JP2003061245A - コジェネレーション装置の運転計画方法 - Google Patents

コジェネレーション装置の運転計画方法

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JP2003061245A JP2001242211A JP2001242211A JP2003061245A JP 2003061245 A JP2003061245 A JP 2003061245A JP 2001242211 A JP2001242211 A JP 2001242211A JP 2001242211 A JP2001242211 A JP 2001242211A JP 2003061245 A JP2003061245 A JP 2003061245A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、省エネルギ性及び経済性を向上す
るように、コジェネレーション装置の最適な運転計画を
行なう運転計画方法を合理的に実現することを目的とす
る。 【解決手段】 過去の施設の電力負荷実績及び熱負荷実
績から、運転計画の計画対象時期における施設の予測電
力負荷及び予測熱負荷を予測する工程100,101,
102と、予測電力負荷に対してコジェネレーション装
置の電主運転を行なった場合のコジェネレーション装置
の熱出力を導出する工程103,104と、予測積算熱
負荷と積算熱出力とを比較して、計画対象時期において
コジェネレーション装置の電主運転を行なう運転時間帯
を決定する工程105,106とを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力と熱とを発生
するコジェネレーション装置と、前記発生した電力を受
電電力と合わせて施設に供給する配電手段と、前記発生
した熱を、蓄熱した後に前記施設に供給する配熱手段と
を備えたコジェネレーションシステム、及びそのコジェ
ネレーションシステムにおいて、前記コジェネレーショ
ン装置の運転計画を行なう運転計画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、マンション等の集合住宅における
コジェネレーションシステムの導入が増えてきている。
このようなコジェネレーションシステムは、電力及び熱
を出力するコジェネレーション装置として、ガスエンジ
ン又はガスタービン等の原動機を駆動源として利用する
発電機や燃料電池等を備え、出力した電力を、電力供給
業者から受電した電力と合わせて各住居に供給すると共
に、出力した熱を各住居に供給するように構成すること
ができる。
【0003】このようなコジェネレーション装置は、集
合住宅等の施設において、電力負荷が高いと推測される
所定の電力負荷ピーク時間帯に運転される。そして、そ
の高い電力負荷の一部を、コジェネレーション装置の電
力出力で補うことで、電力供給業者との契約電力負荷を
低く押えることができ、さらに、そのときに出力する熱
をも利用することができるため、省エネルギ性及び経済
性の点で有効である。
【0004】また、このようなコジェネレーション装置
の上記所定の運転時間帯は、従来、施設へのコジェネレ
ーションシステムの設置を計画する際に決定される。即
ち、その設置計画時に、その施設の規模等から予測され
る施設の電力負荷及び熱負荷に対して、省エネルギ性及
び経済性を発揮することができる運転時間帯がエネルギ
シミュレーション等により求められ、コジェネレーショ
ンシステムを設置した後は、このように求めた一定の運
転時間帯にコジェネレーション装置が運転される。
【0005】一方、このようなコジェネレーション装置
は、商用電力系統(送電線配電線)と連系し、電力系統
への逆潮流無しで運転されることが多いので、逆潮流が
発生しないように、常に一定以上の電力を電力供給業者
から受電するように電力出力を制御した所謂電主運転を
行なうように構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように上記所定の
時間帯に上記電主運転されるコジェネレーション装置か
らの熱出力は、施設の熱負荷には一致しておらず、さら
に、1日における熱出力の積算値も、施設の熱負荷の積
算値にも一致していない。
【0007】よって、上記熱出力の上記熱負荷に対する
不一致を緩和すべく、コジェネレーション装置から出力
した熱を、一旦水等との熱交換により蓄熱して、その蓄
熱した温水を施設に供給することが考えられるが、上記
熱出力の上記積算値の不一致のために、不足熱を補充す
るべく温水を追い焚きしたり、余剰熱を消費せずに排出
することがあり、このことは、省エネルギ性及び経済性
の向上を阻害する要因となる。
【0008】よって、本発明は、上記のような事情に鑑
みて、簡単な構成で、省エネルギ性及び経済性を向上す
るように、コジェネレーション装置の最適な運転計画を
行なう技術を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】〔構成1〕本発明に係る
コジェネレーション装置の運転計画方法は、請求項1に
記載したごとく、計測手段により計測され記憶手段に記
憶された、過去の前記施設の電力負荷実績及び熱負荷実
績から、前記運転計画の計画対象時期における前記施設
の予測電力負荷及び予測熱負荷を予測する負荷予測工程
と、前記予測電力負荷に対して前記コジェネレーション
装置の電主運転を行なった場合の前記コジェネレーショ
ン装置の熱出力を導出する熱出力導出工程と、前記予測
熱負荷の前記計画対象時期における積算値である予測積
算熱負荷と、前記熱出力の前記運転時間帯における積算
値である積算熱出力とを比較して、前記計画対象時期に
おいて前記コジェネレーション装置の電主運転を行なう
運転時間帯を決定する運転時間帯決定工程とを実行する
ことを特徴とする。
【0010】〔作用効果〕本発明のコジェネレーション
装置の運転計画方法は、前記コジェネレーション装置の
運転を行なう運転制御手段を備えた制御装置等に内蔵又
は外付けされたコンピュータにより実行されるものであ
り、前記計画対象時期において、前記運転制御手段がコ
ジェネレーション装置の電主運転を行なう運転時間帯を
決定するためのものである。
【0011】そして、本構成のコジェネレーション装置
の運転計画方法によれば、まず、負荷予測工程におい
て、前記施設に設けられた電力負荷計測手段及び熱負荷
計測手段から逐次記憶手段に格納して収集された過去の
施設の電力負荷実績及び熱負荷実績から、当日又は来日
等の計画対象時期における施設の予測電力負荷及び予測
熱負荷を予測することができる。
【0012】そして、前記熱出力導出工程において、予
測した予測電力負荷に対して、コジェネレーション装置
の電主運転を行なうときの熱出力を導出することができ
る。尚、電主運転とは、上記予測電力負荷において電力
負荷がコジェネレーションの定格運転時の電力出力より
も充分大きい場合には定格運転を行ない、それ以外の場
合には常に電力出力が電力負荷よりも一定量小さくなる
電力追従運転を行なう運転であり、このようにコジェネ
レーション装置を電主運転することで、常に一定以上の
電力を電力供給業者から受電するように電力出力が制御
され、電力系統への逆潮流が防止される。
【0013】さらに、前記運転時間帯決定工程におい
て、前記施設の前記予測熱負荷に対して、効率良くコジ
ェネレーション装置から熱を出力させることができるよ
うに、予測熱負荷と熱出力とを比較して、コジェネレー
ション装置の運転時間帯を決定することができる。よっ
て、計画対象時期において、このように決定された運転
時間帯にコジェネレーション装置を電主運転すること
で、コジェネレーション装置から出力された熱をできる
だけ無駄無く施設で消費することができ、省エネルギ性
及び経済性を向上することができる。従って、コジェネ
レーション装置の最適な運転計画を行なう運転計画方法
を実現することができる。
【0014】〔構成2〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項2に記載したごとく、
上記構成1のコジェネレーション装置の運転計画方法の
構成に加えて、前記運転時間帯決定工程が、前記予測積
算熱負荷と前記積算熱出力とが同等となるように、前記
運転時間帯を決定する工程であることを特徴とする。
【0015】〔作用効果〕本構成のコジェネレーション
装置の運転計画方法によれば、前記運転時間決定工程で
決定された運転時間帯において、コジェネレーション装
置を電主運転した場合に、決定された運転時間帯におけ
るコジェネレーション装置からの積算熱出力が、予測積
算熱負荷と同等となるので、配熱手段において熱の過不
足をできるだけ低減して、効率良くコジェネレーション
装置の熱出力を消費することができる。
【0016】〔構成3〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項3に記載したごとく、
上記構成1又は2のコジェネレーション装置の運転計画
方法の構成に加えて、前記運転時間帯決定工程におい
て、前記コジェネレーション装置の出力が定格出力又は
指定した出力以上となる時間が最大となるように、前記
運転時間帯を決定することを特徴とする。
【0017】〔作用効果〕本構成のごとく、運転時間帯
決定工程において運転時間帯を決定するに、コジェネレ
ーション装置の出力が定格出力又は指定した出力以上と
なる時間が最大となるように、運転時間帯を決定するこ
とで、コジェネレーション装置を、できるだけ高効率な
定格運転又はそれに近い運転状態のときを選択して運転
することができ、コジェネレーションシステム導入によ
る省エネルギ性及び経済性を一層向上することができ
る。
【0018】〔構成4〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項4に記載したごとく、
上記構成1又は2のコジェネレーション装置の運転計画
方法の構成に加えて、前記運転時間帯決定工程におい
て、所定の運転終了時間に対する運転開始時間を決定し
て、前記運転時間帯を決定することを特徴とする。
【0019】〔作用効果〕施設において、電力負荷が大
きくなる電力負荷ピーク時間帯はほぼ決まった時間帯で
あることが多く、例えば施設がマンション等の集合住宅
である場合には、その電力ピーク時間帯は夜間にあり、
深夜(24時頃)にはそれが終了する。このように、ほ
ぼ決まった時間帯に電力負荷ピーク時間帯がある施設に
おいては、本構成のごとく、前記運転時間帯決定工程に
おいて、コジェネレーション装置の運転を終了する運転
終了時間を予め設定しておき、その運転終了時間に対し
て前記コジェネレーション装置の運転開始時間を決定す
ることで、運転時間帯を決定することができ、簡単な構
成で本発明に係るコジェネレーション装置の運転計画方
法を実現することができる。
【0020】〔構成5〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項5に記載したごとく、
上記構成1から4の何れかのコジェネレーション装置の
運転計画方法の構成に加えて、前記運転時間帯決定工程
において、前記運転時間帯の時間長さが所定の最大時間
長さ以下に制限されていることを特徴とする。
【0021】〔作用効果〕本構成のごとく、一日におけ
る前記運転時間帯の時間長さを前記最大時間長さ以下に
制限することで、施設の予測熱負荷が増大しても、コジ
ェネレーション装置の運転時間が一定時間以下に制限さ
れるので、コジェネレーション装置を酷使することがな
く、コジェネレーション装置の予め設定した耐用年数を
維持することができる。
【0022】〔構成6〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項6に記載したごとく、
上記構成1から5の何れかのコジェネレーション装置の
運転計画方法の構成に加えて、前記負荷予測工程が、前
記施設の環境条件をパラメータとして、前記電力負荷実
績及び前記熱負荷実績から、前記予測電力負荷及び前記
予測熱負荷を予測する工程であることを特徴とする。
【0023】〔作用効果〕前記負荷予測工程で予測され
る電力又は熱の予測負荷は、予測基準とした過去の気
温、降水量、若しくは湿度等の気象条件、曜日等のカレ
ンダ条件、又は施設の住居者数又は集合住宅における入
居率等の住居条件等の環境条件と、予測対象の計画対象
時期の環境条件との差により、実際の計画対象時期の負
荷実績に対して差が生じることがある。
【0024】そこで、コジェネレーションシステムに、
前記環境条件を収集する手段を設け、本構成のごとく、
前記負荷予測工程において、例えば、計画対象時期のあ
る環境条件と同様な環境条件であった過去の電力及び熱
の負荷実績を記憶手段から抽出し、その抽出した負荷実
績を計画対象時期の予測負荷とすることで、上記環境条
件をパラメータとして計画対象時期の予測負荷を予測す
ることができる。そして、このように予測された予測電
力負荷及び予測熱負荷は、その計画対象時期における実
際の負荷と近いものになる。よって、この予測負荷実績
を用いて計画したコジェネレーション装置の運転時間帯
は、環境条件の変化による施設の負荷変動をも考慮さ
れ、且つ施設の実際の電力及び熱の負荷に適したものと
なり、環境条件の変化によるコジェネレーションシステ
ムの省エネルギ性及び経済性の低下を抑制することがで
きる。
【0025】尚、上記環境条件を収集する手段は、人手
による手入力の他、施設に設けた気温計又は湿度計等か
ら記憶又は湿度等の気象条件を収集したり、コンピュー
タの時間計測機能等から月又は曜日等のカレンダ情報を
収集するように構成することができる。また、上記計画
対象時期の予測環境条件としては、計画対象時期が始ま
る前の時点における上記環境条件を利用できる。さら
に、1つの環境条件をパラメータとして抽出した過去の
負荷実績を、その過去と計画対象時期との間の他の環境
条件の差を用いて補正したものを、予測負荷とすること
もでき、予測負荷を計画対象時期における実際の負荷に
対してより近いものとすることができる。
【0026】〔構成7〕本発明に係るコジェネレーショ
ン装置の運転計画方法は、請求項7に記載したごとく、
上記構成1から6の何れかのコジェネレーション装置の
運転計画方法の構成に加えて、前記施設が、複数の住居
からなる集合住宅であり、前記配熱手段が、前記出力し
た熱により加熱した温水を前記各住居に設けられた給湯
器の給水として供給するように構成されていることを特
徴とする。
【0027】〔作用効果〕複数の住居からなるマンショ
ン等の集合住宅は、各住居における電力及び熱の消費状
態が夫々異なり、さらに日々変化する。よって、このよ
うな集合住宅にコジェネレーション装置を設ける場合、
コジェネレーション装置の運転時間帯を毎日同じ一定の
時間帯とすると、その電力及び熱の消費状態の変化によ
り、省エネルギ性及び経済性が低下してしまうことがあ
る。よって、特に集合住宅の場合は、本発明にかかるコ
ジェネレーション装置の運転計画方法により、その集合
住宅における電力及び熱の予測負荷を予測して、一日毎
にコジェネレーション装置の運転計画を行なうことが好
ましい。また、本構成のごとく、このように集合住宅に
コジェネレーション装置を設ける場合、配熱手段を、各
住居に設けられた給湯器に供給する給水として、コジェ
ネレーション装置の熱出力で加熱した温水を追い焚き等
をしないで供給するように構成することで、各住居の給
湯器におけるガスの消費量を節約することができ、有効
にコジェネレーション装置の熱出力を消費することがで
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明のコジェネレーション装置
の運転計画方法の実施の形態について、図面に基づいて
説明する。図1は、複数の住居20からなる集合住宅
に、コジェネレーションシステム50を設けた場合の全
体構成図である。このようなコジェネレーションシステ
ム50は、集合住宅における共有資産であり、集合住宅
の管理組合又はそれから委託された管理業者等が運営管
理する。
【0029】一般的に、各住居20には、電力を消費す
る電灯、空調設備等の電力消費部22や、給湯器21か
ら供給される湯水を消費するカラン、温水床暖房機、風
呂、浴室暖房乾燥機等の湯水消費部23や、ガスを消費
するコンロ等のガス消費部24や、水道から供給される
水を消費するカラン等の水消費部25等が存在する。ま
た、集合住宅の共有部には、外灯、エレベータ等の電力
消費部30が存在する。
【0030】この集合住宅において消費される電力とし
ては、電力供給業者から一括受電された電力と、後述の
コジェネレーション装置1から出力した電力とが利用さ
れ、上記電力は、その業者が設置した電力メータ6及び
コジェネレーションシステム50に設けられた変電設備
9を介して受電される。そして、電力供給業者は、電力
メータ6を検針し、電力の電力単価に基づいて、集合住
宅全体の電力料金を計算し、その電力料金を集合住宅の
管理組合等に課金する。
【0031】また、各住居20で消費される電力は、各
住居20に設けられた電力メータ26(電力負荷計測手
段の一例)により計測される。そして、集合住宅の管理
組合等は、その電力メータ26を毎月検針して、電力供
給業者が設定する電力の電力単価又は従量電灯の電力単
価等に基づいて、管理組合等が設定する料金体系で、各
住居20の電力料金を計算し、各住居20側へ課金す
る。また、共有部の電力消費部30で消費される電力
は、共益費として各住居20側へ課金される。尚、この
ようにコジェネレーション装置1で出力した電力を受電
電力と合わせて各住居20に供給する手段を配電手段と
呼ぶ。
【0032】また、集合住宅の各住居20において消費
されるガス及び水は、ガス供給業者及び水道業者から、
その業者が設置したガスメータ28及び水道メータ29
を介して各住居20に供給される。そして、夫々の供給
業者は、夫々のメータ28,29を検針し、夫々の単価
に基づいて、各住居20夫々の料金を計算し、その料金
を各住居20又はそれを一括管理する管理組合等に課金
する。
【0033】同様に、コジェネレーションシステム50
にも、ガス供給業者及び水道業者から、ガス及び水が、
その業者が設置したガスメータ7及び水道メータ8を介
して供給される。そして、同様に、夫々の業者は、その
ガス料金及び水道料金を管理組合等に課金する。
【0034】上記ガスメータ7を介してコジェネレーシ
ョンシステム50に供給されたガスは、コジェネレーシ
ョン装置1に供給される。コジェネレーション装置1
は、ガスエンジンやガスタービンや燃料電池等のよう
に、ガスを消費して電力と熱とを出力するものであり、
このように出力された電力は、上記一括受電した電力と
合わせて、各住居20等に供給される。
【0035】上記水道メータ8を介してコジェネレーシ
ョンシステム50に供給された水は、コジェネレーショ
ン装置1から出力された熱により加熱された温水を貯留
する貯湯槽2に供給される。即ち、コジェネレーション
システム50には、コジェネレーション装置1から出力
された熱との熱交換により水を加熱する熱交換器4と、
内部に貯留する水を循環ポンプ5により熱交換器4側に
循環させて加熱させ、その加熱された温水を貯留する貯
湯槽2と、その貯湯槽2に貯留された温水を各住居20
に供給するための供給ポンプ3と、各住居20に供給さ
れた温水量を計測する温水メータ27とが設けられてい
る。また、この温水を各住居20に供給して水位が下が
った貯湯槽2には、その水位が下がった分の水が、水道
業者から水道メータ8を介して供給される。尚、このよ
うにコジェネレーション装置1で出力した熱を、温水と
して蓄熱して、その蓄熱した熱を、温水として各住居2
0へ供給する手段を配熱手段と呼ぶ。
【0036】コジェネレーション装置1は、CPUを設
けたコンピュータで構成された制御装置10によって運
転開始及び停止及び出力調整等の運転制御が行われる。
尚、制御装置10に設けられる後述の各手段は、CPU
が予めハードディスク等の記憶手段14に格納されたプ
ログラムを実行することで実現されるものである。
【0037】制御装置10は、図2に示すように、電力
供給業者からの電力受電点に設けられた電力メータ6
と、各住居20に設けられた電力メータ26及び温水メ
ータ27との夫々の計測結果が入力される入力部16
と、コジェネレーション装置1を運転制御するための指
令信号が出力される出力部17とが設けられている。さ
らに、制御装置10には、一定時間毎に、上記電力メー
タ26から各住居20に供給した電力を電力負荷として
収集し、さらに、上記温水メータ27から収集した各住
居20に供給した温水量の和と、貯湯槽2内に設けられ
た温度センサ(図示せず)から収集した温水の温度とか
ら、集合住宅における熱負荷を算出して、このようにし
て得た電力負荷と熱負荷とから、その日の電力負荷の経
時的変化を示す電力負荷データと、その日の熱負荷の経
時的変化を示す熱負荷データとを生成して、記憶手段1
4に格納する負荷データ生成手段11が設けられてい
る。尚、上記温水メータ27及び貯湯槽2内の温度セン
サのように、集合住宅における熱負荷を計測する手段を
熱負荷計測手段と呼ぶ。尚、電力負荷を収集するため
に、電力消費部30の分岐点よりも下手側の電力線にお
いて、各住居20に分岐する手前に電力メータ61を設
けて、この電力メータ61から電力負荷を収集するよう
にしても、受電点に設けられた電力メータ6での計測値
を用いてもよい。又、熱負荷を算出するための温水量と
しては、各住居20側に設けた温水メータ27の計測値
を用いるのではなく、貯湯槽2からの温水供給路におけ
る各住居20に分岐する手前に設けた温水メータ71の
計測値を用いてもよい。
【0038】さらに、コジェネレーションシステム50
には、外気温、水道業者から供給される水の温度等の外
部環境条件を検出する環境条件検出手段31が設けら
れ、この環境条件検出手段31の検出結果が、制御装置
10に送られる。そして、制御装置10は、その検出さ
れた環境条件も、上記負荷データに関連付けて記憶手段
14に格納する。
【0039】さらに、制御装置10の記憶手段14に
は、1日におけるコジェネレーション装置1の運転時間
帯に関する運転スケジュールデータが格納されている。
そして、制御装置10の運転制御手段13は、その記憶
手段14に格納された運転スケジュールデータに基づい
て、前記コジェネレーション装置1の運転を開始及び停
止させる。さらに、運転制御手段13は、各住居20の
電力メータ26で計測された電力の和(電力負荷)がコ
ジェネレーション装置1の定格運転時の電力出力よりも
充分大きい場合には定格運転を行ない、それ以外の場合
には常に電力出力が電力負荷よりも所定量小さくなる電
力追従運転を行なう、所謂電主運転を行なうように、コ
ジェネレーション装置1に投入するガス流量等を調整
し、コジェネレーション装置1の運転を制御する。尚、
上記の電主運転に際して用いる電力負荷の計測にあたっ
ては、受電点に設けられた電力メータ6での計測値を用
いてもよい。
【0040】また、上記記憶手段14に格納されている
運転スケジュールデータは、制御装置10に設けられた
運転計画手段12により実行される運転計画方法により
生成されたものであり、その運転計画方法の処理フロー
について、図3に基づいて説明する。
【0041】制御装置10に設けられた運転計画手段1
2は、コジェネレーション装置1の運転を行なわない午
前中の所定の時間に、コジェネレーション装置1の午後
(計画対象時期の一例)における運転時間帯を計画する
上記運転計画方法を実行する。この運転計画方法におい
ては、まず、上記環境条件検出手段31により、その運
転計画を行なう時点の外気温、水道業者から供給される
水の温度等の外部環境条件を取得する(工程100)。
【0042】次に、記憶手段14にアクセスして、上記
計測した環境条件をパラメータとして、同じ時期(例え
ば同じ月等)に、同等の環境条件が計測された過去の電
力負荷データ及び熱負荷データを抽出し(工程10
1)、その抽出した夫々の負荷データを、当日の予測電
力負荷データ及び予測熱負荷データとして生成する(工
程102)。このように生成された予測負荷データは、
図4のグラフ図に示すように、当日の時間毎の予測電力
負荷、及び図5のグラフ図に示すように、当日の時間毎
の予測熱負荷から構成される。上記工程101及び工程
102のように、計測された過去の電力負荷及び熱負荷
の経時的変化を示すデータから、集合住宅における予測
電力負荷及び予測熱負荷の経時的変化を示す予測負荷デ
ータを生成する工程を負荷予測工程と呼ぶ。
【0043】また、このように過去の電力又は熱負荷デ
ータを抽出する場合には、当日と同じ曜日又は祝日であ
る過日の各負荷データを抽出することが好ましく、夫々
の予測負荷データを実際の当日の集合住宅における負荷
データに近いものとすることができる。
【0044】次に、運転計画手段12は、このように生
成された予測電力負荷データに対するコジェネレーショ
ン装置1の電主運転をシミュレートし(工程103)、
そのシミュレート結果から、このように電主運転させた
場合にコジェネレーション装置1から出力される熱出力
である熱出力データを生成する(工程104)。
【0045】上記電主運転のシミュレートにおいては、
コジェネレーション装置1の電力出力が、定格出力以下
で、且つ逆潮流を防止するべく上記予測電力負荷により
も常に一定以上小さいときのコジェネレーション装置1
の運転条件が求められ、この運転条件から、このような
電主運転を行なったときのコジェネレーション装置1の
上記熱出力が求められる。上記工程103及び工程10
4のように、予測電力負荷に対する電主運転を行なった
場合のコジェネレーション装置1の熱出力としての熱出
力データを生成する工程を熱出力導出工程と呼ぶ。
【0046】次に、運転計画手段12は、詳細について
は後述するが、上記生成した熱出力データと、上記予測
した予測熱負荷データとを比較し(工程105)、当日
におけるコジェネレーション装置1の電主運転を行なう
運転時間帯を決定し(工程106)、その決定した運転
時間帯に基づいて、上記記憶手段14に記憶してある運
転スケジュールデータを更新する(工程107)。そし
て、制御装置10の運転制御手段13は、このように更
新された運転スケジュールデータに基づいて、コジェネ
レーション装置1の運転開始及び運転停止を行い、さら
に、運転時においては、上記のシミュレート結果である
電主運転時の運転条件に基づいて、コジェネレーション
装置1を電主運転させるのである。
【0047】また、運転計画手段12は、コジェネレー
ション装置1を酷使することなく、コジェネレーション
装置1の予め設定した耐用年数を維持するために、上記
工程106において、決定する運転時間帯の時間長さ
を、予め設定されている最大時間長さ以下となるように
制限することができる。さらに、運転計画手段12は、
コジェネレーション装置1を、できるだけ高効率な定格
運転又はそれに近い運転状態のときを選択して運転する
ために、上記シミュレート結果において、コジェネレー
ション装置1の電力出力が定格出力又は予め設定されて
いる出力以上となる時間が最大となるように、上記運転
時間帯を決定することができる。
【0048】以下に、運転計画手段12が運転時間帯を
決定する詳細について説明する。本実施形態において
は、コジェネレーション装置1の運転停止時間は、不変
的に予め24時に設定されている。そして、運転計画手
段12は、コジェネレーション装置1の運転開始時間を
決定することで、上記運転時間帯を決定する。これは、
集合住宅における電力負荷及び熱負荷は、図4及び図5
に示すように、一般的に夜間の21時前後に最も大きく
なり、24時に向って減少するので、この時間帯をカバ
ーするようにコジェネレーション装置1を運転すれば効
率良く電力出力及び熱出力を集合住宅で消費できるから
である。
【0049】そして、運転計画手段12は、まず、コジ
ェネレーション装置1の運転停止を行なう24時からさ
かのぼって、コジェネレーション装置1の電力出力が、
定格出力であり、且つ、そのときの予測熱負荷が、コジ
ェネレーション装置1の熱出力よりも大きい最も早い時
間(図4及び図5を参照して、19時程度がその時間で
あるといえる。)よりも以前の時間を、上記コジェネレ
ーション装置1の運転開始時間とする。即ち、このよう
な時間は、コジェネレーション装置1の運転状態を、最
も効率が良い定格運転状態としても、その電力出力及び
熱出力が予測電力負荷及び予測熱負荷を超えることがな
いので、効率良くコジェネレーション装置1の電力出力
及び熱出力を、集合住宅において消費できる時間であ
る。図4及び図5においては、19時程度がその時間で
あるといえる。
【0050】また、集合住宅において、上記のように、
コジェネレーション装置1の運転停止時間を不変的に2
4時に設定し、その24時からさかのぼってコジェネレ
ーション装置1の出力が定格出力である最も早い時間よ
りも以前の時間を運転開始時間とすることで、コジェネ
レーション装置1の運転時間帯において、コジェネレー
ション装置1の出力を定格出力として、高効率で運転す
ることができる時間を最大とすることができる。
【0051】さらに、運転計画手段12は、その時間か
らさかのぼって、コジェネレーション装置1の運転時間
帯における熱出力の積算値が、その運転時間帯における
予測熱負荷の積算値、又は、当日における予測熱負荷の
積算値と等しくなる時間(図5を参照して、14時がそ
の時間であるといえる。)を求め、その時間をコジェネ
レーション装置1の運転開始時間とし、この運転開始時
間(14時)から、予め設定されている運転停止時間
(24時)までを、コジェネレーション装置1の運転時
間帯として決定する。
【0052】即ち、このように決定した運転時間帯は、
少なくともコジェネレーション装置1を最も効率のよい
定格運転することができる時間帯(19時から24時)
を含むと共に、この運転時間帯で出力し蓄熱された熱
量、即ち熱出力の積算値は、その運転時間帯又は当日の
熱負荷の積算値に近いものとなり、集合住宅において効
率よく熱出力を消費することができる。尚、上記のよう
に14時から19時までの間において、コジェネレーシ
ョン装置1は、電力追従運転を行なう。
【0053】尚、上記のように、コジェネレーション装
置1の運転停止を行なう時間からさかのぼって、コジェ
ネレーション装置1の運転開始を行なう時間を求める場
合には、上記電力と熱負荷の予測、及びコジェネレーシ
ョン装置1の電主運転のシミュレート、及び運転時間帯
の決定を、上記停止時間からさかのぼって一定時間毎
(例えば1時間毎)を計画時間帯として繰り返し行なっ
ても構わない。
【0054】また、上記実施の形態において、上記環境
条件検出手段31により計測した外気温、水道業者から
供給される水の温度等の外部環境条件をパラメータとし
て、同じ時期に同等の環境条件が計測された過去の電力
負荷データ及び熱負荷データを、当日の予測電力負荷デ
ータ及び予測熱負荷データとして生成したが、上記環境
条件検出手段31の代わりに、インターネット端末等に
より、当日の予測気温、予測湿度、予測水温等の環境条
件を、気象情報提供業者が運営するホームページ等から
収集するように構成しても構わない。さらに、過去の電
力負荷データ及び熱負荷データを、過去と現在における
上記パラメータ以外の環境条件の差を用いて補正して、
上記予測電力負荷データ及び予測熱負荷データの信頼性
を向上させることもできる。尚、上記補正は、予め統計
等に基づいて決定した上記環境条件の差に対する補正係
数を、過去の負荷データにかけることで実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集合住宅に設けられたコジェネレーションシス
テムの全体構成図
【図2】コジェネレーションシステムに設けられた制御
装置の概略構成図
【図3】運転計画方法の処理フローを示すフロー図
【図4】予測電力負荷と電力出力との経時的変化を示す
グラフ図
【図5】予測熱負荷と熱出力との経時的変化を示すグラ
フ図
【符号の説明】
1 コジェネレーション装置 2 貯湯槽 3 供給ポンプ 4 熱交換器 5 循環ポンプ 6 電力メータ 7 ガスメータ 8 水道メータ 9 変電設備 10 制御装置 11 負荷データ生成手段 12 運転計画手段 13 運転制御手段 14 記憶手段 20 住居 21 給湯器 22 電力消費部 23 湯水消費部 24 ガス消費部 25 水消費部 26 電力メータ(電力負荷計測手段) 27 温水メータ(熱負荷計測手段) 28 ガスメータ 29 水道メータ 30 電力消費部 50 コジェネレーションシステム 61 電力メータ 71 温水メータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川▲崎▼ 斉司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 5G066 HA15 HA30 HB02 JA07 JB06 KA01 KA06 KA11 KA12 KB01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力と熱とを出力するコジェネレーショ
    ン装置と、前記出力した電力を受電電力と合わせて施設
    に供給する配電手段と、前記出力した熱を、蓄熱した後
    に前記施設に供給する配熱手段とを備えたコジェネレー
    ションシステムにおいて、前記コジェネレーション装置
    の運転計画を行なう運転計画方法であって、 計測手段により計測され記憶手段に記憶された、過去の
    前記施設の電力負荷実績及び熱負荷実績から、前記運転
    計画の計画対象時期における前記施設の予測電力負荷及
    び予測熱負荷を予測する負荷予測工程と、 前記予測電力負荷に対して前記コジェネレーション装置
    の電主運転を行なった場合の前記コジェネレーション装
    置の熱出力を導出する熱出力導出工程と、 前記予測熱負荷の前記計画対象時期における積算値であ
    る予測積算熱負荷と、前記熱出力の前記運転時間帯にお
    ける積算値である積算熱出力とを比較して、前記計画対
    象時期において前記コジェネレーション装置の電主運転
    を行なう運転時間帯を決定する運転時間帯決定工程とを
    実行するコジェネレーション装置の運転計画方法。
  2. 【請求項2】 前記運転時間帯決定工程が、前記予測積
    算熱負荷と前記積算熱出力とが同等となるように、前記
    運転時間帯を決定する工程である請求項1に記載のコジ
    ェネレーション装置の運転計画方法。
  3. 【請求項3】 前記運転時間帯決定工程において、前記
    コジェネレーション装置の出力が定格出力又は指定した
    出力以上となる時間が最大となるように、前記運転時間
    帯を決定する請求項1又は2に記載のコジェネレーショ
    ン装置の運転計画方法。
  4. 【請求項4】 前記運転時間帯決定工程において、所定
    の運転終了時間に対する運転開始時間を決定して、前記
    運転時間帯を決定する請求項1又は2に記載のコジェネ
    レーションの運転計画方法。
  5. 【請求項5】 前記運転時間帯決定工程において、前記
    運転時間帯の時間長さが所定の最大時間長さ以下に制限
    されている請求項1から4の何れか1項に記載のコジェ
    ネレーション装置の運転計画方法。
  6. 【請求項6】 前記負荷予測工程が、前記施設の環境条
    件をパラメータとして、前記電力負荷実績及び前記熱負
    荷実績から、前記予測電力負荷及び前記予測熱負荷を予
    測する工程である請求項1から5の何れか1項に記載の
    コジェネレーション装置の運転計画方法。
  7. 【請求項7】 前記施設が、複数の住居からなる集合住
    宅であり、 前記配熱手段が、前記出力した熱により加熱した温水を
    前記各住居に設けられた給湯器の給水として供給するよ
    うに構成されている請求項1から6の何れか1項に記載
    のコジェネレーション装置の運転計画方法。
  8. 【請求項8】 電力と熱とを出力するコジェネレーショ
    ン装置と、前記出力した電力を受電電力と合わせて施設
    に供給する配電手段と、前記出力した熱を、蓄熱した後
    に前記施設に供給する配熱手段とを備えたコジェネレー
    ションシステムにおける前記コジェネレーション装置の
    運転制御方法であって、 請求項1から7の何れか1項に記載の運転計画方法に含
    まれる各工程を、前記計画対象時期開始前に実行して、
    前記運転時間帯を決定し、 前記計画対象時期において、前記決定された運転時間帯
    に、前記コジェネレーション装置の電主運転を行なうコ
    ジェネレーション装置の運転制御方法。
  9. 【請求項9】 電力と熱とを出力するコジェネレーショ
    ン装置と、前記出力した電力を受電電力と合わせて施設
    に供給する配電手段と、前記出力した熱を、蓄熱した後
    に前記施設に供給する配熱手段とを備えたコジェネレー
    ションシステムであって、 前記施設の電力負荷を計測する電力負荷計測手段と、 前記施設の熱負荷を計測する熱負荷計測手段と、 前記電力負荷計測手段及び前記熱負荷計測手段により計
    測した前記電力負荷及び前記熱負荷を記憶する記憶手段
    と、 請求項1から7の何れか1項に記載のコジェネレーショ
    ン装置の運転計画方法に含まれる各工程を実行する運転
    計画手段と、 前記運転計画手段で決定された運転時間帯に、前記コジ
    ェネレーション装置の電主運転を行なう運転制御手段と
    を備えたコジェネレーションシステム。
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