JP4210048B2 - インバータの制御方法及びインバータの制御回路 - Google Patents

インバータの制御方法及びインバータの制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はインバータの制御技術に関し、特に容量が小さな平滑コンデンサを採用した単相直流電源に対して行う場合の、インバータの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、インバータはスイッチング素子のスイッチング制御により、直流電源から可変周波数、可変電圧の交流を効率良く、しかも多相で得ることができる回路である。インバータは例えばモータへの電力供給に採用され、モータの回転数やトルクを制御する用途に用いられる。スイッチング素子としては通常、トランジスタが用いられる。
【0003】
インバータに供給するための直流電源は、単相交流を全波整流するダイオードブリッジと、フィルタとを備える。フィルタはダイオードブリッジの出力のリプルを平滑する機能を有し、通常は大容量(例えば103μFオーダー)の平滑コンデンサを備える。
【0004】
図16は従来のインバータ4及びその入力側と出力側の構成を示す回路図である。インバータ4にはフィルタ3aの出力として、平滑コンデンサ33の両端電圧Vdcが与えられる。インバータ4はハイアーム側及びローアーム側にそれぞれ設けられるトランジスタを各相毎に備えており、これらのトランジスタは図示されない制御回路によって制御されてスイッチングする。ここではインバータ4は三相の交流電流を三相モータ6に供給する場合が例示されている。
【0005】
インバータ4はモータ6のトルクを一定にすべく、モータ6の電流振幅にリプルが生じないようにインバータのPWM(パルス幅変調)が行われる。
【0006】
交流電源1は単相であり、ダイオードブリッジ2によって全波整流された電圧がフィルタ3aに与えられる。但し、交流電源1の力率低下や高調波発生の問題を低減するため、ダイオードブリッジ2の出力を平滑コンデンサ33の両端には印加していない。力率改善リアクトル31と波形改善用コンデンサ32の並列接続を更に、平滑コンデンサ33と直列に接続して得られる直列接続体の両端に、ダイオードブリッジ2の出力を印加している。
【0007】
図17は交流電源1からダイオードブリッジ2に与えられた電圧VS及び電流iINと、フィルタ3の出力電圧、即ち、平滑コンデンサ33の両端電圧Vdcとの時間的変化を示すグラフである。電圧Vdcは比較的平坦ではあるが、電流iINに大きな歪みが生じている。これは大容量の平滑コンデンサ33の両端電圧Vdcが比較的平坦で、リプルが少ないことに起因して、ダイオードブリッジ2がオンする期間が短くなるためである。
【0008】
なお、電流iINに見られる高周波リプルは測定系に混入したノイズによるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインバータの制御技術では平滑コンデンサ33の容量が大きいため、通常は電解コンデンサを採用する必要があり、これは使用環境、例えば周囲温度を制約する。また電解コンデンサを採用してもまだそのサイズは大きい。力率改善リアクトル31のインダクタンスも数mHの値に設定されるため、フィルタ3のサイズは大きくなり、コストアップを招来している。
【0010】
また更に交流電源1の力率低下や高調波発生の問題を低減する場合には、チョッパ回路を設けることもあるが、これもコストアップに繋がる。
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、大容量の平滑コンデンサ、力率改善リアクトル、波形改善用コンデンサを省略したインバータの制御方法を改善する技術を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する、インバータの制御方法である。そして、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令値(iq *)から決定される前記モータのトルク(n・K・iq *)を、前記トルクの平均値(Average(τ))及び前記モータの極数(2n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、1を越えない。
【0013】
そして、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令値(iq *)として、前記正弦関数(sinθS)に前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値を採用する。
【0014】
この発明のうち請求項にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御するインバータの制御方法であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記モータのトルク(τ)の指令値(τ*)を、前記トルクの平均値(Average(τ))及び前記モータの極数(2n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、1を越えない。
【0015】
そして、前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値(τ*)として、前記正弦関数(sinθS)に前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値を採用する。
【0016】
この発明のうち請求項にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記指令値(iq *,τ*)は、台形波を呈する。
【0017】
この発明のうち請求項にかかるものは、請求項記載のインバータの制御方法であって、前記台形波は、前記電源電圧(VS)の半分の周期(π)を有し、前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2θS)に比例した値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理して得られる。
【0018】
この発明のうち請求項にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記指令値(iq *,τ*)は、前記正弦関数(sinθS)に、前記位相(θS)の3倍についての正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値を採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至1.153に設定される。
【0019】
この発明のうち請求項にかかるものは、請求項記載のインバータの制御方法であって、前記重み(h)は1/3以下に設定される。
【0020】
この発明のうち請求項にかかるものは、請求項記載のインバータの制御方法であって、前記重み(h)は−0.192より大きく設定される。
【0021】
この発明のうち請求項にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した値を、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令値(iq *)として採用し、前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される。
【0022】
この発明のうち請求項にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した値を、前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値(τ*)として採用し、前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される。
【0023】
この発明のうち請求項10にかかるものは、請求項及び請求項10のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記整流電圧(Vdc)の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0024】
この発明のうち請求項11にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記単相交流の電源電圧(VS)に基づく入力電力(PS)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0025】
この発明のうち請求項12にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記モータ(6)のトルク(τ)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0026】
この発明のうち請求項13にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記多相の交流電流に基づくトルク電流振幅(Iq)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0027】
この発明のうち請求項14にかかるものは、請求項及び請求項のいずれか一つに記載のインバータの制御方法であって、前記モータ(6)の回転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0028】
この発明のうち請求項15にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)を求める軸変換部(59)と、前記正弦関数(sinθS)に、前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した指令値(iq *)を求める指令値計算部(52)と、前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチング指令計算部(58)とを備える。
【0029】
この発明のうち請求項16にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記モータのトルク(τ)を求めるトルク演算部(66)と、前記正弦関数(sinθS)に、前記正弦関数の奇数次高調波(sin3θS)を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した指令値(τ*)を求める指令値計算部(62)と、前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(69)とを備える。
【0030】
この発明のうち請求項17にかかるものは、請求項15及び請求項16のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記指令値(iq *,τ*)は、台形波を呈する。
【0031】
この発明のうち請求項18にかかるものは、請求項17記載のインバータの制御回路(5)であって、前記台形波は、前記電源電圧(VS)の半分の周期(π)を有し、前記正弦関数(sinθS)の2乗(sin2θS)に比例した値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理して得られる。
【0032】
この発明のうち請求項19にかかるものは、請求項15及び請求項16のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記指令値(iq *,τ*)は、前記正弦関数(sinθS)に、前記位相(θS)の3倍についての正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値を採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至1.153に設定される。
【0033】
この発明のうち請求項20にかかるものは、請求項19記載のインバータの制御回路(5)であって、前記重み(h)は1/3以下に設定される。
【0034】
この発明のうち請求項21にかかるものは、請求項19記載のインバータの制御回路(5)であって、前記重み(h)は−0.192より大きく設定される。
【0035】
この発明のうち請求項22にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(iq)を求める軸変換部(59)と、前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した指令値(iq *)を求める指令値計算部(52)と、前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチング指令計算部(58)とを備え、前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される。
【0036】
この発明のうち請求項23にかかるものは、単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、前記モータ(6)のトルク(τ)を求めるトルク演算部(66)と、前記位相の2倍(2θS)についての余弦関数(cos2θS)と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した指令値(τ*)を求める指令値計算部(62)と、前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(69)とを備え、前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される。
【0037】
この発明のうち請求項24にかかるものは、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記整流電圧(Vdc)の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0038】
この発明のうち請求項25にかかるものは、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記単相交流の電源電圧(VS)に基づく入力電力(PS)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0039】
この発明のうち請求項26にかかるものは、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記モータ(6)のトルクが小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0040】
この発明のうち請求項27にかかるものは、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記多相の交流電流に基づくトルク電流振幅(Iq)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0041】
この発明のうち請求項28にかかるものは、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)であって、前記モータ(6)の回転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される。
【0042】
【発明の実施の形態】
A.本発明の前駆的技術.
本発明の実施の形態についての詳細な説明の前に、本発明の前駆的技術について説明する。
【0043】
図1は本発明に適用可能なモータ制御回路の構成を示す回路図である。単相の交流電源1はダイオードブリッジ2に交流電圧VSを与える。そしてダイオードブリッジ2の出力は、フィルタ3bに与えられる。フィルタ3bは従来の技術において示されたフィルタ3aとは異なり、平滑コンデンサ34のみで構成されている。しかも平滑コンデンサ34の容量は、平滑コンデンサ33の容量の1/100程度であり、数十μFである。従って平滑コンデンサ34は電解コンデンサに換えてフィルムコンデンサが使用でき、そのサイズは小さい。
【0044】
平滑コンデンサ34の両端において得られる整流電圧Vdcは従来の技術と同様にインバータ4に入力する。インバータ4では、制御回路5から得られるスイッチング指令CNTに基づき、そのスイッチング素子たるトランジスタのスイッチングが行われる。これにより、モータ6には電流が供給される。
【0045】
平滑コンデンサ34の容量は小さいので、その整流電圧Vdcは非常に大きなリプルを有することになる。しかしながら、スイッチング指令CNTを適切に設定することにより、交流電源1からダイオードブリッジ2に与えられる電流iINの高調波、特に低次高調波を低減し、また力率の改善も可能である。
【0046】
このように平滑コンデンサの容量を著しく小さくしたインバータの制御技術を、ここでは単相コンデンサレスインバータ制御と称する。上記の駆動技術は例えば「高入力力率のダイオード整流回路を持つPMモータのインバータ制御法」(高橋、平成12年電気学会全国大会予稿集第157頁)で提案されている。
【0047】
図2は、制御回路5の構成を例示するブロック図である。ここではモータ6は永久磁石が回転子に設けられ、固定子に三相の界磁コイルが設けられる場合を例示する。制御回路5はモータ6の各相に流れる電流iu,iv,iw及びモータ6の回転子の回転角速度(機械角)ωm、並びに交流電源1の電圧VS及びインバータ4に入力する電圧Vdcに基づいてスイッチング指令CNTを計算する。
【0048】
制御回路5は軸変換部59を有しており、三相の界磁コイルに各々流れる電流iu,iv,iwをベクトル制御によって制御する。具体的にはモータ内部に確立した主磁束方向に磁束を作る電流成分たる磁束電流(いわゆるd軸電流)idと、それと位相的に90°進んだ、トルクを直接制御するトルク電流(いわゆるq軸電流)iqとに分けて独立に制御する。
【0049】
制御回路5はd軸電流指令値計算部51及びq軸電流指令値計算部52も有している。d軸電流指令値計算部51では、インバータ4に入力する電圧Vdc、回転角速度(機械角)ωm、q軸電流iqに基づいて、d軸電流指令値id *を求める。一方、q軸電流指令値計算部52では、電圧VSに基づいてq軸電流指令値iq *を求める。
【0050】
制御回路5は減算部53,54も有しており、それぞれd軸電流指令値id *からd軸電流idを減じて得られるd軸偏差Δd、q軸電流指令値iq *からq軸電流iqを減じて得られるq軸偏差Δqを出力する。
【0051】
制御回路5はPI制御部55,56も有しており、これらはそれぞれd軸偏差Δd、q軸偏差Δqに基づき、PI制御(比例・積分制御)の計算を行う。この計算結果は、制御回路5が有する電圧指令値計算部57によって所定の計算が行われ、d軸電圧指令値vd *、q軸電圧指令値vq *が得られる。
【0052】
制御回路5はスイッチング指令計算部58も有しており、ここにおいてd軸電圧指令値vd *、q軸電圧指令値vq *に基づいてスイッチング指令CNTが求められる。スイッチング指令計算部58ではd−q軸からU,V,W相への軸変換の処理を含んでいる。
【0053】
かかるインバータの制御技術は「IPMモータの弱め界磁を利用した高力率インバータ制御法」(芳賀、高橋、平成13年電気学会全国大会予稿集第1214頁)において開示され、更に具体的にはq軸電流指令値iq *がVS 2に比例する、即ち、モータトルクは交流電圧VSの2倍周波で脈動することが示唆されている。
【0054】
さて、力率改善リアクトルや波形改善用コンデンサを省略し、平滑コンデンサの容量を著しく低減した単相コンデンサレスインバータ制御の技術における、定常状態でのモータ効率を考察する。以下、従来のインバータ技術のように電流振幅を一定(即ち、トルク一定)に制御する場合を第1方式とし、q軸電流指令値iq *をVS 2に比例(即ち、トルクを交流電圧VSの2倍周波で脈動制御)させる場合を第2方式とし、両者を比較する。
【0055】
一般に永久磁石型モータ、特に埋め込み永久磁石型モータでは、回転子に埋め込まれた磁石と固定子の回転磁界との間に発生する磁石トルクと、回転子の鉄心と、固定子の回転磁界との間で発生するリラクタンストルクとが存在する。モータの極の対の数をn、モータの速度起電圧定数をλa、Ld,Lqをそれぞれd軸及びq軸のインダクタンスとして採用すると、d−q軸座標系でトルクτは式(1)で表すことができる。
【0056】
【数1】
Figure 0004210048
【0057】
式(1)の第1項及び第2項はそれぞれ磁石トルク及びリラクタンストルクに相当する。なお、d軸電流id、q軸電流iqは回転磁界を与える電流、例えば三相の電流iu,iv,iwとの間に式(2)が成立する。ここでθmはモータの回転子位置角(機械角)である。
【0058】
【数2】
Figure 0004210048
【0059】
通常、リラクタンストルクは最も大きいものでも全トルクの3割程度であり、よってd軸電流idを変動させても全トルクに与える影響は少ないと近似する。よってid=Id(一定)とすると、式(1)は式(3)に近似できる。
【0060】
【数3】
Figure 0004210048
【0061】
このような近似により見かけ上リラクタンストルクを省略して取り扱うことができ、埋め込み永久磁石型モータも表面永久磁石型モータと同じ取り扱いとすることができる。
【0062】
いま、交流電源1の位相をθS、振幅をVCとすると、VS=VCsinθSと表すことができる。この位相θSの一周期(0〜2π)における極対一つ当たりのトルクの平均値Average(τ)及びq軸電流の実効値Irmsは、式(4)で求められる。但し第2方式のトルクの変動する周期は、電源の変動する周期の1/2である。
【0063】
【数4】
Figure 0004210048
【0064】
そして単位当たりのトルクの平均値Average(τ)を得るためのq軸電流の実効値Irmsを損失評価の指標として用いることにする。
【0065】
第1方式について式(4)を適用する。この場合にはq軸電流指令値iq *は一定であり、トルクの平均値Average(τ)及びq軸電流の実効値Irms及び指標Irms/Average(τ)は式(5)の通り求められる。
【0066】
【数5】
Figure 0004210048
【0067】
同様にして第2方式について式(4)を適用して式(6)が得られる。但しここでは、トルクの平均値Average(τ)が第1方式と等しくK・Iqとなるように、q軸電流指令値iq *の係数を定めた。
【0068】
【数6】
Figure 0004210048
【0069】
そこで、第1方式と第2方式とを比較すると、それぞれの指標に添字1,2を付記して式(7)が得られる。
【0070】
【数7】
Figure 0004210048
【0071】
つまり第2方式では第1方式と比較して、同じトルクを得るためには電流が(3/2)1/2倍必要であり、従って電流の2乗に比例する銅損は(3/2)倍となる。
【0072】
そこで、以下の実施の形態では、q軸電流iqの変動幅を小さく抑え、銅損を小さくする技術を説明する。
【0073】
B.第1の実施の形態.
本実施の形態でも図1に示されたインバータ制御の構成、及び図2に示された制御回路5の構成を採用することができる。但し、q軸電流指令値計算部52(図2)とは異なり、交流電源1の電圧VSの他、整流電圧Vdcも制御回路5のq軸電流指令値の計算に供せられる。
【0074】
本実施の形態では、交流電源1の位相θSについての周期関数sinθSに当該周期関数の奇数次高調波を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値をq軸電流指令値iq *として採用する。例えば周期関数sinθSに対して、3倍高調波sin3θSに重みhを乗じたh・sin3θSを重畳し、その絶対値を採り、適当な係数を乗じてq軸電流指令値iq *を設定する。これを第3方式とすると、第3方式について式(4)を適用して式(8)が得られる。
【0075】
【数8】
Figure 0004210048
【0076】
そこで式(7)と同様にして第1方式と指標を比較すると式(9)が得られる。
【0077】
【数9】
Figure 0004210048
【0078】
図3は重みhに対して指標Irms/Average(τ)・Kを曲線J3としてプロットしたグラフである。破線J1,J2はそれぞれ第1方式及び第2方式を採用した場合を示している。式(9)のうち、係数(π/23/2)を除いて得られる重みhの関数について、重みhの導関数を求めると式(10)が得られ、h=1/3で最小値が得られることが解る。
【0079】
【数10】
Figure 0004210048
【0080】
よって第3方式でh=1/3を採用した場合、第1方式を採用して同じトルクを発生する場合と比較して、指標Irms/Average(τ)・Kは(π/23/2)・(9/10)1/2=約1.054倍大きいものの、第2方式と比較すると銅損は40%以上の改善となることが解る。
【0081】
図4は交流電源1の位相θSに対するq軸電流指令値iq *の変化を示すグラフである。それぞれのモータトルク平均値は同じである。曲線J30,J31,J32はそれぞれ重みhの値が0,0.1,0.3の場合の第3方式でのq軸電流指令値iq *を示しており、曲線J20は第2方式でのq軸電流指令値iq *を示している。
【0082】
このようにh=1/3に近いほど、q軸電流指令値iq *の振幅を小さくすることができる。従って本発明には銅損を低減するのみならず、インバータ4に採用するトランジスタのピーク電流耐量を小さくするという効果もある。
【0083】
図4から類推できるように、台形波を呈している場合であってもq軸電流指令値iq *は、交流電源1の周期関数に対する奇数次成分sin(mθS)(mは3以上の奇数)を含んだ関数の絶対値として表すことができ、本実施の形態の効果を得ることができる。図5は台形波の波形を例示するグラフであって、周期πで繰り返される。即ち、台形波は電源電圧VSの周期の半分の周期を有する。当該周期の初期T1において値が上昇し、終期T3において下降し、当該初期と終期との間T2で値が実質的に変化しない波形を呈する。
【0084】
またここで「台形波」とは、初期T1において値が上昇し、終期T2において下降するに際して、位相θSに対して必ずしも線型に変化する場合のみを指してはいない。例えば初期T1,終期T2においてsin2θSに比例した変化であってもよい。本発明における「台形波」はこれを含む。その場合には第2方式において得られたq軸電流指令値iq *に対して、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理を施せば良い。
【0085】
また、図4から類推できるように、q軸電流指令値iq *のピークが式(6)のピークよりも低ければ本実施の形態の効果を得ることができる。モータのトルクτは理想的には式(3)のq軸電流iqにq軸電流指令値iq *を代入して得られる。よってこれを式(6)で示された第2方式におけるトルクの平均値K・Iq及びモータの極数2nで除して得られるiq */2Iqは、第2方式のピークを決定する関数sin2θSとして求められる。そして関数sin2θSの最大値は1である。従って、q軸電流指令値iq *から決定されるモータのトルクτをその平均値Average(τ)及びモータの極数2nで除した値のピークが1を越えなければ、本実施の形態の効果を得ることができる。
【0086】
図6はh=0.1とした場合の第3方式によって得られる、電流iIN、電圧VSの時間変化を示すグラフである。従来の場合の図17と比較して、電流iINの通流幅が広がり、低次高調波が低減されていることが見て取れる。なお、電流iINに見られる高周波リプルは測定系に混入したノイズによるものである。
【0087】
式(7),(9)から式(11)が得られる。
【0088】
【数11】
Figure 0004210048
【0089】
式(11)の値が1よりも小さいとおいて、重みhの値は式(12)の範囲になる。
【0090】
【数12】
Figure 0004210048
【0091】
式(12)を近似計算すると、ほぼ−0.2164<h<1.153となる。重みhがこの範囲にあると、第2方式よりも第3方式のほうが、同じq軸電流指令値iq *に対してトルクの平均値を大きくすることができる。換言すれば、同一負荷であればモータ電流を小さくでき、銅損を低減できる。
【0092】
しかしながら、電流iINに含まれる高調波はhと共に増加し、指標Irms/Average(τ)は上述のようにh=1/3で最小であることに鑑みて、h≦1/3に設定することが、より望ましい。また、重みhが小さすぎるとq軸電流の波高値が第2方式よりも大きくなる。第3方式においてq軸電流の波高値が第2方式と等しくなる重みhは、式(13)を満足する。
【0093】
【数13】
Figure 0004210048
【0094】
式(13)からh=(3π−12)/(3π+4)となり、この値はほぼ−0.192となる。よって−0.192<hに設定することが、スイッチング素子の電流容量を大きくしなくて済む点でも望ましい。
【0095】
このように重みhの選択は高調波と銅損とのトレードオフによって決定する。そこで、適切な重みhを設定するには次の方法が考えられる。例えば我が国のように高調波規制が実施されていない場合は、例えば重みh=1/3近傍(例えば0.33)で固定し、トルクと回転数とに応答して上述の重みhの下限値−0.192まで順次に低減する。更に説明する。整流電圧Vdcが低い期間、即ち位相θSが0若しくはπの近傍では、第2方式に比べて第3方式のq軸電流レベルは大きく、回転数と共に上昇するモータ逆起電圧により所望の電流を流しにくくなる。そこで、トルク、換言すればq軸電流振幅Iqと回転数に応答して、重みhを第2方式のq軸電流指令値iq *(図4の曲線J20)とほぼ同一となるh=−0.192まで順次に低減する。これにより、モータ回転数と共に逆起電力が上昇し所定のモータ電流を流し込めないという事態を回避できる。重みhの値を順次に低減するには、実験によって回転数、トルクに対するhの最適値を実測し、ルックアップテーブルを作成しても良い。
【0096】
あるいは欧州などIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)の高調波規格値Class Aが適用される国では、負荷状態(これは電流iINの状態を左右する)に応じて最適な重みhを実機試験によって求める。これをテーブルとして保存し、電流iINの値、好ましくは基本波成分によって当該テーブルを参照して重みhを設定する。
【0097】
C.第2の実施の形態.
第2方式のq軸電流指令値iq *を書き直すと、式(14)が得られる。
【0098】
【数14】
Figure 0004210048
【0099】
これを第1方式のq軸電流指令値iq *と比較すると、第2方式では定数Iqに対してcos2θSでリプルを与えていると見ることができる。
【0100】
一方、トルク負荷が一定の場合には、モータ6の回転数が上昇するほど、いわゆる鉄損は増大する。その一方、銅損は回転数には殆ど依存しない。モータ6の損失は銅損と鉄損の和として与えられるので、トルク負荷が一定の場合には低速になるほど銅損の影響が大きくなる。
【0101】
そしてモータ6が低速で回転する場合、もしくは、負荷トルクが小さい場合には、インバータ4がモータ6に対して供給する電力も低下し、平滑コンデンサ34からインバータ4へ供給する平均電流が下がる。従って、モータ6の回転数が低いほど、もしくはトルクが小さいほど、平滑コンデンサ34の容量が小さくても、その整流電圧Vdcにおいてリプルを除去する能力は高まる。
【0102】
以上のことから、本実施の形態では、q軸電流指令値iq *におけるリプル成分cos2θSの寄与分を、整流電圧Vdcのリプル電圧に基づいて変動させることにより、銅損を低減する技術を提案する。これにより、銅損が支配的であった、低速運転時のモータ6の損失を効果的に低減することができる。本実施の形態では重みg(0<g<1)を導入してq軸電流指令値iq *を次式に設定する。但し本実施の形態ではg=G1(Vdc)の関係にある。
【0103】
【数15】
Figure 0004210048
【0104】
図7は本実施の形態におけるq軸電流指令値iq *の算出を示すブロック図であり、図2のq軸電流指令値計算部52として採用できる構成である。但し、第1の実施の形態で示されたのと同様に、q軸電流指令値計算部52(図2)とは異なり、交流電源1の電圧VSの他、整流電圧Vdcも採用される。サンプリング部521は、電圧Vdcのそれぞれ最大値及び最小値を出力する最大値検出部521a、最小値検出部521bを備えている。これらの出力は重み算出タイミング信号Yの入力を契機として更新される。
【0105】
そして、重み算出タイミング信号Yが入力する間隔において、当該間隔よりも短い所定のタイミングで電圧Vdcをサンプリングし、サンプリング電圧Vdc’を得る。
【0106】
図8は最大値検出部521a、最小値検出部521bにより、電圧Vdcの最大値Vmax及び最小値Vminを検出する最大最小検出処理の手順を示すフローチャートであり、サンプリングタイミング毎に実行される。ステップS11においてサンプリング電圧Vdc’を入力する。そして最小値検出部521bによってそれまでに設定されていた最小値Vminとサンプリング電圧Vdc’とが、ステップS12において比較される。Vmin>Vdc’であれば、ステップS13に進み、サンプリング電圧Vdc’を以て最小値Vminを更新する。
【0107】
また最大値検出部521aによってそれまでに設定されていた最大値Vmaxとサンプリング電圧Vdc’とが、ステップS14において比較される。Vmax<Vdc’であれば、ステップS15に進み、サンプリング電圧Vdc’を以て最大値Vmaxを更新する。図8ではステップS12からステップS14へと進む態様が示されているが、ステップS14からステップS12へと処理が進んでも良い。そしてステップS13,S15が終了すると、最大最小検出処理の手順は終了し、図示されないメインルーチンへと復帰する。ステップS12,S14においてVmin≦Vdc’≦Vmaxと判断された場合も同様である。
【0108】
図7に戻り、重み算出タイミング信号Yが入力すると、サンプリング部521はそれまでに求められた最大値Vmax、最小値Vminを重み計算部522に出力すると共に、自身において最大値Vmax、最小値Vminを初期化する。電圧Vdcは通常は0〜VS程度の範囲で変動するので、例えば最大値検出部521aの初期値として負の値(−VS)を、最小値検出部521bの初期値として2VSを採用することができる。かかる動作により、重み計算部522よりも後段の処理は、重み算出タイミング信号Yが入力される度に更新されるデータについての処理となる。
【0109】
図9はサンプリング部521及び重み計算部522の処理を示すフローチャートである。ステップS21において最大値Vmax、最小値Vminを入力し、ステップS22において重みgを式(16)に従って求める。
【0110】
【数16】
Figure 0004210048
【0111】
電圧Vdcに変動が無い場合には式(16)の右辺の分子は0であり、従ってg=0である。これは式(5),(15)から明らかなように、第1方式に相当する。また電圧Vdcに最大限の変動があった場合には、Vmax=VS,Vmin=0であるので、g=1である。これは式(14),(15)から明らかなように、第2方式に相当する。
【0112】
その後ステップS23において、上述のように最大値Vmax、最小値Vminを初期化する。そしてステップS24において重み計算部522は重みgを出力し、重みgの計算処理は終了する。その後は図示されないメインルーチンへと復帰する。
【0113】
重み算出タイミング信号Yは、最大値Vmax及び最小値Vminから電圧Vdcのリプルを正しく求めることができる間隔で入力することが望ましい。具体的には、ダイオードブリッジ2が全波整流であることに鑑みて、重み算出タイミング信号Yは位相θSの半周期以上の間隔で入力することが望ましい。
【0114】
q軸電流演算部524は重みgと、交流電源1の電圧VSの位相θSとを得て、q軸電流指令値iq *を求める。図10はq軸電流演算部524の処理を示すフローチャートである。まずステップS31において位相θS、重みg、q軸電流振幅令Iq *を得る。ここでq軸電流振幅指令Iq *はq軸電流振幅Iqについての設定値であり、例えば固定値Iqが採用される。なお、図1、図2、図7でもq軸電流振幅指令Iq *は固定値を採るものとして、その既述を省略してきた。位相θSは重み算出タイミング信号Yの入力如何に関わらず、ステップS31が実行される時点での値が採用される。もちろん、ステップS31が実行されるタイミングと、電圧Vdcをサンプリングするタイミングとは一致しても良いし、異なっても良い。
【0115】
そしてステップS32において、式(16)に基づいてq軸電流指令値iq *を求め、ステップS33においてq軸電流振幅令Iq *を減算器54(図2参照)へ出力する。
【0116】
このように本実施の形態では、整流電圧Vdcのリプル電圧が小さいほど、q軸電流指令値iq *におけるリプル成分cos2θSの寄与分を小さくする。従って、特にモータ6の速度が低く整流電圧Vdcのリプル電圧が小さな状況において銅損を低減し、当該銅損が支配的なモータ損失を低減することができる。
【0117】
整流電圧Vdcのリプルを検出する手法としては、図8に示した手順に限られない。平滑コンデンサ34にダイオードブリッジ2から流れ込む電流を検出する手段を設け、当該電流のリプルを検出しても良い。
【0118】
なお、本実施の形態の変形として、重みgを整流電圧Vdcの脈動にではなく、他の変数に基づいて行っても良い。例えば本実施の形態の変形として、電源電圧VSに基づく入力電力PSを検出し、その大きさに応じて重みgを求めても良い。図11は当該変形において図2のq軸電流指令値計算部52として採用できる構成を示すブロック図であり、図12はg=G2(PS)の関係を示すグラフである。
【0119】
重み計算部525は、g=G2(PS)の関係をデータテーブルとして有しており、与えられた入力電力PSに基づいて上記データテーブルを参照して重みgを求める。入力電力PSが第1の閾値P1以下であればg=0であり、第1方式に相当する。また入力電力PSが第2の閾値P2以上であればg=1であり、第2方式に相当する。入力電力PSが第1の閾値P1以上第2の閾値P2以下であればg=G2(PS)=(PS−P1)/(P2−P1)と線型に求められる。
【0120】
これにより、入力電力PSが小さいほど第1方式に近く、入力電力PSが大きいほど第2方式に近いq軸電流指令値iq *の制御を行える。上述のように電力が低下すると整流電圧Vdcのリプルは減少する傾向にあるので、当該変形によってもモータ6の速度が低い状況において銅損を低減することができる。
【0121】
その他、モータのトルクを検出し、トルクが小さいほど重みgを小さくすることもできる。また式(3)に基づいてq軸電流iqの振幅Iqを検出し、これが小さいほど重みgを小さくすることもできる。また回転数を検出し、これが小さいほど重みgを小さくすることもできる。
【0122】
D.第3の実施の形態.
本実施の形態では電流指令値ではなく、トルク指令の波形の脈動のピークを抑制する制御について示す。
【0123】
図13は本実施の形態に適用可能なモータ制御回路の構成を示す回路図である。図1に示された構成と同様に、単相の交流電源1、ダイオードブリッジ2、フィルタ3b、インバータ4、モータ6,制御回路5が相互に接続されている。モータ6,インバータ4のいずれも三相交流用である場合が例示されている。
【0124】
本実施の形態において、モータ6の回転の制御はトルクに基づいて行われる。そのため、制御回路5にはトルク振幅指令Tm *及び一次磁束振幅指令|λ|*が図示されない外部から与えられる。
【0125】
一次磁束演算部63は、モータ6に与えられる三相電流iu,iv,iw及び三相電圧vu,vv,vwに基づいて一次磁束λα,λβを求める。まず式(17)に基づいて三相電流iu,iv,iwを二相電流iα,iβに変換する。同様にして三相電圧vu,vv,vwを二相電圧vα,vβに変換する。
【0126】
【数17】
Figure 0004210048
【0127】
次にモータ6の巻線抵抗成分をR1として、式(18)に基づいて一次磁束λα,λβを求める。
【0128】
【数18】
Figure 0004210048
【0129】
振幅演算部64は式(19)に基づいて、一次磁束λα,λβがモータ6の内部に作る回転磁界の大きさ|λ|(リサージュ図形の原点からの距離)を求め、これを減算部65に与える。
【0130】
【数19】
Figure 0004210048
【0131】
減算部65は一次磁束振幅指令|λ|*から回転磁界の大きさ|λ|を差し引き、その結果たる偏差Δλを電圧ベクトル選択部68に出力する。
【0132】
一方、トルク演算部66は三相電流iu,iv,iwから上述のように二相電流iα,iβを求め、一次磁束λα,λβを一次磁束演算部63から得る。そして二相電流iα,iβと一次磁束λα,λβとから式(19)に基づいてトルクτを求め、これを減算部67に出力する。nはモータ6の極の対の数としている。
【0133】
【数20】
Figure 0004210048
【0134】
そして電源位相検出部61は、交流電源1から電圧VSを得てその位相θSを求め、これをトルク指令演算部62へ出力する。トルク指令演算部62は、トルク振幅指令Tm *及び位相θSに基づいてトルク指令τ*を求め、これを減算部67に出力する。トルク指令τ*の求め方は後述する。
【0135】
減算部67はトルクτからトルク指令τ*を差し引き、その結果たる偏差Δτを電圧ベクトル選択部68に出力する。
【0136】
電圧ベクトル選択部68は、偏差Δλ,Δτをヒステリシスコンパレータを用いてデジタル値に変換し、一次磁束λα,λβ及び回転磁界の大きさ|λ|から決まる領域毎に定めた電圧ベクトルを出力する。電圧ベクトル選択部68は一次磁束λα,λβから上述のように回転磁界の大きさ|λ|を求め、あるいはこれを振幅演算部64から得る。
【0137】
図14は偏差Δλに対するヒステリシスコンパレータの動作を示すグラフであり、図15は偏差Δτに対するヒステリシスコンパレータの動作を示すグラフである。閾値Δλmin,Δλmax,Δτmin,Δτmax,d1,d2は設計仕様に応じて設定される。これらのヒステリシスコンパレータの動作により、偏差Δλ,Δτに対してデジタル値Sλ(=0,1),Sτ(=−1,0,1)が定められる。
【0138】
表1は、一次磁束λα,λβ及び回転磁界の大きさ|λ|から決まる領域I〜VIを定める表である。そして表2はデジタル値Sλ,Sτと領域I〜VIとから、電圧ベクトルV0〜V7を決定する表である。そして表3は電圧ベクトルV0〜V7によって設定されるスイッチングの態様を示す表である。
【0139】
【表1】
Figure 0004210048
【0140】
【表2】
Figure 0004210048
【0141】
【表3】
Figure 0004210048
【0142】
但し表3において相毎に設定された値が“0”の場合にはその相のローアーム側トランジスタがオンしてハイアーム側のトランジスタがオフしていることを示し、“1”の場合にはその相のローアーム側トランジスタがオフしてハイアーム側のトランジスタがオンしていることを示している。そしてこのようなスイッチングパターンがスイッチング指令CNTとしてインバータ4に与えられる。
【0143】
このようなトルク制御は、例えば「新理論に基づく誘導電動機の高速トルク制御法」(野口、高橋、回転機研究会RM-84-76)によって示されている。
【0144】
本実施の形態ではトルク指令演算部62の計算が特徴的となっている。即ち、第1の実施の形態と同様にして、式(20)に基づいてトルク指令τ*を求める。あるいは第2の実施の形態と同様にして、式(22)に基づいてトルク指令τ*を求める。あるいはトルク指令τ*を台形波に設定する。
【0145】
【数21】
Figure 0004210048
【0146】
【数22】
Figure 0004210048
【0147】
式(3)から明白な通り、トルクとq軸電流とは比例関係にある。よって、比例係数を除いて第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ関数の形を採用することにより、本実施の形態においても第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ効果を得ることができる。この場合、重みh,gについても、それぞれ第1及び第2の実施の形態と同様に設定することができる。
【0148】
また第1の実施の形態で説明したのと同様に、トルク指令τ*をトルクτの平均値Average(τ)及びモータの極数2nで除した値のピークが1を越えなければ、本実施の形態の効果を得ることができる。
【0149】
また式(22)に基づいてトルク指令τ*を設定する場合には、第2の実施の形態で示されたのと同様にして、入力電力PSやモータのトルク、回転数に基づいて重みgを決定することができる。
【0150】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1乃至請求項、請求項、請求項にかかるインバータの制御方法、並びに請求項15乃至請求項18、請求項22、請求項23にかかるインバータの制御回路によれば、全波整流において平滑コンデンサの値を小さくし、力率改善リアクトル波形改善用コンデンサを必要としないで、単相交流の入力電流の高調波を軽減することができる。
【0151】
この発明のうち請求項にかかるインバータの制御方法、並びに請求項19にかかるインバータの制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大きくすることができる。
【0152】
この発明のうち請求項にかかるインバータの制御方法、並びに請求項20にかかるインバータの制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大きくしつつも、単相交流の電源から入力される電流(iIN)に含まれる高調波を軽減することができる。
【0153】
この発明のうち請求項にかかるインバータの制御方法、並びに請求項21にかかるインバータの制御回路によれば、指令値に対してトルクの平均値を大きくしつつも、インバータ(4)のスイッチング素子の電流容量を大きくしなくて済む。
【0154】
この発明のうち請求項10乃至請求項14にかかるインバータの制御方法、並びに請求項24乃至請求項28にかかるインバータの制御回路によれば、モータ(6)の銅損が支配的な状況において、銅損を容易に低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用可能なモータ制御回路の構成を示す回路図である。
【図2】制御回路の構成を例示するブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するグラフである。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明するグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態を説明するグラフである。
【図6】本発明の第1の実施の形態を説明するグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態の変形の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の変形を示すグラフである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に適用可能なモータ制御回路の構成を示す回路図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図15】本発明の第3の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図16】従来の技術を示す回路図である。
【図17】従来の技術の動作を示すグラフである。
【符号の説明】
4 インバータ
5 制御回路
6 モータ
52 q軸電流指令値計算部
58 スイッチング指令計算部
59 軸変換部
62 トルク指令演算部
69 スイッチングテーブル部
q q軸電流(トルク電流)
q *,τ* 指令値
u,iv,iw 電流
S 電源電圧
dc 整流電圧

Claims (28)

  1. 単相交流の電源電圧(VS)を全波整流して得られる整流電圧(Vdc)に基づいて、多相の交流電流(iu,iv,iw)をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、
    前記電源電圧は位相(θS)についての正弦関数(sinθS)に比例し、
    前記多相の交流電流に基づくトルク電流(iq)の指令値(iq *)から決定される前記モータのトルク(n・K・iq *)を、前記トルクの平均値(Average(τ))及び前記モータの極数(2n)で除した値(iq */2Iq)のピークは、1を越え
    前記多相の交流電流に基づくトルク電流(i q )の指令値(i q * )として、前記正弦関数( sin θ S )に前記正弦関数の奇数次高調波( sin 3θ S )を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値を採用する、インバータの制御方法。
  2. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記モータのトルク(τ)の指令値(τ * )を、前記トルクの平均値( Average (τ))及び前記モータの極数(2n)で除した値(i q * /2I q )のピークは、1を越えず
    前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値(τ * )として、前記正弦関数( sin θ S )に前記正弦関数の奇数次高調波( sin 3θ S )を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した値を採用する、インバータの制御方法。
  3. 前記指令値(i q * ,τ * )は、台形波を呈する、請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載のインバータの制御方法。
  4. 前記台形波は、前記電源電圧(V S )の半分の周期(π)を有し、
    前記正弦関数( sin θ S )の2乗( sin 2 θ S )に比例した値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理して得られる、請求項3記載のインバータの制御方法
  5. 前記指令値(i q * ,τ * )は、前記正弦関数( sin θ S )に、前記位相(θ S )の3倍についての正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値を採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至1.153に設定される、請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  6. 前記重み(h)は1/3以下に設定される、請求項5記載のインバータの制御方法
  7. 前記重み(h)は−0.192より大きく設定される、請求項5記載のインバータの制御方法
  8. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記位相の2倍(2θ S )についての余弦関数( cos 2θ S )と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した値を、前記多相の交流電流に基づくトルク電流(i q )の指令値(i q * )として採用し、
    前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、インバータの制御方法
  9. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する方法であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記位相の2倍(2θ S )についての余弦関数( cos 2θ S )と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した値を、前記モータ(6)のトルク(τ)の指令値(τ * )として採用し、
    前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、インバータの制御方法
  10. 前記整流電圧(V dc )の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さ く設定される、請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  11. 前記単相交流の電源電圧(V S )に基づく入力電力(P S )が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  12. 前記モータ(6)のトルク(τ)が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  13. 前記多相の交流電流に基づくトルク電流振幅(I q )が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  14. 前記モータ(6)の回転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載のインバータの制御方法
  15. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(i q )を求める軸変換部(59)と、
    前記正弦関数( sin θ S )に、前記正弦関数の奇数次高調波( sin 3θ S )を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した指令値(i q * )を求める指令値計算部(52)と、
    前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチング指令計算部(58)と
    を備える、インバータの制御回路
  16. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記モータのトルク(τ)を求めるトルク演算部(66)と、
    前記正弦関数( sin θ S )に、前記正弦関数の奇数次高調波( sin 3θ S )を重畳させ、更にその結果の絶対値に比例した指令値(τ * )を求める指令値計算部(62)と、
    前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(69)と
    を備える、インバータの制御回路
  17. 前記指令値(i q * ,τ * )は、台形波を呈する、請求項15及び請求項16のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  18. 前記台形波は、前記電源電圧(V S )の半分の周期(π)を有し、
    前記正弦関数( sin θ S )の2乗( sin 2 θ S )に比例した値を、そのピーク値よりも低いレベルでリミッタ処理して得られる、請求項17記載のインバータの制御回路(5)。
  19. 前記指令値(i q * ,τ * )は、前記正弦関数( sin θ S )に、前記位相(θ S )の3倍についての正弦関数と重み(h)との積を加算した結果の絶対値を採った値に比例し、前記重みは−0.2164乃至1.153に設定される、請求項15及び請求項16のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  20. 前記重み(h)は1/3以下に設定される、請求項19記載のインバータの制御回路(5)
  21. 前記重み(h)は−0.192より大きく設定される、請求項19記載のインバータの制御回路(5)
  22. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記多相の交流電流に基づいてトルク電流(i q )を求める軸変換部(59)と、
    前記位相の2倍(2θ S )についての余弦関数( cos 2θ S )と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した指令値(i q * )を求める指令値計算部(52)と、
    前記トルク電流及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチング指令計算部(58)と
    を備え、
    前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、インバータの制御回路
  23. 単相交流の電源電圧(V S )を全波整流して得られる整流電圧(V dc )に基づいて、多相の交流電流(i u ,i v ,i w )をモータ(6)に与えるインバータ(4)を制御する制御回路(5)であって、
    前記電源電圧は位相(θ S )についての正弦関数( sin θ S )に比例し、
    前記モータ(6)のトルク(τ)を求めるトルク演算部(66)と、
    前記位相の2倍(2θ S )についての余弦関数( cos 2θ S )と重み(g)との積を1から差し引いた結果に比例した指令値(τ * )を求める指令値計算部(62)と、
    前記トルク及び前記指令値に基づいて前記インバータのスイッチングを制御するスイッチング指令(CNT)を出力するスイッチングテーブル部(69)と
    を備え、
    前記重みは0より大きくかつ1より小さく設定される、インバータの制御回路
  24. 前記整流電圧(V dc )の脈動が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  25. 前記単相交流の電源電圧(V S )に基づく入力電力(P S )が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  26. 前記モータ(6)のトルクが小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  27. 前記多相の交流電流に基づくトルク電流振幅(I q )が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
  28. 前記モータ(6)の回転数が小さいほど、前記重み(g)は小さく設定される、請求項22及び請求項23のいずれか一つに記載のインバータの制御回路(5)
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