JP2001049069A - 樹脂組成物および積層体 - Google Patents
樹脂組成物および積層体Info
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Abstract
続成形性に優れた樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも2種のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物と低融点ナイロン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の部分ケン化物、熱可塑性ポリウレタンか
ら選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を特定の配合
比率で含有してなる。
Description
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)と
特定の熱可塑性樹脂のブレンド物(樹脂組成物)および
積層体に関する。
リア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、
かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材
料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料
に用いられており、かかるEVOHは、その機械的強度
等の向上を目的として、加熱延伸処理されることも多
く、延伸性能も重要な要求性能となってくる。
ロピレンやポリスチレン等の熱可塑性樹脂に比べて加熱
延伸成形性に劣るため、かかる対策として、EVOHに
可塑剤を添加する方法(特開昭53−88067号公
報、特開昭59−20345号公報)やポリアミド系樹
脂をブレンドする方法(特開昭52−141785号公
報、特開昭58−36412号公報)などが提案されて
おり、また一方では、二種類以上の組成の異なるEVO
Hからなる樹脂組成物を用いる方法(特開昭61−47
52号公報、特開昭60−173038号公報、特開昭
63−196645号公報、特開昭63−230757
号公報、特開昭63−264656号公報、特開平2−
261847号公報)も提案されている。更に二種類以
上のEVOHとポリアミド系樹脂をブレンドする方法
(特開昭58−129035号公報、特開平4−202
549号公報、特開平6−23924号公報)も提案さ
れており、本出願人もエチレン含有率の異なる二種のE
VOHと末端調整ポリアミド系樹脂と脂肪族カルボン酸
金属塩からなる樹脂組成物(特開平8−239528号
公報、特開平8−259757号公報)を提案した。
ブレンド物を本発明者が詳細に検討したところ、上記の
特開昭53−88067号公報や特開昭59−2034
5号公報の開示技術では、ガスバリア性が大幅に低下し
てしまい、また特開昭52−141785号公報、特開
昭58−36412号公報、特開昭58−129035
号公報、特開平6−23924号公報開示技術では、ロ
ングラン溶融成形性が低下してしまい、更に特開昭61
−4752号公報、特開昭60−173038号公報、
特開昭63−196645号公報、特開昭63−230
757号公報、特開昭63−264656号公報、特開
平2−261847号公報の開示技術でも、加熱延伸成
形性の向上はある程度認められるものの、組成や構造の
異なるEVOHのブレンドであるためその相溶性は完全
に均一なものではなく、押出条件や加熱延伸成形条件の
振れによって影響を受けやすく、フィルムやカップ、ト
レイ、ボトル等を連続で延伸成形する場合、不良品の発
生が避けられないと言う問題点を有しており、特開平4
−202549号公報、特開平8−239528号公
報、特開平8−259757号公報の開示技術でも、加
熱延伸成形性の向上は更に認められるものの、同様に加
熱延伸成形時の連続成形性の点においては更なる改善の
余地があることが分かった。ゆえに加熱延伸成形時の外
観性、ガスバリア性、連続成形性に優れた樹脂組成物が
望まれるところである。
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、少なくとも2
種のEVOH(A)及び(B)を含有してなり、その配
合重量比が(A):(B)=90:10〜10:90で
あり、且つ低融点ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)の部分ケン化物、熱可塑性ポリウレタン
から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂(C)を含
有してなり、その配合重量比が[(A)+(B)]:
(C)=95:5〜50:50である樹脂組成物が、上
記の目的を達成できることを見出して本発明を完成する
に至った。
本発明の樹脂組成物は、上記の如く少なくとも2種のE
VOHと特定の熱可塑性樹脂を含有してなるもので、か
かる少なくとも2種のEVOHについては、特に限定さ
れることはないが、エチレン含有量が10〜70モル%
(更には20〜60モル%、特には25〜55モル
%)、ケン化度が85モル%以上(更には90モル%以
上、特には95モル%以上)のものが好ましく、該エチ
レン含有量が10モル%未満では高湿時のガスバリア
性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると充
分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が85モル
%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下し
て好ましくない。
(MFR)(210℃、荷重2160g)は、0.1〜
100g/10分(更には0.5〜50g/10分、特
には1〜30g/10分)が好ましく、該メルトフロー
レートが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機
内が高トルク状態となって押出加工が困難となり、また
該範囲よりも大きい場合には、加熱延伸成形時の外観性
やガスバリア性が低下することがあり好ましくない。
合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、
懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い
得る。
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。
く少なくとも2種のEVOHが、下記の(1)〜(3)
式の少なくとも1つを満足するとき、本発明の効果を顕
著に発現できうる点で好ましく、かかる(1)〜(3)
式の条件を全て満足することが最も好ましく、次いで
(1)及び(2)式の条件を満足することが好ましく、
次いで(1)及び(3)式、又は(2)及び(3)式の
条件を満足することが好ましい。また、(1)、
(2)、(3)式の中では、(1)式を満足することが
一番好ましく、次いで(2)式、その次に(3)式であ
る。
(A)−Sv(B)|が1〜15モル%であることが好
ましく、特には2〜10モル%であることが好ましい。
また、(2)式においても、更には|Et(A)−Et
(B)|が5〜25モル%であることが好ましく、特に
は8〜20モル%であることが好ましい。更に、(3)
式においても、更にはMFR(B)/MFR(A)が4
〜20であることが好ましく、特には4〜15であるこ
とが好ましい。
%)、EtはそれぞれのEVOHのエチレン含有量(モ
ル%)、MFRはそれぞれのEVOHの210℃,21
60g荷重でのメルトフローレート(g/10min)
を表す。
ては、より具体的には、EVOHを市販(東洋精機社
等)のメルトインデクサーを用いて、温度210℃、荷
重2160gの条件でMFRを測定すれば良い。すなわ
ち、JIS K7210「熱可塑性プラスチックの流れ
試験方法」に準拠して、操作A法(手動切取り法)にて
測定するものである。尚、樹脂組成物中に3種以上のE
VOHが含有されるときは、その内の少なくとも2種が
上記(1)〜(3)式の少なくとも1つの条件を満足す
ることが好まし。
共に含有される熱可塑性樹脂(C)は、低融点ナイロ
ン、EVAの部分ケン化物、熱可塑性ポリウレタンから
選ばれるもので、低融点ナイロンとしては、融点が16
0℃以下のポリアミド系樹脂であることが必要であり、
融点が160℃を越えるナイロン(ポリアミド系樹脂)
を使用しても本発明の効果を得ることはできず、更に好
ましくは80〜145℃、特に好ましくは80〜150
℃であり、具体的にかかるポリアミド系樹脂としては、
ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプ
タン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナ
イロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、
ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレン
ジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチ
レンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカ
ミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミ
ド(ナイロン8、6)、ポリデカメチレンアジパミド
(ナイロン108)、カプロラクタム/ラウリルラクタ
ム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω
−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロ
ラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共
重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン12/66)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサ
メチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン
26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセ
バケート共重合体(ナイロン66/610)、エチレン
アンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウ
ムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケー
ト共重合体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフ
タルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフ
タルアミド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂
をメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の
芳香族アミンで変性したものやメタキシリレンジアンモ
ニウムアジペート等のうち、融点が160℃以下のもの
が挙げられる。
C)を用いて、昇温速度10℃/minで測定される融
解ピーク温度(℃)を表す。
に限定されないが、工業的には上記のポリアミド系樹脂
のうち、特定比率の共重合体を使用することが好まし
く、該共重合体ナイロンとして具体的には、ナイロン6
/12、ナイロン6/69、ナイロン6/66/61
0、ナイロン6/66/610/12、ナイロン6/6
6/610/11等やその芳香族アミン変性物が挙げら
れ、市販されている具体的な商品名としては、「アミラ
ンCM4000」、「アミランCM8000」、「アミ
ランCM6541X3」、「アミランCM831」、
「アミランCM833」(以上、東レ社製)、「エルバ
ミド8061」、「エルバミド8062S」、「エルバ
ミド8066」(以上、デュポンジャパン社製)、「グ
リロンCF6S」「グリロンCF62BS」「グリロン
CA6E」「グリロンXE3381」(以上、エムスジ
ャパン社製)などが挙げられる。
ン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分が部分的にケ
ン化されて水酸基となっているもので、本発明において
は、エチレン含有量が70〜95モル%(更には80〜
92モル%)、酢酸ビニル成分のケン化度が20〜98
モル%(更には30〜96モル%)のものが好適に用い
られ、エチレン含有量が70モル%未満では樹脂組成物
の熱安定性が不良となる傾向にあり、95モル%を超え
るとEVOHとの相溶性が不良となる傾向にあり、酢酸
ビニル成分のケン化度が20モル%未満ではEVOHと
の相溶性が不良となる傾向にあり、98モル%を超える
と加熱延伸成形時の連続成形性が不充分となることがあ
る。
ート(MFR)(190℃、荷重2160g)は、0.
5〜100g/10分(更には1〜50g/10分)
が、EVOHとの相溶性に優れる点で好ましい。
らに、EVOHとの相溶性を向上させるために、不飽和
カルボン酸またはその無水物を付加反応やグラフト反応
等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を
含有する変性体であってもよく、かかる不飽和カルボン
酸又はその無水物としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、エタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不
飽和モノカルボン酸や、フマール酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチル、無水マレイン酸などのエチレン性不飽
和ジカルボン酸やその無水物、ハーフエステル等が挙げ
られ、中でも、無水マレイン酸が好適に用いられる。市
販されている具体的な商品名としては、「デュミラン」
(武田薬品工業社製)、「メルセンH」(東ソー社製)
などが挙げられる。
常、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とをウレ
タン反応させることにより得られるものであり、ウレタ
ン原料のうち、ポリエステルポリオール(縮合系ポリエ
ステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール等)、ポリエーテルポ
リオールなどが用いられる。
しては、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、ピメリ
ン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボン酸又はその
低級アルキルエステルと、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,1
0−デカメチレングリコール等の側鎖を有しない脂肪族
ジオールや、1,2−プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサン
ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等の側鎖を有する脂肪族ジ
オールとを反応させたものなどが挙げられる。
は、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、δ−バレ
ロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロ
ラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル
−ε−カプロラクトン等のラクトン化合物を、短鎖のポ
リオール等のヒドロキシ化合物と共に反応させたものな
どが挙げられる。
鎖のポリオール等のヒドロキシ化合物と、ジアリルカー
ボネート、ジアルキルカーボネート又はエチレンカーボ
ネートからエステル交換反応によって得られたものが使
用される。例えば、ポリ−1,6−ヘキサメチレンカー
ボネート、ポリ−2,2’−ビス(4−ヒドロキシヘキ
シル)プロパンカーボネートなどが工業的に生産されて
おり入手しやすい。ポリカーボネートポリオールを得る
別の方法としては、いわゆるホスゲン法(又は溶剤法)
によることができる。
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレング
リコール、グリセリンベースポリアルキレンエーテルグ
リコール等が挙げられる。上記のほか、公知の各種のポ
リウレタン用ポリオールを使用することもできる。
しては、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロ
ピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、
メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート
や、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−
メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、クロロ
フェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−
1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、多価ア
ルコールとポリイソシアネートとのアダクトなどが用い
られる。
ル、多価アミン等の鎖延長剤を使用することもできる。
市販されている具体的な商品名としては、「パンデック
ス」(大日本インキ化学工業社製)、「クラミロン」
(クラレ社製)、「ミラクトラン」(日本ミラクトラン
社製)などが挙げられる。
は、種類、構造、組成、分子量(MFR)などの異なる
低融点ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分
ケン化物、熱可塑性ポリウレタンから選ばれる熱可塑性
樹脂を併せて2種類以上用いることもできる。
(B)と熱可塑性樹脂(C)からなるものであり、ブレ
ンドするそれぞれの配合量については、(A)/(B)
の配合重量比は90/10〜10/90(更には85/
15〜15/85)とすることが必要であり、かかる重
量比が90/10を越えるときや逆に10/90未満の
ときは加熱延伸成形時の連続成形性が不充分となり本発
明の目的を達成することができない。尚、樹脂組成物中
に3種類以上のEVOHが含有されるときは、その内の
少なくとも2種が上記配合重量比を満足することが必要
である。また、(C)の量は、(A)と(B)の合計量
(A+B)との関係において、(A+B)/(C)の配
合重量比を95/5〜50/50(更には90/10〜
60/40)とすることが必要であり、かかる重量比が
95/5を越えるときは、加熱延伸成形時の成形物の外
観性が劣ることにあり、逆に50/50未満のときは、
加熱延伸成形時の成形物のガスバリア性が不充分となり
本発明の目的を達成することができない。尚、樹脂組成
物中に2種類以上の熱可塑性樹脂(C)が含有されると
きは、その総計が上記配合重量比を満足することが必要
である。
れないが、混合の均一性の点からは溶融状態で混練する
ことが好ましく、その手段としては、例えば、ニーダー
ルーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキ
サー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行
うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用い
ることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント
吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設ける
ことも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解低分子
量物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント
孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混
入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連
続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽
減された品質の優れた樹脂組成物を得ることができる。
ず、イ)EVOH(A)及び(B)を押出機に供給する
前に予めブレンドしておいてから熱可塑性樹脂(C)と
ドライブレンドして一括して押出機に供給する方法、
ロ)EVOH(A)及び(B)と熱可塑性樹脂(C)を
ドライブレンドして一括して押出機に供給する方法、
ハ)(A)、(B)、(C)のうち1種以上の樹脂を押
出機に供給して溶融させたところに固体状の他の樹脂を
供給する方法(ソリッドサイドフィード法)、ニ)
(A)、(B)、(C)のうち1種以上の樹脂を押出機
に供給して溶融させたところに溶融状態の他の樹脂を供
給する方法(メルトサイドフィード法)等を挙げること
ができ、更にイ)の方法においてEVOH(A)及び
(B)を予めブレンドしておくには、各EVOHを水−
アルコールやジメチルスルフォキサイド等の溶剤に溶解
して溶液状態で混合する方法、各EVOHのケン化前の
エチレン−酢酸ビニル系共重合体をメタノール等のアル
コール溶媒に溶解した状態で混合して同時にケン化する
方法、各EVOHを溶融混合する方法などが挙げられる
が、中でも、ロ)の方法が装置の簡便さ、ブレンド物の
コスト面等で工業上実用的である。
酢酸、ホウ酸、リン酸等の酸類やそのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、遷移金属等の金属塩を含有させること
も、樹脂組成物の熱安定性、ロングラン成形性、積層体
としたときの接着性樹脂との層間接着性、加熱延伸成形
性等が向上する点で好ましく、特にホウ酸、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩がその効果に優れる点で好ま
しく用いられる。
してホウ素換算で10〜10000ppm(更には20
〜2000ppm、特には50〜1000ppm)とす
ることが好ましく、かかるホウ素の含有量が10ppm
未満ではその含有効果が充分得られないことがあり、逆
に10000ppmを越えると得られる成形物の外観が
悪化して好ましくない。
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭
酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸の金属塩が挙げられ、好
適には酢酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩であ
る。また、該金属塩の含有量としては、樹脂組成物に対
して金属換算で5〜1000ppm(更には10〜50
0ppm、特には20〜300ppm)とすることが好
ましく、かかる含有量が5ppm未満ではその含有効果
が充分得られないことがあり、逆に1000ppmを越
えると得られる成形物の外観が悪化して好ましくない。
尚、樹脂組成物中に2種以上のアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属の塩が含有される場合は、その総計が
上記の含有量の範囲にあることが好ましい。
せる方法については、特に限定されず、予め1種以上の
EVOHに含有させておいたり、各EVOHと熱可塑性
樹脂(C)のブレンド時に同時に含有させたり、各EV
OHと熱可塑性樹脂(C)のブレンド後の樹脂組成物に
含有させたり、これらの方法を組み合わせたりすること
ができる。本発明の効果をより顕著に得るためには、予
め1種以上のEVOHに含有させておく方法が、酸類や
その金属塩の分散性に優れる点で好ましい。
方法としては、ア)含水率20〜80重量%のEVOH
の多孔性析出物を、酸類やその金属塩の水溶液と接触さ
せて、酸類やその金属塩を含有させてから乾燥する方
法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液等)
に酸類やその金属塩を含有させた後、凝固液中にストラ
ンド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断し
てペレットとして、更に乾燥処理をする方法、ウ)EV
OHと酸類やその金属塩を一括して混合してから押出機
等で溶融混練する方法、エ)EVOHの製造時におい
て、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で中和して、残
存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処理により調整
したりする方法等を挙げることができる。本発明の効果
をより顕著に得るためには、酸類やその金属塩の分散性
に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好ましい。
であるが、本発明においては、本発明の目的を阻害しな
い範囲において、かかる樹脂組成物に、飽和脂肪族アミ
ド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド
(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例え
ばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩
(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量50
0〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低
分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えば
ハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリ
コール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価
アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば無機系酸素吸収
剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解
質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、
光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤とし
て、アスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属
塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノー
ルアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチ
ルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタ
ミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリ
ン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コ
バルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合
体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有
還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、
高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹脂と遷移金属と
の配位結合体(例:MXDナイロンとコバルトの組合
せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物
(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭
素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:
ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹
脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体(例:ポ
リビニルアントラキノン)等や、さらにこれらの配合物
に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(市
販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加したも
のなど)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アン
チブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フ
ィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミ
ド等)等を配合しても良い。
加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に
優れ、勿論単層として各種用途に用いることは可能であ
るが、積層体としても有用で、特に該樹脂組成物からな
る層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層してなる
積層体として用いることが好ましく、耐水性、機械的特
性、ヒートシール性等が付与された実用に適した積層体
が得られる。
いるため、加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連
続成形性に非常に優れた効果を示すものである。以下に
かかる積層体について説明する。
の樹脂組成物の片面又は両面に、他の基材(熱可塑性樹
脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、例え
ば本発明の樹脂組成物のフィルム、シート等に他の基材
を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に該樹脂
組成物を溶融押出ラミネートする方法、該樹脂組成物と
他の基材とを共押出する方法、本発明の樹脂組成物
(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシ
アネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン
化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする
方法等が挙げられる。上記の溶融押し出し時の溶融成形
温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
有用で、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロッ
クおよびランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
プロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜
20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペ
ンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれ
らのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸
又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義の
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂肪族ポリケト
ン、更にこれらを還元して得られるポリアルコール類、
更には他のEVOH等が挙げられるが、積層体の物性
(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合
体、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好
ましく用いられる。
ート等の成形物に他の基材を押出コートしたり、他の基
材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートす
る場合、かかる基材としては、前記の熱可塑性樹脂以外
に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチ
ックフィルム又はシートおよびその無機物蒸着物、織
布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑
性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィル
ム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみ
ならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/
b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b
1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、更
には、少なくとも樹脂組成物と熱可塑性樹脂の混合物か
らなるリグラインド層をRとするとき、b/R/a、b
/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/
b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能で
あり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯
(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏
心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。尚、上記の
層構成において、それぞれの層間には、必要に応じて接
着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂とし
ては、種々のものを使用することもでき、延伸性に優れ
た積層体が得られる点で好ましく、bの樹脂の種類によ
って異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸または
その無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオ
レフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化
学的に結合させて得られたカルボキシル基を含有する変
性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的に
は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マ
レイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸
グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびラ
ンダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラ
フト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた
1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げら
れる。このときの、熱可塑性樹脂に含有される不飽和カ
ルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%
が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に
好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中
の変性量が少ないと、接着性が不充分となることがあ
り、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなるこ
とがあり好ましくない。またこれらの接着性樹脂には、
本発明の樹脂組成物や他のEVOH、ポリイソブチレ
ン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー
成分、更にはb層の樹脂等をブレンドすることも可能で
ある。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂
と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることによ
り、接着性が向上することがあり有用である。
類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に
言えないが、通常は、a層は5〜500μm(更には1
0〜200μm)、b層は10〜5000μm(更には
30〜1000μm)、接着性樹脂層は5〜400μm
(更には10〜150μm)程度の範囲から選択され
る。
用されるが、前述のように、本発明の樹脂組成物は加熱
延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に優れ
ているので、更に該積層体の物性を改善するためには加
熱延伸処理を施すことも好ましい。ここで加熱延伸処理
とは、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリ
ソン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、
ブローなどにより、カップ、トレイ、チューブ、ボト
ル、フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる
延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであって
もよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的
に良好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラや
偏肉、デラミ等の生じない、ガスバリア性に優れた延伸
成形物が得られる。
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧
空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸
延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のい
ずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、
好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
とも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、
上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170
℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度
熱処理を行う。
装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに製
品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該フ
ィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは70
〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、該
フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。
ーブ、ボトル等からなる容器や延伸フィルムからなる袋
や蓋材は食品、飲料、医薬品、化粧品、工業薬品、洗
剤、農薬、燃料等各種の包装材料として有用である。
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
定については、示差走査熱量計(パーキンエルマー社
製、「DSC−7」)を用いて昇温速度10℃/min
で測定することにより行った。また、EVOH中のホウ
酸含有量の測定については、EVOHをアルカリ溶融し
てICP発光分光分析法によりホウ素を定量することに
より行った。更に、アルカリ(土類)金属含有量の測定
については、EVOHを灰化後、塩酸水溶液に溶解して
原子吸光分析法によりアルカリ(土類)金属を定量する
ことにより行った。
た。但し、各EVOH中の種々の金属塩に関しては、E
VOHの含水多孔性析出物を金属塩含有の水溶液と接触
させて、金属塩を含有させてから乾燥することにより含
有させた。
9.5モル%、MFR3.5g/10分、Tm183
℃、酢酸ナトリウム含有量535ppm(Naとして1
50ppm含有) EVOH−2:エチレン含有量49モル%、ケン化度9
7.0モル%、MFR30g/10分、Tm142℃、
酢酸ナトリウム含有量355ppm(Naとして100
ppm含有) EVOH−3:エチレン含有量34モル%、ケン化度9
9.6モル%、MFR3.0g/10分、Tm181
℃、リン酸二水素カルシウム含有量175ppm(Ca
として30ppm含有) EVOH−4:エチレン含有量44モル%、ケン化度9
6.1モル%、MFR15g/10分、Tm149℃、
酢酸マグネシウム含有量120ppm(Mgとして20
ppm含有) EVOH−5:エチレン含有量29モル%、ケン化度9
9.4モル%、MFR3.0g/10分、Tm188
℃、ホウ酸含有量450ppm(Bとして80ppm含
有) EVOH−6:エチレン含有量44モル%、ケン化度9
9.5モル%、MFR12g/10分、Tm164℃、
酢酸カルシウム含有量160ppm(Caとして40p
pm含有) EVOH−7:エチレン含有量38モル%、ケン化度9
9.6モル%、MFR4.0g/10分、Tm173
℃、ホウ酸含有量675ppm(Bとして120ppm
含有) EVOH−8:エチレン含有量32モル%、ケン化度9
9.5モル%、MFR20g/10分、Tm183℃、
酢酸ナトリウム含有量285ppm(Naとして80p
pm含有)
0」、ナイロン6/66/610/12の共重合体、密
度1.12g/cm3、融点128℃ 低融点ナイロン−2:エムスジャパン社製「グリロンC
F6S」、ナイロン6/12の共重合体、密度1.05
g/cm3、融点133℃ 低融点ナイロン−3:エムスジャパン社製「グリロンC
A6E」、ナイロン6/12共重合体、密度1.06g
/cm3、融点124℃
410M」、エチレン含有量89モル%、ケン化度40
モル%、MFR16g/10分(190℃、2160g
荷重) EVAの部分ケン化物−2:東ソー社製「メルセンH6
810」、エチレン含有量89モル%、ケン化度80モ
ル%、MFR18g/10分(190℃、2160g荷
重) EVAの部分ケン化物−3:武田薬品工業社製「デュミ
ランC−1570」、エチレン含有量86モル%、ケン
化度70モル%、MFR20g/10分(190℃、2
160g荷重)、不飽和カルボン酸変性物 熱可塑性ポリウレタン−1:大日本インキ化学工業社製
「パンデックスT−1180」、ポリエステル系ポリウ
レタン、密度1. 19g/
cm3 熱可塑性ポリウレタン−2:大日本インキ化学工業社製
「パンデックスT−2185」、ラクトン系ポリウレタ
ン、密度1.17g/cm3
融点ナイロン−1(C)を用いて、重量配合比(A)/
(B)/(C)=75/15/10となるように混合し
てから、ストランドダイを備えた二軸押出機に供給し、
以下の条件で溶融押出を行い、得られたストランドをペ
レタイザーで切断して、目的とする樹脂組成物(ペレッ
ト状)を得た。
v(A)−Sv(B)|=|99.5−97.0|=
2.5、|Et(A)−Et(B)|=|32−49|
=17、MFR(B)/MFR(A)=30/3.5=
8.6で、本文中の(1)〜(3)式を全て満足するも
のであった。
造体の製造(加熱延伸成形)を行って、外観性、ガスバ
リア性、連続成形性の評価を行った。
組成物をフィードブロック3種5層の多層Tダイを備え
た多層押出装置に供給して、ポリスチレン(エーアンド
エムスチレン社製『ダイアレックス HT516』)層
/接着樹脂(三菱化学社製『モディックAP F50
2』)層/樹脂組成物層/接着樹脂層(同左)/ポリス
チレン層(同左)の層構成(厚み450/90/120
/90/450μm)の多層シートを得て、次にプラグ
アシスト型真空圧空成形機(浅野研究所製)にて、ヒー
ター温度が500℃で加熱時間28secでカップ(上
面65mmΦ、底面60mmΦ、深さ55m)の加熱延
伸成形加工を行って多層構造体を作製した。
バリア性、連続成形性を下記の如く評価した。 (外観性)上記で得られたカップを、光学顕微鏡で観察
して下記の基準により評価した。 ○ −−− 微小なクラックやピンホール、局部的な偏
肉は全く認められない △ −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール或いは局部的な偏肉が若干認められる × −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール及び局部的な偏肉が著しく認められる
上面をアルミ金属板で密封して酸素透過度を測定(モダ
ンコントロール社製「OXTRAN10/50」を用い
て23℃、50%RH条件)した。
して2時間行って、120個のカップを得、以下のよう
に評価した。 ◎ −−− 120個とも上記外観性の評価が○である ○ −−− 117〜119個が上記の外観性の評価が
○である △ −−− 111〜116個が上記の外観性の評価が
○である × −−− 110個以下が上記の外観性の評価が○で
ある
て樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。実施例及び
比較例の評価結果を表3に示す。
のEVOHと特定の熱可塑性樹脂を特定の配合比率でブ
レンドしているため、加熱延伸成形時の外観性、ガスバ
リア性、連続成形性に優れ、各種包装用途(食品、飲
料、化粧品、医薬品、工業薬品、農薬、溶剤、燃料等)
の包装材料として有用である。
共に含有される熱可塑性樹脂(C)は、低融点ナイロ
ン、EVAの部分ケン化物、熱可塑性ポリウレタンから
選ばれるもので、低融点ナイロンとしては、融点が16
0℃以下のポリアミド系樹脂であることが必要であり、
融点が160℃を越えるナイロン(ポリアミド系樹脂)
を使用しても本発明の効果を得ることはできず、更に好
ましくは80〜150℃、特に好ましくは80〜145
℃であり、具体的にかかるポリアミド系樹脂としては、
ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプ
タン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナ
イロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、
ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレン
ジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチ
レンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカ
ミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミ
ド(ナイロン8、6)、ポリデカメチレンアジパミド
(ナイロン108)、カプロラクタム/ラウリルラクタ
ム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω
−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロ
ラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共
重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン12/66)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサ
メチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン
26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセ
バケート共重合体(ナイロン66/610)、エチレン
アンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウ
ムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケー
ト共重合体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフ
タルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフ
タルアミド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂
をメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の
芳香族アミンで変性したものやメタキシリレンジアンモ
ニウムアジペート等のうち、融点が160℃以下のもの
が挙げられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも2種のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(A)及び(B)を含有してなり、そ
の配合重量比が(A)/(B)=90/10〜10/9
0であり、且つ低融点ナイロン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体の部分ケン化物、熱可塑性ポリウレタンから選
ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂(C)を含有して
なり、その配合重量比が(A+B)[(A)及び(B)
の合計量]/(C)=95/5〜50/50であること
を特徴とする樹脂組成物。 - 【請求項2】 2種のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(A)及び(B)が下記の(1)式を満足するこ
とを特徴とする樹脂組成物。 |Sv(A)−Sv(B)|≧1 ・・・(1) [但し、Svはそれぞれのエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物のケン化度(モル%)を表す。] - 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物を含
有する層を少なくとも1層含むことを特徴とする積層
体。
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