JP3262060B2 - 易引き裂き性包装袋およびその製造法 - Google Patents

易引き裂き性包装袋およびその製造法

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JP3262060B2 JP04722398A JP4722398A JP3262060B2 JP 3262060 B2 JP3262060 B2 JP 3262060B2 JP 04722398 A JP04722398 A JP 04722398A JP 4722398 A JP4722398 A JP 4722398A JP 3262060 B2 JP3262060 B2 JP 3262060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易引き裂き性包装
袋及びその製造法に関するもので、より詳細には、包材
の損耗等を実質上生じることなしに、さらにはシール部
のシール強度や耐衝撃強度等を低下させることなしに、
易引き裂き性ないし易開封性を付与した包装袋および製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品類やその他の小型の製品類を
収納する包装袋として、プラスチックフィルム同士、或
いは更に紙、金属箔等積層して成る積層体の袋が広く使
用されており、これらの積層袋は内容物を充填後、ヒー
トシールによる密封を容易に行うことができると共に、
気密性や破袋強度にも優れているという利点がある。
【0003】しかしながら、プラスチックフィルムは引
き裂き強度が大きく、内容物の取り出し時に手による引
き裂きがしばしば困難になるという問題がある。
【0004】このため、手による引き裂き性を付与した
包装袋、所謂易開封性包装袋も古くから使用されてい
る。易開封性包装袋の最も代表的なものは、ヒートシー
ル端縁部にノッチと呼ばれる切り欠き部を設けたもので
あり、ノッチの先端部に応力集中が生じて、積層体の切
り裂きによる開封が比較的容易に行われるものである。
【0005】しかしながら、このタイプの易開封性包装
袋では、ノッチを設けた部分のシール幅が当然のことな
がら減少し、袋のこの部分の強度が減少するのを避け得
なく、これを防止するためには、シール端縁部のシール
幅を十分大きくとり、ノッチ形成部のシール部の残留幅
を十分に確保する必要があり、このために、包材の使用
量が多くなるという問題がある。また、ノッチの形成に
伴って切り欠き屑が発生することも問題であり、この切
り欠き屑が製品に混入しないように、格別の除去手段や
監視手段が必要となる。
【0006】また、袋自体に手による引き裂き性を付与
した包装袋、所謂易開封性包装袋も古くから使用されて
いる。易開封性包装袋の最も代表的なものは、分子配向
を付与した一軸延伸フィルムを、分子配向方向と袋の引
き裂き方向とが合致するように貼り合わせた積層シート
を使用するものであり、一軸延伸フィルムが延伸方向に
引き裂きやすいという性質を利用するものである。
【0007】上記積層シートを用いた易開封性包装袋
は、破袋強度や易引き裂き性の点では問題ないとして
も、単に線状開封予定部に易引き裂き性を付与するため
に、製袋用シートの全面に一軸配向フィルムを貼り合わ
せる必要があり、そのため、易開封性包装袋のコストが
高くなり、また貴重な資源を浪費するなど、決して好ま
しいものではなかった。また、引裂きは直線状のものに
限られた。
【0008】レトルト食品用易開封性包装袋は、今日で
はごく一般的なものであるが、その普及と共に、材料の
節約、コストの低減が厳しく要求されている。
【0009】ノッチ付き包装袋の上記欠点を解消するも
のとして、包装袋の開封開始部乃至その近傍に、ノッチ
以外の弱化部を形成することも既に知られており、例え
ば、特公昭61−39228号公報には、少なくとも3
方、合掌貼り、両端縁シール部を融着して成るプラスチ
ック製密封小分け袋において、袋を構成するシートの融
着部に多数の傷痕が実質的に端縁線上に密集して設けら
れている密封小分け袋が記載されている。また、上記の
傷痕の代わりに微細な孔を多数設けることも知られてい
る。
【0010】袋の切り裂き予定部に開口線をレーザ等に
より形成させることも既に知られており、特開昭62−
222835号公報には、液体用紙容器のブランク成形
後、外部ランクの垂直部上端辺付近に、表層側から全周
にわたって略水平方向に炭酸ガスレーザを照射し、幅1
mm以下の薄肉溝から成る開口線を形成することを特徴
とする液体用紙容器の開口線形成方法が記載されてい
る。
【0011】また、特開平4−327139号公報に
は、両端縁に熱融着部を有する包装袋であって、包装袋
の表裏両面の、相互に対応する位置に形成した引き裂き
誘導溝の夫々の端縁を、前記熱融着部の側端縁より約1
mm以上の間隔を置いて位置させて成る易開封性包装袋
が記載されており、上記誘導溝はレーザにより形成され
ることも記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開封開
始部或いは切り裂き予定部に弱化部を形成させる従来の
手段では、包材の強度と易開封性とをバランスよく両立
させることがしばしば困難であるという事実に直面す
る。即ち、易開封性包装袋に要求される特性は、引き裂
きのための切れ目を容易に導入し、且つ引き裂きを線状
開封予定部に沿って正しく案内するすることであるが、
前述した刃物等により開封開始部を弱化する手段やレー
ザにより溝等を形成する手段では、引き裂き性は向上し
ても、これと同時に弱化部に応力が集中して、落下やそ
の他の衝撃に対する強度も同時に低下してしまうという
問題がある。
【0013】また、これらの加工方式では、加工の制御
が非常に困難であり、また加工屑が発生するという問題
がある。例えば、刃物による加工方法では、細かく鋭い
刃を多数並べた刃物や一枚の刃物を包材に押しつけて、
加工を行うが、押しつけの力加減により切断厚みが大き
く変化するという問題がある。また、これを解消するた
めには、加工機の機械的精度を高める必要があるが、そ
のために生産性が低下したり、装置コストが高くなると
いう問題もある。更に、切断や磨耗のために、細かな包
材の粉が多数発生したり、これが製品に混入するという
問題もある。
【0014】更に、レーザによる加工方法では、レーザ
光を、プラノコンベックスレンズ等により、包材表面に
0.2mm程度のスポットに集光して、包材表面のプラ
スチックを揮散させ、これにより溝或いは線を形成させ
るが、包材位置が上下に僅かに変動した場合にも、包材
が全て或いは過度に切断されてしまう場合があり、加工
状態を一定にするためには、加工機の精度を非常に高め
る必要があり、生産性が低下したり、装置コストが高く
なるという問題もある。さらに、包材の一部が高温で昇
華し、ヒュームが発生し、包材に付着するという問題も
あり、これを防止するために、ヒュームの排気が必要で
ある。さらに、袋の表裏における細溝がわずかでもずれ
ると引裂きが困難になったり、引裂きが細溝からはずれ
てしまうなどの支障を生じる。また、金属箔を用いた積
層体の場合には、箔が露出し、外面側の耐食性を著しく
損なうという問題点がある。更に、細くスコア状の溝を
設けたものでは、この部分が局部的に屈曲し易くなり、
流通の際などに箔が疲労し、線状に破断するという問題
点を生ずる。
【0015】本発明者らは、少なくとも外表面層及び/
または中間層が分子配向された熱可塑性樹脂からなる積
層体を重ね合わせて製袋することにより、易引き裂き性
包装袋を製造するに際し、開封方向に溶融弱化樹脂層を
形成すると共に、この溶融弱化樹脂層中に、以下に述べ
る山及び谷を特定の関係になるように形成するときに
は、包材の損耗を実質上生じることなく、包装袋の機械
的強度や耐衝撃性を保ちながら、引き裂き開始性や引き
裂き案内性等の易開封性を顕著に向上させうることを見
い出した。
【0016】即ち、本発明の目的は、包材の損耗を実質
上生じることなく、包装袋の機械的強度や耐衝撃性を保
ちながら、引き裂き開始性や引き裂き案内性等の易開封
性が顕著に向上した易引き裂き性包装袋及びその製造法
を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも外表面層および/または中間層が分子配向された熱
可塑性樹脂からなる積層体を重ね合わせて製袋すること
により形成され且つ上方シートおよび下方シートの引き
裂き予定部が少なくとも部分的に弱化されている易引き
裂き性包装袋において、少なくとも引き裂き予定部の大
部分の分子配向熱可塑性樹脂層が、開封方向に溶融弱化
樹脂層を備え、前記溶融弱化樹脂層は開封方向を横切る
方向に互いに隣接状態あるいは小間隔をおいた状態で形
成された谷部と山部との複数の対から成り、前記谷部の
深さおよび前記山部の高さは少なくとも開封方向を横切
る方向に変化していることを特徴とする易引き裂き性包
装袋が提供される。本発明の易引き裂き性包装袋におい
ては、 1.前記分子配向熱可塑性樹脂層の平均厚みt0 を、谷
部の底の厚みをt1 、山部の頂の厚みをt2 としたと
き、t1 /t0 の値が0.9乃至0.1であり、且つt
2 /t0 の値が1.05乃至2.0であること、 2.前記複数の山部および谷部において、谷部の底の厚
みt1 の内、最大値と最小値との差を前記平均厚みt0
で除した値が0.2乃至0.8であり、且つ山部の頂の
厚みt2 の内、最大値と最小値との差を前記平均厚みt
0 で除した値が0.35乃至 0.95である分布を有
すること、が好ましい。 本発明によればまた、少なくとも外表面層および/また
は中間層が分子配向された熱可塑性樹脂からなる積層体
を重ね合わせて製袋し、袋製造の任意の段階で引き裂き
予定部に弱化部を形成させる方法において、袋製造の任
意の段階で、少なくとも引き裂き予定部の外表面樹脂層
に溶融を生じるがその飛散を実質的に生じない程度の強
度のレーザビームを引き裂き予定方向に走査し、これに
より照射部に開封方向に溶融弱化樹脂層を形成させ、前
記溶融弱化樹脂層は開封方向を横切る方向に互いに隣接
状態あるいは小間隔をおいた状態で形成された谷部と山
部との複数の対から成り、前記谷部の深さおよび前記山
部の高さは少なくとも開封方向を横切る方向に変化して
形成させることを特徴とする易引き裂き性包装袋の製造
方法が提供される。本発明の製造方法においては、レー
ザビームの照射をカライドスコープを通して行うことが
好ましく、また、レーザビームの照射をレーザビームス
キャニング装置を介して行うことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の易引き裂き性包装袋で
は、少なくとも外表面層および/または中間層が分子配
向された熱可塑性樹脂からなる積層体を重ね合わせて製
袋することにより形成される。
【0019】本発明において、分子配向された熱可塑性
樹脂を用いるのは、熱可塑性樹脂の分子配向が、積層体
の機械的強度や耐衝撃性、ガスバリアー性、耐熱性、透
明性等を高めるからである。更に、熱可塑性樹脂の一軸
配向は、配向方向への引き裂き性を向上させる作用もあ
る。
【0020】本発明では、積層体の外表面及び/または
中間に設けた樹脂層が有する分子配向を利用して、溶融
弱化層を形成させる。熱可塑性樹脂層が分子配向、特に
二軸配向された状態では、樹脂層の引き裂き強度も当然
向上しているが、本発明では、積層体の外側に位置する
樹脂層を溶融し、この分子配向を緩和乃至消失せしめる
ことにより、この溶融部分に対して選択的に引き裂きに
対して弱化された部分を形成させることが可能となるの
である。
【0021】本発明における溶融弱化部の形状並びにそ
の寸法関係を説明するための図1(開封方向を横切る方
向の拡大断面図)及び図2(図1におけるA−A断面
図)において、包装袋を形成する積層体1は外表面の分
子配向熱可塑性樹脂層2と内側の熱封緘性熱可塑性樹脂
層4とから成っており、分子配向熱可塑性樹脂層2の表
面には、開封方向に延びる溶融弱化樹脂層6が形成され
ており、この溶融弱化樹脂層6は、開封方向を横切る方
向に互いに隣接状態あるいは小間隔をおいた状態で形成
された谷部7と山部8との複数の対から成る。図1か
ら、谷部7の深さおよび山部8の高さは少なくとも開封
方向を横切る方向に変化している。図2に示す具体例に
おいては、開封方向Bにおいても、谷部7の深さ及び山
部8の高さはなだらかに変化している。
【0022】この溶融弱化部6における谷部7と山部8
との形成は、分子配向熱可塑性樹脂層に、実質上樹脂の
揮散は生じないが、樹脂の溶融が生じる程度のエネルギ
ー強度のレーザビームを照射した場合にのみ起こる特有
の現象であり、この現象がどうして生じるのかは、未だ
不明の点があるが、ビームが照射されて溶融された樹脂
が、その近傍の配向樹脂に引っ張られて(一種の収縮を
生じて)、谷部7と山部8とを形成するものと思われ
る。
【0023】溶融弱化部6における谷部7では、樹脂が
溶融されて配向が消失していることに加えて、厚みが減
少していることにより、引き裂きが容易となっており、
一方山部8では、配向が幾分残存していると共に、厚み
が増大していることにより、引き裂きに対する抵抗性が
ある。このため、谷部7を介して引き裂きが行われる案
内となり、また、山部8は横断方向の力に対して谷部7
を保護する効果がある。
【0024】本発明では、谷部7と山部8との複数の対
を、開封方向を横切る方向に互いに隣接状態あるいは小
間隔をおいた状態で形成すると共に、谷部の深さおよび
山部の高さを、少なくとも開封方向を横切る方向に、好
適には横断方向にも開封方向にも、変化させることによ
り、落下等の衝撃による偶発的な破袋が防止される一方
で、引き裂き開始性や引き裂き案内性等の易開封性を顕
著に向上させることができる。
【0025】即ち、本発明では、溶融弱化による薄肉部
分が複数の谷部7に分散して形成されると共に、これら
複数の谷部間の各々には山部8が介在しており、しかも
谷部の深さ及び山部の高さが種々変化しているので、溶
融弱化部が破壊されやすい構造或いは引き裂きにくい構
造の何れかに偏るのが防止され、袋の強度乃至耐衝撃性
と、易開封性とのバランスをとることが容易となる。
【0026】本発明の好適な谷部の面方向の配置の一例
(理想的配置の一例)を模式的に示す図3において、各
谷部7には、引き裂き方向に沿って、深さの深い谷部7
1と深さの浅い谷部72とが交互に形成されており、ま
た、引き裂き方向を横切る方向にも、深さの深い谷部7
1と深さの浅い谷部72とが交互に形成されている。こ
のような谷の配置では、上下或いは前後の対向するシー
トのほぼ一致した谷線に沿って引き裂きが行われ、ミシ
ン目の引き裂きに似た軽快な引き裂き感がある。また、
上下のシートの谷線の方向にずれがある場合にも、引き
裂かれる谷線が隣りに移行することにより、円滑な引き
裂きが行われる。
【0027】谷部及び山部の寸法関係を説明するための
図4において、弱化層を形成するフィルムの平均厚みを
0 、谷部7の底の厚みをt1 、山部8の頂の厚みをt
2 としたときに、t1 /t0 の値が0.9乃至0.1,
特に0.8乃至0.5で、t 2 /t0 の値が1.05乃
至2.0,特に1.1乃至1.8とすることが好まし
い。
【0028】t1 /t0 の値が上記範囲よりも大きい場
合は、引き裂き開始性や引き裂き案内性の点で不十分で
あり、一方この値が上記範囲よりも小さいと、弱化層の
破袋強度や耐衝撃性が低下する。さらに、t2 /t0
値が上記範囲よりも小さいと、弱化層の保護効果が失わ
れて強靱性が低下し、破袋強度が低下すると共に引き裂
き案内性も低下しやすく、一方、この値が上記範囲より
も大きいと、山部の強度が大きく成りすぎて谷部への応
力集中が生じやすくなると共に、加工も困難になるので
実際的ではない。
【0029】また、谷部及び山部の変動幅を説明するた
めの図5において、弱化層を形成するフィルムの平均厚
みをt0 、谷部の底の厚みt1 の変動幅の内、最大値を
1m ax、最小値をt1minとしたときに、(t1max−t
1min)/t0 の値が0.2乃至0.8であり、且つ山部
の頂の厚みt2 の変動幅の内、最大値をt2max、最小値
をt2minとしたときに(t2max−t2min)/t0 の値が
0.35乃至0.95の範囲にあることが好ましい。
【0030】すなわち、谷部底厚み及び谷部頂の変動幅
が上記範囲よりも小さいと、弱化層の強度乃至耐衝撃性
と引き裂き性とのバランスをとるのが難しくなる傾向が
あり、一方、上記範囲よりも大きいと弱化層の強度や耐
衝撃性が低下する傾向がある。
【0031】本発明の製造方法では、袋製造の任意の段
階で、少なくとも引き裂き予定部の外表面樹脂層に溶融
を生じるがその飛散を実質的に生じない程度の強度のレ
ーザビームを引き裂き予定方向に走査し、これにより照
射部に開封方向に溶融弱化樹脂層を形成させ、前記溶融
弱化樹脂層は開封方向を横切る方向に互いに隣接状態あ
るいは小間隔をおいた状態で形成された谷部と山部との
複数の対から成り、前記谷部の深さおよび前記山部の高
さは少なくとも開封方向を横切る方向に変化して形成さ
せる。
【0032】上記強度のレーザビーム照射では、照射部
が谷部となり、未照射部が谷部となる。隣接状態或いは
小間隔をおいた状態で多数の分割された照射部を形成さ
せるために、微細な開口を有する網或いは多孔板等のパ
ターンマスクを介してレーザビーム照射を行うことも考
えられるが、この場合には、エネルギーロスを生じると
共にパターンマスクの発熱の問題も生じるので、レーザ
ビームを管状干渉光学系に入射して、点状乃至線状の集
合干渉パターンを形成させ、この点状乃至線状の集合干
渉パターンを包材の表面に照射するのが有利である。
【0033】管状干渉光学系とは、一般にカライドスコ
ープと呼ばれるものであり、内面がミラーとなった管状
体からなっていて、その内面にレーザビームを入射させ
ると、ミラー面による多重反射で、内面で反射されたレ
ーザ光の波長が整数倍ずれた部分では光が重なり合い、
半波長ずれた部分では光が打ち消しあって、点状乃至線
状の集合干渉パターンを形成する。
【0034】この点状乃至線状の集合干渉パターンで
は、各照射部の光の強度がほぼ一様ではあるが、各照射
部では干渉の仕方が異なっており、これに対応して光の
強度にも一定の分布があり、この分布に従って、形成さ
れる谷部の深さおよび山部の高さも少なくとも開封方向
を横切る方向に変化することになる。
【0035】しかも、この集合干渉パターンを用いる方
法では、易引き裂き加工の点で次の顕著な利点が達成さ
れる。即ち、樹脂が局部的に高温になるのが回避され、
ヒュームの発生や樹脂の熱分解や劣化が防止され、しか
も、包材に対して面積の大きい加工を施すことが可能と
なる。しかも、この加工法では、レーザビームが有する
エネルギーの実質上全てを樹脂の加工に利用でき、パタ
ーンマスクを使用する場合のようなエネルギーロスがな
いという利点もある。更に、包装袋としたときの表裏の
加工位置のずれの発生や、機械加工による加工屑や包材
の粉の発生、ヒートバーの熱加工による樹脂の付着に起
因する加工状態の不安定等の問題を有効に解消すること
ができる。
【0036】[積層体(包材)]本発明において、包装
袋の器壁を構成する可撓性積層体(包材)としては、機
械的強度や耐熱性等を付与するための延伸(分子配向)
プラスチックフィルム、ヒートシール性を与えるための
オレフィン樹脂、或いは更に酸素等に対するガスバリア
ー性を付与するための金属箔やガスバリアー性樹脂が、
組み合わせで、ラミネートの形で使用される。
【0037】延伸プラスチックフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレ
フタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル
フィルム:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合
体等のポリアミド(Ny)フィルム:プロピレン系重合
体フィルム(PP):ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩
化ビニリデンフィルム:エチレンビニルアルコール共重
合体フィルム(EVOH)等を挙げることができる。こ
れらのフィルムは、一軸延伸或いは二軸延伸のものでも
よい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至
40μmの範囲にあることが望ましい。
【0038】一方、ヒートシール性樹脂フィルムとして
は、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン(P
E)、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポ
リプロピレン(PP)、プロピレン−エチレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、
エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト
変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフィン系樹脂;
比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミ
ド樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステル乃至
コポリエステル樹脂;の1種或いは2種以上の組み合わ
せからなるものが使用される。これらのフィルムは15
乃至100μmの厚みを有するのがよい。
【0039】一方、ガスバリアー性を付与するために使
用される金属箔としては、各種表面処理鋼箔やアルミニ
ウム(Al)等の軽金属箔が使用される。表面処理鋼箔
としては、冷圧延鋼箔に、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッ
ケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面
処理の一種叉は二種以上行なったものや、最終圧延に先
立って前記メッキ処理を行い、次いで冷間圧延処理を行
って得られる表面処理鋼箔を用いることができる。軽金
属箔としては、所謂純アルミニウムの他にアルミニウム
合金箔が使用される。これらの金属箔は、厚さが150
μm以下、特に5乃至120μmのものを使用する。ガ
スバリアー性を付与するために、金属箔に代えて、エチ
レンビニルアルコール共重合体や、ナイロン樹脂、環状
オレフィン系共重合体等のガスバリアー性樹脂を単独あ
るいは2種以上の組み合わせで用いることもできる。
【0040】積層体の適当な例は、内側から外側にかけ
ての層構成で、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アル
ミニウム箔/一軸延伸ポリプロピレンフィルム、オレフ
ィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸
ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/
アルミニウム箔/二軸延伸ポリプロピレンフィルム、オ
レフィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸
延伸ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール
層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/二軸
延伸ナイロンフィルム/アルミニウム箔/二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、オレフィン系樹脂ヒ
ートシール層/エチレンビニルアルコール共重合体層/
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等である
が、この例に限定されない。例えば、最外層、或いは最
外層より下の層として、紙の層を設けることができる。
【0041】本発明に好適に使用される積層体の一例を
示す図6において、この積層体1は、表面から順に、熱
可塑性ポリエステル(PET)から成る外層2/金属箔
から成る中間層3/オレフィン系樹脂のヒートシール用
内層4の層構成を有する。好適な積層体の他の例を示す
図7において、この積層体1は、熱可塑性ポリエステル
から成る外層2/ナイロンから成る第二の中間層5/金
属箔から成る第一の中間層3/オレフィン系樹脂のヒー
トシール用内層4の層構成を有する。
【0042】ラミネート1の全体の厚みは、30乃至2
00μm、特に40乃至150μmの範囲にあることが
好ましい。上記範囲より薄いと、破袋強度が低下すると
共に、厚さ方向に対する積層体の外表面層の選択的な溶
融弱化層の形成が困難となり、一方、上記範囲よりも厚
いと、袋としての可撓性が失われると共に、引き裂き性
の付与が困難となる。
【0043】積層体の製造は、ドライラミネーション、
サンドイッチラミネーション、押出コート、共押出等の
それ自体公知の任意の手段で行うことができる。各層の
間に十分な接着性が得られない場合には、ウレタン系接
着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系樹脂接着
剤等の接着剤樹脂を用いることができる。
【0044】また、サンドイッチラミネーションに際し
ては、任意の樹脂をフィルム間或いはフィルムと樹脂被
覆金属箔の間に押し出すことにより行われ、また、押出
コートに際しては、任意の樹脂をフィルム或いは金属箔
の上に押し出すことにより行われる。押し出す樹脂とし
ては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフ
ィン共重合体(アイオノマー)、エチレン系不飽和カル
ボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン
樹脂等の変性オレフィン樹脂;比較的低融点乃至低軟化
点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂;比較的低融点乃
至低軟化点のポリエステル乃至コポリエステル樹脂;前
記した樹脂の1種乃至2種以上とおよびまたは公知の充
填剤とからなるブレンド樹脂;などが単層押出乃至共押
出されて使用される。押出樹脂層を施す表面には、ウレ
タン系、チタネート系等のアンカー剤を施しておくこと
ができる。
【0045】[溶融弱化樹脂層及びその形成]本発明で
は、前述した包材(積層体)の分子配向熱可塑性樹脂層
にレーザビームを照射して、この樹脂層の照射部に前述
した谷部と山部との複数の対からなる溶融弱化部を形成
させる。前述した寸法関係の谷部及び山部を形成させる
ためには、既に指摘したとおり、照射される樹脂層が分
子配向されていることが必須不可欠であり、これと共
に、レーザビームの単位面積当たりのエネルギー強度も
一定範囲内にあることが必要である。このエネルギー強
度の調節は、レーザ光源における入力を調節することに
よっても可能であるが、一般にはレーザビームの照射面
積を広げ、或いは更にその強度分布を調節することによ
り行うのが適当である。
【0046】本発明においては、引き裂き開始部乃至引
き裂き案内部において、開封方向を横切る方向の照射幅
が1mmよりも大きい範囲、好適には1.5乃至10m
mの範囲にわたるように行うのが、局部的な過度の加熱
を回避する上で好ましい。即ち、この幅が1mm以下で
ある場合には、局部的な加熱による積層体の溶断や樹脂
の蒸発揮散が生じやすく、引き裂き開始位置や引き裂き
案内部の多少のずれによって、円滑な引き裂きが困難と
なる傾向があり、更に溶融弱化樹脂層に応力集中が生じ
やすくなり、衝撃等による偶発的な破袋を生じる傾向が
増大する。
【0047】分子配向熱可塑性樹脂層における溶融弱化
部は、包材の引き裂き予定部に設ける。溶融弱化部の開
封方向への寸法は、引き裂き方向の全長にわたって設け
るのが通常であるが、引き裂きによる開封が実質的に行
われる範囲、例えば全長の2割以上程度にわたって部分
的に設けてもよい。
【0048】積層体の外表面層の溶融弱化部において、
分子配向が消失乃至緩和しているという事実は、それ自
体公知の測定手段、例えば複屈折法、X線回折法、蛍光
複屈折法等により確認することができる。
【0049】本発明の最も好適な態様では、レーザビー
ムを、カライドスコープを通して、積層体にレーザの干
渉パターンを照射する。必要あれば、所定の照射面積を
確保するために、走査照射を行う。
【0050】カライドスコープを説明するための図8に
おいて、このカライドスコープ11は金属製の直方体筒
であり、中心付近に種々の形状をした断面の穴12が開
いており、内面13は反射率の高い金メッキなどが施さ
れているものである。内面13で反射されたレーザ光の
波長が整数倍ずれた部分では光が重なり合い、半波長ず
れた部分では光が打ち消しあって、微細な干渉パターン
14が形成される。
【0051】カライドスコープ11の空洞部入り口12
に、プラノコンベックス15でレーザビーム16を集光
させると、カライドスコープ11の出口のレーザビーム
は空洞部の断面が四角形であると、図9に示されるよう
な点状集合ビームとなる。このビームを走査させること
により、多数本のストライプ状の走査ビームが形成され
る。これにより、谷部及び山部の複数の対が図1及び2
に示すように形成される。
【0052】カライドスコープからの点状集合ビームに
おいて、それぞれの点の間隔と大きさは、カライドスコ
ープ出口からの積層体への距離(離すほど間隔は広がり
大きくなるが、光の強度は低下する)や、断面の寸法、
カライドスコープの長さにより変化する。
【0053】カライドスコープの空洞部の入り口の大き
さと出口の大きさを変えることも可能であり、これによ
り非常に大きな弱化部が加工できる利点がある。例え
ば、入り口が5mm×3mmの大きさで、出口が18m
m×3mmの大きさであると、点状集合ビームの大きさ
は約20mm×5mmの大きさになる。また、カライド
スコープを、プラノコンベックスレンズの光軸から傾け
ると、傾けた方向に点状ビームの点間間隔が広がる。
【0054】このような手段を単独或いは組み合わせで
用いることにより、レーザ光の強度の分布を変化させ、
形成される谷部の深さ及び山部の深さを一層変化させる
ことができる。
【0055】さらに、カライドスコープの空洞部の入り
口12の形状は、四角形以外に、三角形、六角形などの
形状でも可能である。
【0056】本発明において、レーザビームとしては、
炭酸ガスレーザーが使用されるが、一般にその出力は、
10W乃至1.2kWの範囲にあるものが好適である
が、勿論これに限定されない。
【0057】カライドビームによる易開封加工の他にレ
ーザスキャニングによる易開封加工も行える。例えば、
引き裂き方向にレーザを高速スキャンすると共に、1走
査毎に引き裂き方向に対して横断方向にわずかにずらす
ことにより、谷部と山部との複数の対を形成させること
ができる。
【0058】レーザスキャニング装置の一例をを示す図
10において、この装置は、炭酸ガスレーザ20、レー
ザビームを拡大するビームイクスパンダー21、レーザ
ビームをY軸方向(引き裂き方向)にスキャニングする
スキャナー22、レーザビームをX軸方向(横断方向)
にスキャニングするスキャナー23、レーザビームを集
光して包材1に照射する集光レンズ24を備えている。
スキャニング制御装置25はY軸サーボ26を介してY
軸スキャナー22を制御し、X軸サーボ27を介してX
軸スキャナー23を制御する。レーザビームスキャニン
グ信号を作成し且つD/Aコンバーター28に出力する
パソコン29が設けられ、D/Aコンバーター28から
の信号は、インターフェース30を通して、スキャニン
グ制御装置25に供給される。スキャニング制御装置2
5は、インターフェース30及びレーザ制御機構31を
介して炭酸ガスレーザ20の出力をも制御できるように
なっている。パソコン29からのスキャニング信号をX
軸およびY軸のサーボ26、27に与えると、レーザビ
ームは信号のパターンによって包材上をスキャニングさ
れる。この例ではY軸方向に高速にスキャニングし、1
走査毎にX軸にわずかづつずらして複数本の易開封加工
を行う。この方法は、易開封加工部の長さが短い場合に
優れた効果を奏する。勿論、包材を移動させることによ
り、広い領域に易開封加工を行うこともできる。
【0059】[包装袋及びその製法]本発明の易開封性
包装袋は、上記積層体を、ヒートシール性樹脂層同士が
対面するように重ね合わせ、これをヒートシール等によ
り製袋することにより形成される。
【0060】本発明において、樹脂溶融による弱化層の
形成は、製袋前、製袋中或いは製袋後の任意の段階で施
すことができる。例えば、積層体を製造するための任意
の段階、即ち、ラミネート前、ラミネート中、或いはラ
ミネート後の表面層となるべき分子配向フィルムに、レ
ーザビームを照射して、所定パターンの溶融弱化部を形
成させることができる。
【0061】溶融弱化部は、包装袋を構成する積層体の
外表面に施すのが一般的であるが、積層体の外表面のみ
ならず、内表面にも易開封加工を施すことができる。包
装袋を積層フィルムにより構成する際に、外層および内
層フィルムとして使用するプラスチック材料の種類によ
っては(例えば、外層としてナイロンフィルム、内層と
して直鎖状低密度ポリエチレンを使用した場合等)、外
層フィルムのみに易開封加工部を形成した場合には、開
封時に内層フィルムの切断端面がきれいに切断されず、
開封口が糸屑状に伸びたり、或いはささくれた状態にな
ることがある。開封口がこのような状態になると、内容
物を注ぐときに流路が乱れて、内容物を安定に注ぐこと
が困難になる。このような問題は、外層フィルムだけで
はなく、内層フィルムにも易開封加工を施すことによっ
て解消することが出来る。内層フィルムに易開封加工を
施すには、積層フィルムの内層フィルム側からロール、
刃物、砥石による機械加工やレーザー等により加工する
ことが出来、また、外層フィルム側から外層フィルムを
貫通し内層フィルムに達する易開封加工部を形成するよ
うにしても良い。
【0062】本発明は、種々の包装袋、例えば三方シー
ル包装袋、四方シール包装袋、ガセット付包装袋、ピロ
ー包装袋、ガセット付ピロー包装袋、スタンデイング包
装袋、ノズル付包装袋等の任意の形態の包装袋に適用す
ることができる。また、引き裂き開始部も引き裂き案内
部も溶融弱化部で形成することもできるし、引き裂き開
始部をVノッチ、Iノッチ等の切れ目で形成し、引き裂
き案内部を溶融弱化部で形成してもよい。以下、数例を
挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されな
い。
【0063】本発明の包装袋の一例(四方ヒートシール
パウチ)を示す図11において、この易開封性包装袋4
0は、重ね合わされた積層体シート41の四方に端縁ヒ
ートシール部42a、42b、42c、42dを有し、
上方端縁シール部42aから小間隔をおいて、上下の積
層体シート41、41の外表面には、溶融弱化部から成
る引き裂き予定部(引き裂き開始及び案内部)43が形
成されている。この包装袋においては、引き裂き予定部
43は包装袋40の短辺側にストレートに設けられてい
る。
【0064】包装袋の他の例を示す図12において、シ
ール部の構造は図11の場合と同様であるが、引き裂き
予定部43は短辺及び長辺のコーナー部から間隔をおい
て斜めに形成されている。
【0065】包装袋の他の例を示す図13において、シ
ール部の構造は図11の場合と同様であるが、側方シー
ル部42b及び42dには、Vノッチからなる引き裂き
開始部44、44が形成されており、これらの間に溶融
弱化部からなる引き裂き予定部43がストレートに形成
されている。
【0066】図14は、液体等を充填するスタンデイン
グパウチの例を示すもので、この包装袋40は、底部に
ガセット45が挿入され、下方側縁シール部46b、4
6d及び下端縁シール部42cが二股状になっている点
が図11の場合と相違している。また、上端縁シール部
42aの中央には、注ぎ口となる台形状の未シール部4
7が設けられており、この未シール部47を横断するよ
うに、溶融弱化部からなる引き裂き予定部43が形成さ
れている。引き裂き予定部の両側には、Iノッチからな
る引き裂き開始部44、44が設けられている。
【0067】図15は、ノズル付包装袋の例を示すもの
であり、この包装袋40は短辺と長辺とのコーナ部から
小間隔をおいて切り欠き部48a、48bが形成されて
おり、この切り欠き部に対応して湾曲したシール部49
a、49bも形成されている。この湾曲シール部49
a、49b間に、開封時にノズルとなる斜め突起状の未
シール部50が形成されている。この未シール部50を
横断するように、溶融弱化部からなる引き裂き予定部4
3が斜めに形成されている。引き裂き予定部の両側に
は、Iノッチからなる引き裂き開始部44、44が設け
られている。
【0068】
【実施例】本発明を次の例で更に具体的に説明する。
【0069】実施例1,2、3 図8、図9に示すように、炭酸ガスレーザビームを焦点
距離2.5インチのプラノコンベックスレンズとカライ
ドスコープ(長さ138mm、空洞部の入り口および出
口寸法3mm×3mmの四角形)で点状集合ビームに
し、ラミネート面に印刷を施した2軸延伸ナイロンフィ
ルム25μmと線状低密度ポリエチレンフィルム150
μmの積層体のナイロン面にロール方向に沿って速度2
0m/minで弱化帯を加工した。複数の加工線が含ま
れる弱化帯の幅は2.5mmから3mmであった。な
お、カライドスコープ出口面と積層体との距離は6mm
(実施例1)と1mm(実施例2、3)の2条件で調整
した。また、レーザ出力は100W(実施例1,2)と
120W(実施例3)の2条件とした。
【0070】このようにして得られた積層体の易開封加
工部を、表面粗さ計(製品名:サーフコム(東京精
密))で、加工部に対し直角方向に測定した。測定結果
を、図16の(a)、(b)、(c)に示す。実施例1
(図16(a))では、易開封加工部の加工溝の本数は
4本であり、t1 /t0 は0.36から0.6であり、
2 /t0 は1.16から1.32であった。実施例2
(図16(b))では、易開封加工部の加工溝の本数は
6本であり、t1 /t0 は0.44から0.67であ
り、t2 /t0 は1.16から1.32であった。実施
例3(図16(c))では易開封加工部の加工溝の本数
は10本であり、t1 /t0 は0.24から0.72で
あり、t2 /t0 は1.16から1.52であった。
【0071】この積層体を用いて、図14に示すような
洗剤詰替用パウチを製造した。このパウチに液状洗剤を
500ml充填し、ヒートシールにより密封した。な
お、レーザ加工部はパウチの充填口側のヒートシール部
に平行に、且つ、パウチ頂部より15mm下にパウチの
表裏にそれぞれ位置させた。また、引き裂き開始部とな
る端縁ヒートシール部にはIノッチを刻切した。このパ
ウチを温度5℃で1.2mの高さから水平落下および倒
立落下各10回を繰り返し行ったが、洗剤の漏洩はなか
った。また、レーザ加工部から引き裂いたところ、いず
れも弱化帯に沿って直線的に引き裂かれ、最後まで引き
裂き切ることができた。引き裂き性はレーザ出力が大き
く、カライドスコープ出口面と積層体との距離が小さい
ほど優れていた。引き裂いた部分は目視では直線的であ
るが、顕微鏡で観察すると、主には一本の弱化線部に沿
って引き裂かれ、途中で引き裂きがずれ隣接する弱化線
部に移っている部分もみられた。このように、直進引き
裂き性は複数の弱化線部が微小間隔を置いて平行に配置
していることにより安定的に保持されていた。
【0072】実施例4 厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムと、厚さ130μmの線状低密度(L
LDPE)フィルムを、ウレタン系のアンカー剤を介し
てラミネートした積層フィルムから、PET フィルム層を
外層とした図15に示すノズル型洗剤詰替用パウチを製
造した。ついで、ノズル部両面のほぼ同一位置に、図1
0に示す炭酸ガスレーザビームスキャニング装置によ
り、レーザビームを複数回(6回)微小間隔(約0.4
mm)を隔てながら照射した。走査速度は50m/mi
nであり、レーザ出力は7Wであった。また、引き裂き
開始部となる端縁ヒートシール部にはIノッチを刻切し
た。このように作成したパウチのレーザ加工部を、表面
粗さ計で観察したところ、図16(b)のものとほぼ同
様な状態であった。このパウチは実施例1−3のパウチ
と同様に手で容易に開封することができた。しかも、加
工部に沿って直線的に引き裂けた。
【0073】実施例5 厚さ15μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET )フィルムと、厚さ7μmのアルミニウム箔、厚
さ70μmのポリプロピレン(PP)フィルムを各層間
にウレタン系のアンカー剤を介してラミネートした積層
フィルムに、実施例2と同様の易開封加工を行った。こ
の積層体を用いて、図13に示すような調理食品パウチ
(レトルトパウチ)を製造した。このパウチにミートソ
ースを160g充填し、ヒートシールにより密封した。
なお、レーザ加工部はパウチの充填口側のヒートシール
部に平行に、且つ、パウチ頂部より20mm下にパウチ
の表裏にそれぞれ位置させた。また、引き裂き開始部と
なる端縁ヒートシール部にはUノッチを刻切した。この
パウチは手で容易に開封することができ、しかも加工部
に沿って直線的に引き裂けた。加工線を顕微鏡で観察し
たり、硫酸銅を垂らしてアルミの露出を検査したが、ア
ルミの露出は全くなかった。また、このパウチ10袋に
ミートソースを160g充填密封し、121℃−20分
のレトルト殺菌を施した。この後、35℃−1ヶ月の保
存試験を実施した。保存後、内容物を調べたが異常は見
られなかった。
【0074】比較例1 図17に示すように、炭酸ガスレーザ16をプラノコン
ベックスレンズ15で集光し、実施例5で用いた積層体
のPET フィルム面に積層体のロール方向に速度50m/
minで弱化線を1本だけ加工した。レーザ出力は10
Wであった。この積層体を用いて、図13に示すような
レトルトパウチを製造した。 なお、加工時にはPET 層
が昇華して、ヒュームが多量に発生し、レンズが汚れ
た。また、易開封加工部がパウチの表裏で、ずれが0.
5mm以上あると、引き裂きの際、弱化線からはずれて
しまった。このパウチ10袋に、実施例5と同様の保存
試験を実施したところ、保存後、内容物は赤茶色から茶
色乃至焦げ茶色に変色し、すべて変質していた。パウチ
の周縁ヒートシール部を切り取り、内容物を洗い落とし
た後、パウチ側壁を光に透かしてみたところ、レーザ加
工部においてアルミ箔が破断していた。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも外表面層及
び/または中間層が分子配向された熱可塑性樹脂からな
る積層体を重ね合わせて製袋することにより、易引き裂
き性包装袋を製造するに際し、開封方向に溶融弱化樹脂
層を形成すると共に、この溶融弱化樹脂層中に、開封方
向を横切る方向に互いに隣接状態あるいは小間隔をおい
た状態で形成された谷部と山部との複数の対を形成さ
せ、前記谷部の深さおよび前記山部の高さを少なくとも
開封方向を横切る方向に変化させることにより、包材の
損耗を実質上生じることなく、包装袋の機械的強度や耐
衝撃性を保ちながら、引き裂き開始性や引き裂き案内性
等の易開封性を顕著に向上させることができる。この包
装袋は、機械的強度や耐衝撃性と、易開封性とのバラン
スに特に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融弱化部の開封方向を横切る方向の拡大断面
図である。
【図2】図1の溶融弱化部のA−A断面図である。
【図3】本発明の好適な谷部の面方向の配置の一例を模
式的に示す説明図である。
【図4】溶融弱化部における谷部及び山部の寸法関係を
説明するための説明図である。
【図5】溶融弱化部における谷部及び山部の変動幅を説
明するための説明図である。
【図6】本発明に好適に使用される積層体の断面構造の
一例を示す断面図である。
【図7】本発明に好適に使用される積層体の断面構造の
他の例を示す断面図である。
【図8】本発明に用いるカライドスコープを説明するた
めの説明図である。
【図9】カライドスコープにより形成される点状集合ビ
ームの一例を示す説明図である。
【図10】本発明に用いるレーザスキャニング装置の一
例をを示す配置図である。
【図11】本発明による包装袋の一例を示す正面図であ
る。
【図12】本発明による包装袋の他の例(斜め開封型)
を示す正面図である。
【図13】本発明による包装袋の更に他の例(Vノッチ
型)を示す正面図である。
【図14】本発明による包装袋の別の例(実施例1)を
示す正面図である。
【図15】本発明による包装袋の更に別の例(実施例
4)を示す正面図である。
【図16】実施例1乃至3で形成された積層体の易開封
加工部を、表面粗さ計で測定した結果を示すグラフであ
る。
【図17】比較例1で用いたレーザビーム装置を示す配
置図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 分子配向熱可塑性樹脂層 3 中間層 4 熱封緘性熱可塑性樹脂層(ヒートシール層) 5 第二の中間層 6 溶融弱化樹脂層 7 谷部 8 山部 11 カライドスコープ 12 穴 13 内面 14 干渉パターン 15 プラノコンベックス 16 レーザビーム 20 炭酸ガスレーザ 21 ビームイクスパンダー 22、23 スキャナー 24 集光レンズ 25 スキャニング制御装置 26 Y軸サーボ 27 X軸サーボ 28 D/Aコンバーター 29 パソコン 30 インターフェース 31 レーザ制御機構 40 易開封性包装袋 41 積層体シート 42a、42b、42c、42d 端縁ヒートシール部 43 引き裂き予定部(引き裂き開始及び案内部) 44 引き裂き開始部 45 ガセット 46b、46d 下方側縁シール部 47 未シール部 48a、48b 切り欠き部 49a、49b シール部 50 未シール部 71 深い谷部 72 浅い谷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 33/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外表面層および/または中間
    層が分子配向された熱可塑性樹脂からなる積層体を重ね
    合わせて製袋することにより形成され且つ上方シートお
    よび下方シートの引き裂き予定部が少なくとも部分的に
    弱化されている易引き裂き性包装袋において、少なくと
    も引き裂き予定部の大部分の分子配向熱可塑性樹脂層
    が、開封方向に溶融弱化樹脂層を備え、前記溶融弱化樹
    脂層は開封方向を横切る方向に互いに隣接状態あるいは
    小間隔をおいた状態で形成された谷部と山部との複数の
    対から成り、前記谷部の深さおよび前記山部の高さは少
    なくとも開封方向を横切る方向に変化していることを特
    徴とする易引き裂き性包装袋。
  2. 【請求項2】 前記分子配向熱可塑性樹脂層の平均厚み
    0 を、谷部の底の厚みをt1 、山部の頂の厚みをt2
    としたとき、t1 /t0 の値が0.9乃至0.1であ
    り、且つt2 /t0 の値が1.05乃至2.0であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の易引き裂き性包装袋。
  3. 【請求項3】 前記複数の山部および谷部において、谷
    部の底の厚みt1 の内、最大値と最小値との差を前記平
    均厚みt0 で除した値が0.2乃至0.8であり、且つ
    山部の頂の厚みt2 の内、最大値と最小値との差を前記
    平均厚みt0で除した値が0.35乃至 0.95であ
    る分布を有することを特徴とする請求項2記載の易引き
    裂き性包装袋。
  4. 【請求項4】 少なくとも外表面層および/または中間
    層が分子配向された熱可塑性樹脂からなる積層体を重ね
    合わせて製袋し、袋製造の任意の段階で引き裂き予定部
    に弱化部を形成させる方法において、袋製造の任意の段
    階で、少なくとも引き裂き予定部の外表面樹脂層に溶融
    を生じるがその飛散を実質的に生じない程度の強度のレ
    ーザビームを引き裂き予定方向に走査し、これにより照
    射部に開封方向に溶融弱化樹脂層を形成させ、前記溶融
    弱化樹脂層は開封方向を横切る方向に互いに隣接状態あ
    るいは小間隔をおいた状態で形成された谷部と山部との
    複数の対から成り、前記谷部の深さおよび前記山部の高
    さは少なくとも開封方向を横切る方向に変化して形成さ
    せることを特徴とする易引き裂き性包装袋の製造方法。
  5. 【請求項5】 レーザビームの照射をカライドスコープ
    を通して行う請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 レーザビームの照射をレーザビームスキ
    ャニング装置を介して行う請求項4記載の製造方法。
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