JP2003040285A - 易開封手段の形成方法および易開封手段が形成されたパウチ - Google Patents
易開封手段の形成方法および易開封手段が形成されたパウチInfo
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Abstract
封手段の形成方法、および、この方法によって易開封手
段が設けられたパウチを提供する。 【解決手段】 少なくともノッチを形成する部分にレー
ザを吸収し難い樹脂層とレーザを吸収しやすい樹脂層と
からなる積層体が用いられた詰替用パウチ1などの袋体
に、易開封手段を形成する易開封手段の形成方法であっ
て、前記袋体5にレーザを照射してノッチを形成するノ
ッチ形成工程を有する。その際、前記袋体にさらにレー
ザ5を走査しながら照射して、前記ノッチに連続した開
封補助線を形成する開封補助線形成工程を有することが
好ましい。
Description
を形成する易開封手段の形成方法およびその方法により
易開封手段が形成されたパウチに関する。
にハサミなどの道具を使用せずに、手で容易に開封でき
るよう、易開封手段としてノッチを設けることがある。
ノッチの形状としては、例えば、I字形、ベース形、U
字形、V字形などが挙げられる。このようなノッチは、
所望の形状の刃型などを用いて形成している。
用いてノッチを形成すると、打ち抜き屑が発生し、袋体
に付着し、その除去作業に時間を要することあった。ま
た、打ち抜き屑が刃型に付着し、刃型を研磨する作業や
刃型の管理などが煩雑であり、作業性が低下するという
問題があった。また、易開封手段としては、開封方向に
傷を付けたり、ミシン目を設けたりして形成した開封補
助線が設けられることがある。この開封補助線とノッチ
とを併用する場合、それぞれは別の工程で形成されるの
で、開封補助線の端部とノッチの形成位置とが離れてし
まうことがある。開封補助線の端部とノッチの形成位置
とが離れていると、ノッチから切り裂いても、開封補助
線に沿って裂けないことがある。このような場合、ノッ
チと開封補助線とを組み合わせた効果が発揮されず、開
封手段における引き裂き強度を安定して低くすることが
できないという問題もあった。
であり、刃型を用いることのない易開封手段の形成方
法、さらには、ノッチと開封補助線とを設けた場合で
も、それぞれが離れることのない易開封手段の形成方
法、および、この方法によって易開封手段が設けられた
パウチを提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、例えば、ポリオレ
フィン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂以外の樹脂層と
からなる積層体などのレーザを吸収し難い樹脂層とレー
ザを吸収しやすい樹脂層とからなる積層体が用いられた
袋体において、従来ではレーザ光は、例えばポリオレフ
ィン系樹脂などのようなレーザ光の波長領域においては
吸収率の低い樹脂を通過してしまい、レーザ光ではポリ
オレフィン系樹脂層は切断できないとされていた常識に
反して、レーザ光により切断してノッチが形成できると
の知見を得て、本発明を為したものである。なお、レー
ザ光により切断してノッチが形成できる理由は明らかで
はないが、ポリオレフィン系樹脂層に僅かに吸収される
レーザ光によって生じる発熱と、ポリオレフィン系樹脂
層上に積層されたポリオレフィン系樹脂以外の樹脂層で
の発熱が伝播した熱とが協同して、ポリオレフィン系樹
脂を溶融するものと考えられる。また、ノッチは、シー
ル部に存在し、しかも袋体端部に位置するものであるか
ら、溶融したポリオレフィン系樹脂は、レーザ光によっ
てポリオレフィン系樹脂以外の樹脂が揮発して形成され
た溝の表面からだけでなく、シール部の端部からも揮発
すると考えられる。このようにして、シール部の端部に
形成された傷がノッチとして機能する。
は、袋体にレーザを照射してノッチを形成するノッチ形
成工程を有することを特徴としている。また、前記袋体
は、少なくともノッチを形成する部分にレーザを吸収し
難い樹脂層とレーザを吸収しやすい樹脂層とからなる積
層体が用いられた袋体であることが好ましい。ここで、
「レーザを吸収し難い樹脂層」とは、以下の条件でレー
ザを照射しても、フィルムの表面に傷が入らない、また
は蒸発しない樹脂層のことをいう。条件は、周波数4〜
6kHzの炭酸ガスレーザをスキャンスピード600〜
1000mm/secである。また、「レーザを吸収し
やすい樹脂層」とは、以下の条件でレーザを照射する
と、フィルムの表面に傷が入る、または蒸発する樹脂層
のことをいう。条件は、周波数4〜4.5kHzの炭酸
ガスレーザをスキャンスピード700〜800mm/s
ecである。このような袋体としては、例えば、吸収し
難い樹脂層がポリオレフィン系樹脂層単体フィルムであ
り、吸収しやすい樹脂層がポリオレフィン系樹脂以外の
樹脂層である積層体が用いられた袋体を挙げることがで
きる。さらに、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル
酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル
共重合体(EMA)などが挙げられ、ポリオレフィン系
樹脂以外の樹脂としては、ナイロン、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、エチレン−ビニルアルコール共
重合体(EVOH)が挙げられる。そして、袋体にノッ
チを形成する際、前記袋体にさらにレーザを照射して、
前記ノッチに連続した開封補助線を形成する開封補助線
形成工程を有することが好ましい。また、前記ポリオレ
フィン系樹脂以外の樹脂層は、ポリエステル系樹脂層お
よび/またはポリアミド系樹脂層であることが好まし
い。また、本発明のパウチは、上述した易開封手段の形
成方法によって易開封手段が形成されたものである。
本発明の易開封手段の形成方法における一実施形態につ
いて、図1〜図3を参照しながら説明する。本実施形態
は、詰替用パウチにノッチと開封補助線とからなる易開
封手段を形成させる方法であり、用いられる詰替用パウ
チは、図1に示すような形状であり、注ぎ口2を有する
ものである。詰替用パウチ1の注ぎ口2は、図2に示す
ように、その端縁部が熱溶着されたシール部3a,3b
であり、シール部3a,3bの間が未シール部4であ
る。なお、詰替用パウチに用いられるシートは、レーザ
を吸収しやすい基材樹脂層として厚さ25μmのナイロ
ン(6−ナイロン)層からなる外層と、レーザを吸収し
難いシーラント樹脂層として厚さ150μmの直鎖状低
密度ポリエチレン(LLDPE)層からなる内層との積
層体である。
この詰替用パウチ1の注ぎ口2のシール部3aにてレー
ザ5を表面から複数回走査しながら照射して、線状をな
すノッチを形成するノッチ形成工程と、レーザ5を表面
から未シール部4に一回または複数回走査しながら照射
して、ノッチと連続した開封補助線を形成する開封補助
線形成工程と、注ぎ口2の他方のシール部3aにてレー
ザ5を表面から複数回走査しながら照射して、開封補助
線に連続した線状をなすノッチを形成するノッチ形成工
程とを連続して行う。なお、用いるレーザ5は炭酸ガス
レーザである。炭酸ガスレーザはナイロンなどのポリア
ミド系樹脂やポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル系樹脂を容易に溶融できる。一方、直鎖状低密度
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系
樹脂は炭酸ガスレーザを吸収しにくいが、上述したよう
に、レーザ透過率が100%ではないため、エネルギー
を吸収し、発熱して、切断することができる。
を参照しながら説明する。まず、図3aに示すように、
シール部3aの表面の最端から、一方向にレーザ5を走
査しながら詰替用パウチの表面に照射する。このように
レーザ5を照射すると、レーザ5のエネルギーによって
ナイロン層が溶融し、蒸発して浅い溝が形成される。次
いで、図3bに示すように、シール部3aを全て走査し
てしまう前に、レーザ5の走査方向を反転させる。
ーザ5を走査しながら照射し、上述のように形成した溝
の上にレーザ5を照射し、溝の深さを深くする。そし
て、図3cに示すように、再び、シール部3aの最端に
達したときに、レーザ5の走査方向を反転させる。ここ
までの工程の比較的早い段階(通常は、1回のレーザの
走査)で、ナイロン層は切断され、レーザ5によって溶
融しにくいLLDPE層が露出する。このように、往復
に走査しながらレーザ照射することによって、露出した
LLDPE層上の溝を少しずつ深くする。この時、LL
DPE層はナイロン層が溶融したときの熱とレーザ照射
による熱とで分解して気化するが、シール部3aの端部
からも分解して気化すると考えられる。したがって、ノ
ッチはシール部3aの端部から形成され、徐々に成長す
る。そして、最終的に、所定の長さの線状をなすノッチ
を形成する。
うに、上述したレーザ5の走査方向と同方向にレーザ5
を走査しながら、シール部の残部と未シール部4とをレ
ーザ照射し、開封補助線を形成する。通常、この走査は
一方向に一回で充分であるが、開封補助線が深くなり過
ぎて、未シール部4のシートの強度が不十分にならない
範囲で複数回走査してもよい。
3bの最端までレーザ5を走査する。シール部3bの最
端まで走査した際に、図3eに示すように、走査方向を
反転させ、先に形成した溝にレーザ5を照射する。そし
て、図3fに示すように、シール部3bを全て走査して
しまう前に、レーザ5の走査方向を反転させる。このよ
うにシール部3bで往復に走査しながらレーザ照射する
ことによって、溝の深さを深くし、最終的に、線状をな
すノッチを形成する。
は、シール部3a,3bでノッチを形成し、未シール部
4で開封補助線を形成できれば特に制限されないが、レ
ーザ5の出力は、3〜100Wであることが好ましい。
3W未満であると、ノッチの形成に長時間を要する場合
があり、100Wを超えると、レーザ装置が高価になる
場合がある。
回数は任意であるが、レーザの出力や製袋速度に応じて
3〜10回に設定することが好ましい。3回未満でノッ
チが形成されるように設定すると、レーザの出力を高く
しなければならないので、未シール部4のポリオレフィ
ン系樹脂層の一部が蒸発し、シート強度が低下する場合
があり、10回を超えてノッチが形成されるように設定
すると、レーザの出力を低くしなければならないので、
レーザの出力によっては開封補助線が形成できないこと
がある。また、レーザ5の走査速度は、レーザの出力と
の兼ね合いで適宜決定すればよい。
低密度ポリエチレン層との積層体の製造方法については
特に制限はなく、例えば、ウェットラミネーション法、
ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーショ
ン法、押し出しラミネーション法、共押し出しラミネー
ション法が挙げられる。また、LLDPE層の厚さは特
に制限はなく通常包装袋に用いられる範囲でよい。通
常、包装袋に用いられるLLDPE層の厚さは、10〜
200μm程度である。同様に、ナイロン層の厚さは、
10〜30μm程度である。
粘度は、1000cP以下、好ましくは500cP以
下、さらに好ましくは250cP以下である。
a,3bにてレーザ5を往復に走査しながら照射して、
線状をなすノッチを形成するノッチ形成工程と、未シー
ル部4にてレーザ5を一方向に一回または複数回走査し
ながら照射して、開封補助線を形成させる開封補助線形
成工程とを連続して行い、ノッチと開封補助線とを連続
して形成する。そのため、ノッチの形成に刃型を使用す
ることがなく、袋体や刃型に打ち抜き屑が付着すること
がない。また、開封補助線の端部と、ノッチの形成位置
とが一致し、ノッチと開封補助線が離れないので、注ぎ
口2を切り裂いて開封する際に、ノッチから開封補助線
に沿って開封することができ、易開封手段の切り裂き強
度を安定して低くすることができる。
度ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂以外の
樹脂層として、ポリアミド系樹脂の一種であるナイロン
層を用いているので、その結果として、詰替用パウチの
靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐摩耗性、
耐寒性、耐熱性、耐薬品性などが優れる。
表面からの一方向からのみ照射したが、表面および裏面
の二方向から照射してもよい。その際には、表面と裏面
とのレーザ照射位置がずれないように、鏡やプリズムな
どを使用して一つのレーザ光源を分割したり、CCDカ
メラ、光電管などの位置センサを設けておくことが好ま
しい。また、上述した実施形態では、ノッチ形成工程、
開封補助線形成工程、ノッチ形成工程の順で行い、注ぎ
口の両端のシール部3a,3bにノッチを形成したが、
ノッチ形成工程の後に開封補助線形成工程を連続して行
い、注ぎ口の片端のシール部のみにノッチを形成しても
よいし、開封補助線形成工程の後にノッチ形成工程を連
続して行って、注ぎ口の片方のシール部のみにノッチを
形成してもよい。
チ1は図1のような形状を有しているが、本発明はそれ
に限定されない。さらに、開封補助線の方向についても
特に制限はなく、例えば、側面の形状が長方形である袋
体において、長方形の角となる箇所を切り取るように開
封補助線を設けてもよいし、袋体の上部を切り取るよう
に開封補助線を設けてもよい。詰替用パウチ1には、6
−ナイロンからなるレーザを吸収しやすい基材樹脂層
と、LLDPEからなるレーザを吸収しにくいシーラン
ト樹脂層とからなる積層体を用いたが、本発明はそれに
制限されない。例えば、レーザを吸収しやすい基材樹脂
層には6−ナイロンの代わりに、6,6−ナイロン、1
2−ナイロン、MXD−6ナイロンや、ナイロン以外の
ポリアミド系樹脂を用いてもよいし、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など
のポリエステル系樹脂を用いてもよい。さらに、これら
の樹脂を複数積層してもよいし、混合してもよい。
レフタレート(PET)を使用した場合も通常の包装袋
と異なることはなく、PET層の厚さは、10〜40μ
m程度である。そして、ポリオレフィン系樹脂以外の樹
脂として、ナイロンやPETを複数層使用した場合であ
っても、これらの樹脂はレーザで切断されやすいので、
通常のレーザで切断可能である。レーザの出力が不足す
る場合には、走査回数を増やせばよい。
層にはLLDPE層の代わりに、他のポリオレフィン系
樹脂を用いてもよい。他のポリオレフィン系樹脂として
は、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系の構造単
位を単独重合、あるいは他の構造単位と共重合させて得
られた樹脂からなる層であり、例えば、他の低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタ
クリル酸共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸
メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体(EEA)などが挙げられる。なお、LLD
PEの代わりにポリプロピレン(PP)を使用した場合
もLLDPEと同様に走査回数とレーザ出力とを調整す
ればよい。そして、PP層の厚さも通常の包装袋と異な
るところはなく、10〜150μm程度である。本発明
では、パウチ内容物の種類、商品としての外観などの要
求品質に応じて樹脂種を選択し、厚さを決定する。ま
た、本発明に用いられる積層体は、レーザを吸収しやす
い樹脂層にエチレン・ビニルアルコール共重合体、アク
リル系樹脂や塩化ビニリデン樹脂などのガスバリア性樹
脂層や金属酸化物蒸着層や印刷層などの機能を付与でき
る層を含んでいてもよい。
レーザに限定されず、炭酸ガスレーザ以外の気体レー
ザ、YAGレーザなどの固体レーザ、半導体レーザを、
パウチに使用される材料に応じて、適宜用いることがで
きる。
ば、ノッチの形成に刃型を使用しないので、ノッチ形成
の作業性が向上する。また、開封補助線の端部とノッチ
の形成位置とを必ず一致させることができるので、注ぎ
口を切り裂いて開封する際に、ノッチから開封補助線に
沿って容易に開封することができ、易開封手段の切り裂
き強度を安定して低くすることができる。また、本発明
のパウチは、易開封手段の切り裂き強度が安定して低い
ので、開封に手間を煩わすことがない。
形態で用いられる詰替用パウチの上面図である。
ある。
形態を説明する断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 袋体にレーザを照射してノッチを形成す
るノッチ形成工程を有することを特徴とする易開封手段
の形成方法。 - 【請求項2】 前記袋体は、少なくともノッチを形成す
る部分にレーザを吸収し難い樹脂層とレーザを吸収しや
すい樹脂層とからなる積層体が用いられた袋体であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の易開封手段の
形成方法。 - 【請求項3】 前記袋体は、少なくともノッチを形成す
る部分にポリオレフィン系樹脂層とポリオレフィン系樹
脂以外の樹脂層とからなる積層体が用いられた袋体であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封手
段の形成方法。 - 【請求項4】 前記袋体にさらにレーザを照射して、前
記ノッチに連続した開封補助線を形成する開封補助線形
成工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の易開封手段の形成方法。 - 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂層
は、ポリエステル系樹脂層および/またはポリアミド系
樹脂層であることを特徴とする請求項3または4に記載
の易開封手段の形成方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の易
開封手段の形成方法によって易開封手段が形成されたこ
とを特徴とするパウチ。
Priority Applications (1)
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