JP2003047495A - ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法及び装置 - Google Patents

ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 次亜塩素酸塩による処理方法を用いたPHA
の製造方法において、残留塩素を低減する方法を提供す
る。 【解決手段】 得られたPHAを、温水、チオ硫酸塩水
溶液、ポリヒドロキシアルカノエートが溶解性を有しな
い有機極性溶媒、などで洗浄処理することにより、残留
塩素を低減させる工程を更に有することを特徴とする、
PHAの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリヒドロキシア
ルカノエート(以下、PHAと略す)を生産しそれを細胞
内に蓄積する能力を有する微生物や、PHA合成遺伝子
を組み込むことによりPHAの生産が可能となった植物
細胞等の高等生物を用いた、PHAの製造方法に関す
る。より具体的には、PHAを含有する細胞を次亜塩素
酸塩で処理して、PHA以外の細胞構成成分を除去した
のち、得られたPHAをチオ硫酸塩水溶液で洗浄処理す
ることにより、当該PHAに保持された残留塩素を低減
させることを特徴とする、PHAの製造方法に関する。
【0002】また本発明は、前記のPHAの製造方法を
実施し得る装置に関する。
【0003】
【背景技術】これまで、多くの微生物がポリ-3-ヒドロ
キシ酪酸(以下、PHBと略す場合が有る)或いはその他
のPHAを生産し、細胞内に蓄積することが報告されて
きた(「生分解性プラスチックハンドブック」,生分解性
プラスチック研究会編,(株)エヌ・ティー・エス,P178-
197)。これらのポリマーは従来のプラスチックと同様
に、溶融加工等により各種製品の生産に利用することが
できる。更に、生分解性であるがゆえに、自然界で微生
物により完全分解されるという利点を有している。従っ
て、従来用いられている多くの合成高分子化合物の様に
自然環境に残留して汚染を引き起こすことがなく、ま
た、焼却処分を行なう必要もない為、大気汚染や地球温
暖化防止の観点からも有用な材料となり得る。更に、生
体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての応
用も期待されている。
【0004】微生物生産PHAは、その生産に用いる微
生物の種類や培地組成、培養条件等により、様々な組成
や構造のものとなり得ることが知られており、これまで
主に、PHAの物性の改良という観点から、この様な組
成や構造の制御に関する研究がなされてきた。
【0005】例えば、アルカリゲネス・ユウトロファス
・H16株(Alcaligenes eutrophusH16、ATCC No.
17699)及びその変異株は、その培養時の炭素源を変化さ
せることによって、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシ
吉草酸との共重合体を様々な組成比で生産することが報
告されている(特公平6-15604号公報、特公平7-14352
号公報、特公平8-19227号公報等)。特開平5-74492号
公報では、メチロバクテリウム属(Methylobacterium
sp.)、パラコッカス属(Paracoccus sp.)、アルカリゲ
ネス属(Alcaligenes sp.)、シュードモナス属(Pseudo
monas sp.)の微生物を、炭素数3から7の第一アルコ
ールに接触させることにより、3-ヒドロキシ酪酸と3-
ヒドロキシ吉草酸との共重合体を生産させる方法が開示
されている。特開平9-191893号公報では、コマモナス
・アシドボランス・IFO 13852株(Comamonas acid
ovorans IFO 13852)が、炭素源としてグルコン酸及
び1,4-ブタンジオールを用いた培養により、3-ヒド
ロキシ酪酸ユニットと4-ヒドロキシ酪酸ユニットとを
有するポリエステルを生産することが開示されている。
【0006】一方、特許公報第2642937号では、シュー
ドモナス・オレオボランス・ATCC 29347株(Pseudo
monas oleovorans ATCC 29347)に、炭素源として
非環状脂肪族炭化水素を与えることにより、炭素数が6
から 12 までの3-ヒドロキシアルカン酸ユニットを有
するPHAを生産することが開示されている。特開平5
-93049号公報、及び、特開平7-265065号公報では、ア
エロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)を、オレイ
ン酸やオリーブ油を炭素源として培養することにより、
3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸との2成
分共重合体を生産することが開示されている。
【0007】これらはいずれも、微生物による炭化水素
等のβ酸化や糖からの脂肪酸合成により合成された、い
ずれも側鎖にアルキル基を有するモノマーユニットから
なるPHA、即ち、「usual PHA」である。
【0008】一方、ある種の微生物では、アルキル基以
外の様々な置換基が側鎖に導入されたPHA、即ち、
「unusual PHA」を生産することが報告されており、
この様な手法によって微生物生産PHAの物性改良を目
指す試みもなされ始めている。更に、微生物生産PHA
のより広範囲な応用、例えば機能性ポリマーとしての応
用を考慮した場合、「unusual PHA」が極めて有用で
ある。置換基の例としては、芳香環を含むもの(フェニ
ル基、フェノキシ基、ベンゾイル基等)や、不飽和炭化
水素、エステル基、アリル基、シアノ基、ハロゲン化炭
化水素、エポキシド等が挙げられる。これらの中でも、
特に、芳香環を有するPHAの研究が盛んになされてい
る。
【0009】(a)フェニル基もしくはその部分置換体を
含むもの Makromol.Chem.,191,1957-1965(1990)及びMacro
molecules,24,5256-5260(1991)には、シュードモナス
・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が、5-
フェニル吉草酸を基質として、3-ヒドロキシ-5-フェ
ニル吉草酸をユニットとして含むPHAを生産すること
が報告されている。Macromolecules,29,1762-1766(1
996)には、シュードモナス・オレオボランスが、5-
(4'-トリル)吉草酸を基質として、3-ヒドロキシ-5-
(4'-トリル)吉草酸をユニットとして含むPHAを生産
することが報告されている。Macromolecules,32,288
9-2895(1999)には、5-(2',4'-ジニトロフェニル)吉
草酸を基質として、シュードモナス・オレオボランスが
3-ヒドロキシ-5-(2',4'-ジニトロフェニル)吉草酸
及び3-ヒドロキシ-5-(4'-ニトロフェニル)吉草酸を
ユニットとして含むPHAを生産することが報告されて
いる。
【0010】(b)フェノキシ基もしくはその部分置換体
を含むもの Macromol.Chem.Phys.,195,1665-1672(1994)に
は、シュードモナス・オレオボランスが、11-フェノキ
シウンデカン酸を基質として、3-ヒドロキシ-5-フェ
ノキシ吉草酸ユニットと3-ヒドロキシ-9-フェノキシ
ノナン酸ユニットとのPHAコポリマーを生産すること
が報告されている。特許公報第2989175号には、3-ヒド
ロキシ-5-(モノフルオロフェノキシ)ペンタノエート
(3H5(MFP)P)ユニット或いは3-ヒドロキシ-5-
(ジフルオロフェノキシ)ペンタノエート(3H5(DF
P)P)ユニットからなるホモポリマー、少なくとも3H
5(MFP)Pユニット或いは3H5(DFP)Pユニット
を含有するコポリマー、これらのポリマーを合成するシ
ュードモナス・プチダ、シュードモナス属を用いた前記
のポリマーの製造法に関する発明が開示されており、そ
の効果として、融点が高く良好な加工性を保持しなが
ら、立体規則性、撥水性を与えることができるとしてい
る。更に、特開2000-72865号公報では、シュードモナス
・プチダ・27N01株(Pseudomonas putida 27N01)
が、各種の3-ヒドロキシフルオロフェノキシ吉草酸ユ
ニットを含むPHAを生産するとの報告がなされてい
る。
【0011】この様なフッ素基置換体以外に、シアノ基
やニトロ基の置換体の研究もなされている。Can.J.M
icrobiol.,41,32-43(1995)及びPolymer Internation
al,39,205-213(1996)には、シュードモナス・オレオボ
ランス・ATCC 29347株及びシュードモナス・プチダ
・KT 2442株を用いて、オクタン酸とp-シアノフェノ
キシヘキサン酸或いはp-ニトロフェノキシヘキサン酸を
基質として、3-ヒドロキシ-p-シアノフェノキシヘキサ
ン酸或いは3-ヒドロキシ-p-ニトロフェノキシヘキサン
酸をモノマーユニットとして含むPHAの生産が報告さ
れている。
【0012】これらの報告は、側鎖がアルキル基である
一般的なPHAとは異なり、いずれもPHAの側鎖に芳
香環を有しており、それに由来する物性を有するポリマ
ーを得る上で有益である。
【0013】また新たなカテゴリーとして、単に物性の
変化に留まらず、側鎖に適当な官能基を有するPHAを
生産し、その官能基を利用して新たな機能を生み出そう
とする研究も行なわれている。
【0014】例えばMacromolecules,31,1480-1486(1
996)及び、Journal of PolymerScience:Part A:P
olymer Chemistry,36,2381-2387(1998)等では、側
鎖の末端にビニル基を持つユニットを含むPHAを合成
した後、酸化剤によりエポキシ化し、側鎖末端に反応性
の高いエポキシ基を含むPHAを合成したと報告されて
いる。またビニル基以外にも、高い反応性が期待される
チオエーテルを持つユニットを含むPHAの合成例とし
て、Macromolecules,32,8315-8318(1999)において
は、シュードモナス・プチダ・27N01株が 11-チオフェ
ノキシ吉草酸を基質とし、3-ヒドロキシ-5-チオフェ
ノキシ吉草酸ユニット及び3-ヒドロキシ-7-チオフェ
ノキシヘプタン酸ユニットからなるPHAコポリマーを
生産することが報告されている。
【0015】ところで、微生物は、生産したPHAを粒
子の形態でその細胞内に蓄積することが知られている。
この細胞内に蓄積されたPHAを微生物細胞から分離精
製する方法として、PHAをクロロホルムやジクロロメ
タン等の塩素系有機溶剤で抽出する方法と、PHA以外
の細胞構成成分を可溶化させて除去することによりPH
A粒子を得る方法とが有る。前者の溶媒抽出法は、簡便
かつ高純度にPHAを抽出・分離することができる優れ
た方法であるものの、工業生産レベルにおいては、処理
量が多くなる結果、大量の有機溶剤を使用する必要が有
る等の課題が生じる(利用されるクロロホルム等の塩素
系有機溶剤は、揮発・蒸散すると、環境や健康上の問題
を引き起こすことが指摘されている)。また、PHAを
粒子の形態のままで取得したい際には、この溶媒抽出を
利用する方法を採用することはできない。
【0016】一方、後者のPHA以外の細胞構成成分を
可溶化させて除去する方法として、次亜塩素酸塩、過酸
化水素などの薬剤による処理によって、PHA以外の細
胞成分を可溶化して、固-液分離により、不溶性のPH
A粒子を回収する方法が知られている。例えば、J.Ge
n.Microbiology,19,198-209(1958)には、微生物細胞
を次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ性溶液で処理するこ
とにより、ポリマーを分離精製する方法が報告されてい
る。特表平8-508881号公報には、PHA蓄積菌体をタ
ンパク質分解酵素処理した後、適当なキレート剤で処理
し、更に過酸化水素処理を行なうことでPHAを菌体か
ら分離する方法が開示されている。また、別の方法とし
て、特開昭57-174094号公報には、PHA蓄積菌体を加
温加圧し、圧力を開放することにより菌体を破砕して微
生物菌体からPHAを分離する方法が開示されている。
特開昭63-226291号公報には、菌体をスフェロプラスト
ヘ変換し、音波振動処理によってこれらを破砕し、遠心
分離した後に形成される最上層のPHAを分離する方法
が記載されている。
【0017】これらの方法は、PHAを粒子の形態のま
まで取得したい際にも、極めて有効である。
【0018】特に、次亜塩素酸塩を利用する処理方法
は、他処理剤を利用する方法と比較して、処理条件が温
和で、工程も簡便である上に、細胞由来の不純物の混入
が少なく、高純度のPHAを粒子状で取得することが可
能であり、実用上も低コストである等の多くの長所を有
する優れた方法である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、次亜塩素酸ナ
トリウム等の次亜塩素酸塩による細胞処理を利用して、
その細胞内に蓄積されているPHAを粒子の形態で回収
する方法は、PHAの構造によっては分子量の低下を伴
うこと、回収したPHAに無視できない量の塩素が残留
すること(例えば、特開平7-177894号公報を参照)から
実用には適さないと考えられてきた。
【0020】本発明者らの検討によれば、この残留塩素
は、PHAを加熱する際、急速に放出されることがわか
った。従って、かかる次亜塩素酸塩処理を利用して取得
されるPHA粒子を所望の加工品とする際、加熱処理す
る工程で放出される塩素量が多量であると、作業環境汚
染等の要因となることが強く懸念される。加えて、本発
明者らが検討したところでは、このPHA粒子に含まれ
る残留塩素は、水による洗浄を施す程度の通常の処理で
は、十分に除去できないことも判明した。即ち、残留塩
素は、PHA粒子に強固に保持されているものの、加熱
処理を施すことで一時にその放出がなされる結果、前記
の多量の塩素量が観測されたと結論された。
【0021】従って、製造工程に次亜塩素酸塩による処
理を利用するPHAの製造方法において、PHA粒子に
強固に保持されている残留塩素を低減する手段の開発
は、商業的規模でのPHAの開発や利用を図る上で、特
には、PHAを粒子の状態で取得し利用することを目指
す上で、極めて重要な課題となる。
【0022】従って、本発明の目的は、次亜塩素酸塩を
含有してなる酸化剤による処理を利用してPHAを製造
する際、回収されるPHA粒子に残留する塩素を、簡便
な手段で再現性良く除去・低減することが可能な処理工
程を設けるPHAの製造方法を提供することに有る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PHA含
有細胞からからPHA以外の細胞構成成分を、少ない工
程数で安価かつ効率良く除き、純度の高いPHAを高収
率で得る為のPHAの製造方法に関して鋭意検討を行な
った結果、以下の様な発明に至った。
【0024】即ち、本発明は、PHAを含有する細胞を
酸化剤で処理して、PHA以外の細胞構成成分を除去す
る工程を含むPHAの製造方法であって、次亜塩素酸塩
を少なくとも含有してなる酸化剤で該細胞を処理する工
程と、該処理された細胞を水溶性画分と水不溶性画分と
に分離する工程と、該水不溶性画分に残留する塩素を低
減させる工程とを含むことを特徴とする。さらに、好ま
しくは、前記の塩素を低減させる工程は、前記水不溶性
画分を塩素が可溶な液中で洗浄する工程であることを特
徴とする。
【0025】具体的には、本発明の一態様は、PHAを
含有する細胞を酸化剤で処理して、PHA以外の細胞構
成成分を除去する工程を含むPHAの製造方法であっ
て、次亜塩素酸塩を少なくとも含有してなる酸化剤で該
細胞を処理する工程と、該処理された細胞を水溶性画分
と水不溶性画分とに分離する工程と、該水不溶性画分を
温水で洗浄する工程とを含むことを特徴とする。
【0026】また本発明の一態様は、PHAを含有する
細胞を酸化剤で処理して、PHA以外の細胞構成成分を
除去する工程を含むPHAの製造方法であって、次亜塩
素酸塩を少なくとも含有してなる酸化剤で該細胞を処理
する工程と、得られたPHAをチオ硫酸塩水溶液で洗浄
する工程とを含むことを特徴とする。
【0027】また本発明の一態様は、PHAを含有する
細胞を酸化剤で処理して、PHA以外の細胞構成成分を
除去する工程を含むPHAの製造方法であって、次亜塩
素酸塩を少なくとも含有してなる酸化剤で該細胞を処理
する工程と、得られたPHAを、該PHAが溶解性を有
しない有機極性溶媒を少なくとも含有してなる極性溶媒
溶液で洗浄する工程とを含むことを特徴とする。
【0028】また本発明の一態様は、PHAを含有する
細胞を酸化剤で処理して、PHA以外の細胞構成成分を
除去する工程を含むPHAの製造方法であって、ポリヒ
ドロキシアルカノエートを含有する細胞を破砕して破砕
物を得る工程と、該破砕物を水溶性画分と水不溶性画分
とに分離する工程とを含み、該水不溶性画分を、前記の
次亜塩素酸塩を少なくとも含有してなる酸化剤で処理す
る工程に供することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のPHAの製造方法では、
目的とするPHAは、かかるPHA生産能を有する微生
物は勿論のこと、その微生物が有するPHA合成遺伝子
を遺伝子組み換え技術を利用して導入した結果、PHA
の生産が可能となった植物細胞等の高等生物を利用し
て、その細胞内に生合成させ、蓄積させることもでき
る。従って、本発明における「細胞(生体細胞、生物細
胞ともいう)」とは、微生物細胞のみならず、PHA合
成遺伝子を組み込むことによりPHAの生産が可能とな
った植物細胞等の高等生物の細胞をも含んでいる。
【0030】前記の如き、PHA生産能を有する微生物
としては、所望のPHAの生産能を有するものであれば
いかなる微生物を用いることもできるが、例えば、本発
明の実施例で用いるPHA生産菌である、ラルストニア
・ユウトロファ・TB64株(Ralstonia eutropha TB6
4)、シュードモナス・オレオボランス・ATCC 29347
株(Pseudomonas oleovorans ATCC 29347、Amer
ican Type CultureCollectionより分譲)、シュード
モナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichori
i YN2)、アルカリゲネス属・TL2株(Alcaligenes
sp.TL2)等を用いることができる。
【0031】TB64株は特開2000-166587号公報に開示
されており、寄託番号「FERM BP-6933」として、
特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペ
スト条約に基づき、独立行政法人産業技術総合研究所特
許生物寄託センター(旧経済産業省産業技術総合研究所
生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター)に国
際寄託されている。
【0032】YN2株は寄託番号「FERM BP-737
5」として、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に
関するブタペスト条約に基づき、独立行政法人産業技術
総合研究所特許生物寄託センター(旧経済産業省産業技
術総合研究所生命工学工業技術研究所特許微生物寄託セ
ンター)に国際寄託されている。YN2株の菌学的性質
を列挙すれば以下の通りである。
【0033】<YN2株の菌学的性質> (1)形態学的性質 細胞の形と大きさ :桿菌、0.8μm×1.5〜2.0μm 細胞の多形性 :なし 運動性 :あり 胞子形成 :なし グラム染色性 :陰性 コロニー形状 :円形、全縁なめらか、低凸状、
表層なめらか、光沢、半透明 (2)生理学的性質 カタラーゼ :陽性 オキシダーゼ :陽性 O/F試験 :酸化型(非発酵性) 硝酸塩の還元 :陰性 インドールの生成 :陽性 ブドウ糖酸性化 :陰性 アルギニンジヒドロラーゼ :陰性 ウレアーゼ :陰性 エスクリン加水分解 :陰性 ゼラチン加水分解 :陰性 β-ガラクトシダーゼ :陰性 King's B寒天での蛍光色素産生 :陽性 4%NaClでの生育 :陽性(弱い生育) ポリ-β-ヒドロキシ酪酸の蓄積 :陰性(*) Tween 80 の加水分解 :陽性 * nutrient agar培養コロニーをズダンブラックで染色
することで判定。 (3)基質資化能 ブドウ糖 :陽性 L-アラビノース :陽性 D-マンノース :陰性 D-マンニトール :陰性 N-アセチル-D-グルコサミン :陰性 マルトース :陰性 グルコン酸カリウム :陽性 n-カプリン酸 :陽性 アジピン酸 :陰性 dl-リンゴ酸 :陽性 クエン酸ナトリウム :陽性 酢酸フェニル :陽性 TL2株は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に
関するブタペスト条約に基づき、寄託番号「FERM
BP-6913」として、独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センター(旧経済産業省産業技術総合研究
所生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター)に
国際寄託されている。
【0034】本発明の方法では、これらの細胞中に生産
された不水溶性のPHAは、粒子状の形状で蓄積される
が、このPHA粒子を固-液分離により回収する際、そ
の他の細胞構成成分からなる挟雑不純物を次亜塩素酸塩
による処理で可溶化させることで、不水溶性のPHA粒
子のみを固相成分として分離している。
【0035】即ち、本発明の方法においては、培養後、
PHAを蓄積した細胞を培養液から回収し、この細胞を
次亜塩素酸塩を含む処理液中に懸濁し、この処理液中で
一定時間、一定条件下で反応させることによって、PH
A以外の細胞構成成分を可溶化させて除去し、該細胞か
らPHA粒子を分離する手段を用いる。
【0036】本発明の方法で用いる次亜塩素酸塩として
は、次亜塩素酸カリウム(KClO)、次亜塩素酸カルシ
ウム(Ca(OCl)2)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)
等の中から、適宜選択して用いることができる。また、
処理液中に溶解させる次亜塩素酸塩の濃度は、処理液中
の有効塩素濃度として、0.5%から 12.0%、望ましくは
1.5%から 5.0%の範囲内に選択するのが好ましい。例
えば、次亜塩素酸塩として市販の次亜塩素酸ナトリウム
水溶液を用いる場合は、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は
4%(有効塩素濃度として約1.7%)から6%(有効塩素濃
度として約2.5%)程度が望ましい。また、細胞の乾燥重
量1g当たり、処理液の液量を 50mlから 300mlの範囲
内に選択して、処理を行なうことが好ましい。処理温度
は、室温(20℃程度)以上になると、PHA自体にも作用
して部分的に加水分解等を起こし、PHAの分子量低下
を招く恐れが有る為、処理温度を0℃から 10℃の範囲
内に選択して処理を行なうことが望ましい。なお、細胞
に次亜塩素酸ナトリウムが接触した際に発熱することが
有るので、その際は特に注意が必要である。前記の次亜
塩素酸塩の濃度、温度条件を選択する際、処理時間は、
1時間から5時間の範囲内、通常、2時間程度に選択す
ると十分に可溶化処理が達成できる。1時間未満である
とPHA成分以外の細胞成分の可溶化が不十分となり、
5時間以上処理を行なうとPHAの分子量低下の原因と
なるので注意が必要である。
【0037】前記の可溶化処理の反応を終了した後、処
理液中のPHA粒子を回収する手段としては、PHA粒
子を、共存する可溶化された細胞成分と効果的に分離で
きる限り、いかなる固-液分離手段をも利用することが
できるが、例えば、遠心分離法を利用して、PHA粒子
を可溶性画分と分離することができる。この時点でのP
HAの様態は水溶液に懸濁された微粒子状になっている
が、その後の脱塩素処理の効率が高くなるようにPHA
微粒子の様態を保ったまま遠心分離操作を行なう事が必
要である。つまり、遠心分離の際の温度は0℃から 10
℃程度、好ましくは0℃から5℃で行なうことが望まし
い。更に、遠心分離法で回収したPHA粒子を脱イオン
水、蒸留水、純水等の精製水で更に洗浄し、僅かに混入
する可能性を有する挟雑成分の十分な除去を図る工程を
加えることがより望ましい。前記の洗浄する工程は2回
から3回程度行なうことが望ましい。
【0038】特に高純度のPHAを得る必要が有る際に
は、PHAの分離及び洗浄操作の後に、例えば、酵素、
酸化剤、界面活性剤またはこれらを組み合わせた化学的
処理等を行なうこともできる。
【0039】前記の次亜塩素酸塩による処理の工程の前
に、細胞を破砕する工程を更に加えることで、PHAを
更に効果的に分離することができる。この細胞を破砕す
る工程では、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破
砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法(ガラス粉末やア
ルミナ粉末等の助剤を加えて乳鉢中で磨り潰す方法)、
凍結融解法等の薬剤を使用しない方法を用いることが望
ましい。更に、この再懸濁液について、遠心分離等の方
法により固体成分と可溶成分とを分離し、PHA成分が
含まれている固体成分を次亜塩素酸塩で処理する。
【0040】ところで、前記した通り、本発明において
は、PHA以外の細胞構成成分を可溶化させる酸化剤と
して次亜塩素酸塩を好適に用いることができる。この次
亜塩素酸塩による処理では、消費される次亜塩素酸イオ
ンに起因する塩素が副生され、その一部が不水溶性のP
HA粒子表面に付着して分離される。弱く付着する部分
は、次亜塩素酸塩による処理を行ない,固-液分離した
後、水洗浄をおこなうことで溶出除去されるものの、強
固に付着している一部の塩素は残留塩素となり、加熱を
伴う加工を行なう際に初めて離脱するものとなる。この
様な残留塩素は、得られたPHAの利用を考える上で問
題となり得る。
【0041】この様な残留塩素を除去するために、本発
明においては、前記の次亜塩素酸塩による処理とその後
の固-液分離工程の後に、以下の様な、塩素が可溶な液
中で洗浄処理を更に施す工程を付け加えた。液中での洗
浄処理は、懸濁、攪拌など工程として簡便で、かつ洗浄
後の回収が容易であり、回収率や純度を低下させないの
で、微小な粒子の処理方法として適格である。洗浄液と
しては、塩素が可溶であるほか、PHAを溶解しないこ
とが要求されることは言うまでもない。残留塩素を除去
する洗浄処理として、得られたPHAを更に精製水に懸
濁し、30℃から60℃に昇温し攪拌しながら、回収したP
HAに残存する塩素を脱離させる手段を用いることがで
きる。この場合の温水の量は脱離した塩素が十分溶解し
得る量、すなわちPHA1g(乾燥重量)当たり 50ml以
上であることが望ましく、処理時間は6時間以上(処理
温度を低くするにつれて処理時間を長くすることが望ま
しい)が望ましく、更に本処理は温水を新たなものに換
えて2回以上行なう事が望ましい。
【0042】上記洗浄の終了後、洗浄液中のPHA粒子
を回収する方法としては、PHA粒子を、共存成分から
効果的に分離精製し得る方法であれば、いかなる方法を
も用いることができるが、例えば、遠心分離法を用いる
ことができる。
【0043】残留塩素を除去する別の洗浄処理として、
下記の如き残留塩素をチオ硫酸塩水溶液で洗浄して低減
させる手段を用いることができる。
【0044】チオ硫酸塩としては、チオ硫酸カリウム
(K223)、チオ硫酸カリウム・3水和物(K223
3H2O)、チオ硫酸カルシウム・6水和物(CaS23
6H2O)、チオ硫酸第一鉄(FeS23)、チオ硫酸ナト
リウム(Na223)、チオ硫酸ナトリウム・5水和物
(Na223・5H2O)、チオ硫酸アンモニウム((NH4)
223)等からなる群より適宜選択して用いることがで
きる。また、上記のチオ硫酸塩を含む溶液や混合物を用
いることもできる。
【0045】チオ硫酸塩のうち、チオ硫酸ナトリウム・
5水和物(Na223・5H2O、通称「ハイポ」)は、従
来、主に水道水の「カルキ抜き剤」として使用されてき
た。チオ硫酸ナトリウム・5水和物は水溶液中で塩素を
吸収する作用を有しており、そのメカニズムは、下記式
[1]に示す通りである。
【0046】Na223+4Cl2+5H2O→2NaCl
+2H2SO4+6HCl[1]チオ硫酸塩水溶液でPHA
を洗浄処理することによって、当該PHAに保持された
残留塩素は,上記[1]の反応によって除去される。
【0047】チオ硫酸塩による洗浄処理における温度
は、当該PHAの物性等に応じて適宜設定するものでは
あるが、通常、0℃から 100℃、望ましくは 20℃から
70℃に設定するのが良い。また、本洗浄処理における洗
浄時間は、5分間から 24時間、望ましくは、1時間か
ら3時間とするのが良い。
【0048】終了後の、洗浄液中のPHA粒子を回収す
る方法としては、PHA粒子を、共存成分から効果的に
分離精製し得る方法であれば、いかなる方法をも用いる
ことができるが、例えば、遠心分離法を用いることがで
きる。また、本洗浄処理で洗浄したPHA粒子を、精製
水等で更に洗浄する処理を加えれば、なお望ましい。
【0049】また、残留塩素を除去するさらに別の洗浄
処理として、下記の如き残留塩素を有機極性溶媒で洗浄
して低減させる手段を用いることができる。
【0050】この極性溶媒溶液による洗浄処理は、PH
A粒子表面に付着している残留塩素を、目的のPHA自
体に対する溶解性を有しない有機極性溶媒を全体積の 5
0%以上の濃度で含む極性溶媒溶液で洗浄して、この極
性溶媒溶液中に溶出させ低減させるものである。
【0051】不水溶性のPHA粒子表面に強固に付着し
ている一部の塩素に対して、前記の如き有機極性溶媒を
利用する洗浄を施すことで、その大部分を除去すること
ができる。なお、本方法で得られるPHA粒子において
は、残留塩素の絶対量が大幅に低減されている為、かか
るPHA粒子を原材料として加工品を作製する際、熱を
加えても、放出される塩素量は、作業環境汚染等の要因
とはならない程度に抑制できる。
【0052】この極性溶媒溶液による洗浄処理に用いる
有機極性溶媒としては、アルコール、ケトン等を用いる
ことができる。より具体的には、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、アセ
トン等の中から適宜選択して用いることができる。な
お、これら有機極性溶媒は、単独で利用することが一般
的であるが、複数種を含む混合溶媒を用いることもでき
る。更に、前記アルコール、ケトン等の有機極性溶媒は
水との高い親和性を有するので、水と均一に混和させた
混合溶媒として用いることもできる。水と均一に混和さ
せた混合溶媒として用いる際には、有機極性溶媒の含有
率(濃度)を高くすることが望ましく、例えば、含有率
(濃度)を 99%以上とすると、単一溶媒を用いる際と遜
色の無い洗浄効果が達成できる。
【0053】この極性溶媒溶液による洗浄処理における
温度は、目的とするPHAの物性、例えば、有機極性溶
媒に対する溶解度、軟化点、融点等に応じて適宜選択す
るものでもあるが、通常、利用する有機極性溶媒が液体
状態であり、かつ、その蒸散が少ない温度領域、例え
ば、0℃から 50℃の範囲に選択することが望ましい。
また、この洗浄処理における洗浄時間は、用いる有機極
性溶媒の種類や温度に依存するものの、5分間から 24
時間の範囲内、好ましくは、1時間から3時間の範囲内
に選択することで、十分な洗浄・除去が達成できる。
【0054】この極性溶媒溶液を用いる洗浄処理を終了
した後、有機極性溶媒を含む液中から洗浄処理済みのP
HA粒子を回収する手段としては、PHA粒子と、有機
極性溶媒を含む極性溶媒溶液中に溶解している共存成分
とを効果的に分離できる限り、いかなる固-液分離方法
をも用いることができる。例えば、遠心分離法を用い
て、有機極性溶媒を含む液に溶解する成分と、PHA粒
子との分離を図ることができる。また、有機極性溶媒を
用いる洗浄処理後、回収したPHA粒子を、再度精製水
等で洗浄し、有機極性溶媒の残留分を除去する処理を加
えれば、なお望ましい。
【0055】なお、前記の極性溶媒溶液による洗浄処理
における洗浄効果は、PHA粒子の種類に依存せず、汎
用性を有し、また、再現性も高いことが見出されてい
る。また、PHA粒子の量は、元の細胞自体の嵩に比較
すると格段に少ないので、前記の有機極性溶媒を利用す
る洗浄に用いる有機極性溶媒は、有機溶媒抽出法で使用
される有機溶媒の量とは比較にならない程僅かな量であ
る。しかも、PHA自体は溶解させず、その表面に付着
する塩素のみを溶出させ、固-液分離法を利用して、洗
浄されたPHA粒子を再回収する為、かかる工程におい
て、揮発・蒸散する有機溶媒量を極めて少なくすること
も可能となる。加えて、有機溶媒抽出のように、水層中
にも若干量の有機溶媒が残留しその回収処理が必要とな
ることや、有機相からPHAを回収する際に溶媒留去等
で排除する多量の有機溶媒の回収処理を行なう必要が有
ること等、規模が増すにつれてますます困難となる有機
溶媒の回収作業も、本発明の方法ではより簡単に実施で
きる。
【0056】以上説明したように,本発明の洗浄とは,通
常用いられると同様の意味であって,液中にPHA粒子
を懸濁させ,攪拌し,洗浄液とPHA粒子を分離する一連
の工程である。しかし,同様の洗浄効果が得られるもの
であれば,攪拌を省略したり,分離がなく,洗浄液を連続
的に排出・追加するものであったり,必要に応じて,この
工程を変化させてもよい。
【0057】上記の残留塩素を除去する工程で得られた
PHA粒子を乾燥する工程においては、自然乾燥、真空
乾燥法、凍結乾燥法等、当該PHAの物性や取得しよう
とする形態等に応じて適宜選択するものとする。
【0058】前記の方法でPHAを製造する為の装置と
しては、通常の微生物生産や化学合成等に用いる装置を
単独または複数組み合わせて用いることができるが、更
に、下記の様な構成を備えたPHAの製造装置を、本発
明のPHAの製造方法に最適な製造装置の一形態として
例示することができる。
【0059】PHAを含有する細胞を、前記の次亜塩素
酸塩で処理して、PHA以外の細胞構成成分を除去する
手段と、該処理された細胞を水溶性画分と水不溶性画分
(PHA)とに分離する手段と、該水不溶性画分から残留
塩素を除去する洗浄手段とが備わっている。残留塩素を
除去する手段としては、該水不溶性画分を温水で洗浄処
理する手段、該水不溶性画分をチオ硫酸塩水溶液で洗浄
処理する手段、該水不溶性画分を、前記PHA自体に対
する溶解性を有しない有機極性溶媒を含有してなる極性
溶媒溶液で洗浄処理する手段からなる群より選択され
る、少なくとも一つ以上の手段よりなる。更に必要に応
じて、前記の次亜塩素酸塩で処理する手段の前に、PH
Aを含有する細胞を破砕して破砕物を得る手段と、該破
砕物を水溶性画分と水不溶性画分とに分離する手段とを
備えた構成の製造装置とすることもできる。
【0060】
【実施例】以下に、実施例を示して、本発明を更に具体
的に説明する。これら実施例は本発明の最良の実施形態
の一例ではあるものの、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以下の実施例における
「%」は特に標記した以外は重量基準である。また、各
実施例で用いたM9培地は下記の組成を有するものであ
る。
【0061】[M9培地] Na2HPO4 6.2g KH2PO4 3.0g NaCl 0.5g NH4Cl 1.0g (培地1リットル中、pH7.0) (実施例1)リンゴ酸ナトリウム 0.1%を含有するM9寒
天培地上のTB64株のコロニーを、500ml容振盪フラス
コ中の、リンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有するM9培地
50mlに植菌し、30℃で振盪培養した。24時間後、培養
液5mlを、窒素源であるNH4Clのみ1/10 濃度に調
製したM9培地にリンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有した
培地1リットルに加え、同様に振盪して菌体にPHBを
蓄積させた。52時間後、PHB蓄積菌体を遠心分離によ
って収穫し、蒸留水 30mlに再懸濁して3等分した(各
10ml)。これらに1から3まで番号を付け、以下の処理
を行なった。
【0062】1:対照:更に遠心分離後メタノールで洗浄
し、凍結乾燥して秤量した後、クロロホルムで 60℃、2
4時間抽出操作を行ない、抽出液を濾過、濃縮後、メタ
ノールで再沈殿させ、減圧乾燥して対照ポリマー(試料
1とする)を得た。
【0063】2:4℃に冷却した脱イオン水を 30ml加
え、4℃に冷却した次亜塩素酸ナトリウム溶液(キシダ
化学社製;次亜塩素酸ナトリウム 12%(有効塩素濃度5
%以上)含有)を 20ml加えて、4℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応液に4℃に冷却した脱イオン水 1
40mlを加え、4℃、29400m/s2(3000×g)で 30分間遠
心分離を行なった。得られた沈殿物に4℃に冷却した脱
イオン水 80mlを加え、超音波処理にて粒子を十分分散
させた後、遠心分離を行なった(4℃、29400m/s 2(3000
×g)で 30分間)。更にこの操作を2回繰り返し、得られ
た沈殿物を凍結乾燥した。これを試料2とする。
【0064】3:2の操作の脱イオン水による洗浄を行
なった試料を、50mlの脱イオン水に懸濁し、50℃で6
時間攪拌したのち、上澄を遠心分離(4℃、29400m/s
2(3000×g)で 30分間)によって除去した。この温水洗浄
処理をもう1度繰り返した。得られた沈殿物に4℃に冷
却した脱イオン水 40mlを加え、超音波処理にて粒子を
十分分散させた後、遠心分離を行なった(4℃、29400m
/s2(3000×g)で 30分間)。更にこの操作を1回繰り返
し、得られた沈殿物を凍結乾燥した。これを試料3とす
る。
【0065】<残留塩素の測定>試料2及び試料3につ
いては以下の様にして残留塩素を測定した。
【0066】図1に示す1:三角フラスコ(全容量 637m
l)と、2a:中心部に穴をあけた外蓋(スクリューキャッ
プ)、2b:中心部に穴をあけたテフロン(登録商標)製
内蓋、及び2c:内蓋と同じ大きさのアルミ箔で構成され
た蓋をオーブン中で予め 150℃に加熱しておき、3:ア
ルミ箔上に載せた4:試料 0.3gを入れて蓋を密閉し、同
じく 150℃で加熱した。3分後、蓋の穴から6:検知管
(ガステック社製;塩素ガス検知管・品番8La;検出範
囲濃度:0.5ppmから8ppm或いは、品番8H;検出範囲
濃度:0.5ppmから8ppm)を差込み、100mlを吸引して
塩素濃度を測定した。
【0067】その結果、温水処理を行なっていない試料
2の塩素濃度が約50ppmであったのに対し、温水処理を
行なった試料3では約4ppmであった。試料3は試料2
に比べて塩素低減の効果が見られる。
【0068】次に、以下に示す「回収率」及び「純度」
を評価する為、次の操作を行なった。
【0069】乾燥した1から3までの試料にクロロホル
ム 30mlを加え、60℃で 24時間攪拌抽出操作を行なっ
た。PHBが抽出されたクロロホルム溶液を 0.45μm
のPTFEフィルターで濾過し、ロータリーエバポレー
ターで濃縮して 10倍量のメタノールに注加しPHBを
沈殿、回収した。これらを減圧乾燥して秤量した。
【0070】対照である1に対する、2及び3の試料の
クロロホルム抽出によって得られたPHBの質量比を
「回収率」とし、各試料の、クロロホルム抽出前の試料
に対するクロロホルム抽出によって得られたPHBの質
量比を「純度」として、表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】試料3は、温水処理をしているにもかかわ
らず、回収率及び純度は、温水処理を行なっていない試
料2とほぼ同等であった。したがって、温水処理は、回
収率と純度を高く保ったまま、残留塩素を減少させる効
果がある。
【0073】(実施例2)n-ノナン酸 0.1%を含有するM
9寒天培地上のシュードモナス・オレオボランスのコロ
ニーを、n-ノナン酸 0.3%を含有するM9培地 50mlに
植菌し、30℃で振盪培養した。40時間後、培養液5ml
をn-ノナン酸 0.2%及び5-フェニル吉草酸 0.05%を含
有するM9培地1リットルに加え、振盪培養した。更に
36時間後、菌体を遠心分離によって収穫し、窒素源で
あるNH4Clを含まず、n-ノナン酸0.05%及び5-フェ
ニル吉草酸 0.2%を含有するM9培地1リットルに再懸
濁し、同様に振盪して菌体に3-ヒドロキシノナン酸、
3-ヒドロキシヘプタン酸、3-ヒドロキシ吉草酸、及び
3-ヒドロキシ-5-フェニル吉草酸をユニットとして含
むPHAを蓄積させた。48時間後、PHA蓄積菌体を遠
心分離によって収穫し、以下の処理を行なった。
【0074】4:対照:更に遠心分離後メタノールで洗浄
し、凍結乾燥して秤量した後クロロホルムで 60℃、24
時間抽出操作を行ない、抽出液を濾過、濃縮後、メタノ
ールで再沈殿させ、減圧乾燥して対照ポリマー(試料4
とする)を得た。
【0075】5:4℃に冷却した脱イオン水を 30ml加
え、4℃に冷却した次亜塩素酸ナトリウム溶液(キシダ
化学社製;次亜塩素酸ナトリウム 12%(有効塩素濃度5
%以上)含有)を 20ml加えて、4℃で2時間反応させ
た。反応終了後反応液に4℃に冷却した脱イオン水 140
mlを加え、4℃、29400m/s2(3000×g)で 30分間遠心
分離を行なった。得られた沈殿物に4℃に冷却した脱イ
オン水 80mlを加え、超音波処理にて粒子を十分分散さ
せた後、遠心分離を行なった(4℃、29400m/s2(3000×
g)で 30分間)。更にこの操作を2回繰り返し、得られた
沈殿物を凍結乾燥し,試料5を得た。
【0076】6:5の操作の脱イオン水による洗浄を行
なった試料を、50mlの脱イオン水に懸濁し、30℃で 12
時間攪拌した。更に上澄を遠心分離(4℃、29400m/s
2(3000×g)で 30分間)によって除去し、50mlの脱イオ
ン水に再懸濁し、30℃で 12時間攪拌した。処理終了後
上澄を遠心分離(4℃、29400m/s2(3000×g)で 30分間)
によって除去し、得られた沈殿物に4℃に冷却した脱イ
オン水 40mlを加え、超音波処理にて粒子を十分分散さ
せた後、遠心分離を行なった(4℃、29400m/s2(3000×
g)で 30分間)。更にこの操作を1回繰り返し、得られた
沈殿物を凍結乾燥し、試料6を得た。
【0077】試料5及び試料6は実施例1と同様に方法
で残留塩素を測定した。その結果、温水処理を行なって
いない試料5の塩素濃度が約20ppm(検知管8Laの 30
ml引きから換算)であったのに対し、温水処理を行なっ
た試料6では約2ppmであった。試料6は試料5に比べ
て塩素低減の効果が見られる。
【0078】更にこれらの試料を実施例1と同様にクロ
ロホルム抽出し、回収率及び純度を求めた。結果を表2
に示す。
【0079】
【表2】
【0080】温水処理試料6の回収率及び純度は、温水
処理を行なっていない試料5とほぼ同等であった。実施
例1のPHBに対すると同様,本実施例のような芳香環
を有するPHAに対しても、温水処理は、回収率と純度
を高く保ったまま、残留塩素を減じさせる効果がある。
【0081】(実施例3)チオ硫酸ナトリウム水溶液によ
る洗浄(1) 酵母エキス(オリエンタル酵母工業(株))0.5%を含むM
9培地 200mlに、YN2株を植菌し、500ml容振盪フ
ラスコ中で 30℃、125 ストローク/分の条件下で振盪培
養した。8時間後、前記培養液を、ポリペプトン(日本
製薬(株))0.5%と5-チオフェノキシ吉草酸 0.1%とを
含むM9培地 25リットルに添加し、50リットル容ジャ
ーファーメンター中で、30℃で 48時間通気攪拌培養し
た。
【0082】上記培養液のうち 200mlを遠心分離(7800
0m/s2(8000×g)、4℃、10分間)して微生物細胞を回収
し、冷メタノールで一度洗浄して真空乾燥した。この真
空乾燥ペレットを 20mlのクロロホルムに懸濁し、60℃
で 20時間攪拌してPHAを抽出した。抽出液を孔径 0.
45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、ロータリ
ーエバポレーターで濃縮し、濃縮液を冷メタノール中で
再沈殿させ、更に沈殿のみを回収して真空乾燥してPH
Aを得た。このPHAについて、常法に従ってメタノリ
シスを行ない、ガスクロマトグラフィー-質量分析装置
(GC-MS,島津QP-5050、EI法)で分析してPHAモ
ノマーユニットのメチルエステル化物の同定を行なっ
た。その結果、当該培養液中の微生物細胞には表3に示
すモノマーユニット組成を有するPHAが含まれている
ことがわかった。
【0083】
【表3】
【0084】上記の分析操作に用いた以外の培養液よ
り、遠心分離によって微生物細胞を回収した。得られた
細胞は精製水 1.6リットルに懸濁し、次亜塩素酸ナトリ
ウム溶液(有効塩素濃度5%以上)0.8リットルを添加し
た。これを4℃で2時間振盪してPHA以外の細胞構成
成分を可溶化させた後、遠心分離(29400m/s2(3000×
g)、4℃、30分間)によりPHAを回収した。得られた
PHAを精製水 200mlに懸濁し、遠心分離(29400m/s2
(3000×g)、4℃、30分間)によりPHAを回収する操作
を3回繰り返して水洗浄を行ない、PHA粒子(試料7
とする)を得た。
【0085】当該PHA粒子に保持された残留塩素は、
以下の方法で評価した。
【0086】(1)官能評価 室温放置されたPHA粒子の塩素臭を官能的に判定し、
塩素臭の強いものから順に、 +++(強),++(中),+(低),±(微弱),−(なし) の5段階で評価した。
【0087】(2)濃度測定 500ml容蓋付きフラスコ中に上記のPHA粒子を入れて
密封し、150℃雰囲気中で1時間加熱して、残留塩素を
放出させた後、ガス検知管を用いてフラスコ内の塩素濃
度を測定した。
【0088】残留塩素の評価の結果を表4に示した。表
4より、当該PHA粒子における塩素の残留が認められ
た。
【0089】
【表4】
【0090】上記の方法で得られる、乾燥重量で 1.0g
に相当するPHA粒子を、精製水または 10%チオ硫酸
ナトリウム・5水和物水溶液各 50mlに懸濁した。これ
らの懸濁液を 50℃で6時間攪拌した後、遠心分離(2940
0m/s2(3000×g)、4℃、30分間)によりPHAを回収し
た。得られたPHAを精製水 40mlに懸濁し、遠心分離
(29400m/s2(3000×g)、4℃、30分間)によりPHAを
回収する操作を3回繰り返した。得られたPHAを精製
水 10mlに懸濁して凍結乾燥し、PHAの洗浄粒子を得
た。精製水を用いた洗浄PHA粒子を試料8、10%チオ
硫酸ナトリウム・5水和物水溶液を用いた洗浄PHA粒
子を試料9とする。
【0091】当該洗浄粒子に保持された残留塩素は、以
下の方法で評価した。
【0092】(1)官能評価 室温放置されたPHA粒子の塩素臭を官能的に判定し、
塩素臭の強いものから順に、 +++(強),++(中),+(低),±(微弱),−(なし) の5段階で評価した。
【0093】(2)濃度測定 500ml容蓋付きフラスコ中に上記の洗浄粒子を入れて密
封し、150℃雰囲気中で1時間加熱して、残留塩素を放
出させた後、ガス検知管を用いてフラスコ内の塩素濃度
を測定した。
【0094】残留塩素の評価の結果を表5に示した。表
4と表5の比較により、精製水による温水洗浄でも塩素
濃度減少効果はあるが、チオ硫酸ナトリウム水溶液によ
る洗浄によって、PHAの洗浄粒子の残留塩素がさらに
低減されることが明らかになった。
【0095】
【表5】
【0096】(実施例4)チオ硫酸ナトリウム水溶液によ
る洗浄(2) 実施例3の方法で得られた試料7の、乾燥重量で 1.0g
に相当するPHA粒子を、0%、0.1%、1.0%、また
は、10%のチオ硫酸ナトリウム・5水和物水溶液各 50
mlに懸濁した。これら4種類の懸濁液を 50℃で6時間
攪拌した後、遠心分離(29400m/s2(3000×g)、4℃、30
分間)によりPHAを回収した。得られたPHAを精製
水 50mlに懸濁し、更に 50℃で6時間攪拌した後、遠
心分離(29400m/s2(3000×g)、4℃、30分間)によりP
HAを回収した。得られたPHAを精製水 40mlに懸濁
し、遠心分離(29400m/s2(3000×g)、4℃、30分間)に
よりPHAを回収する操作を3回繰り返した。得られた
PHAを精製水 10mlに懸濁して凍結乾燥し、PHAの
洗浄粒子を得た。チオ硫酸ナトリウム水溶液の濃度が0
%、0.1%、1.0%、10%であったものをそれぞれ、試料
10,11,12,13 とする。
【0097】当該洗浄粒子に保持された残留塩素は、以
下の方法で評価した。
【0098】(1)官能評価 室温放置された洗浄粒子の塩素臭を官能的に判定し、塩
素臭の強いものから順に、 +++(強),++(中),+(低),±(微弱),−(なし) の5段階で評価した。
【0099】(2)濃度測定 500ml容蓋付きフラスコ中に上記の洗浄粒子を入れて密
封し、150℃雰囲気中で1時間加熱して、残留塩素を放
出させた後、ガス検知管を用いてフラスコ内の塩素濃度
を測定した。
【0100】残留塩素の評価の結果を表6に示した。表
4と表6により、精製水(0%チオ硫酸ナトリウム水溶
液)の温水洗浄でも,塩素濃度を減少させる効果はある
が,チオ硫酸ナトリウム水溶液による洗浄によって、官
能評価による微妙な差異であるが,PHAの洗浄粒子の
残留塩素が低減されること,その効果も,チオ硫酸ナトリ
ウムの濃度が高いほど大きいことが明らかになった。
【0101】
【表6】
【0102】(実施例5) アルコールによる洗浄処理 乳酸ナトリウム 0.5%を添加したM9培地 1.6リットル
に、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)・TL2株を
植菌し、30℃、125 ストローク/分で振盪培養した。48
時間後、培地から細胞を遠心分離(78000m/s2(8000×
g)、4℃、10分間)によって回収した。
【0103】上記の培養操作により得られた細胞を精製
水 80mlに懸濁し、次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩
素濃度5%以上)40mlを添加した。この懸濁液を4℃で
2時間振盪して、PHA以外の細胞構成成分を可溶化し
た後、遠心分離(59000m/s2(6000×g)、4℃、20分間)
によりPHAを回収した。回収したPHAを再び精製水
40mlに懸濁し、遠心分離(78000m/s2(8000×g)、4
℃、10分間)によりPHA粒子を回収する操作を、計2
回繰り返して、PHAの水洗浄処理を行なって、PHA
粒子を得た。
【0104】得られたPHAの一部は、凍結乾燥した
後、常法に従ってメタノリシスを行ない、ガスクロマト
グラフィー-質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、
EI法)で分析して、PHAを構成するモノマーユニット
のメチルエステル化物の同定を行なった。その同定の結
果、得られたPHAは、3-ヒドロキシ酪酸をモノマー
ユニットとするPHBであった。
【0105】上記工程で得られた、乾燥重量で 0.3gに
相当するPHA粒子を、精製水、メタノール、エタノー
ル、並びに、イソブタノール 各 40mlにそれぞれ懸濁
した。この懸濁液を4℃で1時間振盪した後、遠心分離
(29400m/s2(3000×g)、4℃、20分間)によりPHA粒
子を回収した。回収したPHA粒子を再び精製水 40ml
に懸濁し、遠心分離(78000m/s2(8000×g)、4℃、10分
間)によりPHA粒子を回収した。この洗浄処理を終え
たPHA粒子を精製水 10mlに懸濁して凍結乾燥し、P
HAの洗浄処理済み粒子を得た。上記洗浄液が、精製
水、メタノール、エタノール、イソブタノールであった
PHA粒子を、それぞれ、試料14,15,16,17 とす
る。
【0106】室温放置時と加熱時について、前記洗浄処
理済みPHA粒子(試料14-17)から放出される塩素量
を、それぞれ以下の方法で測定した。50mlバイアル瓶
に前記の洗浄処理済み粒子を入れて密封し、室温で1晩
放置した後、ガス検知管を用いてバイアル瓶内の気相中
に含まれる塩素量を測定した。次に、当該バイアル瓶を
ホットプレート上で 150℃、2分間加熱した後、ガス検
知管を用いてバイアル瓶内の気相中に含まれる塩素量を
測定した。
【0107】表7に、その測定結果を示す。表7に示す
結果より、アルコールによる洗浄を施した際(試料15-1
7)には、精製水による洗浄を施した場合(試料14)と比較
して、洗浄処理済みのPHA粒子から放出される塩素量
が、室温放置下、加熱下、いずれにおいても約半分また
はそれ以上に減少していることが明らかになった。
【0108】
【表7】
【0109】(実施例6) ケトンによる洗浄処理 乳酸ナトリウム 0.5%を添加したM9培地 1.6リットル
に、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)・TL2株を
植菌し、30℃、125ストローク/分で振盪培養した。48時
間後、培地から細胞を遠心分離(78000m/s2(8000×g)、
4℃、10分間)によって回収した。
【0110】上記の培養操作により得られた細胞を精製
水 80mlに懸濁し、次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩
素濃度5%以上)40mlを添加した。この懸濁液を4℃で
2時間振盪して、PHA以外の細胞構成成分を可溶化し
た後、遠心分離(59000m/s2(6000×g)、4℃、20分間)
によりPHAを回収した。回収したPHAを再び精製水
40mlに懸濁し、遠心分離(78000m/s2(8000×g)、4
℃、10分間)によりPHA粒子を回収する操作を、計2
回繰り返して、PHAの水洗浄処理を行なって、PHA
粒子を得た。
【0111】得られたPHAの一部は、凍結乾燥した
後、常法に従ってメタノリシスを行ない、ガスクロマト
グラフィー-質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、
EI法)で分析して、PHAを構成するモノマーユニット
のメチルエステル化物の同定を行なった。その同定の結
果、得られたPHAは、3-ヒドロキシ酪酸をモノマー
ユニットとするPHBであった。
【0112】上記工程で得られた、乾燥重量で 0.3gに
相当するPHA粒子を、精製水またはアセトン 40mlに
懸濁した。この懸濁液を4℃で1時間振盪した後、遠心
分離(29400m/s2(3000×g)、4℃、20分間)によりPH
A粒子を回収した。回収されたPHA粒子を再び精製水
40mlに懸濁し、遠心分離(78000m/s2(8000×g)、4
℃、10分間)により、PHA粒子を回収した。この洗浄
処理を終えたPHA粒子は精製水 10mlに懸濁して凍結
乾燥し、PHAの洗浄処理済み粒子を得た。上記2回の
洗浄が、ともに精製水洗浄であったものを試料18、1回
目がアセトン洗浄であったものを試料19 とする。
【0113】室温放置時と加熱時について、前記洗浄処
理済みPHA粒子から放出される塩素量を、それぞれ以
下の方法で測定した。50mlバイアル瓶に前記の洗浄処
理済み粒子を入れて密封し、室温で1晩放置した後、ガ
ス検知管を用いてバイアル瓶内の気相中に含まれる塩素
量を測定した。次に、当該バイアル瓶をホットプレート
上で 150℃、2分間加熱した後、ガス検知管を用いてバ
イアル瓶内の気相中に含まれる塩素量を測定した。
【0114】表8に、その測定結果を示す。表8に示す
結果より、アセトンによる洗浄を施した際(試料19)に
は、精製水による洗浄を施した場合(試料18)と比較し
て、洗浄処理済みのPHA粒子から放出される塩素量が
格段に少なくなっており、即ち、洗浄処理済みPHA粒
子になお残留している塩素量が大幅に低減されているこ
とが明らかになった。
【0115】
【表8】
【0116】(実施例7)破砕処理 リンゴ酸ナトリウム 0.1%を含有するM9寒天培地上の
TB64株のコロニーを、500ml容振盪フラスコ中の、リ
ンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有するM9培地 50mlに植
菌し、30℃で振盪培養した。24時間後、培養液5ml
を、窒素源であるNH4Clのみ1/10 濃度に調製したM
9培地にリンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有した培地1リ
ットルに加え、同様に振盪して菌体にPHBを蓄積させ
た。48時間後、PHB蓄積菌体を遠心分離によって収穫
し、蒸留水 50mlに再懸濁して5等分した(各10ml)。
これらに以下の 20-24 の5種類の処理を行なった。
【0117】20:対照:上記5等分した懸濁液の1つを遠
心分離後メタノールで洗浄し、凍結乾燥して秤量した後
クロロホルムで 60℃、24時間抽出操作を行ない、抽出
液を濾過、濃縮後、メタノールで再沈殿させ、減圧乾燥
して対照ポリマー(試料 20とする)を得た。
【0118】21:上記5等分した懸濁液の他の1つに 31
%過酸化水素水(三菱瓦斯化学社製;JIS K-8230)を
40ml添加し、80℃で1時間処理を行なった。
【0119】22:上記5等分した中のまた別の懸濁液を
蒸留水で 50mlにメスアップし、フレンチプレス(大岳
製作所社製:フレンチプレス 5501)を行なった後、4
℃、29400m/s2(3000×g)で30分間遠心分離を行なっ
た。その後更に蒸留水 40mlを加え、4℃、29400m/s2
(3000×g)で 30分間遠心分離を行なって洗浄した。
【0120】23:上記5等分した中のさらに別の懸濁液
に 22 と同様の操作を行なった後、沈殿部分を 10mlの
蒸留水に懸濁し、31%過酸化水素水を 40ml添加し、80
℃で1時間処理を行なった。
【0121】24:上記5等分した懸濁液の最後の1つに
22 と同様の操作を行なった後、沈殿部分を 10mlの蒸
留水に懸濁し、5mlの次亜塩素酸ナトリウム溶液(キシ
ダ化学社製;次亜塩素酸ナトリウム 12%(有効塩素濃度
5%以上)含有)を加えて、4℃で2時間処理を行なっ
た。
【0122】番号 21 から 24 の処理をおこなったそれ
ぞれを、遠心分離(4℃、29400m/s 2(3000×g)で 30分
間)し、更に再度4℃に冷却した後蒸留水 40mlを加え
良く攪拌した後、同条件で2回遠心分離し、沈殿物を凍
結乾燥して秤量した。これをそれぞれ試料 21 から 24
とする。
【0123】以下に示す「回収率」及び「純度」を評価
する為、次の操作を行なった。
【0124】凍結乾燥した 20 から 24 までの試料にク
ロロホルム 30mlを加え、60℃で 24時間攪拌抽出操作
を行なった。PHBが抽出されたクロロホルム溶液を
0.45μmのPTFEフィルターで濾過し、ロータリーエ
バポレーターで濃縮して 10倍量のメタノールに注加し
PHBを沈殿、回収した。これらを減圧乾燥して秤量し
た。
【0125】対照である 20 に対する、21 から 24 の
試料のクロロホルム抽出によって得られたPHBの質量
比を「回収率」とし、各試料の、クロロホルム抽出前の
試料に対するクロロホルム抽出によって得られたPHB
の質量比を「純度」として、表9に示す。
【0126】
【表9】
【0127】回収率はそれ程変わらないが、純度は,フ
レンチプレスを経ないで過酸化水素水処理した試料 21
と,フレンチプレスのみ行ない過酸化水素水処理をしな
かった試料 22 に比べて,フレンチプレス処理とその後
の過酸化水素処理を行なった試料 23,及びフレンチプレ
ス処理とその後の次亜塩素酸処理を行なった試料 24が
良好であった。破砕処理と酸化剤処理を組み合わせるこ
とで純度が改善されることがわかる。
【0128】得られたPHBは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフイー(GPC;東ソーHLC-8020、カラ
ム:ポリマーラボラトリーPLgel MIXED-C(5μ
m)、溶媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)により分
子量を測定した。結果を表 10 に示す。
【0129】
【表10】
【0130】各試料の分子量の差は殆ど見受けられなか
った。従来法のクロロホルム抽出に比べて,破砕処理や
酸化剤処理による分子量変化はない事がわかる。
【0131】試料24 は、さらに、残留塩素を低減する
工程を経ることにより、塩素濃度を減少させ、最終的な
PHA粒子を得る。塩素低減工程としては、実施例1と
同様に、温水洗浄を用いることができるが、その他の実
施例2ないし6のいずれかの塩素低減工程を用いてもよ
い。
【0132】本発明の方法により、微生物等の細胞内に
蓄積されたポリヒドロキシアルカノエートを、簡便な方
法で、かつ本来の分子量をほぼ保ったままで、高い回収
率で回収することが可能となった。また、本発明のPH
Aの製造方法を用いることをにより、有機溶媒抽出の手
段を利用しなくとも、残留塩素を低減させたPHA粒子
を工業的規模で効率的に製造できる。
【0133】本発明の方法により得られるポリヒドロキ
シアルカノエートの粒子は、生分解性素材、生体適合性
素材、各種機能性材料等として有用な原材料となり、デ
バイス材料や医用材料等の各分野への応用が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2における塩素濃度測定方
法を表す。
【符号の説明】
1:三角フラスコ 2:蓋 2a:外蓋 2b:内蓋 2c:アルミ箔 3:アルミ箔 4:試料 5:検知管吸引部 6:検知管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須川 悦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野本 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 智博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 見目 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 哲哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4B029 AA09 BB01 CC01 DG08 HA10 4B064 AD83 CA01 CA19 CE03 CE08 CE20 DA01 DA16 4J029 AA02 AB04 AB07 AC01 AC02 AE06 EA02 EA03 EA05 JA113 JA173 JA203 JB123 JB153 JF033 JF043 JF143 JF563 KE17 KH01 KH05 LA20 LB05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシアルカノエートを含有す
    る細胞を、次亜塩素酸塩を少なくとも含有してなる酸化
    剤で処理する工程と、該処理された細胞を水溶性画分と
    水不溶性画分とに分離する工程と、該水不溶性画分に残
    留する塩素を低減させる工程とを少なくとも含むことを
    特徴とするポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記次亜塩素酸塩の濃度が、有効塩素濃
    度として1.5%から5.0%の範囲内である請求項1に
    記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウ
    ムである請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記の塩素を低減させる工程が、前記水
    不溶性画分を塩素が可溶な液中で洗浄する工程である請
    求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記の塩素を低減させる工程が、前記水
    不溶性画分を温水で洗浄する工程である請求項1に記載
    のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記温水の温度が30℃から60℃の範
    囲内である請求項5に記載のポリヒドロキシアルカノエ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記の塩素を低減させる工程が、前記水
    不溶性画分をチオ硫酸塩水溶液で洗浄する工程である請
    求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 得られたポリヒドロキシアルカノエート
    を温水で洗浄する工程を更に含む請求項7に記載のポリ
    ヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記チオ硫酸塩がチオ硫酸カリウム、チ
    オ硫酸カリウム・3水和物、チオ硫酸カルシウム・6水
    和物、チオ硫酸第一鉄、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
    ナトリウム・5水和物、チオ硫酸アンモニウムからなる
    群より選択される少なくとも一つである、請求項7に記
    載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記の塩素を低減させる工程が、前記
    のポリヒドロキシアルカノエートが溶解性を有しない有
    機極性溶媒を少なくとも含有してなる極性溶媒溶液で前
    記水不溶性画分を洗浄する工程である請求項1に記載の
    ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記有機極性溶媒がアルコール、ケト
    ンからなる群より選択される少なくとも一つである請求
    項10に記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記アルコールがメタノール、エタノ
    ール、イソプロパノール、イソブタノールからなる群よ
    り選択される少なくとも一つである請求項11に記載の
    ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ケトンがアセトンである請求項1
    1に記載のポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリヒドロキシアルカノエートを含有
    する細胞を破砕して破砕物を得る工程と、該破砕物を水
    溶性画分と水不溶性画分とに分離する工程とを含み、該
    水不溶性画分を、前記の酸化剤で処理する工程に供する
    ことを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアル
    カノエートの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記の細胞を破砕して破砕物を得る工
    程を、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、
    ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法からなる群
    より選択される少なくともいずれか一つの方法で行なう
    請求項14に記載のポリヒドロキシアルカノエートの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記ポリヒドロキシアルカノエート
    が、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸である請求項1に記載のポ
    リヒドロキシアルカノエートの製造方法。
  17. 【請求項17】 ポリヒドロキシアルカノエートを含有
    する細胞を、次亜塩素酸塩を少なくとも含有してなる酸
    化剤で処理する手段と、該処理された細胞を水溶性画分
    と水不溶性画分とに分離する手段と、該水不溶性画分に
    残留する塩素を低減させる手段とを少なくとも備えてな
    ることを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートの製
    造装置。
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