JP2003061382A - インバータの制御方法及びインバータの制御回路 - Google Patents
インバータの制御方法及びインバータの制御回路Info
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Abstract
ル、波形改善用コンデンサを省略したインバータの制御
方法を改善する。 【解決手段】 単相交流の電源電圧VSを全波整流して
整流電圧Vdcを得る。整流電圧Vdcに基づいてインバー
タ4のスイッチングによって三相の交流電流iu,iv,
iwをモータ6に与える。インバータ4のスイッチング
は制御回路5からのスイッチング指令に基づいて行われ
る。電源電圧VSはsinθSに比例している。モータ6に
対するq軸電流の指令値は、|sinθS+h・sin3θS|
に比例した値を採用する。例えばh=1/3に設定する
ことにより、モータ6での銅損を低減しつつも、平滑コ
ンデンサ34に採用されるコンデンサの容量値を小さく
することができる。
Description
技術に関し、特に容量が小さな平滑コンデンサを採用し
た単相直流電源に対して行う場合の、インバータの制御
技術に関する。
グ素子のスイッチング制御により、直流電源から可変周
波数、可変電圧の交流を効率良く、しかも多相で得るこ
とができる回路である。インバータは例えばモータへの
電力供給に採用され、モータの回転数やトルクを制御す
る用途に用いられる。スイッチング素子としては通常、
トランジスタが用いられる。
単相交流を全波整流するダイオードブリッジと、フィル
タとを備える。フィルタはダイオードブリッジの出力の
リプルを平滑する機能を有し、通常は大容量(例えば1
03μFオーダー)の平滑コンデンサを備える。
側と出力側の構成を示す回路図である。インバータ4に
はフィルタ3aの出力として、平滑コンデンサ33の両
端電圧Vdcが与えられる。インバータ4はハイアーム側
及びローアーム側にそれぞれ設けられるトランジスタを
各相毎に備えており、これらのトランジスタは図示され
ない制御回路によって制御されてスイッチングする。こ
こではインバータ4は三相の交流電流を三相モータ6に
供給する場合が例示されている。
すべく、モータ6の電流振幅にリプルが生じないように
インバータのPWM(パルス幅変調)が行われる。
ッジ2によって全波整流された電圧がフィルタ3aに与
えられる。但し、交流電源1の力率低下や高調波発生の
問題を低減するため、ダイオードブリッジ2の出力を平
滑コンデンサ33の両端には印加していない。力率改善
リアクトル31と波形改善用コンデンサ32の並列接続
を更に、平滑コンデンサ33と直列に接続して得られる
直列接続体の両端に、ダイオードブリッジ2の出力を印
加している。
ジ2に与えられた電圧VS及び電流iINと、フィルタ3
の出力電圧、即ち、平滑コンデンサ33の両端電圧Vdc
との時間的変化を示すグラフである。電圧Vdcは比較的
平坦ではあるが、電流iINに大きな歪みが生じている。
これは大容量の平滑コンデンサ33の両端電圧Vdcが比
較的平坦で、リプルが少ないことに起因して、ダイオー
ドブリッジ2がオンする期間が短くなるためである。
測定系に混入したノイズによるものである。
御技術では平滑コンデンサ33の容量が大きいため、通
常は電解コンデンサを採用する必要があり、これは使用
環境、例えば周囲温度を制約する。また電解コンデンサ
を採用してもまだそのサイズは大きい。力率改善リアク
トル31のインダクタンスも数mHの値に設定されるた
め、フィルタ3のサイズは大きくなり、コストアップを
招来している。
生の問題を低減する場合には、チョッパ回路を設けるこ
ともあるが、これもコストアップに繋がる。
のであり、大容量の平滑コンデンサ、力率改善リアクト
ル、波形改善用コンデンサを省略したインバータの制御
方法を改善する技術を提供することを目的としている。
にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,i w)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する、インバータの制御方法であ
る。そして、前記電源電圧は位相(θS)についての正
弦関数(sinθS)に比例し、前記多相の交流電流に基づ
くトルク電流(iq)の指令値(iq *)から決定される
前記モータのトルク(n・K・iq *)を、前記トルクの
平均値(Average(τ))及び前記モータの極数(2
n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、1を越え
ない。
請求項1記載のインバータの制御方法であって、前記多
相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令値(iq
*)として、前記正弦関数(sinθS)に前記正弦関数の
奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の
絶対値に比例した値を採用する。
単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整
流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,
iv,i w)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を
制御するインバータの制御方法であって、前記電源電圧
は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例
し、前記モータのトルク(τ)の指令値(τ*)を、前
記トルクの平均値(Average(τ))及び前記モータの
極数(2n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、
1を越えない。
請求項3記載のインバータの制御方法であって、前記モ
ータ(6)のトルク(τ)の指令値(τ*)として、前
記正弦関数(sinθS)に前記正弦関数の奇数次高調波
(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例
した値を採用する。
請求項2及び請求項4のいずれか一つに記載のインバー
タの制御方法であって、前記指令値(iq *,τ*)は、
台形波を呈する。
請求項5記載のインバータの制御方法であって、前記台
形波は、前記電源電圧(VS)の半分の周期(π)を有
し、前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2θS)に比例
した値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処
理して得られる。
請求項2及び請求項4のいずれか一つに記載のインバー
タの制御方法であって、前記指令値(iq *,τ*)は、
前記正弦関数(sinθS)に、前記位相(θS)の3倍に
ついての正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の
絶対値を採った値に比例し、前記重みは−0.2164
乃至1.153に設定される。
請求項7記載のインバータの制御方法であって、前記重
み(h)は1/3以下に設定される。
請求項7記載のインバータの制御方法であって、前記重
み(h)は−0.192より大きく設定される。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する方法であって、前記電源電圧は位相
(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記
位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)
と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した
値を、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)
の指令値(iq *)として採用し、前記重みは0より大き
くかつ1より小さく設定される。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する方法であって、前記電源電圧は位相
(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記
位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)
と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した
値を、前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値
(τ*)として採用し、前記重みは0より大きくかつ1
より小さく設定される。
は、請求項10及び請求項11のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法であって、前記整流電圧(Vdc)
の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定され
る。
は、請求項10及び請求項11のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法であって、前記単相交流の電源電
圧(V S)に基づく入力電力(PS)が小さいほど、前記
重み(g)は小さく設定される。
は、請求項10及び請求項11のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法であって、前記モータ(6)のト
ルク(τ)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定
される。
は、請求項10及び請求項11のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法であって、前記多相の交流電流に
基づくトルク電流振幅(Iq)が小さいほど、前記重み
(g)は小さく設定される。
は、請求項10及び請求項11のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法であって、前記モータ(6)の回
転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定され
る。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電
圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例
し、前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)
を求める軸変換部(59)と、前記正弦関数(sinθS)
に、前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳さ
せ、更にその結果の絶対値に比例した指令値(iq *)を
求める指令値計算部(52)と、前記トルク電流及び前
記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制
御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチ
ング指令計算部(58)とを備える。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電
圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例
し、前記モータのトルク(τ)を求めるトルク演算部
(66)と、前記正弦関数(sinθS)に、前記正弦関数
の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果
の絶対値に比例した指令値(τ*)を求める指令値計算
部(62)と、前記トルク及び前記指令値に基づいて前
記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指
令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(6
9)とを備える。
は、請求項17及び請求項18のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記指令値(i
q *,τ *)は、台形波を呈する。
は、請求項19記載のインバータの制御回路(5)であ
って、前記台形波は、前記電源電圧(VS)の半分の周
期(π)を有し、前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2
θS)に比例した値を、そのピーク値よりも低いレベル
でリミッタ処理して得られる。
は、請求項17及び請求項18のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記指令値(i
q *,τ *)は、前記正弦関数(sinθS)に、前記位相
(θS)の3倍についての正弦関数と重み(h)との積
を加算した結果の絶対値を採った値に比例し、前記重み
は−0.2164乃至1.153に設定される。
は、請求項21記載のインバータの制御回路(5)であ
って、前記重み(h)は1/3以下に設定される。
は、請求項21記載のインバータの制御回路(5)であ
って、前記重み(h)は−0.192より大きく設定さ
れる。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電
圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例
し、前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)
を求める軸変換部(59)と、前記位相の2倍(2
θS)についての余弦関数(cos2θS)と重み(g)と
の積を1から差し引いた結果に比例した指令値(iq *)
を求める指令値計算部(52)と、前記トルク電流及び
前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを
制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッ
チング指令計算部(58)とを備え、前記重みは0より
大きくかつ1より小さく設定される。
は、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られ
る整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流
(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ
(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電
圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例
し、前記モータ(6)のトルク(τ)を求めるトルク演
算部(66)と、前記位相の2倍(2θS)についての
余弦関数(cos2θS)と重み(g)との積を1から差し
引いた結果に比例した指令値(τ*)を求める指令値計
算部(62)と、前記トルク及び前記指令値に基づいて
前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング
指令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(6
9)とを備え、前記重みは0より大きくかつ1より小さ
く設定される。
は、請求項24及び請求項25のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記整流電圧
(Vdc)の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さく
設定される。
は、請求項24及び請求項25のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記単相交流の
電源電圧(VS)に基づく入力電力(PS)が小さいほ
ど、前記重み(g)は小さく設定される。
は、請求項24及び請求項25のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記モータ
(6)のトルクが小さいほど、前記重み(g)は小さく
設定される。
は、請求項24及び請求項25のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記多相の交流
電流に基づくトルク電流振幅(Iq)が小さいほど、前
記重み(g)は小さく設定される。
は、請求項24及び請求項25のいずれか一つに記載の
インバータの制御回路(5)であって、前記モータ
(6)の回転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく
設定される。
明の前駆的技術について説明する。
の構成を示す回路図である。単相の交流電源1はダイオ
ードブリッジ2に交流電圧VSを与える。そしてダイオ
ードブリッジ2の出力は、フィルタ3bに与えられる。
フィルタ3bは従来の技術において示されたフィルタ3
aとは異なり、平滑コンデンサ34のみで構成されてい
る。しかも平滑コンデンサ34の容量は、平滑コンデン
サ33の容量の1/100程度であり、数十μFであ
る。従って平滑コンデンサ34は電解コンデンサに換え
てフィルムコンデンサが使用でき、そのサイズは小さ
い。
る整流電圧Vdcは従来の技術と同様にインバータ4に入
力する。インバータ4では、制御回路5から得られるス
イッチング指令CNTに基づき、そのスイッチング素子
たるトランジスタのスイッチングが行われる。これによ
り、モータ6には電流が供給される。
その整流電圧Vdcは非常に大きなリプルを有することに
なる。しかしながら、スイッチング指令CNTを適切に
設定することにより、交流電源1からダイオードブリッ
ジ2に与えられる電流iINの高調波、特に低次高調波を
低減し、また力率の改善も可能である。
小さくしたインバータの制御技術を、ここでは単相コン
デンサレスインバータ制御と称する。上記の駆動技術は
例えば「高入力力率のダイオード整流回路を持つPMモ
ータのインバータ制御法」(高橋、平成12年電気学会
全国大会予稿集第157頁)で提案されている。
ック図である。ここではモータ6は永久磁石が回転子に
設けられ、固定子に三相の界磁コイルが設けられる場合
を例示する。制御回路5はモータ6の各相に流れる電流
iu,iv,iw及びモータ6の回転子の回転角速度(機
械角)ωm、並びに交流電源1の電圧VS及びインバータ
4に入力する電圧Vdcに基づいてスイッチング指令CN
Tを計算する。
三相の界磁コイルに各々流れる電流iu,iv,iwをベ
クトル制御によって制御する。具体的にはモータ内部に
確立した主磁束方向に磁束を作る電流成分たる磁束電流
(いわゆるd軸電流)idと、それと位相的に90°進ん
だ、トルクを直接制御するトルク電流(いわゆるq軸電
流)iqとに分けて独立に制御する。
びq軸電流指令値計算部52も有している。d軸電流指
令値計算部51では、インバータ4に入力する電圧
Vdc、回転角速度(機械角)ωm、q軸電流iqに基づい
て、d軸電流指令値id *を求める。一方、q軸電流指令
値計算部52では、電圧VSに基づいてq軸電流指令値
iq *を求める。
り、それぞれd軸電流指令値id *からd軸電流idを減
じて得られるd軸偏差Δd、q軸電流指令値iq *からq
軸電流iqを減じて得られるq軸偏差Δqを出力する。
ており、これらはそれぞれd軸偏差Δd、q軸偏差Δq
に基づき、PI制御(比例・積分制御)の計算を行う。
この計算結果は、制御回路5が有する電圧指令値計算部
57によって所定の計算が行われ、d軸電圧指令値
vd *、q軸電圧指令値vq *が得られる。
も有しており、ここにおいてd軸電圧指令値vd *、q軸
電圧指令値vq *に基づいてスイッチング指令CNTが求
められる。スイッチング指令計算部58ではd−q軸か
らU,V,W相への軸変換の処理を含んでいる。
ータの弱め界磁を利用した高力率インバータ制御法」
(芳賀、高橋、平成13年電気学会全国大会予稿集第1
214頁)において開示され、更に具体的にはq軸電流
指令値iq *がVS 2に比例する、即ち、モータトルクは交
流電圧VSの2倍周波で脈動することが示唆されてい
る。
ンデンサを省略し、平滑コンデンサの容量を著しく低減
した単相コンデンサレスインバータ制御の技術におけ
る、定常状態でのモータ効率を考察する。以下、従来の
インバータ技術のように電流振幅を一定(即ち、トルク
一定)に制御する場合を第1方式とし、q軸電流指令値
iq *をVS 2に比例(即ち、トルクを交流電圧VSの2倍
周波で脈動制御)させる場合を第2方式とし、両者を比
較する。
久磁石型モータでは、回転子に埋め込まれた磁石と固定
子の回転磁界との間に発生する磁石トルクと、回転子の
鉄心と、固定子の回転磁界との間で発生するリラクタン
ストルクとが存在する。モータの極の対の数をn、モー
タの速度起電圧定数をλa、Ld,Lqをそれぞれd軸及
びq軸のインダクタンスとして採用すると、d−q軸座
標系でトルクτは式(1)で表すことができる。
石トルク及びリラクタンストルクに相当する。なお、d
軸電流id、q軸電流iqは回転磁界を与える電流、例え
ば三相の電流iu,iv,iwとの間に式(2)が成立す
る。ここでθmはモータの回転子位置角(機械角)であ
る。
のでも全トルクの3割程度であり、よってd軸電流id
を変動させても全トルクに与える影響は少ないと近似す
る。よってid=Id(一定)とすると、式(1)は式
(3)に近似できる。
ストルクを省略して取り扱うことができ、埋め込み永久
磁石型モータも表面永久磁石型モータと同じ取り扱いと
することができる。
とすると、VS=VCsinθSと表すことができる。この位
相θSの一周期(0〜2π)における極対一つ当たりの
トルクの平均値Average(τ)及びq軸電流の実効値Irms
は、式(4)で求められる。但し第2方式のトルクの変
動する周期は、電源の変動する周期の1/2である。
e(τ)を得るためのq軸電流の実効値Irmsを損失評価の
指標として用いることにする。
の場合にはq軸電流指令値iq *は一定であり、トルクの
平均値Average(τ)及びq軸電流の実効値Irms及び指標
Irm s/Average(τ)は式(5)の通り求められる。
用して式(6)が得られる。但しここでは、トルクの平
均値Average(τ)が第1方式と等しくK・Iqとなるよう
に、q軸電流指令値iq *の係数を定めた。
と、それぞれの指標に添字1,2を付記して式(7)が
得られる。
同じトルクを得るためには電流が(3/2)1/2倍必要
であり、従って電流の2乗に比例する銅損は(3/2)
倍となる。
iqの変動幅を小さく抑え、銅損を小さくする技術を説
明する。
成、及び図2に示された制御回路5の構成を採用するこ
とができる。但し、q軸電流指令値計算部52(図2)
とは異なり、交流電源1の電圧VSの他、整流電圧Vdc
も制御回路5のq軸電流指令値の計算に供せられる。
についての周期関数sinθSに当該周期関数の奇数次高調
波を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値をq
軸電流指令値iq *として採用する。例えば周期関数sin
θSに対して、3倍高調波sin3θSに重みhを乗じたh
・sin3θSを重畳し、その絶対値を採り、適当な係数を
乗じてq軸電流指令値iq *を設定する。これを第3方式
とすると、第3方式について式(4)を適用して式
(8)が得られる。
標を比較すると式(9)が得られる。
(τ)・Kを曲線J3としてプロットしたグラフである。
破線J1,J2はそれぞれ第1方式及び第2方式を採用
した場合を示している。式(9)のうち、係数(π/2
3/2)を除いて得られる重みhの関数について、重みh
の導関数を求めると式(10)が得られ、h=1/3で
最小値が得られることが解る。
合、第1方式を採用して同じトルクを発生する場合と比
較して、指標Irms/Average(τ)・Kは(π/23/2)
・(9/10)1/2=約1.054倍大きいものの、第
2方式と比較すると銅損は40%以上の改善となること
が解る。
電流指令値iq *の変化を示すグラフである。それぞれの
モータトルク平均値は同じである。曲線J30,J3
1,J32はそれぞれ重みhの値が0,0.1,0.3
の場合の第3方式でのq軸電流指令値iq *を示してお
り、曲線J20は第2方式でのq軸電流指令値iq *を示
している。
流指令値iq *の振幅を小さくすることができる。従って
本発明には銅損を低減するのみならず、インバータ4に
採用するトランジスタのピーク電流耐量を小さくすると
いう効果もある。
ている場合であってもq軸電流指令値iq *は、交流電源
1の周期関数に対する奇数次成分sin(mθS)(mは3
以上の奇数)を含んだ関数の絶対値として表すことがで
き、本実施の形態の効果を得ることができる。図5は台
形波の波形を例示するグラフであって、周期πで繰り返
される。即ち、台形波は電源電圧VSの周期の半分の周
期を有する。当該周期の初期T1において値が上昇し、
終期T3において下降し、当該初期と終期との間T2で
値が実質的に変化しない波形を呈する。
いて値が上昇し、終期T2において下降するに際して、
位相θSに対して必ずしも線型に変化する場合のみを指
してはいない。例えば初期T1,終期T2においてsin2
θSに比例した変化であってもよい。本発明における
「台形波」はこれを含む。その場合には第2方式におい
て得られたq軸電流指令値iq *に対して、そのピーク値
よりも低いレベルでリミッタ処理を施せば良い。
流指令値iq *のピークが式(6)のピークよりも低けれ
ば本実施の形態の効果を得ることができる。モータのト
ルクτは理想的には式(3)のq軸電流iqにq軸電流
指令値iq *を代入して得られる。よってこれを式(6)
で示された第2方式におけるトルクの平均値K・Iq及
びモータの極数2nで除して得られるiq */2Iqは、
第2方式のピークを決定する関数sin2θSとして求めら
れる。そして関数sin2θSの最大値は1である。従っ
て、q軸電流指令値iq *から決定されるモータのトルク
τをその平均値Average(τ)及びモータの極数2nで除
した値のピークが1を越えなければ、本実施の形態の効
果を得ることができる。
よって得られる、電流iIN、電圧V Sの時間変化を示す
グラフである。従来の場合の図17と比較して、電流i
INの通流幅が広がり、低次高調波が低減されていること
が見て取れる。なお、電流i INに見られる高周波リプル
は測定系に混入したノイズによるものである。
る。
て、重みhの値は式(12)の範囲になる。
2164<h<1.153となる。重みhがこの範囲に
あると、第2方式よりも第3方式のほうが、同じq軸電
流指令値iq *に対してトルクの平均値を大きくすること
ができる。換言すれば、同一負荷であればモータ電流を
小さくでき、銅損を低減できる。
はhと共に増加し、指標Irms/Average(τ)は上述のよ
うにh=1/3で最小であることに鑑みて、h≦1/3
に設定することが、より望ましい。また、重みhが小さ
すぎるとq軸電流の波高値が第2方式よりも大きくな
る。第3方式においてq軸電流の波高値が第2方式と等
しくなる重みhは、式(13)を満足する。
π+4)となり、この値はほぼ−0.192となる。よ
って−0.192<hに設定することが、スイッチング
素子の電流容量を大きくしなくて済む点でも望ましい。
のトレードオフによって決定する。そこで、適切な重み
hを設定するには次の方法が考えられる。例えば我が国
のように高調波規制が実施されていない場合は、例えば
重みh=1/3近傍(例えば0.33)で固定し、トル
クと回転数とに応答して上述の重みhの下限値−0.1
92まで順次に低減する。更に説明する。整流電圧Vdc
が低い期間、即ち位相θSが0若しくはπの近傍では、
第2方式に比べて第3方式のq軸電流レベルは大きく、
回転数と共に上昇するモータ逆起電圧により所望の電流
を流しにくくなる。そこで、トルク、換言すればq軸電
流振幅Iqと回転数に応答して、重みhを第2方式のq
軸電流指令値iq *(図4の曲線J20)とほぼ同一とな
るh=−0.192まで順次に低減する。これにより、
モータ回転数と共に逆起電力が上昇し所定のモータ電流
を流し込めないという事態を回避できる。重みhの値を
順次に低減するには、実験によって回転数、トルクに対
するhの最適値を実測し、ルックアップテーブルを作成
しても良い。
Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)の高
調波規格値Class Aが適用される国では、負荷状態(こ
れは電流iINの状態を左右する)に応じて最適な重みh
を実機試験によって求める。これをテーブルとして保存
し、電流iINの値、好ましくは基本波成分によって当該
テーブルを参照して重みhを設定する。
4)が得られる。
較すると、第2方式では定数Iqに対してcos2θSでリ
プルを与えていると見ることができる。
タ6の回転数が上昇するほど、いわゆる鉄損は増大す
る。その一方、銅損は回転数には殆ど依存しない。モー
タ6の損失は銅損と鉄損の和として与えられるので、ト
ルク負荷が一定の場合には低速になるほど銅損の影響が
大きくなる。
しくは、負荷トルクが小さい場合には、インバータ4が
モータ6に対して供給する電力も低下し、平滑コンデン
サ34からインバータ4へ供給する平均電流が下がる。
従って、モータ6の回転数が低いほど、もしくはトルク
が小さいほど、平滑コンデンサ34の容量が小さくて
も、その整流電圧Vdcにおいてリプルを除去する能力は
高まる。
電流指令値iq *におけるリプル成分cos2θSの寄与分
を、整流電圧Vdcのリプル電圧に基づいて変動させるこ
とにより、銅損を低減する技術を提案する。これによ
り、銅損が支配的であった、低速運転時のモータ6の損
失を効果的に低減することができる。本実施の形態では
重みg(0<g<1)を導入してq軸電流指令値iq *を
次式に設定する。但し本実施の形態ではg=G
1(Vdc)の関係にある。
値iq *の算出を示すブロック図であり、図2のq軸電流
指令値計算部52として採用できる構成である。但し、
第1の実施の形態で示されたのと同様に、q軸電流指令
値計算部52(図2)とは異なり、交流電源1の電圧V
Sの他、整流電圧Vdcも採用される。サンプリング部5
21は、電圧Vdcのそれぞれ最大値及び最小値を出力す
る最大値検出部521a、最小値検出部521bを備え
ている。これらの出力は重み算出タイミング信号Yの入
力を契機として更新される。
する間隔において、当該間隔よりも短い所定のタイミン
グで電圧Vdcをサンプリングし、サンプリング電圧
Vdc’を得る。
部521bにより、電圧Vdcの最大値Vmax及び最小値
Vminを検出する最大最小検出処理の手順を示すフロー
チャートであり、サンプリングタイミング毎に実行され
る。ステップS11においてサンプリング電圧Vdc’を
入力する。そして最小値検出部521bによってそれま
でに設定されていた最小値Vminとサンプリング電圧V
dc’とが、ステップS12において比較される。Vmin
>Vdc’であれば、ステップS13に進み、サンプリン
グ電圧Vdc’を以て最小値Vminを更新する。
でに設定されていた最大値Vmaxとサンプリング電圧V
dc’とが、ステップS14において比較される。Vmax
<Vd c’であれば、ステップS15に進み、サンプリン
グ電圧Vdc’を以て最大値Vm axを更新する。図8では
ステップS12からステップS14へと進む態様が示さ
れているが、ステップS14からステップS12へと処
理が進んでも良い。そしてステップS13,S15が終
了すると、最大最小検出処理の手順は終了し、図示され
ないメインルーチンへと復帰する。ステップS12,S
14においてVmi n≦Vdc’≦Vmaxと判断された場合も
同様である。
入力すると、サンプリング部521はそれまでに求めら
れた最大値Vmax、最小値Vminを重み計算部522に出
力すると共に、自身において最大値Vmax、最小値Vmin
を初期化する。電圧Vdcは通常は0〜VS程度の範囲で
変動するので、例えば最大値検出部521aの初期値と
して負の値(−VS)を、最小値検出部521bの初期
値として2VSを採用することができる。かかる動作に
より、重み計算部522よりも後段の処理は、重み算出
タイミング信号Yが入力される度に更新されるデータに
ついての処理となる。
部522の処理を示すフローチャートである。ステップ
S21において最大値Vmax、最小値Vminを入力し、ス
テップS22において重みgを式(16)に従って求め
る。
の右辺の分子は0であり、従ってg=0である。これは
式(5),(15)から明らかなように、第1方式に相
当する。また電圧Vdcに最大限の変動があった場合に
は、Vmax=VS,Vmin=0であるので、g=1であ
る。これは式(14),(15)から明らかなように、
第2方式に相当する。
うに最大値Vmax、最小値Vminを初期化する。そしてス
テップS24において重み計算部522は重みgを出力
し、重みgの計算処理は終了する。その後は図示されな
いメインルーチンへと復帰する。
max及び最小値Vminから電圧Vdcのリプルを正しく求め
ることができる間隔で入力することが望ましい。具体的
には、ダイオードブリッジ2が全波整流であることに鑑
みて、重み算出タイミング信号Yは位相θSの半周期以
上の間隔で入力することが望ましい。
源1の電圧VSの位相θSとを得て、q軸電流指令値iq *
を求める。図10はq軸電流演算部524の処理を示す
フローチャートである。まずステップS31において位
相θS、重みg、q軸電流振幅令Iq *を得る。ここでq
軸電流振幅指令Iq *はq軸電流振幅Iqについての設定
値であり、例えば固定値Iqが採用される。なお、図
1、図2、図7でもq軸電流振幅指令Iq *は固定値を採
るものとして、その既述を省略してきた。位相θ Sは重
み算出タイミング信号Yの入力如何に関わらず、ステッ
プS31が実行される時点での値が採用される。もちろ
ん、ステップS31が実行されるタイミングと、電圧V
dcをサンプリングするタイミングとは一致しても良い
し、異なっても良い。
6)に基づいてq軸電流指令値iq *を求め、ステップS
33においてq軸電流振幅令Iq *を減算器54(図2参
照)へ出力する。
dcのリプル電圧が小さいほど、q軸電流指令値iq *にお
けるリプル成分cos2θSの寄与分を小さくする。従っ
て、特にモータ6の速度が低く整流電圧Vdcのリプル電
圧が小さな状況において銅損を低減し、当該銅損が支配
的なモータ損失を低減することができる。
ては、図8に示した手順に限られない。平滑コンデンサ
34にダイオードブリッジ2から流れ込む電流を検出す
る手段を設け、当該電流のリプルを検出しても良い。
を整流電圧Vdcの脈動にではなく、他の変数に基づいて
行っても良い。例えば本実施の形態の変形として、電源
電圧VSに基づく入力電力PSを検出し、その大きさに応
じて重みgを求めても良い。図11は当該変形において
図2のq軸電流指令値計算部52として採用できる構成
を示すブロック図であり、図12はg=G2(PS)の関
係を示すグラフである。
係をデータテーブルとして有しており、与えられた入力
電力PSに基づいて上記データテーブルを参照して重み
gを求める。入力電力PSが第1の閾値P1以下であれば
g=0であり、第1方式に相当する。また入力電力PS
が第2の閾値P2以上であればg=1であり、第2方式
に相当する。入力電力PSが第1の閾値P1以上第2の閾
値P2以下であればg=G2(PS)=(PS−P1)/
(P2−P1)と線型に求められる。
1方式に近く、入力電力PSが大きいほど第2方式に近
いq軸電流指令値iq *の制御を行える。上述のように電
力が低下すると整流電圧Vdcのリプルは減少する傾向に
あるので、当該変形によってもモータ6の速度が低い状
況において銅損を低減することができる。
が小さいほど重みgを小さくすることもできる。また式
(3)に基づいてq軸電流iqの振幅Iqを検出し、これ
が小さいほど重みgを小さくすることもできる。また回
転数を検出し、これが小さいほど重みgを小さくするこ
ともできる。
形の脈動のピークを抑制する制御について示す。
制御回路の構成を示す回路図である。図1に示された構
成と同様に、単相の交流電源1、ダイオードブリッジ
2、フィルタ3b、インバータ4、モータ6,制御回路
5が相互に接続されている。モータ6,インバータ4の
いずれも三相交流用である場合が例示されている。
制御はトルクに基づいて行われる。そのため、制御回路
5にはトルク振幅指令Tm *及び一次磁束振幅指令|λ|
*が図示されない外部から与えられる。
れる三相電流iu,iv,iw及び三相電圧vu,vv,vw
に基づいて一次磁束λα,λβを求める。まず式(1
7)に基づいて三相電流iu,iv,iwを二相電流
iα,iβに変換する。同様にして三相電圧vu,vv,
vwを二相電圧vα,vβに変換する。
て、式(18)に基づいて一次磁束λ α,λβを求め
る。
一次磁束λα,λβがモータ6の内部に作る回転磁界の
大きさ|λ|(リサージュ図形の原点からの距離)を求
め、これを減算部65に与える。
ら回転磁界の大きさ|λ|を差し引き、その結果たる偏
差Δλを電圧ベクトル選択部68に出力する。
iv,iwから上述のように二相電流iα,iβを求め、
一次磁束λα,λβを一次磁束演算部63から得る。そ
して二相電流iα,iβと一次磁束λα,λβとから式
(19)に基づいてトルクτを求め、これを減算部67
に出力する。nはモータ6の極の対の数としている。
から電圧VSを得てその位相θSを求め、これをトルク指
令演算部62へ出力する。トルク指令演算部62は、ト
ルク振幅指令Tm *及び位相θSに基づいてトルク指令τ*
を求め、これを減算部67に出力する。トルク指令τ*
の求め方は後述する。
を差し引き、その結果たる偏差Δτを電圧ベクトル選択
部68に出力する。
τをヒステリシスコンパレータを用いてデジタル値に変
換し、一次磁束λα,λβ及び回転磁界の大きさ|λ|
から決まる領域毎に定めた電圧ベクトルを出力する。電
圧ベクトル選択部68は一次磁束λα,λβから上述の
ように回転磁界の大きさ|λ|を求め、あるいはこれを
振幅演算部64から得る。
ンパレータの動作を示すグラフであり、図15は偏差Δ
τに対するヒステリシスコンパレータの動作を示すグラ
フである。閾値Δλmin,Δλmax,Δτmin,Δτmax,
d1,d2は設計仕様に応じて設定される。これらのヒス
テリシスコンパレータの動作により、偏差Δλ,Δτに
対してデジタル値Sλ(=0,1),Sτ(=−1,
0,1)が定められる。
の大きさ|λ|から決まる領域I〜VIを定める表であ
る。そして表2はデジタル値Sλ,Sτと領域I〜VIと
から、電圧ベクトルV0〜V7を決定する表である。そ
して表3は電圧ベクトルV0〜V7によって設定される
スイッチングの態様を示す表である。
“0”の場合にはその相のローアーム側トランジスタが
オンしてハイアーム側のトランジスタがオフしているこ
とを示し、“1”の場合にはその相のローアーム側トラ
ンジスタがオフしてハイアーム側のトランジスタがオン
していることを示している。そしてこのようなスイッチ
ングパターンがスイッチング指令CNTとしてインバー
タ4に与えられる。
に基づく誘導電動機の高速トルク制御法」(野口、高
橋、回転機研究会RM-84-76)によって示されている。
計算が特徴的となっている。即ち、第1の実施の形態と
同様にして、式(20)に基づいてトルク指令τ*を求
める。あるいは第2の実施の形態と同様にして、式(2
2)に基づいてトルク指令τ *を求める。あるいはトル
ク指令τ*を台形波に設定する。
流とは比例関係にある。よって、比例係数を除いて第1
の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ関数の形を採
用することにより、本実施の形態においても第1の実施
の形態及び第2の実施の形態と同じ効果を得ることがで
きる。この場合、重みh,gについても、それぞれ第1
及び第2の実施の形態と同様に設定することができる。
に、トルク指令τ*をトルクτの平均値Average(τ)及
びモータの極数2nで除した値のピークが1を越えなけ
れば、本実施の形態の効果を得ることができる。
を設定する場合には、第2の実施の形態で示されたのと
同様にして、入力電力PSやモータのトルク、回転数に
基づいて重みgを決定することができる。
請求項10、請求項11にかかるインバータの制御方
法、並びに請求項17乃至請求項20、請求項24、請
求項25にかかるインバータの制御回路によれば、全波
整流において平滑コンデンサの値を小さくし、力率改善
リアクトル波形改善用コンデンサを必要としないで、単
相交流の入力電流の高調波を軽減することができる。
タの制御方法、並びに請求項21にかかるインバータの
制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大
きくすることができる。
タの制御方法、並びに請求項22にかかるインバータの
制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大
きくしつつも、単相交流の電源から入力される電流(i
IN)に含まれる高調波を軽減することができる。
タの制御方法、並びに請求項23にかかるインバータの
制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大
きくしつつも、インバータ(4)のスイッチング素子の
電流容量を大きくしなくて済む。
にかかるインバータの制御方法、並びに請求項26乃至
請求項30にかかるインバータの制御回路によれば、モ
ータ(6)の銅損が支配的な状況において、銅損を容易
に低減する。
す回路図である。
ある。
ある。
ある。
ある。
ク図である。
チャートである。
チャートである。
ーチャートである。
すブロック図である。
フである。
タ制御回路の構成を示す回路図である。
フである。
フである。
Claims (30)
- 【請求項1】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整流
して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流
電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバ
ータ(4)を制御する方法であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令
値(iq *)から決定される前記モータのトルク(n・K
・iq *)を、前記トルクの平均値(Average(τ))及
び前記モータの極数(2n)で除した値(iq */2
Iq)のピークは、1を越えない、インバータの制御方
法。 - 【請求項2】 前記多相の交流電流に基づくトルク電流
(iq)の指令値(iq *)として、前記正弦関数(sinθ
S)に前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳
させ、更にその結果の絶対値に比例した値を採用する、
請求項1記載のインバータの制御方法。 - 【請求項3】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整流
して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流
電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバ
ータ(4)を制御する方法であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記モータのトルク(τ)の指令値(τ*)を、前記ト
ルクの平均値(Average(τ))及び前記モータの極数
(2n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、1を
越えない、インバータの制御方法。 - 【請求項4】 前記モータ(6)のトルク(τ)の指令
値(τ*)として、前記正弦関数(sinθS)に前記正弦
関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその
結果の絶対値に比例した値を採用する、請求項3記載の
インバータの制御方法。 - 【請求項5】 前記指令値(iq *,τ*)は、台形波を
呈する、請求項2及び請求項4のいずれか一つに記載の
インバータの制御方法。 - 【請求項6】 前記台形波は、前記電源電圧(VS)の
半分の周期(π)を有し、 前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2θS)に比例した
値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理し
て得られる、請求項5記載のインバータの制御方法。 - 【請求項7】 前記指令値(iq *,τ*)は、前記正弦
関数(sinθS)に、前記位相(θS)の3倍についての
正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値を
採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至1.
153に設定される、請求項2及び請求項4のいずれか
一つに記載のインバータの制御方法。 - 【請求項8】 前記重み(h)は1/3以下に設定され
る、請求項7記載のインバータの制御方法。 - 【請求項9】 前記重み(h)は−0.192より大き
く設定される、請求項7記載のインバータの制御方法。 - 【請求項10】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する方法であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θ
S)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例
した値を、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(i
q)の指令値(iq *)として採用し、 前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、
インバータの制御方法。 - 【請求項11】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する方法であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θ
S)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例
した値を、前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値
(τ*)として採用し、 前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、
インバータの制御方法。 - 【請求項12】 前記整流電圧(Vdc)の脈動が小さい
ほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項10
及び請求項11のいずれか一つに記載のインバータの制
御方法。 - 【請求項13】 前記単相交流の電源電圧(VS)に基
づく入力電力(PS)が小さいほど、前記重み(g)は
小さく設定される、請求項10及び請求項11のいずれ
か一つに記載のインバータの制御方法。 - 【請求項14】 前記モータ(6)のトルク(τ)が小
さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項
10及び請求項11のいずれか一つに記載のインバータ
の制御方法。 - 【請求項15】 前記多相の交流電流に基づくトルク電
流振幅(Iq)が小さいほど、前記重み(g)は小さく
設定される、請求項10及び請求項11のいずれか一つ
に記載のインバータの制御方法。 - 【請求項16】 前記モータ(6)の回転数が小さいほ
ど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項10及
び請求項11のいずれか一つに記載のインバータの制御
方法。 - 【請求項17】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する制御回路(5)であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)を求
める軸変換部(59)と、 前記正弦関数(sinθS)に、前記正弦関数の奇数次高調
波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比
例した指令値(iq *)を求める指令値計算部(52)
と、 前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバー
タのスイッチングを制御するスイッチング指令(CN
T)を出力するスイッチング指令計算部(58)とを備
える、インバータの制御回路。 - 【請求項18】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する制御回路(5)であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記モータのトルク(τ)を求めるトルク演算部(6
6)と、 前記正弦関数(sinθS)に、前記正弦関数の奇数次高調
波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比
例した指令値(τ*)を求める指令値計算部(62)
と、 前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータの
スイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を
出力するスイッチングテーブル部(69)とを備える、
インバータの制御回路。 - 【請求項19】 前記指令値(iq *,τ*)は、台形波
を呈する、請求項17及び請求項18のいずれか一つに
記載のインバータの制御回路(5)。 - 【請求項20】 前記台形波は、前記電源電圧(VS)
の半分の周期(π)を有し、 前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2θS)に比例した
値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理し
て得られる、請求項19記載のインバータの制御回路
(5)。 - 【請求項21】 前記指令値(iq *,τ*)は、前記正
弦関数(sinθS)に、前記位相(θS)の3倍について
の正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値
を採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至
1.153に設定される、請求項17及び請求項18の
いずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)。 - 【請求項22】 前記重み(h)は1/3以下に設定さ
れる、請求項21記載のインバータの制御回路(5)。 - 【請求項23】 前記重み(h)は−0.192より大
きく設定される、請求項21記載のインバータの制御回
路(5)。 - 【請求項24】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する制御回路(5)であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)を求
める軸変換部(59)と、 前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θ
S)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例
した指令値(iq *)を求める指令値計算部(52)と、 前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバー
タのスイッチングを制御するスイッチング指令(CN
T)を出力するスイッチング指令計算部(58)とを備
え、 前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、
インバータの制御回路。 - 【請求項25】 単相交流の電源電圧(VS)を全波整
流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交
流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるイン
バータ(4)を制御する制御回路(5)であって、 前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθ
S)に比例し、 前記モータ(6)のトルク(τ)を求めるトルク演算部
(66)と、 前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θ
S)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例
した指令値(τ*)を求める指令値計算部(62)と、 前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータの
スイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を
出力するスイッチングテーブル部(69)とを備え、 前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、
インバータの制御回路。 - 【請求項26】 前記整流電圧(Vdc)の脈動が小さい
ほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項24
及び請求項25のいずれか一つに記載のインバータの制
御回路(5)。 - 【請求項27】 前記単相交流の電源電圧(VS)に基
づく入力電力(PS)が小さいほど、前記重み(g)は
小さく設定される、請求項24及び請求項25のいずれ
か一つに記載のインバータの制御回路(5)。 - 【請求項28】 前記モータ(6)のトルクが小さいほ
ど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項24及
び請求項25のいずれか一つに記載のインバータの制御
回路(5)。 - 【請求項29】 前記多相の交流電流に基づくトルク電
流振幅(Iq)が小さいほど、前記重み(g)は小さく
設定される、請求項24及び請求項25のいずれか一つ
に記載のインバータの制御回路(5)。 - 【請求項30】 前記モータ(6)の回転数が小さいほ
ど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項24及
び請求項25のいずれか一つに記載のインバータの制御
回路(5)。
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