JP2003055564A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2003055564A JP2001250260A JP2001250260A JP2003055564A JP 2003055564 A JP2003055564 A JP 2003055564A JP 2001250260 A JP2001250260 A JP 2001250260A JP 2001250260 A JP2001250260 A JP 2001250260A JP 2003055564 A JP2003055564 A JP 2003055564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し単位中に加水分解性を有する結合基
を有する熱可塑性樹脂及び水酸化マグネシウムを含有す
る難燃性樹脂組成物であって、加熱加工時に危惧される
当該熱可塑性樹脂の加水分解と、それに伴う分子量低
下、物性低下、発泡現象を抑制した難燃性樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 (1)繰り返し単位中に加水分解性を有
する結合基を有する熱可塑性樹脂及び(2)カチオン性
を有する水溶性ポリマーで表面処理を施した水酸化マグ
ネシウムを含有する難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種成形物に有用
な難燃性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、繰り返し単
位中に、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合の如
き加水分解性を有する結合基を有する熱可塑性樹脂に難
燃剤として水酸化マグネシウムの添加した場合であって
も、押出加工時に分子量低下、物性低下、発泡現象が生
じない難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平61−254647号公報、特開
平61−255950号公報等によって、ハロゲンを含
有しない難燃剤として水酸化マグネシウム等の金属水酸
化物をポリオレフィンに配合することはよく知られてい
る。
【0003】しかしながら、繰り返し単位中にアミド
基、エステル基、ウレタン基の如き加水分解性を有する
結合基を有する熱可塑性樹脂に水酸化マグネシウム等の
金属水酸化物を配合すると、押出加工時に樹脂が加水分
解を起こし、分子量低下、物性低下等を引き起こし、あ
るいは発泡が生じたり、さらに、極端な場合には、押出
加工が困難になるという問題点があった。以上の理由に
より、繰り返し単位中に加水分解性を有する結合基を有
する熱可塑性樹脂に適用する難燃剤として水酸化マグネ
シウムが使用されることは少なかった。
【0004】これらの問題を解決すべく、ポリアミド樹
脂に水酸化マグネシウムを配合する方法として、特開平
11−21447号公報には、アミド基濃度の異なる少
なくとも2種のポリアミド樹脂で構成され、且つ組成物
中に含まれる水酸化マグネシウムの内の50%以上が最
もアミド基濃度の高いポリアミド成分以外のポリアミド
成分中に存在させる難燃性ポリアミド樹脂組成物が提案
されている。しかしながら、この公報に開示された技術
では、難燃性樹脂組成物中の水酸化マグネシウムのすべ
てをアミド基濃度の低いポリアミド成分に含有させ、ア
ミド基濃度の高いポリアミド成分中に水酸化マグネシウ
ムを含まないようにすることは困難であるから、樹脂の
加水分解を防止する効果は不十分であった。
【0005】また、特開昭53−58548号公報、特
開昭54−29350号公報等には、難燃剤として、脂
肪酸金属塩等で表面処理した水酸化マグネシウムを用い
ることが提案されている。しかしながら、この方法によ
っても、繰り返し単位中に加水分解性を有する結合基を
有する熱可塑性樹脂の加水分解を防止する効果は不十分
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記従来の問題点を解決し、繰り返し単位
中に加水分解性を有する結合基を有する熱可塑性樹脂及
び水酸化マグネシウムを含有する難燃性樹脂組成物であ
って、加熱加工時に危惧される当該熱可塑性樹脂の加水
分解と、それに伴う分子量低下、物性低下、発泡現象を
抑制した難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、カチオン性基を有する水
溶性ポリマーで表面処理を施した水酸化マグネシウムを
難燃剤として用いることにより、繰り返し単位中に加水
分解性を有する結合基を有する熱可塑性樹脂の加水分解
を防止できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)繰り返し単位中に加水分解性を有する結合基
を有する熱可塑性樹脂及び(2)カチオン性を有する水
溶性ポリマーで表面処理を施した水酸化マグネシウムを
含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるカチオン性基
を有する水溶性ポリマーは、カチオン性基を有する水溶
性ポリマーであって、炭酸カルシウムなどの無機系顔料
の分散剤として用いることができるものであれば、特に
制限なく使用することができる。そのような水溶性ポリ
マーの中でも、第二級アミン塩基を有するコポリマー系
の分散剤が好ましい。
【0010】また、そのようなカチオン性基を有する水
溶性ポリマーの第二級アミン塩基としては、例えば、ジ
アリルアミノ塩基、アルキルジアリルアミン塩基などが
挙げられる。
【0011】カチオン性基としてジアリルアミン塩基及
び/又はアルキルジアリルアミン塩基を有する水溶性ポ
リマーとしては、特開平5−263010号公報に記載
のジアリルアミン塩基及び/又はアルキルジアリルアミ
ン塩基を有する水溶性モノマーと非イオン性ビニルモノ
マーとを構成単位とする重合体が特に好ましい。
【0012】本発明で用いられるカチオン性基を有する
水溶性コポリマー分散剤を構成するアルキルジアリルア
ミン塩のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、へキシル基、オクチル基
の如き炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。こ
れらのアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基の如き炭素原子数1〜4のアルキル基
が好ましい。
【0013】また、ジアリルアミン塩又はアルキルジア
リルアミン塩は、アミノ基の部位が、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸の如き無機酸あるいは有機酸によって塩
を構成したものである。
【0014】本発明で用いられるカチオン性基を有する
水溶性コポリマー分散剤を構成する非イオン性ビニルモ
ノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ブチルエステルなどが挙げられる。これ
らの非イオン性ビニルモノマーの中でも、アクリルアミ
ド及び/又はメタクリルアミドが特に好ましい。
【0015】本発明で用いられるカチオン性基を有する
水溶性コポリマー分散剤の構成単位であるジアリルアミ
ン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性
ビニルモノマーとのモル比は、任意とすることができる
が、10/90〜99/1(モル比:以下同じ)の範囲
が好ましく、50/50〜99/1の範囲が特に好まし
く、80/20〜98/2の範囲が更に好ましい。
【0016】また、本発明で用いられるカチオン性基を
有する水溶性コポリマー分散剤の25℃での極限粘度
は、0.05〜3.00(dl/g)の範囲が好まし
く、0.10〜1.80の範囲が特に好ましく、0.1
5〜0.70の範囲が更に好ましい。
【0017】本発明で用いられるカチオン性基を有する
水溶性コポリマー分散剤は、上記したジアリルアミン塩
及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニ
ルモノマーとを混合し、ラジカル重合開始剤を用いて溶
媒中で重合させることにより容易に製造することができ
る。
【0018】カチオン性基を有する水溶性コポリマー分
散剤を製造する際に用いるラジカル重合開始剤として
は、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、第3級ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、2,2−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビ
ス(2−アミジノブタン)ジヒドロクロライド、2,2
−アゾビス(N−フェニルアミジノプロパン)ジヒドロ
クロライド、2,2−アゾビス(N,N−ジメチルアミ
ジノプロパン)ジヒドロクロライド、アゾビスバレロニ
トリル、などが挙げられる。
【0019】カチオン性基を有する水溶性コポリマー分
散剤を製造する際に用いる溶媒としては、例えば、水あ
るいは水と水溶性有機溶媒の混合液、が挙げられる。水
溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、ホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。
【0020】また、上記重合反応に用いる各成分の割合
は、モノマー成分の合計100重量部に対して、溶媒2
0〜900重量部、ラジカル重合開始剤0.05〜20
重量部の範囲が好ましい。また、必要に応じて、モノマ
ー成分の合計100重量部に対して、酸性亜硫酸ソー
ダ、硫酸第1鉄などの還元剤0.01〜5重量部併用す
ることもできる。
【0021】重合温度は、通常、30〜110℃の範囲
が好ましく、重合時間は、通常、3〜20時間の範囲が
好ましく、また、重合反応は、窒素ガスを吹き込みなが
ら行なうことが好ましい。
【0022】水酸化マグネシウムへのカチオン性基を有
する水溶性コポリマー分散剤の固形分処理量は、水酸化
マグネシウム100重量部当たり0.01〜1重量部、
好ましくは0.01〜0.7重量部添加し、その処理方
法は、乾式、湿式処理どちらの方法でも良い。具体的に
は、粉砕器(兼表面処理機)、例えば、ヘンシェルミ
キサーやハイスピードミキサーのような高速攪拌機に水
酸化マグネシウムと所定量のカチオン性コポリマー分散
剤を同時に添加し、粉砕時の新生表面に表面処理を行う
方法、ビーズミル等に水酸化マグネシウムと水とカチ
オン性コポリマー分散剤を添加し、表面処理を行い、つ
いで乾燥、解砕、分級を行う方法、が挙げられる。
【0023】また、カチオン性を有する水溶性ポリマー
で表面処理を施した水酸化マグネシウムとして、カチオ
ン性基を有する水溶性ポリマーで表面処理を施した水酸
化マグネシウムを、さらに脂肪酸、脂肪酸金属塩、シラ
ンカップリング剤、チタネートカップリング剤、リン酸
エステルで処理したものも使用することができる。
【0024】本発明で使用する繰り返し単位中に加水分
解性を有する結合基を有する熱可塑性樹脂としては、例
えば、12ナイロン、6ナイロン、6/12ナイロンの
如き各種ポリアミド;ポリエーテルエステルアミドエラ
ストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエー
テルアミドエラストマーの如きポリアミドエラストマ
ー;芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルからなる
ポリエステルエラストマー、芳香族ポリエステルと脂肪
族ポリエステルからなるポリエステルエラストマー、ポ
リブチレンテレフタレートとポリエーテルとの共重合体
からなるポリエステルエラストマーの如きポリエステル
エラストマー、;熱可塑性ポリウレタン;ポリブチレン
テレフタレート;ポリエチレンテレフタレート、などが
挙げられる。
【0025】本発明の難燃性樹脂組成物中の(1)繰り
返し単位中に加水分解性を有する結合基を有する熱可塑
性樹脂と(2)カチオン性を有する水溶性ポリマーで表
面処理を施した水酸化マグネシウムを含有する難燃剤成
分の割合は、(1)加水分解性を有する結合基を有する
熱可塑性樹脂100重量部に対して、難燃剤成分1〜4
00重量部の範囲が好ましく、10〜300重量部の範
囲が機械的特性と難燃性が良好となるので、特に好まし
い。
【0026】また、本発明の難燃性樹脂組成物には、カ
チオン性を有する水溶性ポリマーで表面処理を施した水
酸化マグネシウム以外に、分子中にリン原子を有する化
合物からなる難燃剤、分子中に窒素原子を有する化合物
からなる難燃剤、シリコーン類、分子中にハロゲン原子
を有する化合物からなる難燃剤、酸化アンチモンや硼酸
亜鉛等の難燃助剤を併用することもできる。これら材料
は、樹脂の種類や設定する難燃性能により適宜配合する
ことができる。
【0027】分子中にリン原子を有する化合物からなる
難燃剤としては、例えば、正リン酸エステル、縮合リン
酸エステル、赤燐、リン酸エステルアミド、ポリリン酸
アンモニウム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム等
が挙げられる。
【0028】分子中に窒素原子を有する化合物からなる
難燃剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、メラ
ミン、メラム、メレム等が挙げられる。
【0029】分子中にハロゲン原子を有する化合物とし
ては、デカブロモジフェニールオキサイド、デカブロモ
ジフェニールエタン、テトラブロモビスフェノール−
A、1,,2,3,4,7,8,9,10,13,1
3,14,14−ドデカクロロ−1,4,4a,5,
6,6a,7,10,10a,11,12,12a−ド
デカハイドロ−1,4:7,10−ジメタノジベンゾ
(a,e)シクロオクテン、ビス(トリブロモフェノキ
シ)エタン、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化ポリス
チレン等が挙げられる。
【0030】酸化アンチモンとしては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられ
る。
【0031】なお、本発明の難燃性樹脂組成物には、必
要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、
発泡剤、滑剤、顔料、充填剤等を適量配合させることも
できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。なお、以下の例において、「部」及
び「%」は特に断りがない限り、「重量部」及び「重量
%」をそれぞれ表わす。
【0033】<合成例1>(カチオン性コポリマー分散
剤の合成) 還流冷却器、温度計、滴下ロート、攪拌装置およびガス
導入管を備えた反応器(容量1L)に、ジアリルアミン
塩酸塩(60%)500部とアクリルアミド(40%)
5部および水15部を入れ、窒素ガスを流入させながら
系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロートを用
いて重合開始剤、過硫酸アンモニウム(25%)30部
を4時間にわたり滴下した。滴下終了後、更に1時間反
応を続けて粘稠な淡黄色液状物を得た。このようにして
得た淡黄色液状物50gを採り、500mlのアセトン
中に注ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別し、さらに
2回100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥
させて白色固体22.5gを得た。収率は82.0%で
あった。得られた重合体の1N−NaCl水溶液中、2
5℃での極限粘度は0.30(dl/g)、GPCより
求めた重量平均分子量は5.0万であった。
【0034】<合成例2>(カチオン性を有する水溶性
ポリマーで表面処理を施した水酸化マグネシウムの調
製) 水酸化マグネシウムと水との重量比が40/60となる
ように水を加え、合成例1で得られたカチオン性コポリ
マー分散剤を水酸化マグネシウム100重量部あたり、
固形分で0.2重量部加え、テーブル式アトライター型
攪拌機を用いて、φ1mmのジルコンビーズ充填率17
0%、周速10m/secで混合攪拌した。次いで、3
30メッシュスクリーンを通したスラリーを115℃の
温風乾燥機内で乾燥後、奈良式自由ミルで解砕後、12
0メッシュで分級して、カチオン性を有する水溶性ポリ
マーで表面処理を施した水酸化マグネシウムを得た。
【0035】<実施例1>ハイトレル7247(東レ・
デュポン(株)製、240℃、2.16kgでのメルト
マスフローレートが13g/10分)70重量部及び合
成例2で得た水酸化マグネシウム30重量部をタンブラ
ーを用いて混合し、さらに、30mmφベント式2軸押
出機を用いて220℃で溶融混練した後、ペレット化し
て、ペレット状の難燃剤樹脂組成物を得た。このように
して得られた難燃剤樹脂組成物について、メルトマスフ
ローレートの測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0036】<実施例2>耐加水分解性処理が施された
ハイトレル7247R09(東レ・デュポン(株)製、
240℃、2.16kgでのメルトマスフローレートが
17g/10分)を70重量部及び合成例2で得た水酸
化マグネシウム30重量部をタンブラーを用いて混合
し、さらに、30mmφベント式2軸押出機を用いて2
20℃で溶融混練した後、ペレット化して、ペレット状
の難燃剤樹脂組成物を得た。このようにして得られた難
燃剤樹脂組成物について、メルトマスフローレートの測
定を実施し、その結果を表1に示した。
【0037】<実施例3>6ナイロン1022B(宇部
興産(株)製、240℃、2.16kgでのメルトマス
フローレートが9g/10分)70重量部及び合成例2
で得た水酸化マグネシウム30重量部をタンブラーを用
いて混合し、さらに30mmφベント式2軸押出機を用
いて240℃で溶融混練した後、ペレット化して、ペレ
ット状の難燃剤樹脂組成物を得た。このようにして得ら
れた難燃剤樹脂組成物について、メルトマスフローレー
トの測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0038】<実施例4>ポリエーテルエステルアミド
エラストマーTPAE−8(富士化成工業(株)製、1
90℃、2.16kgでのメルトマスフローレートが5
g/10分)を70重量部、合成例2で得た水酸化マグ
ネシウム30重量%をタンブラーを用いて混合し、さら
に、30mmφベント式2軸押出機を用いて180℃で
溶融混練した後、ペレット化して、ペレット状の難燃剤
樹脂組成物を得た。このようにして得られた難燃剤樹脂
組成物について、メルトマスフローレートの測定を実施
し、その結果を表1に示した。
【0039】<比較例1>実施例1において、合成例2
で得た水酸化マグネシウムに代えて、「水酸化マグネシ
ウムキスマ5A」(協和化学工業(株)製、ステアリン
酸により表面処理)を用いた以外は、実施例1と同様に
して、ペレット化を試みたが、発泡および溶融粘度の低
下が激しく、ペレット化することが出来なかった。
【0040】<比較例2>実施例2において、合成例2
で得た水酸化マグネシウムに代えて、「水酸化マグネシ
ウムキスマ5A」を用いた以外は、実施例2と同様にし
て、ペレット化して、ペレット状の難燃剤樹脂組成物を
得た。このようにして得られた難燃剤樹脂組成物につい
て、メルトマスフローレートの測定を実施し、その結果
を表1に示した。
【0041】<比較例3>実施例3において、合成例2
で得た水酸化マグネシウムに代えて、「水酸化マグネシ
ウムキスマ5A」を用いた以外は、実施例3と同様にし
て、ペレット化を試みたが、発泡および溶融粘度の低下
が激しく、ペレット化することが出来なかった。
【0042】<比較例4>実施例4において、合成例2
で得た水酸化マグネシウムに代えて、「水酸化マグネシ
ウムキスマ5A」を用いた以外は、実施例4と同様にし
て、ペレット化して、ペレット状の難燃剤樹脂組成物を
得た。このようにして得られた難燃剤樹脂組成物につい
て、メルトマスフローレートの測定を実施し、その結果
を表1に示した。
【0043】<評価>各実施例及び各比較例で得られた
難燃性樹脂組成物を用い、下記方法によりメルトマスフ
ローレートを測定した。加水分解が生じると、樹脂の分
子量が低下し、溶融粘度が低下する。溶融粘度の低下は
メルトマスフローレートの増加と相関することから、加
水分解が防止されているかどうかの指標としてメルトマ
スフローレートを測定し判定した。 (1)メルトマスフローレート [測定条件1]:JIS K 7210により、240
℃、2.16kgで測定した。測定値の単位はg/10
分である。 [測定条件2]:JIS K 7210により、190
℃、2.16kgで測定した。測定値の単位はg/10
分である。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示した結果から、カチオン性を有す
る水溶性ポリマーで表面処理を施した水酸化マグネシウ
ムを難燃剤として添加した各実施例の樹脂組成物は、メ
ルトマスフローレートの増加は見られず、加水分解性が
大幅に防止されていることが理解できる。一方、ステア
リン酸で処理された水酸化マグネシウムを難燃剤として
展開した各比較例の樹脂組成物では、メルトマスフロー
レートが大幅に増加し、加水分解が激しい場合には、ペ
レット、成型などの加工が困難になることが理解でき
る。
【0046】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃剤と
してカチオン性基を有する水溶性ポリマーで表面処理を
施した水酸化マグネシウムを使用しているので、繰り返
し単位中に加水分解性を有する結合基を有する熱可塑性
樹脂の加水分解を防止できる結果、機械的特性の低下が
なく、成形加工性に優れ、かつ、燃焼時に、ハロゲン化
水素ガス等を発生しないという特性を有する。また、本
発明の難燃性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の加水分解が
抑制されているので、他の難燃剤との組み合わせの自由
度が大幅に増加し、種々の規格にあった難燃性や特性を
有する難燃性樹脂組成物を設計することができる。さら
に、本発明の難燃性樹脂組成物は、シート、フィルム、
電線被覆、筐体への加工が容易であるので、建築用シー
ト、工業用フィルムおよびシート、粘着テープ、電線被
覆材料、光ファイバー被覆材料、コルゲートチューブ、
電力管、電子部品成形材料等への応用、他の素材と組み
合わせた応用用途など、工業的価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 裕美子 東京都港区西新橋2丁目8番6号 株式会 社ファイマテック内 Fターム(参考) 4J002 AA011 CF051 CF071 CF171 CH011 CK021 CL011 CL031 CL071 CL081 DE076 FB266 FD13 GH00 GL00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)繰り返し単位中に加水分解性を有
    する結合基を有する熱可塑性樹脂及び(2)カチオン性
    を有する水溶性ポリマーで表面処理を施した水酸化マグ
    ネシウムを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 カチオン性基を有する水溶性ポリマー
    が、第二級アミン塩基を有するコポリマー系の分散剤で
    ある請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン性基を有する水溶性ポリマー
    が、少なくとも、ジアリルアミノ塩及び/又はアルキル
    ジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成
    単位とするものである請求項2記載の難燃性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 非イオン性ビニルモノマーがアクリルア
    ミド及び/又はメタクリルアミドである請求項3記載の
    難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難
    燃性樹脂組成物からなることを特徴とする成形物。
JP2001250260A 2001-08-21 2001-08-21 難燃性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4649077B2 (ja)

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