JP2003026887A - 単層射出成形品 - Google Patents

単層射出成形品

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JP2003026887A
JP2003026887A JP2001216196A JP2001216196A JP2003026887A JP 2003026887 A JP2003026887 A JP 2003026887A JP 2001216196 A JP2001216196 A JP 2001216196A JP 2001216196 A JP2001216196 A JP 2001216196A JP 2003026887 A JP2003026887 A JP 2003026887A
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acid
layer injection
boron
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JP2001216196A
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Kaname Kida
要 木田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐落下衝撃性、金型の転写性、リサイクル性
等に優れた単層射出成形品を提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)及び融点が160℃以下のポリアミド系樹脂
(B)を含有する組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)及
び融点が160℃以下のポリアミド系樹脂を含有する組
成物からなる単層射出成形品に関し、さらに詳しくは、
耐衝撃性や金型の転写性、さらにはリサイクル性に優れ
た単層射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHは、ガスバリア性、透
明性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、か
かる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、
工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料に用
いられている。これらの従来の用途においては、EVO
HあるいはEVOH組成物をフィルムやシート状にし
て、単層あるいは他樹脂と積層して、各種包装用途に用
いられることが多く、容器に用いたときも容器本体に用
いることがほとんどで、これにより、充分なガスバリア
性は保たれてきたが、その反面、容器のキャップ部分等
におけるガスバリア性については充分に考慮されていな
かった。しかし、最近ではさらなるガスバリア性が要求
されるようになり、ガスバリア性を有する部品(キャッ
プ、各種のコネクター等)についても検討されるように
なってきており、キャップ用途等においては、意匠性や
外観性が商品価値の重要な要素となり、また、衝撃によ
る容器のキャップやコネクター部分等の割れについても
対応が望まれるところであり、さらには射出成形には不
可欠であるスプルやライナー由来のスクラップのリサイ
クル性についても良好なことが望まれるところである。
【0003】例えば、特開2000−313749号公
報には、EVOH、ポリアミド系樹脂、オレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体またはその塩、特定の溶解性パ
ラメーターを有する熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物を
用いた単層の射出成形品が記載されており、また、特開
2000−248128号公報や特開2000−248
131号公報にも同様の樹脂組成物を用いて射出成形さ
れたプルリング付き注ぎ口や容器用キャップが記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上記の樹脂組成物を用いた射出成形品について詳細
に検討を行ったところ、機械強度やガスバリア性等につ
いては改善は認められるものの、耐衝撃性については、
特開2000−313749号公報で5℃で落下衝撃性
をテストしているが、さらなる低温、たとえば−40℃
という非常に低い温度では必ずしも耐衝撃性に優れるも
のではないことが判明した。また、該樹脂組成物で射出
成形したときに、射出条件や金型の形状により、成形品
への金型の転写性が充分でない場合も起こりうることも
確認され、キャップ等の意匠性を高める上では、さらな
る改善が望まれるところであり、リサイクル性について
も、融点の高いナイロン等のブレンドにおいては、ヤケ
や焦げを発生することがあり、改善の余地がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH
(A)及び融点が160℃以下のポリアミド系樹脂
(B)を含有する組成物を用いた単層射出成形品が上記
の問題点を解決できることを見出した本発明を完成する
に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
【0007】本発明の単層射出成形品は、EVOH
(A)と融点が160℃以下のポリアミド系樹脂(B)
を含有してなる組成物から成形されることを最大の特徴
で、かかる組成物に含有されるEVOH(A)として
は、特に限定されないが、エチレン含有量が10〜70
モル%(更には20〜60モル%、特には25〜50モ
ル%)、ケン化度が90モル%以上(更には95モル%
以上、特には99モル%以上)のものが用いられ、該エ
チレン含有量が10モル%未満では高湿時のガスバリア
性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると充
分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が90モル
%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下し
て好ましくない。
【0008】また、EVOH(A)のメルトフローレー
ト(MFR)(210℃、荷重2160g)は、0.5
〜100g/10分(更には1〜50g/10分、特に
は3〜35g/10分)が好ましく、該MFRが該範囲
外のときは、得られる射出成形品の肉厚精度が低下して
好ましくない。
【0009】該EVOH(A)は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸
ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液
重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造さ
れ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方
法で行い得る。
【0010】また、本発明では、本発明の効果を阻害し
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。又、本発明の趣旨を
損なわない範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノ
エチル化等、後変性されても差し支えない。
【0011】また、EVOH(A)として、異なる2種
以上のEVOHを用いることも可能で、このときは、エ
チレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化
度が1モル%以上異なり、及び/又はMFRの比が4以
上であるEVOHのブレンド物を用いることにより、ガ
スバリア性を保持したまま、金型への転写性がさらに向
上するので有用である。
【0012】また、組成物に含有されるポリアミド系樹
脂(B)は、融点が160℃以下のもので、融点が16
0℃を越えるポリアミド系樹脂を使用しても本発明の効
果を得ることはできず、更には融点が80〜150℃の
ものが好ましく、特には80〜140℃のものが好まし
い。ここで融点とは、示差走査熱量計(DSC)を用い
て昇温速度10℃/minで測定される融解ピーク温度
(℃)である。
【0013】具体的にかかるポリアミド系樹脂(B)の
種類としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−
ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミ
ノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナ
イロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン1
2)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8、
6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10
8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナ
イロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン
酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/6
6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジ
アンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/6
6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート
共重合体(ナイロン66/610)、エチレンアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合
体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサメチレン
イソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミ
ド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂をメチレ
ンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族ア
ミンで変性したものやメタキシリレンジアンモニウムア
ジペート等を挙げることができ、これらの種類の中で、
融点が160℃以下のものが用いられる。
【0014】ポリアミド系樹脂の融点を160℃以下と
するための手法は特に限定されないが、工業的には上記
ポリアミド系樹脂のうち、特定比率の共重合体を使用す
ることが好ましく、該共重合体ナイロンとして具体的に
は、ナイロン6/12、ナイロン6/69、ナイロン6
/66/610、ナイロン6/66/610/12、ナ
イロン6/66/610/11等やその芳香族アミン変
性物が挙げられ、市販されている具体的な商品名として
は、『アミランCM4000』,『アミランCM800
0』,『アミランCM6541−X3』,『アミランC
M831』,『アミランCM833』(以上、東レ社
製)、『エルバミド8061』,『エルバミド8062
S』,『エルバミド8066』(以上、デュポンジャパ
ン社製)、『グリロンCF6S』,『グリロンCF62
BS』,『グリロンCA6E』,『グリロンXE338
1』,『グリロンBM13SBG』(以上、エムスジャ
パン社製)、『UBE7128B』,『UBE7028
B』(以上、宇部興産社製)などが挙げられる。
【0015】また、該ポリアミド系樹脂(B)の示差走
査型熱量計(DSC)を用いて測定(昇温速度10℃/
min)される融解熱量(ΔH)は、80J/g以下
(更には5〜70J/g、特には10〜60J/g)が
好ましく、該融解熱量(ΔH)が80J/gを越える場
合には、本発明の効果が不充分となることがあり好まし
くない。ポリアミド系樹脂の融解熱量(ΔH)を80J
/g以下とするための手法は特に限定されないが、工業
的にはポリアミド系樹脂中の重合度、分子量、分子量分
布、低分子量成分の含有量、水分量、残存モノマー量等
をコントロールすることで好適に行うことができる。
【0016】さらに、該ポリアミド系樹脂(B)のメル
トフローレート(MFR)(210℃、荷重2160
g)は、1〜100g/10分(更には3〜80g/1
0分、特には5〜50g/10分)が好ましく、該MF
Rが該範囲から外れる場合にも、本発明の効果が不充分
となることがあり好ましくない。ポリアミド系樹脂のM
FRを上記範囲にするための手法も特に限定されない
が、工業的にはポリアミド系樹脂の重合度、分子量、分
子量分布、低分子量成分の含有量、水分量、残存モノマ
ー量等をコントロールすることで好適に行うことができ
る。
【0017】本発明においてポリアミド系樹脂(B)と
しては、構造、組成、融点、融解熱量、分子量(MF
R)、分子量分布などの異なるポリアミド系樹脂を併せ
て2種類以上用いることもできる。
【0018】本発明の単層射出成形品に用いる組成物
は、上記の如き(A)及び(B)を含有してなるもの
で、その含有割合は特に限定されないが、その含有重量
比(A/B)は、50/50〜99/1(更には60/
40〜97/3、特には70/30〜95/5)が好ま
しく、かかる重量比が50/50よりも小さいときはガ
スバリア性が不充分となることがあり、逆に99/1よ
りも大きいときは本発明の作用効果が充分に得られない
ことがあり好ましくない。
【0019】また、上記の組成物には、上記の(A)及
び(B)に加えて、ホウ素またはホウ素化合物(C)を
含有させることも、本発明の作用効果を充分に得られる
点で好ましい。
【0020】かかるホウ素化合物(C)としては、ホウ
酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛
(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニ
ウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アン
モニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウ
ム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オ
ルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ
酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、
五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウ
ム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホ
ウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅
等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホ
ウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリ
ウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、
ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッ
ケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホ
ウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム
(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ
酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、
ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホ
ウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸
三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸
マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、
四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リ
チウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)など
の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ
石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙
げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム
(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ
酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウ
ム、八ホウ酸ナトリウム等)が用いられる。
【0021】かかる(C)の含有量は特に限定されない
が、(A)及び(B)の合計量に対してホウ素換算で1
0〜10000ppm(更には20〜5000ppm、
特に50〜2000ppm)になるように含有させるこ
とが好ましく、かかる含有量が10ppm未満では
(C)の含有効果が充分に発揮されないことがあり、逆
に10000ppmを越えると得られる射出成形品の外
観が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0022】かかる組成物を調製するには、上記の
(A)及び(B)或いは(A)〜(C)を含有する樹脂
組成物を調製すればよく、かかる樹脂組成物を得るには
特に限定されず、(A)及び(B)或いは(A)〜
(C)成分をブレンドすれば良く、前者の(A)及び
(B)のブレンドにおいては、一般的に両者を溶融混練
すればよく、後者の(A)〜(C)成分のブレンドにお
いては、具体的には、(A)〜(C)成分を一括で混
合した後に溶融混練する方法、(A)成分及び(B)
成分を溶融混練した後に(C)成分を添加して更に溶融
混練する方法、(A)成分に(C)成分を含有させた
後に(B)成分を溶融混練する方法、(B)成分に
(C)成分を含有させた後に(A)成分を溶融混練する
方法、(A)、(B)両成分にそれぞれ(C)成分を
含有させた後に両者を溶融混練する方法、(A)〜
(C)成分を溶解可能な溶剤中で均一に溶解して混合し
た後に該溶剤を除去する方法等を挙げることができ、好
適にはの方法が用いられ、かかる方法について、更に
詳細に説明をするが、これに限定されるものではない。
【0023】EVOH(A)にホウ素またはホウ素化合
物(C)を含有させるにあたっては、ホウ素またはホウ
素化合物(C)の水溶液にEVOH(A)を接触させる
ことで含有させることができ、このときの該水溶液中の
ホウ素またはホウ素化合物(C)の濃度は、ホウ素換算
で0.001〜1重量%(更には0.005〜0.8重
量%、特には0.01〜0.5重量%)が好ましく、
0.001重量%未満では所定量のホウ酸を含有させる
ことが困難となり、逆に1重量%を越えると得られる射
出成形品の外観が悪くなることがあり好ましくない。
【0024】かかる水溶液にEVOH(A)を接触させ
る方法としては特に限定されないが、通常は該水溶液に
ペレット状に成形されたEVOH(A)を投入して撹拌
しながら、上記のホウ素またはホウ素化合物(C)を含
有させることが好ましい。
【0025】尚、上記のEVOHペレットの調製(成
形)にあたっては、公知の方法を採用することができ、
例えば、EVOH(A)の水とアルコールの混合溶液等
を凝固液中にストランド状若しくはシート状に押出した
後、得られるストランドやシートをカットしてペレット
状にすればよい。かかるペレット状のEVOH(A)の
形状としては、円柱状、球状等のものが好ましく、円柱
状の場合は直径が1〜10mm、長さが1〜10mmが
好ましく、球状の場合は直径が1〜10mmが好まし
い。またかかるEVOH(A)は、直径が0.1〜10
μm程度の細孔が均一に分布したミクロポーラスな内部
構造をもつものが、ホウ素またはホウ素化合物(C)を
均一に含有させ得る点で好ましく、通常EVOH(A)
の溶液(水/アルコール混合溶媒等)を凝固浴中に押し
出すときに、EVOH(A)溶液の濃度(20〜80重
量%)、押し出し温度(45〜70℃)、溶媒の種類
(水/アルコール混合重量比=80/20〜5/95
等)、凝固浴の温度(1〜20℃)、滞留時間(0.2
5〜30時間)、凝固浴中でのEVOH(A)量(0.
02〜2重量%)などを任意に調節することで、該構造
のEVOH(A)を得ることが可能となる。更には含水
率20〜80重量%のものが、上記の化合物等を均一に
かつ迅速に含有させることができて好ましい。また、ホ
ウ素またはホウ素化合物(C)の含有量の調整にあたっ
ては、特に限定されないが、前述の水溶液との接触処理
において、ホウ素またはホウ素化合物(C)の水溶液濃
度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速
度や処理されるEVOH(A)の含水率等をコントロー
ルすることで可能である。
【0026】かくしてホウ素またはホウ素化合物(C)
を含有したペレット状の含水EVOH組成物が得られる
のであるが、通常は、上記の接触処理後に乾燥工程を経
て、組成物が得られるのである。
【0027】かかる乾燥方法としては、種々の乾燥方法
を採用することが可能である。例えば、実質的にペレッ
ト状等の組成物が機械的にもしくは熱風により撹拌分散
されながら行われる流動乾燥や、実質的にペレット状等
の組成物が攪拌、分散などの動的な作用を与えられずに
行われる静置乾燥が挙げられ、流動乾燥を行うための乾
燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回
転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転
型乾燥器等が挙げられ、また、静置乾燥を行うための乾
燥器として、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、
材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪
型乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。流動乾燥と静置乾燥を組み合わせて行
うことも可能である。
【0028】該乾燥処理時に用いられる加熱ガスとして
は空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、ア
ルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度として
は、40〜150℃が、生産性と組成物の熱劣化防止の
点で好ましい。該乾燥処理の時間としては、組成物の含
水量やその処理量にもよるが、通常は15分〜72時間
程度が、生産性と組成物の熱劣化防止の点で好ましい。
【0029】上記の条件で組成物が乾燥処理されて、E
VOH(A)及びホウ素またはホウ素化合物(C)から
なるEVOH組成物が得られるのであるが、該乾燥処理
後の該組成物の含水率は0.001〜5重量%(更には
0.01〜2重量%、特には0.1〜1重量部)になる
ようにするのが好ましく、該含水率が0.001重量%
未満では、後述のポリアミド系樹脂(B)との溶融混練
時にゲルが発生する傾向にあり、逆に5重量%を越える
と後述のポリアミド系樹脂(B)との溶融混練時に発泡
が発生しやすくなり好ましくない。
【0030】ついで、得られたEVOH(A)及びホウ
素またはホウ素化合物(C)からなるEVOH組成物
[(C)が含有された(A)のペレット]に、更にポリ
アミド系樹脂(B)を溶融混練するのであるが、かかる
溶融混練にあたっては、特に限定はなく、EVOH組成
物とポリアミド系樹脂(B)が十分に溶融混練されれば
よく、公知の方法を採用することができる。例えば、ニ
ーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリ
ーミキサー、プラストミル等の公知の混練装置を用いる
ことができ、通常は150〜300℃(更には180〜
280℃)で、1分〜1時間程度溶融混練することが好
ましく、工業的には単軸押出機、二軸押出機等の押出機
を用いることが有利であり、また必要に応じて、ベント
吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設ける
ことも好ましい。特に水分や副生成物(熱分解低分子量
物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント孔
を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入
を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続
的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽減
された品質の優れた組成物を得ることができる。該溶融
混練においては、1)固体状のEVOH組成物とポリアミ
ド系樹脂(B)を一括して混合して溶融混練する方法、
2)溶融状態のEVOH組成物に固体状のポリアミド系樹
脂(B)を投入して溶融混練する方法、3)溶融状態のポ
リアミド系樹脂(B)に固体状のEVOH組成物を投入
して溶融混練する方法、4)溶融状態のEVOH組成物と
ポリアミド系樹脂(B)を混合して溶融混練する方法等
を挙げることができる。
【0031】かくして、本発明の単層射出成形品に用い
られる組成物が得られるわけであるが、かかる組成物中
にさらに酢酸、リン酸等の酸類やそのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、遷移金属等の金属塩を含有させること
も、本発明の作用効果が向上する点で好ましく、特にア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩がその効果に優れる
点で好ましく用いられる。
【0032】かかる金属塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、
ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸
等の無機酸の金属塩が挙げられ、好適には酢酸塩、リン
酸塩、リン酸水素塩である。また、該金属塩の含有量と
しては、組成物に対して金属換算で5〜1000ppm
(更には10〜500ppm、特には20〜300pp
m)とすることが好ましく、かかる含有量が5ppm未
満ではその含有効果が充分得られないことがあり、逆に
1000ppmを越えると組成物の熱分解が促進されて
臭気や発泡・着色が大きくなることがあり好ましくな
い。尚、組成物中に2種以上のアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属の塩が含有される場合は、その総計が
上記の含有量の範囲にあることが好ましい。
【0033】組成物中に酸類やその金属塩を含有させる
方法については、特に限定されず、予めEVOH(A)
やEVOH組成物に含有させておいたり、EVOH
(A)或いはEVOH組成物とポリアミド系樹脂(B)
のブレンド時に同時に含有させたり、EVOH(A)或
いはEVOH組成物とポリアミド系樹脂(B)のブレン
ド後の組成物に含有させたり、これらの方法を組み合わ
せたりすることができる。本発明の効果をより顕著に得
るためには、予めEVOH(A)やEVOH組成物に含
有させておく方法が、酸類やその金属塩の分散性に優れ
る点で好ましい。
【0034】予めEVOH(A)に含有させておく方法
としては、ア)含水率20〜80重量%のEVOH
(A)の多孔性析出物を、酸類やその金属塩の水溶液と
接触させて、酸類やその金属塩を含有させてから乾燥す
る方法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液
等)に酸類やその金属塩を含有させた後、凝固液中にス
トランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切
断してペレットとして、更に乾燥処理をする方法、ウ)
EVOH(A)と酸類やその金属塩を一括して混合して
から押出機等で溶融混練する方法、エ)EVOH(A)
の製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で
中和して、残存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処
理により調整したりする方法等を挙げることができる。
本発明の効果をより顕著に得るためには、酸類やその金
属塩の分散性に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好
ましい。また、EVOH組成物に含有させておくには、
EVOH(A)に(C)を含有させるときに同時に含有
させればよい。
【0035】また、本発明においては、かかる組成物に
本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族ア
ミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミ
ド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例
えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属
塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸亜鉛等)、低分子量ポリオレフ
ィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量
ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの
滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤
(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジ
オール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤
〔例えば無機系酸素吸収剤として、還元鉄粉類、さらに
これに吸水性物質や電解質等を加えたもの、アルミニウ
ム粉、亜硫酸カリウム、光触媒酸化チタン等が、有機化
合物系酸素吸収剤として、アスコルビン酸、さらにその
脂肪酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子
酸、水酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェ
ノール類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバル
ト、テトラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シ
ッフ塩基錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯
体、ポリエチレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合
物と遷移金属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ
酸類とヒドロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフ
ェニルメチル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として、
窒素含有樹脂と遷移金属との配位結合体(例:MXDナ
イロンとコバルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移
金属とのブレンド物(例:ポリプロピレンとコバルトの
組合せ)、炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属と
のブレンド物(例:ポリブタジエンとコバルトの組合
せ)、光酸化崩壊性樹脂(例:ポリケトン)、アントラ
キノン重合体(例:ポリビニルアントラキノン)等や、
更にこれらの配合物に光開始剤(ベンゾフェノン等)や
過酸化物補足剤(市販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性
炭等)を添加したものなど〕、熱安定剤、光安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活
性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤(例えばタルク微
粒子等)、スリップ剤(例えば無定形シリカ等)、充填
材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレ
フィン、ポリエステル等)などを配合しても良い。
【0036】本発明の単層射出成形品は、上記の如き組
成物を用いて製造されるもので、その製造方法は公知の
射出成形方法を採用することができ、シリンダーの温度
やノズル温度は150〜300℃から選択され、射出時
間は、1〜60秒程度、冷却時間は10〜300秒程度
の範囲から選択され、さらに、射出1次圧は300〜2
000kg/cm2、射出2次圧(保圧)は150〜1
500kg/cm2程度とすることが好ましく、射出速
度は10〜150mm/sec程度から選択されるが、
これに限定されるものではない。
【0037】かくして得られた本発明の単層射出成形品
の形状は、限定されることなく、たとえば、平板、角
柱、円盤、円柱、丸棒、パイプ形等の各種の形状とする
ことができ、食品包装や燃料用タンク等のキャップやパ
イプ、さらには各種部品、たとえば、タンクとチューブ
を接続するコネクターやバルブ等に有用で、自動車のガ
ソリンタンクと給油口をつなぐフィラーパイプ等の用途
にも用いることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
【0039】ポリアミド系樹脂の融点及びΔHの測定に
ついては、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製『D
SC−7』)を用いて昇温速度10℃/minで測定す
ることにより行った。また、EVOH中のホウ酸含有量
の測定については、EVOHをアルカリ溶融してICP
発光分光分析法によりホウ素を定量することにより行っ
た。更に、アルカリ金属含有量の測定については、EV
OHを灰化後、塩酸水溶液に溶解して原子吸光分析法に
よりアルカリ金属を定量することにより行った。
【0040】実施例1 ホウ酸(C)を0.2%含有したEVOH[エチレン含
有量32モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3g
/10分(210℃、荷重2160g)、酢酸ナトリウ
ム400ppm含有](A)80部及びポリアミド系樹
脂[エムスジャパン社製『グリロンCF6S』、ナイロ
ン6/12の共重合体、密度1.05g/cm3、融点
133℃、ΔH51J/g、MFR18g/10分(2
10℃、荷重2160g)](B)20部を二軸押出機
にて溶融混練して、内層に用いる組成物[ホウ素300
ppm含有、ナトリウム95ppm含有]を得た。
【0041】ついで、得られた組成物を、Izod試験
用金型(ISO180,80×10×4mm)を備えた
射出成形機(日精樹脂工業社製「PS60E12AS
E」)に供給して、シリンダー温度200℃、ノズル温
度220℃、射出時間15秒、冷却時間30秒、金型内
温度50℃、射出1次圧1000kg/cm2、射出2
次圧820kg/cm2、射出速度55mm/secの
条件で射出成形を行って単層射出成形品を得た。
【0042】得られた単層射出成形品について、以下の
評価を行った。 (耐衝撃性)得られた単層射出成形品を−40℃で一晩
冷却後、−40℃の環境試験室内で、IS0規格(IS
O180)に準じてIzod衝撃試験を行って、以下の
ように評価した。 ◎・・・8kgf・cm/cm以上 ○・・・5〜8kgf・cm/cm未満 △・・・2〜5kgf・cm/cm未満 ×・・・2kgf・cm/cm未満
【0043】(転写性)表面に艶消し模様の入った金型
(10cm四方、厚さ2cmの角板)を用いて、上記と
同様の条件で射出成形を行って、得られた成形品の表面
を目視観察して、以下のように評価した。 ◎・・・艶消し模様が鮮明に転写されていた ○・・・微細な部分に不鮮明な転写が見られたが、概ね
良好であった ×・・・全体的に転写が不鮮明であった
【0044】(リサイクル性)単層射出成形品作成時に
生じたスプル及びランナー部分等のリサイクル組成物を
粉砕後、再度射出成形機に供給して、同様に射出成形を
行った。この操作を5回繰り返して、得られた射出成形
品を目視観察して、以下のように評価した。 ◎・・・リサイクル組成物による異常は全く見られなか
った ○・・・リサイクル組成物による変色が僅かに見られた
が実用上問題のない程度であった ×・・・リサイクル組成物による変色や焦げが著しかっ
【0045】(リサイクル後の耐衝撃性)上記のリサイ
クル後に得られた射出成形品についても、前記と同様に
耐衝撃性の評価を行った。
【0046】実施例2 ホウ酸(C)を0.13%含有したEVOH[エチレン
含有量29モル%、ケン化度99.6モル%、MFR1
5g/10分(210℃、荷重2160g)、酢酸ナト
リウム400ppm含有、酢酸カリウム90ppm含
有](A)85部及びポリアミド系樹脂[エムスジャパ
ン社製『グリロンCF6S』、ナイロン6/12の共重
合体、密度1.05g/cm3、融点133℃、ΔH5
1J/g、MFR18g/10分(210℃、荷重21
60g)](B)15部を二軸押出機にて溶融混練し
て、組成物[ホウ素195ppm含有、ナトリウム95
ppm含有、カリウム30ppm含有]を得た以外は実
施例1と同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行
った。
【0047】実施例3 ホウ酸(C)を0.13%含有したEVOH[エチレン
含有量38モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3
g/10分(210℃、荷重2160g)、酢酸ナトリ
ウム336ppm含有、リン酸2水素ナトリウム92p
pm含有、酢酸カルシウム230ppm含有](A)8
5部及びポリアミド系樹脂[エムスジャパン社製『グリ
ロンCF6S』、ナイロン6/12の共重合体、密度
1.05g/cm3、融点133℃、ΔH51J/g、
MFR18g/10分(210℃、荷重2160g)]
(B)15部を二軸押出機にて溶融混練して、樹脂組成
物[ホウ素195ppm含有、ナトリウム95ppm含
有、カルシウム50ppm含有]を得た以外は実施例1
と同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行った。
【0048】実施例4 実施例1において、(B)成分として、東レ社製『アミ
ランCM8000』[ナイロン6/66/610/12
の共重合体、密度1.12g/cm3、融点131℃、
ΔH40J/g、MFR25g/10分(210℃、荷
重2160g)]を用いた以外は同様に単層射出成形品
を得て、同様に評価を行った。
【0049】実施例5 実施例1において、(B)成分として、エムスジャパン
社製『グリロンCA6E』[ナイロン6/12共重合
体、密度1.06g/cm3、融点124℃、ΔH39
J/g、MFR26g/10分(210℃、荷重216
0g)]を用いた以外は同様に単層射出成形品を得て、
同様に評価を行った。
【0050】実施例6 実施例1において、(B)成分として、東レ社製『アミ
ランCM6541−X3』[ナイロン6/12の共重合
体、密度1.11g/cm3、融点135℃、ΔH40
J/g、MFR12g/10分(210℃、荷重216
0g)]を用いた以外は同様に単層射出成形品を得て、
同様に評価を行った。
【0051】実施例7 実施例1において、(C)成分を含有させなかった以外
は同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行った。
【0052】実施例8 実施例2において、(C)成分を含有させなかった以外
は同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行った。
【0053】実施例9 実施例3において、(C)成分を含有させなかった以外
は同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行った。
【0054】実施例10 実施例1において、(A)成分と(B)成分の含有量を
それぞれ90部と10部に変更した以外は同様に単層射
出成形品を得て、同様に評価を行った。なお、樹脂組成
物中のホウ素含有量は210ppmで、ナトリウム含有
量は100ppmであった。
【0055】実施例11 実施例1において、(A)成分と(B)成分の含有量を
それぞれ70部と30部に変更した以外は同様に単層射
出成形品を得て、同様に評価を行った。なお、樹脂組成
物中のホウ素含有量は160ppmで、ナトリウム含有
量は80ppmであった。
【0056】比較例1 実施例1において、組成物に(B)成分を含有させなか
った以外は同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を
行った。
【0057】比較例2 実施例1において、(B)成分として、東レ社製『アミ
ランCM6541−X4』[ナイロン6/12の共重合
体、密度1.10g/cm3、融点196℃)]を用い
た以外は同様に単層射出成形品を得て、同様に評価を行
った。
【0058】実施例及び比較例の評価結果を表1にまと
めて示す。
【0059】 〔表1〕 耐衝撃性 転写性 リサイクル性 リサイクル後の耐衝撃性 実施例1 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 2 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 3 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 4 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 5 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 6 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 7 ○ ○ ○ ○ 〃 8 ○ ○ ○ ○ 〃 9 ○ ○ ○ ○ 〃 10 ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 11 ◎ ◎ ◎ ◎ 比較例1 × × ◎ × 〃 2 × × × ×
【0060】
【発明の効果】本発明の単層射出成形品は、EVOH及
び特定のポリアミド系樹脂を含有してなる組成物を用い
ているため、耐落下衝撃性や金型の転写性、さらにはリ
サイクル性等に優れるもので、食品包装や燃料用タンク
等のキャップやパイプ、さらには各種部品、たとえば、
タンクとチューブを接続するコネクターやバルブ等に有
用で、自動車のガソリンタンクと給油口をつなぐフィラ
ーパイプ等の用途にも用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 29/04 C08L 29/04 S 77:00) 77:00 B29K 55:00 B29K 55:00 77:00 77:00 B29L 31:00 B29L 31:00 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA29X AA54 AA55 AA84 AB02 AB27 AH04 AH05 AH07 AH19 BB05 4F206 AA19K AA29K AH81 JA07 4J002 BB221 BE031 CL002 CL012 CL032 CL052 DA016 DK006 GG01 GG02 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)及び融点が160℃以下のポリアミド系樹脂
    (B)を含有する組成物からなることを特徴とする単層
    射出成形品。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)及び融点が160℃以下のポリアミド系樹脂
    (B)の含有重量比(A/B)が50/50〜99/1
    であることを特徴とする請求項1記載の単層射出成形
    品。
  3. 【請求項3】 さらに、該組成物中にホウ素またはホウ
    素化合物(C)を含有させることを特徴とする請求項1
    または2記載の単層射出成形品。
  4. 【請求項4】 ホウ素またはホウ素化合物(C)の含有
    量が(A)及び(B)の合計量に対してホウ素換算で1
    0〜10000ppmであることを特徴とする請求項3
    記載の単層射出成形品。
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