JP2003034271A

JP2003034271A - 空力フェンダー部材

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Publication number: JP2003034271A
Application number: JP2001253624A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Miwa; 勉三輪
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2001-07-23
Filing date: 2001-07-23
Publication date: 2003-02-04

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】空力自動車の空力効果を残し、現行自動車の通
常構造を殆ど変更せず、製造原価の増加が微少で、理解
が容易な空力構造を発明開示し、燃料節減と走行安全の
空力効果を広く実現させる。【解決手段】ホイールハウジングパネルに、その中を、
前後に走行風が貫通する、略靴のサイズの空気流入口１
と空気流出口２を設け、前照灯、フェンダーやフード等
を逆揚力部材とし、その下に空気流通路３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［発明の属する技術分野］本発明は、現行
の自動車より空気抵抗と揚力とが少ない、自動車前後バ
ンパー、フェンダー、フード、及びその他の周辺部材の
構造と機能に関するものである。

【０００２】［従来の技術］数十年以前から量産乗用車
の車体構造は、次第に、統一されてきたと言える。とこ
ろで、前照灯、フード、フェンダーを逆揚力部材とし
て、空力性能を向上させた自動車が量産され、販売され
た事例は無い。特許第１９０４８７６号の空力自動車
は、高速走行時での車体の空気抵抗と揚力の低減を目的
として、車体外板の中を空気流が貫通する発明だが、ホ
イールハウジングパネルとフェンダーの構造について
は、タイヤハウスの上方のパネルを切り欠き、（切り欠
き部を設ける）と記述され、ホイールハウジングパネル
に空気の流入口と流出口とを設けるとの記載は無い。図
面上のホイールハウジングパネルは、タイヤ上方部分全
体が明確に切り欠かれ、フードの下は空間である。近
年、車体底面の平滑化の事例が増加し、前面投影面積か
ら算出する空力指数では向上傾向にあるが、他方で車高
と前面投影面積は増大傾向で、空気抵抗減少は、実質面
では停滞とも言える。現在の大量生産に適合した車体構
造を変更せず、優れた空力性能車を安価に量産できる、
実用的な技術思想が必要である。

【０００３】［発明が解決しようとする課題］空力指数
ＣＤとＣＬとを実質的に大きく改善する自動車の量産
は、現行の技術では、車体構造を大きく変える事が必要
な為、経済採算上、極めて困難との通念が問題点と考え
る。空力性能が優れた自動車の量産が、略現行の車体
生産方法とコストとで可能となる事を、具体的に説明
し、開示する事を課題とする。

【０００４】［課題を解決する為の手段］１９９１年の
特許第１９０４８７６号の空力自動車は、ホイールハ
ウジングパネルの上部に切り欠き部を設けて、走行空気
流が車体を貫通する機能と思想に特徴があるが、切り欠
き部を設けた過去に生産例の無い車体構造には、車体剛
性問題等の懸念が在つた。現行のホイールハウジング
パネルとフェンダーを残して空気流通路を設け、車体剛
性とコスト面での不安が無い空力構造を提案する。

【０００５】［発明実施の形態］現行の乗用車の、基本
的な車体構造を変更せず、空力車体を大量生産する為
に、小さな靴サイズの穴か、切り欠き部を、ホイールハ
ウジングパネルに設ける実現容易な手段を発明した。車
体主要部分を境界層流で覆う事ができれば、空力性能は
向上するので、略現行の車体とコストとで、空力車体を
大量生産できる。車体下側のプラツトホームと呼ぶ基本
構造の変更は不必要で、カウル上横幅の僅かな縮小と、
ホイールハウジングパネルへ、約靴サイズの穴か切り欠
きを設け、底面を除く略車体全体で、空力性能の向上が
期待できる事を以下に説明する。図１は、空力フェンダ
ーの外側の側面図で、前照灯の下のバンパーに空気流入
口（１）、フェンダー後部カウル外側とフードとに、空
気流出口（２）が、見える。図１では表示できない
が、カウル横幅の僅かな縮小が望ましい。ホイールハウ
ジングパネルには、車輪上方を空気流が前後に貫通する
する二個の開口部が設けられている。通常車の場合は、
車体前面から大きく迂回し、車体側面などに回り込む空
気流の為、乱流が発生する。空力フェンダーでは、車
体前面適所のバンパーの空気流入口（１）から流入した
走行空気流は、無理の無い、緩やかなカーブを描く為層
流状態を保持し、境界層流の剥離、乱流が少なく、車体
側面の空気流出口（２）と、フードの流出口（２）から
車体後部へ流出し、空気抵抗と揚力を減少させる。

【０００６】ところで、現行車よりも流量が増加する車
体側面の空気流の層流状態保持の為、開発当初に、先ず
車体全体の上から見た側面形状を整備し、カウル横幅を
僅かに上端部分から縮小する事が望ましい。

【０００７】空気流出口（２）の位置は、内部空気流と
車体外側空気流との合流に注意して、最適位置に設け
る。特にフェンダー内のホイールハウジングパネルを
貫通する在来車に存在しない内部層流に着目し、フェン
ダーの内外に分離した後に、再び合流する走行気流の境
界層流の保全に、整流板を設け、風洞実験で調整する。

【０００８】図２は、図１の内部を示す側面図である。
現行車では、バンパ取付部材が、バンパに設けた空気流
入口（１）からの走行空気流の通路を閉鎖する事があ
る。空気流入口（１）の位置は、理想形状の空気流導入
の為、大きく変更できない。

【０００９】空力フェンダーとバンパとは、その取付部
材の位置、形状を含め、車体内外各所空気流に層流層を
形成する為の部材で、近辺の外板を含め最適形状に整備
する。

【００１０】ホイールハウジングパネルと泥除け部材に
は、小さな靴サイズの開口部を、略タイヤ上方線上の高
さの空気流通路（３）に沿い設ける。空気流通路
（３）を最適形状にする為、入出口（１，２）の位置
は、綿密に定め、風洞で確かめる。

【００１１】開口部は、その全部がフレームやカウルの
外側に位置し、車体の剛性や強度に基本的な影響を及ぼ
す懸念は無い。必要な場合は、開口部周縁に、空気流に
沿う短い漏斗状の円筒か、折り返しを設け、ホイールハ
ウジングパネルを、外側から強化する。開口部周縁は、
空気流入口（１）と空気流出口（２）とで、それぞれに
最適な空力形状に造型する。流入出する空気流の形状抵
抗を最少化し、流通質量を最適にする開口部の位置と最
適形状については、風洞実験で調整し確認する。

【００１２】図３は、図１の車軸線上の断面図で、空
気流通路（３）下面は、タイヤが突き上げられた時上昇
し、通路は狭くなる。空気流通路の上断面の形状は、現
行のホーイールハウジングパネルの中央上部の内面のま
まで、その前後の、この発明の空気流通路（３）より断
面積が広い。タイヤ直上部分を除き、その前後の空気流
通路（３）の断面は略円型で、その内面の空気抵抗最少
化の為に、略直線か、それに近い緩やかなカーブで設け
る。車体外側の目に見える流入口（１）と、流出口
（２）の位置形状は、車体全体のデザイン、車体外部流
との交流の二つの、個別視点からの調整が必要である。
車体側面の空気流出口（２）後方、または流入口の前方
には凹部を設け、流出空間を確保するが、ドアヒンジの
僅かな上方への移動等の調整を要する事がある。フード
にも空気流出口（２）を設ければ、逆揚力を強められ、
十分な流出必要空間が得られる。

【００１３】図４は、前照灯と、後方の窓洗浄水のタン
クとを、一つの逆翼型ケース内に納めた側面図である。
前照灯の下のバンパーから流入した空気流は、この逆翼
型ケース下側の空気流通路（３）を斜め上方に吹き抜け
る。前照灯と逆翼型ケース等の下面は、フードやフェン
ダーの上面より流路が長い。その為に逆翼型ケース下面
は、上面よりも走行空気圧が低くなり、高速となる程、
逆揚力が強くなる。

【００１４】前照灯後方逆翼型ケースには、フューズそ
の他の部材を収容できる。空気流通路（３）上方の前照
灯、フード、フェンダーの前部は、略現行形状で空力効
果を得られるが、下面空気圧を低くする為、ケース全体
の側断面形状を逆翼型とする。また流出口（２）の位置
は、流入口（１）より高く設ける。車輪上方を除き縮
小しない空気流通路（３）の切断内面形状は、略円形と
し、内壁の空気抵抗を最少にする。流通路内壁はゴム
か合成樹脂パイプで安価に製造できる。

【００１５】車輪直上の車輪と連動する流通路下膜を設
けた時は、タイヤより薄く軽い同様の材質とし、現在の
技術水準で、十分な長期耐久力を得られ、大量生産でき
る。

【００１６】図５は、上から見て悌型のエンジン室補強
材を設け、衝突安全性を微かながら強め、上下面で風力
を受ける空力フェンダーの補助支持部材とした実施例を
示す。

【００１７】図４で、空気流入口（１）の下側に突出部
を設けた泥避けの実施例を示す。

【００１８】［発明の効果］空気抵抗減少の他に、本発
明は、在来の車体外板に存在していない高速走行時での
逆揚力発生機能を、現行の車体製造技術の範囲と、適正
コスト内で、量産車のフェンダーに付加する事を可能と
する。横風高速走行中の車体は不安定となり事故が多い
が、その防止に、逆揚力機能を持つ本発明のフェンダー
は有効である。風上側の空気流通路には、高速程、大量
の空気流が流入する為に、逆揚力が強くなり、風と遠心
力で傾く車体を安定させ、事故を減少させる。

【００１９】また、慣性力が強く働く高速での回転走行
の際は、外側への車体傾斜、更には浮上転倒の危険が大
きい。それらを、空力フェンダー部材の逆揚力で抑制す
る。

【００２０】時速８０ｋｍ走行で、乗用車燃料の約半分
は空気抵抗で浪費される。常識より現実には多い空気抵
抗による燃料浪費を少なくし、高速走行時の安全性を高
める。

【図面の簡単な説明】

【図１】空力フェンダーの外側を示した側面図。

【図２】空力フェンダーの内部を示した側断面図。

【図３】空力フェンダーの車軸線上の前面断面図。

【図４】前照灯とその後方の窓洗浄液のタンクの側断面
図。

【図５】悌型のエンジンルームの補強材（３）を示した
上面図。

【符号の説明】

１空気流入口２空気流出口３空気流通路４梯型補強材５空気整流板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車のバンパー、フェンダー、ホイール
ハウジングパネルと、その近接の部材に空気流入口
（１）と空気流出口（２）とを設け、略水平か斜め上に
走行空気流が貫通する、内径が約靴サイズの空気通路
で、車体前方または車体側面から後方へ、走行空気流が
フェンダー、フードの中で、タイヤ直上方の車体を貫通
する空気流通路（３）を設けた空力フェンダー部材。
【請求項２】前照灯と、フード、フェンダーが上面、
前照灯と窓洗浄液容器その他の部材の下側が下面を形成
し、側断面形状が略逆翼型で、車体の前面には空気流入
口（１）が、前照灯、フード、フェンダー裏側には空気
流通路（３）を、フェンダー、車体側面、車体後部、ま
たはフードに、空気流出口（２）を設けた請求項１の空
力フェンダー部材。
【請求項３】前照灯と、その後方のヒューズボツクス
その他の部材が接続または近接し、それら部材全体また
は部分の側面形状が逆翼型で、下面に空力的に整形され
た空気流通路が形成されている請求項１の空力フェンダ
ー部材。
【請求項４】前照灯内側の上部から、サスペンション
上端の支持部近くのタイヤハウスパネルか、カウル両上
部に至る略直線の部材を設け、エンジン室を後上方から
見た場合、エンジンルームの上外側に設けられた悌型の
部材で、上記請求項１、２、３の部材に近接し、支持で
きる請求項１の空力フェンダー部材。
【請求項５】空気流入口（１）空気流出口（２）に、
空気整流部材を（５）を装着した請求項１の空力フェン
ダー部材。