JP2003034345A - 金属製キャップのライナー - Google Patents

金属製キャップのライナー

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JP2003034345A
JP2003034345A JP2001222317A JP2001222317A JP2003034345A JP 2003034345 A JP2003034345 A JP 2003034345A JP 2001222317 A JP2001222317 A JP 2001222317A JP 2001222317 A JP2001222317 A JP 2001222317A JP 2003034345 A JP2003034345 A JP 2003034345A
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liner
cap
container
annular groove
outer end
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Toshio Yamamoto
利夫 山本
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Daiwa Can Co Ltd
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Daiwa Can Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉性や開蓋性が良好であるとともに、十分
な耐衝撃性を備えた金属製キャップのライナーを提供す
る。 【解決手段】 容器を密封する金属製キャップ1に内装
され、前記容器の容器口3の頂面31に圧接する頂部2
1と容器口3の頂側面32に圧接する外端部23とを有
し、キャップ1と容器口3との間に介在して、容器の容
器口3に密着する金属製キャップ1のライナー2におい
て、前記ライナー2が、塩化ビニル樹脂を含有していな
い合成樹脂を用いて形成されるとともに、前記容器口3
により圧接変形されるライナー2の頂部21と外端部2
3とを互いに無干渉な変形が可能に分離区画する環状溝
22を前記ライナー2に設け、前記環状溝22の横断面
形状が、開口側に広がった形状に形成されるとともに、
環状溝22の深さが、環状溝22を設けたライナー部位
の厚みの半分以上とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウムな
どの金属製のキャップに設けたライナーに関し、特に塩
化ビニル樹脂を含有させずキャップの密閉性を改善した
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、容器の開口部を密封する蓋部材
として、アルミニウム合金等の薄板を成形加工した金属
製キャップに、キャップと容器の開口部との密着性を確
保するライナーを設けたものが知られている。
【0003】このような金属製キャップのライナーは、
キャップを容器に装着すると、容器口の頂面から頂側面
を覆うように、キャップの環状頂壁の内側に設けられて
いる。また、このライナーの形成法として、キャップの
環状頂壁の内側にプラスチゾルを塗布し、加熱して、発
泡させる方法が行われており、ライナーを発泡させた構
造により、ライナー自体の柔軟性を高めて、ライナーの
容器口への密着性を向上させ、キャップの蓋部材として
の密閉性を十分に確保するようにしていた。
【0004】このプラスチゾルとしては、クッション性
に優れた発泡性軟質塩化ビニル樹脂が最も好適として、
多用されていた。
【0005】しかしながら、塩化ビニル樹脂は、破棄処
分のために焼却処理をすると、塩化水素を発生させて化
学的に焼却炉を損傷させる不都合がある。また、焼却す
る際に高温処理を行わないと、人体に有害なダイオキシ
ンが発生する不都合がある。さらに、塩化ビニル樹脂
は、フタル酸エステル等の生物体内のホルモン・バラン
スを撹乱する環境ホルモン物質を含んでおり、無害化す
るまでには、慎重な管理が必要とされている。
【0006】そこで、近年、塩化ビニルを使用したプラ
スチゾル・ライナーの代替品として、スチレン系、オレ
フィン系、エステル系熱可塑性エラストマーと、ポリオ
レフィン系樹脂やポリエステル系樹脂とを適宜、ブレン
ドして製造される熱可塑性樹脂製のライナーが注目さ
れ、開発が推進されている。
【0007】これらの熱可塑性樹脂製ライナーは、キャ
ップの内側に、熱可塑性樹脂を熔融状態で押し出し若し
くは射出し、次に、先端に型が形成されたパンチを押し
付けて、所定のライナー形状に成形するモールド・ライ
ニング法や、キャップの内側を金型で覆って、該キャッ
プと金型の間に熱可塑性樹脂を射出成形する方法を用い
て、キャップ内に設置されている。
【0008】このように熱可塑性樹脂製ライナーを備え
た金属製キャップを、容器の口に装着するには、キャッ
プを容器口に被せた後、まず、キャップを容器側に押圧
することにより、容器口の頂面にキャップのライナー頂
部を圧接させるとともに、容器口の頂面から側面に至る
までの間の容器口の頂側面に、ライナーの外端部を押し
潰しながら圧接させ、キャップのライナーを容器口に密
着させて、容器口を密閉し、最後に、キャップのスカー
ト壁の下端付近を容器口に係合させて、キャップの容器
口からの離脱を防止させることにより行なわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たキャップに用いられる熱可塑性樹脂製ライナーは、そ
の熱可塑性樹脂が有する化学的な性質から、塩化ビニル
プラスチゾルライナーのように、発泡を含んだ構造にで
きないので、キャップによる容器の密封が不良になりや
すいという不都合が生じていた。
【0010】すなわち、熱可塑性樹脂製ライナー付のキ
ャップは、発泡構造を含んでいないので、外力を受けた
部分でのライナーの変形が難しい。したがって、キャッ
プを容器口に装着した場合、容器口の頂側面に圧接する
ライナーの外端部が、容器口の頂面に圧接したライナー
の頂部の変形の影響を受けてしまい、外端部の容器口へ
の密着性が不良になり、また、逆に、外端部が外力によ
り変形すると、外端部の変形がライナーの頂部に影響を
与え、ライナーの頂部の容器口への密着性が不良にな
る。この結果、一方の変形の影響が他方に伝達されるの
で、全体としてのライナーと容器口との密着が不良とな
り、キャップによる容器の密封性が低下してしまう。
【0011】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、塩化ビニルを含有しない熱可塑性樹脂製
ライナーにおいて、密閉性や開蓋性が良好であるととも
に、十分な耐衝撃性を備えた金属製キャップのライナー
を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】請求項1
の発明は、容器を密封する金属製キャップに内装され、
前記容器の容器口の頂面に圧接する頂部と容器口の頂側
面に圧接する外端部とを有し、キャップと容器口との間
に介在して、容器の容器口に密着する金属製キャップの
ライナーにおいて、前記ライナーが、塩化ビニル樹脂を
含有していない合成樹脂を用いて形成されるとともに、
前記容器口により圧接変形されるライナーの頂部と外端
部とを互いに無干渉な変形が可能に分離区画する環状溝
を前記ライナーに設けたことを特徴とするものである。
【0013】請求項1の発明によれば、ライナーの頂部
と外端部との間に周状の環状溝を設けたことにより、キ
ャップを容器口に被せて、キャップを容器口側に押し付
けると、環状溝が支点となって、外端部の全体をスムー
スかつ均等に、容器口の頂側面に沿わせて押し広げるこ
とができる。すなわち、うねりが生じたように、外端部
が適切に広がった部分と、不充分に広がらなかった部分
が混在することが無くなる。この結果、ライナーの外端
部の側壁面が容器口の頂側面に均一化して密着され、ラ
イナーの外端部と容器口の頂側面とが、その周方向全域
の接触面に亘って十分な密着性が確保できる。
【0014】また、頂部と外端部との間に設けた環状溝
により、頂部と外端部の変形が互いに影響を及ぼし合う
ことが無く、それぞれ独立して行なえるので、各部の変
形による良好な密封を二箇所で生起させて、2つの密封
を互いに干渉させることなく、独立して保持することが
できる。
【0015】さらに、キャップの円板壁や環状頂壁に、
キャップ外部から衝撃力が加わった場合にも、ライナー
の頂部と外端部はそれぞれ独立して変形できるので、ど
ちらかの一方の部分で、容器の密封を保持することがで
きる。
【0016】またさらに、環状溝を設けたことにより、
その対面した容器口の頂面及び頂側面の領域に連続して
接触せずに、頂面と頂側面とに個別に接触するので、開
蓋する複数の段階手順で片方ずつ分離して、開蓋できる
ので、開蓋力が低下される。
【0017】請求項2の発明は、前記環状溝の横断面形
状が、開口側に広がった形状に形成されるとともに、環
状溝の深さが、環状溝を設けたライナー部位の厚みの半
分以上であることを特徴とするものである。
【0018】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、環状溝の垂直断面形状が開
口部の広がった形をしており、環状溝の深さが頂部の厚
さの半分以上に達しているので、頂部と外端部の変形が
互いに影響を及ぼすこと無く、それぞれ独立して行える
ので、各部の変形による良好な密封を二箇所で生起でき
るとともに、2つの密封を互いに干渉させることなく、
独立して保持することができる。
【0019】さらに、比較的に大きな環状溝を設けてい
ることにより、外力などによりキャップに大きな変形が
起きた場合でも、環状溝の空隙が縮小することで、変形
の影響の大部分を柔軟に吸収することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体例を、図面
を参照して説明する。この発明の金属製キャップのライ
ナーは、プルアップ型のキャップに用いた例を説明し、
図1は、プルアップキャップ1(以降、キャップと呼称
する)を示す平面図、図2は、キャップ1を示す正面
図、図3は、キャップ1を示す側面図である。なお、こ
のキャップ1は、その密閉する対象をガラス製のコップ
型容器(図示せず)とした例を説明していく。
【0021】このキャップ1は、板厚が0.2mmのア
ルミニウム合金板をプレス成形して形成され、所定径の
円板状の円板壁11と、この円板壁11の周縁に連続し
た傾斜壁12と、傾斜壁12の周縁に連続した環状頂壁
13と、環状頂壁13の周縁に連続したスカート壁14
と、スカート壁14の一部から突出して形成されたタブ
16とを備えている。
【0022】円板壁11は、容器の開口内径とほぼ同一
な径を有した円板形状に形成され、その周縁に円板壁1
1の面から図中の上方に僅かに傾斜した傾斜壁12が連
続して形成され、傾斜壁12によって円板壁11の周囲
を保持することにより、円板壁11がその面に直交する
方向に変形可能に設けられている。したがって、内容物
を充填した容器にキャップ1が装着された後には、殺菌
の為に加温した場合や、容器に衝撃が加わった場合に、
円板壁11が変形することにより、加温によって変化し
た内圧力や、外部からの衝撃力を吸収できるようにして
いる。
【0023】また、スカート壁14の一部から、大径リ
ング状のタブ16が外方に延在させて設けられ、このタ
ブ16に、使用者が指を掛けて引くことにより、タブ1
6が接続されたキャップ1を、後述する容器の容器口3
から容易に引き離せるように、つまり容易に開蓋できる
ようにしている。
【0024】また、タブ16のスカート壁14との接続
箇所の巾方向両側から出発してスカート壁14を上昇
し、頂壁13とスカート壁14との間を通って、タブ1
6の反対側のスカート壁14を下降して、スカート壁1
4の中央まで至る凹部であるスコアー15が、キャップ
1の内側から設けられている。
【0025】上記キャップ1に設けられたライナー2
は、図4に主要部を示すように、ライナー2のキャップ
1に接触する部分が、キャップ1の内面形状に沿って形
成され、ライナー2にキャップ1が固着されている。
【0026】このライナー2は、その素材の組成が、ポ
リプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ゴム状軟化
剤としてスチレン系エラストマー、分散助剤としてパラ
フィン系オイルをブレンドした組成を有し、素材自体に
所定の弾性復帰性を有している。
【0027】また、ライナー2をキャップ1に設置して
形成する手法としては、上記組成の樹脂素材をキャップ
1内に配置し、所定の型で押圧成形することにより、所
定形状のライナーに形成する方法が挙げられる。
【0028】具体的には、その上下面を逆にして固定設
置したキャップ1の円板壁11上に、上記の組成を有し
た樹脂素材を押出し機もしくは射出機により所定量押し
出し、次に、所定の型を有したパンチを用いて、円板壁
11上の樹脂素材をスコアー15の径内に押し広げるこ
とにより、ライナー2の形状に型押して、形成してい
る。
【0029】また、ライナー2は、キャップ1の円板壁
11の内周面側に接触し、中心から外方に向かうに伴い
僅かに厚くなるように形成された中央部24を備え、上
記の樹脂素材を型押し成形する際に、樹脂素材が確実か
つ良好に外方に向かって流れるようにし、外方に配置さ
れた各部に樹脂素材が行き渡らせ、各部が確実かつ良好
に成形できるようにしている。
【0030】すなわち、中央部24に続いて、キャップ
1の傾斜壁12に沿う傾斜部25が形成され、この傾斜
部25に続いて、キャップ1の環状頂壁13の内側に、
平坦な内面を備えた頂部21が形成されている。この頂
部21は、容器の容器口3が接触し、容器口3が頂部2
1を押圧したときに、頂部21が十分に弾性変形できる
ように、所定の厚さを備えて形成されている。
【0031】頂部21の外周側には、横断面形状が開口
部の広がったU字形の環状溝22が設けられ、環状溝2
2の深さは、上記成形の制約が可能とする限り、深い設
定とされている。すなわち、外端部23の成形の際に
は、頂部21から環状溝22に至るライナー2の部分
は、押圧成形具とキャップ2により最も狭められた部分
となっているので、この部分を樹脂素材が通過して、外
端部23に樹脂素材が流れ込める最大深さとされ、環状
溝22に深さが頂部21の厚さの半分よりも深く形成さ
れている。
【0032】また、環状溝22の内側の壁は、図中の垂
直方向に対して、約30度だけ傾斜するように設けら
れ、環状溝22がその開口側に向けて広がるようにして
いるとともに、環状溝22の底部は、その横断面形状が
円弧状に形成されている。
【0033】環状溝22の外周端は、略円筒形の外端部
23に連続され、外端部23の内周側の壁面は、成形時
の成形治具の型抜けと、外端部23自体の成形を促進す
るために、僅かに外方に広がったテーパー面に形成され
ている。また、外端部23の外周側の壁面は、キャップ
1のスコアー15の僅かに内側に接触するように、鉛直
に垂下する円筒形の外面に形成されている。
【0034】上記ライナー2を有したキャップ1が封止
する容器は、ガラス製のコップ型で、例えば清酒等を充
填して販売されるのに用いられており、その容器口3
は、図4と図5にその断面を示すように、円弧状に形成
され膨張して形成された頂面31と、頂面31に続く円
弧状の頂側面32と、頂側面32に続く側面33と、側
面33から容器の内周側へ絞り込まれた係止面34とを
備えている。
【0035】そして、この容器にキャップ1を装着する
には、まず、容器に内容物を充填後、キャッパー(図示
せず)でキャップ1を容器口3に被せて押し込むと、ス
カート壁14の内面が側面33の外面と摺接して、キャ
ップ1が容器口3の外周にはまり込んで行く。このよう
に、キャップ1を容器口3に被せて行くと、ライナー2
の外端部23の下端が容器口3の頂側面32に当接し、
環状溝22を支点に外端部23が外方に広がって行き、
最終的に、図5に示すように、外端部23がスカート壁
14と頂側面32との間で圧縮され、頂面31がライナ
ー2の頂部21に僅かに食い込んだ状態で、キャップ1
が容器に仮止めされる。
【0036】そして、キャッパーが有した爪部(図示せ
ず)が、スカート壁14の下端側を周囲から押圧して絞
り込むことにより、スカート壁14の下端部を係止面3
4に係合させて、キャップ1を容器口3に固定させ、キ
ャップ1により、容器の開口が密封される。
【0037】したがって、このように構成されたライナ
ー2によれば、頂部21と外端部23との間に環状溝2
2を設けたことにより、キャップ1を容器口3に被せ
て、キャップ1を容器口3側に押し付けると、環状溝2
2が支点となって、外端部23の全体をスムースかつ均
等に、容器口3の頂側面32に沿わせて押し広げること
ができる。すなわち、うねりが生じたように、外端部2
3が適切に広がった部分と、不充分に広がらなかった部
分が混在することが無くなる。この結果、ライナー2の
外端部23の側壁面が容器口3の頂側面32に均一化し
て密着され、ライナー2の外端部23と容器口3の頂側
面32とが、その周方向全域の接触面に亘って十分な密
着性が確保され、キャップ1として良好な密封性を得る
ことができる。
【0038】また、頂部21と外端部23との間に設け
た環状溝22により、頂部21と外端部23の変形が、
互いに影響を及ぼし合うことが無く、それぞれ独立して
行なえるので、各部の変形による良好な密封を二箇所で
生起させて、2つの密封を互いに干渉させることなく、
独立して保持することができる。
【0039】さらに、比較的に大きな環状溝22を設け
ていることにより、外力などによりキャップに大きな変
形が起きた場合でも、環状溝22の空隙が縮小すること
で、変形の影響の大部分を柔軟に吸収することが可能と
なる。
【0040】また、ライナー2の成形の際に、樹脂を目
標値よりも多目に供給しているため、外端部23の体積
が、樹脂の過剰供給による押出し過ぎで大きくなった場
合でも、環状溝22が、その余分な体積部分だけ縮小し
て変形することができる。したがって、体積が大きい成
形不良の外端部23を有したライナー2付のキャップ1
を容器口3に装着させる場合でも、キャップ1のスコア
ー15が、ライナー2の外端部23の体積が大きくなっ
た分増大した外端部23の反発力で破断してしまうこと
が未然に回避できる。
【0041】また、キャップ1の円板壁11や環状頂壁
13に、キャップ1外部から衝撃力が加わった場合に
も、ライナー2の頂部21と外端部23はそれぞれ独立
して変形できるので、どちらかの一方の部分で、容器の
密封を保持することができる。
【0042】なお、ライナーの成形法の制約から、本例
のライナー2を、キャップ1の構成に応じた中央部24
と傾斜部25とを有したライナー2の例を用いて説明し
たが、これに限らず、キャップ1の傾斜壁12と環状頂
壁13とスカート壁14の内側だけにライナー2を形成
させる成形法を採用し、頂部21と環状溝22と外端部
23とから構成されたライナー2としても良い。
【0043】次に、本実施形態の構成による効果を実証
するために、ポリオレフィン系樹脂を使用した本実施形
態のライナーを備えたアルミニウム製プルアップキャッ
プと、環状溝を備えていない塩化ビニルプラスチゾル製
のライナーを備えた従来のアルミニウム製プルアップキ
ャップとの性能を比較試験した結果を以下に説明する。
【0044】すなわち、本実施形態のライナーを備えた
キャップを装着した容器と、従来の塩化ビニルプラスチ
ゾル製ライナーを備えたキャップを装着した容器(以
降、従来容器と呼称する)とを用意し、同一条件で試験
して、得られた結果から、キャップの性能を比較するこ
とにした。
【0045】なお、キャップを装着する容器としては、
ガラス製で、その直径が約56mmのコップ形状の容器
を用いた。また、この容器に、70℃の温水を180cc
充填してから、各キャップを装着し、水冷した状態か
ら、試験を開始した。
【0046】これらの試料を対象として、まず、単体倒
立落下試験を行なって、落下衝撃に対する性能を比較し
た。
【0047】単体倒立落下試験は、キャップに衝撃を受
けても、キャップの機能である内部の充填物を保護また
は保持する密閉性をどの程度維持できるかを測定する試
験である。具体的には、30,40,50cmの高さか
ら、15度の傾斜を設けた鉄板上に対して、キャップの
タブの付いていない側の環状頂壁のコーナーから接触す
るような姿勢で、試料を自然落下させて鉄板に衝突さ
せ、落下させた一日後の試料の容器内の真空度を、適宜
方法で測定したものである。また、試料の容器は、温水
を充填してから三日経過したものを使い、かつ、室温が
20℃前後の室内に貯蔵され、同室で落下試験され、経
時貯蔵したものである。
【表1】
【0048】この単体倒立落下試験によって、落下衝撃
に対する試料の性能が判明するが、表1に示される試験
結果から、本発明のライナーを備えたキャップの耐衝撃
性能と、従来のライナーを備えたキャップの耐衝撃性能
とは、同水準に有ることが解かる。
【0049】すなわち、単体倒立落下試験を行なった従
来のライナー付キャップが装着された従来容器内の真空
度と、同じ試験を行なった本実施形態のライナー付キャ
ップが装着された容器の真空度とは、ほとんど差がない
結果が得られた。
【0050】さらに、これらの容器と従来容器との開蓋
性能を、開蓋力試験を行なって比較した。
【0051】この開蓋力試験は、3つの段階から構成さ
れ、その第一段階は、引張り速度を100mm/秒に設
定して、タブを水平方向に引張ることにより、スカート
壁に設けられているスコアーを破断するものであり、第
二段階は、その次に、タブを垂直方向に引張ることによ
り、スカート壁と環状頂壁との間に位置するスコアーを
破断するものであり、第三段階は、最後に、タブを垂直
方向に引張り続けることにより、タブの反対側のスカー
ト壁のスコアーを破断して、容器口からキャップを取り
除くものであり、各段階を実施するのに必要な引張り力
の最大値を、各試料毎に計測したものである。また、試
料の容器は、温水の充填後に、三日間20℃前後の室温
で貯蔵したものを用い、開蓋力試験も同一の室温で行っ
た。なお、これらの各段階は、表2内のPULL,U
P,FINISHの項目として示され、各容器毎に、各
項目に応じた各容器の操作力が対応して示されている。
【表2】
【0052】したがって、表2に示される各項目に応じ
た各容器の操作力から、本実施形態のライナーを備えた
キャップの方が、従来構成のライナーを備えたキャップ
の方よりも、開蓋性に優れていることが解かる。
【0053】すなわち、開蓋力試験の結果から、本実施
形態のライナーを備えたキャップの開蓋力の方が、従来
構成のライナーを備えたキャップの開蓋力よりも、平均
値では低くなっており、本実施形態の構成の方が開蓋し
やすい結果が得られた。
【0054】これは、従来構成の塩化ビニルプラスチゾ
ルを用いたライナーが、その対面した容器口の頂面及び
頂側面の領域に連続して接触されるのに対して、本発明
構成のポリオレフィン系樹脂を用いたライナーは、環状
溝を設けたことにより、その対面した容器口の頂面及び
頂側面の領域に連続して接触せずに、頂面と頂側面とに
個別に接触するので、各段階で片方ずつ分離して、開蓋
できることからである。
【0055】以上説明したように、本実施形態のライナ
ーによれば、ライナーの頂部と外端部との間に周状の環
状溝を設けたことにより、キャップを容器口に被せて、
キャップを容器口側に押し付けると、環状溝が支点とな
って、外端部の全体をスムースかつ均等に、容器口の頂
側面に沿わせて押し広げることができる。すなわち、う
ねりが生じたように、外端部が適切に広がった部分と、
不充分に広がらなかった部分が混在することが無くな
る。この結果、ライナーの外端部の側壁面が容器口の頂
側面に均一化して密着され、ライナーの外端部と容器口
の頂側面とが、その周方向全域の接触面に亘って十分な
密着性が確保され、キャップとして良好な密封性を得る
ことができる。
【0056】また、頂部と外端部との間に設けた環状溝
により、頂部と外端部の変形が、互いに影響を及ぼし合
うことが無く、それぞれ独立して行なえるので、各部の
変形による良好な密封を二箇所で生起させて、2つの密
封を互いに干渉させることなく、独立して保持すること
ができる。
【0057】さらに、キャップの円板壁や環状頂壁に、
キャップ外部から衝撃力が加わった場合にも、ライナー
の頂部と外端部はそれぞれ独立して変形できるので、ど
ちらかの一方の部分で、容器の密封を保持することがで
きる。
【0058】またさらに、環状溝を設けたことにより、
その対面した容器口の頂面及び頂側面の領域に連続して
接触せずに、頂面と頂側面とに個別に接触するので、開
蓋する複数の段階手順で片方ずつ分離して、開蓋できる
ので、開蓋力が低下され、開蓋性を向上することができ
る。
【0059】また、比較的に大きな環状溝を設けている
ことにより、外力などによりキャップに大きな変形が起
きた場合でも、環状溝の空隙が縮小することで、変形の
影響の大部分を柔軟に吸収することが可能となる。
【0060】さらに、外端部の体積が、樹脂の過剰供給
による押出し過ぎで大きくなった場合でも、環状溝が、
その余分な体積部分だけ縮小して変形することができ
る。したがって、体積が大きい成形不良の外端部を有し
たライナーを備えたキャップを容器に装着させる場合で
も、キャップのスコアーが、ライナーの外端部の体積が
大きくなった分増大した外端部の反発力で破断してしま
うことが未然に回避できる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ライナーの頂部と外端部との間に周状の環状溝
を設けたことにより、キャップを容器口に被せて、キャ
ップを容器口側に押し付けると、外端部の全体をスムー
スかつ均等に、容器口の頂側面に沿わせて押し広げ、ラ
イナーの外端部の側壁面が容器口の頂側面に均一化して
密着され、ライナーの外端部と容器口の頂側面とが、そ
の周方向全域の接触面に亘って十分な密着性が確保され
るので、ライナーを備えたキャップにおいて良好な密封
性を得ることができる。また、頂部と外端部の変形が互
いに影響を及ぼし合うことが無く、それぞれ独立して行
なえるので、各部の変形による良好な密封を二箇所で生
起させて、2つの密封を互いに干渉させることなく、独
立して保持することができるとともに、キャップ外部か
ら衝撃力が加わった場合にも、ライナーの頂部と外端部
はそれぞれ独立して変形できるので、どちらかの一方の
部分で、容器の密封を保持することができる。またさら
に、環状溝を設けたことにより、その対面した容器口の
頂面及び頂側面の領域に連続して接触せずに、頂面と頂
側面とに個別に接触させたことにより、開蓋する複数の
段階手順で片方ずつ分離して、開蓋できるので、開蓋力
が低下され、開蓋性を向上することができる。
【0062】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他、環状溝の垂直断面形状が開
口部の広がった形をしており、環状溝の深さが頂部の厚
さの半分以上に達していることから、頂部と外端部の変
形が互いに影響を及ぼすこと無く、それぞれ独立して行
えるので、各部の変形による良好な密封を二箇所で生起
できるとともに、2つの密封を互いに干渉させることな
く、独立して保持することができる。さらに、比較的に
大きな環状溝を設けていることにより、外力などにより
キャップに大きな変形が起きた場合でも、環状溝の空隙
が縮小することで、変形の影響の大部分を柔軟に吸収す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態であり、ライナーが設け
られたキャップを示す平面図である。
【図2】 この発明のライナーが設けられたキャップを
示す正面図である。
【図3】 この発明の実施形態であり、ライナーが設け
られたキャップを示す側面図である。
【図4】 この発明の実施形態であり、図1におけるA
―A矢視拡大断面図である。
【図5】 この発明の実施形態であり、キャップを容器
口に装着した主要部の状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…キャップ、 2…ライナー、 3…容器口、 21
…頂部、 22…環状溝、 23…外端部、 31…頂
面、 32…頂側面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器を密封する金属製キャップに内装さ
    れ、前記容器の容器口の頂面に圧接する頂部と容器口の
    頂側面に圧接する外端部とを有し、キャップと容器口と
    の間に介在して、容器の容器口に密着する金属製キャッ
    プのライナーにおいて、 前記ライナーが、塩化ビニル樹脂を含有していない合成
    樹脂を用いて形成されるとともに、 前記容器口により圧接変形されるライナーの頂部と外端
    部とを互いに無干渉な変形が可能に分離区画する環状溝
    を前記ライナーに設けたことを特徴とする金属製キャッ
    プのライナー。
  2. 【請求項2】 前記環状溝の横断面形状が、開口側に広
    がった形状に形成されるとともに、環状溝の深さが、環
    状溝を設けたライナー部位の厚みの半分以上であること
    を特徴とする請求項1記載の金属製キャップのライナ
    ー。
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