JPWO2005011034A1 - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

本発明の燃料電池システムは、燃料電池(13)と、燃料電池システムの供給対象(14)が発生させる電力又は熱の負荷の負荷値を検出する負荷値検出手段(16)と、負荷値検出手段(16)によって検出される前記負荷値の履歴を記憶する負荷値蓄積手段(17)と、前記負荷値の履歴に基づいて、今後発生しうる負荷値を予測して、その予測負荷値を負荷値データとして記憶する負荷値予測手段(18)と、前記負荷値データに基づいて、燃料電池(13)の起動予定時刻を決定する、燃料電池システムである。

Description

本発明は、燃料電池を用いて発電を行う燃料電池システムに関する。
〔技術背景〕
従来の燃料電池システムとしては、経済的に発電運転を行うため、電力負荷や熱負荷の状況に応じて運転を変更するものがあった。例えば、電力負荷で必要とする電力を供給する場合に、その電力を燃料電池が発電するために要するコストと電力系統が供給するために要するコストを比較して、燃料電池が供給するか否かを判断して燃料電池の運転の是非を判断する燃料電池システムが記載されている(例えば、特開2002−190308号公報)。
図17は、特開2002−190308号公報に記載された従来の燃料電池システムを示すものである。図17において、燃料生成装置11は、天然ガスなどの原料を水蒸気を含む雰囲気下で改質反応を行い水素を含む燃料ガスを生成し、燃料電池13に供給する。燃料電池13は、燃料生成装置11から供給された燃料ガスと酸化剤供給手段12により供給された空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生させる。発生した電力は、電力供給手段15により電力負荷14に供給される。電力値検出手段16は、電力負荷14で使用される電力を検出し、制御装置23は、検出された電力を燃料電池13が発電し供給する場合のコストと電力系統が供給する場合のコストとを比較し、安い電力供給源を判定する。燃料電池13が発電する場合の方が安ければ、電力供給手段15は電力負荷14に燃料電池13から電力を供給する。
他方で、燃料電池システムは、発電を開始するまでに燃料電池などを含む各部の温度を発電可能な温度まで上げる必要があり、そのためのエネルギーが必要となる。しかしながら、上記のような従来の燃料電池システムでは、起動に必要とされるエネルギーが考慮されておらず、起動及び停止の回数が多い場合には実際のコストと算出されるコストとの乖離が大きくなるという問題があった。
本発明は、起動に係るエネルギーを考慮して合理的に燃料電池を運転させる燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、第1の本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池システムの供給対象が発生させる電力又は熱の負荷の負荷値を検出する負荷値検出手段と、前記負荷値検出手段によって検出される前記負荷値の履歴を記憶する負荷値蓄積手段と、前記負荷値の履歴に基づいて、今後発生しうる負荷値を予測して、その予測負荷値を負荷値データとして記憶する負荷値予測手段と、前記負荷値データに基づいて、前記燃料電池の起動予定時刻を決定する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、電力供給対象の電力負荷を予測して起動予定時刻を決定することができるので、省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。ここで、燃料電池の起動には、燃料電池自体のみならず燃料電池の起動に必要な諸設備、例えば、燃料生成装置、酸化剤供給手段等の起動も含まれる。
第2の発明は、前記負荷値は、前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値であり、前記負荷値データが電力値データである、燃料電池システムである。
第3の発明は、電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、前記算出手段が、所定の時間帯の前記電力値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給をする場合と電力系統によって電力供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統によって電力供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。
第4の発明及び第16の発明は、前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合における電力供給、あるいは電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。また、第5の発明及び第17の発明は、前記算出手段は、前記燃料電池の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、燃料電池の起動から発電開始までに費やされる一次エネルギー等を予測することができるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第6の発明及び第18の発明は、原料から水素を含む燃料を生成する燃料生成装置をさらに備え、前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合における電力供給あるいは電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する燃料電池システムである。また、第7の発明及び第19の発明は、前記算出手段は、前記燃料生成装置の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、燃料生成装置の暖機も含めて、燃料電池の起動から発電開始までに費やされる一次エネルギー等を予測することができるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第8の発明及び第20の発明は、入力手段をさらに備え、前記入力手段によって、前記算出手段の算出項目を一次エネルギー、二酸化炭素あるいはコストから選択することができる、燃料電池システムである。これによって、使用者が選好して燃料電池システムの動作を切り換えることができるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第9の発明及び第21の発明は、表示手段をさらに備え、前記算出手段の算出値を用いて、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合と、電力系統によって電力供給、あるいは電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける一次エネルギー、二酸化炭素量あるいはコストのいずれかの差分を算出し、前記表示手段が、その差分を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、省エネルギー、地球温暖化の防止あるいは経済性を具体的な数字によって認知できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第10の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段とをさらに備え、前記算出手段は、前記時間帯の前記電力値データに基づいて、前記蓄熱手段によって回収される熱量と、該熱量が外部の熱供給手段によって供給される場合において該熱量の供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかとをさらに算出することによって、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。これによって、熱電併給をする燃料電池システムにおいても、燃料電池の起動から停止までが省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。
第11の発明は、前記起動予定時刻は、所定の更新時間毎に更新される、燃料電池システムである。これによって、定期的に動作の適否が判断されるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第12の発明は、表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記起動予定時刻を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、燃料電池の起動停止を把握できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第13の発明は、前記表示手段は、過去の運転履歴を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、燃料電池の起動及び停止を把握できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第14の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段とをさらに備え、前記負荷値は、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値である、燃料電池システムである。これによって、熱電併給をする燃料電池システムが熱負荷に追従して燃料電池を運転する場合においても、燃料電池の起動から停止までが省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。
第15の発明は、熱供給及び電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、前記算出手段が、所定の時間帯の前記熱量値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。
第22の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段と、選択手段とをさらに備え、前記選択手段によって、前記負荷値を、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値、あるいは前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値から選択し、該選択によって前記負荷値データが電力値データあるいは熱量値データのいずれかから選択される、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムの使用状況に応じて、熱負荷追従運転あるいは電力負荷追従運転を選択することができる。
第23の発明は、前記負荷値蓄積手段は、在宅時及び留守時を区別して前記負荷値を蓄積し、前記選択手段によって、前記燃料電池の起動予定時刻の決定を、在宅時における前記電力値データに基づく決定と、留守時における前記電力値データに基づく決定と、在宅時における前記熱量値データに基づく決定と、留守時における前記熱量値データに基づく決定とから任意に選択することができる、燃料電池システムである。これによって、電力値及び熱量値の予測をより的確にすることができる。
第24の発明は、前記燃料電池の起動予定時刻を任意に設定することができる運転時刻設定手段をさらに備える、燃料電池システムである。これによって、使用者の行動予定も考慮して燃料電池の起動を設定することができるので、より的確に燃料電池システムを運転させることができる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
図1は、本発明の実施の形態1による燃料電池システムの構成図である。
図2は、本発明の実施の形態1による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。
図3は、本発明の実施の形態1による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図4は、本発明の実施の形態2による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施の形態3による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施の形態4による燃料電池システムの構成図である。
図7は、本発明の実施の形態4による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図8は、本発明の実施の形態5による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図9は、本発明の実施の形態6による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図10は、本発明の実施の形態7による燃料電池システムの構成図である。
図11は、本発明の実施の形態7による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。
図12は、本発明の実施の形態7による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図13は、本発明の実施の形態8による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図14は、本発明の実施の形態9による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。
図15は、本発明の実施の形態10による燃料電池システムの構成図である。
図16は、本発明の実施の形態10による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。
図17は、従来の燃料電池システムの構成図である。
参照符号一覧表
11 燃料生成装置
12 酸化剤供給手段
13 燃料電池
14 電力負荷
15 電力供給手段
16 電力値検出手段
17 電力値蓄積手段
18 電力値予測手段
19 運転制御手段
20 第1の算出手段
21 第2の算出手段
22 第3の算出手段
23 制御装置
24 冷却水経路
25 冷却水ポンプ
26 熱交換器
27 蓄熱手段
28 貯湯水経路
29 貯湯水ポンプ
30 熱負荷
31 熱供給手段
32 熱量値検出手段
33 熱量値蓄積手段
34 熱量値予測手段
35 熱供給系統
36 第4の算出手段
39 蓄熱量検出手段
40 第5の算出手段
41 燃料生成装置温度検出手段
42 表示手段
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムを示す構成図である。本実施の形態における燃料電池システムは、天然ガスなどの原料から水素を含む燃料ガスを生成する燃料生成装置11と、酸化剤を供給する酸化剤供給手段12と、燃料生成装置11から供給される燃料ガスと酸化剤供給手段12から供給される空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電力と熱を発生させる燃料電池13と、燃料電池13で発生した電力をエアコンや冷蔵庫などの電力負荷14に供給する電力供給手段15と、電力負荷14で使用する電力を検出する電力値検出手段16と、燃料電池システムの動作を制御する制御装置23とで構成されている。
電力供給手段15は、インバーター、開閉器などによって構成されている。
制御装置23は、電力値検出手段16の検出値を蓄積する電力値蓄積手段17と、記憶された電力値の履歴から電力負荷14で使用される電力値W(t分後の電力値W)を予測し、その電力値Wによって構成される電力値データを記憶する電力値予測手段18と、運転制御手段19と、表示手段42とを有する。ここで、燃料電池13の起動には、燃料電池13自体のみならず燃料電池の起動に必要な諸設備、例えば、燃料生成装置11、酸化剤供給手段12等も含まれる。
運転制御手段19は、電力値予測手段18により記憶された電力値データに基づいて燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻T及び停止予定時刻Tを決定するとともに、これら時刻T、T及びTに基づいて、燃料電池13を起動、発電開始及び停止させる。
さらに、ここでは、制御装置23は、電力値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する算出手段20、21、22を備えている。第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13により発電して供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出する。
また、運転制御手段19は、タイマー(図示せず)を備え、所定の更新時間毎に、運転制御手段19が、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを更新するように動作させる。これによって、定期的に動作の適否が判定されるので、より的確な燃料電池システムの動作を実現することができる。
表示手段42は、運転制御手段19に設定されている起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを表示する。さらに、表示手段42は、電力値蓄積手段17に蓄積されている電力値の履歴の中から、過去の発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの間、すなわち燃料電システムの発電による電力値履歴を表示する。さらに、表示手段42は、後述するステップS14A、S14BあるいはS14Cにおいて比較される値の間の差分を運転制御手段19が演算し、その演算結果を表示する。これによって、使用者のエネルギー資源、環境負荷あるいは経済性への関心を呼び起こすことができる。
制御装置23内は、例えばマイコンで構成されている。そして、制御装置23が有する各手段17乃至22は、このマイコンの内部メモリに格納された所定のプログラム(以下時刻決定プログラムという)をCPUが実行することによって実現される。そして、この時刻決定プログラムの実行において、必要なデータは、例えば、マイコンの内部メモリに記憶される。
以上のように構成された本実施の形態について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図2および図3は燃料電池システムの制御の流れ、すなわち時刻決定プログラムの内容を示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップS1において、電力値検出手段16は、継続的に電力値を検出し、電力値蓄積手段17が、その検出された電力値を蓄積して記憶する。ここでは、電力値検出手段16は、1秒間隔毎に電力値を検出する。
ステップS2において、電力値予測手段18は、電力値蓄積手段17に蓄積された電力値の履歴に基づいて、今後24時間先までに電力負荷14で使用されるであろう1分単位の電力値Wを予測して、電力値データとして記憶する。
次に、運転制御手段19は、電力値予測手段18に記憶されている電力値データに基づいて、所定の値、ここでは燃料電池13の最低発電量Wminより高い電力値が多く分布する時間帯を選定する。
ここでは、ステップS3において、運転制御手段19が、時刻Tに現在時刻Tを代入する。
ステップS4において、運転制御手段19が、Tから所定時間X(例えば30分間)後までの電力値W(W〜WT+30までの30個)のY%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS5で、Tを起動予定時刻Tと仮定する。Noならば、ステップS6で、Tから1分後の時刻をTとし(T=T+1min)、ステップS4に戻る。
ステップS7−1では、運転制御手段19が、起動所要時間T(例えば60分間)を時刻Tに加え発電開始予定時刻Tと仮定する。
ステップS7−2において、運転制御手段19が、Tに発電開始予定時刻Tを代入する。
ステップS7−3において、運転制御手段19が、Tから所定時間X(例えば30分間)後までの電力値W(W〜WT+30までの30個)のY%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS8に進む。Noならば、ステップS7−4で、Tから(起動所要時間T−1分)前の時刻をTとし、ステップS4に戻る。
ステップS8では、運転制御手段19が、Tから所定時間X(例えば60分間)後までの電力値W(W〜WT+60までの60個)のY%以上(例えば80%、48個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin未満であるかどうかを判定する。YesならばステップS9で、Tを停止予定時刻Tと仮定する。Noならば、ステップS10で、Tから1分後の時刻をTとし、ステップS8に戻る。
以上のようにして、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図2のIに続く図3のI以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
ステップS11Aにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池13、燃料生成装置11などを含めた燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合に費やされる一次エネルギー量AFCEtを(2A)式により算出し、AFCEtをTからTまで積算した値を燃料電池発電一次エネルギー量AFCEとする。
GFCEt = W / EWE (1)
FCEt = QGFCEt ・ AGFCB (2A)
ステップS12Aにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電一次エネルギー量AFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとを合計して第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1とする。
ステップS13Aにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の単位電力当たりの一次エネルギー量AEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wを電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AEtを(3A)式により算出し、AEtをTからTまで積算した値を電力系統一次エネルギー量Aとする。
Et = W ・ AEB (3A)
ステップS14Aにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1と電力系統一次エネルギー量Aとを比較する。第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1が電力系統一次エネルギー量A以下ならば、ステップS15Aに進み、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS17Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1が電力系統一次エネルギー量Aより大きければ、ステップS16Aに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Aにおいて運転制御手段19が時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時において費やされる一次エネルギー量も含めた燃料電池システムによって消費される一次エネルギー量と、電力系統によって消費される一次エネルギー量とを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態2は、実施の形態1における燃料電池システムの運転制御手段19が二酸化炭素(以下COと略す)の発生量において比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13により発電して供給する場合に発生するCO量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に発生するCO量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出する。
したがって、実施の形態2における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態1の図1及び図2と同じ構成であるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図4に示すように、ステップS11Bにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりのCO発生量BGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合に発生するCO量BFCEtを(2B)式により算出し、BFCEtをTからTまで積算した値を燃料電池発電CO発生量BFCEとする。
FCEt = QGFCEt ・ BGFCB (2B)
ステップS12Bにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出し、燃料電池起動CO発生量BFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電CO発生量BFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動CO発生量BFCSとを合計して第1の燃料電池CO発生量BFC1とする。
ステップS13Bにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の単位電力当たりのCO発生量BEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wを電力系統が供給する場合に発生するCO量BEtを(3B)式により算出し、BEtをTからTまで積算した値を電力系統CO発生量Bとする。
Et = W ・ BEB (3B)
ステップS14Bにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池CO発生量BFC1と電力系統CO発生量Bとを比較する。第1の燃料電池CO発生量BFC1が電力系統CO発生量B以下ならば、ステップS15Bに進み、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS17Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池CO発生量BFC1が電力系統CO発生素量Bより大きければ、ステップS16Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時において発生するCO量も含めた燃料電池システムにおいて発生するCO量と、電力系統において発生するCO量とを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、COの発生を抑制し、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして、燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態3は、実施の形態1における燃料電池システムの運転制御手段19がコストにおいて比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態3における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態1の図1及び図2と同じ構成であるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図5に示すように、ステップS11Cにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、原料ガスの従量料金CGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合にかかるコストCFCEtを(2C)式により算出し、CFCEtをTからTまで積算した値を燃料電池発電コストCFCEとする。
FCEt = QGFCEt ・ CGFCB (2C)
ステップS12Cにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出し、燃料電池起動コストCFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電コストCFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動コストCFCSとを合計して第1の燃料電池コストCFC1とする。
ステップS13Cにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の従量料金CEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wを電力系統が供給する場合にかかるコストCEtを(3C)式により算出し、CEtをTからTまで積算した値を電力系統コストCとする。
Et = W ・ CEB (3C)
ステップS14Cにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池コストCFC1と電力系統コストCとを比較する。第1の燃料電池コストCFC1が電力系統コストC以下ならば、ステップS15Cに進み、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS17Cにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池コストCFC1が電力系統コストCより大きければ、ステップS16Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Cにおいて、運転制御手段19は、時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時におけるコストも考慮した燃料電池システムのコストと、電力系統コストとを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、燃料電池システムを経済的に運転させることが可能となる。
また、制御装置23は、切換スイッチ、キーボード、マウス等の入力手段(図示せず)と、実施の形態1乃至実施の形態3のそれぞれの第1乃至第3の算出手段と、運転制御手段19と、表示手段42とを備え、入力手段によって、実施の形態1乃至実施の形態3を選択できるようにするとよい。これによって、使用者の選好によって燃料電池システムの動作を切り換えることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図1の燃料電池システムの構成に加えて、燃料電池13を所定の温度に維持する冷却水を循環する冷却水経路24と、冷却水経路24に冷却水を通流する冷却水ポンプ25と、蓄熱手段27と、冷却水が燃料電池13より回収した熱を貯湯水に伝熱する熱交換器26と、貯湯水により燃料電池13から熱を回収し温水として蓄熱手段27に蓄積する貯湯水経路28と、貯湯水経路28に貯湯水を通流させる貯湯水ポンプ29と、蓄熱手段27から給湯や暖房などの熱負荷30に供給する熱供給手段31とをさらに備えている。
制御装置23は、電力値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する第4の算出手段36をさらに備えている。
第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。ここで、熱供給系統35は、スチームラインやガス給湯器など外部の熱供給手段によって構成されている。
以上のように構成された実施の形態4について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図7は燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態4における燃料電池システムの動作は、ステップ111A以前の動作は、ステップS10までの燃料電池システムの制御の流れを示すフローチャート、すなわち実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図2のIに続く図7のI以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
ステップS111AからS113Aまでは、実施の形態1、すなわち図3のステップS11AからS13Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Aにおいて、第4の算出手段36は、電力値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの電力値Wを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電に伴って回収される回収熱量HFCtを、熱回収効率EWHに基づいて(4)式により算出する。
FCt = W / EWE ・ EWH (4)
ステップS115Aにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(5)式により算出する。ここで、熱供給系統熱量QGHtは都市ガスで供給される場合には都市ガス量、スチームで供給される場合にはスチーム量として算出される。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AHtを(6A)式により算出し、AHtをTからTまで積算した値を熱供給系統一次エネルギー量Aとする。
GHt = HFCt / E (5)
Ht = QGHt ・ AGHB (6A)
ステップS116Aにおいて、運転制御手段19が、電力系統一次エネルギー量A及び熱供給系統一次エネルギー量Aの和と、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1とを比較する。AFC1がA+A以下ならば、ステップS117Aに進み、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS119Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、AFC1がA+Aより大きければ、ステップS120Aに進み、運転制御手段19は起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Aにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図7のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態1で述べた効果とともに、回収熱を供給することによって削減される熱供給系統の一次エネルギー量も反映させることができ、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態5は、実施の形態4における燃料電池システムの運転制御手段19がCOの発生量において比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合に発生するCO量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に発生するCO量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出する。第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合に発生するCO量を算出する。
したがって、実施の形態5における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態4の図6及び実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図2のIに続く図8のI以降のステップに進み、発生するCO量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
ステップS111BからS113Bまでは、実施の形態2、すなわち図4のステップS11BからS13Bと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Bは、実施の形態4、すなわち図7のステップS1114Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS115Bにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(5)式により算出する。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO発生量BGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合に発生するCO量BHtを(6B)式により算出し、BHtをTからTまで積算した値を熱供給系統CO発生量Bとする。
Ht = QGHt ・ BGHB (6B)
ステップS116Bにおいて、運転制御手段19が、電力系統CO発生量B及び熱供給系統CO発生量Bの和と、第1の燃料電池CO発生量BFC1とを比較する。BFC1がB+B以下ならば、ステップS117Bに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS119Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、BFC1がB+Bより大きければ、ステップS120Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図8のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態2で述べた効果とともに、回収熱を供給をすることによって削減される熱供給系統のCO発生量も反映させることができ、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態6は、実施の形態4における燃料電池システムの運転制御手段19が、コストにおいて比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態6における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態4の図6及び実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図2のIに続く図9のI以降のステップに進み、費やされるコストを考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
ステップS111CからS113Cまでは、実施の形態3、すなわち図5のステップS11CからS13Cと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Cは、実施の形態4、すなわち図7のステップS1114Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS115Cにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(5)式により算出する。そして、熱供給系統の従量料金CGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合にかかるコストCHtを(6C)式により算出し、CHtをTからTまで積算した値を熱供給系統コストCとする。
Ht = QGHt ・ CGHB (6C)
ステップS116Cにおいて、運転制御手段19が、電力系統コストC及び熱供給系統コストCの和と、第1の燃料電池コストCFC1とを比較する。CFC1がC+C以下ならば、ステップS117Cに進み、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS119Cにおいて、運転制御手段19は、起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、CFC1がC+Cより大きければ、ステップS120Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Cにおいて、運転制御手段19は、時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図9のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態3で述べた効果とともに、回収熱を供給をすることによって削減される熱供給系統のコストも反映させることができ、燃料電池システムを経済的に運転させることが可能となる。
(実施の形態7)
図10は、本発明の実施の形態7における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態4と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図6の燃料電池システムの電力値検出手段16の代わりに、熱負荷30で使用する熱量を検出する熱量値検出手段32を備えている。そして、蓄熱手段27に蓄えられた熱量を検出する蓄熱量検出手段39をさらに備えている。
制御装置23は、電力値蓄積手段17及び電力値予測手段18の代わりに、熱量値検出手段32の検出値を蓄積する熱量値蓄積手段33と、記憶された熱量値の履歴から熱負荷30で使用される熱量値H(t分後の熱量値H)を予測し、その熱量値Hによって構成される熱量値データを記憶する熱量値予測手段34とを備えている。そして、熱量値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する第1乃至第5の算出手段20,21,22,36,40を備えている。
第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第5の算出手段40は、蓄熱量検出手段39の検出値に基づいて取得される蓄熱手段27の蓄熱量、熱量値データ等に基づいて蓄熱手段27の蓄熱収支の予測値を算出する。
以上のように構成された本実施の形態について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図11および図12は燃料電池システムの制御の流れを示すフローチャートである。図11において、ステップS202において、熱量値検出手段32は、継続的に熱量値を検出し、熱量値蓄積手段33が、その検出された熱量値を蓄積して記憶する。ここでは、熱量値検出手段32は、1秒間隔毎に熱量値を検出する。
ステップS204において、熱量値予測手段34は、熱量値蓄積手段33に蓄積された熱量値の履歴に基づいて、今後24時間先までに熱負荷30で使用されるであろう1分単位の熱量値Hを予測して、熱量値データとして記憶する。
次に、運転制御手段19は、熱量値予測手段34に記憶されている熱量値データに基づいて、蓄熱手段27の蓄熱量が少なくなる時刻を起動予定時刻Tに仮定する。
ここでは、ステップS205において、運転制御手段19が、時刻Tに現在時刻Tを代入する。
ステップS206において、第5の算出手段が、蓄熱量検出手段39の検出値に基づいて現在時刻Tの蓄熱量GST0を算出する。そして、時刻Tにおける蓄熱量GStに蓄熱量GST0を代入する。
ステップS207において、運転制御手段19は、熱量値データの現在時刻Tから時刻Tまでの間の熱量値Hの積算値Hが、蓄熱量GStのY%以上(例えば80%以上)であるかどうかを判定する。YesならばステップS208に進み、Tを起動予定時刻Tと仮定する。Noならば、ステップS209に進み、Tから1分後の時刻をTとし(T=T+1min)、ステップS207に戻る。
ステップS210において、運転制御手段19は、起動所要時間T(例えば60分間)を時刻Tに加え発電開始予定時刻Tと仮定する。
次に、熱量値予測手段34に記憶されている熱量値データに基づいて、蓄熱手段27の蓄熱量が十分豊富になる時刻が停止予定時刻Tに仮定される。
ここでは、ステップS211において、第5の算出手段40は、起動予定時刻Tから発電開始予定時刻Tまでの間の熱量値データの熱量値Hを積算して起動時熱量値HT1を算出し、GStからHおよびHT1を減算したものをGStに代入する。
ステップS212において、第5の算出手段40は、時刻Tにおいて、蓄熱量GStに燃料電池からの熱回収量HRtを加算し、時刻Tにおける熱量値データの熱量Hを減算して、蓄熱量GStを算出する。
ステップS213において、運転制御手段19は、時刻Tにおいて蓄熱量GStが蓄熱手段27の最大蓄熱量GSmax以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS214で、運転制御手段19は、Tを停止予定時刻Tと仮定する。Noならば、ステップS215で、Tから1分後の時刻をTとし、ステップS212に戻る。
以上のようにして燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図11のVに続く図12のV以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
ステップS216Aにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの熱量値Hの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池13、燃料生成装置11などを含めた燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合に費やされる一次エネルギー量AFCHtを(8A)式により算出し、AFCHtをTからTまで積算した値を燃料電池発電一次エネルギー量AFCHとする。
GFCHt = H / EWH (7)
FCHt = QGFCHt ・ AGFCB (8A)
ステップS217Aにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電一次エネルギー量AFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとを合計して第2の燃料電池一次エネルギー量AFC2とする。
ステップS218Aにおいて、第4の算出手段は、熱量値Hを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHBに基づいて、Hを熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AHtを(10A)式により算出し、AHtをTからTまで積算した値を熱供給系統一次エネルギー量Aとする。
GHt = H / E (9)
Ht = QGHt ・ AGHB (10A)
ステップS219Aにおいて、第2の算出手段20が、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの1分ごとの熱量値Hを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合の一次エネルギー量AEtを(12A)式から算出し、AEtをTからTまで積算して電力系統一次エネルギー量Aとする。
FCt = H / EWH ・ EWE (11)
Et =WFCt ・ AEB (12A)
ステップS220Aにおいて、運転制御手段19が、電力系統一次エネルギー量A及び熱供給系統一次エネルギー量Aの和と、第2の燃料電池一次エネルギー量AFC2とを比較する。AFC2がA+A以下ならば、ステップS221Aに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS223Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、AFC2がA+Aより大きければ、ステップS222に進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS224において、運転制御手段19が時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図12のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムの熱追従運転時において、削減される電力系統一次エネルギー量も反映することができ、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
また、図示しないが、燃料電池システムが、実施の形態7の構成と実施の形態4の構成とを両方兼ね備えるように構成され、制御装置23に実施の形態7あるいは実施の形態4を選択する選択スイッチ(図示せず)を設けることもできる。このように構成すると、燃料電池システムの使用状況に応じて、熱負荷追従運転あるいは電力負荷追従運転を選択することができる。
さらに、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に電力値及び熱量値を蓄積するにあたっては、在宅時あるいは留守時の区別をつけて蓄積しておくと、在宅時及び留守時の選択に応じて、電力値予測手段18及び熱量値予測手段34が電力値データ及び熱量値データを構築することができる。具体的には、制御装置23に選択手段を設け、使用者が在宅時及び留守時を選択することによって、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に在宅時及び留守時が区別されて電力値及び熱量値が蓄積されるように構成する。これによって、電力値及び熱量値の予測をより的確にすることができる。
さらに、制御装置23に運転時刻入力手段(図示せず)を設け、使用者が起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを任意に設定できるように構成しても良い。これによって、使用者の行動予定も考慮して、より的確に燃料電池システムを運転させることができる。
(実施の形態8)
図13は、本発明の実施の形態8における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態8は、実施の形態7における燃料電池システムの運転制御手段19がCOの発生量において比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合に発生するCO量を算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合に発生するCO量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を、熱供給系統35が供給する場合に発生するCO量を算出する。
したがって、実施の形態8における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態7の図10及び図11と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図13に示すように、ステップS216Bにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの熱量値Hの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりのCO発生量BGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合に発生するCO発生量BFCHtを(8B)式により算出し、BFCHtをTからTまで積算した値を燃料電池発電CO発生量BFCHとする。
FCHt = QGFCHt ・ BGFCB (8B)
ステップS217Bにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出し、燃料電池起動CO発生量BFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電CO発生量BFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動CO発生量BFCSとを合計して第2の燃料電池CO発生量BFC2とする。
ステップS218Bにおいて、第4の算出手段は、熱量値Hを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO発生量BGHBに基づいて、Hを熱供給系統35が供給する場合に発生するCO量BHtを(10B)式により算出し、BHtをTからTまで積算した値を熱供給系統発生CO量Bとする。
Ht = QGHt ・ BGHB (10B)
ステップS219Bにおいて、第2の算出手段が、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの1分ごとの熱量値Hを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合のCO発生量BEtを(12B)式から算出し、BEtをTからTまで積算して電力系統CO発生量Bとする。
Et =WFCt ・ BEB (12B)
ステップS220Bにおいて、運転制御手段19が、電力系統CO発生量B及び熱供給系統CO発生量Bの和と、燃料電池システムCO発生量BFC2とを比較する。BFC2がB+B以下ならば、ステップS221Bに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS223Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、BFC2がB+Bより大きければ、ステップS222Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS224Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図13のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムでの熱追従運転時において、削減される電力系統でのCO発生量も反映することができ、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態9)
図14は、本発明の実施の形態9における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態9は、実施の形態7における燃料電池システムの運転制御手段19がコストにおいて比較をして起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に燃料電池13が電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を、熱供給系統35が供給する場合にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態9における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態7の図10及び図11と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図14に示すように、ステップS216Cにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間の1分ごとの熱量値Hの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、原料ガスの従量料金CGFCBに基づいて、発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合にかかるコストCFCHtを(8B)式により算出し、CFCHtをTからTまで積算した値を燃料電池発電コストCFCHとする。
FCHt = QGFCHt ・ CGFCB (8C)
ステップS217Cにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出し、燃料電池起動コストCFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電コストCFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動コストCFCSとを合計して第2の燃料電池コストCFC2とする。
ステップS218Cにおいて、第4の算出手段は、熱量値Hを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率Eに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統の従量料金CGHBに基づいて、Hを熱供給系統35が供給する場合にかかるコストCHtを(10C)式により算出し、CHtをTからTまで積算した値を熱供給系統コストCとする。
Ht = QGHt ・ CGHB (10C)
ステップS219Cにおいて、第2の算出手段が、熱量値データの発電開始予定時刻Tから停止予定時刻Tまでの1分ごとの熱量値Hを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合のコストCEtを(12C)式から算出し、CEtをTからTまで積算して電力系統コストCとする。
Et =WFCt ・ CEB (12C)
ステップS220Cにおいて、運転制御手段19が、電力系統コストC及び熱供給系統コストCの和と、燃料電池システムコストCFC2とを比較する。CFC2がC+C以下ならば、ステップS221Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tを決定し、ステップS223Cにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻Tに燃料電池システムを起動する。他方、CFC2がC+Cより大きければ、ステップS222Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻Tにおける燃料電池の起動を禁止し、ステップS224Cにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻Tを代入し、図14のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムの熱追従運転時において、削減される電力系統のコストも反映することができ、燃料電池システムをより経済的に運転させることが可能となる。
(実施の形態10)
図15は、本発明の実施の形態10における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態4と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図6の燃料電池システムの構成に加えて、燃料電池の起動時に、燃料電池の起動を律速する部位の温度を直接的もしくは間接的に検出する温度検出手段を備えている。ここでは、燃料生成装置11の燃料生成装置温度検出手段41を備えている。あるいは、燃料電池13に燃料電池温度検出手段を備えるようにしても同様の効果が得られる。
以上のように構成された実施の形態10について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図16は燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。図16において、ステップS301乃至S308は、実施の形態1、すなわち図2のステップS1乃至S6と同じであり、説明を省略する。
ステップS309において、第3の算出手段22が、燃料生成装置温度検出手段41が現在時刻Tに検出した検出温度Kに基づいて起動モードを判別する。ここでは、検出温度Kが所定温度K以上の場合は短期起動モード、K以下の場合は長期起動モードとする。なお、燃料生成装置11や燃料電池13の起動予定時刻Tにおける温度は、外気温度と現在時刻Tから起動予定時刻Tまでの時間との関数である放熱量から推測することが可能である。そこで、起動モードの判別には、それらの関数を用いて推測される起動予定時刻Tにおける燃料生成装置11の温度(起動時温度)Kと所定温度Kとを比較させるようにしてもよい。あるいは、検出温度Kと外気温度との温度差と現在時刻Tから起動予定時刻Tまでの時間とを変数とする起動モード対応表を予め作成して第3の算出手段22に記憶させておいて、第3の算出手段が起動モード対応表から起動モードを選択するようにしてもよい。あるいは、第3の算出手段22が、起動時温度Kと発電開始時に必要な温度(発電開始時温度)Kとの温度差に基づいて、起動所要時間Tを算出するようにしてもよい。
ステップS310−1において、運転制御手段19が、各起動モードに応じてあらかじめ設定された起動所要時間T(例えば長期起動モード時60分間、短期起動モード時30分間)を時刻Tに加え、発電開始予定時刻Tと仮定する。
ステップS310−2において、運転制御手段19が、Tに発電開始予定時刻Tを代入する。
ステップS310−3において、運転制御手段19が、Tから所定時間X(例えば30分間)後までの電力値W(W〜WT+30までの30個)のY%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS311に進む。Noならば、ステップS310−4で、Tから(起動所要時間T−1分)前の時刻をTとし、ステップS306に戻る。
ステップS311乃至S313は、実施の形態1、すなわち図2のステップS8乃至S10と同じであり、説明を省略する。
以上のようにして燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図16のVIIに続く図17のVII以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定される。
具体的には、実施の形態4、すなわち図7のステップS111A乃至S120Aと同じであり、説明を省略する。
ただし、ステップS112Aにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出あるいは決定し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、実施の形態4で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間T及び燃料電池起動一次エネルギー量AFCSが予測されて算出されるので、無駄なエネルギーの消費をより一層抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
なお、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図17のVII以降のステップにおいて、実施の形態5、すなわち図8のステップS111B乃至S120Bと同じ動作によって、発生するCOの量を考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定されてもよい。ただし、ステップS112Bにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際に発生するCO量を算出あるいは決定し、燃料電池起動CO発生量BFCSとする。
これによって、実施の形態5で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間T及び燃料電池起動CO発生量BFCSが予測されて算出されるので、CO発生量を抑制し、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
また、燃料電池の起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが仮定された後、図17のVII以降のステップにおいて、実施の形態6、すなわち図9のステップS111C乃至S120Cと同じ動作によって、コストを考慮して起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tが決定されてもよい。ただし、ステップS112Cにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出あるいは決定し、燃料電池起動コストCFCSとする。
これによって、実施の形態6で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間T及び燃料電池起動コストCFCSが予測されて算出されるので、燃料電池システムをより経済的に運転させることが可能となる。
ここで、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を実行する制御装置群をも含んで意味する。よって、制御装置23は、単独の制御装置から構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して燃料電池システムの動作を制御するように構成されていてもよい。
なお、発電効率EWE、熱回収効率EWH、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCB、単位電力当たりの一次エネルギー量AEB、単位原料ガス当たりのCO発生量BGFCB、単位電力当たりのCO発生量BEB、原料ガスの従量料金CGFCB、電力系統の従量料金CEB、燃料電池起動一次エネルギー量AFCS、燃料電池起動CO発生量BFCS、燃料電池起動コストCFCS、熱供給系統35の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHB、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO発生量BGHB、熱供給系統の従量料金CGHB、熱供給系統熱効率Eおよび起動所要時間Tは制御装置23に予め設定されていてもよいし、あるいは制御装置23に入力手段(図示せず)を備え、入力して制御装置23内のそれらが使用されるそれぞれの手段に記憶、更新できるようにしてもよい。
また、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBは、AEB、石油換算当たりの重量単位でもよいし、熱量単位でもよい。
単位原料ガス当たりのCO発生量BGFCBは、石油換算当たりの重量単位でもよいし、熱量単位でもよい。
単位電力当たりのCO発生量BEBは、電力系統の発電設備の種類、発電設備の及び送電設備の熱効率に応じて、予め算出あるいは、電力系統会社から入手することができる。
なお、電力値予測手段18及び熱量値予測手段34が電力値データ及び熱量値データを構築するには、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に電力値及び熱量値を蓄積する必要がある。この蓄積には、通常、電力値及び熱量値の検出開始後半月から一ヶ月程度の期間を要するので、運転制御手段による起動予定時刻T、発電開始予定時刻Tおよび停止予定時刻Tの決定は、燃料電池システム設置後約半月から一ヶ月経過後となる。あるいは、燃料電池システム設置前に、供給対象の電力値及び熱量値を検出しておき、その履歴を電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に予め記憶させておいてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
〔産業上の利用の可能性〕
本発明に係るは、エネルギー資源、環境負荷あるいは経済性に配慮した運転をすることができる燃料電池システム及び燃料電池コージェネレーションシステムとして有用である。
本発明は、燃料電池を用いて発電を行う燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムとしては、経済的に発電運転を行うため、電力負荷や熱負荷の状況に応じて運転を変更するものがあった。例えば、電力負荷で必要とする電力を供給する場合に、その電力を燃料電池が発電するために要するコストと電力系統が供給するために要するコストを比較して、燃料電池が供給するか否かを判断して燃料電池の運転の是非を判断する燃料電池システムが記載されている(例えば、特許文献1)。
図17は、特許文献1に記載された従来の燃料電池システムを示すものである。図17において、燃料生成装置11は、天然ガスなどの原料を水蒸気を含む雰囲気下で改質反応を行い水素を含む燃料ガスを生成し、燃料電池13に供給する。燃料電池13は、燃料生成装置11から供給された燃料ガスと酸化剤供給手段12により供給された空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生させる。発生した電力は、電力供給手段15により電力負荷14に供給される。電力値検出手段16は、電力負荷14で使用される電力を検出し、制御装置23は、検出された電力を燃料電池13が発電し供給する場合のコストと電力系統が供給する場合のコストとを比較し、安い電力供給源を判定する。燃料電池13が発電する場合の方が安ければ、電力供給手段15は電力負荷14に燃料電池13から電力を供給する。
特開2002−190308号公報
他方で、燃料電池システムは、発電を開始するまでに燃料電池などを含む各部の温度を発電可能な温度まで上げる必要があり、そのためのエネルギーが必要となる。しかしながら、上記のような従来の燃料電池システムでは、起動に必要とされるエネルギーが考慮されておらず、起動及び停止の回数が多い場合には実際のコストと算出されるコストとの乖離が大きくなるという問題があった。
本発明は、起動に係るエネルギーを考慮して合理的に燃料電池を運転させる燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、第1の本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池システムの供給対象が発生させる電力又は熱の負荷の負荷値を検出する負荷値検出手段と、前記負荷値検出手段によって検出される前記負荷値の履歴を記憶する負荷値蓄積手段と、前記負荷値の履歴に基づいて、今後発生しうる負荷値を予測して、その予測負荷値を負荷値データとして記憶する負荷値予測手段と、前記負荷値データに基づいて、前記燃料電池の起動予定時刻を決定する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、電力供給対象の電力負荷を予測して起動予定時刻を決定することができるので、省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。ここで、燃料電池の起動には、燃料電池自体のみならず燃料電池の起動に必要な諸設備、例えば、燃料生成装置、酸化剤供給手段等の起動も含まれる。
第2の発明は、前記負荷値は、前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値であり、前記負荷値データが電力値データである、燃料電池システムである。
第3の発明は、電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、前記算出手段が、所定の時間帯の前記電力値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給をする場合と電力系統によって電力供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統によって電力供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。
第4の発明及び第16の発明は、前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合における電力供給、あるいは電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。また、第5の発明及び第17の発明は、前記算出手段は、前記燃料電池の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、燃料電池の起動から発電開始までに費やされる一次エネルギー等を予測することができるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第6の発明及び第18の発明は、原料から水素を含む燃料を生成する燃料生成装置をさらに備え、前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合における電力供給あるいは電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する燃料電池システムである。また、第7の発明及び第19の発明は、前記算出手段は、前記燃料生成装置の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムは、燃料生成装置の暖機も含めて、燃料電池の起動から発電開始までに費やされる一次エネルギー等を予測することができるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第8の発明及び第20の発明は、入力手段をさらに備え、前記入力手段によって、前記算出手段の算出項目を一次エネルギー、二酸化炭素あるいはコストから選択することができる、燃料電池システムである。これによって、使用者が選好して燃料電池システムの動作を切り換えることができるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第9の発明及び第21の発明は、表示手段をさらに備え、前記算出手段の算出値を用いて、前記燃料電池によって電力供給、あるいは電力供給及び熱供給をする場合と、電力系統によって電力供給、あるいは電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける一次エネルギー、二酸化炭素量あるいはコストのいずれかの差分を算出し、前記表示手段が、その差分を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、省エネルギー、地球温暖化の防止あるいは経済性を具体的な数字によって認知できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第10の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段とをさらに備え、前記算出手段は、前記時間帯の前記電力値データに基づいて、前記蓄熱手段によって回収される熱量と、該熱量が外部の熱供給手段によって供給される場合において該熱量の供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかとをさらに算出することによって、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。これによって、熱電併給をする燃料電池システムにおいても、燃料電池の起動から停止までが省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。
第11の発明は、前記起動予定時刻は、所定の更新時間毎に更新される、燃料電池システムである。これによって、定期的に動作の適否が判断されるので、より的確な運転の判断を行う燃料電池システムを提供することができる。
第12の発明は、表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記起動予定時刻を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、燃料電池の起動停止を把握できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第13の発明は、前記表示手段は、過去の運転履歴を表示する、燃料電池システムである。これによって、使用者は、燃料電池の起動及び停止を把握できるので、使用者の省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面への関心を呼び起こすことができる。
第14の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段とをさらに備え、前記負荷値は、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値である、燃料電池システムである。これによって、熱電併給をする燃料電池システムが熱負荷に追従して燃料電池を運転する場合においても、燃料電池の起動から停止までが省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転する燃料電池システムを提供することができる。
第15の発明は、熱供給及び電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、前記算出手段が、所定の時間帯の前記熱量値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、燃料電池システムである。
第22の発明は、前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段と、選択手段とをさらに備え、前記選択手段によって、前記負荷値を、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値、あるいは前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値から選択し、該選択によって前記負荷値データが電力値データあるいは熱量値データのいずれかから選択される、燃料電池システムである。これによって、燃料電池システムの使用状況に応じて、熱負荷追従運転あるいは電力負荷追従運転を選択することができる。
第23の発明は、前記負荷値蓄積手段は、在宅時及び留守時を区別して前記負荷値を蓄積し、前記選択手段によって、前記燃料電池の起動予定時刻の決定を、在宅時における前記電力値データに基づく決定と、留守時における前記電力値データに基づく決定と、在宅時における前記熱量値データに基づく決定と、留守時における前記熱量値データに基づく決定とから任意に選択することができる、燃料電池システムである。これによって、電力値及び熱量値の予測をより的確にすることができる。
第24の発明は、前記燃料電池の起動予定時刻を任意に設定することができる運転時刻設定手段をさらに備える、燃料電池システムである。これによって、使用者の行動予定も考慮して燃料電池の起動を設定することができるので、より的確に燃料電池システムを運転させることができる。
以上のように、本発明に係る燃料電池システムは、省エネルギー、地球温暖化の防止及び経済性の面で有利な場合に燃料電池を運転させることができるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムを示す構成図である。本実施の形態における燃料電池システムは、天然ガスなどの原料から水素を含む燃料ガスを生成する燃料生成装置11と、酸化剤を供給する酸化剤供給手段12と、燃料生成装置11から供給される燃料ガスと酸化剤供給手段12から供給される空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電力と熱を発生させる燃料電池13と、燃料電池13で発生した電力をエアコンや冷蔵庫などの電力負荷14に供給する電力供給手段15と、電力負荷14で使用する電力を検出する電力値検出手段16と、燃料電池システムの動作を制御する制御装置23とで構成されている。
電力供給手段15は、インバーター、開閉器などによって構成されている。
制御装置23は、電力値検出手段16の検出値を蓄積する電力値蓄積手段17と、記憶された電力値の履歴から電力負荷14で使用される電力値Wt(t分後の電力値Wt)を予測し、その電力値Wtによって構成される電力値データを記憶する電力値予測手段18と、運転制御手段19と、表示手段42とを有する。ここで、燃料電池13の起動には、燃料電池13自体のみならず燃料電池の起動に必要な諸設備、例えば、燃料生成装置11、酸化剤供給手段12等も含まれる。
運転制御手段19は、電力値予測手段18により記憶された電力値データに基づいて燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2及び停止予定時刻T3を決定するとともに、これら時刻T1、T2及びT3に基づいて、燃料電池13を起動、発電開始及び停止させる。
さらに、ここでは、制御装置23は、電力値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する算出手段20、21、22を備えている。第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13により発電して供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出する。
また、運転制御手段19は、タイマー(図示せず)を備え、所定の更新時間毎に、運転制御手段19が、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を更新するように動作させる。これによって、定期的に動作の適否が判定されるので、より的確な燃料電池システムの動作を実現することができる。
表示手段42は、運転制御手段19に設定されている起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を表示する。さらに、表示手段42は、電力値蓄積手段17に蓄積されている電力値の履歴の中から、過去の発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の間、すなわち燃料電システムの発電による電力値履歴を表示する。さらに、表示手段42は、後述するステップS14A、S14BあるいはS14Cにおいて比較される値の間の差分を運転制御手段19が演算し、その演算結果を表示する。これによって、使用者のエネルギー資源、環境負荷あるいは経済性への関心を呼び起こすことができる。
制御装置23内は、例えばマイコンで構成されている。そして、制御装置23が有する各手段17乃至22は、このマイコンの内部メモリに格納された所定のプログラム(以下時刻決定プログラムという)をCPUが実行することによって実現される。そして、この時刻決定プログラムの実行において、必要なデータは、例えば、マイコンの内部メモリに記憶される。
以上のように構成された本実施の形態について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図2および図3は燃料電池システムの制御の流れ、すなわち時刻決定プログラムの内容を示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップS1において、電力値検出手段16は、継続的に電力値を検出し、電力値蓄積手段17が、その検出された電力値を蓄積して記憶する。ここでは、電力値検出手段16は、1秒間隔毎に電力値を検出する。
ステップS2において、電力値予測手段18は、電力値蓄積手段17に蓄積された電力値の履歴に基づいて、今後24時間先までに電力負荷14で使用されるであろう1分単位の電力値Wtを予測して、電力値データとして記憶する。
次に、運転制御手段19は、電力値予測手段18に記憶されている電力値データに基づいて、所定の値、ここでは燃料電池13の最低発電量Wminより高い電力値が多く分布する時間帯を選定する。
ここでは、ステップS3において、運転制御手段19が、時刻Tに現在時刻T0を代入する。
ステップS4において、運転制御手段19が、Tから所定時間X1(例えば30分間)後までの電力値Wt(WT〜WT+30までの30個)のY1%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS5で、Tを起動予定時刻T1と仮定する。Noならば、ステップS6で、Tから1分後の時刻をTとし(T=T+1min)、ステップS4に戻る。
ステップS7−1では、運転制御手段19が、起動所要時間Ts(例えば60分間)を時刻Tに加え発電開始予定時刻T2と仮定する。
ステップS7−2において、運転制御手段19が、Tに発電開始予定時刻T2を代入する。
ステップS7−3において、運転制御手段19が、Tから所定時間X1(例えば30分間)後までの電力値Wt(WT〜WT+30までの30個)のY1%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS8に進む。Noならば、ステップS7−4で、Tから(起動所要時間Ts―1分)前の時刻をTとし、ステップS4に戻る。
ステップS8では、運転制御手段19が、Tから所定時間X2(例えば60分間)後までの電力値Wt(WT〜WT+60までの60個)のY2%以上(例えば80%、48個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin未満であるかどうかを判定する。YesならばステップS9で、Tを停止予定時刻T3と仮定する。Noならば、ステップS10で、Tから1分後の時刻をTとし、ステップS8に戻る。
以上のようにして、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図2のIに続く図3のI以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
ステップS11Aにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池13、燃料生成装置11などを含めた燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合に費やされる一次エネルギー量AFCEtを(2A)式により算出し、AFCEtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電一次エネルギー量AFCEとする。
GFCEt = Wt / EWE (1)
FCEt = QGFCEt ・ AGFCB (2A)
ステップS12Aにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電一次エネルギー量AFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとを合計して第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1とする。
ステップS13Aにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の単位電力当たりの一次エネルギー量AEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtを電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AEtを(3A)式により算出し、AEtをT2からT3まで積算した値を電力系統一次エネルギー量AEとする。
Et = Wt ・ AEB (3A)
ステップS14Aにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1と電力系統一次エネルギー量AEとを比較する。第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1が電力系統一次エネルギー量AE以下ならば、ステップS15Aに進み、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS17Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1が電力系統一次エネルギー量AEより大きければ、ステップS16Aに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Aにおいて運転制御手段19が時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時において費やされる一次エネルギー量も含めた燃料電池システムによって消費される一次エネルギー量と、電力系統によって消費される一次エネルギー量とを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態2は、実施の形態1における燃料電池システムの運転制御手段19が二酸化炭素(以下CO2と略す)の発生量において比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13により発電して供給する場合に発生するCO2量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に発生するCO2量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出する。
したがって、実施の形態2における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態1の図1及び図2と同じ構成であるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図4に示すように、ステップS11Bにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりのCO2発生量BGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合に発生するCO2量BFCEtを(2B)式により算出し、BFCEtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電CO2発生量BFCEとする。
FCEt = QGFCEt ・ BGFCB (2B)
ステップS12Bにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出し、燃料電池起動CO2発生量BFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電CO2発生量BFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動CO2発生量BFCSとを合計して第1の燃料電池CO2発生量BFC1とする。
ステップS13Bにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の単位電力当たりのCO2発生量BEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtを電力系統が供給する場合に発生するCO2量BEtを(3B)式により算出し、BEtをT2からT3まで積算した値を電力系統CO2発生量BEとする。
Et = Wt ・ BEB (3B)
ステップS14Bにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池CO2発生量BFC1と電力系統CO2発生量BEとを比較する。第1の燃料電池CO2発生量BFC1が電力系統CO2発生量BE以下ならば、ステップS15Bに進み、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS17Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池CO2発生量BFC1が電力系統CO2発生素量BEより大きければ、ステップS16Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時において発生するCO2量も含めた燃料電池システムにおいて発生するCO2量と、電力系統において発生するCO2量とを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、CO2の発生を抑制し、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして、燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態3は、実施の形態1における燃料電池システムの運転制御手段19がコストにおいて比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態3における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態1の図1及び図2と同じ構成であるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図5に示すように、ステップS11Cにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtの発電に必要な原料ガス量QGFCEtを、燃料電池システムの発電効率EWEに基づいて(1)式により算出する。そして、原料ガスの従量料金CGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給する場合にかかるコストCFCEtを(2C)式により算出し、CFCEtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電コストCFCEとする。
FCEt = QGFCEt ・ CGFCB (2C)
ステップS12Cにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出し、燃料電池起動コストCFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電コストCFCEと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動コストCFCSとを合計して第1の燃料電池コストCFC1とする。
ステップS13Cにおいて、第2の算出手段21が、電力系統の従量料金CEBに基づいて、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtを電力系統が供給する場合にかかるコストCEtを(3C)式により算出し、CEtをT2からT3まで積算した値を電力系統コストCEとする。
Et = Wt ・ CEB (3C)
ステップS14Cにおいて、運転制御手段19が、第1の燃料電池コストCFC1と電力系統コストCEとを比較する。第1の燃料電池コストCFC1が電力系統コストCE以下ならば、ステップS15Cに進み、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS17Cにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、第1の燃料電池コストCFC1が電力系統コストCEより大きければ、ステップS16Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS18Cにおいて、運転制御手段19は、時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図3のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
以上により、燃料電池の起動時におけるコストも考慮した燃料電池システムのコストと、電力系統コストとを比較して燃料電池システムの運転及び停止の判断を行うことができる。これによって、燃料電池システムが頻繁に起動・停止をくり返すような運転状態においても、燃料電池システムを経済的に運転させることが可能となる。
また、制御装置23は、切換スイッチ、キーボード、マウス等の入力手段(図示せず)と、実施の形態1乃至実施の形態3のそれぞれの第1乃至第3の算出手段と、運転制御手段19と、表示手段42とを備え、入力手段によって、実施の形態1乃至実施の形態3を選択できるようにするとよい。これによって、使用者の選好によって燃料電池システムの動作を切り換えることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図1の燃料電池システムの構成に加えて、燃料電池13を所定の温度に維持する冷却水を循環する冷却水経路24と、冷却水経路24に冷却水を通流する冷却水ポンプ25と、蓄熱手段27と、冷却水が燃料電池13より回収した熱を貯湯水に伝熱する熱交換器26と、貯湯水により燃料電池13から熱を回収し温水として蓄熱手段27に蓄積する貯湯水経路28と、貯湯水経路28に貯湯水を通流させる貯湯水ポンプ29と、蓄熱手段27から給湯や暖房などの熱負荷30に供給する熱供給手段31とをさらに備えている。
制御装置23は、電力値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する第4の算出手段36をさらに備えている。
第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。ここで、熱供給系統35は、スチームラインやガス給湯器など外部の熱供給手段によって構成されている。
以上のように構成された実施の形態4について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図7は燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態4における燃料電池システムの動作は、ステップ111A以前の動作は、ステップS10までの燃料電池システムの制御の流れを示すフローチャート、すなわち実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図2のIに続く図7のI以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
ステップS111AからS113Aまでは、実施の形態1、すなわち図3のステップS11AからS13Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Aにおいて、第4の算出手段36は、電力値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの電力値Wtを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電に伴って回収される回収熱量HFCtを、熱回収効率EWHに基づいて(4)式により算出する。
FCt = Wt / EWE ・ EWH (4)
ステップS115Aにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(5)式により算出する。ここで、熱供給系統熱量QGHtは都市ガスで供給される場合には都市ガス量、スチームで供給される場合にはスチーム量として算出される。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AHtを(6A)式により算出し、AHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統一次エネルギー量AHとする。
GHt = HFCt / EH (5)
Ht = QGHt ・ AGHB (6A)
ステップS116Aにおいて、運転制御手段19が、電力系統一次エネルギー量AE及び熱供給系統一次エネルギー量AHの和と、第1の燃料電池一次エネルギー量AFC1とを比較する。AFC1がAE+AH以下ならば、ステップS117Aに進み、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS119Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、AFC1がAE+AHより大きければ、ステップS120Aに進み、運転制御手段19は起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Aにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図7のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態1で述べた効果とともに、回収熱を供給することによって削減される熱供給系統の一次エネルギー量も反映させることができ、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態5は、実施の形態4における燃料電池システムの運転制御手段19がCO2の発生量において比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合に発生するCO2量を算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合に発生するCO2量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出する。第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合に発生するCO2量を算出する。
したがって、実施の形態5における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態4の図6及び実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図2のIに続く図8のI以降のステップに進み、発生するCO2量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
ステップS111BからS113Bまでは、実施の形態2、すなわち図4のステップS11BからS13Bと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Bは、実施の形態4、すなわち図7のステップS1114Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS115Bにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(5)式により算出する。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO2発生量BGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合に発生するCO2量BHtを(6B)式により算出し、BHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統CO2発生量BHとする。
Ht = QGHt ・ BGHB (6B)
ステップS116Bにおいて、運転制御手段19が、電力系統CO2発生量BE及び熱供給系統CO2発生量BHの和と、第1の燃料電池CO2発生量BFC1とを比較する。BFC1がBE+BH以下ならば、ステップS117Bに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS119Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、BFC1がBE+BHより大きければ、ステップS120Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図8のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態2で述べた効果とともに、回収熱を供給をすることによって削減される熱供給系統のCO2発生量も反映させることができ、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態6は、実施の形態4における燃料電池システムの運転制御手段19が、コストにおいて比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、電力値データの所定の時間帯の電力値を燃料電池13が発電して供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、電力値データの所定の時間帯の電力値を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。第4の算出手段36は、電力値データの所定の時間帯の電力値に応じて燃料電池システムにおいて回収される熱量に相当する熱量を、熱供給系統35が供給する場合にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態6における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態4の図6及び実施の形態1の図2と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図2のステップS10までにおいて、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図2のIに続く図9のI以降のステップに進み、費やされるコストを考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
ステップS111CからS113Cまでは、実施の形態3、すなわち図5のステップS11CからS13Cと同じであり、説明を省略する。
ステップS114Cは、実施の形態4、すなわち図7のステップS1114Aと同じであり、説明を省略する。
ステップS115Cにおいて、第4の算出手段36は、回収熱量HFCtを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(5)式により算出する。そして、熱供給系統の従量料金CGHBに基づいて、HFCtを熱供給系統35が供給する場合にかかるコストCHtを(6C)式により算出し、CHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統コストCHとする。
Ht = QGHt ・ CGHB (6C)
ステップS116Cにおいて、運転制御手段19が、電力系統コストCE及び熱供給系統コストCHの和と、第1の燃料電池コストCFC1とを比較する。CFC1がCE+CH以下ならば、ステップS117Cに進み、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS119Cにおいて、運転制御手段19は、起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、CFC1がCE+CHより大きければ、ステップS120Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS120Cにおいて、運転制御手段19は、時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図9のIIに続く図2のIIからステップS4に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、燃料電池システムでの発電に伴って発生する熱を回収して使用する場合においては、実施の形態3で述べた効果とともに、回収熱を供給をすることによって削減される熱供給系統のコストも反映させることができ、燃料電池システムを経済的に運転させることが可能となる。
(実施の形態7)
図10は、本発明の実施の形態7における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態4と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図6の燃料電池システムの電力値検出手段16の代わりに、熱負荷30で使用する熱量を検出する熱量値検出手段32を備えている。そして、蓄熱手段27に蓄えられた熱量を検出する蓄熱量検出手段39をさらに備えている。
制御装置23は、電力値蓄積手段17及び電力値予測手段18の代わりに、熱量値検出手段32の検出値を蓄積する熱量値蓄積手段33と、記憶された熱量値の履歴から熱負荷30で使用される熱量値Ht(t分後の熱量値Ht)を予測し、その熱量値Htによって構成される熱量値データを記憶する熱量値予測手段34とを備えている。そして、熱量値データに基づく演算を行って演算結果を運転制御手段19に提供する第1乃至第5の算出手段20,21,22,36,40を備えている。
第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量を算出する。第5の算出手段40は、蓄熱量検出手段39の検出値に基づいて取得される蓄熱手段27の蓄熱量、熱量値データ等に基づいて蓄熱手段27の蓄熱収支の予測値を算出する。
以上のように構成された本実施の形態について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図11および図12は燃料電池システムの制御の流れを示すフローチャートである。図11において、ステップS202において、熱量値検出手段32は、継続的に熱量値を検出し、熱量値蓄積手段33が、その検出された熱量値を蓄積して記憶する。ここでは、熱量値検出手段32は、1秒間隔毎に熱量値を検出する。
ステップS204において、熱量値予測手段34は、熱量値蓄積手段33に蓄積された熱量値の履歴に基づいて、今後24時間先までに熱負荷30で使用されるであろう1分単位の熱量値Htを予測して、熱量値データとして記憶する。
次に、運転制御手段19は、熱量値予測手段34に記憶されている熱量値データに基づいて、蓄熱手段27の蓄熱量が少なくなる時刻を起動予定時刻T1に仮定する。
ここでは、ステップS205において、運転制御手段19が、時刻Tに現在時刻T0を代入する。
ステップS206において、第5の算出手段が、蓄熱量検出手段39の検出値に基づいて現在時刻T0の蓄熱量GST0を算出する。そして、時刻Tにおける蓄熱量GStに蓄熱量GST0を代入する。
ステップS207において、運転制御手段19は、熱量値データの現在時刻T0から時刻Tまでの間の熱量値Htの積算値HTが、蓄熱量GStのY1%以上(例えば80%以上)であるかどうかを判定する。YesならばステップS208に進み、Tを起動予定時刻T1と仮定する。Noならば、ステップS209に進み、Tから1分後の時刻をTとし(T=T+1min)、ステップS207に戻る。
ステップS210において、運転制御手段19は、起動所要時間Ts(例えば60分間)を時刻Tに加え発電開始予定時刻T2と仮定する。
次に、熱量値予測手段34に記憶されている熱量値データに基づいて、蓄熱手段27の蓄熱量が十分豊富になる時刻が停止予定時刻T3に仮定される。
ここでは、ステップS211において、第5の算出手段40は、起動予定時刻T1から発電開始予定時刻T2までの間の熱量値データの熱量値Htを積算して起動時熱量値HT1を算出し、GStからHTおよびHT1を減算したものをGStに代入する。
ステップS212において、第5の算出手段40は、時刻Tにおいて、蓄熱量GStに燃料電池からの熱回収量HRtを加算し、時刻Tにおける熱量値データの熱量Htを減算して、蓄熱量GStを算出する。
ステップS213において、運転制御手段19は、時刻Tにおいて蓄熱量GStが蓄熱手段27の最大蓄熱量GSmax以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS214で、運転制御手段19は、Tを停止予定時刻T3と仮定する。Noならば、ステップS215で、Tから1分後の時刻をTとし、ステップS212に戻る。
以上のようにして燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図11のVに続く図12のV以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
ステップS216Aにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの熱量値Htの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池13、燃料生成装置11などを含めた燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合に費やされる一次エネルギー量AFCHtを(8A)式により算出し、AFCHtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電一次エネルギー量AFCHとする。
GFCHt = Ht / EWH (7)
FCHt = QGFCHt ・ AGFCB (8A)
ステップS217Aにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電一次エネルギー量AFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとを合計して第2の燃料電池一次エネルギー量AFC2とする。
ステップS218Aにおいて、第4の算出手段は、熱量値Htを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHBに基づいて、Htを熱供給系統35が供給する場合に費やされる一次エネルギー量AHtを(10A)式により算出し、AHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統一次エネルギー量AHとする。
GHt = Ht / EH (9)
Ht = QGHt ・ AGHB (10A)
ステップS219Aにおいて、第2の算出手段20が、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの1分ごとの熱量値Htを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合の一次エネルギー量AEtを(12A)式から算出し、AEtをT2からT3まで積算して電力系統一次エネルギー量AEとする。
FCt = Ht / EWH ・ EWE (11)
Et =WFCt ・ AEB (12A)
ステップS220Aにおいて、運転制御手段19が、電力系統一次エネルギー量AE及び熱供給系統一次エネルギー量AHの和と、第2の燃料電池一次エネルギー量AFC2とを比較する。AFC2がAE+AH以下ならば、ステップS221Aに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS223Aにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、AFC2がAE+AHより大きければ、ステップS222に進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS224において、運転制御手段19が時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図12のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムの熱追従運転時において、削減される電力系統一次エネルギー量も反映することができ、無駄なエネルギーの消費を抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
また、図示しないが、燃料電池システムが、実施の形態7の構成と実施の形態4の構成とを両方兼ね備えるように構成され、制御装置23に実施の形態7あるいは実施の形態4を選択する選択スイッチ(図示せず)を設けることもできる。このように構成すると、燃料電池システムの使用状況に応じて、熱負荷追従運転あるいは電力負荷追従運転を選択することができる。
さらに、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に電力値及び熱量値を蓄積するにあたっては、在宅時あるいは留守時の区別をつけて蓄積しておくと、在宅時及び留守時の選択に応じて、電力値予測手段18及び熱量値予測手段34が電力値データ及び熱量値データを構築することができる。具体的には、制御装置23に選択手段を設け、使用者が在宅時及び留守時を選択することによって、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に在宅時及び留守時が区別されて電力値及び熱量値が蓄積されるように構成する。これによって、電力値及び熱量値の予測をより的確にすることができる。
さらに、制御装置23に運転時刻入力手段(図示せず)を設け、使用者が起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を任意に設定できるように構成しても良い。これによって、使用者の行動予定も考慮して、より的確に燃料電池システムを運転させることができる。
(実施の形態8)
図13は、本発明の実施の形態8における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態8は、実施の形態7における燃料電池システムの運転制御手段19がCO2の発生量において比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合に発生するCO2量を算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合に発生するCO2量を算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を、熱供給系統35が供給する場合に発生するCO2量を算出する。
したがって、実施の形態8における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態7の図10及び図11と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図13に示すように、ステップS216Bにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの熱量値Htの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、単位原料ガス当たりのCO2発生量BGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合に発生するCO2発生量BFCHtを(8B)式により算出し、BFCHtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電CO2発生量BFCHとする。
FCHt = QGFCHt ・ BGFCB (8B)
ステップS217Bにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出し、燃料電池起動CO2発生量BFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電CO2発生量BFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動CO2発生量BFCSとを合計して第2の燃料電池CO2発生量BFC2とする。
ステップS218Bにおいて、第4の算出手段は、熱量値Htを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO2発生量BGHBに基づいて、Htを熱供給系統35が供給する場合に発生するCO2量BHtを(10B)式により算出し、BHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統発生CO2量BHとする。
Ht = QGHt ・ BGHB (10B)
ステップS219Bにおいて、第2の算出手段が、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの1分ごとの熱量値Htを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合のCO2発生量BEtを(12B)式から算出し、BEtをT2からT3まで積算して電力系統CO2発生量BEとする。
Et =WFCt ・ BEB (12B)
ステップS220Bにおいて、運転制御手段19が、電力系統CO2発生量BE及び熱供給系統CO2発生量BHの和と、燃料電池システムCO2発生量BFC2とを比較する。BFC2がBE+BH以下ならば、ステップS221Bに進み、運転制御手段19が、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS223Bにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、BFC2がBE+BHより大きければ、ステップS222Bに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS224Bにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図13のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムでの熱追従運転時において、削減される電力系統でのCO2発生量も反映することができ、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
(実施の形態9)
図14は、本発明の実施の形態9における燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。実施の形態9は、実施の形態7における燃料電池システムの運転制御手段19がコストにおいて比較をして起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定するように構成されている。すなわち、第1の算出手段20は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が蓄熱手段27に供給する場合にかかるコストを算出する。第2の算出手段21は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を燃料電池13が供給する際に燃料電池13が電力負荷14へ電力供給する電力量を算出し、その電力量を電力系統が供給する場合にかかるコストを算出する。第3の算出手段22は、燃料電池13、燃料生成装置11など燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出する。第4の算出手段36は、熱量値データの所定の時間帯の熱量値を、熱供給系統35が供給する場合にかかるコストを算出する。
したがって、実施の形態9における燃料電池システムの構成及び燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートは、実施の形態7の図10及び図11と同じであるので、説明は省略する。
以下、燃料電池システムの制御の流れの後半部を説明する。
図14に示すように、ステップS216Cにおいて、第1の算出手段20は、燃料電池13が発電して供給する場合に、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間の1分ごとの熱量値Htの発電に必要な原料ガス量QGFCHtを、燃料電池システムの熱回収効率EWHに基づいて(7)式により算出する。そして、原料ガスの従量料金CGFCBに基づいて、発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの間を燃料電池システムが発電して電力供給及び熱供給する場合にかかるコストCFCHtを(8B)式により算出し、CFCHtをT2からT3まで積算した値を燃料電池発電コストCFCHとする。
FCHt = QGFCHt ・ CGFCB (8C)
ステップS217Cにおいて、第3の算出手段22は、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出し、燃料電池起動コストCFCSとする。そして、運転制御手段19が、第1の算出手段20から出力された燃料電池発電コストCFCHと第3の算出手段22から出力された燃料電池起動コストCFCSとを合計して第2の燃料電池コストCFC2とする。
ステップS218Cにおいて、第4の算出手段は、熱量値Htを熱供給系統35が供給する場合に必要な熱供給系統熱量QGHtを、熱供給系統熱効率EHに基づいて(9)式により算出する。そして、熱供給系統の従量料金CGHBに基づいて、Htを熱供給系統35が供給する場合にかかるコストCHtを(10C)式により算出し、CHtをT2からT3まで積算した値を熱供給系統コストCHとする。
Ht = QGHt ・ CGHB (10C)
ステップS219Cにおいて、第2の算出手段が、熱量値データの発電開始予定時刻T2から停止予定時刻T3までの1分ごとの熱量値Htを燃料電池システムが発電して供給する場合に、発電される電力値WFCtを、発電効率EWEに基づいて(11)式により算出し、WFCtを電力系統が供給する場合のコストCEtを(12C)式から算出し、CEtをT2からT3まで積算して電力系統コストCEとする。
Et =WFCt ・ CEB (12C)
ステップS220Cにおいて、運転制御手段19が、電力系統コストCE及び熱供給系統コストCHの和と、燃料電池システムコストCFC2とを比較する。CFC2がCE+CH以下ならば、ステップS221Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3を決定し、ステップS223Cにおいて、運転制御手段19が起動予定時刻T1に燃料電池システムを起動する。他方、CFC2がCE+CHより大きければ、ステップS222Cに進み、運転制御手段19は、起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の仮定を取り消し、すなわち起動予定時刻T1における燃料電池の起動を禁止し、ステップS224Cにおいて、運転制御手段19は時刻Tに運転停止予定時刻T3を代入し、図14のVIに続く図11のVIからステップS207に戻り、以降のステップをくり返す。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、熱電併給をする燃料電池システムの熱追従運転時において、削減される電力系統のコストも反映することができ、燃料電池システムをより経済的に運転させることが可能となる。
(実施の形態10)
図15は、本発明の実施の形態10における燃料電池システムを示す構成図である。実施の形態4と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明を省略する。
本実施の形態における燃料電池システムは、図6の燃料電池システムの構成に加えて、燃料電池の起動時に、燃料電池の起動を律速する部位の温度を直接的もしくは間接的に検出する温度検出手段を備えている。ここでは、燃料生成装置11の燃料生成装置温度検出手段41を備えている。あるいは、燃料電池13に燃料電池温度検出手段を備えるようにしても同様の効果が得られる。
以上のように構成された実施の形態10について、燃料電池の起動を開始するまでの動作を説明する。図16は燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。図16において、ステップS301乃至S308は、実施の形態1、すなわち図2のステップS1乃至S6と同じであり、説明を省略する。
ステップS309において、第3の算出手段22が、燃料生成装置温度検出手段41が現在時刻T0に検出した検出温度K0に基づいて起動モードを判別する。ここでは、検出温度K0が所定温度KF以上の場合は短期起動モード、KF以下の場合は長期起動モードとする。なお、燃料生成装置11や燃料電池13の起動予定時刻T1における温度は、外気温度と現在時刻T0から起動予定時刻T1までの時間との関数である放熱量から推測することが可能である。そこで、起動モードの判別には、それらの関数を用いて推測される起動予定時刻T1における燃料生成装置11の温度(起動時温度)K1と所定温度KFとを比較させるようにしてもよい。あるいは、検出温度K0と外気温度との温度差と現在時刻T0から起動予定時刻T1までの時間とを変数とする起動モード対応表を予め作成して第3の算出手段22に記憶させておいて、第3の算出手段が起動モード対応表から起動モードを選択するようにしてもよい。あるいは、第3の算出手段22が、起動時温度K1と発電開始時に必要な温度(発電開始時温度)K2との温度差に基づいて、起動所要時間TSを算出するようにしてもよい。
ステップS310−1において、運転制御手段19が、各起動モードに応じてあらかじめ設定された起動所要時間Ts(例えば長期起動モード時60分間、短期起動モード時30分間)を時刻Tに加え、発電開始予定時刻T2と仮定する。
ステップS310−2において、運転制御手段19が、Tに発電開始予定時刻T2を代入する。
ステップS310−3において、運転制御手段19が、Tから所定時間X1(例えば30分間)後までの電力値Wt(WT〜WT+30までの30個)のY1%以上(例えば80%、24個以上)が燃料電池システムの最低発電量Wmin以上であるかどうかを判定する。YesならばステップS311に進む。Noならば、ステップS310−4で、Tから(起動所要時間Ts―1分)前の時刻をTとし、ステップS306に戻る。
ステップS311乃至S313は、実施の形態1、すなわち図2のステップS8乃至S10と同じであり、説明を省略する。
以上のようにして燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図16のVIIに続く図17のVII以降のステップに進み、消費される一次エネルギー量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定される。
具体的には、実施の形態4、すなわち図7のステップS111A乃至S120Aと同じであり、説明を省略する。
ただし、ステップS112Aにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tsあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際に費やされる一次エネルギー量を算出あるいは決定し、燃料電池起動一次エネルギー量AFCSとする。
本実施の燃料電池システムの構成およびその動作により、実施の形態4で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間Ts及び燃料電池起動一次エネルギー量AFCSが予測されて算出されるので、無駄なエネルギーの消費をより一層抑制して燃料電池システムを運転させることが可能となる。
なお、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図17のVII以降のステップにおいて、実施の形態5、すなわち図8のステップS111B乃至S120Bと同じ動作によって、発生するCO2の量を考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定されてもよい。ただし、ステップS112Bにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tsあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際に発生するCO2量を算出あるいは決定し、燃料電池起動CO2発生量BFCSとする。
これによって、実施の形態5で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間Ts及び燃料電池起動CO2発生量BFCSが予測されて算出されるので、CO2発生量を抑制し、ひいては地球温暖化の防止に貢献するようにして燃料電池システムを運転させることが可能となる。
また、燃料電池の起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が仮定された後、図17のVII以降のステップにおいて、実施の形態6、すなわち図9のステップS111C乃至S120Cと同じ動作によって、コストを考慮して起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3が決定されてもよい。ただし、ステップS112Cにおいては、第3の算出手段22は、起動所要時間Tsあるいは起動モードに応じて、燃料電池システムを起動する際にかかるコストを算出あるいは決定し、燃料電池起動コストCFCSとする。
これによって、実施の形態6で述べた効果とともに、燃料電池システムの温度状態に応じて、起動所要時間Ts及び燃料電池起動コストCFCSが予測されて算出されるので、燃料電池システムをより経済的に運転させることが可能となる。
ここで、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を実行する制御装置群をも含んで意味する。よって、制御装置23は、単独の制御装置から構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して燃料電池システムの動作を制御するように構成されていてもよい。
なお、発電効率EWE、熱回収効率EWH、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCB、単位電力当たりの一次エネルギー量AEB、単位原料ガス当たりのCO2発生量BGFCB、単位電力当たりのCO2発生量BEB、原料ガスの従量料金CGFCB、電力系統の従量料金CEB、燃料電池起動一次エネルギー量AFCS、燃料電池起動CO2発生量BFCS、燃料電池起動コストCFCS、熱供給系統35の単位熱量当たりの一次エネルギー量AGHB、熱供給系統35の単位熱量当たりのCO2発生量BGHB、熱供給系統の従量料金CGHB、熱供給系統熱効率EHおよび起動所要時間Tsは制御装置23に予め設定されていてもよいし、あるいは制御装置23に入力手段(図示せず)を備え、入力して制御装置23内のそれらが使用されるそれぞれの手段に記憶、更新できるようにしてもよい。
また、単位原料ガス当たりの一次エネルギー量AGFCBは、AEB、石油換算当たりの重量単位でもよいし、熱量単位でもよい。
単位原料ガス当たりのCO2発生量BGFCBは、石油換算当たりの重量単位でもよいし、熱量単位でもよい。
単位電力当たりのCO2発生量BEBは、電力系統の発電設備の種類、発電設備の及び送電設備の熱効率に応じて、予め算出あるいは、電力系統会社から入手することができる。
なお、電力値予測手段18及び熱量値予測手段34が電力値データ及び熱量値データを構築するには、電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に電力値及び熱量値を蓄積する必要がある。この蓄積には、通常、電力値及び熱量値の検出開始後半月から一ヶ月程度の期間を要するので、運転制御手段による起動予定時刻T1、発電開始予定時刻T2および停止予定時刻T3の決定は、燃料電池システム設置後約半月から一ヶ月経過後となる。あるいは、燃料電池システム設置前に、供給対象の電力値及び熱量値を検出しておき、その履歴を電力値蓄積手段17及び熱量値蓄積手段33に予め記憶させておいてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、エネルギー資源、環境負荷あるいは経済性に配慮した運転をすることができる燃料電池システム及び燃料電池コージェネレーションシステムとして有用である。
本発明の実施の形態1による燃料電池システムの構成図である。 本発明の実施の形態1による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4による燃料電池システムの構成図である。 本発明の実施の形態4による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7による燃料電池システムの構成図である。 本発明の実施の形態7による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態8による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態9による燃料電池システムの制御の流れの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態10による燃料電池システムの構成図である。 本発明の実施の形態10による燃料電池システムの制御の流れの前半部を示すフローチャートである。 従来の燃料電池システムの構成図である。
符号の説明
11 燃料生成装置
12 酸化剤供給手段
13 燃料電池
14 電力負荷
15 電力供給手段
16 電力値検出手段
17 電力値蓄積手段
18 電力値予測手段
19 時刻決定手段
20 第1の算出手段
21 第2の算出手段
22 第3の算出手段
23 制御装置
24 冷却水経路
25 冷却水ポンプ
26 熱交換器
27 蓄熱手段
28 貯湯水経路
29 貯湯水ポンプ
30 熱負荷
31 熱供給手段
32 熱量値検出手段
33 熱量値蓄積手段
34 熱量値予測手段
35 熱供給系統
36 第4の算出手段
38 運転制御手段
39 蓄熱量検出手段
40 第5の算出手段
41 燃料生成装置温度検出手段

Claims (24)

  1. 燃料電池と、
    燃料電池システムの供給対象が発生させる電力又は熱の負荷の負荷値を検出する負荷値検出手段と、
    前記負荷値検出手段によって検出される前記負荷値の履歴を記憶する負荷値蓄積手段と、
    前記負荷値の履歴に基づいて、今後発生しうる負荷値を予測して、その予測負荷値を負荷値データとして記憶する負荷値予測手段と、
    前記負荷値データに基づいて、前記燃料電池の起動予定時刻を決定する、燃料電池システム。
  2. 前記負荷値は、前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値であり、前記負荷値データが電力値データである、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  3. 電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、
    前記算出手段が、所定の時間帯の前記電力値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給をする場合と電力系統によって電力供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、
    前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統によって電力供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、請求の範囲第2項に記載の燃料電池システム。
  4. 前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給をする場合における電力供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記算出手段は、前記燃料電池の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、請求の範囲第4項に記載の燃料電池システム。
  6. 原料から水素を含む燃料を生成する燃料生成装置をさらに備え、
    前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給をする場合における電力供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記算出手段は、前記燃料生成装置の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、請求の範囲第6項に記載の燃料電池システム。
  8. 入力手段をさらに備え、
    前記入力手段によって、前記算出手段の算出項目を一次エネルギー、二酸化炭素あるいはコストから選択することができる、請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
  9. 表示手段をさらに備え、
    前記算出手段の算出値を用いて、前記燃料電池によって電力供給する場合と電力系統によって電力供給する場合とにおける一次エネルギー、二酸化炭素量あるいはコストのいずれかの差分を算出し、
    前記表示手段が、その差分を表示する、請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、
    前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段とをさらに備え、
    前記算出手段は、前記時間帯の前記電力値データに基づいて、前記蓄熱手段によって回収される熱量と、該熱量が外部の熱供給手段によって供給される場合において該熱量の供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかとをさらに算出することによって、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、
    前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記起動予定時刻は、所定の更新時間毎に更新される、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  12. 表示手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記起動予定時刻を表示する、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記表示手段は、過去の運転履歴を表示する、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  14. 前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、
    前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、
    前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段とをさらに備え、
    前記負荷値は、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値であり、前記負荷値データが熱量値データである、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  15. 熱供給及び電力供給に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する算出手段をさらに備え、
    前記算出手段が、所定の時間帯の前記熱量値データに基づいて、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける、それぞれの前記一次エネルギー量、前記二酸化炭素量あるいは前記コストのいずれかを算出し、
    前記算出手段による算出値を比較し、前記電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合の方が算出値が大きい場合には、前記時間帯の開始時刻を前記起動予定時刻として決定する、請求の範囲第14項に記載の燃料電池システム。
  16. 前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合における電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する請求の範囲第15項に記載の燃料電池システム。
  17. 前記算出手段は、前記燃料電池の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、請求の範囲第16項に記載の燃料電池システム。
  18. 原料から水素を含む燃料を生成する燃料生成装置をさらに備え、
    前記算出手段は、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを考慮して、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合における電力供給及び熱供給に費やされる一次エネルギー、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する請求の範囲第15項に記載の燃料電池システム。
  19. 前記算出手段は、前記燃料生成装置の温度に基づいて、前記燃料電池の起動に費やされる一次エネルギー量、それによって発生する二酸化炭素量、あるいはそれに費やされるコストのいずれかを算出する、請求の範囲第18項に記載の燃料電池システム。
  20. 入力手段をさらに備え、
    前記入力手段によって、前記算出手段の算出項目を一次エネルギー、二酸化炭素あるいはコストから選択することができる、請求の範囲第15項に記載の燃料電池システム。
  21. 表示手段をさらに備え、
    前記算出手段の算出値を用いて、前記燃料電池によって電力供給及び熱供給をする場合と電力系統及び外部の熱供給手段によって電力供給及び熱供給をする場合とにおける一次エネルギー、二酸化炭素量あるいはコストのいずれかの差分を算出し、
    前記表示手段が、その差分を表示する、請求の範囲第15項に記載の燃料電池システム。
  22. 前記燃料電池の排熱を回収して蓄える蓄熱手段と、
    前記蓄熱手段の蓄熱を外部に熱供給する熱供給手段と、
    前記蓄熱手段の蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段と、
    選択手段とをさらに備え、
    前記選択手段によって、前記負荷値を、前記燃料電池システムの熱供給対象の熱負荷である熱量値、あるいは前記燃料電池システムの電力供給対象の電力負荷である電力値から選択し、該選択によって前記負荷値データが電力値データあるいは熱量値データのいずれかから選択される、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
  23. 前記負荷値蓄積手段は、在宅時及び留守時を区別して前記負荷値を蓄積し、
    前記選択手段によって、前記燃料電池の起動予定時刻の決定を、在宅時における前記電力値データに基づく決定と、留守時における前記電力値データに基づく決定と、在宅時における前記熱量値データに基づく決定と、留守時における前記熱量値データに基づく決定とから任意に選択することができる、請求の範囲第22項に記載の燃料電池システム。
  24. 前記燃料電池の起動予定時刻を任意に設定することができる運転時刻設定手段をさらに備える、請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
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