JP2003054804A - 排出ローラの駆動方法、および記録装置 - Google Patents

排出ローラの駆動方法、および記録装置

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JP2003054804A JP2001243503A JP2001243503A JP2003054804A JP 2003054804 A JP2003054804 A JP 2003054804A JP 2001243503 A JP2001243503 A JP 2001243503A JP 2001243503 A JP2001243503 A JP 2001243503A JP 2003054804 A JP2003054804 A JP 2003054804A
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discharge roller
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の記録シート排出ローラを有する記録装
置において、排出ローラのみでの搬送精度向上を、多大
なコストアップを必要とせずに実現し、記録シートの後
端部において良好な印刷画像を形成する。 【解決手段】 主搬送ローラ13によりシートを搬送
し、記録ヘッド11により記録し、排出ローラ16、1
7により排出する構成の記録装置である。主搬送ローラ
13と第二排出ローラ17の間に配置されたモータ14
のモータギア14aからシート搬送のための駆動力が伝
えられる。第二排出ローラ17はシート搬送方向Xに複
数本並んだ搬送ローラのうち最下流側のローラである。
モータギア14aと搬送ギア13a及び第二排出ローラギ
ア部17bはそれぞれ直接駆動連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、複
写機、プリンタ等の記録装置に係わり、特に記録装置
の、記録シートの排出ローラを駆動する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の、記録シートの一般的な搬送機構
の構成を図9に示す。この図において、例えば記録シー
トとしての記録紙をLFローラ13及びピンチローラ18
により挟持し、シート搬送方向Xに関してLFローラ13
よりも下流側に配置された記録ヘッド11により記録を
行う。そして、シート搬送方向Xに関して記録ヘッド1
1よりも下流側に配置された第一排出ローラ16及び第
二排出ローラ17により記録シートの排出を行う。
【0003】ここで、主搬送ローラであるLFローラ1
3にはモータ14からの駆動出力が伝達される。さら
に、第一排出ローラ16及び第二排出ローラ17は不図
示のプラテンに取り付けられ、LFローラ13の一端に
設けられた搬送ギア13aから伝達ギア21、22を介
して第一排出ローラ16及び第二排出ローラ17まで駆
動出力が伝達される。
【0004】図9の構成では、排出ローラを2本用いる
ことにより、記録紙後端がLFローラ18を抜けた後の記
録紙の姿勢の安定化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、主搬送ローラで
記録シートを搬送している領域と、排出ローラのみでの
記録シート搬送領域とでは、記録シートの搬送精度に差
があったが、主にテキスト印刷やグラフィック印刷が出
力画像の中心であり、その搬送精度の差は大きな問題で
はなかった。ところが、近年の記録装置の画質向上に伴
い写真調の印刷を記録シートの印刷可能領域いっぱいに
印刷する傾向が強まり、これに伴い、排出ローラのみで
の記録シート搬送精度を向上させ、主搬送ローラとのシ
ート送り精度の差を少なくすることが望まれてきた。
【0006】しかしながら、上記従来例においては駆動
源から排出ローラが離れた場所に配置されているため、
必然的に排出ローラに駆動源からの駆動出力が伝わるま
でのギア数も多くなり、その結果、特にシート搬送方向
に排出ローラが複数個配設されている構成において、排
出ローラによる記録シート搬送精度を支配的に決めてい
るシート搬送方向最下流側の排出ローラの送り精度が十
分満足できるものではなかった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、複数の記録シート排出ロー
ラを有する記録装置において、排出ローラのみでの搬送
精度向上を、多大なコストアップを必要とせずに実現
し、記録シートの後端部において良好な印刷画像を形成
できる記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、所定の領域よりシートを排出するために該
シートの搬送方向に配設された複数の排出ローラを一つ
の駆動源で駆動する排出ローラの駆動方法おいて、シー
ト搬送方向最下流側の排出ローラに最初に駆動力を伝え
ることを特徴とする。
【0009】この駆動方法において、前記複数の排出ロ
ーラの駆動源を、前記所定の領域に前記シートを搬送す
るための搬送ローラの駆動源と共通とすることが好まし
い。さらに、前記搬送ローラの駆動源と前記シート搬送
方向最下流側の排出ローラとを中間の駆動伝達手段を介
さず、直接駆動連結することが好ましい。
【0010】また本発明は、記録シートを排出するため
の排出ローラを記録シート搬送方向に複数配設し、前記
複数の排出ローラを一つの駆動源で駆動する記録装置に
おいて、記録シート搬送方向最下流側の排出ローラに最
初に駆動力を伝える構成であることを特徴とする。
【0011】上記の記録装置においては、記録領域に記
録シートを搬送するための主搬送ローラの駆動源が前記
複数の排出ローラの駆動源と共通であることが好まし
い。
【0012】前記駆動源が前記記録シート搬送方向最下
流側の排出ローラと前記主搬送ローラとの間に配置され
ていることが好ましい。
【0013】前記主搬送ローラの駆動源と前記記録シー
ト搬送方向最下流側の排出ローラとが中間の駆動伝達手
段を介さず、直接駆動連結されていることが好ましい。
【0014】少なくとも前記記録シート搬送方向最下流
側の排出ローラへの駆動伝達手段としてベルトを用いた
ことが好ましい。
【0015】前記排出ローラの下方で、排出した記録シ
ートを受け取る記録装置であることが好ましい。さら
に、排出ローラには該排出ローラに従動回転する回転体
が対向して配置されていることが好ましい。
【0016】そして、上記のような記録装置は、記録シ
ートを記録領域に搬送し、該記録領域を通して排出ロー
ラにより排出する装置であることが好ましい。
【0017】上記のような発明によれば、記録シートを
排出するための排出ローラを記録シート搬送方向に沿っ
て複数配し、前記複数の排出ローラを一つの駆動源で駆
動する記録装置において、記録シート搬送方向最下流側
の排出ローラに最初に駆動力を伝えることにより、排出
ローラのみで記録シートを搬送するときの搬送精度を向
上することができ、記録シートの後端部における良好な
印刷画像を提供することが可能となる。更に、記録領域
に記録シートを搬送するための主搬送ローラの駆動源を
前記複数の排出ローラの駆動源と共通としたことによ
り、従来構成からのコストアップなしで排出ローラのみ
でのシート搬送精度の向上を図ることができる。
【0018】また、前記駆動源を前記記録シート搬送方
向最下流側の排出ローラと前記主搬送ローラとの間に配
置したことにより、省スペース化が図れる。
【0019】また、前記主搬送ローラの駆動源と前記記
録シート搬送方向最下流側の排出ローラとを中間の駆動
伝達手段を介さず、直接駆動連結したことにより、更に
排出ローラのみでのシート搬送精度を向上することがで
き、記録シートの後端部における良好な印刷画像を提供
することが可能となる。
【0020】更に、少なくとも前記記録シート搬送方向
最下流側の排出ローラへの駆動伝達手段としてベルトを
用いたことにより、よりいっそうの排出ローラのみでの
シート搬送精度の向上を図ることができ、記録シートの
後端部における良好な印刷画像を提供することが可能と
なる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0022】(第1の実施形態)ここでは、図1〜図7
を参照し、本発明の第1の実施形態としてインクジェッ
ト記録装置を例にとって説明する。図1は本発明の第1
の実施形態による記録装置にて可動カバー部材が開いた
状態の斜視図、図2は図1の記録装置の可動カバー部材
が閉じた状態の斜視図、図3は図2の記録装置の内部構
成を表した斜視図である。図4は本発明の第1の実施形
態による記録装置の搬送ユニット及び排出ユニットの上
面図であり、図5〜図7は本発明の第1の実施形態によ
る記録装置の搬送ユニット及び排出ユニットの概略断面
図である。
【0023】まずは装置全体の構成について説明し、次
に、記録シート排出のための排出ローラの構成について
説明する。
【0024】図1及び図2に示すように、記録装置本体
はメインケース1及びボトムケース2に覆われている。
これらケース1,2は記録装置のフレームの一部に固定
されて固定カバー部を構成しており、このケースによっ
て、後述する記録シート搬送ユニットや回復ユニットを
被覆している。また、メインケース1の一部には開口部
が形成されており、この開口部を被って蓋するようにア
クセスカバー3が取り付けられている。このアクセスカ
バー3はメインケース1に対して回動可能に取り付けら
れて可動カバー部材として構成されており、図1に示す
ようにアクセスカバー3を開くことにより、後述するキ
ャリッジユニットへのアクセスが可能となり、ヘッド交
換やインクタンク交換を行うことができる。
【0025】前記カバーの内部には図3に示すように記
録装置本体が内蔵されている。図3において、符号4は
装置フレームをなすシャーシを示しており、シャーシ4
にメインケース1やボトムケース2が固定されている。
【0026】また、この記録装置には給送ユニット5が
備えられており、記録前のシートPがここに複数枚重ね
て載置され、記録開始信号によって図示しない給送ロー
ラが回転してシートPを一枚ずつ分離給送する。そし
て、給送された記録シートは、搬送ローラとピンチロー
ラからなる搬送ユニット6及び排出ローラと拍車からな
る排出ユニット7で構成された搬送手段により記録領域
を搬送されて、排出される。
【0027】また、前記記録領域には記録手段としてキ
ャリッジユニット8が設けられており、搬送されるシー
トPに対して所定の記録を行うようになっている。本実
施形態にあたっては、記録シート搬送方向と交差する方
向に記録ヘッドを往復移動させて1行の記録を行ういわ
ゆるシリアル型のインクジェット記録方式を用いてお
り、キャリッジ8aがガイド軸8bに沿って往復移動可能
に取り付けられ、このキャリッジ8aに記録ヘッド及び
インクタンク8cが搭載されている。そして、キャリッ
ジ8aの移動に同期して記録ヘッド11からインクを吐
出することにより、記録領域へ搬送されたシートPへイ
ンク像を記録する。尚、キャリッジ8aの移動領域の端
部には記録ヘッド11と対向するように回復ユニット9
が設けられており、記録開始前や記録途中などに記録ヘ
ッドからインクを吸引したり予備吐出することによりイ
ンク吐出不良を生ずることなく記録を行う。
【0028】そして、記録後の記録シートは排出ユニッ
ト7で排出され、図2に示すように排出ユニット7の下
方にボトムケース2に対して着脱自在に装着された排出
トレイ10に順次排出積載される。
【0029】以上のように本実施形態はシリアル型のイ
ンクジェット記録方式を用いて説明するが、本発明はこ
れに限られるものではなく、記録シートの、その搬送方
向と交差する方向の幅と同じ幅の吐出口列を少なくとも
有する記録ヘッドで行記録を行ういわゆるフルライン型
のインクジェット記録装置にも同様に適用できる。ま
た、インクジェット記録式のものに限らず、熱転写式、
レーザー式などにも本発明の記録シート排出ローラの駆
動機構は適用できるものである。
【0030】次に、本発明に係わる排出ローラ周りの構
成について図4〜図7を参照して説明する。ただし、図
4〜図7においては図9に示した構成部品と同一のもの
に同一符号を用いた。
【0031】搬送ユニット6(図3)は、シートPを搬
送する主搬送ローラ(LFローラ)13と、シートPと
これに対向する記録ヘッド11との離間距離を設定する
プラテン12とを有する。また、主搬送ローラ13には
主搬送ローラ13及びシートPの摩擦力によって従動回
転するピンチローラ18が当接している。ピンチローラ
18は不図示のばね部材により主搬送ローラ13に向け
て付勢されており、シートPの搬送力を生み出すように
なっている。尚、各ピンチローラ18はそれぞれ500
gfの押圧力が主搬送ローラ13に対して加わるように
設定されている。
【0032】また、排出ユニット7(図3)は記録シー
ト搬送方向Xに関して記録ヘッド11よりも下流に設け
られ、画像記録が終了したシートPを排出すると共に画
像記録中のシートPの挙動安定を図るものであり、シャ
フト(ローラ軸)同士が主搬送ローラ13と平行に配設
された二本の記録シート排出手段である第一排出ローラ
16及び第二排出ローラ17と、シートPを押圧しつつ
従動回転する複数の回転体である第一拍車19,第二拍
車20と、排出されたシートPをスタックする排出トレ
イ10等を備えたシート排出装置により構成される。第
一排出ローラ16,第二排出ローラ17はプラテン12
に取り付けられている。各排出ローラ16,17は、複
数のローラ部16d,17dをシート搬送方向Xと交差
する方向に配列して構成されたローラであり、二本の排
出ローラ16,17はシート搬送方向Xに並んで配設さ
れている。
【0033】排出トレイ10は記録領域を通って排出さ
れるシートPを複数枚スタックできるように第二排出ロ
ーラ17に対して下方に配置されている。
【0034】なお、主搬送ローラ13、第一排出ローラ
16、第二排出ローラ17は略同一高さである。
【0035】次に、このように構成された記録装置の画
像記録動作について説明する。
【0036】給送ユニット5により分離し供給されたシ
ートPは主搬送ローラ13とピンチローラ18により挟
持搬送される。そして、シートPがプラテン12の、画
像を記録する所定の位置に到達すると、キャリッジユニ
ット8が不図示のキャリッジモータにより往復移動し、
不図示の電気基板からの信号により記録ヘッド11がシ
ートPに向けてインクを吐出して画像を記録する。ここ
で、シートPはシート搬送方向Xに関して記録ヘッド1
1より下流側を排出ローラ16,17及び拍車19,2
0により挟持され、上流側を主搬送ローラ13とピンチ
ローラ18により挟持されて搬送、記録が行われる。そ
してシートPの先端から後端に向けて所定範囲の記録後
は、シートPの後端が主搬送ローラ13とピンチローラ
18から抜ける。この後の搬送は排出ローラ16,17
によってのみ行うことにより、シートPの後端いっぱい
まで記録ヘッド11による記録が可能となる。
【0037】ここで、本実施の形態においては図4に示
すように、シート搬送方向Xに並ぶ排出ローラ16,1
7のうち下流側の第二排出ローラ17の構成として、シ
ャフト部17cに金属(SUM22D+KNメッキ)を用い、
シート搬送部材であるローラ部17dにゴム(EPDM:硬
度70°)を用いた。シャフト部17cにローラ部17
dを圧入後にローラ部17dを研磨することにより、ロ
ーラ部17dの外径精度としてφ15±0.02mm、
振れ精度として0.05mmを実現している。この精度
は剛性の高い金属シャフトを採用し、且つ、ローラ部を
研磨することにより実現できるものである。一方、排出
ローラ16,17のうち上流側の第一排出ローラ16の
構成としては、シャフト部16cに樹脂(ABS)を用
い、ローラ部16dには熱可塑性エラストマー(TPE:
硬度70°)を用いた。シャフト部16cとローラ部1
6dは一体成形することにより作製される。こちらの場
合はローラ部16dの外径精度はφ15±0.2、振れ
精度としては0.3mmとなる。
【0038】このように第一排出ローラ16は安価な材
料と製造方法により作製し、第二排出ローラ17は精度
を優先したものを採用することにより、シートPの搬送
精度とコストパフォーマンスのバランスの取れたシート
搬送構成を提供するとことができる。
【0039】更に、図4、図5に示すように、本実施形
態では主搬送ローラ13と第二排出ローラ17の間に配
置されたモータ14のモータギア14aから駆動力が伝
えられる。そのモータギア14aと搬送ギア13a及び第
二排出ローラギア部17bはそれぞれ直接駆動連結され
ている。
【0040】本構成にすることにより、後端記録時に搬
送精度を支配的に決めている第二排出ローラ17の搬送
精度が、シート搬送方向に並ぶ複数本の排出ローラの中
で最も高くなる。複数本の排出ローラを一つの駆動源で
駆動する場合は、駆動を伝えるために間に他の排出ロー
ラギアが介在するが、本構成では最も搬送精度が必要と
される第二排出ローラ17へ駆動源を第一に連結したこ
とによりシート後端記録時の搬送精度が著しく向上し
た。
【0041】何故ならば、途中のギア数が増えると、そ
の分ギアの偏心等出来上がり精度の影響を受け、また、
ギアのバックラッシュ量も累積して搬送精度が安定しな
くなるが、本構成ではこれを最小限に抑えることができ
る。
【0042】また、主搬送ローラ13と第二排出ローラ
17の駆動源は共通で一つのモータとしているため、従
来構成からコストアップなく、排出ローラによるシート
搬送精度の向上が実現できる構成となっている。
【0043】必然的にモータ14は主搬送ローラ13と
第二排出ローラ17の間に配置されるが、この結果モー
タも排出ユニット内に収まるため、モータ14をシート
搬送方向Xに関して主搬送ローラ13より上流側に配置
していた従来のもの(図9)と比較してモータスペース
分が省スペース化できる。
【0044】また、図6に示すように、モータの減速比
を大きくする場合には主搬送ローラ13と第二排出ロー
ラ17の間に減速用2段ギアであるダブルギア40を設
け、その先にモータ14を連結することで対応できる
が、この場合でも第一排出ローラ16ではなく第二排出
ローラ17に最初に駆動を伝えることによりシート搬送
精度の最も良い構成が実現できる。
【0045】尚、第一排出ローラ16への駆動伝達は、
図4に示すように、第二排出ローラの出力ギア17e、
伝達ギア21を介して第一排出ローラギア16bによっ
て行われる。
【0046】上述のように複数の排出ローラがシート搬
送方向に並んだ構成において最下流側の排出ローラへ駆
動力を最初に伝達する構成にすることにより、シートP
の良好な搬送精度が確保できる原理について図7により
説明する。
【0047】シートPは後端が主搬送ローラ13を抜け
た後は前述したように2本の排出ローラ16,17によ
り搬送され、記録ヘッド11からのインク吐出より記録
が行われる。この時のシートPの状態としては図7に示
すように、シート搬送方向Xに関して第二排出ローラ1
7よりも先の部分が第二排出ローラ17の下方に垂れ下
がり、その後排出トレイ10に沿って移動する。
【0048】この状態ではシートPの後端には第二排出
ローラ17と拍車20の接線17aを中心として浮き上
がる方向に力が働いている。これはシートPの自重とコ
シにより発生する力である。この力に対抗してシートP
と記録ヘッド11のインク吐出面との間の離間距離を確
保し、シートPの搬送状態を良好に保つのは拍車19の
役割であるが、シートPの浮き上がる力に対向する分、
拍車19の第一排出ローラ16への押圧力は減少する。
一方、第二排出ローラ17に対してはシートPが自重に
より円周方向に巻き付くように接しているためにシート
Pに対する第二排出ローラ17の搬送力は非常に大きく
なる。その結果、シートPの搬送精度への影響は第二排
出ローラ17から受ける割合が非常に大きくなる。この
ような現象によりシートPに対する搬送力の大きい最下
流側の排出ローラを高精度化する構成は理にかなったも
のであるといえる。
【0049】尚、拍車19,20はそれぞれ対応する各
ローラ部16d、17dに対向して配置されており、不
図示のばね部材によりそれぞれ10gfという比較的小
さな力でローラ部材に対して押圧力がかかるように設定
されている。これは画像記録済みのシートPの表面を傷
つけることを防止し、良好な画像状態を保つためであ
る。
【0050】表1に本構成を決定するにあたり得た実験
データを示す。 ・下流側排出ローラ精度:外径精度±0.02mm、
振れ精度0.05mm ・下流側排出ローラ精度:外径精度±0.2mm、振
れ精度0.3mm ・上流側排出ローラ精度:外径精度±0.02mm、
振れ精度0.05mm ・上流側排出ローラ精度:外径精度±0.2mm、振
れ精度0.3mm 表に記載の数値は上流側排出ローラと下流側排出ローラ
を各精度の組み合わせにおいてシートPを5mmピッチ
で搬送した時のシートPの搬送精度である。(3σ数
値:単位μm)
【0051】
【表1】 表1の結果から分かるように、当然のことながら上流・
下流ともに排出ローラ精度を向上させたものが3σで±
12μmと最も良い結果となっているが、本実施形態に
記載した下流側排出ローラのみの精度を向上させたもの
は±15μmとほぼ同レベルの精度を確保できている。
【0052】これは、上流側のみのローラ精度向上を行
ったの組み合わせ結果±35μmと比較すると大き
な差が有り、下流側排出ローラのみを高精度化すること
が最も効率的であることが一目瞭然に分かる。そして、
更に、複数本の排出ローラ列による搬送精度に対して支
配的な最下流側排出ローラに他の排出ローラより最初に
駆動力を伝えることにより、ギアの偏心、バックラッシ
ュの影響を最小限に抑えることができ、複数本の排出ロ
ーラ列による高精度のシート搬送が可能となる。
【0053】尚、「3σ」とは標準偏差σに3を掛けた
値であり、製品量産時に99.73%の良品率(3σの
数値以内)となることが予想できる。そのため、製品検
討時の目安とする数値である。
【0054】以上説明した形態によれば、シートPを排
出するために複数の排出ローラ16,17等を有し、こ
れら複数の排出ローラを一つのモータ14で駆動する構
成において、シート搬送方向最下流側の排出ローラ17
に最初に駆動力を伝えることにより、複数本の排出ロー
ラ列のみでシートを搬送するときの搬送精度を向上する
ことができ、記録シートPの後端部における良好な印刷
画像を提供することが可能となる。更に、記録領域へ記
録シートを搬送するための主搬送ローラ13の駆動源を
排出ローラ16,17の駆動源であるモータ14と共通
としたことにより、従来構成からのコストアップなしで
複数本の排出ローラ列のみでの搬送精度の向上を図るこ
とができる。
【0055】また、前記駆動源であるモータ14をシー
ト搬送方向最下流側の排出ローラ17と主搬送ローラ1
3との間に配置したことにより、省スペース化が図れ
る。
【0056】また、記録シート搬送方向最下流側の排出
ローラ17及び主搬送ローラ13の駆動源を中間の伝達
ギア21,22等を介さず、直接駆動連結したことによ
り、更に排出ローラのみでのシート搬送精度の向上を図
ることができ、記録シートの後端部における良好な印刷
画像を提供することが可能となる。
【0057】尚、本実施形態において記載した数値や材
料等は一例としてあげたものであり、この数値や材料等
に限定する必要はない。
【0058】また、排出ローラは2本に限定する必要は
なく、それ以上の複数本の排出ローラを用いた場合でも
同様の効果が得られる。
【0059】(第2の実施形態)図8に本発明の第2の
実施形態を示す。ここでは、第1の実施形態と異なる構
成について図8を参照しながら説明する。
【0060】上述の第1の実施形態ではモータ14から
の各ローラへの駆動伝達手段としてギアを用いたが、本
実施形態では図8に示すようにベルトを用いて駆動伝達
している。
【0061】図8を参照すると、モータ14に接続され
たモータプーリー32から排出ベルト30を介して、第
二排出ローラ17に連結されている排出プーリー33へ
駆動伝達を行う。主搬送ローラ13へは、搬送ベルト3
1及び搬送プーリー34により駆動力が伝えられる。
【0062】このようにベルトで駆動伝達を行うことに
より、ギア駆動では発生するバックラッシュがなくなる
ため、第1の実施形態よりも更に高精度なシート搬送が
実現可能となる。
【0063】尚、第一排出ローラ16への駆動伝達は、
第1の実施形態と同様に、図4に示したように第二排出
ローラ17の出力ギア17e、伝達ギア21を介して第
一排出ローラギア部16bによって行われる。また、主
搬送ローラ13への駆動伝達手段はギアでも良い。
【0064】このような形態によれば、第1の実施形態
と異なり、シート搬送方向最下流側の排出ローラ17へ
の駆動伝達をベルト30を用いて行うことにより、より
いっそうの排出ローラのみでのシート搬送精度の向上を
図ることができ、記録シートの後端部における良好な印
刷画像を提供することが可能となる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録シートを排出するための排出ローラを記録シート搬
送方向に複数配し、前記複数の排出ローラを一つの駆動
源で駆動する記録装置において、記録シート搬送方向最
下流側の排出ローラに最初に駆動力を伝えることによ
り、排出ローラのみで記録シートを搬送するときの搬送
精度を向上することができ、記録シートの後端部におけ
る良好な印刷画像を提供することが可能となる。更に、
記録領域に記録シートを搬送するための主搬送ローラの
駆動源を前記複数の排出ローラの駆動源と共通としたこ
とにより、従来構成からのコストアップなしで排出ロー
ラのみでのシート搬送精度の向上を図ることができる。
【0066】また、前記駆動源を前記記録シート搬送方
向最下流側の排出ローラと前記主搬送ローラとの間に配
置したことにより、省スペース化が図れる。
【0067】また、前記主搬送ローラの駆動源と前記記
録シート搬送方向最下流側の排出ローラとを中間の駆動
伝達手段を介さず、直接駆動連結したことにより、更に
排出ローラのみでのシート搬送精度を向上することがで
き、記録シートの後端部における良好な印刷画像を提供
することが可能となる。
【0068】更に、少なくとも前記記録シート搬送方向
最下流側の排出ローラへの駆動伝達手段としてベルトを
用いたことにより、よりいっそうの排出ローラのみでの
シート搬送精度の向上を図ることができ、記録シートの
後端部における良好な印刷画像を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による記録装置にて可
動カバー部材が開いた状態の斜視図である。
【図2】図1の記録装置の可動カバー部材が閉じた状態
の斜視図である。
【図3】図2の記録装置の内部構成を表した斜視図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態による記録装置の搬送
ユニット及び排出ユニットの上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による記録装置の搬送
ユニット及び排出ユニットの概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例による記録装
置の搬送ユニット及び排出ユニットの概略断面図であ
る。
【図7】本発明により、排出ローラのみでのシート搬送
精度が向上する原理を説明するための概略断面図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施形態による記録装置の搬送
ユニット及び排出ユニットの概略断面図である。
【図9】従来の記録装置の搬送ユニット及び排出ユニッ
トの上面図である。
【符号の説明】
P シート(記録シートまたは記録媒体) X シート搬送方向(記録シート搬送方向または記録
媒体搬送方向) 1 メインケース 2 ボトムケース 3 アクセスカバー 4 シャーシ 5 給送ユニット 6 搬送ユニット 7 排出ユニット 8 キャリッジユニット 8a キャリッジ 8b ガイド軸 8c インクタンク 9 回復ユニット 10 排出トレイ 11 記録ヘッド 12 プラテン 13 主搬送ローラ(LFローラ) 13a 搬送ギア 14 モータ 14a モータギア 16 第一排出ローラ 16b 第一排出ローラのギア部 16c 第一排出ローラのシャフト部 16d 第一排出ローラのローラ部 17 第二排出ローラ 17a 第二排出ローラのローラ部と第二拍車との接
線 17b 第二排出ローラのギア部 17c 第二排出ローラシャフト部 17d 第二排出ローラのローラ部 17e 第二排出ローラの出力ギア 18 ピンチローラ 19 第一拍車 20 第二拍車 21、22 伝達ギア 30 排出ベルト 31 搬送ベルト 32 モータプーリー 33 排出プーリー 34 搬送プーリー 40 ダブルギア

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の領域よりシートを排出するために
    該シートの搬送方向に配設された複数の排出ローラを一
    つの駆動源で駆動する排出ローラの駆動方法おいて、 シート搬送方向最下流側の排出ローラに最初に駆動力を
    伝えることを特徴とする排出ローラの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の排出ローラの駆動源を、前記
    所定の領域に前記シートを搬送するための搬送ローラの
    駆動源と共通とした請求項1に記載の排出ローラの駆動
    方法。
  3. 【請求項3】 前記搬送ローラの駆動源と前記シート搬
    送方向最下流側の排出ローラとを中間の駆動伝達手段を
    介さず、直接駆動連結する請求項2に記載の排出ローラ
    の駆動方法。
  4. 【請求項4】 記録シートを排出するための排出ローラ
    を記録シート搬送方向に複数配設し、前記複数の排出ロ
    ーラを一つの駆動源で駆動する記録装置において、 記録シート搬送方向最下流側の排出ローラに最初に駆動
    力を伝える構成であることを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 記録領域に記録シートを搬送するための
    主搬送ローラの駆動源が前記複数の排出ローラの駆動源
    と共通である請求項4に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動源が前記記録シート搬送方向最
    下流側の排出ローラと前記主搬送ローラとの間に配置さ
    れている請求項4または5に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記主搬送ローラの駆動源と前記記録シ
    ート搬送方向最下流側の排出ローラとが中間の駆動伝達
    手段を介さず、直接駆動連結されている請求項4から6
    のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも前記記録シート搬送方向最下
    流側の排出ローラへの駆動伝達手段としてベルトを用い
    た請求項4から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 排出ローラの下方で、排出した記録シー
    トを受け取る請求項4から8のいずれか1項に記載の記
    録装置。
  10. 【請求項10】 排出ローラには該排出ローラに従動回
    転する回転体が対向して配置されている請求項4から9
    のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 記録シートを記録領域に搬送し、該記
    録領域を通して排出ローラにより排出する請求項4から
    10のいずれか1項に記載の記録装置。
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