JP4439846B2 - 多相電流供給回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はインバータ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
平滑コンデンサの容量を著しく小さくし、しかも力率改善用リアクトルを用いず、単相交流電源から多相交流電流を得る技術が、例えば特許文献1乃至3に開示されている。この技術においては多相交流電流を出力するインバータに対して、単相交流電源のほぼ2倍の周波数で大きく脈動する直流電圧が印加されるものの、当該インバータにおけるスイッチングを適切に制御することにより、多相交流電流を出力できる。かかるスイッチング制御をここでは単相コンデンサレスインバータ制御と称する。
【0003】
単相コンデンサレスインバータ制御では、平滑コンデンサを小型化でき、しかもリアクトルをも必要としないので、整流回路及びインバータを含む回路の全体を小型化し、コストダウンを招来する。
【0004】
なお、本件発明に関して特許文献1乃至3の他、非特許文献1がある。非特許文献1には、単相コンデンサレスインバータ制御について、小さな容量の平滑コンデンサCの両端電圧の最大値が最小値の2倍以上であれば、力率に鑑みて実用上問題ないことが示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−051589号公報
【特許文献2】
特開2002−223599号公報
【特許文献3】
特開2002−354826号公報
【非特許文献1】
高橋勲「高入力力率のダイオード整流回路を持つPMモータのインバータ制御法」、平成12年電気学会全国大会4−149(平成12年3月)、第1591頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
単相コンデンサレスインバータ制御において採用される平滑コンデンサの容量は小さく、数十μF程度に設定される。一方、整流の対象となる単相交流の電源系統にはインダクタンスが寄生しており、これは平滑コンデンサと直列に接続される。よって平滑コンデンサと寄生インダクタンスとの直列共振周波数近傍において、インバータに入力する電流の高調波の振幅が大きくなる。
【0007】
図9は整流回路の入力側での単相交流電圧V1の波形(破線)及び単相交流電流i1の波形(実線)とを示すグラフである。ここでは単相交流電圧V1が周波数50Hz、実効値220Vであり、その電源系統に寄生するインダクタのインダクタンス及び平滑コンデンサの容量をそれぞれ350μH及び20μFとしている。電流i1の波形に、基本周波数(50Hz)と比較して非常に高い周波数の成分が重畳していることが示されている。
【0008】
図10は、電流i1の高調波の実効値(実線)及びIEC(International Electrotechnical Commission)のClass Aの上限値(破線)を、高調波次数に対してプロットしたグラフである。但し、電流i1の高調波の実効値はIECの規格に則って次数毎に算出しているため、図9に示された電流i1の波形を周波数成分毎に単純に示したものとは一致しない。
【0009】
第28次乃至第39次において電流i1の高調波の実効値はIECのClass Aの上限値を超えており、望ましくない。寄生するインダクタと平滑コンデンサとによる直列共振の共振周波数がほぼ1.9kHzであり、これが基本周波数の38倍程度であることに鑑みれば、IECのClass Aの上限値を超える電流i1の高調波は、この直列共振に基づくものであると考えられる。
【0010】
ところで、単相コンデンサレスインバータ制御においてインバータに対して指令するスイッチングのタイミングは、数値演算によって求められる。当該演算には例えばマイクロコンピュータが採用され、その演算周期は百数十μs程度であり、これを周波数に換算すると数kHz程度となる。例えば演算周期に対応する周波数(すなわち演算周期の逆数)は6kHzに設定される。従ってかかる演算周期によって演算されるスイッチングのタイミングを用いて、上述の第28次乃至第39次の高調波を低減することは容易ではない。
【0011】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、平滑コンデンサの容量を著しく小さくして単相コンデンサレスインバータ制御を行う際に、インバータに供給される電流の高調波成分を低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1にかかる多相電流供給回路は、交流電圧(V1)の全波整流を行うダイオード群(2)と、前記ダイオード群の出力を受けるコンデンサ(31)を有する平滑回路(3)と、前記平滑回路(3)の出力を受け、多相の交流電流(iu,iv,iw)を出力するインバータ(4)と、前記インバータ(4)のスイッチングをキャリア周期(Tc)で制御する制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する制御回路(6)と、前記コンデンサと直列共振回路を構成するインダクタ(32)とを備える。そして、前記コンデンサの容量は、前記コンデンサの両端電圧が前記交流電圧の周波数の2倍の周波数で大きく脈動し、前記両端電圧の最大値が最小値の2倍以上となるように設定され、前記直列共振回路の共振周波数は前記キャリア周期(Tc)の逆数の1/10以下である。
【0013】
この発明の請求項2にかかる多相電流供給回路は、請求項1記載の多相電流供給回路であって、前記制御回路(6)は前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)についてのフィードバックを行って前記制御信号を生成する。
【0014】
この発明の請求項3にかかる多相電流供給回路は、請求項2記載の多相電流供給回路であって、前記制御信号(Tu,Tv,Tw)によって、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の増加/減少に応じて、インバータ出力電圧がそれぞれ増加/減少する。
【0015】
この発明の請求項4にかかる多相電流供給回路は、請求項3記載の多相電流供給回路であって、前記制御回路(6)は、前記交流電流(iu,iv,iw)に基づいてd軸電流(id)及びq軸電流(iq)を求め、前記d軸電流及び前記q軸電流並びにd軸電流指令(id *)及びq軸電流指令(iq *)に基づいてq軸電圧指令(vq *)及びd軸電圧指令(vd *)を求め、前記q軸電圧指令に対して、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の定数倍(Kc)を加算して、前記q軸電圧指令(vq *)を更新し、更新後の前記q軸電圧指令及び前記d軸電圧指令に基づいて、前記制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する。
【0016】
この発明の請求項5にかかる多相電流供給回路は、請求項3記載の多相電流供給回路であって、前記制御回路(6)は、前記交流電流(iu,iv,iw)に基づいてd軸電流(id)及びq軸電流(iq)を求め、前記d軸電流及び前記q軸電流並びにd軸電流指令(id *)及びq軸電流指令(iq *)に基づいてq軸電圧指令(vq *)及びd軸電圧指令(vd *)を求め、前記d軸電圧指令に対して、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の定数倍(Kc)を減算して、前記d軸電圧指令(vd *)を更新し、前記q軸電圧指令及び更新後の前記d軸電圧指令に基づいて、前記制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する。
【0017】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態.
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる駆動装置を示す回路図である。当該駆動装置は駆動部たるモータ5と、これに多相電流を供給する多相電流供給回路を備えている。
【0018】
多相電流供給回路はダイオードブリッジ2、平滑回路3、インバータ4、制御回路6を備えている。ダイオードブリッジ2には単相交流の電源1が接続され、単相交流電圧V1及び単相交流電流i1が供給される。但し上述のように電源系統には寄生インダクタンスが存在するので、電源1にこれを含めて表示している。すなわち、電源1は交流電源13と寄生インダクタンスを表す寄生インダクタ12との直列接続として表されている。ここで寄生インダクタンスの値はL0=350(μH)とする。
【0019】
ダイオードブリッジ2は全波整流を行う機能を有し、交流電圧V1を全波整流して平滑回路3に入力する。平滑回路3は、コンデンサ31及びインダクタ32を有しており、チョークインプット型のローパスフィルタで構成されている。具体的にはインダクタ32の一端とコンデンサ31の一端とが接続され、インダクタ32の他端とコンデンサ31の一端との間にダイオードブリッジ2の出力を受け、コンデンサ31の両端に生じた整流電圧vdcをインバータ4に出力する。インバータ4は平滑回路3の出力を受け、インダクタ32の一端とコンデンサ31の一端との接続点からインバータ4へと電流i2が入力する。コンデンサ31の容量は、整流電圧vdcが交流電圧V1の周波数の2倍の周波数で大きく脈動し、整流電圧vdcの最大値が最小値の2倍以上となるように設定される。例えばコンデンサ31の容量をC=20μFに、インダクタ32のインダクタンスをL=6mHに、それぞれ設定する。
【0020】
インバータ4は三相の電流iu,iv,iwをモータ5に供給する。電流iu,iv,iwはそれぞれU相、V相、W相に対応する。インバータ4は、いずれもコンデンサ31の一端に接続されるコレクタを有する3個のトランジスタ(アッパーアーム側トランジスタ)と、いずれもコンデンサ31の他端に接続されるエミッタを有する3個のトランジスタ(ローワーアーム側トランジスタ)とを備えている。アッパーアーム側トランジスタのそれぞれは、ローワーアーム側トランジスタのそれぞれと相毎に対をなす。対を形成するアッパーアーム側トランジスタのエミッタと、ローワーアーム側トランジスタのコレクタとは共通に接続され、その接続点から電流iu,iv,iwが出力される。アッパーアーム側トランジスタ及びローワーアーム側トランジスタのそれぞれは、制御回路6からのスイッチング信号Tu、Tv、Twに基づいてオン/オフが制御される。スイッチング信号Tu、Tv、TwはそれぞれU相、V相、W相に対応する。
【0021】
なお、モータ5からの回生電流を流すため、アッパーアーム側トランジスタ及びローワーアーム側トランジスタのそれぞれに対して、エミッタに接続されたアノードと、コレクタに接続されたカソードとを有するフリーホイールダイオードが設けられている。
【0022】
制御回路6は電流iu,iv,iw及びモータ5の回転子の回転角(機械角)θm、並びに交流電圧VSの位相角θ1及びインバータ4に入力する整流電圧vdcを入力する。これらの諸量は周知の技術を用いて検出することができる。制御回路6にはモータ5の回転角速度(機械角の角速度)の指令値ωm *、電流位相指令β*も入力する。そしてこれらの値に基づいて、スイッチング信号Tu、Tv、Twを後述する計算に基づいて生成する。
【0023】
制御回路6は、位置・速度演算部61、d−q座標変換部62、速度制御演算部63、指令電流演算部64、電流制御演算部65、PWM(Pulse Wide Modulation)演算部66、PWMタイマ部67を備えており、それぞれ下記の計算を実行する機能を有している。
【0024】
位置・速度演算部61はモータ5の回転子の機械角θmに基づいて、モータ5の回転子の回転角(電気角)θeと回転角速度(電気角の角速度ω e と機械角の角速度ω m )を求めて出力する。d−q座標変換部62は電流iu,iv,iwとモータ5の電気角θeとから、式(1)に基づいていわゆるd軸電流id及びq軸電流iqを求める。モータ5内部に確立した主磁束方向に磁束を作る電流成分たる磁束電流がいわゆるd軸電流であり、これに対して位相的に90°進んでトルクを直接制御するトルク電流がいわゆるq軸電流である。
【0025】
【数1】
【0026】
速度制御演算部63は、モータ5の機械角の角速度の指令値ωm *と機械角の角速度ω m とに基づいて比例・積分演算(PI演算)を行ってモータ電流指令im *を出力する。更に指令電流演算部64はモータ電流指令im *と、電流位相指令β*と、位相角θ1とを入力し、式(2)に基づいてd軸電流指令id *及びq軸電流iq *を出力する。これらは交流電圧V1の2倍の周波数のリップルで大きく変動する。
【0027】
【数2】
【0028】
電流制御演算部65は、d軸電流id及びq軸電流iq並びにd軸電流指令id *及びq軸電流iq *を入力し、式(3)に基づいてd軸電圧指令vd *及びq軸電圧指令vq *を出力する。但し、式(3)においてKd,Kqはそれぞれd軸及びq軸の比例ゲインであり、Ld,Lqはそれぞれd軸及びq軸のモータインダクタンスであり、φaはモータ逆起電圧定数である。
【0029】
【数3】
【0030】
PWM演算部66には、回転子の回転角(電気角)θe並びにd軸電圧指令vd *及びq軸電圧指令vq *を入力し、式(4)に基づいて各相電圧指令vu *,vv *,vw *を生成する。
【0031】
【数4】
【0032】
更に、PWM演算部66は整流電圧vdcも入力し、これと各相電圧指令vu *,vv *,vw *とを用いて、式(5)に基づいて、各相のアッパーアーム側トランジスタのオン時間τj(j=u,v,w)を求める。但し式(5)において、キャリア周期Tcを導入している。またオン時間τjがTcを越える場合にはその値を強制的にTcにし、オン時間τjが0未満となる場合にはその値を強制的に0にする。
【0033】
【数5】
【0034】
PWMタイマ部67はオン時間τu,τv,τwをキャリア周期Tc毎に記憶し、記憶された時間に応答して各相トランジスタをオン・オフする制御信号Tu,Tv,Twをインバータ4に与える。キャリア周期Tcは例えば周波数に換算して、6kHzに設定される。
【0035】
平滑回路3のインダクタ32は、平滑回路3のコンデンサ31と電源1の寄生インダクタ12との間に直列に入り、そのインダクタンスが寄生インダクタ12のインダクタンスの20倍近く大きいので、これらの三者によって構成される直列共振回路の共振周波数は寄生インダクタ12のインダクタンスの影響を無視することができ、ほぼ約0.46kHzとなる。
【0036】
図2は本実施の形態における、交流電圧V1の波形(破線)及びダイオードブリッジ2に入力する電流i1の波形(実線)とを示すグラフである。インダクタンス32によって共振周波数を著しく下げたため、電流i1の波形は交流電圧V1のほぼ8倍の周波数で大きく歪んでいる。図3は、本実施の形態における、電流i1の高調波の実効値(実線)及びIECのClass Aの上限値(破線)を、高調波次数に対してプロットしたグラフである。第7次及び第9次の高調波がIECのClass Aの上限値を上回っている。上述の通り、電流i1の高調波の実効値は、図2に示された電流i1の波形を周波数成分毎に単純に示したものとは一致しない。
【0037】
従来の技術のように次数の高い高調波はIECのClass Aの上限値を超えてはいないものの、次数の低い高調波でIECのClass Aの上限値を超えてしまっている。しかしながら共振周波数を著しく、具体的にはキャリア周期Tcに対応する周波数6kHzと比較して1/10よりも小さく低減させたので、上述の制御信号Tu,Tv,Twは、上記直列共振回路による共振現象に対処した制御をインバータ4に対して行うことができる。
【0038】
第2の実施の形態.
本実施の形態においても、図1に示された構成が採用されるが、制御回路6は図4に示される制御回路6に置換される。図4は、共振現象に対処した制御をインバータ4に対して行うための制御回路6の構成を例示するブロック図である。図4で示された制御回路6の構成は、図1に示された制御回路6の構成にic演算部68と乗算部69及び減算器60を追加した構成を有している。
【0039】
ic演算部68は平滑回路3のコンデンサ31の容量をCとして、式(6)に基づき、コンデンサ31に流れる電流icを求める。乗算器69は電流icに比例ゲインKc(>0)を乗じてKc・icを求める。減算器60は、式(3)で求められたq軸電圧指令vq *に対してKc・icを減算して、q軸電圧指令vq *を更新する。PWM演算部66はこの更新されたq軸電圧指令vq *に基づいて式(4)の演算を行う。
【0040】
【数6】
【0041】
平滑回路3に直列共振による振動電流が電源側から流れ込んだ場合であっても、インバータ4へ出力する電流i2を増大させることにより、コンデンサ31に流れる電流icを小さくすることができる。一方、平滑回路3からインバータ4へ出力される電流i2を減少すれば、コンデンサ31に流れる電流icを大きくすることができる。こうした制御を行うことで、直列共振による電流icの振動成分を抑え、この振動成分に基づきコンデンサ両端に生ずるリプル電圧を抑え、ひいては、直列共振による振動電流を抑制することができる。よって、例えばq軸電圧指令vq *に対して、Kc・icを加算し、電流icに応答してモータ電流を変動させることで、直列共振によって生じる振動的電流を抑制することができる。
【0042】
図5は本実施の形態における交流電圧V1の波形(破線)及びダイオードブリッジ2に入力する電流i1の波形(実線)とを示すグラフである。図2に示された波形や図9に示された波形と比較して、電流i1の波形に歪みが少なくなっていることが判る。図6は、本実施の形態における、電流i1の高調波の実効値(実線)及びIECのClass Aの上限値(破線)を、高調波次数に対してプロットしたグラフである。いずれの次数においてもIECのClass Aの上限値を大きく下回っていることが判る。
【0043】
このような電流icの影響を抑制する制御を行うためには、第1の実施の形態で述べたように、共振周波数を、キャリア周期Tcに対応する周波数と比較して著しく低下させることが望ましい。
【0044】
例えば、平滑回路3においてインダクタ32のインダクタンスを0とすると、寄生インダクタ12と平滑コンデンサ31とが構成する直列共振回路の共振周波数は1.9kHz程度となる。このような周波数において増大する電流icを、キャリア周期6kHzのフィードバック制御によって抑制しようとしても効果的ではない。
【0045】
図7は図4に示された制御回路6を採用しつつも、インダクタ32のインダクタンスを0とした場合の交流電圧V1の波形(破線)及びダイオードブリッジ2に入力する電流i1の波形(実線)とを示すグラフである。高い次数での高調波が重畳していることが判る。図8は図7に示された電流i1の高調波の実効値(実線)及びIECのClass Aの上限値(破線)を、高調波次数に対してプロットしたグラフである。図10のグラフと比較すると低い次数の高調波成分は抑制されているものの、第27乃至第38次の高調波においてIECのClass Aの上限値を上回っていることが判る。
【0046】
変形.
上記の実施の形態では、インダクタ32を平滑回路3内に含み、平滑回路3においてインダクタ32がコンデンサ31とともにローパスフィルタを構成する場合を例示した。しかしダイオードブリッジ2を介してインダクタ32がコンデンサ31に対して直列に接続されれば本発明の効果を得ることができる。よってインダクタ32はダイオードブリッジ2の入力と電源1との間に直列に接続されてもよい。その場合には平滑回路3をコンデンサ31のみで形成することができる。
【0047】
あるいはダイオードブリッジ2の入力と電源1との間に直列に接続されるインダクタと、平滑回路3においてコンデンサ31とともにローパスフィルタを構成するインダクタとの双方を設けても良い。これらの2つのインダクタンスも、コンデンサ31に対して直列に接続されるからである。
【0048】
直列共振の影響を抑制すべくモータ電流を変動させるために、前記実施例のq軸電圧指令vq *を更新するものに代えて、d軸電圧指令vd *を更新してもよい。この場合、弱め界磁効果を得、かつモータ電流を増大させるために、負のd軸電流の大きさを増大する。よって、式(3)で求められたd軸電圧指令に対して、Kc・icを減算し、d軸電圧指令vd *を更新する。
【0049】
当然のことながら、q軸電圧指令vq *、d軸電圧指令vd *を共に更新する構成としてもよく、それぞれに用いる定数倍(Kc)に異なる値を用いてもよい。
【0050】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる多相電流供給回路によれば、コンデンサ(31)の容量値を小さくして単相コンデンサレスインバータ制御を行うことができ、かつ交流電圧を供給する電源(1)に寄生インダクタンス(12)が存在しても、直列共振回路の共振周波数が、制御信号による制御の周期(Tc)の逆数と比較して十分に低いので、高調波を低減する制御を行うことができる。
【0051】
この発明のうち請求項2にかかる多相電流供給回路によれば、直列共振によってコンデンサに流れる電流(ic)の大きさを考慮してインバータのスイッチングを制御できるので、その影響を抑制してスイッチング制御を行うことができる。
【0052】
この発明のうち請求項3乃至請求項5にかかる多相電流供給回路によれば、コンデンサに流れる電流の大きさを考慮してインバータのスイッチングが制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる駆動装置を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に用いられる制御を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施の形態の動作を示すグラフである。
【図7】参考技術の動作を示すグラフである。
【図8】参考技術の動作を示すグラフである。
【図9】従来技術の動作を示すグラフである。
【図10】従来技術の動作を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電源
2 ダイオードブリッジ
3 平滑回路
4 インバータ
6 制御回路
31 コンデンサ
32 インダクタ
V1 交流電圧
id d軸電流
iq q軸電流
id * d軸電流指令
iq * q軸電流指令
iu,iv,iw 交流電流
Tc キャリア周期
Tu,Tv,Tw スイッチング信号
vd * d軸電圧指令
vq * q軸電圧指令
Claims (5)
- 交流電圧(V1)の全波整流を行うダイオード群(2)と、
前記ダイオード群の出力を受けるコンデンサ(31)を有する平滑回路(3)と、
前記平滑回路(3)の出力を受け、多相の交流電流(iu,iv,iw)を出力するインバータ(4)と、
前記インバータ(4)のスイッチングをキャリア周期(Tc)で制御する制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する制御回路(6)と、
前記コンデンサと直列共振回路を構成するインダクタ(32)と
を備え、
前記コンデンサの容量は、前記コンデンサの両端電圧が前記交流電圧の周波数の2倍の周波数で大きく脈動し、前記両端電圧の最大値が最小値の2倍以上となるように設定され、
前記直列共振回路の共振周波数は前記キャリア周期(Tc)の逆数の1/10以下である、多相電流供給回路。 - 前記制御回路(6)は前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)についてのフィードバックを行って前記制御信号を生成する、請求項1記載の多相電流供給回路。
- 前記制御信号(Tu,Tv,Tw)によって、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の増加/減少に応じて、インバータ出力電圧がそれぞれ増加/減少する、請求項2記載の多相電流供給回路。
- 前記制御回路(6)は、
前記交流電流(iu,iv,iw)に基づいてd軸電流(id)及びq軸電流(iq)を求め、
前記d軸電流及び前記q軸電流並びにd軸電流指令(id *)及びq軸電流指令(iq *)に基づいてq軸電圧指令(vq *)及びd軸電圧指令(vd *)を求め、
前記q軸電圧指令に対して、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の定数倍(Kc)を加算して、前記q軸電圧指令(vq *)を更新し、
更新後の前記q軸電圧指令及び前記d軸電圧指令に基づいて、前記制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する、請求項3記載の多相電流供給回路。 - 前記制御回路(6)は、
前記交流電流(iu,iv,iw)に基づいてd軸電流(id)及びq軸電流(iq)を求め、
前記d軸電流及び前記q軸電流並びにd軸電流指令(id *)及びq軸電流指令(iq *)に基づいてq軸電圧指令(vq *)及びd軸電圧指令(vd *)を求め、
前記d軸電圧指令に対して、前記コンデンサ(31)に流れる電流(ic)の定数倍(Kc)を減算して、前記d軸電圧指令(vd *)を更新し、
前記q軸電圧指令及び更新後の前記d軸電圧指令に基づいて、前記制御信号(Tu,Tv,Tw)を生成する、請求項3記載の多相電流供給回路。
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