JP2000248162A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2000248162A
JP2000248162A JP5424899A JP5424899A JP2000248162A JP 2000248162 A JP2000248162 A JP 2000248162A JP 5424899 A JP5424899 A JP 5424899A JP 5424899 A JP5424899 A JP 5424899A JP 2000248162 A JP2000248162 A JP 2000248162A
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flame
resin composition
retardant resin
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JP5424899A
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Atsushi Haruhara
淳 春原
Katsuhiko Hironaka
克彦 弘中
Mioko Suzuki
美緒子 鈴木
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い難燃効果を有し、更に湿熱条件下でも絶
縁破壊特性が低下することのない電気絶縁性に優れた非
ハロゲン系難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル10
0重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐粉末1
〜15重量部および(C)エポキシ化合物0.001〜
10重量部からなり、121℃、100%RH、2.1
気圧で100時間の湿熱処理後の絶縁破壊電圧保持率が
90〜100%である難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高度な難燃性およ
び耐湿熱性を有する非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートを始めとす
るポリエステル樹脂は、優れた機械的特性、耐熱性、耐
薬品性等を有するため、電気・電子分野、自動車分野な
どの用途の成形品として広く使用されている。
【0003】これらの中で、難燃性が要求される用途は
多く、主にハロゲン化合物、アンチモン化合物を難燃
剤、難燃助剤に使用して難燃性を付与した樹脂が供され
ている。
【0004】しかし、ハロゲン系難燃剤は、分解生成物
が電気製品である金属を腐食する場合があり、また、一
部のハロゲン系難燃剤は、環境への影響が問題となった
ことから、非ハロゲン系の難燃樹脂が求められている。
【0005】このような用途の内、特にブレーカー部
品、スイッチ部品、モーター部品、イグニッションコイ
ルケース、電源プラグ、電源コンセント、コイルボビ
ン、コネクターターミナル、ヒューズケース等では、上
記に挙げた難燃性の他に、湿熱下における高度な電気機
械特性の保持が要求される。
【0006】しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂
は、水分によって分解しやすいエステル結合を持つた
め、加水分解による劣化を生じ易い欠点を持ち、その改
善が強く求められる。耐加水分解性向上については、古
くから各種の方法が検討されてきており、中でもエポキ
シ化合物を添加する方法が広く検討されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】赤リンを含有する難燃
樹脂組成物の場合は、湿熱下において赤リンが分解して
リン酸等の酸成分が生成し、これがポリエステルの加水
分解を促進させ、前述したエポキシ化合物を添加するだ
けでは十分な耐湿熱性は得られず、上述した用途に耐え
うるものではなかった。
【0008】本発明の目的は、高度な難燃性および耐湿
熱性を有する難燃性樹脂組成物を提供することにあり、
安定性が高く、加水分解による劣化が防止され、更に優
れた電気特性と成形性を有する非ハロゲン系の難燃性樹
脂組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の処理を
行った赤リンをエポキシ化合物と併用することにより上
記諸問題が改善されることを見出し、本発明に到達し
た。
【0010】即ち本発明は、(A)熱可塑性芳香族ポリ
エステル100重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持つ被
覆赤燐粉末1〜15重量部および(C)エポキシ化合物
0.001〜10重量部からなり、121℃、100%
RH、2.1気圧で100時間の湿熱処理後の絶縁破壊
電圧保持率が90〜100%である難燃性樹脂組成物で
ある。
【0011】なお、絶縁破壊電圧保持率測定のための湿
熱処理は、樹脂組成物を成形品として行われる。すなわ
ち、本発明の樹脂組成物からなる成形品は、121℃、
100%RH、2.1気圧で100時間の湿熱処理後の
絶縁破壊電圧保持率が90〜100%である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。熱可塑性
芳香族ポリエステル(A)は、芳香族ジカルボン酸を主
たるジカルボン酸成分とし、そして、炭素数2〜10の
脂肪族ジオールを主たるジオール成分とするポリエステ
ルである。好ましくは全ジカルボン酸成分の80モル%
以上、より好ましくは90モル%以上が、芳香族ジカル
ボン酸成分からなる。またジオール成分は、好ましくは
全ジオール成分の80モル%以上、より好ましくは90
モル%以上が、炭素数2〜10の脂肪族ジオール成分か
らなる。
【0013】芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフタル
酸、メチルイソフタル酸および2,6−ナフタレンイジ
カルボン酸等を好ましいものとして挙げることができ
る。これらは1種または2種以上一緒に用いることがで
きる。
【0014】芳香族ジカルボン酸には、それら以外のジ
カルボン酸を併用することができ、例えばアジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデ
カンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂肪族または脂環族ジカルボン酸などを挙げることがで
きる。
【0015】炭素数2〜10の脂肪族ジオールとして
は、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールおよ
び1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオ
ールを挙げることができる。
【0016】これらの脂肪族ジオールおよび脂環族ジオ
ールは1種または2種以上一緒に用いることができる。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールには、これら以外のジ
オールを併用することができ、例えばp,p'−ジヒド
ロキシエトキシビスフェノールA、ポリオキシエチレン
グリコール等を挙げることができる。
【0017】熱可塑性芳香族ポリエステル(A)として
は、主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸および2,
6−ナフタレンジカルボン酸よりなる群から選ばれる少
なくとも1種のジカルボン酸であり、そして主たるジオ
ール成分がエチレングリコール、トリエチレングリコー
ルおよびテトラメチレングリコールよりなる群から選ば
れる少なくとも1種のジオールである、エステル単位か
らなるポリエステルが好ましい。
【0018】就中、エチレンテレフタレート、トリメチ
レンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレートま
たはテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートを主たる繰返し単位とするポリエステルが好まし
い。また、これらの繰り返し単位をハードセグメントの
主たる繰り返し単位とするポリエステルエラストマーを
用いることもできる。
【0019】テトラメチレンテレフタレートまたはテト
ラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを
ハードセグメントの主たる繰り返し単位とするポリエス
テルエラストマーのソフトセグメントとしては、例えば
ジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシ
ン酸およびアジピン酸よりなる群から選択される1種以
上のジカルボン酸からなり、そして、ジオール成分が炭
素数5〜10の長鎖ジオールおよびH(OCH2CH2
iOH(i=2〜5)よりなる群から選ばれる1種以上
のジオールからなり、しかも融点が100℃以下または
非晶性であるポリエステルからなるものか、またはポリ
カプロラクトンからなるもの、を用いることができる。
【0020】なお、主たる成分とは全ジカルボン酸成分
または全ジオール成分の80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上の成分であり、主たる繰り返し単位とは、
全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル
%以上の繰り返し単位である。
【0021】熱可塑性芳香族ポリエステル(A)は、3
5℃、オルトクロロフェノール中で測定した固有粘度が
好ましくは0.5〜1.4dl/g、更に好ましくは0.6
〜1.2dl/gである。固有粘度が0.5未満では得られ
る組成物の機械的強度が低くなるため好ましくなく、
1.4を超えると得られる組成物の流動性等が低下する
ため好ましくない。
【0022】本発明では硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐
粉末を用いる。赤燐単独で用いると高温、機械的ショッ
クなどにより発火やホスフィン発生などの危険性がある
他、加熱時、湿熱時において赤リンが分解しポリエステ
ルの加水分解を促進するリン酸等の酸性分が発生する。
【0023】被覆赤燐粉末はさらに被膜の硬化樹脂中に
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛
およびチタンの水酸化物よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の無機化合物を分散含有することが好ましく、
これら無機化合物は上記硬化樹脂の被膜の下に赤燐と接
触して更に含有することもできる。赤燐粉末の平均粒径
は好ましくは5〜40μmの範囲にあり、より好ましく
は25〜35μmの範囲にある。
【0024】本発明では、粉砕工程を経て得られた赤燐
または黄燐の転化処理法により直接得られる破砕面のな
い球体様赤燐を用いてることができ、好ましくは黄燐の
転化処理法により直接得られる破砕面のない球体様赤燐
を用いる。かような球体様赤燐を用いることにより、表
面が極めて安定化され、赤燐の安定性が更に高まり、組
成物の安定性がより一層向上する。
【0025】本発明に用いられる球体様赤燐の製造方法
としては次のような方法が好ましい。即ち、不活性ガス
で置換した密閉容器中において黄燐を沸点付近の温度に
加熱して赤燐の転化反応を開始させ、転化率または赤燐
の粒径が所望の水準に達した時に反応を停止し、未転化
の黄燐を溜去する方法で、粉砕を全く要しない微小球体
様粒子またはその集合体から成る無定形赤燐が得られ
る。反応時間、反応温度によって転化率や赤燐の粒径が
調節されるが、好ましい反応温度としては250℃〜3
50℃、転化率60%以下が特に好ましい。
【0026】また、被覆に使われる硬化樹脂は、好まし
くはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリン樹脂よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂の硬
化物からなるが、他の物性を損なわない範囲内であれ
ば、これ以外の硬化性樹脂を用いても良い。かような被
覆赤燐粉末を用いることにより、表面が安定化され、赤
燐の安定性が高まり、組成物の安定性が向上する。
【0027】硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐粉末(B)
は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部に
対し、1〜15重量部の範囲となるように配合される。
1重量部未満では難燃性が不十分であり、15重量部を
超えると難燃性樹脂組成物から得られる成形品の機械特
性が低下し好ましくない。
【0028】被覆赤燐粉末の使用に際して、安全性の観
点からも、熱可塑性樹脂と予め溶融混練されたマスター
ペレットとして用いられること望ましい。マスターペレ
ットを用いることにより、成形品としたときに得られる
成形品の機械的強度が優れる樹脂組成物を得ることがで
きる。
【0029】この場合、溶融混練に用いる熱可塑性樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM、
エチレンエチルアクリレート、エチレンメチルアクリレ
ート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミドまたは芳香族
ポリカーボネートなどが挙げられる。通常はポリプロピ
レン、ポリエステル樹脂または芳香族ポリカーボネート
などが望ましい。
【0030】マスターペレット中の被覆赤燐粉末(B)
の含有量は用いる熱可塑性樹脂の種類によって異なる
が、通常10〜50重量%が好ましい。10重量%未満
では添加するマスターペレットの量が相対的に増えるた
めで、50重量%より多いとマスターペレット化が困難
であるのと、安全性が低下する危険性があるためであ
る。
【0031】本発明では、(C)エポキシ化合物を樹脂
中に配合する。この成分を配合することで、ポリエステ
ルの末端カルボキシル基量が低減し、湿熱下において安
定した電気的特性、機械的特性が得られる。
【0032】本発明で用いられるエポキシ化合物(C)
は、単官能性、二官能性、三官能性または多官能性のエ
ポキシ化合物である。中でも単官能性および二官能性の
エポキシ化合物が好ましい。
【0033】エポキシ化合物としては、メチルグリシジ
ルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘ
キシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテ
ル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテル、などのグリシジルエーテル;ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ビスフェノールジグリシジルエーテルなどのジグ
リシジルエーテル;安息香酸グリシジルエステル、ソル
ビン酸グリシジルエステル等の脂肪酸グリシジルエステ
ル;アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジ
グリシジルエステル、オルトフタル酸ジグリシジルエス
テル、等のジグリシジルエステル;3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシル
カルボキシレートなどの脂環式ジエポキシ化合物、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などビニ
ル化合物と共役ジエン系ブロック共重合体のエポキシ化
合物などを例示することができる。
【0034】エポキシ化合物(C)の配合量は、熱可塑
性芳香族ポリエステル(A)100重量部に対して0.
001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部で
ある。0.001重量部より少ないと加水分解性の向上
が小さく、10重量部より多いと難燃性が著しく低下す
る。
【0035】また、十分な耐湿熱性を持たせるために
は、上記配合量のエポキシ化合物を添加した結果、エポ
キシ化合物添加後の末端カルボキシル基量が30eq/ton
以下となること好ましい。すわわち、エポキシ化合物
(C)添加後の熱可塑性芳香族ポリエステル(A)の末
端カルボキシル基量は、30eq/T(106g)以下
であることが好ましい。
【0036】本発明においては、ノボラック型フェノー
ル樹脂(D)を配合することが好ましいのであるが、ノ
ボラック型フェノール樹脂(D)はフェノールとホルム
アルデヒドとを酸触媒の存在下に重縮合して得られるも
のが好ましく、その重量平均分子量は600〜13,0
00が好ましく、650〜7,000がより好ましい。
【0037】ノボラック型フェノール樹脂が配合される
場合、その配合量は熱可塑性芳香族ポリエステル(A)
100重量部に対して好ましくは3〜70重量部であ
る。添加量が3重量部未満の場合難燃性が十分でなく、
70重量部を超える場合成形品の機械特性が低くなり好
ましくない。さらに好ましい配合量は5〜50重量部で
ある。
【0038】本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で無機充填剤を更に含有することが
できる。かかる充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、長石系鉱物、クレー、ホワイトカーボ
ン、カーボンブラック、ガラスビーズ、シリカ等の如き
粒状または無定形の充填剤;カオリンクレー、タルクの
如き鱗片状の充填剤;ガラス繊維、ウラストナイト、チ
タン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭素繊維、アラ
ミド繊維などの如き繊維状の充填剤を挙げることができ
る。無機充填剤が含有される場合、熱可塑性芳香族ポリ
エステル(A)100重量部に対し5〜150重量部の
範囲で含有されるのが好ましい。
【0039】また、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、滑剤、核剤、可塑剤、離型剤、顔料、各種エラスト
マーの如き衝撃改良剤等の通常使用される添加剤、ポリ
テトラフルオロエチレンのような難燃性改質剤をさらに
添加しても良い。
【0040】また、赤燐の安定剤として、亜鉛、アルミ
ニウム、マグネシウム、チタンの酸化物または水酸化
物、モリブデン化合物を更に添加することもできる。
【0041】本発明の難燃性樹脂組成物は、ポリエステ
ル、被覆赤燐粉末または被覆赤燐マスターペレット、お
よびエポキシ化合物、要すればノボラック型フェノール
樹脂ガラス繊維など各成分をエクストルーダーを用いて
同時に溶融混練する方法で製造することができる。この
際、いづれかの成分が予め溶融混練されていてもよい。
【0042】またこの際、被覆赤燐粉末又は被覆赤燐マ
スターペレット、エポキシ化合物をエクストルーダーの
サイドフィードホッパーから添加することが好ましい。
【0043】エクストルーダーで溶融混練して得られた
樹脂組成物はペレターザーによりペレット状にカットし
た後、成形付与されるがその方法は射出成形、ブロー成
形などいかなる成形方法をとってもかまわない。
【0044】本発明の難燃性樹脂組成物は、家電、OA
機器など電子・電気用途の成形部品や自動車用途などに
おいて好適に使用される。具体的には、ブレーカー部
品、スイッチ部品、モーター部品、イグニッションコイ
ルケース、電源プラグ、電源コンセント、コイルボビ
ン、コネクターターミナル、ヒューズケース、コネクタ
ー、リレーケースなどに用いることができる。
【0045】本発明の難燃性樹脂組成物は121℃×1
00%RHの湿熱処理を100時間行っても絶縁破壊電
圧保持率が90〜100%であることを特徴とする。9
0%未満だと耐加水分解性が不十分で、上記部品に使用
された場合、クラックが生じやすい。尚、絶縁破壊電圧
保持率測定のための絶縁破壊電圧試験は、JIS C2110に
従って測定された値を用いる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
特性の評価方法は次のとおりである。
【0047】(1)固有粘度 オルトクロロフェノール溶媒を用いて35℃で測定し
た。
【0048】(2)難燃性 UL94規格垂直燃焼試験法により、0.8mm厚みの
試験片を用いて難燃性を評価した。難燃性はUL94に
記載の評価方法に従って分類した。
【0049】(3)絶縁破壊電圧保持率 5cm×5cm×3mmtの平板状の成形品の試験片を
用いて測定した。試験片は、121℃×100%RHの
条件で100時間湿熱処理した。この試験片について、
絶縁耐力試験装置(聖電工業(株)製EU−50)を用
いてJIS C2110に基づく絶縁破壊試験を行い、絶縁破壊
電圧を測定した。同様の方法で、湿熱処理前の試験片の
絶縁破壊電圧を測定した。試験片の湿熱処理後の絶縁破
壊電圧を、湿熱処理前の絶縁破壊電圧で割り、絶縁破壊
電圧保持率(%)を算出した。
【0050】(4)末端カルボキシル基量 エクストルーダーで溶融混練して得られた樹脂組成物
を、35℃、ベンジルアルコール中、水酸化ナトリウム
で滴定を行い算出した。
【0051】[実施例1〜4、および比較例1〜3]実
施例1〜4、比較例1〜3の組成を表1に示す。いづれ
も押出機には二軸押出機のTEX44(日本製鋼所
(株)製、スクリュー径44mm)を使用し、いづれも
シリンダー温度250℃、吐出量50Kg/hr、スク
リュー回転数150r.p.mにて溶融混練を行い、カッタ
ーによりペレット化した。実施例中の押出加工性は、い
づれもスレッド切れが殆ど起こらず安定なものであっ
た。得られたチップを130℃で5時間乾燥後、いづれ
も溶融温度260℃、金型温度60℃の条件下で、燃焼
試験片、平板試験片を作成した。
【0052】
【表1】
【0053】これらの試験片を用いて、燃焼試験、絶縁
破壊試験、末端カルボキシル基量を評価した。結果を表
2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】なお、硬化樹脂の被膜を持ちかつ粉砕を必
要としない黄燐の転化処理法により直接得られる破砕面
のない球体様赤燐よりなる被覆赤燐粉末には、リン化学
工業(株)製のノーバエクセル140を使用した。
【0056】表2より明らかなように、硬化樹脂の被膜
を持つ被覆赤燐粉末とエポキシ化合物を添加した難燃性
芳香族ポリエステルは、0.8mm厚みでV−0の高い
難燃性が達成でき、かつ湿熱条件下でも高い絶縁破壊特
性を保持している。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、難燃剤として硬化樹脂
の被膜を持つ被覆赤燐粉末を用いた非ハロゲン系の難燃
性樹脂組成物であって、湿熱条件下でも優れた絶縁破壊
特性を保持できる難燃性樹脂組成物を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/10 C09C 3/10 //(C08L 67/02 61:06) (72)発明者 鈴木 美緒子 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番13号 帝人株式会社千葉研究センター内 Fターム(参考) 4J002 CC033 CD012 CD022 CD052 CD102 CD172 CD182 CF051 CF061 CF071 CF081 CL064 DA018 DA038 DA056 DE138 DE188 DE238 DJ018 DJ038 DJ048 DL008 EL027 FA018 FA048 FA088 FB266 FD014 FD018 FD136 GQ01 4J037 AA08 CB13 CC12 CC16 CC22 CC23 CC24 CC26 CC27 DD04 EE03 EE28 FF13 FF30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル10
    0重量部、(B)硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐粉末1
    〜15重量部および(C)エポキシ化合物0.001〜
    10重量部からなり、121℃、100%RH、2.1
    気圧で100時間の湿熱処理後の絶縁破壊電圧保持率が
    90〜100%である、難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性芳香族ポリエステル(A)10
    0重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂(D)
    3〜70重量部を更に含有する、請求項1に記載の難燃
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性芳香族ポリエステル(A)が、
    エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレー
    ト、テトラメチレンテレフタレートまたはテトラメチレ
    ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰
    り返し単位とするポリエステルである、請求項1に記載
    の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ノボラック型フェノール樹脂(D)の重
    量平均分子量が600〜13,000の範囲にある、請
    求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 硬化樹脂の被膜を持つ被覆赤燐粉末
    (B)が、粉砕を必要としない黄燐の転化処理法により
    直接得られる破砕面のない球体様赤燐よりなる被覆赤燐
    粉末である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性芳香族ポリエステル(A)10
    0重量部に対して、無機充填剤5〜150重量部を更に
    含有する、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)エポキシ化合物添加後の熱可塑性
    芳香族ポリエステル(A)の末端カルボキシル基量が、
    30eq/T(106g)以下である、請求項1に記載
    の難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (C)エポキシ化合物が単官能性エポキ
    シ化合物である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (C)エポキシ化合物が二官能性エポキ
    シ化合物である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の難燃性樹脂組成物か
    らなる家電・電気・電子・自動車部品用難燃性樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】 燃焼性がUL94V-0である請求項1に記
    載の難燃性樹脂組成物。
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