JPH10315354A - 易引き裂き部を有する軟包材の製造方法 - Google Patents

易引き裂き部を有する軟包材の製造方法

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JPH10315354A
JPH10315354A JP9129037A JP12903797A JPH10315354A JP H10315354 A JPH10315354 A JP H10315354A JP 9129037 A JP9129037 A JP 9129037A JP 12903797 A JP12903797 A JP 12903797A JP H10315354 A JPH10315354 A JP H10315354A
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Hideo Kurashima
秀夫 倉島
Hisakazu Yasumuro
久和 安室
Yasushi Hatano
靖 波多野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟包材のヒートシールサイクルを利用して、
レーザビーム照射による易引き裂き部の形成を、前述し
た欠点なしに、正確に位置決めされた状態でしかもロス
タイムなしに行うことが可能な方法を提供するにある。 【解決手段】 少なくとも表面が熱可塑性樹脂から成る
連続した軟包材原反を間欠的に供給し、軟包材原反の停
止時に、軟包材原反の縦シール及び横シールと、これに
同期したレーザビームの走査による開封予定部への易引
き裂き加工とを行うことを特徴とする易引き裂き部を有
する軟包材の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易引き裂き部を有
する軟包材の製造方法に関するもので、より詳細にはス
リッターによる軟包材の正確な位置決めを利用して、レ
ーザビームの点状乃至線状の集合干渉パターンによる易
引き裂き部を軟包材に1工程でしかも正確に形成させる
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームは高エネルギー密度を有し
ており、金属等の切断・分離或いは穴あけ等の除去のた
めの加工に使用することが古くから知られている。ま
た、レーザビームを、金属の表面改質、例えば表面硬化
(焼き入れ)、急冷凝固(グレージング)、表面合金化
やアモルファス層の形成、表面濃化や表面析出に使用す
ることも同様に知られている。
【0003】プラスチック等の包装材料にレーザビーム
を用いて加工を行うことも既に知られており、例えば、
特開昭60−89365号公報には、アルミニウム箔の
一方の面に熱接着性樹脂を積層し、且つ他方の面にプラ
スチックフィルム等の耐突き刺し性材料を積層した積層
材の耐突き刺し性材料面に、所望の形状の開口部を有
し、且つ光を遮断する材料から成るアパーチャマスク及
び集束レンズを通して、炭酸ガスレーザ光を照射して、
耐突き刺し性材料層の一部分を前記所望の形状に除去す
る方法が記載されている。
【0004】また、特開昭62−222835号公報に
は、液体用紙容器のブランク成形後、ブランクの垂直壁
部の上端辺付近に、表層側から全周にわたって略水平方
向に炭酸ガスレーザを照射し、幅約1mmの薄肉溝より
なる開口線を形成することを特徴とする液体用紙容器の
製造方法が記載されている。
【0005】更に、特開平4−327139号公報に
は、両端縁に熱融着部を有する包装袋であって、包装袋
の表裏両面の、相互に対応する位置に形成した引き裂き
誘導溝の夫々の端縁を、前記熱融着部の側端縁より約1
mm以上の間隔を置いて位置させて成る易開封性包装袋
が記載されており、上記誘導溝はレーザにより形成され
ることも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チック等の高分子材料に開口線或いは引き裂き誘導溝或
いは高分子の除去層を形成させることは、極めて多くの
提案があるにもかかわらず、未だ実用化の域に至ってい
ないのは甚だ奇異な感じを与えるが、これはレーザビー
ムのような高エネルギー密度の照射では、包装材料等を
過度に弱化させることなしに前述した引き裂き誘導溝
(スコア、弱化線)を、安定にしかも制御された状態で
形成させることが困難であること、レーザビーム照射に
より高分子の劣化が生じること、及び特に軟包材の場合
に顕著であるが、易引き裂き部を最終容器の形状及び寸
法に合わせて正確に位置決めさせることが困難であるこ
とに原因があるものと思われる。
【0007】従って、本発明の目的は、軟包材から形成
される最終容器の形状及び寸法に合わせて、正確に位置
決めされた状態で、高分子の劣化が少なく、しかも引き
裂き性に優れた易引き裂き部を安定にしかも確実に形成
させることが可能な軟包材の製造方法を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも表面が熱可塑性樹脂から成る幅広の軟包材のロール
から前記軟包材を引き出して、スリッターに連続的に供
給し、端部がトリミングされ或いは所定幅に切断された
狭幅の軟包材を巻き取ることから成る軟包材の製造方法
において、スリッターでの切断に先立って或いは切断後
に、狭幅の軟包材の開口部となるべき切断予定線乃至切
断線から少なくとも一方の側に、好適には両側に間隔を
おいて、レーザビームが入射される管状干渉光学系を配
置して、点状の集合干渉パターンを軟包材の樹脂表面に
照射し、軟包材の切断予定線乃至切断線の少なくとも一
方の側、好適には両側に且つ切断予定線乃至切断線に沿
って易引き裂き部を形成させることを特徴とする易引き
裂き部を有する軟包材の製造方法が提供される。本発明
においては、 1.切断予定線乃至切断線の両側に、別の管状干渉光学
系を軟包材の供給方向に位置をずらして配置することも
できるし、 2.また、管状干渉光学系を一個のレーザビーム入射口
と間隔をおいて分離した複数の干渉パターン出口を有す
る管状干渉光学系とし、干渉パターン出口を切断予定線
乃至切断線の両側に配置することもでき、 3.更に、管状干渉光学系を少なくとも切断予定線乃至
切断線を横切る方向に移動可能に配置し、切断予定線乃
至切断線からの距離が変化した易引き裂き部を形成する
こともできる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の方法では、レーザビームを
管状干渉光学系に入射して、点状乃至線状の集合干渉パ
ターンを形成させ、この点状乃至線状の集合干渉パター
ンを軟包材の樹脂表面に照射して易引き裂き部を形成す
ること、及びこの管状干渉光学系をスリッターに特定の
位置関係で配置して、軟包材の切断予定線乃至切断線の
少なくとも一方の側、好適には両側に且つ切断予定線乃
至切断線に沿って易引き裂き部を形成することが特徴で
ある。
【0010】管状干渉光学系とは、一般にカライドスコ
ープと呼ばれるものであり、内面がミラーとなった管状
体からなっていて、その内面にレーザビームを入射させ
ると、ミラー面による多重反射で、点状の集合干渉パタ
ーンを形成する。しかも、この点状の集合干渉パターン
では、各ピークの強度が相互にほぼ一様であるという利
点を与える。
【0011】点状の集合干渉パターンの生成の原理を説
明するための図1において、レーザビーム1を集光レン
ズ2で集光し、これを管状干渉光学系3に入射させる。
この管状干渉光学系(カライドスコープ)3は金属製の
管状体であり、中心付近に種々の形状をした断面の穴4
が開いており、内面5は反射率の高い金メッキなどが施
されているものである。内面5で反射されたレーザ光の
波長が整数倍ずれた部分では光が重なり合い、半波長ず
れた部分では光が打ち消しあって、各ピークがほぼ同じ
高さの微細な干渉パターン6が形成される。
【0012】普通にレーザビームを照射する場合を考え
ると、図2に示すとおり、集光レンズ2を介して被加工
材7の位置に焦点を合わせる(f)のが通常であるが、
その場合のレーザビームの強度分布は図3の曲線aの様
な急峻なガウシャン分布となる。したがって、幅が狭く
(半値幅H0 )、中心部の強度が高くて、被加工材7の
表面温度は高温となる。一方、図2において、焦点位置
をf0 だけずらして(デフォーカスして)、レーザビー
ム1を被加工材7に照射することが考えられるが、この
場合にも、図3の曲線bに示すように、全体として滑ら
かにはなるが、中心部が強く、周辺部が弱いガウシャン
分布になるのは避け得ない。
【0013】これに対して、本発明によれば、レーザ光
の干渉を利用することにより、図1に示すとおり、レー
ザ光が幅方向に多数のピークに分割されると共に、各ピ
ークの高さも一様に低い高さに抑制され、表面が樹脂か
ら成る軟包材の引き裂き性付与加工に以下に述べる極め
て大きな利点をもたらす。即ち、樹脂が局部的に高温に
なるのが回避され、ヒュームの発生や樹脂の熱分解や劣
化が防止され、しかも、軟包材に対して面積の大きい引
き裂き性付与加工を施すことが可能となる。しかも、本
発明では、レーザビームが有するエネルギーの実質上全
てを樹脂の加工に利用でき、パターンマスクを使用する
場合のようなエネルギーロスがないという利点もある。
【0014】また、樹脂に対する干渉パターンでは、静
止状態では、図4に示すとおり、点状の集合干渉パター
ン8となり、連続走査状態では、図5に示すとおり、線
状の集合干渉パターン9となる。尚、図示していない
が、照射を断続的に行う場合には、ミシン目状の集合干
渉パターンとなる。これら何れの場合も、図6に示すと
おり、軟包材の表面樹脂層10の内干渉パターン照射部
9(8)では、同位相部に対応して樹脂の溶融部乃至相
対的凹部11が形成され、逆位相部に対応して樹脂の非
溶融部乃至相対的凸部12が形成され、極めて特異な組
織乃至構造から成る易引き裂き部を軟包材の樹脂表面に
形成することが可能となる。このような干渉パターンを
樹脂表面に形成させることにより、加工後の樹脂の強靭
性の低下を有効に抑制することが可能となる。
【0015】例えば、ナイロン(15μm)/線状低密
度ポリエチレン(150μm)の積層フィルムに、通常
のスリット露光により、スコアに直角方向の降伏点強度
が2.5乃至3.1kgfとなるような加工を行った場
合、伸び(歪み)が10%以下に低下し、加工部の強靭
性(テナシティー)が大きく低下するが、本発明による
干渉パターン加工では、同様の降伏点強度となる加工
で、20%以上となる伸びを維持でき、加工部の強靭性
を2倍以上に保持することができる。
【0016】本発明では、この管状干渉光学系をスリッ
ターに対して特定の位置関係で組み合わせる。スリッタ
ーにおいては、少なくとも表面が熱可塑性樹脂から成る
幅広の軟包材のロールから、前記軟包材を引き出されて
連続的に供給され、端部がトリミングされ或いは所定幅
に切断された狭幅の軟包材が巻き取られる。本発明によ
れば、このスリッターによる切断線が最終容器の切断端
縁或いは位置決めの基準となるものであることに着目
し、このスリッターに対して、管状干渉光学系を、スリ
ッターでの切断に先立った位置或いは切断後の位置で、
しかも狭幅の軟包材の開口部となるべき切断予定線乃至
切断線から少なくとも一方の側、好適には両側に間隔を
おいて配置する。
【0017】こうすることにより、軟包材から形成され
る最終容器の形状及び寸法に合わせて、正確に位置決め
された状態で、易引き裂き部を安定にしかも確実に形成
させることが可能となると共に、スリット工程中で、易
引き裂き部の加工を同時に行えるという利点が奏される
ものである。
【0018】[軟包材の製造方法及び装置の概略]本発
明の製造方法に用いる装置(スリッター)の一例を示す
図7において、この装置は、軟包装材の原反ロール20
から軟包材21を巻き戻すアンワインダーロール22、
軟包材をスリットするためのオス刃ロール23とメス刃
ロール24との対から成るスリット部29、スリットさ
れた一方の狭幅の軟包材25を巻きとる第一のリワイン
ダーロール26及びスリットされた他方の狭幅の軟包材
27を巻きとる第二のリワインダーロール28から成
る。
【0019】スリット前の軟包材21及びスリットされ
た狭幅の軟包材25、27はメス刃ロール24に支持さ
れ、その周囲に巻き付けられた状態でスリット部29に
供給され、スリット操作が行われる。アンワインダーロ
ール22とメス刃ロール24との間で、スリット前の軟
包材21に張力を加えると共に、メス刃ロール24への
巻き付け角度を大きくするために、引っ張りロール30
が配置されている。また、メス刃ロール24と第一のリ
ワインダーロール26及び第二のリワインダーロール2
8との間にも、同様の目的で、引っ張りロール31が設
けられている。スリットされた一方の狭幅の軟包材25
は、ガイドロール32及びライディングロール33を経
て、第一のリワインダーロール26に巻きとられ、一
方、スリットされた他方の狭幅の軟包材27は、ライデ
ィングロール34を経て、第二のリワインダーロール2
8に巻きとられる。
【0020】本発明では、スリットするためのオス刃の
位置を基準として、レーザビーム40を発生させるため
のレーザ装置41、管状干渉光学系42及びレーザビー
ム40を管状干渉光学系42に集光させるためのレンズ
43を配置する。これらのレーザ照射系は、狭幅の軟包
材25、27の開口部となるべき切断予定線乃至切断線
から少なくとも一方の側に、好適には両側に間隔をおい
て配置される。これにより、管状干渉光学系42からの
点状の集合干渉パターンが、軟包材21の樹脂表面に走
査露光され、軟包材21の切断予定線乃至切断線の少な
くとも一方の側に且つ切断予定線乃至切断線に沿って、
図5及び図6に示す線状集合干渉パターン9から成る易
引き裂き部がスリットされた狭幅の軟包材25、27に
正確に位置決めされた状態で形成されることになる。
【0021】[軟包材]本発明において、包装袋等の器
壁を構成する軟包材としては、単層の樹脂フィルムも使
用しうるが、一般には、可撓性積層体、特に機械的強度
や耐熱性等を付与するための延伸プラスチックフィル
ム、ヒートシール性を与えるためのオレフィン樹脂、或
いは更に酸素等に対するガスバリアー性を付与するため
の金属箔乃至ガスバリアー性樹脂等が複数の組み合わせ
で、ラミネートの形で使用される。
【0022】延伸プラスチックフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレ
フタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル
フィルム:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合
体等のポリアミド(Ny)フィルム:プロピレン系重合
体フィルム(PP):ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩
化ビニリデンフィルム:エチレンビニルアルコール共重
合体フィルム(EVOH)等を挙げることができる。こ
れらのフィルムは、一軸延伸或いは二軸延伸のものでも
よい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至
40μmの範囲にあることが望ましい。
【0023】一方、ヒートシール性樹脂フィルムとして
は、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン(P
E)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超
低密度ポリエチレン(LVLDPE)、アイソタクティ
ックポリプロピレン(i−PP)、シンジオタクティッ
クポリプロピレン(s−PP)、プロピレン−エチレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマ
ー)、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグ
ラフト変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフィン系
樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポ
リアミド樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステ
ル乃至コポリエステル樹脂;の1種或いは2種以上の組
み合わせからなるものが使用される。これらのフィルム
は15乃至100μmの厚みを有するのがよい。
【0024】一方、ガスバリアー性を付与するために使
用される金属箔としては、各種表面処理鋼箔やアルミニ
ウム(Al)等の軽金属箔が使用される。表面処理鋼箔
としては、冷圧延鋼箔に、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッ
ケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面
処理の一種叉は二種以上行なったものや、最終圧延に先
立って前記メッキ処理を行い、次いで冷間圧延処理を行
って得られる表面処理鋼箔を用いることができる。軽金
属箔としては、所謂純アルミニウムの他にアルミニウム
合金箔が使用される。これらの金属箔は、厚さが150
μm以下、特に5乃至120μmのものを使用する。
【0025】ガスバリヤー性樹脂としては、低い酸素透
過係数を有し且つ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用され
る。ガスバリヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げる
ことができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モ
ル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99
モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケ
ン化物が使用される。このエチレン−ビニルアルコール
共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子
量を有するべきであり、一般に、フェノール:水の重量
比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して 0.01dL/
g 以上、特に0.05 dL/g 以上の粘度を有することが望ま
しい。
【0026】また、前記特性を有するガスバリヤー性樹
脂の他の例としては、炭素数100個当りのアミド基の
数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポリ
アミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナ
イロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン13、ヘキサメチレンテレフタラミド/イソフタラミ
ド共重合体、或いはこれらのブレンド物等が使用され
る。これらのポリアミドもフイルムを形成するに足る分
子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0g/dl の濃度で且
つ30℃の温度で測定した相対粘度(ηrel)が1.1 以
上、 特に1.5 以上であることが望ましい。
【0027】これらのガスバリアー性樹脂は、3乃至5
0μm、特に5乃至30μmの厚さで使用される。
【0028】積層体の適当な例は、内側から外側にかけ
ての層構成で、オレフィン系樹脂ヒートシール層/一軸
延伸ポリプロピレンフィルム、オレフィン系樹脂ヒート
シール層/二軸延伸ナイロンフィルム、オレフィン系樹
脂ヒートシール層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アルミ
ニウム箔/二軸延伸ポリプロピレンフィルム、オレフィ
ン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸ナ
イロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/ア
ルミニウム箔/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/エチレンビ
ニルアルコール共重合体/二軸延伸ポリエステルフィル
ムフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/非晶質
芳香族ポリアミド/二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/金属蒸
着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等であ
るが、この例に限定されない。例えば、最外層、或いは
最外層より下の層として、紙の層を設けることができ
る。
【0029】本発明に好適に使用される積層体の一例を
示す図8において、この積層体41は、表面から順に、
熱可塑性ポリエステル(PET)から成る外層42/金
属箔またはガスバリアー性樹脂から成る中間層43/オ
レフィン系樹脂のヒートシール用内層44の層構成を有
する。好適な積層体の他の例を示す図9において、この
積層体41は、熱可塑性ポリエステルから成る外層42
/ナイロンから成る第二の中間層45/金属箔またはガ
スバリアー性樹脂から成る第一の中間層43/オレフィ
ン系樹脂のヒートシール用内層44の層構成を有する。
【0030】ラミネート41の全体の厚みは、20乃至
200μm、特に30乃至150μmの範囲にあること
が好ましい。上記範囲より薄いと、破袋強度が低下する
と共に、厚さ方向に対する積層体の外表面層及び/また
は中間層の選択的な溶融弱化層の形成が困難となり、一
方、上記範囲よりも厚いと、袋しての可撓性が失われる
と共に、引き裂き性の付与が困難となる。
【0031】積層体の製造は、ドライラミネーション、
サンドイッチラミネーション、押出コート、共押出等の
それ自体公知の任意の手段で行うことができる。各層の
間に十分な接着性が得られない場合には、ウレタン系接
着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系樹脂接着
剤等の接着剤樹脂を用いることができる。
【0032】また、サンドイッチラミネーションに際し
ては、任意の樹脂をフィルム間或いはフィルムと樹脂被
覆金属箔の間に押し出すことにより行われ、また、押出
コートに際しては、任意の樹脂をフィルム或いは金属箔
の上に押し出すことにより行われる。押し出す樹脂とし
ては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフ
ィン共重合体(アイオノマー)、エチレン系不飽和カル
ボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン
樹脂等の変性オレフィン樹脂;比較的低融点乃至低軟化
点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂;比較的低融点乃
至低軟化点のポリエステル乃至コポリエステル樹脂;前
記した樹脂の1種乃至2種以上とおよびまたは公知の充
填剤とからなるブレンド樹脂;などが単層押出乃至共押
出されて使用される。押出樹脂層を施す表面には、ウレ
タン系、チタネート系等のアンカー剤を施しておくこと
ができる。
【0033】[レーザビーム及び管状干渉光学系]本発
明では、レーザビームを、管状干渉光学系(カライドス
コープ)を通して、点状の集合干渉パターンを形成さ
せ、これを軟包材に照射して、線状の干渉パターンから
成る易引き裂き部を形成させる。
【0034】本発明において、レーザビームとしては、
炭酸ガスレーザーが使用され、一般にその出力は、10
W乃至1.5KWの範囲にあるものが好適であるが、勿
論これに限定されない。
【0035】管状干渉光学系は、図1において既に説明
したとおり、金属製の管状体であり、中心付近に種々の
形状をした断面の穴が開いており、内面は反射率の高い
金メッキなどが施されているものである。レーザビーム
を集光レンズ、特にプラノコンベックッスレンズで集光
し、これを管状干渉光学系に入射させることにより、内
面で反射されたレーザ光の波長が整数倍ずれた部分では
光が重なり合い、半波長ずれた部分では光が打ち消しあ
って、各ピークがほぼ同じ高さの微細な干渉パターンが
形成される。
【0036】管状干渉光学系の穴の断面形状は、三角
形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、円形
或いは楕円形等であってよく、この断面形状に応じて、
点状乃至線状の集合干渉パターンの外郭形状が定まる。
【0037】即ち、カライドスコープの出口のレーザビ
ームは、空洞部の断面が四角形であると、図4に示され
るように、外郭形状が四角形で、各ドットが縦横に整列
した点状集合ビームとなる。また、空洞部の断面が円形
であると、外郭形状が円形で、各線が同心円状に整列し
た線状集合ビームとなる。更に、空洞部の断面が三角形
或いは六角形であると、外郭形状が三角形或いは六角形
で、各ドットが三角形或いは六角形の辺に平行に配列さ
れた点状集合ビームとなる。
【0038】カライドスコープからの点状乃至線状集合
ビームにおいて、それぞれの点乃至線の間隔と大きさ
は、カライドスコープ出口からの被加工材への距離(離
すほど間隔は広がり大きくなるが、強度は低下する)
や、断面の寸法、カライドスコープの長さにより変化す
る。
【0039】カライドスコープの空洞部の入り口の大き
さと出口の大きさを変えることも可能であり、これによ
り非常に大きな面積にわたって加工できる利点がある。
例えば、入り口が5mm×3mmの大きさで、出口が1
8mm×3mmの大きさであると、点状集合ビームの大
きさは約20mm×5mmの大きさになる。また、点状
集合ビームのパターンは、出口の長手方向に引き延ばさ
れた点状乃至線状の集合干渉パターンとなる。
【0040】本発明においては、点状乃至線状の集合干
渉パターンの点間或いは線間のピッチが0.02乃至5
mm、特に0.05乃至2mmの範囲にあることが好ま
しい。このピッチが上記範囲よりも小さいと、点状乃至
線状の集合干渉パターンに対応した干渉パターン加工が
困難となり、例えば表面樹脂の加熱がパターン状に行う
ことが困難となり、全体が均一に加熱される傾向とな
る。一方、上記範囲よりも大きいと、干渉パターンが荒
すぎて、加工の効果が得られなくなる傾向がある。
【0041】また、点状乃至線状の集合干渉パターンが
幅方向、即ち走査方向と直角方向に1mm以上、特に
1.5乃至10mmの寸法を有するものであることが好
ましい。即ち、本発明は一回のレーザ照射で比較的広い
面積の加工を行えることが利点であるが、上記範囲より
も寸法が小さいと、易引き裂き性と加工部における強靭
性とのバランスが崩れる傾向がある。
【0042】更に、軟包材の送り速度にも関連するが、
点状乃至線状の集合干渉パターンが単位面積(1c
2 )当たり3乃至40J、特に5乃至25Jに相当す
る入射エネルギーを有するものであることが好ましい。
入射エネルギーが上記範囲よりも小さいと、点状乃至線
状のビームが照射された位置でも、樹脂の溶融等の加工
パターンを形成させることが困難となる。一方、上記範
囲よりも大きいと、樹脂の劣化等の影響が大きくなる。
本発明では、外表面樹脂の溶融を生じるがその飛散を実
質的に生じない程度の加熱を行うことが可能となり、こ
れにより樹脂材料の損失を防止しつつ、またこの部分の
靭性の損失を過度に生じることなしに、易引き裂き性等
のための加工を行うことが可能となる。
【0043】[易引き裂き部の加工]本発明において
は、狭幅の軟包材の開口部となるべき切断予定線乃至切
断線から少なくとも一方の側に、好適には両側に間隔を
おいて、レーザビームが入射される管状干渉光学系を配
置して、点状の集合干渉パターンを軟包材の樹脂表面に
照射し、軟包材の切断予定線乃至切断線の少なくとも一
方の側、好適には両側に且つ切断予定線乃至切断線に沿
って易引き裂き部を形成させる限り、管状干渉光学系の
配置は任意のものであってよい。
【0044】この配置の一例を示す図10において、こ
の例は軟包材から、2丁取りを示すものであり、メス刃
ロール24に支持される軟包材22には、切断線50が
入れられるが、この切断線50で二分された狭幅の軟包
材25、27の中央部には、続いて加工を行う製袋機等
での切断予定線51がある。この具体例では、各軟包材
25(27)の切断予定線51に沿って、且つその両側
に管状干渉光学系42を、合計で4個配置する。このた
めに、レーザ装置41からのレーザビーム40をビーム
ベンダー44で90度折り曲げるとと共に、この折り曲
げられたビーム通路に約90度傾斜したビームスプリッ
ター45とビームベンダー44とを配置して、集光レン
ズ43を介して、各管状干渉光学系42にレーザビーム
を入射させる。かくして、この具体例においては、切断
予定線51の両側に小間隔をおいて図5及び図6に示す
ような構造の易引き裂き部52を形成させることができ
る。
【0045】図10に示す工程で製造される軟包材25
(27)からの製袋・充填・開封の流れを示す図11に
おいて、製袋工程中において、前述した帯状の軟包材
は、袋の表側と裏側とが切断予定線51を介して連結さ
れ、底辺54と側辺55とを備えたピースに切断され
る。この製袋工程では、底辺ヒートシール部56及び側
辺ヒートシール部57、57が形成され、切断予定線の
位置で切断による開口部58が形成され、且つこの開口
部から小間隔でこれに沿った易引き裂き部52を備えた
袋状容器59が形成される。この袋状容器59に内容物
を充填し、前記開口部にヒートシール部60を形成させ
ることにより、密封包装体が形成される。内容物を取り
出すときには、包装体の易引き裂き部52を手で引き裂
くことにより、開封が容易に行われる。この例の密封包
装袋は四方ヒートシール型と呼ばれるものである。
【0046】本発明は、勿論三方ヒートシール型の密封
包装袋にも適用することができる。この例を示す図12
において、各部材の構成及び配置は、次の点を除けば、
図10の場合と同様である。即ち、切断線50に小間隔
をおいて、易引き裂き部52が形成されている。狭幅の
軟包材25(27)の中心線51aは袋の折り返し部と
なる。勿論、この中心線51aの部分を切断して四方シ
ールの包装袋を形成させることもできる。
【0047】管状干渉光学系が有る程度のスペースをと
るため、これを切断予定線乃至切断線に近接して配置す
ることが困難となる場合をしばしば生じるが、この場合
にも、切断予定線乃至切断線の両側に、別の管状干渉光
学系を軟包材の供給方向に位置をずらして配置すること
により、これが可能となる。
【0048】この具体例を示す図13において、基本的
構成は図7及び図10と同様であるが、管状干渉光学系
42、42の軟包材に対する照射位置が軟包材21の供
給方向にずらされて設けられている点が、前記例と相違
している。
【0049】また、管状干渉光学系を一個のレーザビー
ム入射口と間隔をおいて分離した複数の干渉パターン出
口を有する管状干渉光学系とし、干渉パターン出口を切
断予定線乃至切断線の両側に配置することもでき、これ
により、切断予定線乃至切断線に近接して集合パターン
から成る易引き裂き部の形成が可能となる。
【0050】この態様を示す図14において、基本的構
成は図7及び図10と同様であるが、管状干渉光学系4
2が一個のレーザビーム入射口46と間隔をおいて分離
した複数の干渉パターン出口47、47とを有してお
り、複数の干渉パターン出口47、47を切断予定線5
1の両側に配置している。
【0051】更に、本発明では、管状干渉光学系を少な
くとも切断予定線乃至切断線を横切る方向に移動可能に
配置し、切断予定線乃至切断線からの距離が変化した易
引き裂き部を形成することもできる。
【0052】この態様を示す図15において、基本的構
成は図7及び図10と同様であるが、管状干渉光学系4
2、レンズ43及びビームベンダー44が可動フレーム
48に固定されており、このフレーム48がアクチュエ
ータ49により、切断予定線51を横切る方向に移動可
能となっている。かくして、アクチュエータ49が停止
しているときには、切断予定線51に平行な易引き裂き
部52が形成され、アクチュエータ49が作動すると、
切断予定線51に対して距離の変化した易引き裂き部5
2が形成される。
【0053】図15に示す工程で製造される軟包材25
(27)からの製袋・充填・開封の流れを示す図16に
おいて、製袋工程中において、前述した帯状の軟包材
は、袋の表側と裏側とが切断予定線51を介して連結さ
れ、底辺54と側辺55とを備えたピースに切断され
る。易引き裂き部52は中央部に切断予定線51に近接
した中央引き裂き予定部61と、切断予定線51から更
に離隔した側方引き裂き予定部62と、中央引き裂き予
定部61と側方引き裂き予定部62とを連結する傾斜引
き裂き予定部63とから成っている。この製袋工程で
は、底辺54同士がヒートシールされて底辺ヒートシー
ル部56が形成され、側辺55同士がヒートシールされ
て側辺ヒートシール部57、57が形成され、切断予定
線の位置で切断による開口部58が形成されている。こ
の開口部58から前述した位置関係で設けられた易引き
裂き部52を備えた袋状容器59が形成される。この袋
状容器59に内容物を充填し、前記開口部にヒートシー
ル部60を形成させることにより、密封包装体が形成さ
れる。このヒートシール部60は、前記中央引き裂き予
定部61の部分では開口部端縁からこれに到達しないよ
うに狭い幅に形成されており、一方前記側方引き裂き予
定部62の部分では開口部端縁からこれを越えるように
広い幅に形成されている。内容物を取り出すときには、
包装体の易引き裂き部52を、側方引き裂き予定部6
2、傾斜引き裂き予定部63、中央引き裂き予定部6
1、傾斜引き裂き予定部63及び側方引き裂き予定部6
2の順に、手で引き裂くことにより、開封が容易に行わ
れ、中央引き裂き予定部61の部分はヒートシールが行
われていないので、ノズル型の開口部64が形成され
る。
【0054】
【実施例】本発明を次の例で更に具体的に説明する。
【0055】実施例1 図7および図10において原反ロールは幅が1040m
mである、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
と、厚さ130μmの線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)フィルムを、ウレタン系のアンカー剤を介してラ
ミネートした積層フィルムを使用した。原反の巻出し速
度は40m/minであり、原反は2丁取りした。レー
ザ装置41は炭酸ガスレーザで波長は10.6μmであ
り、出力が1200Wのものを使用した。集光レンズ4
3は焦点距離が2.5インチであり、口径は1インチの
ものを使用した。管状干渉光学系であるカライドスコー
プ42はアルミニウム製で空洞部の入り口出口は3mm
×3mmの矩形であり、内面が金メッキされた長さ13
8mmのものを使用した。カライドスコープとフィルム
との距離は6mmに調整した。レーザ装置から出射され
たレーザビームをベントミラー44によりフィルムを横
断する方向に曲げ、3個のビームスプリッター45によ
りレーザ強度を4等分した。それぞれのビームスプリッ
ターはレーザ装置の手前から3/4透過し、次のものは
2/3透過し、さらに次のものは1/2透過するように
設計した。分割されたレーザビームはそれぞれ集光レン
ズ43を介してカライドスコープ42を通して点状集合
ビームにして積層フィルムに照射した。原反送り出し時
のレーザ出力は800Wであり、分割されたそれぞれの
レーザ出力は200Wであった。以上の工程を経て易開
封加工線が4本入れられた原反を通常の製袋機により、
図11に示すような3方シールパウチ(洗剤詰め替え用
パウチ)を製造した。易開封加工線は開口側から14m
mの位置にあり、幅2.8mmの直線状に入っていた。
この場合パウチの表裏の易開封加工線のずれは0.8m
m程度であった。このパウチに液状洗剤を500ml充
填後密封し、温度5℃で1.2mの高さから水平落下お
よび倒立落下各10回を繰り返し行ったが、洗剤の漏洩
はなかった。また、易開封加工線に沿って手で容易に開
封することができた。パウチの表裏の易開封加工線のず
れは加工線の幅が広いので支障無かった。
【0056】実施例2 図7および図12において原反ロールは幅が680mm
である厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム、厚さ7μmのアルミニウム
箔、厚さ70μmのポリプロピレンフィルムを各層間に
ウレタン系のアンカー剤を介してラミネートした積層フ
ィルムを使用した。原反の巻出し速度は40m/min
であり、原反は2丁取りした。レーザ装置41は炭酸ガ
スレーザで波長は10.6μmであり、出力が1200
Wのものを使用した。集光レンズ43は焦点距離が2.
5インチであり、口径は1インチのものを使用した。管
状干渉光学系であるカライドスコープ42はアルミニウ
ム製で空洞部の入り口出口は3mm×3mmの矩形であ
り、内面が金メッキされた長さ138mmのものを使用
した。カライドスコープとフィルムとの距離は6mmに
調整した。レーザ装置から出射されたレーザビームを3
個のビームスプリッター45によりレーザ強度を4等分
した。それぞれのビームスプリッターはレーザ装置の手
前から3/4透過し、次のものは2/3透過し、さらに
次のものは1/2透過するように設計した。分割された
レーザビームはそれぞれ集光レンズ43を介してカライ
ドスコープ42を通して点状集合ビームにして積層フィ
ルムに照射した。原反送り出し時のレーザ出力は960
Wであり、分割されたそれぞれのレーザ出力は240W
であった。以上の工程を経て易開封加工線が4本入れら
れた原反を通常の製袋機により、図11に示すような3
方シールレトルトパウチを製造した。ただし、易開封加
工線は底シール部から20mmの位置にあり、幅2.8
mmの直線状に入っていた。この場合パウチの表裏の易
開封加工線のずれは0.8mm程度であった。このパウ
チに調理食品を160g充填後密封したが、内容物の保
存性が良好で落下強度にも優れ、また手で容易に開封す
ることができた。
【0057】実施例3 図12および図13において原反ロールは幅が1040
mmである、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
と、厚さ130μmの線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)フィルムを、ウレタン系のアンカー剤を介してラ
ミネートした積層フィルムを使用した。原反の巻出し速
度は40m/minであり、原反は2丁取りした。2つ
のレーザ装置41は炭酸ガスレーザで波長は10.6μ
mであり、出力が500Wのものを使用した。集光レン
ズ43は焦点距離が2.5インチであり、口径は1イン
チのものを使用した。管状干渉光学系であるカライドス
コープ42はアルミニウム製で空洞部の入り口出口は3
mm×3mmの矩形であり、内面が金メッキされた長さ
138mmのものを使用した。カライドスコープとフィ
ルムとの距離は6mmに調整した。図13の上側のレー
ザ装置から出射されたレーザビームを1個のビームスプ
リッター45によりレーザ強度を2分割し、図12の上
側の集光レンズとカライドスコープへレーザビームを導
いた。ビームスプリッターはレーザ出力を1/2透過す
るように設計した。図13の下側のレーザ装置から出射
されたレーザビームを1個のビームスプリッター45に
よりレーザ強度を2等分し、図12の下側の集光レンズ
とカライドスコープへレーザビームを導いた。ビームス
プリッターはレーザ出力を1/2透過するように設計し
た。それぞれのレーザビームはそれぞれ集光レンズ43
を介してカライドスコープ42を通して点状集合ビーム
にして積層フィルムに照射した。原反送り出し時の2つ
のレーザ出力は400Wであり、分割されたそれぞれの
レーザ出力は200Wであった。以上の工程を経て易開
封加工線が4本入れられた原反を通常の製袋機により、
図11に示すような3方シールパウチ(洗剤詰め替え用
パウチ)を製造した。易開封加工線は開口側から14m
mの位置にあり、幅2.8mmの直線状に入っていた。
この場合パウチの表裏の易開封加工線のずれは0.8m
m程度であった。このパウチに液状洗剤を500ml充
填後密封し、温度5℃で1.2mの高さから水平落下お
よび倒立落下各10回を繰り返し行ったが、洗剤の漏洩
はなかった。また、易開封加工線に沿って手で容易に開
封することができた。パウチの表裏の易開封加工線のず
れは加工線の幅が広いので支障無かった。
【0058】実施例4 図13および図15において原反ロールは幅が1040
mmである、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
と、厚さ130μmの線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)フィルムを、ウレタン系のアンカー剤を介してラ
ミネートした積層フィルムを使用した。原反の巻出し速
度は40m/minであり、原反は2丁取りした。レー
ザ装置41は炭酸ガスレーザで波長は10.6μmであ
り、出力が500Wのものを使用した。集光レンズ43
は焦点距離が2.5インチであり、口径は1インチのも
のを使用した。管状干渉光学系であるカライドスコープ
42はアルミニウム製で空洞部の入り口出口は3mm×
3mmの矩形であり、内面が金メッキされた長さ138
mmのものを使用した。カライドスコープとフィルムと
の距離は6mmに調整した。レーザ装置から出射された
レーザビームをベントミラー44により直角に曲げ、集
光レンズ43を介してカライドスコープ42を通して点
状集合ビームにして積層フィルムに照射した。ベントミ
ラー44、集光レンズ43、カライドスコープ42はフ
レーム48で一体化されていて、フィルムを横断する方
向に可動可能なアクチュエーターに固定した。後にパウ
チの中間となる部位に同期してアクチュエーターを移動
して図15中に示すような凸型の易開封線を加工した。
他の3本の易開封加工線も同様にして行った。ただし、
アクチュエーター移動はフィルム横断方向位置が一致す
るよう制御された。レーザ出力は通常は200Wであっ
たが、アクチュエーターが移動するときのレーザ出力は
300Wであった。以上の工程を経て易開封加工線が4
本入れられた原反を通常の製袋機により、図16に示す
ような3方シールパウチ(洗剤詰め替え用パウチ)を製
造した。易開封加工線の62は開口部から30mmの位
置にあり、61は開口部から10mmの位置にあり、長
さは30mmであり、傾斜部63は45度で形成され
た。易開封加工線の幅は2.8mmであった。この場合
パウチの表裏の易開封加工線のずれは0.8mm程度で
あった。このパウチに液状洗剤を500ml充填後密封
し、温度5℃で1.2mの高さから水平落下および倒立
落下各10回を繰り返し行ったが、洗剤の漏洩はなかっ
た。また、易開封加工線に沿って手で容易に開封するこ
とができ、開封後のパウチには61、62、63部分で
ノズル状に突出した洗剤注出口が形成されるので、簡単
に詰め替え用容器の口部内に注出口を挿入でき、洗剤を
こぼさずに移し替えることができた。また、パウチの表
裏の易開封加工線のずれは加工線の幅が広いので支障無
かった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、レーザビームを管状干
渉光学系に入射して、点状乃至線状の集合干渉パターン
を形成させ、この点状乃至線状の集合干渉パターンを軟
包材の樹脂表面に照射して易引き裂き部を形成するこ
と、及びこの管状干渉光学系をスリッターに特定の位置
関係では位置して、軟包材の切断予定線乃至切断線の少
なくとも一方の側、好適には両側に且つ切断予定線乃至
切断線に沿って易引き裂き部を形成することにより、軟
包材から形成される最終容器の形状及び寸法に合わせ
て、正確に位置決めされた状態で、高分子の劣化が少な
く、しかも引き裂き性に優れた易引き裂き部を安定にし
かも確実に形成させることが可能となり、しかもスリッ
トと易引き裂き部の形成とが一工程で行えるという利点
も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】管状干渉光学系による干渉パターンの生成原理
を説明する説明図である。
【図2】従来のレーザビーム照射の方法を示す説明図で
ある。
【図3】図2におけるレーザビームのエネルギー分布を
示すグラフである。
【図4】四角形の入口と出口とを有するカライドスコー
プを使用した場合の点状集合ビームを説明するための説
明図である。
【図5】図4の点状集合ビームを操作させて得られる線
状集合ビームを説明するための説明図である。
【図6】図4或いは図5の集合ビームの照射により形成
される軟包材の樹脂表面の構造を説明する断面図であ
る。
【図7】本発明の製造方法に用いる装置(スリッター)
の一例を示す側面図である。
【図8】本発明に用いる軟包材の断面構造の一例を示す
断面図である。
【図9】本発明に用いる軟包材の断面構造の他の例を示
す断面図である。
【図10】管状干渉光学系の配置の一例を示す上面図で
ある。
【図11】図10に示す工程で製造される軟包材からの
製袋・充填・開封の流れを示す説明図である。
【図12】管状干渉光学系の配置の他の例を示す上面図
である。
【図13】管状干渉光学系の配置の更に他の例を示す側
面図である。
【図14】二股の管状干渉光学系の配置の例を示す上面
図である。
【図15】可動型の管状干渉光学系の配置の例を示す上
面図である。
【図16】図15に示す工程で製造される軟包材からの
製袋・充填・開封の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザビーム 2 集光レンズ 3 管状干渉光学系 4 穴 5 内面 6 干渉パターン 7 被加工材 8 集合干渉パターン 9 集合干渉パターン 10 表面樹脂層 11 溶融部乃至相対的凹部 12 非溶融部乃至相対的凸部 20 原反ロール 21 軟包材 22 アンワインダーロール 23 オス刃ロール 24 メス刃ロール 24a 垂直ローラー 25 軟包材 26 リワインダーロール 27 軟包材 28 リワインダーロール 29 スリット部 30 引っ張りロール 31 引っ張りロール 32 ガイドロール 33 ライディングロール 34 ライディングロール 40 レーザビーム 41 レーザ装置 42 管状干渉光学系 43 レンズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が熱可塑性樹脂から成る
    幅広の軟包材のロールから前記軟包材を引き出して、ス
    リッターに連続的に供給し、端部がトリミングされ或い
    は所定幅に切断された狭幅の軟包材を巻き取ることから
    成る軟包材の製造方法において、スリッターでの切断に
    先立って或いは切断後に、狭幅の軟包材の開口部となる
    べき切断予定線乃至切断線から少なくとも一方の側に間
    隔をおいて、レーザビームが入射される管状干渉光学系
    を配置して、点状の集合干渉パターンを軟包材の樹脂表
    面に照射し、軟包材の切断予定線乃至切断線の少なくと
    も一方の側に且つ切断予定線乃至切断線に沿って易引き
    裂き部を形成させることを特徴とする易引き裂き部を有
    する軟包材の製造方法。
  2. 【請求項2】 切断予定線乃至切断線の両側に、別の管
    状干渉光学系を軟包材の供給方向に位置をずらして配置
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 管状干渉光学系が一個のレーザビーム入
    射口と間隔をおいて分離した複数の干渉パターン出口を
    有する管状干渉光学系であり、干渉パターン出口を切断
    予定線乃至切断線の両側に配置する請求項1記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 管状干渉光学系が少なくとも切断予定線
    乃至切断線を横切る方向に移動可能に配置されており、
    切断予定線乃至切断線からの距離が変化した易引き裂き
    部が形成される請求項1または2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001171017A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Daisan Shigyo Kk 軟包装資材の加工機械、および、包装体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001171017A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Daisan Shigyo Kk 軟包装資材の加工機械、および、包装体

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