JP2013135568A - インバータの制御装置 - Google Patents

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峻介 清水
Yoshinari Asano
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Abstract

【課題】モータ駆動に際して生じる銅損をより一層に低減する。
【解決手段】インバータの制御装置において、モータ(7)を駆動するに際し、制御回路(5)は、q軸電流指令値(iq)として、基本波の正弦関数(sinωt)に少なくともその正弦関数の3次及び5次を含む複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、モータ(7)を制御する。また、制御回路(5)は、d軸電流指令値(id)として、q軸電流指令値(iq)と同様に基本波の正弦関数(sinωt)に複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、モータ(7)を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータを駆動するインバータの制御装置に関し、特に、モータ駆動に際して生じる銅損の軽減対策に関する。
従来、モータを駆動するインバータの制御装置として、例えば特許文献1には、モータのq軸電流の指令値として、全波整流器に接続する交流電源の電圧(Vs)の位相(θ)についての基本波の正弦関数(sinθs)に3次高調波(sin3θs)を重畳した値を採用すると、重畳しない場合に比べて銅損を低減でき、特に、3次高調波の重み係数(h)を変化させると、低減できる銅損も変化し、h=1/3を採用して(1/3×sin3θs)を重畳すると、銅損が最小になる技術が提案されている。
特開2003−61382号公報
しかしながら、上記従来のインバータの制御装置では、銅損の低減についての研究、検討に際し、モータに生じるトルクとして、磁石トルクを発生させるq軸電流のみを考慮し、リラクタンストルクを発生させるd軸電流(id)については変動させずに一定値(Id)(id=Id)と簡略化すると共に、q軸電流に重畳する高調波は3次高調波に限定している。従って、このような簡略化、限定の下では、モータに発生する全トルクが影響を受けると共に、低減できる銅損にも限りがあるという欠点がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インバータの制御装置として、銅損を従来よりも一層低減すること、更には、リラクタンストルクをも考慮しつつ銅損を効果的に低減することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、q軸電流に重畳する高調波として、3次高調波と5次高調波を少なくとも含んだ複数の奇数次高調波を基本波に重畳する構成を採用し、更には、d軸電流をq軸電流と同様に変動させる構成を採用する。
具体的に、本願の第1の発明のインバータの制御装置は、角周波数(ω)の交流電圧を全波整流して得られる整流電圧を受けて、q軸電流及びd軸電流をモータ(7)に供給して駆動するインバータの制御装置において、上記インバータを制御する制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)として、角周波数(ω)の正弦関数(sinωt)に少なくとも上記正弦関数の第3次及び第5次を含む複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、上記モータ(7)を駆動することを特徴とする。
従って、上記第1の発明では、q軸電流には、基本波に重畳する奇数次高調波として、3次高調波だけでなく、5次高調波も重畳されたり、5次高調波と7次高調波とが重畳されたりするので、これらの重畳されたq軸電流は基本波のみのq軸電流や基本波に3次高調波のみを重畳したq軸電流の場合に比して最大値が小さく抑えられ、その結果、モータで生じる銅損が従来よりも有効に低減され、効率が一層改善される。更に、q軸電流の最大値の低減によって回路素子を耐電流に対して小容量化することができる。また、制御回路のみを変更するだけでよいので、簡便である。
また、第2の発明は、上記請求項1記載のインバータの制御装置において、上記制御回路(5)は、更に、d軸電流の指令値(id)として、角周波数(ω)の正弦関数(sinωt)に上記正弦関数の第3次及び第5次を含む複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、上記モータ(7)を駆動することを特徴とする。
上記第2の発明では、d軸電流には、前記q軸電流と同様に、基本波に重畳する奇数次高調波として、少なくとも3次高調波と5次高調波、更には7次高調波が重畳されるので、d軸電流の変動に応じたリラクタンストルクが得られて、モータにはq軸電流に基づく磁石トルクを合わせた良好な全トルクが得られる。
更に、第3の発明は、上記請求項2記載のインバータの制御装置において、上記制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)及びd軸電流の指令値(id)に基づいて得られるモータ(7)の平均トルクが、奇数次高調波が重畳されない基本波の正弦関数(sinωt)のみのq軸電流指令値及びd軸電流指令値に基づいて得られる平均トルクと一致するように、上記q軸電流の指令値(iq)の振幅を決定することを特徴とする。
上記第3の発明では、q軸電流の振幅が調整されて、基本波のみのq軸電流及びd軸電流の場合と同様の平均トルクが得られるので、3次高調波のみを重畳する従来の場合に比して、全トルクの低下を招かずに銅損を有効に低減可能である。
加えて、第4の発明は、上記請求項2記載のインバータの制御装置において、上記制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)に対するd軸電流の指令値(id)の比率(id/iq)が固定比率になるように、d軸電流の指令値(id)を計算することを特徴とする。
上記第4の発明では、q軸電流とd軸電流との比率が一定であるので、インバータの制御回路を簡易に構成できる。
また、第5の発明は、上記請求項2記載のインバータの制御装置において、上記制御回路(5)は、上記q軸電流の指令値(iq)が大きいほど、そのq軸電流の指令値(iq)に対するd軸電流の指令値(id)の比率(id/iq)が大きくなるように、d軸電流の指令値(id)を計算することを特徴とする。
上記第5の発明では、q軸電流(iq)とd軸電流(id)との比率(id/iq)、即ち、q軸電流とd軸電流とを合成した電流ベクトル(i)のq軸からの進み角(β)のtan(β)について、q軸電流が大きいほど前記比率(id/iq)を大値に、即ち、前記進み角(β)を大きく(より進み側に)設定するので、最小の電流(i)で同一トルクを得ることができて、鉄損をも小さく抑制して効率を改善することが可能である。
以上説明したように、上記第1の発明によれば、q軸電流の最大値を小さく抑えて、モータで生じる銅損を有効に低減でき、効率の改善が可能である。
また、上記第2の発明によれば、d軸電流を変動させて、そのd軸電流の変動に応じたリラクタンストルクを得ることができるので、モータには変動するリラクタンストルクと磁石トルクとを合わせた良好な全トルクが得られる。
更に、上記第3の発明によれば、q軸電流の振幅を調整して、全トルクの低下を招かずに銅損の低減が可能である。
加えて、上記第4の発明によれば、q軸電流とd軸電流との比率を一定にしたので、インバータの制御回路を簡易に構成できる。
また、上記第5の発明によれば、最小の電流で同一トルクを得ることができるので、銅損だけでなく鉄損も小さく抑制して、効率を改善できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインバータの制御装置の全体概略構成を示す図である。 図2は、インバータの制御装置に備える制御回路の内部の要部構成を示す図である。 図3は、q軸電流の波形を示し、同図(a)は基本波のみの場合を示す図、同図(b)は基本波に3次高調波を重畳した比較例の場合を示す図、同図(c)は基本波に3次及び5次高調波を重畳した第1の実施形態の場合を示す図、同図(d)は基本波に3次、5次及び7次高調波を重畳した第1の実施形態の変形例の場合を示す図である。 図4は、大容量コンデンサを用いず、力率改善コンデンサ及び波形改善要コンデンサを省略したインバータを用いてモータ駆動を行った場合において、図3(a)〜(d)のq軸電流波形の下で計測した銅損を示す図である。 図5は、一定トルクを発生する電流の位相に対する特性を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインバータの制御装置(1)の全体概略構成を示すブロック図である。
同図に示したインバータの制御装置(1)は、コンバータ回路(2)、フィルタ部(3)、インバータ回路(4)及び制御回路(5)を備える。コンバータ回路(2)は、4つのダイオード(D1)〜(D4)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路よりなり、単相の交流電源(6)が出力した交流を直流に全波整流する。インバータ回路(4)は、還流ダイオード(Du,Dv,Dw,Dx,Dy,Dz)が各々逆並列に接続された6個のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)を備え、上記コンバータ回路(2)の整流出力をフィルタ部(3)を介して受け、その直流電圧を6個のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング動作によって三相交流電圧に変換し、三相モータ(7)へ供給する。
上記フィルタ部(3)は、コンバータ回路(2)と並列に接続されたコンデンサ(3a)を備える。このコンデンサ(3a)は、インバータ回路(4)のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング周波数に対応して生じるリプル電圧(電圧変動)のみを平滑可能な小容量の静電容量を有する。換言すれば、コンデンサ(3a)は、コンバータ回路(2)の整流電圧を平滑する大容量の静電容量を有さないコンデンサである。従って、コンデンサ(3a)は電界コンデンサではなく、例えば極めて小容量のフィルムコンデンサにより構成される。備えられるコンデンサはこの小容量のフィルムコンデンサ(3a)のみであり、他に力率改善コンデンサや波形改善用コンデンサは省略して備えられない。
制御回路(5)は、三相モータ(7)の各相に流れる電流(iu,iv,iw)を制御するよう上記インバータ回路(4)の6個のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)をオンオフ制御する。この制御回路(5)は、モータ(7)の三相の界磁コイルに流れる電流(iu,iv,iw)をベクトル制御によって制御して、モータ(7)を弱め磁束制御する。具体的には、モータ内部に確立した主磁束方向に磁束を作る電流成分である磁束電流(d軸電流)(id)と、このd軸電流とは位相が90°異なるトルク電流(q軸電流)(iq)とに分けて独立に制御する。ここで、モータ(7)は、永久磁石型モータ、例えば、埋込永久磁石型モータ、即ち、回転子に永久磁石が埋め込まれ、固定子に三相の界磁コイルが設けられたモータである。
上記制御回路(5)の内部の要部構成を図2に示す。同図において、制御回路(5)は、減算器(49)、速度制御部(50)、q軸電流指令計算部(51)、d軸電流指令計算部(52)を備える。減算器(49)はモータ(7)の回転子の回転角周波数(ω)と、その回転角周波数の指令値(ω)との偏差を求める。速度制御部(50)は、前記偏差(ω−ω)に比例・積分演算(PI演算)を行ってトルク指令値(T)をq軸電流指令計算部(51)に出力する。q軸電流指令計算部(51)は、演算されたトルク指令値(T)になるようにq軸電流指令値(iq)を計算する。また、d軸電流指令計算部(52)は、下記式(1)に示すように、上記計算されたq軸電流指令値(iq)に−tan(β)を乗算してd軸電流指令値(id)を得る。
Figure 2013135568
上記計算式(1)において、角度(β)は、q軸電流指令値(iq)とd軸電流指令値(id)とを合成した電流ベクトルのq軸からの位相進み角であり、tan(β)はq軸電流指令値(iq)に対するd軸電流指令値(id)の比率(id/iq)を示す。本実施形態ではこの位相進み角(β)は一定比率に固定する。
上記q軸電流指令値(iq)及びd軸電流指令値(id)は、図示しないが、d−q軸からU、V、W相への軸変換処理を含む種々の演算処理が行われ、最終的にスイッチング指令CNTが求められて、このスイッチング指令CNTがインバータ回路(4)に出力される。
上記q軸電流指令計算部(51)の計算の詳細を説明する。この計算部(51)では、q軸電流指令値(iq)を下記式(2)により計算する。
Figure 2013135568
即ち、上記式(2)から判るように、q軸電流指令値(iq)は、単相交流電源(6)の角周波数(ω)の正弦関数(sinωt)に、上記正弦関数の第3次及び第5次の2つの奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt)を重畳した値である。第3次高調波(sin3ωt)に乗算される係数(1/3)、及び第5次高調波(sin5ωt)に乗算される係数(1/5)は、各々重み係数(h)であり、これらの係数(h=1/3)、(h=1/5)は本実施形態の値に限定されず、種々設定可能である。
また、上記式(2)において、q軸電流指令値(iq)の振幅値(Iq3)は、次のように決定される。先ず、モータ(7)の発生トルク(T)は、下記式(3)で示される。
Figure 2013135568
ここで、Pはモータ(7)の極対数、Ψは永久磁石の鎖交磁束数、Lはd軸インダクタンス、Lはq軸インダクタンスである。尚、埋込永久磁石型モータの場合、q軸インダクタンスLはd軸インダクタンスLよりも大きい(L>L)。q軸電流指令計算部(51)は、上記のように計算したq軸電流指令値(iq)とd軸電流指令値(id)とを上記式(3)に代入して、そのq軸電流により回転子に埋め込まれた磁石と固定子の回転磁界との間に発生する上記式(3)の第1項で示される磁石トルクと、そのd軸電流により回転子の鉄心と固定子の回転磁界との間で発生する上記式(3)の第2項で示されるリラクタンストルクとを合計した瞬時トルクを求め、その求めた瞬時トルクの電源周波数の半周期の間で平均値を求める。また、下記式(4)に示すように、
Figure 2013135568
q軸電流指令値として基本波のみの正弦関数(sinωt)を採用すると共に、d軸電流指令値としてこのq軸電流指令値(sinωt)に−tan(β)を乗算した値を採用した場合に、これらの基本波のみのq軸電流指令値及びd軸電流指令値を上記式(3)に代入して瞬時トルクを求め、その求めた瞬時トルクの電源周波数の半周期の間での平均値を求める。そして、この求めた2つの平均トルクが同一値となるように、上記式(2)でのq軸電流指令値(iq)の振幅値(Iq3)を、上記式(4)でのq軸電流指令値の振幅値(Iq1)と関連して決定する。
尚、本実施形態では、q軸電流指令計算部(51)において、q軸電流指令値(iq)を上記式(2)のように基本波の正弦関数(sinωt)に3次及び5次の2つの奇数高調波(sin3ωt、sin5ωt)を重畳した値を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば下記式(5)に示すように、
Figure 2013135568
3次、5次及び7次の3つの奇数高調波(sin3ωt、sin5ωt、sin7ωt)を重畳した値を採用しても良い。上記式(5)では、7次高調波(sin7ωt)の重み係数(h)をh=1/7に設定している。
図3は、4種のq軸電流波形を示す。同図(c)は上記式(2)に示す通り基本波に3次及び5次高調波を重畳した場合のq軸電流波形、同図(a)は上記式(4)に示す通り基本波のみのq軸電流波形、同図(d)は上記式(5)に示す通り基本波に3次、5次及び7次高調波を重畳した場合のq軸電流波形、同図(b)は比較例として、特許文献1の技術である基本波に3次高調波のみを重畳した下記式(6)
Figure 2013135568
の場合のq軸電流波形を各々示す。
上記式(5)及び(6)での各q軸電流指令値(iq)の振幅値(Iq4)、(Iq2)は、上記したように瞬時トルクの電源周波数の半周期の間での平均トルク値が互いに等しくなるように決定される。ここで、上記4つの式(2)、(4)〜(6)において、各q軸電流指令値(iq)の振幅値(Iq1)〜(Iq4)は、奇数次高調波を重畳する数が多いほど小さくなり、Iq1>Iq2>Iq3>Iq4の関係となっている。この関係及び図3から判るように、q軸電流指令値(iq)として少なくとも基本波の3次及び5次高調波を重畳し、更には7次高調波以上をも重畳するほど、実際にモータ(7)に流れる電流の最大値を小さく制限することができるので、モータ(7)の駆動に際して生じる銅損を有効に低減することが可能である。
図4は、図1に示したインバータのように、大容量の電界コンデンサを持たず、極めて小容量のフィルムコンデンサ(3a)のみを有し、力率改善コンデンサや波形改善用コンデンサを省略した構成でもってモータ(7)を駆動した場合において、q軸電流指令値(iq)として上記式(2)、(4)〜(6)を使用したときの銅損を示す。同図では、高調波を重畳しない基本波のみのq軸電流指令値を用いた場合の銅損を100%として表示している。同図に示したように、3次高調波のみを重畳した特許文献1の技術の場合には90.6%、本実施形態の式(2)に基づく3次及び5次高調波の重畳の場合は87.7%、本実施形態の式(5)に基づく3次、5次及び7次高調波の重畳の場合は86.3%であり、本実施形態の方が銅損を有効に低減できている。また、本実施形態の3次、5次及び7次高調波の重畳の場合と特許文献1の3次高調波のみを重畳した技術とを比較すると、本実施形態の方が約4%も銅損低減効果が大きく、モータ(7)の駆動効率を改善できる。
その際、d軸電流指令値(id)は、式(1)に示す通り、電源周波数(ω)の2倍の周期で全波整流状に変化する基本q軸電流に対して少なくとも3次及び5次高調波を含む複数の奇数次高調波を重畳したq軸電流指令値(iq)に応じて変動するので、このd軸電流指令値(id)を一定値に固定する場合と比較して、変動するリラクタンストルクを考慮することができ、精度良いトルク制御が可能である。
しかも、基本波のみをq軸電流指令値とする通常の場合と比較して、この通常の場合に発生する全トルクと同一のトルクを発生するように、複数の奇数次高調波を重畳したq軸電流指令値(iq)の振幅値(Iq3)、(Iq4)を決定しているので、通常の場合と同一の全トルクをモータ(7)に発生させながら、銅損を従来よりも効果的に低減することができる。
更に、d軸電流指令値(id)は、複数の奇数次高調波を重畳したq軸電流指令値(iq)に固定比率(−tan(β))を乗じて得られるので、d軸電流指令計算部(52)の構成が簡易である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態では、d軸電流指令計算部(52)でのd軸電流指令値(id)の計算を変更する。上記第1の実施形態では、q軸電流指令値(iq)に固定比率(−tan(β))を乗じたが、本実施形態では、この比率(−tan(β))を可変に設定する。
具体的に、d軸電流指令計算部(52)は、上記比率(−tan(β))、即ち、q軸電流指令値(iq)に対するd軸電流指令値(id)の比率(id/iq)を変更し、q軸電流指令値(iq)が大きいほどtan(β)を大きく変更する。換言すれば、q軸電流指令値(iq)が大きいほど、q軸からの位相進み角(β)をより進み側に変更する。このように変更する理由は次の通りである。
一定のトルクを発生させる電流(i)の位相(β)に対する特性曲線は、図5に示すように下に凸な曲線となる。また、大値のトルク(T1→T2→T3→T4)を発生させる電流(i)ほど、その最小電流値(この電流値を図中●で示す)となる位相(β)は進み位相側(β1→β2→β3→β4)に移行する。従って、q軸電流指令値(iq)を大値に設定してモータ(7)の発生トルクを増大させる場合には、モータ(7)に流す電流(i)の位相進み角(β)を大きく変更すれば、常に最小値の電流(i)でもってトルクを増大させることができる。
従って、本実施形態では、最小の電流でのモータ駆動が可能となるので、上記第1の実施形態での銅損の低減効果に加えて鉄損をも有効に低減でき、損失を最小に抑制することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態1及び2について、以下のような構成としてもよい。
重畳する3次高調波(sin3ωt)、5次高調波(sin5ωt)、7次高調波(sin7ωt)の重み係数(h)を各々、h=1/3、h=1/5、h=1/7に、即ち、N次高調波の重み係数(h)をh=1/Nに設定したが、重み係数(h)の値としてその他の値を採用しても良い。
また、基本波に重畳する奇数次高調波は、3次と5次高調波、3次と5次と7次高調波の場合を例示したが、更に9次以上の高調波をも重畳してもよいのは勿論である。
以上説明したように、本発明は、インバータの制御装置、特に、大容量の電界コンデンサを持たず、力率改善コンデンサや波形改善用コンデンサを省略したインバータでモータを駆動する場合に有用である。
1 インバータの制御装置
2 コンバータ回路
3 フィルタ部
3a フィルムコンデンサ
4 インバータ回路
5 制御回路
6 単相交流電源
49 減算器
50 速度制御部
51 q軸電流指令計算部
52 d軸電流指令計算部

Claims (5)

  1. 角周波数(ω)の交流電圧を全波整流して得られる整流電圧を受けて、q軸電流及びd軸電流をモータ(7)に供給して駆動するインバータの制御装置において、
    上記インバータを制御する制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)として、角周波数(ω)の正弦関数(sinωt)に少なくとも上記正弦関数の第3次及び第5次を含む複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、上記モータ(7)を駆動する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
  2. 上記請求項1記載のインバータの制御装置において、
    上記制御回路(5)は、更に、d軸電流の指令値(id)として、角周波数(ω)の正弦関数(sinωt)に上記正弦関数の第3次及び第5次を含む複数の奇数次高調波(sin3ωt、sin5ωt…)を重畳して、上記モータ(7)を駆動する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
  3. 上記請求項2記載のインバータの制御装置において、
    上記制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)及びd軸電流の指令値(id)に基づいて得られるモータ(7)の平均トルクが、奇数次高調波が重畳されない基本波の正弦関数(sinωt)のみのq軸電流指令値及びd軸電流指令値に基づいて得られる平均トルクと一致するように、上記q軸電流の指令値(iq)の振幅を決定する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
  4. 上記請求項2記載のインバータの制御装置において、
    上記制御回路(5)は、q軸電流の指令値(iq)に対するd軸電流の指令値(id)の比率(id/iq)が固定比率になるように、d軸電流の指令値(id)を計算する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
  5. 上記請求項2記載のインバータの制御装置において、
    上記制御回路(5)は、上記q軸電流の指令値(iq)が大きいほど、そのq軸電流の指令値(iq)に対するd軸電流の指令値(id)の比率(id/iq)が大きくなるように、d軸電流の指令値(id)を計算する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
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JP (1) JP2013135568A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093099A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社デンソー 回転電機駆動システム
JP2020150702A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 ダイキン工業株式会社 直接形の電力変換装置
JP7506340B1 (ja) 2023-03-31 2024-06-26 ダイキン工業株式会社 電力変換装置

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