JP3829073B2 - 既設伸縮継手部の部分切断装置および部分切断方法 - Google Patents

既設伸縮継手部の部分切断装置および部分切断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高架橋、橋梁等に既設の伸縮継手を、強化繊維複合材を用いたシート埋設型伸縮継手に取り替えるため、既設の伸縮継手の上部を床版と共に部分的に切断撤去する装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高架橋や橋梁等には、温度変化や地震時の橋軸方向の伸縮等を吸収するため、主桁の所定間隔毎に伸縮継手が設けられている。従来タイプの伸縮継手の代表的なものは、図8に示すようなくし形ジョイント20(フィンガージョイント)と呼ばれるもので、主桁の遊間部における前後の床版21の端部コンクリートに鋼製の継手本体を埋め込み、路面上に両主桁から突出する鋼製のくし形片20aを互い違いに噛み合わせて構成される。
【0003】
しかし、この従来タイプの伸縮継手20は、前後の主桁高さに段差が生じたり、継手部が傷んだ場合はもちろん、継手部が健全な場合でも車両の通行時に衝撃音や振動が生じる点で改善の余地が多い。また、継手の隙間から侵入した雨水が下方の主桁部に流れることにより維持管理面で好ましくないという点でも改善すべき課題があった。
【0004】
そこで、最近では、橋梁の接続部表面が舗装材で橋梁路面と一体化したことを特徴とするシート埋設型伸縮継手22が出現し、注目を集めている(例えば、特開平10−298908等参照、また製品としては、商品名「FJジョイント(販売元:日鉄コンポジット)」等がある)。
【0005】
このシート埋設型伸縮継手22は、図5dに示すように、主桁の接続箇所の遊間部両側に取付けた支持金属板23に、強化繊維複合材からなる高強度・高弾性のシート状湾曲伸縮材24を固定し、そして設置部上面に舗装材(ゴムアスファルトや樹脂モルタル)25を打設することで構成されている。
【0006】
シート埋設型伸縮継手22は、シート状湾曲伸縮材24が有する耐衝撃性、防振特性により騒音・振動の発生を低減できる。また、設置位置が路面から浅いため設置が容易であるという利点がある。そのため、既設の伸縮継手20を老朽更新時または健全時において、シート埋設型伸縮継手22に取り替えることが一部ですすめられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
既設の伸縮継手20をシート埋設型伸縮継手22に取り替えるためには、既設伸縮継手部を切断撤去する必要がある。従来における既設伸縮継手部の切断撤去作業は、伸縮継手本体回りの床版コンクリートをブレーカーではつり、伸縮継手をガス切断して撤去する手段で行われていた。
【0008】
しかし、既設の伸縮継手20は、主桁端部の床版21に鋼製の継手本体が埋め込まれているため、コンクリートのはつり作業および切断撤去作業が容易ではない。
つまり、既設伸縮継手部を部分的に撤去するには、作業員が床版下に回りこんで床版遊間部の狭い空間から伸縮継手をガス切断しなければならず、極めて作業能率が悪い。また、コンクリートのはつり作業ではブレーカーによる騒音が問題となる。
【0009】
なお、既設伸縮継手部の解体方法の先行技術として、特開平9−273121に提案されている方法がある。この方法では、既設伸縮継手部の全体を解体・撤去するもので、既設伸縮継手部の両外側のコンクリート床版を上下に貫通する貫通孔を道路幅員方向に間隔をおいて設け、この貫通孔にくさびを取付けてジャッキの作動によってコンクリート床版を破壊した後、既設伸縮継手部を撤去するというものである。
【0010】
この方法ではブレーカーを用いないため、ブレーカーによる騒音の問題は解消できる。しかし、既設伸縮継手部の全体を撤去するため、床版の上部にシート埋設型伸縮継手を設置する場合に適用した場合には、新たに床版の下部に鉄筋コンクリートの打設が必要となり煩雑である。
【0011】
本発明は既設伸縮継手部をシート埋設型伸縮継手22に取り替えるにあたり、低騒音で撤去作業ができ、しかも必要部分のみを所定の形状で正確かつ部分的に切断撤去する装置とその方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために従来から知られているワイヤ切断機構を用いることが考えられた。しかし、従来のワイヤ切断方法を既設伸縮継手の切断に適用する場合には以下の問題があった。
(1)従来のワイヤ切断方法では、通常は突起する切断対象に周回駆動される切断ワイヤを巻きつけて切断を行うものであり、路面下の所定深さ位置で平行に切断するものには適用が難しい。
(2)予め路面に切断ワイヤを通すスリットを設けて切断作業を行っても、切断深さの正確な保持ができない。特にコンクリートと鋼材が複合されたくし型ジョイントでは切断抵抗の小さいコンクリート側に切断ワイヤが移動しやすい
(3)また切断ワイヤの巻きつけ角度が鋭角となるため切断ワイヤに負担がかかりやすい。
本発明は、上記問題を解消して前記発明の目的を達成したもので、その構成は以下の通りである。
【0013】
第1の発明は、既設伸縮継手部の路面上に配置される切断装置本体に、駆動プーリと、少なくとも一対の方向転換プーリと、路面と略平行面上で回転可能に軸支された一対のガイドプーリと、これらのプーリに掛け渡された無端切断ワイヤと、前記無端切断ワイヤの張力調整手段と、前記駆動プーリの駆動手段とを備えるワイヤ切断機構が設けられ、前記一対の方向転換プーリ間において既設伸縮継手長手方向に配置されたガイドレールと、前記ガイドレール上を走行可能な走行駆動部とを有し、前記既設伸縮継手部長手方向に移動可能な移動手段とを備え、前記走行駆動部から直立させた駆動機支持枠に前記駆動プーリとその駆動手段が取り付けられてなるとともに、前記方向転換プーリとガイドプーリとがこれに一体化されていることを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記ガイドレールは、前記一対の方向転換プーリ間の略中央に固定されていることを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第1又は第2の発明の既設伸縮継手部の部分切断装置を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法であって、既設伸縮継手部長手方向に沿って、前記既設伸縮継手部の両側に溝を設け、前記溝間を横断するスリットを少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本体を伸縮継手部の路面上に配置し、切断装置のガイドプーリをそれぞれ前記溝内に配置し、ガイドプーリ間に張架した無端切断ワイヤを前記スリット内の所定深さに配置し、一定の張力を持たせた前記無端切断ワイヤを駆動しながら、前記切断装置を既設伸縮継手部長手方向に移動して、前記既設伸縮継手部の上部を部分的に切断することを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、第1又は第2の発明の既設伸縮継手部の部分切断装置を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法であって、既設伸縮継手部長手方向に沿って、前記既設伸縮継手部の両側に溝を設け、前記溝間を横断するスリットを少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本体を伸縮継手部の路面上に配置し、切断装置の一対のガイドプーリをそれぞれ前記溝内に配置し、ガイドプーリ間に無端切断ワイヤを張架し、切断装置本体で一定の張力をかけながら無端切断ワイヤを駆動させて、既設伸縮継手部を部分的に切断することを特徴とする。
また、第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記既設伸縮継手部の両側に溝を設ける際には、削孔位置の適宜間隔毎に、既設伸縮継ぎ手の切断深さよりもやや深めに複数の切断線を入れ、この切断線に沿って砕くことを特徴とする。
【0017】
<作用>
本発明では、既設伸縮継手部長手方向に沿って、既設伸縮継手部の両側に溝26を設け、かつ溝26間を横断するスリット28を少なくとも1ヶ所設ける。
次に、既設伸縮継手部長手方向に移動可能な移動手段2とワイヤ切断機構とを備えた切断装置1を伸縮継手部の路面14上に配置し、路面14と略平行面上で回転可能に軸支された一対のガイドプーリ11を溝26に配置し、ガイドプーリ11を介して無端切断ワイヤ12を、既設伸縮継手の切断深さL(シート埋設型伸縮継手の設置深さ)でスリット28に張架する。
そして、無端切断ワイヤ12を駆動しながら切断装置1を既設伸縮継手部長手方向に移動して、床版21のコンクリートと既設の伸縮継手20とを同時に水平切断し、伸縮継手部の上部を部分的に撤去する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に従い、本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明における既設伸縮継手部の部分切断装置1を示した図である。
本発明における既設伸縮継手部の部分切断装置1は、走行駆動部2と断面T字状のガイドレール3とからなる移動手段、駆動機支持枠4、アーム支持枠5、一対のL字状アーム6から構成される切断装置本体7に、駆動機8、駆動プーリ9、方向転換プーリ10、ガイドプーリ11および無端切断ワイヤ12を有するワイヤ切断機構を設けたものである。
【0020】
走行駆動部2は、路面上に固定された断面T字状のガイドレール3のフランジ部を上下から把持するようにしてガイドレール3と組み合わされており、走行速度を調整しながらガイドレール3上を走行できるようになっている。
【0021】
走行駆動部2から直立する駆動機支持枠4には、駆動プーリ9に動力を伝動する駆動機8が取付けられている。駆動機支持枠4への駆動機8の取付け高さは、駆動機支持枠4に設けられたラック4aと駆動機8内の歯車(図示を省略する)との噛み合わせにより調整可能となっている。
【0022】
また、駆動機支持枠4に直交しかつ路面14に対して水平となるように、アーム支持枠5が駆動機支持枠4に取付けられている。そして、アーム支持枠5からは、駆動機支持枠4を隔てて一対のL字状アーム6が垂下しており、L字状アーム6の取付部付近には、駆動プーリ9の回転面と同一面上で回転可能な補助プーリ13がそれぞれ軸支されている。このガイドプーリ11は切断深さで正確に位置保持する役割も担う。
【0023】
また、L字状アーム6の下端各折曲部には、駆動プーリ9の回転面と直交する垂直面上で回転可能な方向転換プーリ10がそれぞれ軸支されている。さらに、L字状アーム6の先端部には、路面14と略平行面上で回転可能なガイドプーリ11がそれぞれ軸支されている。
【0024】
そして、駆動プーリ9、補助プーリ13、方向転換プーリ10およびガイドプーリ11に、無端切断ワイヤ12が掛け渡されている。これらのプーリに掛け渡された無端切断ワイヤ12の張力は、駆動機8の取付け高さにより調整可能となっている。
【0025】
図2は、無端切断ワイヤ12の一部拡大図である。無端切断ワイヤ12は、鋼製またはステンレス製のワイヤ15に、リング外周にダイヤモンドを電着して構成されるダイヤモンドビーズ16と、スペーサー17とを交互に通して、ワイヤ15の両端部を接続スリーブ18で連結して構成される。
【0026】
図3は、本発明のワイヤ切断機構を明確にするための切断ワイヤの周回概念図である。
本発明のワイヤ切断機構では、駆動プーリ9により駆動機8の動力を伝動されて回転する無端切断ワイヤ12には、張力調整手段により一定の張力がかけられている。また無端切断ワイヤ12は、路面14より上側において駆動プーリ9および補助プーリ13の回転面に沿って移動する。
一方、路面14より下側では、予め切削された溝26内に配置した駆動プーリ9の回転面と直交する垂直面上で回転する方向変換プーリ10により無端切断ワイヤ12の軌道が変更され、2つのガイドプーリ11間およびガイドプーリ11と方向変換プーリ10との間では、無端切断ワイヤ12は、既設伸縮継手の切断深さLで路面14と略平行に移動する。そして、ガイドプーリ11間に位置する既設の伸縮継手およびコンクリート(図示を省略する)を切断するようになっている。
【0027】
本発明の切断装置1では、従来工法のように撤去部分に切断ワイヤを巻きつけることなく、ガイドプーリ11で位置保持した無端切断ワイヤ12に一定の張力を持たせて高速回転させつつ、切断装置1を走行させて鋼製の伸縮継手20を切断する点に特長がある。したがって、正確な形状でかつ簡易に既設伸縮継手部の撤去作業を行うことができる。
【0028】
本発明における切断装置1は上記のように構成されており、以下、この切断装置1を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法ならびに既設伸縮継手部の交換方法について順を追って説明する。
【0029】
(1)くし形ジョイント20(既設伸縮継手)の長手方向に沿って、既設伸縮継手20の両側にガイドプーリ11が移動するための溝26を形成する。
上記の溝26は、図4aおよびbに示すように、溝26の削孔位置の適宜間隔毎に、既設伸縮継手の切断深さLよりもやや深目にロードカッターで複数の切断線26aを入れて、この切断線に沿ってタガネや電動チッパーで細かく砕き、溝26からガラ27を取出し、溝底面の成形を行う工程により形成される。
【0030】
(2)また、既設伸縮継手の切断深さLで無端切断ワイヤ12を配置するために、ワイヤ径より幅広のスリット28を、溝26間を横断するように少なくとも1ヶ所形成する。スリット28は既設伸縮継手20および床版21のコンクリートを既設伸縮継手20の切断深さに形成される(図1b)。
【0031】
(3)本発明の切断装置1では、既設伸縮継手長手方向に沿って、切断装置1の反力をとるためにガイドレール3を路面14上に固定する。ガイドレール3の固定方法としては、例えば、既設伸縮継手20にガイドレール支持用ボルト3aを溶接し、その上に取付けたガイドレール支持具3bによりガイドレール3を固定する方法(図1参照)や、路面14上に適宜間隔毎にアンカーを挿入してガイドレール支持具を保持する方法などがある(図示を省略する)。
【0032】
(4)スリット28間に無端切断ワイヤ12が張架されるように切断装置1を設置する。
具体的には、切断装置1をガイドレール3上に設置し、L字状アーム6で軸支された一対のガイドプーリ11を溝26に配置し、スリット28に無端切断ワイヤを、ガイドプーリ11を介して既設伸縮継手の切断深さL位置に張架する。そして駆動機8の高さを調節して無端切断ワイヤ12に張力を与える。
【0033】
(5)一定の張力を持たせた無端切断ワイヤ12を駆動させながら、切断装置1を既設伸縮継手長手方向に移動させて、既設伸縮継手20の上部を床版21のコンクリートごと部分的に切断する。この既設伸縮継手長手方向は、図1、2に示す矢印方向に限定されるものではなく、従来技術の如くその正反対方向も含まれる。そして、切断装置1を撤去した後、切断箇所に吊り冶具を取付けて、切断された既設伸縮継手部の上部をクレーン・ユニック車等により吊り出し搬出する。
【0034】
(6)以下、図5(a)から(d)を参照して、既設の伸縮継手部20を切断した後の床版21の切り欠き部にシート埋設型伸縮継手22を設置する工程を説明する。図5(a)は既設の伸縮継手部20を部分切断、撤去した床版21の切り欠き部の所定位置にホールインアンカー用の孔30aを設けた状態を示す断面図である。
▲1▼ 床版21の切り欠き部に設けた孔30aにホールインアンカー30を埋め込む。次に、幅方向の一端が曲折している支持金属板23を、曲折部23aが床版21の遊間部側で下向きとなるようにホールインアンカー30上に対向配置して仮設ボルト32で仮止めする(図5b)。
▲2▼ 次に、図5cに示すように、床版21の遊間部に型枠33を設置した後、支持金属板23のレベルまで樹脂モルタル34を打設する。
▲3▼ 樹脂モルタル34の硬化後に型枠33および仮設ボルト32を撤去し、シート状湾曲伸縮材24(ジョイント本体)を支持金属板23と密着するように設置し、押さえ鋼板35および本設ボルト36によりシート状湾曲伸縮材24を支持金属板23に固定する。
▲4▼ そして、床版21の切り欠き部およびシート状湾曲伸縮材24の上に、2段階に分けてゴムアスファルト25を路面14の高さまで打設し、シート埋設型伸縮継手22の設置を完了する(図5d)。
【0035】
図6、図7は、本発明の他の実施形態として、既設縦目地部37を切断ワイヤで部分切断してシート埋設型伸縮継手22に交換する場合を示したものである。縦目地部37は、例えば、高速道路のインターチェンジを増設した場合や、既設高架橋を拡幅した場合における平行する高架橋38間の橋軸方向の接合部路面に設置されている。
【0036】
縦目地をシート埋設型伸縮継手に交換するための既設伸縮継手の部分切断と継手交換の実施形態も、先の実施形態とほぼ同様の工程で行われる。
まず、既設の縦目地長手方向(橋軸方向)に沿って、縦目地部37の両側に溝26を形成し、溝26間を横断するスリットを少なくとも1ヶ所形成する。次に橋軸方向に沿って、スリット間に無端切断ワイヤが張架されるように切断装置を設置し、縦目地部37を部分切断して、搬出する。そして切断後の床版21の切り欠き部にシート埋設型伸縮継手22を設置する。
【0037】
以上のように本発明を図示の実施形態により説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、切断装置の移動手段を複数の車輪として走行駆動部とガイドレールの組合せに代えることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の切断方法では、路面の上で切断装置を用いて既設の伸縮継手を切断するため、従来のように床版下から回りこんで既設の伸縮継手を切断する必要がなく、伸縮継手交換時の作業能率が大幅に向上する。
【0039】
また本発明の切断方法では、既設の伸縮継手を無端切断ワイヤにより切断し、ブレーカーを使用しないため、騒音の問題はほとんど生じない。
【0040】
さらに本発明の切断装置は、ガイドプーリで位置保持された切断ワイヤに一定の張力を持たせて高速回転させつつ、切断装置本体を走行させて周辺コンクリートと一緒に鋼製伸縮継手を切断するため、所定の形状で正確に部分切断ができ、切断ワイヤの負担が比較的少なく切断ワイヤのトラブルも減少して、簡易に既設伸縮継手部の撤去を行うことができるとともにシート埋設型伸縮継手への交換作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における既設伸縮継手部の部分切断装置を示した図である。
【図2】無端切断ワイヤの一部拡大図である。
【図3】本発明のワイヤ切断機構を明確にするための切断ワイヤの周回概念図である。
【図4】(a)は本発明の部分切断装置を適用する際に必要となる既存伸縮継手部の溝の形成状態を示す平面図であり、(b)は(a)の断面図である。
【図5】(a)から(d)は、本発明の既設伸縮継手を部分切断、撤去した切り欠き部にシート埋設型伸縮継手を設置する工程を示した断面図である。
【図6】高架橋等の縦目地部の設置箇所を示す図である。
【図7】本発明の部分切断装置を既設縦目地部に適用した実施形態の断面図である。
【図8】従来タイプの伸縮継手(くし形ジョイント)の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 切断装置
2 走行駆動部(移動手段)
3 ガイドレール
3a ガイドレール支持用ボルト
3b ガイドレール支持具
4 駆動機支持枠
4a ラック
5 アーム支持枠
6 L字状アーム
7 切断装置本体
8 駆動機(駆動手段)
9 駆動プーリ
10 方向転換プーリ
11 ガイドプーリ
12 無端切断ワイヤ
13 補助プーリ
14 路面
15 ワイヤ
16 ダイヤモンドビーズ
17 スペーサー
18 接続スリーブ
20 くし形ジョイント(伸縮継手)
20a くし形片
21 床版(コンクリート)
22 シート埋設型伸縮継手
23 支持金属板
23a 折曲部
24 シート状湾曲伸縮材
25 ゴムアスファルト(舗装材)
26 溝
26a 切断線
27 ガラ
28 スリット
29 伸縮継手補強材
30 ホールインアンカー
30a 孔
31 主筋
31a スターラップ
32 仮設ボルト
33 形枠
34 樹脂モルタル
35 押さえ鋼板
36 本設ボルト
37 縦目地部
38 高架橋
39 受け板
L 既設伸縮継手部の切断深さ

Claims (5)

  1. 既設伸縮継手部の路面上に配置される切断装置本体に、駆動プーリと、少なくとも一対の方向転換プーリと、路面と略平行面上で回転可能に軸支された一対のガイドプーリと、これらのプーリに掛け渡された無端切断ワイヤと、前記無端切断ワイヤの張力調整手段と、前記駆動プーリの駆動手段とを備えるワイヤ切断機構が設けられ、
    前記一対の方向転換プーリ間において既設伸縮継手長手方向に配置されたガイドレールと、前記ガイドレール上を走行可能な走行駆動部とを有し、前記既設伸縮継手部長手方向に移動可能な移動手段とを備え、
    前記走行駆動部から直立させた駆動機支持枠に前記駆動プーリとその駆動手段が取り付けられてなるとともに、前記方向転換プーリとガイドプーリとがこれに一体化されていることを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断装置。
  2. 前記ガイドレールは、前記一対の方向転換プーリ間の略中央に固定されていることを特徴とする請求項1記載の既設伸縮継手部の部分切断装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の既設伸縮継手部の部分切断装置を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法であって、
    既設伸縮継手部長手方向に沿って、前記既設伸縮継手部の両側に溝を設け、前記溝間を横断するスリットを少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本体を伸縮継手部の路面上に配置し、切断装置のガイドプーリをそれぞれ前記溝内に配置し、ガイドプーリ間に張架した無端切断ワイヤを前記スリット内の所定深さに配置し、一定の張力を持たせた前記無端切断ワイヤを駆動しながら、前記切断装置を既設伸縮継手部長手方向に移動して、前記既設伸縮継手部の上部を部分的に切断することを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断方法。
  4. 請求項1または請求項2記載の既設伸縮継手部の部分切断装置を用いた既設伸縮継手部の部分切断方法であって、
    既設伸縮継手部長手方向に沿って、前記既設伸縮継手部の両側に溝を設け、前記溝間を横断するスリットを少なくとも1ヶ所設けておき、切断装置本体を伸縮継手部の路面上に配置し、切断装置の一対のガイドプーリをそれぞれ前記溝内に配置し、ガイドプーリ間に無端切断ワイヤを張架し、切断装置本体で一定の張力をかけながら無端切断ワイヤを駆動させて、既設伸縮継手部を部分的に切断することを特徴とする既設伸縮継手部の部分切断方法。
  5. 前記既設伸縮継手部の両側に溝を設ける際には、削孔位置の適宜間隔毎に、既設伸縮継ぎ手の切断深さよりもやや深めに複数の切断線を入れ、この切断線に沿って砕くことを特徴とする請求項3又は4記載の既設伸縮継手部の部分切断方法。
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