロアセチ
ル、ブロモアセチル、ジクロロアセチル、トリフルオロ
アセチル等のモノ(またはジまたはトリ)ハロアルカノ
イル基;例えばクロロメトキシカルボニル、ジクロロメ
トキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニル等のモノ(またはジまたはトリ)ハロアルコキ
シカルボニル基;例えばニトロベンジルオキシカルボニ
ル、クロロベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジ
ルオキシカルボニル等のニトロ(またはハロまたは低級
アルコキシ)アラルコキシカルボニル基;例えばフルオ
ロメチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、ト
リフルオロメチルスルホニル、トリクロロメチルスルホ
ニル等のモノ(またはジまたはトリ)ハロ(低級)アル
キルスルホニル基等が挙げられる。 【0063】アシル化剤としては、上記アシル基を式
(IV)の化合物に導入しうるものが用いられるが、一
般に、上記した式(VII−1)で示される酸ハロゲン
化物、または式(VII−2)で示される酸無水物が好
ましく用いられる。かかる酸ハロゲン化物の代表例とし
ては、例えば塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエ
ンスルホニル、塩化4−ニトロベンゼンスルホニル、塩
化4−ブロモベンゼンスルホニル等のアレーンスルホニ
ルハロゲン化物:例えば塩化メタンスルホニル、塩化エ
タンスルホニル、塩化トリフルオロメタンスルホニル等
のさらにハロゲンを有していてもよい低級アルカンスル
ホニルハロゲン化物:例えばクロロ燐酸ジエチル等のハ
ロ燐酸ジ(低級)アルキル;例えばクロロ燐酸ジフェニ
ル等のハロ燐酸ジアリールなどが挙げられる。 【0064】また、酸無水物の代表例としては、例え
ば、無水ベンゼンスルホン酸、無水p−トルエンスルホ
ン酸、無水4−ニトロベンゼンスルホン酸等のアレーン
スルホン酸無水物;例えば無水メタンスルホン酸、無水
エタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸
等のハロゲンを有していてもよい低級アルカンスルホン
酸無水物などが挙げられる。 【0065】かかるアシル化剤の中で、より好ましいも
のとしては、クロロ燐酸ジエチルおよびクロロ燐酸ジフ
ェニル等が挙げられる。 【0066】式(IV)の化合物のアシル化反応におい
て、アシル化剤として式(VI)で示される遊離の酸ま
たはその塩を使用する場合には、常用の縮合剤の存在下
に反応を行うものが好ましい。かかる縮合剤の代表例と
しては以下のものが挙げられる: (a)カルボジイミド化合物:例えばN,N’−ジエチ
ルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジ
イミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、
N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルカルボジ
イミド、N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエチルア
ミノシクロヘキシル)カルボジイミド、N−エチル−
N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
など。 【0067】(b)カルボニルジイミダゾール化合物:
例えばN,N’−カルボニルジイミダゾール、N,N’
−カルボニルビス(2−メチルイミダゾール)など。 【0068】(c)ケテンイミン化合物:例えばペンタ
メチレンケテン−N−シクロヘキシルイミン、ジフェニ
ルケテン−N−シクロヘキシルイミンなど。 【0069】(d)どの他:例えばエトキシアセチレ
ン、1−アルコキシ−1−クロロエチレン、ポリ燐酸エ
チル、ポリ燐酸イソプロピル、オキシ塩化燐、三塩化
燐、塩化チオニル、塩化オキザリル、2−エチル−7−
ヒドロキシベンズイソキサゾリウム塩、2−エチル−5
−(m−スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒドロキ
シド分子内塩、1−(p−クロロベンゼンスルホニルオ
キシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、およ
びN,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホス
ゲンあるいはオキシ塩化燐等との反応によって調製した
所謂ビルスマイヤー試薬など。 【0070】または、式(IV)の化合物のアシル化反
応は、好適には、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属:例えばカルシウム等のアルカリ土
類金属:例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素
化物;例えば水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水
素化物:例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物;例えば炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等のアルカリ金属炭酸塩;例えば炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;
例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウム第三級ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシ
ド;例えば酢酸ナトリウム等のアルカン酸アルカリ金属
塩;例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアル
カリ土類金属炭酸塩;例えばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミ
ン等のトリ(低級)アルキルアミン;例えばピリジン、
ピコリン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジン
のようなN,N−ジ(低級)アルキルアミノピリジン等
のピリジン化合物;キノリン;例えばN−メチルモルホ
リン等のN−低級アルキルモルホリン;例えばN,N−
ジメチルベンジルアミン等のN,N−ジ(低級)アルキ
ルベンジルアミン等のような有機塩基または無機塩基の
存在下に行うことができる。 【0071】上記アシル化は通常約−20℃ないし約4
0℃の比較的低温で実施することができる。 【0072】上記反応におけるアシル化剤および塩基の
使用量は特に臨界的なものではなく、反応条件等に応じ
て適宜変えることができるが、アシル化剤も塩基も通
常、出発原料である式(III)の化合物1モルに対し
て各々1〜2モル、好ましくは1〜1.5モルの割合で
用いることができる。これにより式(VI)の化合物が
ほぼ定量的に生成する。 【0073】このアシル化反応によって得られる式(V
I)の化合物は反応混合物から単離することなく、同一
反応容器内で次式 【0074】 【化18】 【0075】式中、X−は前記と同一の意味を有する、
で示されるメルカプトピラゾロトリアゾリウムまたはそ
の反応性誘導体で反応させることにより、目的化合物で
ある式(I)で示されるカルバペネム化合物を得ること
ができる。 【0076】上記式(VI)の化合物と式(V)のメル
カプト化合物またはその反応性誘導体との反応は、一般
に、前記アシル化反応において述べたと同様の有機塩基
または無機塩基の存在下に、約−40℃ないし室温程度
の温度で行うことができる。式(V)のメルカプト化合
物またはその反応性誘導体および上記塩基の使用量は臨
界的なものではないが、通常、式(III)の化合物1
モルに対し1〜2モル、好ましくは1.0〜1.5モル
の割合で用いることができる。 【0077】かくして得られる式(I)の化合物は、そ
れ自体既知の分離、精製法により単離することができ
る。 【0078】次に、化合物(I)の合成原料となり得る
化合物(II−a)および(III−a)の結晶につい
て詳細に説明する。 【0079】本発明で提供される式(II−a)および
(III−a)で示される化合物は、例えば次式 【0080】 【化19】 【0081】式中、 【0082】 【化20】 【0083】はt−ブチルジメチルシリル基を表す、で
示される化合物から例えば後述の実施例3および4のよ
うな方法で製造することができる。製造された化合物
(II−a)は例えば酢酸エチルとn−ヘキサンの混液
から、化合物(III−a)は、例えば酢酸エチルをn
−ヘキサン混液、あるいは酢酸エチルとイソプロピルエ
ーテルの混液から再結晶させることができる。 【0084】以上の如く製造されうる本発明の化合物
(II−a)および(III−a)は偏光顕微鏡による
観察、および粉末X線回折分析によって結晶であること
が確認されており、特に粉末X線回折分析において特徴
的ピークを有することによって同定される。そのピーク
パターンを下表(I)および(II)に示す。 【0085】 【表1】【0086】 【表2】 本発明で提供される式(II−a)および式(III−
a)で示される化合物の結晶は、固体安定性において無
晶形物に比較しはるかに優れている。したがって、化合
物(I)の工業的合成に際しては保存性・輸送性の高い
有利な原料として利用することができる。 【0087】また、本発明の式(II−a)の化合物の
結晶を用いて上記の製造方法により合成された化合物
(I)は、式中R1で表されるカルボキシル基の保護基
を脱離させることにより、抗菌剤として有用な下式
(A): 【0088】 【化21】 【0089】で示される化合物に導くことができる。 【0090】 【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの記載により何ら限定されるも
のではない。 【0091】なお、本明細書の以下の記載においては次
の略号を使用する。 【0092】 【化22】 【0093】:t−ブチルジメチルシリル基 PNB:4−ニトロベンジル基 【0094】実施例1 【0095】 【化23】 【0096】濃塩酸3.02ml(29.7mmol)
とメタノール50mlの混液に、25℃下化合物(II
−a)5.0g(9.9mmol)を加え撹拌した。2
時間後炭酸水素ナトリウム5.00g(59.5mmo
l)、ジクロロメタン50mlおよび飽和食塩水50m
lで抽出した。得られた有機層全てを混合し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した。 【0097】次いで、得られた残渣をジクロロメタン5
1mlに溶解させ、オクタン酸ロジウム(II)31m
g(0.0398mmol)を加え加熱還流した。7時
間後、反応液を−15℃に冷却し、クロロ燐酸ジフェニ
ル2.95g(10.8mmol)を加え、ジイソプロ
ピルエチルアミン2.32ml(13.0mmol)お
よび4−ジメチルアミノピリジン24mg(0.193
mmol)のジクロロメタン溶液(ジクロロメタン20
ml)を0.5時間かけて滴下し、さらに0.5時間撹
拌した。 【0098】反応終了後溶媒を留去し、アセトン12m
l、アセトニトリル12mlおよびジメチルホルムアミ
ド1.2mlを加え溶解させた。次いで、この混液に、
7℃にて6,7−ジヒドロ−6−メルカプト−5H−ピ
ラゾロ[1,2−a][1.2.4]トリアゾリウムク
ロライド1.84g(10.44mmol)、ジイソプ
ロピルエチルアミン2.32ml(13.04mmo
l)、および種晶として化合物(I)48mgを順次加
え、4〜7℃で2時間撹拌し、さらにジクロロメタン3
0mlを加え1時間撹拌した。反応終了後、析出結晶を
素早く濾取し、ジクロロメタン2mlとアセトン2ml
の混液で2回、ジクロロメタン4mlで1回洗浄後、真
空乾燥した。 【0099】結果、化合物(I)を5.88g(収率7
0.0%)得た。 【0100】1H−NMR(CDCl3)δ:1.32
(d,6H,J=6.0Hz)、3.35(m,1
H)、3.65(m,1H)、4.20(m,1H)、
4.42(m,1H)、4.60〜4.90(m,2
H)、5.1〜5.3(m,3H)、5.36(AB
q,2H,J=13.7Hz)、7.67(d,2H,
J=8.5Hz)、8.21(d,2H,J=8.5H
z)、9.07(s,1H)、9.08(s,1H)実施例2 【0101】 【化24】 【0102】化合物(III−a)585mg(1.5
mmol)をジクロロメタン14mlに溶解し、オクタ
ン酸ロジウム(II)3.5mg(0.0398mmo
l)を加え、3時間還流した。反応液を−15℃に冷却
し、クロロ燐酸ジフェニル443mg(1.65mmo
l)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン256
mg(1.98mmol)および4−ジメチルアミノピ
リジン3.7mg(0.03mmol)のジクロロメタ
ン溶液(ジクロロメタン3ml)を30分間かけて滴下
した。この反応液をさらに、30分撹拌後溶媒を留去
し、残渣にアセトニトリル1.9ml、アセトン1.9
ml、ジメチルホルムアミド0.2mlを加えて溶解し
た。次にこの溶液に、氷冷下6,7−ジヒドロ−6−メ
ルカプト−5H−ピラゾロ[1,2−a][1.2.
4]トリアゾリウムクロライド373mg(2.1mm
ol)、ジイソプロピルエチルアミン340mg(2.
63mmol)および種晶として化合物(I)5mgを
添加した。2時間撹拌後、ジクロロメタン4.8mlを
加えさらに1時間撹拌した。析出した結晶を集め、少量
のジクロロメタン/アセトン=1/1混液とジクロロメ
タンで順次洗浄した後、真空乾燥を行い化合物(I)5
98mg(収率76.5%)を得た。ここで得られた化
合物のNMRデーターは実施例1で得られたものと完全
に一致した。 【0103】実施例3 (化合物(II−a)の合成と
結晶化) 【0104】 【化25】 【0105】クロル炭酸エチル156.2g(1.44
mol)を乾燥ジクロロメタン2740mlに溶解し、
約−20℃に冷却した。化合物(VII)361.8g
(1.20mol)とトリエチルアミン157.9g
(1.56mol)のジクロロメタン溶液(ジクロロメ
タン915ml)を前記の溶液中に、反応液の温度を約
−15℃に保ちながら滴下し、反応液を0℃〜5℃にて
30分間撹拌した。続いてイミダゾール114.4g
(1.68mol)を乾燥ジクロロメタン730mlに
加えた溶液を、0℃〜10℃にて前記反応液に添加し、
0℃〜5℃にてさらに30分間撹拌して化合物(VII
I)の溶液を得た。 【0106】別に、マグネシウムマロネート溶液を以下
の操作により調製した。p−ニトロベンジルマロネート
488.0g(2.04mol)を乾燥ジクロロメタン
2740mlに懸濁し、窒素雰囲気下、塩化マグネシウ
ム97.1g(1.02mol)を添加した。さらに、
トリエチルアミン206.4g(2.04mol)を乾
燥ジクロロメタン183mlで希釈した溶液を、反応液
の温度を0℃〜10℃に保ちながら添加し、その温度を
保ったまま1時間、さらに室温にもどして30分撹拌し
た。 【0107】このようにして合成したマグネシウムマロ
ネート溶液を、前記化合物(VIII)の溶液に加え、
60℃〜65℃で2.5時間反応させた。 【0108】反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1
N HCl、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥後濾過し、化合物(IX)の溶液を得た。 【0109】この溶液にp−ドデシルベンゼンスルホニ
ルアジド472.4g(1.34mol)のジクロロメ
タン溶液(ジクロロメタン890ml)を加え、続いて
窒素雰囲気下、15℃〜25℃にて撹拌しながらトリエ
チルアミン31.4g(0.31mol)を加えた後、
その温度を保ったまま1.5時間撹拌した。 【0110】反応後、濃縮し、残渣にn−ヘキサンを加
えて結晶化させた。結晶を濾取後真空乾燥し、化合物
(II−a)の結晶455.6g(収率75.3%)を
得た。この結晶は偏光顕微鏡で観察した結果偏光性をも
ち、結晶であることが確認された。 【0111】化合物(II−a)の再結晶は以下の方法
で行った。すなわち、前述の方法で得られた化合物(I
I−a)の結晶17.4gを酢酸エチル174mlに溶
解後約50mlまで濃縮し、残渣にn−ヘキサン200
mlを加えて晶出後濾過した。結晶をn−ヘキサン20
ml×2で洗浄後真空乾燥し、化合物(II−a)の再
結結晶11.3g(収率64.9%)を得た。 【0112】また、再結結晶について粉末X線回析分析
を行い、前述の表(I)に記載した特徴的ピークを持つ
ことを確認した。 【0113】実施例4 (化合物(III−a)の合成
と結晶化) 【0114】 【化26】 【0115】クロル炭酸エチル156.2g(1.44
mol)を乾燥ジクロロメタン2740mlに溶解し、
約−20℃に冷却した。化合物(VII)361.8g
(1.20mol)とトリエチルアミン157.9g
(1.56mol)のジクロロメタン溶液(ジクロロメ
タン915ml)を前記の溶液中に、反応後の温度を約
−15℃に保ちながら滴下し、反応液を0℃〜5℃にて
30分間撹拌した。続いてイミダゾール114.4g
(1.68mol)を乾燥ジクロロメタン730mlに
加えた溶液を、0℃〜10℃にて前記反応液に添加し、
0℃〜5℃にてさらに30分間撹拌して化合物(VII
I)を得た。 【0116】別に、マグネシウムマロネート溶液を以下
の操作により調製した。p−ニトロベンジルマロネート
488.0g(2.04mol)を乾燥ジクロロメタン
2740mlに懸濁し、窒素雰囲気下、塩化マグネシウ
ム97.1g(1.02mol)を添加した。さらに、
トリエチルアミン206.4g(2.04mol)を乾
燥ジクロロメタン183mlで希釈した溶液を、反応液
の温度を0℃〜10℃に保ちながら添加し、その温度を
保ったまま1時間、さらに室温にもどして30分撹拌し
た。 【0117】この様にして合成したマグネシウムマロネ
ート溶液を、前記化合物(VIII)の溶液に加え、6
0℃〜65℃で2.5時間反応させた。 【0118】反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1
N HCl、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥後濾過し、化合物(IX)の溶液を得た。 【0119】この溶液にp−ドデシルベンゼンスルホニ
ルアジド472.4g(1.34mol)のジクロロメ
タン溶液(ジクロロメタン890ml)を加え、窒素雰
囲気下、15℃〜25℃にて撹拌しながらトリエチルア
ミン31.4g(0.31mol)を加えた後、その温
度を保ったまま1.5時間撹拌した。 【0120】反応液を濃縮後、得られた残渣(化合物
(II−a))にメタノール5180mlを加えて溶解
し、濃塩酸267ml(3.25mol)を加えて室温
(20〜25℃)で1.5〜2.5時間撹拌した。反応
終了後、炭酸水素ナトリウムの粉末を加えて中和し、ジ
クロロメタン5180mlおよび飽和食塩水5180m
lを加えて撹拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥後濾過し、濃縮した。酢酸エチルを加えてさらに減
圧濃縮し、得られた残留物に酢酸エチル675mlを加
えて溶解させた。この溶液を室温で1時間撹拌後、n−
ヘキサンを加えて結晶化させ、化合物(III−a)の
結晶339g(収率72%)を得た。 【0121】この結晶は偏光顕微鏡で観察した結果偏光
性を持ち、結晶であることが確認された。また、X線回
析分析を行い、前述の表(II)に記載した特徴的ピー
クを持つことを確認した。なお、X線回析分析には以下
の操作で精製・再結晶された試料を用いた。すなわち、
前述の方法で得られた化合物(III−a)の結晶2
0.3gをシリカゲルカラムおよび活性炭を用いて精製
した後、酢酸エチル40mlに溶解し、撹拌しながらヘ
キサン160mlを加えて結晶させた。真空乾燥後、化
合物(III−a)の再結結晶17.9g(収率88.
3%)を得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 粉末X線回折図形において、面間隔
(d)6.79、6.63、5.46、5.34、5.
12、4.97、4.66、4.41、4.37、3.
94、3.80、3.70、3.59、3.42および
2.96Åに特徴的ピークを有する、次式(II−
a): 【化1】 式中、 【化2】 はt−ブチルジメチルシリル基を表し、PNBは4−ニ
トロベンジル基を表す、で示されるアゼチジノン化合物
の結晶。
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