JP2019071168A - 燃料電池制御システム、燃料電池制御方法及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、光熱費の効果的削減、CO2排出量の効果的低減が可能である。
運転制御部を有する、少なくとも一つの燃料電池システムと、
前記燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続され、気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を、前記ネットワークを介して取得する管理装置と、
を備える燃料電池制御システムにおいて、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記システム管理情報が、前記燃料電池システムの運転を保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
前記燃料電池システムは、
原燃料を水蒸気改質する改質器と、
前記水蒸気改質された原燃料及び空気の供給を受けて発電する燃料電池セルと、
前記燃料電池セルから排出された燃料ガス及び空気を燃焼する燃焼部と、
前記燃焼部から排出される燃焼排ガスと流体との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記熱交換により前記燃焼排ガス中の水分を凝縮して、前記改質器に供給する改質水として蓄える改質水タンクと、
前記熱交換により、前記燃焼排ガスの熱を利用して温められた流体を貯える貯湯タンクと、
をさらに有し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、
前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、
前記警報に関する情報が発令されている場合と、
前記異物の量が異物閾値以上である場合と、及び、
前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合と、
のうち少なくとも一つに基づいて、前記機器保護運転条件を満たすと判断する点にある。
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、のうち少なくとも一つに基づいて、前記改質水タンク内の改質水を増加させるように前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記燃料電池セルの発電出力を定格出力よりも低い低出力に固定する制御と、
S/C(Steam Carbon ratio)を初期値よりも下げる制御と、
前記貯湯タンクからお湯を排湯する制御と、
のうち少なくとも一つの制御により前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記警報に関する情報が発令された場合、前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御をする点にある。
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記警報に関する情報の発令に基づいて、前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御を開始する制御開始時刻を推定し、前記制御開始時刻に前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御をする点にある。
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記異物の量が異物閾値以上である場合、
前記燃料電池システムの発電出力を現在の発電出力よりも低下させる制御と、
前記燃料電池システムの発電を停止させる制御と、
前記燃料電池システムに空気を供給する箇所に設けられた第1フィルタを前記異物の除去量を向上できる第2フィルタに交換する制御と、
のうち少なくとも一つの制御により前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
前記燃料電池システムは、
前記熱交換器と前記貯湯タンクとの間で流体を循環させる循環経路に設けられたラジエータ及び循環ポンプと、
前記燃料電池システムの発電電力と商用電力系統の商用電力との間で連系運転可能なように電力変換を行う電力変換装置と、
前記燃料電池システムの筐体を冷却するための換気ファンと、
をさらに有し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合、
前記燃料電池システムにおいて、前記ラジエータ及び循環ポンプの少なくともいずれかの駆動を向上させる制御と、
前記電力変換装置のスイッチング周波数を下げる制御と、
前記換気ファンの駆動を低下させる制御と、
の少なくとも一つの制御により、前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
このように、対象建物内及びその周囲に人が存在しない場合には、燃料電池システムを発電効率よく運転させることで、燃料電池システムの故障などを抑制するように燃料電池システムを保護できる。
運転制御部を有する少なくとも1つの燃料電池システムと、管理装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続された燃料電池制御システムにおける燃料電池制御方法であって、
前記管理装置が、気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を、前記ネットワークを介して取得するステップと、
前記管理装置又は前記運転制御部が、前記システム管理情報が、前記燃料電池システムを保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断するステップと、
前記管理装置又は前記運転制御部が、前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御するステップと、
を備える点にある。
前記燃料電池システムを制御するステップでは、
前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、
前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、
前記警報に関する情報が発令されている場合と、
前記異物の量が異物閾値以上である場合と、及び、
前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合と、
のうち少なくとも一つに基づいて、前記機器保護運転条件を満たすと判断する点にある。
気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を保持する情報収集部とネットワークを介して通信可能に接続され、運転制御部を有する燃料電池システムであって、
前記運転制御部は、
前記ネットワークを介して前記情報収集部から前記システム管理情報を取得し、
前記システム管理情報が、前記燃料電池システムを保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断し、
前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御する点にある。
本発明に係る燃料電池制御システムの実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、燃料電池制御システムの構成図である。
燃料電池制御システム100は、情報収集サイト(情報収集部)10と、管理装置20と、複数の燃料電池システム30(30a、30b、30c・・・)とが、ネットワーク40を介して接続されて構成されている。ネットワーク40は、装置間でデータの通信が可能な通信網であり、例えばWAN(Wide Area Network)などが挙げられるが、その形態は無線及び有線を問わない。
本発明に係る燃料電池制御システム100では、管理装置20が、後述の気象情報、異物情報及び存在情報の少なくとも一つを含むシステム管理情報を、ネットワーク40を介して情報収集サイト10から取得する。この燃料電池システム30外部から取得したシステム管理情報を利用して、燃料電池システム30を保護制御できる。以下に各部について説明する。
(2−1)情報収集サイト
情報収集サイト10は、情報収集部11と、記憶部13とを備えている。
情報収集部11は、例えば、各地の大気の状態を観測する観測装置及び気象庁などから気温及び湿度などの情報を取得する。また、情報収集部11は、例えば、衛星画像から、または衛星画像に基づいて人間が予報した天気予報などから、各地の大雨警報、雷警報及び暴風警報などの警報に関する情報を取得する。警報に関する情報には、警報の内容、警報の発令時刻及び予報時刻などが含まれる。なお、本実施形態では、警報に関する情報として、警報の内容及び予報時刻が含まれるものとして説明する。
さらに、情報収集部11は、各地の観測装置及び気象庁などから、大気に含まれるPM2.5、酸化硫黄などの硫黄化合物、黄砂及び花粉などの大気に含まれる異物に関する異物情報を取得する。
情報収集部11は、気温、湿度、警報、異物情報、人の存在に関する情報などの各種情報を例えば30分などの所定の時間間隔毎に取得している。
図2によると、記憶部13は、例えば所定のエリアに区切られた複数の地域A、B、C・・・毎に、15時現在における、気温(℃)、湿度(%)、大雨警報、雷警報及び暴風警報の予報時刻、異物として大気中に含まれるPM2.5、硫黄化合物、黄砂及び花粉の量を記憶している。例えば、地域Aでは、15時現在において、気温36℃、湿度50%、警報無し、PM2.5が5μg/m3、硫黄化合物が0.03ppm、黄砂及び花粉の量は少ないとの情報を記憶している。
また、図3によると、記憶部13は、例えば家A、B、C・・・毎に、隣接する家、過去1時間の消費電力量を記憶している。例えば、家Aに隣接する家は家Bであり、過去1時間において、家Aでは、消費電力量500whである。また、家Bに隣接する家は家Aであり、過去1時間において、家Bでは、消費電力量400whである。
以下に、燃料電池システム30について説明するが、まずは、分散電源として燃料電池システム30が各家庭に配置されている構成について説明する。図4は、分散電源として燃料電池システムを各家庭に配置した場合の構成図である。
図4に示すように、各家庭45には、後述の電力を発電する燃料電池50を含む電力発電部300aと貯湯タンク300bとを備える燃料電池システム30が設置されている。また、各家庭45内で使用される設備としては、図4に示すように、例えば、給湯器45a及びお風呂45bなどの給湯設備と、エアコン45c、照明45d、テレビ45e及び冷蔵庫45fなどの家電機器とが挙げられる。給湯器45a及びお風呂45bなどの給湯設備は、燃料電池システム30の貯湯タンク300bに接続されて、貯湯タンク300bからお湯の供給を受ける。
また、各家庭45は、燃料電池システム30が発電する発電電力の供給を受けるだけでなく、商用電力系統35に接続されており商用電力の供給を受ける。よって、各家庭45のエアコン45c、照明45d、テレビ45e及び冷蔵庫45fなどの家電機器は、燃料電池システム30の電力発電部300aからの発電電力と、商用電力系統35からの商用電力との少なくともいずれかから電力の供給を受けて駆動される。
以下に、各家庭に備えられている燃料電池システム30(30a、30b、30c・・・)について説明する。図5は、燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム30は、前述の通り電力発電部300aと貯湯タンク300bとを備えている。電力発電部300aは、基本的に、燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する燃料電池50と、燃料電池50から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱交換器60と、熱交換器60による熱回収後の燃焼排ガスからの凝縮水を回収して精製する水精製器70と、水精製器70により精製された凝縮水を回収する改質水タンク80と、凝縮水とは独立に、改質水タンク80へ水を供給可能な水供給部90と、燃料電池システム30の筐体温度を低下させるための換気ファン66とを備えている。
各燃料電池システム30(30a、30b、30c・・・)は、図1に示すように、それぞれの運転制御部33(33a、33b、33c・・・)により制御されて運転される。本実施形態では、運転制御部33は、管理装置20の管理制御部21から保護制御の指令を受け、指令に対応した保護制御を自身の記憶部から抽出して燃料電池システム30を制御する。
以下、燃料電池システム30の各部の構成について説明する。
以下に、電力変換装置110について説明する。図6は、燃料電池と商用電力系統との間に接続されている電力変換装置の電気回路図である。電力変換装置110は、燃料電池システム30と商用電力系統35との間で連系運転可能なように、燃料電池システム30で発電された直流電力の直流電圧を、商用電力系統35の商用電力の交流電圧に変換する。
次に、管理装置20について説明する。管理装置20は、管理制御部21と、記憶部23とを備えている。管理制御部21は、ネットワーク40を介して、情報収集サイト10の記憶部13にアクセスし、気象情報、異物情報及び存在情報の少なくとも一つを含むシステム管理情報を取得する。記憶部23は、管理制御部21が取得したシステム管理情報を記憶している。記憶部23が記憶しているシステム管理情報の一例としては、前述の記憶部13が記憶している図2及び図3に示される時刻ごとの気象情報、異物情報及び存在情報が挙げられる。ここでは、記憶部23の情報と、記憶部13の情報とが同じであるとしている。しかし、管理制御部21が記憶部13内のシステム管理情報から必要な情報を選択的に取得し、記憶部23はこの選択された情報を記憶してもよい。
具体的には、例えば、管理制御部21は、気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、警報に関する情報が発令されている場合と、異物の量が異物閾値以上である場合と、及び、各家庭45の家屋内及びその周囲の家屋の少なくともいずれかに人が存在している場合と、のうち少なくとも一つに該当する場合には機器保護運転条件を満たすと判断し、これらの場合の情報をシステム管理情報から影響情報として抽出する。管理制御部21は、記憶部23の図2に示す時刻毎の気象情報及び異物情報が記憶されている場合、例えば一例として次のように影響情報を抽出する。
例えば、前述の機器保護運転条件を満たす影響情報を抽出する基準が、気温閾値が35℃以上である状態が第1時間である10h以上継続している場合とする。この場合には、気温が高いため、燃料電池システム30の燃料電池50から出た燃焼排ガスを熱交換器60において十分に冷却できず、燃焼排ガス中の水分を十分に凝縮して改質水として回収することができない。よって、改質器52に供給する改質水が不足し、水自立運転が阻害される。例えば、燃料電池システム30の外部から水を供給できない場合には、燃料電池システム30の運転を継続できず、また、燃料電池システム30が故障する可能性がある。例えば、管理制御部21は、記憶部23の図2の情報を参照し、例えば、地域Aが現在時刻で気温が36℃であることから、現在時刻から時間を遡って気温が気温閾値以上である継続時間を取得する。そして、管理制御部21は、例えば、気温が気温閾値(35℃)以上である状態が、第1時間(10h)以上である12h継続している場合には、これを機器保護運転条件を満たす状態とみなし、燃料電池システム30の運転を保護するための保護制御が必要な影響情報として抽出する。
ここで、燃料電池システム30を有する家庭45の家屋内及びその周囲の家屋に人が存在しないことを考慮して、燃料電池システム30は発電効率のよい運転に制御される。例えば、燃料電池システム30に対して、ラジエータ65及び循環ポンプ64などの駆動を向上させる保護制御、電力変換装置110のスイッチング周波数を下げる保護制御及び換気ファン66の駆動を低下させる保護制御などの、燃料電池システム30にとって発電効率のよい運転が行われる。この保護制御により、燃料電池システムを発電効率の良い状態で運転して、故障などを抑制することで燃料電池システムを保護できる。
ここで、燃料電池システム30を有する家庭45の家屋内及びその周囲の家屋に人が存在することを考慮して、燃料電池システム30は発電効率の低い運転に制御される。例えば、燃料電池システム30に対して、騒音抑制及び筐体温度上昇抑制などのために、ラジエータ65及び循環ポンプ64などの駆動を低下させる制御、電力変換装置110のスイッチング周波数を上げる制御及び換気ファン66の駆動を向上させる制御などの、燃料電池システム30にとって発電効率の低い運転が行われる。このような発電効率の低い運転は、燃料電池システム30に負担をかけて運転の継続を阻害し、また、燃料電池システム30の故障を招く。
以上のように管理制御部21が記憶部23内のシステム管理情報から抽出した影響情報は、記憶部23に図8、図9に示すように記憶される。
次に、燃料電池システム30の保護制御について説明する。管理制御部21は、ネットワーク40を介して情報収集サイト10から取得したシステム管理情報から、前述のように影響情報を取得する。また、管理制御部21は、影響情報に基づいた指令を、ネットワーク40を介して運転制御部33に送信し、運転制御部33は指令に基づいて燃料電池システム30を保護制御する。より具体的には、管理制御部21は、影響情報に基づいて、燃料電池システム30の故障などを抑制するような燃料電池システム30の保護制御を運転制御部33に指令する。指令を受けた運転制御部33は、自身の記憶部から該当する保護制御を抽出し、抽出した保護制御に基づいて燃料電池システム30を制御する。
まず、気温及び湿度に基づく燃料電池システム30の保護制御について説明する。図10は、気温及び湿度に基づく燃料電池システムの保護制御の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS1:管理制御部21は、記憶部23の複数の地域のうちある地域に着目する(図2)。
ステップS2:管理制御部21は、着目地域について記憶部23の情報(図2)を参照して、気温が気温閾値以上か否かを判断する。気温が気温閾値以上である場合(ステップS2においてYes)は、管理制御部21は、ステップS3に処理を進める。気温が気温閾値未満である場合(ステップS2においてNo)は、管理制御部21は、ステップS2の処理を継続する。
ステップS5:管理制御部21は、着目地域について記憶部23(図2)を参照して、現在時刻から時間を遡って湿度が湿度閾値以下である継続時間を取得し、第2時間(例えば10h)以上であるか否かを判断する。湿度が湿度閾値以下である継続時間が第2時間以上である場合(ステップS5においてYes)は、管理制御部21は、ステップS6に処理を進める。ステップS5においてYesの判断がなされた場合、判断結果を影響情報として記憶部23に図8に示すように記憶する。一方、湿度が湿度閾値以下である継続時間が第2時間未満である場合(ステップS5においてNo)は、管理制御部21は、ステップS4に処理を戻す。
ステップS7:運転制御部33は、改質水タンク80が満水及び満水に近い状態など改質水が確保されたか否かを判断する。具体的には、運転制御部33は、水位検出器84により改質水タンク80の水位を検出し、改質水が所定値以上確保されたか否かを判断する。運転制御部33は、改質水が確保されたと判断した場合(ステップS7においてYes)は処理を終了する。一方、改質しが確保されていないと判断した場合(ステップS7においてNo)はステップS6の処理を継続する。
なお、管理制御部21は、上記の処理を複数の地域について順次または並列的に行い、各地域の燃料電池システム30の保護制御を行う。
また、上記では、気温及び湿度の両方に基づいて燃料電池システム30の保護制御を行っているが、気温及び湿度のいずれかに基づいて保護制御を行ってもよい。
次に、警報に基づく燃料電池システム30の保護制御について説明する。図11は、警報に基づく燃料電池システムの保護制御の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS11:管理制御部21は、記憶部23の複数の地域のうちある地域に着目する(図2)。
ステップS12:管理制御部21は、着目地域について記憶部23の情報(図2)を参照して、大雨警報、雷警報及び暴風警報を含む警報の予報が発令されているか否かを判断する。警報の予報が発令されている場合(ステップS12においてYes)は、管理制御部21は、ステップS13に処理を進める。ステップS12においてYesの判断がなされた場合、判断結果を影響情報として記憶部23に図8に示すように記憶する。一方、警報の予報が発令されていない場合(ステップS12においてNo)は、管理制御部21は、ステップS12の処理を継続する。
ステップS14:管理制御部21は、現在時刻が保護制御開始時刻に到達したか否かを判定し、到達した場合(ステップS14のYes)は、ステップS15に処理を進める。そうでない場合(ステップS14のNo)は、ステップS14において保護制御開始時刻になるまで待機する。
ステップS17:管理制御部21は、燃料電池システム30の当該燃料電池システム30を商用電力系統35に再び接続するように運転制御部33に指令し、保護制御を解除する。
なお、管理制御部21は、上記の処理を複数の地域について順次または並列的に行い、各地域の燃料電池システム30の保護制御を行う。
次に、異物情報に基づく燃料電池システム30の保護制御について説明する。図12は、異物情報に基づく燃料電池システムの保護制御の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS21:管理制御部21は、記憶部23の複数の地域のうちある地域に着目する(図2)。
ステップS22:管理制御部21は、着目地域について記憶部23の情報(図2)を参照して、異物の量が異物閾値以上か否かを判断する。異物の量が異物閾値以上の場合(ステップS22においてYes)は、管理制御部21は、ステップS23に処理を進める。ステップS22においてYesの判断がなされた場合、判断結果を影響情報として記憶部23に図8に示すように記憶する。一方、異物の量が異物閾値未満の場合(ステップS22においてNo)は、管理制御部21は、ステップS22の処理を継続する。
なお、通常フィルタは、空気流路54に備えられており、予備フィルタは通常フィルタの近傍に備えられている。また、通常フィルタと予備フィルタとを交換可能な駆動機構が備えられており、運転制御部33の制御により駆動機構が動作し、通常フィルタと予備フィルタとが交換される。この通常フィルタは、例えば2.0μmのメッシュ状フィルタであり、予備フィルタは、例えば0.1μmのメッシュ状フィルタである。
運転制御部33は、異物の量が異物閾値以上であり管理制御部21から保護制御の指令を受けとると、燃料電池システム30の発電出力を現在の発電出力よりも低下させ、また、燃料電池システム30の発電を停止させることで、燃料電池システム30内に空気とともに取り込まれる異物の量を低下させる。例えば、運転制御部33は、原燃料流路51を介して燃料電池50に供給される原燃料の量の制御、空気流路54を介して燃料電池50に供給される空気の量の制御などにより、出力抑制又は停止を行う
以上の処理により、燃料電池システム30内に取り込まれる異物の量を少なくし、燃料電池システム30の故障などを抑制して保護し、燃料電池システム30の運転寿命を長くすることができる。
ステップS25:管理制御部21は、燃料電池システム30の運転制御部33を介して当該燃料電池システム30の保護制御を解除する。
なお、管理制御部21は、上記の処理を複数の地域について順次または並列的に行い、各地域の燃料電池システム30の保護制御を行う。
次に、存在情報に基づく燃料電池システム30の保護制御について説明する。図13は、存在情報に基づく燃料電池システムの保護制御の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS31:管理制御部21は、記憶部23の複数の家のうちある家Xに着目する(図3)。
ステップS32:管理制御部21は、家Xについて記憶部23の情報(図3)を参照して、消費電力量に基づいて、家Xの人が在宅であるか否かを判断する。例えば、消費電力量100wh以上である場合に基づいて、在宅であると判断する。家Xの人が在宅である場合は(ステップS32においてYes)は、管理制御部21は、ステップS35に処理を進める。例えば、家Xとして家Aが着目され、図3に示される家Aの消費電力量から在宅と判断される。
一方、家Xの人が不在である場合は(ステップS32においてNo)は、管理制御部21は、ステップS33に処理を進める。ステップS32においてNoの判断がなされた場合、判断結果を影響情報として記憶部23に図9に示すように記憶する。
一方、家Yの人が不在である場合は(ステップS33においてNo)は、管理制御部21は、ステップS34に処理を進める。ステップS33においてNoの判断がなされた場合、判断結果を影響情報として記憶部23に図9に示すように記憶する。
家X及び家Xに隣接する家Yのいずれも不在であるので、例えば、運転制御部33は、家Xの燃料電池システム30の燃料電池50を冷却するための流体を循環させるラジエータ65及び循環ポンプ64の少なくともいずれかの駆動を向上させるように保護制御する。
また、上述のように筐体温度の上昇を無視できる場合、例えば、家Xの燃料電池システム30を運転することによる約80℃以上の筐体温度を許容できる。
管理制御部21からの指令を受け、運転制御部33は、騒音抑制のために、ラジエータ65及び循環ポンプ64などの駆動を低下させる制御、電力変換装置110のスイッチング周波数を上げる制御を行う。また、運転制御部33は、筐体温度上昇抑制のために、換気ファン66の駆動を向上させる制御などを行う。これにより、燃料電池システム30は発電効率の低い運転に制御される。
騒音抑制の制御により、家Xの燃料電池システム30を運転することによる駆動音量を例えば約30dB以下とする。また、筐体温度上昇抑制の制御により、家Xの燃料電池システム30を運転することによる筐体温度を例えば約60℃以下とする。
なお、管理制御部21は、上記の処理を複数の家について順次または並列的に行い、各家の燃料電池システム30の保護制御を行う。
(1)上記実施形態では、管理制御部21が、システム管理情報に基づいて影響情報を抽出している。しかし、燃料電池システム30の運転制御部33が、管理制御部21から取得したシステム管理情報から影響情報を抽出してもよい。影響情報の抽出手法は、上記実施形態と同様である。
さらに、管理制御部21が運転制御部33に影響情報を通知し、運転制御部33が影響情報の通知を受けて燃料電池システム30を商用電力系統35から切り離してもよい。
また、上記実施形態では、管理制御部21が保護制御開始時刻を推定しているが、運転制御部33が保護制御開始時刻を推定してもよい。
その他、上記実施形態では、警報として大雨警報、雷警報及び暴風警報を例に挙げているが、警報はこれに限定されない。例えば、警報には、洪水警報、暴風雪警報、大雪警報、波浪警報、高潮警報及び地震警報などの各種警報が含まれていてもよい。
ここで、上記実施形態では、管理制御部21は、警報の予報が発令されている場合は、予報時刻に基づいて保護制御開始時刻を推定し、保護制御開始時刻に燃料電池システム30を保護制御する。しかし、現時点ですでに警報が発令されている場合には、管理制御部21は、保護制御開始時刻を推定せずに、警報の発令時点において、燃料電池システム30を保護制御してもよい。
さらには、警報の予報時刻を含む予報であっても、管理制御部21は、保護制御開始時刻を推定せず、予報時刻において燃料電池システム30を保護制御してもよい。
同様に、湿度閾値が、第1湿度閾値と、第1湿度閾値よりも低い第2湿度閾値を含む複数の湿度閾値を含む。湿度が第1湿度閾値以下、かつ第2湿度閾値以上の場合は、改質水を改質水タンク80の容量の例えば60%まで確保するように保護制御する。また、湿度が第2湿度閾値未満の場合は、改質水を改質水タンク80が満水になるように保護制御する。
また、上記実施形態では、異物の量が異物閾値以上の場合に燃料電池システム30の保護制御が行われる。しかし、異物の量が異物閾値以上の状態が所定時間以上継続した場合に、燃料電池システム30の保護制御が行われるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、情報収集サイト10の情報収集部11が、各家庭の家屋内及びその周囲の家屋などにおける人の存在の有無を判断するために、各家庭の消費電力量、熱負荷量及び燃料電池システム30に対するリモコン操作などを各家庭から取得する。しかし、管理装置20が、各家庭の消費電力量、熱負荷量及び燃料電池システム30に対するリモコン操作などの情報を、燃料電池システム30を備える家庭から取得し、人の存在の有無を判断してもよい。
上記実施形態では、例えば図10のフローでは、気温が気温閾値である時間が第1時間以上継続している場合に、水自立運転のための保護制御を行う。そして、改質水が確保されたか否かに応じて保護制御を終了するか否かが決定されている。しかし、保護制御を終了するか否かの判断はこれには限定されない。
例えば、管理制御部21が、気温と保護制御の継続時間との関係を示す関係式を予め持っておく。関係式は、例えば、気温が35℃のときは保護制御の継続時間は2時間、気温が40℃の時は保護制御の時間は5時間、気温が45℃のときは保護制御の継続時間は10時間などで表される。そして、管理制御部21は、この関係式と、情報収集サイト10から取得した気温とに基づいて、保護制御の継続時間を決定し、決定した継続時間が経過すると保護制御を終了してもよい。
11 :情報収集部
13 :記憶部
20 :管理装置
21 :管理制御部
23 :記憶部
30 :燃料電池システム
33 :運転制御部
35 :商用電力系統
40 :ネットワーク
50 :燃料電池
64 :循環ポンプ
65 :ラジエータ
66 :換気ファン
80 :改質水タンク
100 :燃料電池制御システム
110 :電力変換装置
Claims (11)
- 運転制御部を有する、少なくとも一つの燃料電池システムと、
前記燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続され、気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を、前記ネットワークを介して取得する管理装置と、
を備える燃料電池制御システムにおいて、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記システム管理情報が、前記燃料電池システムの運転を保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御する、燃料電池制御システム。 - 前記燃料電池システムは、
原燃料を水蒸気改質する改質器と、
前記水蒸気改質された原燃料及び空気の供給を受けて発電する燃料電池セルと、
前記燃料電池セルから排出された燃料ガス及び空気を燃焼する燃焼部と、
前記燃焼部から排出される燃焼排ガスと流体との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記熱交換により前記燃焼排ガス中の水分を凝縮して、前記改質器に供給する改質水として蓄える改質水タンクと、
前記熱交換により、前記燃焼排ガスの熱を利用して温められた流体を貯える貯湯タンクと、
をさらに有し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、
前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、
前記警報に関する情報が発令されている場合と、
前記異物の量が異物閾値以上である場合と、及び、
前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合と、
のうち少なくとも一つに基づいて、前記機器保護運転条件を満たすと判断する、請求項1に記載の燃料電池制御システム。 - 前記管理装置又は前記運転制御部は、前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、のうち少なくとも一つに基づいて、前記改質水タンク内の改質水を増加させるように前記燃料電池システムを保護制御する、請求項2に記載の燃料電池制御システム。
- 前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記燃料電池セルの発電出力を定格出力よりも低い低出力に固定する制御と、
S/C(Steam Carbon ratio)を初期値よりも下げる制御と、
前記貯湯タンクからお湯を排湯する制御と、
のうち少なくとも一つの制御により前記燃料電池システムを保護制御する、請求項3に記載の燃料電池制御システム。 - 前記管理装置又は前記運転制御部は、前記警報に関する情報が発令された場合、前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御をする、請求項2に記載の燃料電池制御システム。
- 前記管理装置又は前記運転制御部は、前記警報に関する情報の発令に基づいて、前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御を開始する制御開始時刻を推定し、前記制御開始時刻に前記燃料電池システムを商用電力系統から切り離す保護制御をする、請求項5に記載の燃料電池制御システム。
- 前記管理装置又は前記運転制御部は、前記異物の量が異物閾値以上である場合、
前記燃料電池システムの発電出力を現在の発電出力よりも低下させる制御と、
前記燃料電池システムの発電を停止させる制御と、
前記燃料電池システムに空気を供給する箇所に設けられた第1フィルタを前記異物の除去量を向上できる第2フィルタに交換する制御と、
のうち少なくとも一つの制御により前記燃料電池システムを保護制御する、請求項2に記載の燃料電池制御システム。 - 前記燃料電池システムは、
前記熱交換器と前記貯湯タンクとの間で流体を循環させる循環経路に設けられたラジエータ及び循環ポンプと、
前記燃料電池システムの発電電力と商用電力系統の商用電力との間で連系運転可能なように電力変換を行う電力変換装置と、
前記燃料電池システムの筐体を冷却するための換気ファンと、
をさらに有し、
前記管理装置又は前記運転制御部は、前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合、
前記燃料電池システムにおいて、前記ラジエータ及び循環ポンプの少なくともいずれかの駆動を向上させる制御と、
前記電力変換装置のスイッチング周波数を下げる制御と、
前記換気ファンの駆動を低下させる制御と、
の少なくとも一つの制御により、前記燃料電池システムを保護制御する、請求項2に記載の燃料電池制御システム。 - 運転制御部を有する少なくとも1つの燃料電池システムと、管理装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続された燃料電池制御システムにおける燃料電池制御方法であって、
前記管理装置が、気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を、前記ネットワークを介して取得するステップと、
前記管理装置又は前記運転制御部が、前記システム管理情報が、前記燃料電池システムを保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断するステップと、
前記管理装置又は前記運転制御部が、前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御するステップと、
を備える燃料電池制御方法。 - 前記燃料電池システムを制御するステップでは、
前記管理装置又は前記運転制御部は、
前記気温が気温閾値以上である状態が第1時間以上継続した場合と、
前記湿度が湿度閾値以下である状態が第2時間以上継続した場合と、
前記警報に関する情報が発令されている場合と、
前記異物の量が異物閾値以上である場合と、及び、
前記対象建物内及び前記周囲の少なくともいずれかに人が存在していない場合と、
のうち少なくとも一つに基づいて、前記機器保護運転条件を満たすと判断する、請求項9に記載の燃料電池制御方法。 - 気温、湿度及び警報の少なくともいずれかを含む気象情報と、大気に含まれる異物に関する異物情報と、前記燃料電池システムを有する対象建物内及び前記対象建物の周囲の少なくともいずれかの人の存在の有無に関する存在情報と、の少なくとも一つを含むシステム管理情報を保持する情報収集部とネットワークを介して通信可能に接続され、運転制御部を有する燃料電池システムであって、
前記運転制御部は、
前記ネットワークを介して前記情報収集部から前記システム管理情報を取得し、
前記システム管理情報が、前記燃料電池システムを保護するための条件である機器保護運転条件を満たすか否かを判断し、
前記機器保護運転条件を満たすとの判断結果に基づいて前記燃料電池システムを保護制御する、燃料電池システム。
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