JP2008249198A - コジェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】電熱需要の予測精度を向上し、省エネルギーで運転することができるコジェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】ジェネレーションシステム1において、給電装置11と、給湯ユニット20と、外気温を取得する外気温センサ90と、電力需要及び給湯需要のうち少なくとも一つからなる電熱需要を稼動時の外気温情報と対応させて記録する電熱需要記録部82と、外気温情報と過去の電熱需要とに基づいて、未来の電熱需要を予測する電熱需要予測部85と、未来の電熱需要に基づいて給電装置11及び給湯ユニット20の運転計画を作成する運転計画部86と、運転計画に基づいて、給電装置及び給湯装置を運転する命令出力部87と、を備えることで、外気温に応じた利用者の生活パターンを反映させた電熱需要の予測ができる。
【選択図】図1
【解決手段】ジェネレーションシステム1において、給電装置11と、給湯ユニット20と、外気温を取得する外気温センサ90と、電力需要及び給湯需要のうち少なくとも一つからなる電熱需要を稼動時の外気温情報と対応させて記録する電熱需要記録部82と、外気温情報と過去の電熱需要とに基づいて、未来の電熱需要を予測する電熱需要予測部85と、未来の電熱需要に基づいて給電装置11及び給湯ユニット20の運転計画を作成する運転計画部86と、運転計画に基づいて、給電装置及び給湯装置を運転する命令出力部87と、を備えることで、外気温に応じた利用者の生活パターンを反映させた電熱需要の予測ができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、コジェネレーションシステムに関するものである。
従来のコジェネレーションシステムとして、例えば特許文献1には、給電装置が発生する熱を用いて水を温水に変え、その温水を貯湯槽に貯えて利用するシステムが記載されている。特許文献1に記載のシステムは、過去の時刻帯別の電熱需要(電力負荷、熱負荷等)に基づいて電熱需要を予想して運転制御するシステムである。
特開2005−3341号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコジェネレーションシステムにあっては、電熱需要の予測に利用者の生活パターンを充分に反映できないため、電熱需要の予測精度が良くない場合もあり、効率的にシステムの運転がなされない恐れがある。
そこで、本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、電熱需要の予測精度を向上し、利用者の省エネルギーを高める効率の良い運転をすることができるコジェネレーションシステムを提供すること目的とする。
すなわち本発明に係るコジェネレーションシステムは、燃料を用いて電力及び熱を発生し、電力を供給する給電装置と、給電装置が発生した熱を用いて水を温め、温水を供給する給湯装置と、外気温を示す外気温情報を取得する情報取得手段と、電力需要及び給湯需要のうち少なくとも一つからなる電熱需要を、情報取得手段によって取得された稼動時の外気温情報と対応させて記録する記録手段と、情報取得手段によって取得された現在又は未来の外気温情報と記録手段によって記録された過去の電熱需要とに基づいて、未来の電熱需要を予測する予測手段と、予測手段によって予測された未来の電熱需要に基づいて、給電装置及び給湯装置の運転計画を作成する計画手段と、計画手段によって作成された運転計画に基づいて、給電装置及び給湯装置を運転する運転手段と、を備えて構成される。
このような構成によって、過去の外気温別の電熱需要を記録し、記録した電熱需要に基づいて、外気温に応じた利用者の生活パターンを反映させた電熱需要の予測ができる。これにより、電熱需要の予測が高精度となり、その予測に基づいて給電装置及び給湯装置の運転をすることによって、コジェネレーションシステムの省エネルギー化を図ることができる。
ここで、コジェネレーションシステムにおいて、情報取得手段によって取得された現在の外気温情報に基づいて、外気温が所定の温度以下であるか否かを判断する判断手段と、を備え、運転手段は、判断手段によって外気温が所定の温度以下であると判断された場合に、給電装置及び給湯装置を運転状態とすることが好適である。
このような構成によって、外気温が所定の温度以下になった場合には、給電装置及び給湯装置を運転状態とするため、コジェネレーションシステムに繋がる水経路に水が流れることで水経路の凍結を防止することができる。なお、「水」とは、その温度に関係なく液体状態である水のことであって、温水とは「水」に熱を加えたものである。
さらに、コジェネレーションシステムにおいて、外気温に関する情報は、気象予報によって予想される外気温であることが好適である。このような構成によって、予想される外気温が所定の温度以下になった場合には、給電装置及び給湯装置を運転状態とするため、事前に水経路の凍結防止準備を行うことができる。
本発明によれば、コジェネレーションシステムにおいて、電熱需要の予測精度を向上し、利用者の省エネルギーを高める効率の良い運転をすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は実施形態に係るコジェネレーションシステム1の構成を示すブロック図であり、図2は図1の運転制御装置80の構成を示すブロック図である。図1に示すコジェネレーションシステム1は、給電装置11が発生する熱を用いて水を温水に変え、その温水を貯湯槽21に貯えて利用するコジェネレーションシステムであって、例えば家庭用として用いられるものである。
図1に示すようにコジェネレーションシステム1は、コジェネレーションユニット10と、貯湯ユニット(給湯装置)20と、給湯器30とを備えている。コジェネレーションシステム1は、商用電力系統50、給水系統60及び燃料系統70に接続している。
コジェネレーションシステム1は、コジェネレーションユニット10で発電した電力を電気機器EIに供給するとともに、発電に伴って発生した熱で加熱した水を貯湯槽21に貯めて熱機器HIに供給する。
コジェネレーションユニット10は、給電装置11と、熱交換器12と、制御部13とを有する。給電装置11は、電力及び熱の双方を発生する装置であって、例えば燃料電池、又は内燃機関(例えばガスエンジン)とこの内燃機関により駆動される給電装置との組合せ、又は外燃機関と給電装置との組合せなどである。給電装置11は燃料系統70に第1燃料管71を介して接続されている。また、給電装置11は、燃料系統70から供給される燃料を用いて発生させた電力を、電力線14を介して電気機器EIに出力し、発電に伴って発生する熱を熱交換器12に伝達する。
電力線14は商用電力系統50から供給される電力を送電する電力線51と接続しており、給電装置11において発生された電力だけでなく、商用電力系統50からの電力も共に電気機器EIに供給する。
電力線51上には電流計46が設置されており、商用電力系統50から電気機器EIに供給される電力を電流値として計測する。また、給電装置11には、給電装置11が発電した電力を計測可能な電流計(不図示)が備わっている。
熱交換器12は、給電装置11で発生する熱を回収し、熱交換器12と貯湯槽21との間で水を循環させる熱回収用配管2A、2B内の水に熱を伝達する。より具体的には、熱交換器12は、貯湯槽21から流出された熱回収用配管2B内の水に熱を伝達し、貯湯槽21に流入する熱回収用配管2A内に熱伝達された水を流す。制御部13は、給電装置11の運転を制御するための手段であり、後述する運転制御装置80の信号に基づいて給電装置11の運転を制御するための手段である。
貯湯ユニット20は、貯湯槽21と三方弁25とを有し、これらは第1出湯用配管22、配管23、上水用配管24、及び第2出湯用配管26を介して給湯器30に接続している。貯湯槽21は、熱交換器12において熱伝達された水を貯えるタンクである。この貯湯槽21は、上部において熱回収用配管2Aと接続しており、熱交換器12で熱伝達された水を、熱回収用配管2Aを介して流入可能な構成となっている。貯湯槽21は、下部において熱回収用配管2Bと接続しており、貯湯槽21の下部に貯えられた水を流出し、熱交換器12に流入可能な構成となっている。また、貯湯ユニット20は、貯湯槽21に貯えられた水の温度を計測可能な温度計(不図示)が備わっている。この温度計は、例えば、貯湯ユニット20の筐体の内側に設けられる。また、温度計として、熱電対やサーミスタ等が用いられているが、これに限定されない。
貯湯槽21は、上部においてさらに第1出湯用配管22と接続しており、貯湯槽21の上部に貯えられた水を出湯可能な構成となっている。貯湯槽21は、下部において配管23と接続しており、貯湯槽21の下部から上水を給水可能な構成となっている。配管23には、上水用配管24から上水が流入する。配管23上には流量計43が接続されており、貯湯槽21に供給される上水の流量を計測する。
三方弁25は、第1出湯用配管22及び上水用配管24の双方から流入した水を第2出湯用配管26に流出することが可能な構成になっている。上水用配管24は、商用の給水系統60から上水を貯湯槽21に供給する水道管61と接続している。
第2出湯用配管26は、第1出湯用配管22によって運ばれた水及び上水用配管24によって運ばれた水の双方を混合した水又は一方の水を給湯器30へ流出する。
給湯器30は、第2出湯用配管26によって流入された水を、出湯用配管3を介して熱機器HIに供給する。出湯用配管3上には流量計44が接続されており、熱機器HIに流入する水の流量を計測する。また、給湯器30は、第1燃料管71と接続した第2燃料管72を介して燃料系統70に接続され、必要に応じて第2出湯用配管26によって流入された水を加熱する。給湯器30は、給湯する水の温度を計測可能な温度計(不図示)が備わっている。この温度計として、熱電対やサーミスタ等が用いられているが、これに限定されない。
上記のように構成されるコジェネレーションシステム1は、コジェネレーションユニット10で発電した電力を電気機器EIに供給すると共に、発電に伴って発生した熱で加熱した水を貯湯槽21に貯めて熱機器HIに供給する。また、各温度計、流量計、電力計によってコジェネレーションシステム1の消費電力及び消費給湯量を把握することができる。
ここで、特に本実施形態のコジェネレーションシステム1においては、外気温センサ(情報取得手段)90及び運転制御装置80を備えて構成される。
外気温センサ90は、温度情報を取得する温度センサであって、屋外の温度情報すなわち外気温情報を取得する。また、外気温センサ90は、取得した外気温情報を運転制御装置80へ出力する機能を有している。外気温センサ90には熱電対やサーミスタ等が用いられているが、気温センサを構成する素子はこれに限定されない。
運転制御装置80は、例えば、電子制御するデバイスであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。また、コジェネレーションユニット10や貯湯ユニット20にCPU、ROM、RAM等が備わる場合は、そのハードウェア資源を利用して動作するものであっても良い。
運転制御装置80の入出力インターフェイスには、コジェネレーションユニット10及びそれに備わる電流計、貯湯ユニット20及びそれに備わる温度計、給湯器30及びそれに備わる温度計、外気温センサ90、気象予報センタ(情報取得手段)91、流量計43、44、電流計46に、直接あるいはネットワークを介して論理的に接続されており、信号の送受信が可能となっている。気象予報センタ91は、現在の外気温情報、予想外気温情報、現在から過去6時間前の平均外気温情報を提供する情報源である。そして、運転制御装置80は、外気温センサ90又は気象予報センタ91から外気温を示す情報を入力し、外気温情報に基づいてコジェネレーションユニット10及び貯湯ユニット20の運転を制御する。
この運転制御装置80は、図2に示すように、情報入力部81、電熱需要記録部(記録手段)82、履歴情報DB83、外気温判断部84、電熱需要予測部(予測手段)85、運転計画部(計画手段)86、命令出力部(運転手段)87を備えて構成されている。
情報入力部81は、各センサから情報を入力する入力部であって、外気温センサ90又は気象予報センタ91から外気温情報又は予想外気温情報を入力する機能を有している。また、コジェネレーションユニット10に備わる電流計、電流計46、貯湯ユニット20や給湯器30に備わる温度計、流量計43、44から電流値、温度、流量を示す情報を入力する機能を有している。情報入力部81は、入力した外気温情報、電流値、温度、流量を示す情報、及びこれらの情報入力時の時刻を電熱需要記録部82に出力すると共に、外気温情報又は予想外気温情報を外気温判断部84へ出力する機能を有している。
電熱需要記録部82は、情報を履歴として記録する記録部であって、情報入力部81から入力された情報を基に、コジェネレーションシステム1の電力需要および給湯需要を算出し、外気温情報及び計測時刻と対応させて履歴情報DB83へ記録する機能を有している。
履歴情報DB83は、外気温別及び時間帯別に電力需要および給湯需要を格納したデータベースであって、過去のコジェネレーションシステム1の電熱需要を検索することができる。
外気温判断部84は、情報入力部81から入力した外気温情報及び予想外気温情報に基づいて、外気温が所定の温度以上であるか否かを判断する判断部である。また、外気温判断部84は、判断結果を電熱需要予測部85へ出力する機能を有している。
電熱需要予測部85は、現在以降のコジェネレーションシステム1の電熱需要を予測する予測部であって、現在または予想された未来の外気温情報と、履歴情報DB83に格納された過去の電熱需要とに基づいて現在以降の電熱需要を予測する機能を有している。また、予測した未来の電熱需要を運転計画部86へ出力する機能を有している。
運転計画部86は、コジェネレーションシステム1の運転を計画する処理部であって、予想される電熱需要に対して、例えば、コジェネレーションユニット10の発電量、給湯器30の燃焼量、及び商用電力系統50から供給される電力量等の最適量を計算し、コジェネレーションシステム1の運転を計画する機能を有している。また、運転計画部86は、運転計画を命令出力部87へ出力する機能を有している。
命令出力部87は、運転計画部86から得られた運転計画に基づいて、例えば、コジェネレーションユニット10の発電量を制御する命令を、コジェネレーションユニット10、給湯器30へ出力する機能を有している。
次に、本実施形態に係るコジェネレーションシステム1に備わる運転制御装置80の動作について、図3、4、5を参照して説明する。図3、5は運転制御装置80の動作を示すフローチャートであり、図4は運転制御装置80に備わる履歴記録DB83に格納された情報の一部を示すテーブルである。
まず、図3を用いて、履歴記録DB83に格納された図4のテーブルを作成する処理を説明する。運転制御装置80は、図3に示す制御処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。最初に、運転制御装置80は、外気温情報入力処理から開始する(S14)。S14の処理は、情報入力部81で実行され、現在の外気温を示す情報を外気温センサ90又は気象予報センタ91から入力する処理である。S14の処理が終了すると、電熱需要入力処理へ移行する(S16)。
S16の処理は、情報入力部81で実行され、現在の電熱需要を示す情報を入力する処理である。ここで、電熱需要とは、コジェネレーションシステム1の利用者が消費した電力量及び熱量のことであり、例えば、電力需要および給湯需要として表現される。電力需要は、利用者が消費した電力量、例えば、電気機器EIに供給された電力量であって、商用電力系統80から供給された電力量と給電装置11から供給された電力量との合計である。商用電力系統80から供給された電力量は、電流計46で計測された電流値から計算され、給電装置11から供給された電力量は、コジェネレーションユニット10に備わる図示しない電流計で計測された電流値から計算される。また、給湯需要は、利用者が消費した熱量、例えば、熱機器HIに供給された熱量であって、給湯器30から給湯された水量及び熱量によって計算される。供給された水量は流量計44で計測され、その温度は給湯器30に備わる図示しない温度計で測定される。S16の処理では上述の電熱需要を示す情報である、流量、温度、電流値を入力する処理である。S16の処理が終了すると、テーブル更新処理へ移行する(S18)。
S18の処理は、電熱需要記録部82で実行され、図4に示すテーブルを更新する処理である。まず、S16の処理で得られた電流値から電力需要を、流量及び温度から給湯需要を計算し、履歴情報DB83に電力需要及び給湯需要を現在時刻、現在外気温の情報と共に記録する。次に、履歴情報DB上で記録した情報を時刻別、外気温別に母集団を形成する。時刻別に母集団を形成する場合は、基準となる時刻から前後30分に含まれるものを対象として形成する。例えば、母集団の基準となる時刻を1時とすると、12時55分に取得したデータや1時05分に取得したデータもこの母集団に含まれる。次に、時刻別に形成した母集団を外気温別に分別して、母集団を形成する。例えば、0℃以下、0℃より大きく10℃以下、10℃より大きく20℃以下、20℃より大きく30℃以下、30℃より大きい場合に分別する。このように形成した各母集団において、電力需要及び給湯需要の平均値を各々計算する。
上記計算により求めた電力需要及び給湯需要の平均値を時刻別、外気温別に纏めたものが図4に示すテーブルである。テーブルの行には、電力需要及び給湯需要が外気温別に表示されており、テーブルの列は時刻別に上記の計算によって算出された電力需要の平均値および給湯需要の平均値が表示されている。これらの単位は、例えばWhである。このようにS18の処理によって、テーブル作成又は更新が行われる。S18の処理が終了すると、図3に示す制御処理が終了する。
次に、図5を用いて、図4のテーブルに基づいた運転制御装置80の処理について説明する。運転制御装置80は、図5に示す制御処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
まず、運転制御装置80は、外気温情報入力処理から開始する(S20)。S20の処理は、情報入力部81で実行され、例えば、現在の外気温を示す情報を外気温センサ90から入力する。また、現在の外気温又は当日の予想外気温を示す情報を気象予報センタ91から入力する処理であってもよい。さらに、S20の処理において、履歴情報DB83又は気象予報センタ91から上記情報に加えて6時間前から現在時刻までの平均外気温を入力してもよい。S20の処理が終了すると、外気温判断処理へ移行する(S22)。
S22の処理は、外気温判断部84で実行され、S20の処理で得られた現在の外気温情報又は当日の予想外気温情報に基づいて、外気温又は当日の予想外気温が所定の温度以下であるか否かを判断する処理である。所定の温度は、コジェネレーションシステム1に繋がる水経路及びその周辺の凍結が発生する温度が好適であり、例えば0℃が設定される。S22の処理において、外気温又は当日の予想外気温が0℃以下であると判断された場合は、システム状態確認処理へ移行する(S24)。
S24の処理は、外気温判断部84で実行され、コジェネレーションシステム1の起動状態を確認する処理である。起動状態とは、コジェネレーションユニット10及び貯湯ユニット20の運転状態のことであり、電力発生、熱発生、及び水の循環がなされている場合を運転状態という。反対に、コジェネレーションユニット10及び貯湯ユニット20の何れか一方が運転状態で無い場合を停止状態といい、このような場合において、コジェネレーションシステム1は停止状態であると判断する。S24の処理において、コジェネレーションシステム1が停止状態であると判断された場合は、システム起動処理へ移行する(S26)。
S26の処理は、命令出力部87で実行され、コジェネレーションシステム1を起動状態とする処理である。具体的には、コジェネレーションユニット10及び貯湯ユニット20を運転状態とする処理である。S26の処理が終了すると、図5に示す制御処理を終了する。
一方、S24の処理において、コジェネレーションシステム1が停止状態ではないと判断した場合は、図5に示す制御処理を終了する。
上述のS20の処理からS26の処理を実行することによって、外気温及び当日の予想外気温が0℃以下となった場合において、システム起動が可能となり、コジェネレーションシステム1に繋がる水経路に水を循環させることによって水経路の凍結を防止することができる。また、当日の予想外気温を用いることによって、コジェネレーションシステム1の起動に時間がかかる場合であっても、0℃以下となる時間帯にはコジェネレーションシステム1に繋がる水経路に水を循環させることができるため、水経路の凍結を確実に防止することができる。
一方、S22の処理において、外気温又は当日の予想外気温が0℃以下ではないと判断した場合は、平均外気温分別処理へ移行する(S28)。S28の処理は、電熱需要予測部85で実行され、S20の処理で入力した過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温を温度別に分別するための処理であって、ここでは過去6時間の平均の外気温、又は予想外気温が0℃以下か否かを判断する。S28の処理において、過去6時間の平均の外気温が0℃以下であると判断した場合は、テーブル参照処理へ移行する(S30)。
S30の処理は、電熱需要予測部85で実行され、図4のテーブルの0℃以下の行に記載された電力需要及び供給需要の少なくとも一方の行の値を参照して入力する処理である。S30の処理が終了すると、運転計画作成処理へ移行する(S32)。
S32の処理は、運転計画部86で実行され、コジェネレーションシステム1の運転計画を作成する処理である。ここで、運転計画とは、現在時刻から所定時刻までにおいて、コジェネレーションシステム1の起動停止制御、発電装置11の発電量制御、給湯器30の発熱量制御、商用電力系統50から供給される供給電力量制御の何れか一つを含む制御をどのように行うかを計画したものである。この運転計画は、所定の時刻における電熱需要が、S30の処理で参照した電力需要及び供給需要の少なくとも一方からなる電熱需要の値、すなわち制御目標となる電熱需要の値になるように、発電装置11、貯湯ユニット20、商用電力系統50、給湯器30を現在の貯湯ユニット20の蓄熱量を考慮して制御する。上述の各電熱供給源はそれぞれ発熱効率や発電効率等が違うため、制御目標値に応じて電熱供給源ごとに運転を計画し、コジェネレーションシステム1全体として最適になるようにする。例えば、発電装置11が供給するエネルギー、給湯器30が供給するエネルギー、及び商用電力系統50が供給するエネルギーの総和が最小値となるように運転計画を作成する。
このように、制御目標となる電熱需要の値を、温度別の過去の電熱需要の値とすることで、制御目標となる電熱需要の値の精度を向上させることができる。これによって、例えば算出したエネルギー最小値も理想値に近づくこととなるため、省エネルギーで最適な運転をすることができる。S32の処理が終了すると、システム運転処理へ移行する(S34)。
S34の処理は、命令出力部87で実行され、S32の処理で作成した運転計画に基づいてコジェネレーションシステム1を運転する処理である。S34の処理が終了すると図5に示す制御処理が終了する。
一方、S28の処理において、過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温が0℃以下でないと判断した場合は、平均外気温分別処理へ移行する(S36)。S36の処理は、電熱需要予測部85で実行され、S28の処理で判断した過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温を温度別に分別するための処理であって、ここでは過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温が10℃以下であるか否かを判断する。S36の処理において、過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温が10℃以下であると判断した場合は、テーブル参照処理へ移行する(S38)。
S38の処理は、電熱需要予測部85で実行され、図4のテーブルの0℃より大きく10℃以下の行に記載された電力需要及び供給需要の少なくとも一方の行の値を参照して入力する処理である。S38の処理が終了すると、運転計画作成処理へ移行する(S32)。
一方、S36の処理において、過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温が10℃以下でないと判断した場合は、平均外気温分別処理へ移行する(S40)。S40の処理は、電熱需要予測部85で実行され、S36の処理で判断した過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温を温度別に分別するための処理であって、ここでは過去6時間の平均の外気温、又は予想外気温が20℃以下であるか否かを判断する。S40の処理において、過去6時間の平均の外気温が20℃以下であると判断した場合は、テーブル参照処理へ移行する(S42)。
S42の処理は、電熱需要予測部85で実行され、図4のテーブルの10℃より大きく20℃以下の行に記載された電力需要及び供給需要の少なくとも一方の行の値を参照して入力する処理である。S42の処理が終了すると、運転計画作成処理へ移行する(S32)。
一方、S40の処理において、過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温が20℃以下でないと判断した場合は、平均外気温分別処理へ移行する(S44)。S44の処理は、電熱需要予測部85で実行され、S40の処理で判断した過去6時間の平均の外気温、又は当日の予想外気温を温度別に分別するための処理であって、ここでは過去6時間の平均の外気温、又は予想外気温が30℃以下であるか否かを判断する。S44の処理において、過去6時間の平均の外気温が30℃以下であると判断した場合は、テーブル参照処理へ移行する(S46)。
S46の処理は、電熱需要予測部85で実行され、図4のテーブルの20℃より大きく30℃以下の行に記載された電力需要及び供給需要の少なくとも一方の行の値を参照して入力する処理である。S46の処理が終了すると、運転計画作成処理へ移行する(S32)。
一方、S44の処理において、過去6時間の平均の外気温が30℃以下でないと判断した場合は、テーブル参照処理へ移行する(S48)。
S48の処理は、電熱需要予測部85で実行され、図4のテーブルの20℃より大きく30℃以下の行に記載された電力需要及び供給需要の少なくとも一方の行の値を参照して入力する処理である。S48の処理が終了すると、運転計画作成処理へ移行する(S32)。
以上の処理で図5に示す制御処理は終了する。このような処理によって、運転制御装置80は、コジェネレーションシステム1の運転を省エネルギーで実現することができる。
上述のように、本実施形態に係るコジェネレーションシステム1によれば、過去の外気温別の電熱需要を記録し、記録した電熱需要に基づいて、外気温に応じた利用者の生活パターンを反映させた電熱需要の予測ができる。これにより、電熱需要の予測が高精度となり、その予測に基づいて給電装置及び給湯装置の運転をすることによって、コジェネレーションシステム1の省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態に係るコジェネレーションシステム1によれば、外気温が所定の温度以下になった場合には、給電装置11及び給湯ユニット20を運転状態とするため、コジェネレーションシステム1に繋がる水経路に水が流れることで水経路の凍結を防止することができる。
さらに、本実施形態に係るコジェネレーションシステム1によれば、予想される外気温が所定の温度以下になった場合には、給電装置11及び給湯ユニット20を運転状態とするため、事前に水経路の凍結防止準備を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、上記実施形態は本発明に係るコジェネレーションシステムの一例を示すものであり、本発明に係るコジェネレーションシステムは、上記実施形態に係るコジェネレーションシステムに限られるものではない。
例えば、上記実施形態において、気象予報センタ90はインターネットに接続された気象情報提供システムやWeb(World Wide Web)であっても良い。
また、上記実施形態において、図4のテーブルを0℃以下、0℃より大きく10℃以下、10℃より大きく20℃以下、20℃より大きく30℃以下、30℃より大きい場合として分別したが、この温度設定は柔軟に変更可能であり、例えば1℃単位であっても良い。この場合、図5のフローチャートにおいて、分別した温度単位に応じて外気温分別処理を設けることが好ましい。
さらに、S32の処理で説明した最適な運転計画の算出方法は、発電装置11が供給するエネルギー、給湯器30が供給するエネルギー、及び商用電力系統50が供給するエネルギーの総和を最小値とする方法であるが、この方法に限られるものではなく、これらのエネルギーの一つ又は複数の総和を最小値とする方法であってもよい。すなわち、目標となる電熱需要の精度が向上する効果は、その目標となる電熱需要をどのように実現するかには依存しない。
1…コジェネレーションシステム、11…給電装置、20…貯湯ユニット(給湯装置)、80…運転制御装置、82…電熱需要記録部(記録手段)、85…電熱需要予測部(予測手段)、86…運転計画部(計画手段)、87…命令出力部(運転手段)、90…外気温センサ(情報取得手段)、91…気象予報センタ(情報取得手段)。
Claims (3)
- 燃料を用いて電力及び熱を発生し、前記電力を供給する給電装置と、
前記給電装置が発生した前記熱を用いて水を温め、温水を供給する給湯装置と、
外気温を示す外気温情報を取得する情報取得手段と、
電力需要及び給湯需要のうち少なくとも一つからなる電熱需要を、前記情報取得手段によって取得された稼動時の前記外気温情報と対応させて記録する記録手段と、
前記情報取得手段によって取得された現在又は未来の前記外気温情報と前記記録手段によって記録された過去の前記電熱需要とに基づいて、未来の前記電熱需要を予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測された未来の前記電熱需要に基づいて、前記給電装置及び前記給湯装置の運転計画を作成する計画手段と、
前記計画手段によって作成された前記運転計画に基づいて、前記給電装置及び前記給湯装置を運転する運転手段と、
を備えることを特徴とするコジェネレーションシステム。 - 前記情報取得手段によって取得された現在の前記外気温情報に基づいて、前記外気温が所定の温度以下であるか否かを判断する判断手段を備え、
前記運転手段は、前記判断手段によって前記外気温が所定の温度以下であると判断された場合に、前記給電装置及び前記給湯装置を運転状態とする請求項1に記載のコジェネレーションシステム。 - 前記情報取得手段によって取得された現在の前記外気温情報は、気象予報によって予想される外気温であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコジェネレーションシステム。
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