JP2002306190A - 生体細胞からのポリ−3−ヒドロキシアルカン酸の分離・回収方法 - Google Patents

生体細胞からのポリ−3−ヒドロキシアルカン酸の分離・回収方法

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JP2002306190A
JP2002306190A JP2001111273A JP2001111273A JP2002306190A JP 2002306190 A JP2002306190 A JP 2002306190A JP 2001111273 A JP2001111273 A JP 2001111273A JP 2001111273 A JP2001111273 A JP 2001111273A JP 2002306190 A JP2002306190 A JP 2002306190A
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acid
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Takeshi Imamura
剛士 今村
Takashi Kenmoku
敬 見目
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
Tsutomu Honma
務 本間
Takeshi Nomoto
毅 野本
Etsuko Sugawa
悦子 須川
Tetsuya Yano
哲哉 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離操作を簡素化し、少ない工程数で安価に
PHA含有生体細胞からからPHA以外の細胞構成成分
を効率よく除き、かつ酵素、酸、アルカリ等の薬品の残
留のおそれがない純度の高いPHAを高収率で得るため
のPHAの回収方法を提供する。 【解決手段】 ポリ-3-ヒドロキシアルカン酸を含有す
る生体細胞を破砕して破砕物を得る工程と、該破砕物を
水溶性画分と水不溶性画分とに分離する工程と、該水不
溶性画分を酸化剤で処理する工程とを含むことを特徴と
する生体細胞からのポリ-3-ヒドロキシアルカン酸の回
収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ-3-ヒドロキ
シアルカン酸を含有する生体細胞から、ポリ-3-ヒドロ
キシアルカン酸を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ-3-ヒドロキシ酪酸(PHB)に代表
される微生物産生ポリエステル(ポリ-3-ヒドロキシア
ルカン酸;以下PHAと記載)は、石油由来の合成高分
子とは異なり、生物により分解されうるという特性を有
している。人類は長年にわたって合成高分子をプラスチ
ック等として使用してきたが、それらのプラスチックが
廃棄物となった場合、その分解されにくいという性質が
災いし、廃棄物処理場に蓄積される。また、焼却処理を
行なうことにより、ダイオキシンや環境ホルモン等の有
害物質の原因となり、環境汚染を引き起こすことが問題
となっている。一方、微生物産生PHAは生分解される
ことにより自然の物質循環に取り込まれるので、環境保
全を可能とするプラスチックとして利用することができ
る。また、医療用軟質部材としても今後有用視される可
能性を有している(特開平5-159号公報)。
【0003】これまで、多くの細菌がPHB或いはその
他のヒドロキシアルカン酸とのコポリマーを菌体内に生
成・蓄積することが報告されてきた(「生分解性プラス
チックハンドブック」(生分解性プラスチック研究会
編;(株)エヌ・テイー・エス)、p178-197)。特に、アル
カリゲネス・ユウトロファスH16株(Alcaligenes eutr
ophus H16、ATCC No.17699)及びその変異株はこ
れらポリマーの生産に関し詳細に研究されてきており、
基質となる炭素源を変化させることによって、3-ヒド
ロキシ酪酸(3HB)と3-ヒドロキシ吉草酸(3HV)の
共重合体または両者の各単位を共に含有成分とする共重
合体を様々な割合で生成することが開示されている(特
公平6-15604号公報、特公平7-14352号公
報、特公平8-19227号公報等)。
【0004】特許公報第2642937号には、シュー
ドモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)
ATCC 29347株に、炭素源として非環状脂肪族炭化水
素を与えることにより、炭素数が6から 12 までの3-
ヒドロキシアルカン酸(3HA)をモノマーユニットとす
るポリエステルを生産することが開示されている。
【0005】特開平5-74492号公報には、メチロ
バクテリウム(Methylobacterium)属、パラコッカス(P
aracoccus)属、アルカリゲネス属、シュードモナス属の
バクテリアを、炭素数3から7の第一アルコールに接触
させることにより3HBと3HVの共重合ポリエステル
を生産せしめる方法が開示されている。
【0006】特開平5-93049号公報、及び特開平
7-265065号公報には、アエロモナス・キャビエ
(Aeromonas Caviae)がオレイン酸やオリーブオイル
を炭素源として培養することにより3HBと3-ヒドロ
キシヘキサン酸(3HHx)の2成分共重合ポリエステル
を生産することが開示されている。
【0007】特開平9-191893号公報には、コマ
モナス・アシドボランス(Comamonas acidovorans)I
FO 13852株が、炭素源としてグルコン酸及び1,4ブ
タンジオールを用いた培養により、3HBと4-ヒドロ
キシ酪酸(4HB)をモノマーユニットに持つポリエステ
ルを生産することが開示されている。
【0008】この様な、微生物により生産・蓄積された
PHAは、通常PHAが溶解する有機溶剤、具体的には
クロロホルムやジクロロメタン等の塩素系有機溶剤で菌
体から抽出する方法が一般的である。しかし、大規模生
産を考えた場合、微生物菌体よりPHAを分離するため
には、上記の方法では大量に塩素系有機溶剤を使用する
こととなり、現実的ではない。
【0009】この様な観点から、微生物菌体等の生体細
胞からPHAを分離する際に、有機溶剤を使用しない方
法が様々に研究されてきている。
【0010】特開昭57-174094号公報には、P
HA蓄積菌体を加温加圧し、圧力を開放することにより
菌体を破砕して微生物菌体からPHAを分離する方法が
開示されている。
【0011】米国特許4562245号公報及び特開昭
59-205992号公報には、PHB含有菌体をタン
パク質分解酵素組成物で細胞を消化し、PHBを分離す
る方法が開示されている。
【0012】米国特許4910145号公報及び特開昭
60-145097号公報には、タンパク質分解酵素や
界面活性剤等の細胞成分可溶化剤をもちいてPHBを菌
体から分離する方法が開示されている。
【0013】特開昭63-226291号公報には、菌
体をスフェロプラストヘ変換し、音波振動処理によって
これらを破砕し、そして遠心分離したのちに形成される
最上層のPHAを分離する方法が記載されている。
【0014】特開平5-336982号公報には、PH
A蓄積微生物の細胞質をプロテアーゼで溶解させ、界面
活性剤を用いて当該重合体及び/又は共重合体を精製す
る方法が開示されている。
【0015】特開平7-31487号公報、特開平7-3
1488号公報、特開平7-31489号公報には、P
HB含有菌体をアルカリで処理し、PHBを分離する方
法、高温高圧処理し、PHBを分離する方法、両者を組
み合わせてPHBを分離する方法が開示されている。
【0016】特表平8-508881号公報には、PH
A蓄積菌体をタンパク質分解酵素処理した後、適当なキ
レート剤で処理し、更に過酸化水素処理を行なうことで
PHAを菌体から分離する方法が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の処理で
は、操作が煩雑であること、酵素や酸、アルカリを使用
し残留の恐れがあること等から、更に簡便で純度の高い
PHAを回収し得る方法が求められていた。
【0018】本発明の目的は、従来技術における上記の
ような課題を解決し、少ない工程数で安価にPHA含有
生体細胞からからPHA以外の細胞構成成分を効率よく
除き、かつ純度の高いPHAを高収率で得るためのPH
Aの回収方法を提供することにある。
【0019】なお、本発明における「生体細胞」とは、
微生物細胞のみならず、PHA合成遺伝子を組み込むこ
とによりPHAの生産が可能となった植物細胞等の高等
生物の細胞も含んでいる。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、少ない工
程数で安価にPHA含有生体細胞からからPHA以外の
細胞構成成分を効率よく除き、かつ純度の高いPHAを
高収率で得るためのPHAの回収方法に関して鋭意検討
を行った結果、以下のような発明に至った。
【0021】即ち本発明は、生体細胞からのポリ-3-ヒ
ドロキシアルカン酸の回収方法において、ポリ-3-ヒド
ロキシアルカン酸を含有する生体細胞を破砕して破砕物
を得る工程と、該破砕物を水溶性画分と水不溶性画分と
に分離する工程と、該水不溶性画分を酸化剤で処理する
工程とを含むことを特徴とする生体細胞からのポリ-3-
ヒドロキシアルカン酸の回収方法に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明における、生体細胞を破砕
する工程では、超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力
破砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法(ガラス粉末や
アルミナ粉末等の助剤を加えて乳鉢中ですり潰す方
法)、凍結融解法等の薬剤を使用しない方法を用いるこ
とが望ましい。更に再懸濁液を遠心分離等の方法により
固体成分と可溶成分を分離し、PHA成分が含まれてい
る固体成分を過酸化化合物で処理する。
【0023】本発明の方法で用いられる酸化剤は、過酸
化化合物或いは次亜塩素酸ナトリウムである。
【0024】本発明の方法で用いる過酸化化合物は、過
酸化水素、過安息香酸・メタクロロ過安息香酸・過ギ酸
・過酢酸・モノペルオキシフタル酸・トリフルオロ過酢
酸等の有機過酸類やそのエステル類が挙げられるが、水
溶液として容易に用いることができること、反応が比較
的穏やかであること等から、過酸化水素、過炭酸ナトリ
ウムのいずれかを用いることが望ましい。過酸化水素は
処理後の残留物が無く回収されたPHAの純度を高める
面から非常に有効であるが、PHAのユニット構造によ
っては酸化を受け構造が変化してしまう可能性がある場
合にはより温和な反応が進行する過炭酸ナトリウムを用
いることが望ましい。
【0025】本発明の方法で用いる過酸化水素の濃度は
3.0%から 31.0%の範囲であることが望ましく、過炭
酸ナトリウムの濃度は 5.0%から 20.0%の範囲である
ことが望ましい。
【0026】これら過酸化化合物の処理温度は 80℃か
ら 100℃の範囲であることが望ましく、それ以下である
と効果が薄く回収物の純度が低くなり、それ以上である
と構造が変化する恐れがある。また、反応時間は 30分
から2時間、更に望ましくは1時間程度が望ましい。
【0027】また、処理後は水によって洗浄を行い、2
度程度攪拌、遠心分離を繰り返す必要がある。残留微量
金属が望ましくない場合には水は脱イオン水、蒸留水、
純水等の精製水を用いることが望ましい。過酸化化合物
として過炭酸ナトリウムを用いた場合には過炭酸ナトリ
ウムが残留しないように注意が必要である。遠心分離を
行う場合特に注意が必要なのは温度であり、0℃から 1
0℃程度、好ましくは0℃から5℃で行うことが望まし
い。
【0028】本発明の方法で用いる次亜塩素酸ナトリウ
ムの濃度は4%(有効塩素濃度約 1.7%)から6%(有効
塩素濃度約 2.5%)程度が望ましく、処理温度は0℃か
ら 10℃であることが望ましい。この場合も過酸化化合
物を用いた場合と同様、処理後は水によって洗浄を行
い、2度程度攪拌、遠心分離を繰り返す必要がある。
【0029】特に高純度のPHAを得る必要があるとき
には、PHAの分離および洗浄操作の後に、例えば酵
素、酸化剤、界面活性剤またはこれらを組み合わせた化
学的処理等を行うこともできる。
【0030】本発明の方法を用いることができる生体細
胞は、体内にPHAを蓄積する生体細胞であればいかな
る生体細胞でもよく、主には微生物菌体、更にはPHA
生産遺伝子を組み換えた植物細胞等にも応用することが
できる。
【0031】次に本発明を実施例によって更に詳しく説
明する。
【0032】各実施例で用いたM9培地は下記の組成を
有するものである。 M9培地組成(1リットル中): Na2HPO4 6.2 g KH2PO4 3.0 g NaCl 0.5 g NH4Cl 1.0 g 水 残部 (pH 7.0) 本実施例で用いた微生物はラルストニア・ユウトロファ
TB64株(Ralstoniaeutropha TB64、特開2000-
166587号公報に開示;経済産業省産業技術総合研
究所生命工学工業技術研究所に寄託((寄託番号:FER
M BP-6933))、及びシュードモナス・オレオボランス
(Pseudomonas oleovorans)ATCC 29347(American
Type Culture Collectionより分譲)である。
【0033】
【実施例】[実施例1]リンゴ酸ナトリウム 0.1%を含有
するM9寒天培地上のTB64株のコロニーを、500mL容
振とうフラスコ中の、リンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有
するM9培地50mLに植菌し、30℃で振とう培養した。2
4時間後、培養液5mLを、窒素源であるNH4Clのみ1
/10 濃度に調製したM9培地にリンゴ酸ナトリウム 0.5
%を含有した培地1Lに加え、同様に振とうして菌体に
PHBを蓄積させた。48時間後、PHB蓄積菌体を遠心
分離によって収穫し、蒸留水 40mLに再懸濁して4等分
した(各 10mL)。これらを1から4まで番号をつけ、以
下の処理を行なった。
【0034】1:対照:更に遠心分離後メタノールで洗浄
し、凍結乾燥して秤量した後クロロホルムで 60℃、24
時間抽出操作を行ない、抽出液をろ過、濃縮後、メタノ
ールで最沈殿させ、減圧乾燥して対照ポリマーを得た。
【0035】2: 31%過酸化水素水(三菱瓦斯化学社
製;JIS K-8230)を 40mL添加し、80℃で1時間処理
を行った。
【0036】3: 懸濁液を蒸留水で 50mLにメスアッ
プし、フレンチプレス(大岳製作所社製:フレンチプレス
5501)を行った後、4℃、29400m/s2(3000G)で 30分
間遠心分離を行った。その後更に蒸留水 40mLを加え、
4℃、29400m/s2(3000G)で 30分間遠心分離を行って
洗浄した。
【0037】4: 3と同様の操作を行った後、沈殿
部分を 10mLの蒸留水に懸濁し、31%過酸化水素水を 4
0mL添加し、80℃で1時間処理を行った。
【0038】5: 3と同様の操作を行った後、沈殿
部分を 10mLの蒸留水に懸濁し、5mLの次亜塩素酸ナ
トリウム溶液(キシダ化学社製;次亜塩素酸ナトリウム
12%(有効塩素濃度5%以上)含有)を加えて、4℃で2
時間処理を行った。
【0039】番号2から4は、遠心分離(4℃、29400m
/s2(3000G)で 30分間)し、更に再度4℃に冷却した後
蒸留水 40mLを加え良く攪拌した後同条件で2回遠心分
離し、沈殿物を凍結乾燥して秤量した。
【0040】以下に示す「回収率」及び「純度」を評価
する為、次の操作を行なった。
【0041】凍結乾燥した1から5までの試料にクロロ
ホルム 30mLを加え、60℃で 24時間攪拌抽出操作を行
なった。PHBが抽出されたクロロホルム溶液を 0.45
μmのPTFEフィルターでろ過し、ロータリーエバポ
レーターで濃縮して 10倍量のメタノールに注加しPH
Bを沈殿、回収した。これらを減圧乾燥して秤量した。
【0042】対照である1に対する、2から5の試料の
クロロホルム抽出によって得られたPHBの質量比を
「回収率」とし、各試料の、クロロホルム抽出前の試料
に対するクロロホルム抽出によって得られたPHBの質
量比を「純度」として、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】回収率はそれほど変わらず、純度はフレン
チプレス処理とその後の過酸化水素処理を行った試料
(4)及び次亜塩素酸処理を行った試料(5)が良好であっ
た。
【0045】得られたPHBは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフイー(GPC;東ソーHLC-8020、カラ
ム:ポリマーラボラトリーPLgelMIXED-C(5μ
m)、溶媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)により分
子量を測定した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】各試料の分子量の差は殆ど見受けられなか
った。
【0048】[実施例2]n-ノナン酸 0.1%を含有するM
9寒天培地上のシュードモナス・オレオボランスのコロ
ニーを、n-ノナン酸 0.3%を含有するM9培地 50mLに
植菌し、30℃で振とう培養した。40時間後、培養液5m
Lをn-ノナン酸 0.1%及び5-フェニル吉草酸 0.1%を含
有するM9培地1Lに加え、振とう培養した。更に 40時
間後、菌体を遠心分離によって収穫し、窒素源であるN
4Clを含まず、n-ノナン酸 0.1%及び5-フェニル吉
草酸 0.1%を含有するM9培地1Lに再懸濁し、同様に
振とうして菌体に3-ヒドロキシノナン酸、3-ヒドロキ
シヘプタン酸、3-ヒドロキシ吉草酸、及び3-ヒドロキ
シ-5-フェノキシ吉草酸をユニットとして含むPHAを
蓄積させた。40時間後、PHA蓄積菌体を遠心分離によ
って収穫し、以下の処理を行なった。
【0049】6:対照:更に遠心分離後メタノールで洗浄
し、凍結乾燥して秤量した後クロロホルムで 60℃、24
時間抽出操作を行ない、抽出液をろ過、濃縮後、メタノ
ールで最沈殿させ、減圧乾燥して対照ポリマーを得た。
【0050】7: 31%過酸化水素水(三菱瓦斯化学社
製;JIS K-8230)を 40mL添加し、80℃で1時間処理
を行った。
【0051】8: 懸濁液を蒸留水で 50mLにメスア
ップし、フレンチプレス(大岳製作所社製:フレンチプレ
ス 5501)を行った後、4℃、29400m/s2(3000G)で 30
分間遠心分離を行った。その後更に蒸留水 40mLを加
え、4℃、29400m/s2(3000G)で30分間遠心分離を行っ
て洗浄した。
【0052】9: 3と同様の操作を行った後、沈殿
部分を 10mLの蒸留水に懸濁し、31%過酸化水素水を 4
0mL添加し、80℃で1時間処理を行った。
【0053】番号7から9は、遠心分離(4℃、29400m
/s2(3000G)で 30分間)し、更に再度後蒸留水 40mLを
加え良く攪拌した後同条件で2回遠心分離し、沈殿物を
凍結乾燥して秤量した。
【0054】これらの試料を実施例1と同様にクロロホ
ルム抽出し、回収率及び純度を求めた。結果を表3に示
す。
【0055】
【表3】
【0056】回収率はそれほど変わらず、純度はフレン
チプレス処理とその後の過酸化水素処理を行った試料
(9)が最も良好であった。
【0057】得られたPHBは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフイー(GPC;東ソーHLC-8020、カラ
ム:ポリマーラボラトリーPLgelMIXED-C(5μ
m)、溶媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)により分
子量を測定した。結果を表4に示す
【0058】
【表4】
【0059】各試料の分子量の差は殆ど見受けられなか
った。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法により、微生物等の生体細
胞内に蓄積されたポリヒドロキシアルカン酸を、簡便な
方法で、且つ本来の分子量をほぼ保ったままで、高い回
収率で回収することが可能となった。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 智博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 本間 務 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野本 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 須川 悦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 哲哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4B064 AD83 CA01 CA02 CE02 CE20 DA01 DA16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体細胞からのポリ-3-ヒドロキシアル
    カン酸の回収方法において、 ポリ-3-ヒドロキシアルカン酸を含有する生体細胞を破
    砕して破砕物を得る工程と、 該破砕物を水溶性画分と水不溶性画分とに分離する工程
    と、 該水不溶性画分を酸化剤で処理する工程とを含むことを
    特徴とする生体細胞からのポリ-3-ヒドロキシアルカン
    酸の回収方法。
  2. 【請求項2】 該生体細胞を破砕する工程を超音波破砕
    法、ホモジナイザー法、圧力破砕法、ビーズ衝撃法、摩
    砕法、擂潰法、凍結融解法のいずれかの方法で行う請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該酸化剤が過酸化化合物である請求項1
    または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該過酸化化合物が、過酸化水素、過炭酸
    ナトリウムのいずれかである請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該酸化剤中の該過酸化水素の濃度が3.
    0%から31.0%の範囲である請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 該酸化剤中の該過炭酸ナトリウムの濃度
    が5.0%から20.0%の範囲である請求項4に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 該酸化剤で処理する処理温度が80℃か
    ら100℃の範囲である請求項5または6のいずれかに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 該酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムである
    請求項1または2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該酸化剤中の該次亜塩素酸ナトリウムの
    濃度が4%(有効塩素濃度約1.7%)から6%(有効塩素
    濃度約2.5%)である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】次亜塩素酸ナトリウムで処理する処理温
    度が0℃から10℃である請求項9に記載の方法。
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