JP2643753B2 - 2−オキシカルバペネム誘導体の製法 - Google Patents

2−オキシカルバペネム誘導体の製法

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JP2643753B2
JP2643753B2 JP5035989A JP3598993A JP2643753B2 JP 2643753 B2 JP2643753 B2 JP 2643753B2 JP 5035989 A JP5035989 A JP 5035989A JP 3598993 A JP3598993 A JP 3598993A JP 2643753 B2 JP2643753 B2 JP 2643753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌作用を有するカル
バペネム誘導体の合成中間体として有用な2−オキシカ
ルバペネム誘導体の新規製法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルバペネム誘導体は、グラム陽性、グ
ラム陰性菌を含む広範囲の病原菌に対して優れた抗菌作
用を示し、特にセフェム耐性菌に対しても強い抗菌力を
示し、かつ生体内での安定性等にも優れていることから
抗菌剤として注目されており、従来より種々の合成法が
知られている。例えば、特開昭62−103084号公
報には、4−(フェニルチオカルボニルエチル)−2−
アゼチジノン誘導体を水素化ナトリウムで処理した後、
副生チオールをアルキル化剤であるヨウ化メチルで捕捉
し、次いでジフェニルクロロホスフェートと反応させて
2−オキシカルバペネム誘導体としたのち、チオール化
合物と反応させてカルバペネム系抗菌剤とする方法が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルバペネ
ム系抗菌剤の合成中間体として有用な2−オキシカルバ
ペネム誘導体を、従来法の如きアルキル化剤を用いるこ
となく、かつ工業的有利に製造する新規製法を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式〔I
I〕
【0005】
【化6】
【0006】(式中、R1 は保護されていてもよいヒド
ロキシ置換低級アルキル基を表し、R2 は水素原子また
はエステル残基を表し、R3 は水素原子または低級アル
キル基を表し、Zはチオールエステル残基を表す。)で
示されるアゼチジノン化合物またはその塩の分子内閉環
反応及び得られる分子内閉環体のエステル化反応からな
り、かつその少なくともいずれか一方の反応をルイス酸
または酸化剤の存在下に実施することを特徴とする一般
式〔I〕
【0007】
【化7】
【0008】(式中、−OAはエステル化された水酸基
を表し、他の記号は前記と同一意味を表す。)で示され
る2−オキシカルバペネム誘導体の製造方法である。
【0009】本発明において、R1 で示される基として
は、保護されていてもよい1−ヒドロキシエチル基が好
適にあげられ、ヒドロキシル基の保護基としては、常法
により容易に除去しうる基をいずれも用いることができ
る。かかるヒドロキシル基の保護基の具体例としては、
例えば、低級アルコキシカルボニル基、ハロゲノ低級ア
ルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換フェニル低
級アルキル基(例えば、ニトロ基または低級アルコキシ
基で置換されていてもよいベンジル基)、トリ低級アル
キルシリル基、置換もしくは非置換フェニル低級アルコ
キシカルボニル基(例えば、ニトロ基または低級アルコ
キシ基で置換されていてもよいベンジルオキシカルボニ
ル基)等があげられる。
【0010】また、R2 で示されるエステル残基の例と
しては、生体内で代謝を受け加水分解されるエステル残
基か、あるいはカルボキシル基の保護基となりうるエス
テル残基があげられる。
【0011】生体内で代謝を受け加水分解されるエステ
ル残基としては、例えば、式−X−OCOR20、−X−
OCO2 20または−X−O−R20(式中、Xは低級ア
ルキレン基、R20は低級アルキル基、シクロアルキル
基、低級アルケノイル基、低級アルコキシ低級アルキル
基、低級アルカノイルオキシ低級アルキル基を表す。)
で示される基があげられる。
【0012】かかる基の具体例としては、例えば、低級
アルカノイルオキシ低級アルキル基、シクロアルキルカ
ルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルケノイルオキ
シ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルカノイルオ
キシ低級アルキル基、低級アルカノイルオキシ低級アル
コキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル
基、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低
級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級ア
ルコキシ低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル
基があげられる。
【0013】一方、カルボキシル基の保護基となりうる
エステル残基としては、常法により容易に除去しうる基
をいずれも用いることができる。かかるカルボキシル基
の保護基となりうるエステル残基の具体例としては、例
えば、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキ
ル基、ニトロベンジル基、低級アルコキシベンズヒドリ
ル基があげられる。
【0014】また、Zで示されるチオールエステル残基
としては、例えば、低級アルキル基、フェニル基等のア
リール基、ベンジル基等のアリール低級アルキル基、ヘ
テロ芳香族基、トリ低級アルキルシリル基等があげら
れ、とくにt−ブチル基等の分岐鎖低級アルキル基が好
ましい。
【0015】また、−OAで示されるエステル化された
水酸基としては、例えば、式:−OP(O)(OR0
2 〔式中、R0 はアリール基または低級アルキル基を表
す。
【0016】〕で示されるジアリールホスホリルオキシ
基(例えば、ジフェニルホスホリルオキシ基等)または
ジ低級アルキルホスホリルオキシ基、メタンスルホニル
オキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメ
タンスルホニルオキシ基の如き非置換もしくは置換低級
アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等の非置換もしくは
置換アリールスルホニルオキシ基、アセトキシ基等の低
級アルカノイルオキシ基またはベンゾイルオキシ基等の
アリールカルボニルオキシ基等があげられる。
【0017】また、これらの基のうち、とりわけジアリ
ールホスホリルオキシ基、ジ低級アルキルホスホリルオ
キシ基、非置換もしくは置換低級アルキルスルホニルオ
キシ基、非置換もしくは置換アリールスルホニルオキシ
基等の活性エステル化された水酸基が好ましい。
【0018】本発明方法は、a)アゼチジノン化合物
(II)を、ルイス酸又は酸化剤の存在下に分子内閉環
させ、ついで分子内閉環体をエステル化するか、b)ア
ゼチジノン化合物(II)を分子内閉環させ、ついで分
子内閉環体をルイス酸又は酸化剤の存在下にエステル化
するか、あるいはc)アゼチジノン化合物(II)を、
ルイス酸又は酸化剤の存在下に分子内閉環させ、ついで
分子内閉環体をルイス酸又は酸化剤の存在下にエステル
化することにより実施することができ、とりわけエステ
ル化反応をルイス酸又は酸化剤の存在下に行うのが好ま
しい。
【0019】本発明方法で用いるルイス酸としては、例
えば、塩化第二銅、ヨウ化第一銅、塩化亜鉛、ヨウ化亜
鉛、フッ化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ等の金属
ハロゲン化物、ホウ酸トリメチル等のホウ素化合物、ま
たはトリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロ
ロシラン等のトリ低級アルキルハロゲノシラン、テトラ
クロロシラン等のテトラハロゲノシラン等のシリル化剤
等があげられる。また、その使用量は、原料化合物〔I
I〕1モルに対して0.1〜3.0モル、とりわけ0.
5〜1.0モルであるのが好ましい。
【0020】また、酸化剤としては、例えば、ヨウ素、
臭素等のハロゲン、スルフリルクロリド等のスルフリル
ハライド、空気、酸素等があげられる。
【0021】酸化剤としてハロゲン、スルフリルハライ
ド等を用いる場合、その使用量は原料化合物〔II〕1
モルに対して0.1〜3.0モル、とりわけ0.5〜
1.0モルであるのが好ましい。
【0022】また、酸化剤として空気または酸素を用い
る場合、空気または酸素は反応が進行するのに必要十分
な量を反応系に吹き込めばよく、さらに塩化第二鉄、硫
酸第二鉄、酸化アルミニウム等を反応系に共存させるこ
とにより目的物〔I〕をより高収率で得ることができ
る。
【0023】アゼチジノン化合物(II)の分子内閉環
反応は、塩基で処理して実施するのが好ましく、このよ
うな塩基としては、例えば、ソジウムビス(トリメチル
シリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)ア
ミド等のアミン類の金属塩、第三級ブトキシカリウム等
のアルコールの金属塩、水素化ナトリウム等のアルカリ
金属水素化物等があげられる。アゼチジノン化合物(I
I)の分子内閉環反応をルイス酸又は酸化剤の存在下に
行う場合、ルイス酸又は酸化剤は該反応の開始前に加え
てもよく、また反応途中で加えてもよい。また、本反応
は適当な溶媒中で実施するのが好ましく、このような溶
媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ジ
エチルエーテル、ベンゼン等があげられる。本反応は、
冷却〜室温下、例えば−75℃〜30℃、とりわけ−6
0℃〜5℃で好適に実施できる。
【0024】本分子内閉環反応によって、一般式〔V〕
【0025】
【化8】
【0026】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される構造を有する分子内閉環体が生成すると推定
される。
【0027】かくして得られた分子内閉環体は、単離し
てもよく、また単離することなくひきつづきエステル化
反応に付すこともできるが、とりわけ単離せずに同一溶
媒中で連続的にエステル化反応を実施するのが好まし
い。
【0028】当該分子内閉環体のエステル化反応は、分
子内閉環体を水酸基のエステル化剤と反応させることに
より実施することができる。水酸基のエステル化剤とし
ては、例えば、リン酸ジフェニル等の如きリン酸ジアリ
ール、リン酸ジエチル等の如きリン酸ジ低級アルキル、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸等の如き非置換もしくは置換低級アルカ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸等の如き非置換もしくは置換アリールスルホン酸等の
リン酸またはスルホン酸化合物の反応性誘導体(例え
ば、対応酸ハライド、対応酸無水物等)又は、酢酸等の
如き低級アルカン酸の反応性誘導体(例えば、対応酸ハ
ライド、対応酸無水物等)、安息香酸の如きアリールカ
ルボン酸等の反応性誘導体(例えば、対応酸ハライド、
対応酸無水物等)があげられる。
【0029】また、これら水酸基のエステル化剤のう
ち、とりわけリン酸ジアリール、リン酸ジ低級アルキ
ル、非置換もしくは置換低級アルカンスルホン酸、非置
換もしくは置換アリールスルホン酸等のリン酸またはス
ルホン酸化合物の反応性誘導体(例えば、対応酸ハライ
ド、対応酸無水物等)等の水酸基の活性エステル化剤が
好ましい。分子内閉環体のエステル化反応をルイス酸又
は酸化剤の存在下に行う場合、ルイス酸又は酸化剤は該
反応の開始前に加えるのが好ましい。また、本反応は、
冷却〜室温下、例えば−75℃〜40℃、とりわけ−6
0℃〜10℃で好適に進行する。
【0030】かくして得られる2−オキソカルバペネム
誘導体〔I〕は、例えば特開昭60−202886号記
載の方法に準じて所望のカルバペネム系抗菌剤に適宜変
換することができる。例えば、2−オキソカルバペネム
誘導体〔I〕と一般式〔III〕
【0031】
【化9】
【0032】(式中、R4 は有機基を表す。)で示され
る化合物またはその塩と反応させ、さらにR1 が保護さ
れたヒドロキシ置換低級アルキル基であるか、又は/及
びR2 がエステル残基である場合には所望により当該ヒ
ドロキシ置換低級アルキル基の保護基又は/及びエステ
ル残基を除去することにより、一般式〔IV〕
【0033】
【化10】
【0034】(式中、R11は保護されていてもよいヒド
ロキシ置換低級アルキル基を表し、R21は水素原子また
はエステル残基を表し、他の記号は前記と同一意味を表
す。)で示されるカルバペネム誘導体へと変換すること
ができる。
【0035】当該カルバペネム誘導体〔IV〕は、抗菌
剤として有用な化合物である。
【0036】化合物〔III〕及び〔IV〕において、
4 で示される有機基としては、既知カルバペネム系抗
菌剤で使用されている基をいずれも用いることができ、
例えば、特開昭61−18779号、特開昭60−20
2886号、特開昭61−5081号、特開平2−49
783号、米国特許第4194047号等に記載の既知
カルバペネム系抗菌剤で使用されている基をいずれも用
いることができる。かかる基の例としては、例えば、低
級アルキル基、シクロアルキル基、6〜8員アリール
基、4〜8員脂肪族複素環式基、4〜8員芳香族複素環
式基等があげられる。さらにこれらの基は1以上の置換
基を有していてもよく、このような置換基としては、例
えば、低級アルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、低
級アルキルアミノ基、メルカプト基、低級アルキルチオ
基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基、チオ
カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、カルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオ
キシカルボニル基、オキソ基、ハロゲノ基、シクロアル
キル基、6〜8員アリール基、4〜8員脂肪族複素環式
基、4〜8員芳香族複素環式基等があげられる。
【0037】また、化合物〔III〕として、上記のも
の以外に本願出願人による特願平3−305725号に
記載の一般式〔III−a〕
【0038】
【化11】
【0039】(式中、R5 は水素原子、低級アルキル基
を表す。)で示される化合物も用いることができる。
【0040】とくに、化合物〔I〕と化合物〔III−
a〕を用いて得られる一般式〔IV−a〕
【0041】
【化12】
【0042】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される新規1−メチルカルバペネム誘導体は、既知
のカルバペネム系抗菌剤に比べ種々の優れた特性を有
し、抗菌剤として有用な化合物である。
【0043】化合物〔I〕と化合物〔III〕との反応
は、塩基の存在または非存在下、適当な溶媒中で実施す
ることができる。塩基としては、慣用の塩基をいずれも
用いることができ、例えば、トリ低級アルキルアミン、
4−ジ低級アルキルアミノピリジン等があげられる。溶
媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
無水アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレ
ン等不活性な慣用の溶媒をいずれも用いることができ
る。
【0044】本反応は、冷却下、例えば、−5℃〜0℃
で好適に進行する。
【0045】さらに、R1 が水酸基の保護基であるか、
又は/及びR2 がエステル残基である場合、所望により
当該保護基又はエステル残基は、例えば、加水分解、還
元等の常法に従って除去することができる。
【0046】上記各反応において、化合物〔I〕、化合
物〔II〕及び化合物〔III〕は、その塩の形ででも
反応に用いることができる。これら化合物〔I〕、〔I
I〕、〔III〕の塩としては、例えば、アルカリ金属
塩、トリ低級アルキルアンモニウム塩等があげられる。
【0047】本発明方法において、原料化合物〔II〕
にはその不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、
原料として光学活性化合物〔II〕を用いた場合、反応
は立体構造を保持したまま進行し、エピマー化すること
なく化合物〔I〕及び化合物〔IV〕へと変換すること
もできる。
【0048】本発明において、低級アルキル基、低級ア
ルキレン基及び低級アルコキシ基の好ましい例として
は、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6、とりわけ炭素
数1〜4のものがあげられ、低級アルカノイル基及び低
級アルケニル基としては、炭素数2〜8、とりわけ炭素
数2〜6のものがあげられ、さらに低級アルケノイル基
及びシクロアルキル基としては、炭素数3〜8、とりわ
け炭素数3〜6のものがあげられる。
【0049】本発明方法の原料化合物〔II〕は、常法
に準じて、容易に製造することができる。例えば、一般
式〔VI〕
【0050】
【化13】
【0051】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物と一般式〔VII〕
【0052】
【化14】
【0053】(式中、記号は前記と同一意味を表す。)
で示される化合物を、脱水剤の存在下反応させた後、一
般式〔VIII〕
【0054】
【化15】
【0055】(式中、Yはハロゲン原子を表し、他の記
号は前記と同一意味を表す。)で示される化合物を、塩
基の存在下、反応させて得ることができる。
【0056】
【実施例】
実施例1 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン3mlの混合物に、1Mソジウムビス
(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−35℃〜−30℃で加える。−30℃で1
0分間攪拌後、ヨウ化亜鉛160mgを−40℃で加え
る。−35℃〜−30℃で15分間攪拌後、ジフェニル
ホスホリルクロリド296mgを−40℃で加える。0
℃で2時間攪拌後、反応液をリン酸バッファー(pH
7.0)中に注入し、生成物を酢酸エチルで抽出する。
得られた有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮し、残査を逆
相ローバーカラム(RP−8、E.メルク社製)(溶
媒;アセトニトリル:水=3:1)で精製することによ
り、(1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−t−
ブチルジメチルシリルオキシエチル〕−1−メチル−2
−ジフェニルホスホリルオキシ−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸・アリルエステル457mgを油状物
として得る。
【0057】収率74.5% NMR(CDCl3 )δ:0.0006(6H,s),
0.80(9H,s),1.10〜1.20(6H,
m),3.15〜3.22(1H,m),3.22〜
3.45(1H,m),4.04〜4.20(2H,
m),4.55〜4.64(2H,m),5.10〜
5.37(2H,m),5.70〜5.90(1H,
m),7.10〜7.38(10H,m) 実施例2 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン1g及びテトラヒ
ドロフラン6mlの混合物に、1Mソジウムビス(トリ
メチルシリル)アミド4.24ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−40℃〜−30℃で加える。−30℃で5
分間攪拌後、トリメチルクロロシラン230mgを−6
0℃で加える。5分間攪拌後、ジフェニルホスホリルク
ロリド598mgを加える。0℃で1時間攪拌後、反応
液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入し、生成
物を酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を洗浄、乾
燥後、減圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム(RP−
8、E.メルク社製)(溶媒;アセトニトリル:水=
3:1)で精製することにより、(1R,5R,6S)
−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキ
シエチル〕−1−メチル−2−ジフェニルホスホリルオ
キシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリル
エステル1.1gを油状物として得る。
【0058】収率84.6% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0059】実施例3 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン3mlの混合物に、1Mソジウムビス
(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−35℃〜−30℃で加える。−30℃で5
分間攪拌後、塩化第一スズ95mgのテトラヒドロフラ
ン1ml溶液を−50℃で加える。−40℃で30分間
攪拌後、ジフェニルホスホリルクロリド0.23mlを
−40℃で加える。0℃で1時間攪拌後、反応液をリン
酸バッファー(pH7.0)中に注入し、生成物を酢酸
エチルで抽出する。得られた有機層を洗浄、乾燥後、減
圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム(RP−8、E.
メルク社製)(溶媒;アセトニトリル:水=3:1)で
精製することにより、(1R,5R,6S)−6−
〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル〕−1−メチル−2−ジフェニルホスホリルオキシ−
カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリルエステ
ル321mgを油状物として得る。
【0060】この生成物は、実施例1の生成物と同一の
物性値を示す。
【0061】実施例4 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン3mlの混合物に、1Mソジウムビス
(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−35℃〜−30℃で加えたのち、ヨウ化第
一銅190mgのテトラヒドロフラン2ml溶液を−4
0℃で加える。−30℃で30分間攪拌後、ジフェニル
ホスホリルクロリド0.23mlを−30℃で加える。
0℃で1.5時間攪拌後、反応液をリン酸バッファー
(pH7.0)中に注入し、生成物を酢酸エチルで抽出
する。得られた有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮し、残
査を逆相ローバーカラム(RP−8、E.メルク社製)
(溶媒;アセトニトリル:水=3:1)で精製すること
により、(1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−
t−ブチルジメチルシリルオキシエチル〕−1−メチル
−2−ジフェニルホスホリルオキシ−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸・アリルエステル441mgを油
状物として得る。
【0062】収率71.9% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0063】実施例5 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン3mlの混合物に、1Mソジウムビス
(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−35℃〜−30℃で加える。−30℃で5
分間攪拌後、ヨウ素127mgを−45℃で加える。−
30℃で20分間攪拌後、ジフェニルホスホリルクロリ
ド0.23mlを−30℃で加える。0℃で1時間攪拌
後、反応液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入
し、生成物を酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を
洗浄、乾燥後、減圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム
(RP−8、E.メルク社製)(溶媒;アセトニトリ
ル:水=3:1)で精製することにより、(1R,5
R,6S)−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチル
シリルオキシエチル〕−1−メチル−2−ジフェニルホ
スホリルオキシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸・アリルエステル484mgを得る。
【0064】収率79% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0065】実施例6 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン500mg及びテ
トラヒドロフラン3mlの混合物に、1Mソジウムビス
(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフラ
ン溶液)を−35℃〜−30℃で加える。−30℃で5
分間攪拌後、塩化第二鉄5mgを加え、乾燥空気を30
分間吹き込んだ後、ジフェニルホスホリルクロリド0.
23mlを−30℃で加える。0℃で1.5時間攪拌
後、反応液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入
し、生成物を酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を
洗浄、乾燥後、減圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム
(RP−8、E.メルク社製)(溶媒;アセトニトリ
ル:水=3:1)で精製することにより、(1R,5
R,6S)−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチル
シリルオキシエチル〕−1−メチル−2−ジフェニルホ
スホリルオキシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸・アリルエステル386mgを得る。
【0066】収率63% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0067】実施例7 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン2mlの混合物に、ヨウ化亜鉛160
mgを20℃で加え10分間攪拌した後、1Mソジウム
ビス(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロ
フラン溶液)を−40℃〜−30℃で加える。−10℃
で1時間攪拌後、ジフェニルホスホリルクロリド0.2
3mlを−10℃で加える。0℃で1時間攪拌後、反応
液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入し、生成
物を酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を洗浄、乾
燥後、減圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム(RP−
8、E.メルク社製)(溶媒;アセトニトリル:水=
3:1)で精製することにより、(1R,5R,6S)
−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキ
シエチル〕−1−メチル−2−ジフェニルホスホリルオ
キシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリル
エステル463mgを油状物として得る。
【0068】収率75.5% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0069】実施例8 (3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン471mg及びテ
トラヒドロフラン2mlの混合物に、トリメチルクロロ
シラン109mgを20℃で加えた後、1Mソジウムビ
ス(トリメチルシリル)アミド2ml(テトラヒドロフ
ラン溶液)を−40℃〜−30℃で加える。−30℃で
30分間攪拌後、ジフェニルホスホリルクロリド0.2
3mlを−30℃で加え、0℃で1時間攪拌する。反応
液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入し、生成
物を酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を洗浄、乾
燥後、減圧濃縮し、残査を逆相ローバーカラム(RP−
8、E.メルク社製)(溶媒;アセトニトリル:水=
3:1)で精製することにより、(1R,5R,6S)
−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキ
シエチル〕−1−メチル−2−ジフェニルホスホリルオ
キシ−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリル
エステル433mgを油状物として得る。
【0070】収率70.6% この生成物は、実施例1の生成物と同一の物性値を示
す。
【0071】実施例9 (1)実施例1、2、3、4、5、6、7または8で得
た化合物100mg及びアセトニトリル0.5mlの混
合物に、(4R)−4−メルカプトピロリジン−2−チ
オン22mg及びジイソプロピルエチルアミン21mg
を0℃で加える。0℃で1時間攪拌後、反応液をリン酸
バッファー(pH7.0)中に注入し、生成物を酢酸エ
チルで抽出する。得られた有機層を洗浄、乾燥し、減圧
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;
n−ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=5:5:
4)で精製することにより、(1R,5S,6S)−2
−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチ
オ〕−6−〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリル
オキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3
−カルボン酸・アリルエステル57mgを得る。
【0072】収率70% m.p.130−133℃ (2)上記(1)で得た化合物50mg、テトラヒドロ
フラン0.5ml、酢酸6.0mgの混合物に、1Mテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒド
ロフラン溶液)0.35mlを氷冷下で加え、室温で2
時間攪拌する。
【0073】反応液に酢酸エチルを加え、洗浄、乾燥
後、減圧濃縮する。残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒;クロロホルム:エタノール=20:
1)で精製することにより、(1R,5S,6S)−2
−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチ
オ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−
メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリル
エステル13mgを得る。
【0074】m.p.139−141℃ (3)上記(2)で得た化合物382.5mg、酢酸エ
チル7.8ml、塩化メチレン11.2ml、亜リン酸
トリエチル58.1mg及び酢酸パラジウム11.2m
gの混合物に、2−エチルヘキサン酸カリウム塩・2/
3水和物194.4mgを滴下する。室温にて4時間攪
拌後、酢酸エチル30mlを加え、水で抽出する。水層
を減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより、(1R,
5S,6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオ
ン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシ
エチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸・カリウム塩228mgを粉末として得る。
【0075】NMR(D2 O)δ:1.20(3H,
d),1.29(3H,d),2.94(1H,d
d),3.28〜3.67(4H,m),4.06〜
4.27(4H,m) (4)上記(3)で得た化合物0.34gのN,N−ジ
メチルホルムアミド3ml懸濁液に、炭酸カリウム0.1
2gを加え、氷冷下イソブチリルオキシメチルヨージド
0.27gを滴下する。同温度で30分間攪拌後、反応
混合液に酢酸エチル10mlを加え、洗浄し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシ
ュカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム:エ
タノール=20:1)で精製後、イソプロピルエーテ
ル、酢酸エチルより結晶化することにより、(1R,5
S,6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン
−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエ
チル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸・イソブチリルオキシメチルエステル0.12gを
無色針状晶として得る。
【0076】m.p.158−159℃ 実施例10 (1)(3S,4S)−3−〔(1R)−1−トリメチ
ルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−ブ
チルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカル
ボニルメチル)−2−アゼチジノン500mg及びテト
ラヒドロフラン3mlの混合物に、ソジウムビス(トリ
メチルシリル)アミド2.33ml(1M−テトラヒド
ロフラン溶液)を−40℃で加える。−30℃で5分間
攪拌後、トリメチルクロロシラン127mgを−60℃
で加え、5分間攪拌後、ジフェニルホスホリルクロリド
330mgを加える。0℃で1時間攪拌後、溶媒を減圧
留去する。残査にアセトニトリル3mlを加え、次いで
(4R)−4−メルカプトピロリジン−2−チオン15
6mg及びジイソプロピルエチルアミン0.2mlを0
℃で加える。0℃で2時間攪拌後、反応液をリン酸バッ
ファー(pH7.0)中に注入し、生成物を酢酸エチル
で抽出する。得られた有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮
する。残査にアセトニトリル3mlを加え、次いで氷冷
下フッ化カリウム204mg及び酢酸421mgの水
2.5ml溶液を加え、室温で10分間攪拌する。反応
液をリン酸バッファー(pH7.0)中に注入し、生成
物を酢酸エチルで抽出後、得られた有機層を洗浄、乾燥
し、減圧濃縮する。残査を、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム:酢酸
エチル=5:5:4/クロロホルム:メタノール=2
0:1)で精製することにより、(1R,5S,6S)
−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イル
チオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1
−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・アリ
ルエステル203mgを得る。
【0077】m.p.139−141℃ (2)上記(1)で得た化合物を、実施例9(3)と同
様に処理することにより、(1R,5S,6S)−2−
〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・カリウム塩
を得る。
【0078】NMR(D2 O)δ:1.20(3H,
d),1.29(3H,d),2.94(1H,d
d),3.28〜3.67(4H,m),4.06〜
4.27(4H,m) (3)上記(2)で得た化合物を実施例9(4)と同様
に処理することにより、(1R,5S,6S)−2−
〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・イソブチリ
ルオキシメチルエステルを得る。
【0079】m.p.158−159℃ 参考例1 (1)(3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチ
ルジメチルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1
−カルボキシエチル〕−2−アゼチジノン10g及びア
セトニトリル50mlの混合物に、4−ジメチルアミノ
ピリジン400mg、t−ブチルメルカプタン5.98
g、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド8.22
gを−5℃で加える。室温で17時間攪拌後、不溶物を
ろ去し、ろ液を減圧濃縮する。残査に酢酸エチルを加
え、洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。
【0080】残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=
5:5:1)で精製することにより、(3S,4S)−
3−〔(1R)−1−t−ブチルジメチルシリルオキシ
エチル〕−4−〔(1R)−1−t−ブチルチオカルボ
ニルエチル〕−2−アゼチジノン11.7gを得る。
【0081】m.p.120−122℃ (2)上記(1)で得た化合物320mg、ブロモ酢酸
アリルエステル169mg及びテトラヒドロフラン1m
lの混合物に、1Mソジウムビス(トリメチルシリル)
アミド0.94ml(テトラヒドロフラン溶液)を−6
5℃〜−60℃で滴下し、−30℃まで昇温する。反応
液を水中に注入し、生成物をジエチルエーテルで抽出
し、有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残査をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=15:1)で精製することにより、
(3S,4S)−3−〔(1R)−1−t−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−
ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリルオキシカ
ルボニルメチル)−2−アゼチジノン538mgを油状
物として得る。
【0082】NMR(CDCl3 )δ:0.09(6
H,s),0.88(9H,s),1.15〜1.30
(6H,m),1.44(9H,s),2.85〜3.
05(2H,m),3.85〜4.85(4H,m),
4.58〜4.65(2H,m),5.20〜5.40
(2H,m),5.80〜6.00(1H,m) 参考例2 (1)参考例1−(1)で得た化合物1gとアセトニト
リル10mlの混合物に、ボロントリフルオリドエーテ
レート788mgを10℃で加えて、2時間攪拌する。
反応液を炭酸水素ナトリウム2.5gの水30ml溶液
に注入し、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗
浄、乾燥後、減圧濃縮する。残査をn−ヘキサンで結晶
化することにより、(3S,4S)−3−〔(1R)−
1−ヒドロキシエチル〕−4−〔(1R)−1−t−ブ
チルチオカルボニルエチル〕−2−アゼチジノン640
mgを得る。
【0083】m.p.125−127℃ (2)上記(1)で得た化合物694mg及びベンゼン
20mlの混合物に、トリエチルアミン1.14g、ト
リメチルクロロシラン1.16gを20℃で加え、1時
間攪拌する。反応液を水中に注入し、生成物を酢酸エチ
ルで抽出し、有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残
査にメタノール10mlを加え、25℃で1時間攪拌し
た後、減圧濃縮することにより(3S,4S)−3−
〔(1R)−1−トリメチルシリルオキシエチル〕−4
−〔(1R)−1−t−ブチルチオカルボニルエチル〕
−2−アゼチジノン885mgを得る。
【0084】NMR(CDCl3 )δ:0.0(9H,
s),1.00〜1.15(6H,m),1.34(9
H,s),2.55〜2.70(1H,m),2.83
〜2.90(1H,m),3.65〜3.72(1H,
m),3.95〜4.12(1H,m),5.71(1
H,s) (3)上記(2)で得た化合物を参考例1−(2)と同
様に処理することにより、(3S,4S)−3−〔(1
R)−1−トリメチルシリルオキシエチル〕−4−
〔(1R)−1−t−ブチルチオカルボニルエチル〕−
1−(アリルオキシカルボニルメチル)−2−アゼチジ
ノンを得る。
【0085】NMR(CDCl3 )δ:0.14(9
H,s),1.12〜1.36(6H,m),1.44
(9H,s),2.85〜3.07(2H,m),3.
85and 4.37(1H each,A2 2 ,J
=20Hz),4.00〜4.23(2H,m),4.
60〜4.70(2H,m),5.20〜5.40(2
H,m),5.80〜6.02(1H,m) 参考例3 (1)参考例1−(2)で得た化合物3.96gとアセ
トニトリル42mlの混合物に、ボロントリフルオリド
エーテレート2.18gを10℃で加えて、20分間攪
拌する。反応液を炭酸水素ナトリウム8.4gの水10
0ml溶液に注入し、生成物を酢酸エチルで抽出し、有
機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸
エチル=15:1)で精製することにより、n−ヘキサ
ンで結晶化することにより、(3S,4S)−3−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−4−〔(1R)
−1−t−ブチルチオカルボニルエチル〕−1−(アリ
ルオキシカルボニルメチル)−2−アゼチジノン2.7
5gを得る。
【0086】NMR(CDCl3 )δ:1.15〜1.
34(6H,m),1.45(6H,s),2.13
(1H,d,J=4Hz),2.82〜3.00(1
H,m),3.05〜3.15(1H,m),3.86
and 4.35(1H each,A2 2 q,J
=18Hz),4.03〜4.30(2H,m),4.
60〜4.70(2H,m),5.24〜5.42(2
H,m),5.80〜6.02(1H,m), (2)上記(1)で得た化合物を参考例2−(2)と同
様に処理することにより、(3S,4S)−3−〔(1
R)−1−トリメチルシリルオキシエチル〕−4−
〔(1R)−1−t−ブチルチオカルボニルエチル〕−
1−(アリルオキシカルボニルメチル)−2−アゼチジ
ノンを得る。
【0087】NMR(CDCl3 )δ:0.14(9
H,s),1.12〜1.36(6H,m),1.44
(9H,s),2.85〜3.07(2H,m),3.
85and 4.37(1H each,A2 2 ,J
=20Hz),4.00〜4.23(2H,m),4.
60〜4.70(2H,m),5.20〜5.40(2
H,m),5.80〜6.02(1H,m), 参考例4 (1) (4S)−4−ヒドロキシ−2−ピロリドン1.7
gをテトラヒドロフラン114mlに懸濁し、トリフェニ
ルホスフィン8.9gを加え10分間攪拌後、アゾジカル
ボン酸ジエチル5.4mlを−10℃以下で滴下し、同温
度で10分間攪拌する。反応混合物に、チオ酢酸2.4
mlを−10℃以下で滴下し、同温度で2時間攪拌後、溶
媒を減圧留去する。残留物をジイソプロピルエーテルで
結晶化し、結晶をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、残査をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホル
ム:エタノール=98:2)で精製することにより、
(4S)−4−アセチルチオ−2−ピロリドン2gを油
状物として得る。
【0088】NMR(CDCl3 )δ:2.29(1
H,dd),2.35(3H,s),2.80(1H,
dd),3.31(1H,dd),3.89(1H,d
d),4.10〜4.23(1H,m) (2) 上記(1)で得た化合物1.9g、トルエン50ml
及びローソン試薬〔2,4−ビス(4−メトキシフェニ
ル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,
4−ジスルフィド〕2.4gの混合物を15分間加熱還
流後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム:酢酸エチル=
95:5)で精製することにより、(4R)−4−アセ
チルチオピロリジン−2−チオン1.8gを無色針状晶
として得る。
【0089】m.p.91−93℃ 〔α〕D 23 +57.7°(c=1、メタノール) (3) 上記(2)で得た化合物1.7g及び16%アンモ
ニア−メタノール溶液50mlの混合物を、氷冷下、30
分間撹拌する。溶媒を減圧留去後、残渣にトルエンを加
え濃縮することにより、(4R)−4−メルカプトピロ
リジン−2−チオン1.3gを粗生成物として得る。
【0090】本品は精製することなく、次工程に用い
た。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌作用を有するカル
バペネム誘導体〔IV〕の合成中間体として有用な2−
オキシカルバペネム誘導体〔I〕を、従来法の如きアル
キル化剤等を用いることなく、新規な方法により収率よ
く製造することができる。従って、本発明は、2−オキ
シカルバペネム誘導体〔I〕の工業的有利な製法となり
うるものである。
【0092】また、2−オキシカルバペネム誘導体
〔I〕から製造されうる新規1−メチルカルバペネム誘
導体〔IV−a〕もしくはその薬理的に許容しうる塩
は、エシェリキア(Escherichia) 属、サルモネラ(Salmo
nella)属、シゲラ(Shigella)属、クレブシエラ (Klebsi
ella) 属、プロテウス(Proteus) 属、モルガネラ(Morga
nella)属、プロビデンシア(Providencia) 属、シトロバ
クター(Citrobacter) 属、バクテロイデス(Bacteroide
s) 属、ストレプトコッカス(Streptococcus) 属、スタ
フィロコッカス(Staphylococcus)属、エンテロバクター
(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、シュードモ
ナス(Pseudomonas) 属等のグラム陽性菌及びグラム陰性
菌を含む広範囲の各種微生物に対し優れた抗菌活性を有
し、かつ病原性の臨床分離株に対しても高い抗菌活性を
有するため、感染症に対して優れた治療効果を示す。
【0093】また、化合物〔IV−a〕は、デヒドロペ
プチターゼIに対する安定性が高いと共に経口吸収性が
よく、高い治療効果を発揮するという優れた特長をも有
する。
【0094】さらに、化合物〔IV−a〕は、胆汁への
移行性が高いため、胆道感染に対して優れた治療効果を
発揮するという特長をかねそなえている。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔II〕 【化1】 (式中、R1 は保護されていてもよいヒドロキシ置換低
    級アルキル基を表し、R2 は水素原子またはエステル残
    基を表し、R3 は水素原子または低級アルキル基を表
    し、Zはチオールエステル残基を表す。)で示されるア
    ゼチジノン化合物またはその塩の分子内閉環反応及び得
    られる分子内閉環体のエステル化反応からなり、かつそ
    の少なくともいずれか一方の反応をルイス酸または酸化
    剤の存在下に実施することを特徴とする一般式〔I〕 【化2】 (式中、−OAはエステル化された水酸基を表し、他の
    記号は前記と同一意味を表す。)で示される2−オキシ
    カルバペネム誘導体の製法。
  2. 【請求項2】 分子内閉環反応を塩基で処理して行う請
    求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 エステル化反応を水酸基の活性エステル
    化剤で処理して行う請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 エステル化反応をルイス酸または酸化剤
    の存在下に実施する請求項1、2又は3記載の製法。
  5. 【請求項5】 分子内閉環反応及びエステル化反応を同
    一溶媒中で連続的に実施する請求項1、2、3又は4記
    載の製法。
  6. 【請求項6】 Zがt−ブチル基である請求項1、2、
    3、4又は5記載の製法。
  7. 【請求項7】 一般式〔II〕 【化16】 (式中、R 1 は保護されていてもよいヒドロキシ置換低
    級アルキル基を表し、R 2 は水素原子またはエステル残
    基を表し、R 3 は水素原子または低級アルキル基を表
    し、Zはチオールエステル残基を表す。)で示されるア
    ゼチジノン化合物またはその塩の分子内閉環反応、及び
    得られた分子内閉環体のエステル化反応を、その少なく
    ともいずれか一方の反応をルイス酸または酸化剤の存在
    下に実施し、得られた一般式〔I〕 【化3】 (式中−OAはエステル化された水酸基を表し、他の
    記号は前記と同一意味を表す。)で示される2−オキシ
    カルバペネム誘導体を、一般式〔III〕 【化4】 (式中、R4は有機基を表す。)で示される化合物また
    はその塩と反応させ、さらにR1が保護されたヒドロキ
    シ置換低級アルキル基であるか、又は/及びR2がエス
    テル残基である場合には所望により当該ヒドロキシ置換
    低級アルキル基の保護基又は/及びエステル残基を除去
    し、要すれば、生成物をその塩とすることを特徴とする
    一般式〔IV〕 【化5】 (式中、R11は保護されていてもよいヒドロキシ置換低
    級アルキル基を表し、R21は水素原子またはエステル残
    基を表し、他の記号は前記と同一意味を表す。)で示さ
    れるカルバペネム誘導体またはその塩の製法。
  8. 【請求項8】 R1 が保護されていてもよい1−ヒドロ
    キシエチル基であり、R3 がメチル基であり、R4 が2
    −チオキソピロリジン−4−イル基である請求項7記載
    の製法。
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