JP2003027420A - 既設伸縮継手部の部分切断装置および部分切断方法 - Google Patents

既設伸縮継手部の部分切断装置および部分切断方法

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JP2003027420A JP2001219774A JP2001219774A JP2003027420A JP 2003027420 A JP2003027420 A JP 2003027420A JP 2001219774 A JP2001219774 A JP 2001219774A JP 2001219774 A JP2001219774 A JP 2001219774A JP 2003027420 A JP2003027420 A JP 2003027420A
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貴宏 佐竹
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敬人 藤川
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Hirosuke Murata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋梁等の既設伸縮継手をシート埋設型伸縮継
手に取り替える際に、低騒音で、かつ必要部分のみを部
分的に切断撤去する。 【解決手段】 伸縮継手20の長手方向に沿って、伸縮
継手20の両側に溝26を設け、溝26間を横断するス
リット27を設ける。次に、切断装置1を路面14上に
配置し、溝26に配置したガイドプーリ11を介して無
端切断ワイヤ12を既設伸縮継手の切断深さLでスリッ
ト27に張架する。そして、一定の張力を持たせた無端
切断ワイヤ12を駆動しながら切断装置1を伸縮継手部
20の長手方向に移動し、床版21と伸縮継手20とを
切断し、既設伸縮継手部を部分的に撤去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高架橋、橋梁等に既
設の伸縮継手を、強化繊維複合材を用いたシート埋設型
伸縮継手に取り替えるため、既設の伸縮継手の上部を床
版と共に部分的に切断撤去する装置とその方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高架橋や橋梁等には、温度変化や地震時
の橋軸方向の伸縮等を吸収するため、主桁の所定間隔毎
に伸縮継手が設けられている。従来タイプの伸縮継手の
代表的なものは、図8に示すようなくし形ジョイント2
0(フィンガージョイント)と呼ばれるもので、主桁の
遊間部における前後の床版21の端部コンクリートに鋼
製の継手本体を埋め込み、路面上に両主桁から突出する
鋼製のくし形片20aを互い違いに噛み合わせて構成さ
れる。
【0003】しかし、この従来タイプの伸縮継手20
は、前後の主桁高さに段差が生じたり、継手部が傷んだ
場合はもちろん、継手部が健全な場合でも車両の通行時
に衝撃音や振動が生じる点で改善の余地が多い。また、
継手の隙間から侵入した雨水が下方の主桁部に流れるこ
とにより維持管理面で好ましくないという点でも改善す
べき課題があった。
【0004】そこで、最近では、橋梁の接続部表面が舗
装材で橋梁路面と一体化したことを特徴とするシート埋
設型伸縮継手22が出現し、注目を集めている(例え
ば、特開平10−298908等参照、また製品として
は、商品名「FJジョイント(販売元:日鉄コンポジッ
ト)」等がある)。
【0005】このシート埋設型伸縮継手22は、図5d
に示すように、主桁の接続箇所の遊間部両側に取付けた
支持金属板23に、強化繊維複合材からなる高強度・高
弾性のシート状湾曲伸縮材24を固定し、そして設置部
上面に舗装材(ゴムアスファルトや樹脂モルタル)25
を打設することで構成されている。
【0006】シート埋設型伸縮継手22は、シート状湾
曲伸縮材24が有する耐衝撃性、防振特性により騒音・
振動の発生を低減できる。また、設置位置が路面から浅
いため設置が容易であるという利点がある。そのため、
既設の伸縮継手20を老朽更新時または健全時におい
て、シート埋設型伸縮継手22に取り替えることが一部
ですすめられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既設の伸縮継手20を
シート埋設型伸縮継手22に取り替えるためには、既設
伸縮継手部を切断撤去する必要がある。従来における既
設伸縮継手部の切断撤去作業は、伸縮継手本体回りの床
版コンクリートをブレーカーではつり、伸縮継手をガス
切断して撤去する手段で行われていた。
【0008】しかし、既設の伸縮継手20は、主桁端部
の床版21に鋼製の継手本体が埋め込まれているため、
コンクリートのはつり作業および切断撤去作業が容易で
はない。つまり、既設伸縮継手部を部分的に撤去するに
は、作業員が床版下に回りこんで床版遊間部の狭い空間
から伸縮継手をガス切断しなければならず、極めて作業
能率が悪い。また、コンクリートのはつり作業ではブレ
ーカーによる騒音が問題となる。
【0009】なお、既設伸縮継手部の解体方法の先行技
術として、特開平9−273121に提案されている方
法がある。この方法では、既設伸縮継手部の全体を解体
・撤去するもので、既設伸縮継手部の両外側のコンクリ
ート床版を上下に貫通する貫通孔を道路幅員方向に間隔
をおいて設け、この貫通孔にくさびを取付けてジャッキ
の作動によってコンクリート床版を破壊した後、既設伸
縮継手部を撤去するというものである。
【0010】この方法ではブレーカーを用いないため、
ブレーカーによる騒音の問題は解消できる。しかし、既
設伸縮継手部の全体を撤去するため、床版の上部にシー
ト埋設型伸縮継手を設置する場合に適用した場合には、
新たに床版の下部に鉄筋コンクリートの打設が必要とな
り煩雑である。
【0011】本発明は既設伸縮継手部をシート埋設型伸
縮継手22に取り替えるにあたり、低騒音で撤去作業が
でき、しかも必要部分のみを所定の形状で正確かつ部分
的に切断撤去する装置とその方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に従来から知られているワイヤ切断機構を用いることが
考えられた。しかし、従来のワイヤ切断方法を既設伸縮
継手の切断に適用する場合には以下の問題があった。 (1)従来のワイヤ切断方法では、通常は突起する切断
対象に周回駆動される切断ワイヤを巻きつけて切断を行
うものであり、路面下の所定深さ位置で平行に切断する
ものには適用が難しい。 (2)予め路面に切断ワイヤを通すスリットを設けて切
断作業を行っても、切断深さの正確な保持ができない。
特にコンクリートと鋼材が複合されたくし型ジョイント
では切断抵抗の小さいコンクリート側に切断ワイヤが移
動しやすい (3)また切断ワイヤの巻きつけ角度が鋭角となるため
切断ワイヤに負担がかかりやすい。 本発明は、上記問題を解消して前記発明の目的を達成し
たもので、その構成は以下の通りである。
【0013】第1の発明は、既設伸縮継手部長手方向に
移動可能な移動手段を備え、かつ既設伸縮継手部の路面
上に配置される切断装置本体7に、駆動プーリ9と、少
なくとも一対の方向転換プーリ10と、路面14と略平
行面上で回転可能に軸支された一対のガイドプーリ11
と、これらのプーリに掛け渡された無端切断ワイヤ12
と、無端切断ワイヤ12の張力調整手段と、駆動プーリ
9の駆動手段8とを備えるワイヤ切断機構が設けられて
いることを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断装置1
である。
【0014】第2の発明は、第1の発明において、移動
手段が、既設伸縮継手部長手方向に配置されたガイドレ
ール3と走行速度調整可能な走行駆動部2とから構成さ
れていることを特徴とする。
【0015】第3の発明は、第1または第2の発明の切
断装置1を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法であっ
て、既設伸縮継手部長手方向に沿って、既設伸縮継手部
の両側に溝26を設け、溝26間を横断するスリット2
8を少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本体7を伸
縮継手部の路面14上に配置し、切断装置1のガイドプ
ーリ11をそれぞれ溝26内に配置し、ガイドプーリ1
1間に張架した無端切断ワイヤ12をスリット28内の
所定深さに配置し、一定の張力を持たせた無端切断ワイ
ヤ12を駆動しながら切断装置1を既設伸縮継手部長手
方向に移動して、既設伸縮継手部の上部を部分的に切断
することを特徴とする。
【0016】第4の発明は、第3の発明を用いて、既設
の伸縮継手20を部分切断し、この部分切断部にシート
埋設型伸縮継手22を設置するようにしたことを特徴と
する既設伸縮継手部の部分切断方法である。
【0017】<作用>本発明では、既設伸縮継手部長手
方向に沿って、既設伸縮継手部の両側に溝26を設け、
かつ溝26間を横断するスリット28を少なくとも1ヶ
所設ける。次に、既設伸縮継手部長手方向に移動可能な
移動手段2とワイヤ切断機構とを備えた切断装置1を伸
縮継手部の路面14上に配置し、路面14と略平行面上
で回転可能に軸支された一対のガイドプーリ11を溝2
6に配置し、ガイドプーリ11を介して無端切断ワイヤ
12を、既設伸縮継手の切断深さL(シート埋設型伸縮
継手の設置深さ)でスリット28に張架する。そして、
無端切断ワイヤ12を駆動しながら切断装置1を既設伸
縮継手部長手方向に移動して、床版21のコンクリート
と既設の伸縮継手20とを同時に水平切断し、伸縮継手
部の上部を部分的に撤去する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に従
い、本発明を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明における既設伸縮継手部の
部分切断装置1を示した図である。本発明における既設
伸縮継手部の部分切断装置1は、走行駆動部2と断面T
字状のガイドレール3とからなる移動手段、駆動機支持
枠4、アーム支持枠5、一対のL字状アーム6から構成
される切断装置本体7に、駆動機8、駆動プーリ9、方
向転換プーリ10、ガイドプーリ11および無端切断ワ
イヤ12を有するワイヤ切断機構を設けたものである。
【0020】走行駆動部2は、路面上に固定された断面
T字状のガイドレール3のフランジ部を上下から把持す
るようにしてガイドレール3と組み合わされており、走
行速度を調整しながらガイドレール3上を走行できるよ
うになっている。
【0021】走行駆動部2から直立する駆動機支持枠4
には、駆動プーリ9に動力を伝動する駆動機8が取付け
られている。駆動機支持枠4への駆動機8の取付け高さ
は、駆動機支持枠4に設けられたラック4aと駆動機8
内の歯車(図示を省略する)との噛み合わせにより調整
可能となっている。
【0022】また、駆動機支持枠4に直交しかつ路面1
4に対して水平となるように、アーム支持枠5が駆動機
支持枠4に取付けられている。そして、アーム支持枠5
からは、駆動機支持枠4を隔てて一対のL字状アーム6
が垂下しており、L字状アーム6の取付部付近には、駆
動プーリ9の回転面と同一面上で回転可能な補助プーリ
13がそれぞれ軸支されている。このガイドプーリ11
は切断深さで正確に位置保持する役割も担う。
【0023】また、L字状アーム6の下端各折曲部に
は、駆動プーリ9の回転面と直交する垂直面上で回転可
能な方向転換プーリ10がそれぞれ軸支されている。さ
らに、L字状アーム6の先端部には、路面14と略平行
面上で回転可能なガイドプーリ11がそれぞれ軸支され
ている。
【0024】そして、駆動プーリ9、補助プーリ13、
方向転換プーリ10およびガイドプーリ11に、無端切
断ワイヤ12が掛け渡されている。これらのプーリに掛
け渡された無端切断ワイヤ12の張力は、駆動機8の取
付け高さにより調整可能となっている。
【0025】図2は、無端切断ワイヤ12の一部拡大図
である。無端切断ワイヤ12は、鋼製またはステンレス
製のワイヤ15に、リング外周にダイヤモンドを電着し
て構成されるダイヤモンドビーズ16と、スペーサー1
7とを交互に通して、ワイヤ15の両端部を接続スリー
ブ18で連結して構成される。
【0026】図3は、本発明のワイヤ切断機構を明確に
するための切断ワイヤの周回概念図である。本発明のワ
イヤ切断機構では、駆動プーリ9により駆動機8の動力
を伝動されて回転する無端切断ワイヤ12には、張力調
整手段により一定の張力がかけられている。また無端切
断ワイヤ12は、路面14より上側において駆動プーリ
9および補助プーリ13の回転面に沿って移動する。一
方、路面14より下側では、予め切削された溝26内に
配置した駆動プーリ9の回転面と直交する垂直面上で回
転する方向変換プーリ10により無端切断ワイヤ12の
軌道が変更され、2つのガイドプーリ11間およびガイ
ドプーリ11と方向変換プーリ10との間では、無端切
断ワイヤ12は、既設伸縮継手の切断深さLで路面14
と略平行に移動する。そして、ガイドプーリ11間に位
置する既設の伸縮継手およびコンクリート(図示を省略
する)を切断するようになっている。
【0027】本発明の切断装置1では、従来工法のよう
に撤去部分に切断ワイヤを巻きつけることなく、ガイド
プーリ11で位置保持した無端切断ワイヤ12に一定の
張力を持たせて高速回転させつつ、切断装置1を走行さ
せて鋼製の伸縮継手20を切断する点に特長がある。し
たがって、正確な形状でかつ簡易に既設伸縮継手部の撤
去作業を行うことができる。
【0028】本発明における切断装置1は上記のように
構成されており、以下、この切断装置1を用いた既設伸
縮継手部の部分切断方法ならびに既設伸縮継手部の交換
方法について順を追って説明する。
【0029】(1)くし形ジョイント20(既設伸縮継
手)の長手方向に沿って、既設伸縮継手20の両側にガ
イドプーリ11が移動するための溝26を形成する。上
記の溝26は、図4aおよびbに示すように、溝26の
削孔位置の適宜間隔毎に、既設伸縮継手の切断深さLよ
りもやや深目にロードカッターで複数の切断線26aを
入れて、この切断線に沿ってタガネや電動チッパーで細
かく砕き、溝26からガラ27を取出し、溝底面の成形
を行う工程により形成される。
【0030】(2)また、既設伸縮継手の切断深さLで
無端切断ワイヤ12を配置するために、ワイヤ径より幅
広のスリット28を、溝26間を横断するように少なく
とも1ヶ所形成する。スリット28は既設伸縮継手20
および床版21のコンクリートを既設伸縮継手20の切
断深さに形成される(図1b)。
【0031】(3)本発明の切断装置1では、既設伸縮
継手長手方向に沿って、切断装置1の反力をとるために
ガイドレール3を路面14上に固定する。ガイドレール
3の固定方法としては、例えば、既設伸縮継手20にガ
イドレール支持用ボルト3aを溶接し、その上に取付け
たガイドレール支持具3bによりガイドレール3を固定
する方法(図1参照)や、路面14上に適宜間隔毎にア
ンカーを挿入してガイドレール支持具を保持する方法な
どがある(図示を省略する)。
【0032】(4)スリット28間に無端切断ワイヤ1
2が張架されるように切断装置1を設置する。具体的に
は、切断装置1をガイドレール3上に設置し、L字状ア
ーム6で軸支された一対のガイドプーリ11を溝26に
配置し、スリット28に無端切断ワイヤを、ガイドプー
リ11を介して既設伸縮継手の切断深さL位置に張架す
る。そして駆動機8の高さを調節して無端切断ワイヤ1
2に張力を与える。
【0033】(5)一定の張力を持たせた無端切断ワイ
ヤ12を駆動させながら、切断装置1を既設伸縮継手長
手方向に移動させて、既設伸縮継手20の上部を床版2
1のコンクリートごと部分的に切断する。そして、切断
装置1を撤去した後、切断箇所に吊り冶具を取付けて、
切断された既設伸縮継手部の上部をクレーン・ユニック
車等により吊り出し搬出する。
【0034】(6)以下、図5(a)から(d)を参照
して、既設の伸縮継手部20を切断した後の床版21の
切り欠き部にシート埋設型伸縮継手22を設置する工程
を説明する。図5(a)は既設の伸縮継手部20を部分
切断、撤去した床版21の切り欠き部の所定位置にホー
ルインアンカー用の孔30aを設けた状態を示す断面図
である。 床版21の切り欠き部に設けた孔30aにホールイ
ンアンカー30を埋め込む。次に、幅方向の一端が曲折
している支持金属板23を、曲折部23aが床版21の
遊間部側で下向きとなるようにホールインアンカー30
上に対向配置して仮設ボルト32で仮止めする(図5
b)。 次に、図5cに示すように、床版21の遊間部に型
枠33を設置した後、支持金属板23のレベルまで樹脂
モルタル34を打設する。 樹脂モルタル34の硬化後に型枠33および仮設ボ
ルト32を撤去し、シート状湾曲伸縮材24(ジョイン
ト本体)を支持金属板23と密着するように設置し、押
さえ鋼板35および本設ボルト36によりシート状湾曲
伸縮材24を支持金属板23に固定する。 そして、床版21の切り欠き部およびシート状湾曲
伸縮材24の上に、2段階に分けてゴムアスファルト2
5を路面14の高さまで打設し、シート埋設型伸縮継手
22の設置を完了する(図5d)。
【0035】図6、図7は、本発明の他の実施形態とし
て、既設縦目地部37を切断ワイヤで部分切断してシー
ト埋設型伸縮継手22に交換する場合を示したものであ
る。縦目地部37は、例えば、高速道路のインターチェ
ンジを増設した場合や、既設高架橋を拡幅した場合にお
ける平行する高架橋38間の橋軸方向の接合部路面に設
置されている。
【0036】縦目地をシート埋設型伸縮継手に交換する
ための既設伸縮継手の部分切断と継手交換の実施形態
も、先の実施形態とほぼ同様の工程で行われる。まず、
既設の縦目地長手方向(橋軸方向)に沿って、縦目地部
37の両側に溝26を形成し、溝26間を横断するスリ
ットを少なくとも1ヶ所形成する。次に橋軸方向に沿っ
て、スリット間に無端切断ワイヤが張架されるように切
断装置を設置し、縦目地部37を部分切断して、搬出す
る。そして切断後の床版21の切り欠き部にシート埋設
型伸縮継手22を設置する。
【0037】以上のように本発明を図示の実施形態によ
り説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではない。例えば、切断装置の移動手段を複数の
車輪として走行駆動部とガイドレールの組合せに代える
ことも可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の切断方法では、路面の上で切断
装置を用いて既設の伸縮継手を切断するため、従来のよ
うに床版下から回りこんで既設の伸縮継手を切断する必
要がなく、伸縮継手交換時の作業能率が大幅に向上す
る。
【0039】また本発明の切断方法では、既設の伸縮継
手を無端切断ワイヤにより切断し、ブレーカーを使用し
ないため、騒音の問題はほとんど生じない。
【0040】さらに本発明の切断装置は、ガイドプーリ
で位置保持された切断ワイヤに一定の張力を持たせて高
速回転させつつ、切断装置本体を走行させて周辺コンク
リートと一緒に鋼製伸縮継手を切断するため、所定の形
状で正確に部分切断ができ、切断ワイヤの負担が比較的
少なく切断ワイヤのトラブルも減少して、簡易に既設伸
縮継手部の撤去を行うことができるとともにシート埋設
型伸縮継手への交換作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における既設伸縮継手部の部分切断装置
を示した図である。
【図2】無端切断ワイヤの一部拡大図である。
【図3】本発明のワイヤ切断機構を明確にするための切
断ワイヤの周回概念図である。
【図4】(a)は本発明の部分切断装置を適用する際に
必要となる既存伸縮継手部の溝の形成状態を示す平面図
であり、(b)は(a)の断面図である。
【図5】(a)から(d)は、本発明の既設伸縮継手を
部分切断、撤去した切り欠き部にシート埋設型伸縮継手
を設置する工程を示した断面図である。
【図6】高架橋等の縦目地部の設置箇所を示す図であ
る。
【図7】本発明の部分切断装置を既設縦目地部に適用し
た実施形態の断面図である。
【図8】従来タイプの伸縮継手(くし形ジョイント)の
構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 切断装置 2 走行駆動部(移動手段) 3 ガイドレール 3a ガイドレール支持用ボルト 3b ガイドレール支持具 4 駆動機支持枠 4a ラック 5 アーム支持枠 6 L字状アーム 7 切断装置本体 8 駆動機(駆動手段) 9 駆動プーリ 10 方向転換プーリ 11 ガイドプーリ 12 無端切断ワイヤ 13 補助プーリ 14 路面 15 ワイヤ 16 ダイヤモンドビーズ 17 スペーサー 18 接続スリーブ 20 くし形ジョイント(伸縮継手) 20a くし形片 21 床版(コンクリート) 22 シート埋設型伸縮継手 23 支持金属板 23a 折曲部 24 シート状湾曲伸縮材 25 ゴムアスファルト(舗装材) 26 溝 26a 切断線 27 ガラ 28 スリット 29 伸縮継手補強材 30 ホールインアンカー 30a 孔 31 主筋 31a スターラップ 32 仮設ボルト 33 形枠 34 樹脂モルタル 35 押さえ鋼板 36 本設ボルト 37 縦目地部 38 高架橋 39 受け板 L 既設伸縮継手部の切断深さ
フロントページの続き (72)発明者 佐竹 貴宏 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 藤川 敬人 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 藤本 昭博 大阪府和泉市いぶき野1丁目19番1番 (72)発明者 村田 啓輔 大阪市天王寺区烏ヶ辻1丁目1番2号 Fターム(参考) 2D051 AA01 AC04 AE04 AG01 AH01 AH05 FA18 FA30 2D053 AA26 DA01 DA05 2D059 AA14 BB39 GG01 GG39 GG41 GG45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設伸縮継手部長手方向に移動可能な移
    動手段を備え、かつ既設伸縮継手部の路面上に配置され
    る切断装置本体に、駆動プーリと、少なくとも一対の方
    向転換プーリと、路面と略平行面上で回転可能に軸支さ
    れた一対のガイドプーリと、これらのプーリに掛け渡さ
    れた無端切断ワイヤと、前記無端切断ワイヤの張力調整
    手段と、前記駆動プーリの駆動手段とを備えるワイヤ切
    断機構が設けられていることを特徴とする既設伸縮継手
    部の部分切断装置。
  2. 【請求項2】 前記移動手段が、既設伸縮継手部長手方
    向に配置されたガイドレールと走行速度調整可能な走行
    駆動部とから構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の既設伸縮継手部の部分切断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の既設伸縮
    継手部の部分切断装置を用いた既設伸縮継手部の部分切
    断方法であって、既設伸縮継手部長手方向に沿って、前
    記既設伸縮継手部の両側に溝を設け、前記溝間を横断す
    るスリットを少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本
    体を伸縮継手部の路面上に配置し、切断装置のガイドプ
    ーリをそれぞれ前記溝内に配置し、ガイドプーリ間に張
    架した無端切断ワイヤを前記スリット内の所定深さに配
    置し、一定の張力を持たせた前記無端切断ワイヤを駆動
    しながら、前記切断装置を既設伸縮継手部長手方向に移
    動して、前記既設伸縮継手部の上部を部分的に切断する
    ことを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の既設伸縮継手部の部分切
    断方法を用いて、既設の伸縮継手を部分切断し、この部
    分切断部にシート埋設型伸縮継手を設置するようにした
    ことを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断方法。
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