JP5741000B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関し、特に、入力電流の高調波成分を抑制する電流制御の制御性向上に係るものである。
従来より、コンバータ回路と直流リンク部とインバータ回路とを備え、交流の電源電圧を所定の周波数の交流電圧に変換する電力変換装置が開示されている。例えば、特許文献1には、この種の電力変換装置が開示されている。この電力変換装置は、直流リンク部に比較的小容量のコンデンサを設けて直流リンク電圧に脈動(リプル)を発生させつつ、その直流リンク電圧に同期して負荷の電流を脈動させる制御を行うことで、電源からコンバータ回路に流れる入力電流の導通幅を広げ、力率改善を実現している。このような電力変換装置は、例えば、空気調和機に設けられた圧縮機を駆動するための三相交流モータに接続され、モータの速度やトルクが制御される。
また、上記電力変換装置は、コンバータ回路の入力電流を検出し、その検出値に基づいて、コンバータ回路の入力電流の波形が正弦波になるようにインバータ回路の出力電流を制御している。これにより、コンバータ回路の入力電流が歪んで、高調波成分が重畳されるのを抑制できる。このように、従来の電力変換装置では、高調波規制への対策が施されている。
特許第3699663号
しかし、上記電力変換装置を汎用のマイコンによってデジタル制御すると、マイコンの処理速度が遅いため、上記高調波成分の中でも周波数の高い成分を抑制するのが困難であった。上記周波数の高い成分は、処理速度が高速なマイコンの制御によって抑制できるが、装置コストの増大を招いてしまう。
一方、小容量のリアクトルをコンバータ回路または直流リンク部に接続しても、上記周波数の高い成分を抑制することは可能である。しかしその場合、小容量のリアクトルと直流リンク部の小容量のコンデンサとの間で共振が起こり、その共振によって新たな高調波が発生してしまう。このように、従来の電力変換装置では、高調波の対策は十分ではなかった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、汎用のマイコンによって、コンバータ回路の入力電流の高調波成分を十分に抑制できる電力変換装置を提供することである。
第1の発明は、交流電源(8)の電源電圧(Vin)を全波整流するコンバータ回路(2)と、上記コンバータ回路(2)の出力に並列に接続された平滑コンデンサ(30)を有し、脈動する電圧(Vdc)を出力する直流リンク部(3)と、上記直流リンク部(3)の出力をスイッチングによって交流電圧に変換して出力するインバータ回路(4)と、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制されるように、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)または出力電流(|iin|)と上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)とに基づいて、補償電流指令値(icomp*)を求める補償値演算部(60)と、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいて、上記インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)を制御する電流制御部(50)とを備えた電力変換装置である。
上記第1の発明では、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)または出力電流(|iin|)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)という2つのパラメータによって、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制されるように、補償電流指令値(icomp*)が求められる。そして、その補償電流指令値(icomp*)に基づいてインバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)が制御される。そのため、上記制御によって、上記入力電流(iin)の高調波成分は抑制される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求めた第1補償値(i1*)と、上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求めた第2補償値(i2*)とを加算した値を、上記補償電流指令値(icomp*)としたものである。
上記第2の発明では、第1補償値(i1*)を上記補償電流指令値(icomp*)の一部として上記制御を行うことで、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形に近づき、それに伴って上記入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。更に、第2補償値(i2*)を上記補償電流指令値(icomp*)の一部として上記制御を行うことで、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形に近づき、それに伴って上記入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記交流電源(8)は単相電源であり、上記補償値演算部(60)は、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の波形が正弦波になるように求めた第1補償値(i1*)と、上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が正弦波の絶対値形状になるように求めた第2補償値(i2*)とを加算した値を、上記補償電流指令値(icomp*)としたものである。
上記第3の発明では、交流電源(8)が単相電源である場合において、第1補償値(i1*)を上記補償電流指令値(icomp*)の一部として上記制御を行うことで、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の波形が正弦波に近づき、上記入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。さらに、第2補償値(i2*)を上記補償電流指令値(icomp*)の一部として上記制御を行うことで、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が正弦波の絶対値形状に近づき、それに伴って上記入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。
第4の発明は、上記第1の発明において、上記交流電源(8)は単相電源であり、上記補償値演算部(60)は、上記コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との積で表される電力(|Pin|)の波形が二乗正弦波になるように、上記補償電流指令値(icomp*)を求めたものである。
上記第4の発明では、交流電源(8)が単相電源である場合において、上記電力(|Pin|)の波形が二乗正弦波になるように上記補償電流指令値(icomp*)が求められ、その補償電流指令値(icomp*)に基づいてインバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)が制御される。そのため、上記制御によって、上記電力(|Pin|)の波形は二乗正弦波に近づき、それに伴って上記入力電流(iin)の高調波成分は抑制される。
第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1の発明において、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)及び出力電流(|iin|)は、上記インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)及び上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて算出されたものである。
上記第5の発明では、上記補償電流指令値(icomp*)を求めるために必要なコンバータ回路(2)の入力電流(iin)または出力電流(|iin|)の値が、上記インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)及び上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて算出される。
本発明によれば、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制されるように、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)または出力電流(|iin|)と直流リンク部(3)の電圧(Vdc)とに基づいて補償電流指令値(icomp*)を求め、その補償電流指令値(icomp*)に基づいて、インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)を制御するようにした。このように、本発明では、2つのパラメータによって補償電流指令値(icomp*)が求められる。そのため、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)だけをパラメータとしていた従来に比べて、上記入力電流(iin)の高調波成分を十分に抑制するのに適した補償電流指令値(icomp*)を得ることができる。そして、その補償電流指令値(icomp*)に基づいて上記制御を行うことで、上記入力電流(iin)の高調波成分を十分に抑制できる。
第2の発明によれば、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求められた第1補償値(i1*)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求められた第2補償値(i2*)とを加算し、その加算値を上記補償電流指令値(icomp*)とするようにした。これにより、第1補償値(i1*)によって抑制される上記高調波成分と、第2補償値(i2*)によって抑制される上記高調波成分との両方を抑制することができ、従来よりも上記高調波成分の抑制効果が大きくなる。
第3の発明によれば、電源電圧(Vin)が単相電圧の場合において、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の波形が正弦波になるように求められた第1補償値(i1*)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が正弦波の絶対値形状になるように求められた第2補償値(i2*)とを加算し、その加算値を上記補償電流指令値(icomp*)とするようにした。これにより、第1補償値(i1*)によって抑制される上記高調波成分と、第2補償値(i2*)によって抑制される上記高調波成分との両方を抑制することができ、従来よりも上記高調波成分の抑制効果が大きくなる。
第4の発明によれば、電源電圧(Vin)が単相電圧の場合において、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との積で表される電力(|Pin|)に基づいて、その波形が二乗正弦波になるように、補償電流指令値(icomp*)を求めるようにした。このように、2つのパラメータの積によって補償電流指令値(icomp*)が求められる。そのため、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)だけをパラメータとしていた従来に比べて、上記入力電流(iin)の高調波成分を十分に抑制するのに適した補償電流指令値(icomp*)を得ることができる。そして、その補償電流指令値(icomp*)に基づいて上記制御を行うことで、上記入力電流(iin)の高調波成分を十分に抑制できる。
第5の発明によれば、補償電流指令値(icomp*)を求めるために必要なコンバータ回路(2)の入力電流(iin)及び出力電流(|iin|)の値を、直接検出せずに、他の検出器で検出された値から算出するようにした。そのため、上記電流値(iin,|iin|)を検出する電流検出部を設ける必要がなく、装置コストを下げることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る電力変換装置の回路構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る制御部の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る補償値演算部の構成を示すブロック図である。 図4は、コンバータ回路の入力電流及び直流リンク部の電圧の検出波形を示す図である。 図5は、本発明の実施形態1の変形例2に係る補償値演算部の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施形態1の変形例3に係る電流算出部の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施形態2に係る電力変換装置の回路構成を示す概略図である。 図8は、本発明の実施形態2に係る制御部の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の実施形態2に係る補償値演算部の構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の実施形態2の変形例に係る補償値演算部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態及び変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る電力変換装置(1)の概略構成を図1に示す。この電力変換装置(1)は、コンバータ回路(2)と、直流リンク部(3)と、インバータ回路(4)と、制御部(5)とを備え、単相の交流電源(8)から供給される交流の電力を所定の周波数の電力に変換し、三相交流のモータ(9)に供給するように構成されている。尚、三相交流のモータ(9)は、例えば、空気調和機の冷媒回路に設けられた圧縮機を駆動するためのものである。
上記コンバータ回路(2)は、交流電源(8)に接続され、4つのダイオード(D1〜D4)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路と、交流電源(8)とダイオードブリッジ回路との間に直列に接続されたリアクトル(L)とを有している。交流電源(8)の電源電圧(Vin)は、ダイオード(D1〜D4)のブリッジ回路によって全波整流される。また、コンバータ回路(2)の出力と上記直流リンク部(3)の入力との間には、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)を検出する電流検出部(20)が設けられている。
上記直流リンク部(3)は、上記コンバータ回路(2)の出力とインバータ回路(4)の入力との間に設けられている。直流リンク部(3)には、コンバータ回路(2)の出力に並列に接続された平滑コンデンサ(30)が設けられている。この平滑コンデンサ(30)としては、例えばフィルムコンデンサが用いられ、インバータ回路(4)の後述するスイッチング素子がスイッチング動作する際に、スイッチング周波数に対応して生じるリプル電圧(電圧変動)を平滑化可能にする程度の静電容量を有している。つまり、平滑コンデンサ(30)は、コンバータ回路(2)によって整流された電圧(電源電圧に起因する電圧変動)を平滑化する程の静電容量を有さない小容量のコンデンサである。そのため、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形は、電源電圧(Vin)を全波整流した波形とよく似た脈動波形となる。この例では、交流電源(8)は単相の交流電源であるため、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)は、電源周波数(例えば50Hz)の2倍の周波数で脈動し、且つ、その最大値がその最小値の2倍以上となるような大きな脈動を有している。また、直流リンク部(3)には、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)を検出する電圧検出部(31)が設けられてる。
上記インバータ回路(4)は、入力側が直流リンク部(3)の平滑コンデンサ(30)に並列に接続され、出力側が三相交流のモータ(9)に接続されている。インバータ回路(4)は、複数のスイッチング素子がブリッジ結線されて構成されている。このインバータ回路(4)は、電力を三相交流のモータ(9)に出力するために、6個のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)を備えている。詳しくは、インバータ回路(4)は、2つのスイッチング素子を互いに直列接続してなる3つのスイッチングレグを備え、各スイッチングレグにおいて上アームのスイッチング素子(Su,Sv,Sw)と下アームのスイッチング素子(Sx,Sy,Sz)との中点が、それぞれモータ(9)の各相のコイル(図示は省略)に接続されている。インバータ回路(4)は、これらのスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のオンオフ動作によって、入力された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)をスイッチングして所定の周波数の三相交流電圧に変換し、その電圧をモータ(9)に出力するように構成されている。尚、本実施形態では、各スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)に対して、還流ダイオード(Du,Dv,Dw,Dx,Dy,Dz)が逆並列に接続されている。また、上記スイッチングレグの各中点とモータ(9)の各相のコイルとの間には、各相に流れる電流(iu,iv,iw)を検出する電流検出部(40)が設けられている。
上記制御部(5)は、インバータ回路(4)のスイッチング(オンオフ動作)を制御し、そのスイッチング制御によって、インバータ回路(4)の出力電流、つまり、モータ(9)に流れるU,V,W各相の電流(モータ電流(iu,iv,iw))を制御するように構成されている。図2に示すように、制御部(5)は、電流制御部(50)と補償値演算部(60)とを備えている。
〈電流制御部〉
上記電流制御部(50)は、電流指令値を生成し、その電流指令値に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)を制御するように構成されている。電流制御部(50)は、速度制御部(51)、乗算器(52)、加算器(53)、dq電流指令値生成部(54)、座標変換部(55)、dq軸電流制御部(56)、PWM演算部(57)を備えている。
上記速度制御部(51)は、モータ(9)の機械角の回転角周波数(ω)と、機械角の指令値(ω*)との偏差を求め、その偏差を比例・積分演算(PI演算)し、その演算結果を第1の電流指令値(im*)として乗算器(52)に出力するように構成されている。
上記乗算器(52)は、交流電源(8)から出力される電源電圧(Vin)の位相角(θin)の正弦値の絶対値(|sin(θin)|)が入力され、下記の式(1)に基づいて算出される変調係数(ripple)を第1の電流指令値(im*)に乗算し、その乗算結果を第2の電流指令値(iT*)として出力するように構成されている。尚、式(1)中のkは、モータ(9)の負荷の大きさに応じて変更される値である。
Figure 0005741000
上記加算器(53)は、上記第2の電流指令値(iT*)と、補償値演算部(60)で生成される補償電流指令値(icomp*)とを加算し、その加算結果を駆動電流指令値(idq*)として出力するように構成されている。駆動電流指令値(idq*)の値は、次の式(2)で表すことができる。
Figure 0005741000
上記dq電流指令値生成部(54)は、駆動電流指令値(idq*)と、モータ(9)に流す電流の位相(β)の指令値(β*)とから、次の式(3)に基づいてd軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)を求め、それらをdq軸電流制御部(56)に出力するように構成されている。
Figure 0005741000
上記座標変換部(55)は、モータ(9)の回転子(図示は省略)の回転角(電気角(θe))と、電流検出部(40)で検出されるモータ電流(iu,iv,iw)とから、d軸電流(id)とq軸電流(iq)を算出するように構成されている。具体的には、次の式(4)に基づいて、d軸電流(id)とq軸電流(iq)とが求められる。
Figure 0005741000
上記dq軸電流制御部(56)は、モータ電流(iu,iv,iw)の指令値であるd軸及びq軸の電流指令値(id*,iq*)とd軸及びq軸の実電流値(id,iq)との偏差がそれぞれ小さくなるようにd軸及びq軸の電圧指令値(Vd*,Vq*)を生成し、PWM演算部(57)に出力するように構成されている。
上記PWM演算部(57)では、d軸及びq軸の電圧指令値(Vd*,Vq*)と、電圧検出部(31)で検出される直流リンク部(3)の電圧(Vdc)と、モータ(7)の回転子(図示は省略)の回転角(電気角(θe))とが入力される。PWM演算部(57)は、これらの値に基づいて、インバータ回路(4)の各スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のオンオフ動作を制御するゲート信号(G)を生成し、そのゲート信号(G)をインバータ回路(4)に出力するように構成されている。
〈補償値演算部〉
上記補償値演算部(60)は、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)及び直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて、演算により補償電流指令値(icomp*)を求めるように構成されている。図3に示すように、補償値演算部(60)は、第1演算部(61)と第2演算部(62)と補償値加算部(63)とを備えている。
上記第1演算部(61)は、電流検出部(20)で検出されたコンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)に基づいて演算を行い、その結果を第1補償値(i1*)として出力するように構成されている。第1演算部(61)では、まず、コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)が算出される。具体的には、電流検出部(20)で検出されたコンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)をフーリエ変換して基本波を抽出し、その振幅成分(Ampiin)と電源電圧(Vin)の位相角(θin)の正弦値の絶対値(|sin(θin)|)とが乗算され、その乗算結果が上記指令値(|iin*|)となる。上記絶対値(|sin(θin)|)は、電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の絶対値形状、つまり正弦波の全波整流波形を表している。よって、上記指令値(|iin*|)は、上記正弦波の絶対値形状(全波整流波形)を基準として算出される。
次に、第1演算部(61)では、第1補償値(i1*)が算出される。具体的には、第1補償値(i1*)は、コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)とコンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して求められる。例えば、コンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)が上記指令値(|iin*|)よりも小さい場合は、第1補償値(i1*)として正の値、つまり、モータ電流(iu,iv,iw)を大きくするための補償値が算出される。その補償値によってモータ電流(iu,iv,iw)を大きくする制御が行われると、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の値が大きくなって上記指令値(|iin*|)に近づく。このように、第1補償値(i1*)は、コンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)が上記指令値(|iin*|)に近づくように、つまり、コンバータ回路(2)の出力電流の波形が電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の絶対値形状(全波整流波形)に近づくように算出される。算出された第1補償値(i1*)は、補償値加算部(63)に出力される。
上記第2演算部(62)は、電圧検出部(31)で検出された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて演算を行い、その結果を第2補償値(i2*)として出力するように構成されている。第2演算部(62)では、まず、直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)が算出される。具体的には、電圧検出部(31)で検出された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)をフーリエ変換して基本波を抽出し、その振幅成分(AmpVdc)と電源電圧(Vin)の位相角(θin)の正弦値の絶対値(|sin(θin)|)とが乗算され、その乗算結果が上記指令値(Vdc*)となる。上記絶対値(|sin(θin)|)は、電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の絶対値形状、つまり正弦波の全波整流波形を表している。よって、上記指令値(Vdc*)は、上記正弦波の絶対値形状(全波整流波形)を基準として算出される。
次に、第2演算部(62)では、第2補償値(i2*)が算出される。具体的には、第2補償値(i2*)は、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)と直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して求められる。例えば、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)が上記指令値(Vdc*)よりも大きい場合は、第2補償値(i2*)として正の値、つまり、モータ電流(iu,iv,iw)を大きくするための補償値が算出される。そして、その補償値によってモータ電流(iu,iv,iw)を大きくする制御が行われると、直流リンク部(3)の平滑コンデンサ(30)からインバータ回路(4)に電流が流れるため、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)は小さくなり上記指令値(Vdc*)に近づく。このように、第2補償値(i2*)は、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)が上記指令値(Vdc*)に近づくように、つまり、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が上記電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の絶対値形状(全波整流波形)に近づくように算出される。算出された第2補償値(i2*)は、補償値加算部(63)に出力される。
上記補償値加算部(63)では、第1補償値(i1*)と第2補償値(i2*)とが加算され、その加算値が補償電流指令値(icomp*)として加算器(53)に出力される。補償値加算部(63)では、加算前に、各補償値(i1*,i2*)のゲインを設定してゲイン調整することができる。そして、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)が制御され、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求められた第1補償値(i1*)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求められた第2補償値(i2*)とを加算し、その加算値を補償電流指令値(icomp*)とするようにした。これにより、第1補償値(i1*)によって抑制される上記高調波成分と、第2補償値(i2*)によって抑制される上記高調波成分との両方を抑制することができる。そのため、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)だけに基づき補償電流指令値(icomp*)を算出していた従来よりも、上記高調波成分の抑制効果が大きくなる。
〈実施形態1の変形例1〉
実施形態1の変形例1は、上記実施形態1の第1補償値(i1*)を算出するための電流を変更したものである。上記実施形態1では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)に基づいて第1補償値(i1*)を求めていた。これに対し、実施形態1の変形例1では、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)に基づいて第1補償値(i1*)を求めるようにした。
本変形例では、コンバータ回路(2)の入力側に電流検出器(図示省略)が設けられ、その電流検出器で検出されたコンバータ回路(2)の入力電流(iin)が補償値演算部(60)の第1演算部(61)に入力される。第1演算部(61)では、まず、コンバータ回路(2)の入力電流の指令値(iin*)が算出される。具体的には、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の検出値をフーリエ変換して基本波を抽出し、その振幅成分(Ampiin)と電源電圧(Vin)の位相角(θin)の正弦値(sin(θin))とが乗算され、その乗算結果が上記指令値(iin*)となる。上記正弦値(sin(θin))は、電源電圧(Vin)と同位相の正弦波を表している。つまり、上記指令値(iin*)は、電源電圧(Vin)と同位相の正弦波を基準波形として算出される。
次に、第1演算部(61)では、第1補償値(i1*)が算出される。具体的には、第1補償値(i1*)は、コンバータ回路(2)の入力電流の指令値(iin*)とコンバータ回路(2)の入力電流値(iin)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して求められる。上記演算により、第1補償値(i1*)は、コンバータ回路(2)の入力電流値(iin)が上記指令値(iin*)に近づくように、つまり、コンバータ回路(2)の入力電流の波形が上記正弦波に近づくように求められる。
一方、第2演算部(62)では、上記実施形態1と同様の方法で、第2補償値(i2*)が求められる。つまり、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が上記電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の絶対値形状(全波整流波形)に近づくように算出される。そして、補償値加算部(63)において第1補償値(i1*)と第2補償値(i2*)とが加算され、その加算値が補償電流指令値(icomp*)として加算器(53)に出力される。そして、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)が制御され、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。
本変形例によって、上記入力電流の高調波成分を抑制した結果を図4に示す。図4は、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)及び直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の検出波形を示している。図4(a)は、第1補償値(i1*)を補償電流指令値(icomp*)とする従来の制御による結果ある。これに対し、図4(b)は、本変形例である第1補償値(i1*)及び第2補償値(i2*)の加算値を補償電流指令値(icomp*)として制御した結果である。このように、上記入力電流(iin)の高調波成分は、第1補償値(i1*)だけを補償電流指令値(icomp*)としても抑制できないが、本変形例のように第1補償値(i1*)及び第2補償値(i2*)の加算値を補償電流指令値(icomp*)とすることで十分に抑制できる。このように本変形例では、従来に比べて上記高調波成分を十分に抑制できる。尚、その他の構成、作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。
〈実施形態1の変形例2〉
実施形態1の変形例2は、上記実施形態1の補償値演算部(60)における補償電流指令値(icomp*)の算出方法を変更したものである。上記実施形態1では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)に基づいて算出される第1補償値(i1*)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて算出される第2補償値(i2*)とを加算して、補償電流指令値(icomp*)を求めていた。これに対し、実施形態1の変形例2では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との積によって表される電力(|Pin|)に基づいて、補償電流指令値(icomp*)を算出するようにした。
本変形例では、図5に示すように、補償値演算部(60)おいて、まず、電力(|Pin|)及び電力の指令値(|Pin*|)がそれぞれ算出される。電力(|Pin|)は、電流検出部(20)で検出されたコンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と電圧検出部(31)で検出された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)とを積算して求められる。また、電力の指令値(|Pin*|)は、コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)と直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)とを積算して求められる。コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)及び直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)は、上記実施形態1と同様の方法で算出される。つまり、上記2つの指令値(|iin*|,Vdc*)は、それぞれ電源電圧(Vin)と同位相の正弦波の全波整流波(|sin(θin)|)を基準波形として算出される。そのため、電力の指令値(|Pin*|)は、上記全波整流波の二乗波(|sin(θin)|2)、つまり、二乗正弦波(sin2(θin))となる。電力の指令値(|Pin*|)は、上記正弦波の2倍の周波数で変動する。
次に、補償値演算部(60)では、補償電流指令値(icomp*)が求められる。具体的には、補償電流指令値(icomp*)は、電力(|Pin|)と電力の指令値(|Pin*|)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して算出される。例えば、電力(|Pin|)が電力の指令値(|Pin*|)よりも小さい場合は、補償電流指令値(icomp*)として正の値、つまり、モータ電流(iu,iv,iw)を大きくするための補償値が算出される。モータ電流(iu,iv,iw)を大きくする制御が行われると、コンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)が大きくなるため、電力(|Pin|)の値は大きくなり、上記指令値(|Pin*|)に近づく。このように、補償電流指令値(icomp*)は、電力(|Pin|)が電力の指令値(|Pin*|)に近づくように、つまり、その電力の波形が二乗正弦波(sin2(θin))に近づくように算出される。算出された補償電流指令値(icomp*)は、加算器(53)に出力される。そして、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)が制御されることで、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。尚、その他の構成、作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。
〈実施形態1の変形例3〉
実施形態1の変形例3は、上記実施形態1のコンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)の取得方法を変更したものである。上記実施形態1では、電流検出器(20)によって、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)を直接検出して取得していた。これに対し、実施形態1の変形例3では、モータ(9)の各相に流れる電流(iu,iv,iw)の検出値及び直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の検出値から算出して、取得するようにした。
本変形例では、図6に示すように、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)を算出する電流算出部(65)が設けられている。電流算出部(65)では、まず、インバータ回路(4)の入力電流(iinv)が算出される。インバータ回路(4)の入力電流(iinv)は、電流検出部(40)で検出されるモータ電流(iu,iv,iw)と、PWM演算部(57)で出力されるスイッチングデューティ(dutyu,dutyv,dutyw)とによって算出される。具体的には、各相においてモータ電流(iu,iv,iw)とスイッチングデューティ(dutyu,dutyv,dutyw)とを積算してキャリア周期中の平均電流を算出し、更に、3相の平均電流を加算してインバータ回路(4)の入力電流(iinv)を求めている。インバータ回路(4)の入力電流(iinv)の算出は、キャリア周期毎に行われる。
次に、電流算出部(65)では、直流リンク部(3)に流れ込む電流(idc)が算出される。直流リンク部(3)の電流(idc)は、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)を時間微分した値と平滑コンデンサ(30)の静電容量との積算値として求められる。そして、算出されたインバータ回路(4)の入力電流(iinv)から直流リンク部(3)の電流(idc)を減算することで、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)が求められる。このように、本変形例によれば、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)を直接取得するための電流検出部(20)を設ける必要がないため、装置コストを下げることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1において、電源変換装置(1)のコンバータ回路(2)に接続される交流電源(8)を変更したものである。上記実施形態1では、電源変換装置(1)を単相の交流電源(8)に接続していたが、本変形例では、三相の交流電源(8)に接続するようにした。
実施形態2では、図7に示すように、コンバータ回路(2)は、三相の交流電源(8)のΔ結線またはY結線された三相結線に接続され、6つのダイオード(D1〜D6)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路を有している。また、コンバータ回路(2)と直流リンク部(3)との間には、リアクトル(L)が直列に接続されている。コンバータ回路(2)では、交流電源(8)から供給される3つの線間電圧がダイオード(D1〜D6)のブリッジ回路によって全波整流される。その結果、コンバータ回路(2)の出力電圧は、単相の交流電源(8)を接続した場合に比べて脈動の小さい正極性の電圧となる。そのため、図8に示すように、電流制御部(50)の乗算器(52)では、コンバータ回路(2)の出力電圧を脈動のない電圧とみなして、電源電圧(Vin)の位相角(θin)の正弦値の絶対値(|sin(θin)|)の代わりに一定値(1)が入力される。
実施形態2では、図9に示すように、第1演算部(61)におけるコンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)の算出方法が上記実施形態1と異なっている。具体的には、上記指令値(|iin*|)を算出するために、まず、上記指令値(|iin*|)の振幅成分(Ampiin)が求められる。上記振幅成分(Ampiin)は、電流検出部(20)で検出されたコンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)から出力電流(|iin|)の平均値を求め、その振幅値を上記振幅成分(Ampiin)としている。次に、上記指令値(|iin*|)の脈動成分が求められる。上記指令値(|iin*|)の脈動成分は、交流電源(8)の相電圧または線間電圧と同位相(θin)の正弦波の全波整流波形(|sin(θin)|)と、その全波整流波形に対して位相が120度及び240度ずれた全波整流波形(|sin(θin-2π/3)|,|sin(θin-4π/3)|)の3つの波形を比較し、その中で値が最も大きくなる部分だけを繋ぎ合わせることにより求められる。そして、上記振幅成分(Ampiin)と上記脈動成分とが乗算され、その乗算結果として上記指令値(|iin*|)が求められる。そして、上記実施形態1と同様に、上記指令値(|iin*|)とコンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して、第1補償値(i1*)が求められる。このように、第1補償値(i1*)は、コンバータ回路(2)の出力電流値(|iin|)が上記指令値(|iin*|)に近づくように、つまり、コンバータ回路(2)の出力電流の波形が電源電圧の全波整流波形に近づくように算出される。
同様に、補償値演算部(60)の第2演算部(62)では、第2補償値(i2*)が求められる。具体的には、まず、直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)における振幅成分(AmpVdc)が求められる。上記振幅成分(AmpVdc)は、電圧検出部(31)で検出された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)から電圧(Vdc)の平均値を求め、その振幅値を上記振幅成分(AmpVdc)としている。次に、上記指令値(Vdc*)の脈動成分が求められる。上記指令値(Vdc*)の脈動成分は、交流電源(8)の相電圧または線間電圧と同位相(θin)の正弦波の全波整流波形(|sin(θin)|)と、その全波整流波形に対して位相が120度及び240度ずれた全波整流波形(|sin(θin-2π/3)|,|sin(θin-4π/3)|)の3つの波形を比較し、その中で値が最も大きくなる部分だけを繋ぎ合わせることにより求められる。そして、上記振幅成分(AmpVdc)と上記脈動成分とが乗算され、その乗算結果として上記指令値(Vdc*)が求められる。そして、上記指令値(Vdc*)と直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して、第2補償値(i2*)が求められる。このように、第2補償値(i2*)は、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)が上記指令値(Vdc*)に近づくように、つまり、直流リンク部(3)の電圧波形が電源電圧の全波整流波形に近づくように算出される。そして、補償値加算部(63)において第1補償値(i1*)と第2補償値(i2*)とが加算され、その加算値が補償電流指令値(icomp*)として加算器(53)に出力される。そして、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)が制御されることで、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。尚、その他の構成、作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。
〈実施形態2の変形例〉
実施形態2の変形例は、上記実施形態2の補償値演算部(60)における補償電流指令値(icomp*)の算出方法を変更したものである。上記実施形態2では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)に基づいて算出される第1補償値(i1*)と、直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて算出される第2補償値(i2*)とを加算して、補償電流指令値(icomp*)を求めていた。これに対し、実施形態2の変形例では、コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との積によって表される電力(|Pin|)に基づいて、補償電流指令値(icomp*)を算出するようにした。
本変形例では、図10に示すように、補償値演算部(60)おいて、まず、電力(|Pin|)及び電力の指令値(|Pin*|)がそれぞれ算出される。電力(|Pin|)は、電流検出部(20)で検出されたコンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と電圧検出部(31)で検出された直流リンク部(3)の電圧(Vdc)とを積算して求められる。また、電力の指令値(|Pin*|)は、コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)と直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)とを積算して求められる。コンバータ回路(2)の出力電流の指令値(|iin*|)及び直流リンク部(3)の電圧の指令値(Vdc*)は、上記実施形態2と同様の方法で算出される。つまり、上記2つの指令値(|iin*|,Vdc*)は、それぞれ電源電圧(Vin)の全波整流波を基準波形としている。そのため、電力の指令値(|Pin*|)は、上記全波整流波の二乗波となる。
次に、補償値演算部(60)では、補償電流指令値(icomp*)が算出される。具体的には、補償電流指令値(icomp*)は、電力(|Pin|)と電力の指令値(|Pin*|)との偏差を比例・積分演算(PI演算)して求められる。このように、補償電流指令値(icomp*)は、電力(|Pin|)が電力の指令値(|Pin*|)に近づくように、つまり、その電力の波形が上記全波整流波の二乗波に近づくように算出される。算出された補償電流指令値(icomp*)は、加算器(53)に出力される。そして、上記補償電流指令値(icomp*)に基づいてモータ電流(iu,iv,iw)が制御されることで、コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制される。尚、その他の構成、作用及び効果は、上記実施形態2と同様である。
以上説明したように、本発明は、コンバータ回路と直流リンク部とインバータ回路とを備え、入力電流の高調波成分を抑制する電力変換装置として有用である。
1 電力変換装置
2 コンバータ回路
3 直流リンク部
4 インバータ回路
8 交流電源
30 平滑コンデンサ
50 電流制御部
60 補償値演算部

Claims (5)

  1. 交流電源(8)の電源電圧(Vin)を全波整流するコンバータ回路(2)と、
    上記コンバータ回路(2)の出力に並列に接続された平滑コンデンサ(30)を有し、脈動する電圧(Vdc)を出力する直流リンク部(3)と、
    上記直流リンク部(3)の出力をスイッチングによって交流電圧に変換して出力するインバータ回路(4)と、
    上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の高調波成分が抑制されるように、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)または出力電流(|iin|)と上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)とに基づいて、補償電流指令値(icomp*)を求める補償値演算部(60)と、
    上記補償電流指令値(icomp*)に基づいて、上記インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)を制御する電流制御部(50)とを備える
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    上記補償値演算部(60)は、上記コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求めた第1補償値(i1*)と、上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が電源電圧(Vin)の全波整流波形になるように求めた第2補償値(i2*)とを加算した値を、上記補償電流指令値(icomp*)とする
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1において、
    上記交流電源(8)は単相電源であり、
    上記補償値演算部(60)は、上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)の波形が正弦波になるように求めた第1補償値(i1*)と、上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)の波形が正弦波の絶対値形状になるように求めた第2補償値(i2*)とを加算した値を、上記補償電流指令値(icomp*)とする
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1において、
    上記交流電源(8)は単相電源であり、
    上記補償値演算部(60)は、上記コンバータ回路(2)の出力電流(|iin|)と上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)との積で表される電力(|Pin|)の波形が二乗正弦波になるように、上記補償電流指令値(icomp*)を求める
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項において、
    上記コンバータ回路(2)の入力電流(iin)及び出力電流(|iin|)は、上記インバータ回路(4)の出力電流(iu,iv,iw)及び上記直流リンク部(3)の電圧(Vdc)に基づいて算出される
    ことを特徴とする電力変換装置。
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