JP2003020759A - パネル材の防水構造並びに屋根パネル材及び外壁用パネル材 - Google Patents

パネル材の防水構造並びに屋根パネル材及び外壁用パネル材

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JP2003020759A
JP2003020759A JP2001208789A JP2001208789A JP2003020759A JP 2003020759 A JP2003020759 A JP 2003020759A JP 2001208789 A JP2001208789 A JP 2001208789A JP 2001208789 A JP2001208789 A JP 2001208789A JP 2003020759 A JP2003020759 A JP 2003020759A
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Katsumi Tanaka
勝巳 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来以上に単純な構造であるにも
関わらず、屋根パネル材同士の係合部の防水性を従来と
同等かそれ以上とすることが可能な屋根パネル材の防水
構造及び屋根パネル材を提供することである。 【解決手段】 本発明は長辺方向の両側縁に形成された
係合部と、短辺方向で隣接する他のパネル材との重複部
6とを備えるパネル材1,2に用いられ、風雨に伴う建
造物の内外での圧力差による重複部6から雨水の浸入を
防ぐ防水構造において、前記防水構造が、重複部6に形
成される等気圧空間5とこの等気圧空間5内に浸入した
雨水を排出する排出手段とからなり、等気圧空間5は、
重複部6に介設されたシール材3を側壁とし、重複部6
を成す上下のパネル材1,2をそれぞれ上底面及び下底
面として、外部及び建造物内部とから区画された空間
と、この空間と外部とを連通する通気手段4とからな
る、ことを特徴とする防水構造を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、等気圧空間を利用
した屋根パネル材及び外壁用パネル材の防水構造並びに
屋根パネル材及び外壁用パネル材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建造物の屋根を葺くための方法として、
金属製の屋根パネル材を互いに係合して2次元的に配列
していく方法がある。この方法の代表的な例が横葺工法
である。
【0003】横葺工法においては、図9(a)に示した
ような矩形状の屋根パネル材201であって、棟側側縁
202を180度上方に折り返した下ハゼとして、所定
間隔で吊子203,203を設け、軒側側縁204を同
様に180度下方に折り返した上ハゼとし、左右方向の
側縁の一方205を同様に下ハゼ構造とし、他方の側縁
206を上ハゼ構造とした屋根パネル材201を用い
る。
【0004】この屋根パネル材201を吊子203,2
03において野地板(不図示)に固定するとともに、左
右上下に隣接する他の屋根パネル材201を小ハゼ掛け
にしながら屋根全体を葺いていく。
【0005】この横葺工法における問題は、図9(b)
に示した他の屋根パネル材201との係合部である小ハ
ゼ掛け207の部分から雨水が浸入する恐れがあること
である。軒側及び棟側の小ハゼ掛け207においては、
台風等の強い風雨の際には、雨水が逆流して浸入する虞
がある。
【0006】しかし、左右方向の小ハゼ掛け207は、
通常の雨天の際でも屋根面を流れ落ちる雨水に絶えず曝
されており、ここからの雨水の浸入を確実に防止する必
要がある。
【0007】しかるに、小ハゼ掛け207の部分は、屋
根パネル材201同士の間の間隙が僅かであるので毛細
管現象により小ハゼ掛け207の僅かな間隙を伝って雨
水が吸い上げられる。さらに、小ハゼ掛け207の部分
に風圧が加わると、毛細管現象により吸い上げられた雨
水が風圧により建造物内部に押し込まれて漏水を発生す
ると言う問題があった。
【0008】この問題を解決するために、様々な提案が
なされている。例えば、図10に示した特開平11−2
70062号公報に記載された発明においては、屋根パ
ネル材100同士の左右方向の接合部101の直下に排
水用の樋102が設けられており、接合部101から浸
入した雨水はこの排水用の樋102で受けられ、屋根の
傾斜に沿って流下して外部に排出されるので、雨水が建
造物内部に浸入しないような構造となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2700
62号公報に記載された発明は、左右方向の接合部10
1の直下に樋102を設けたことにより、建造物内部へ
の雨水の浸入を効果的に防止することが可能となった。
しかし、特開平11−270062号公報に記載された
屋根パネル材100は、そのために新たに樋102を設
けなければならないなど屋根パネル材100の構造が複
雑になってしまうという問題点がある。
【0010】このように構造が複雑となることにより、
現場での施工時に屋根パネル材100の左右方向の接合
部101に樋102を設置しなければいけないために、
施工に手間と時間がかかっていた。加えて、樋102を
必要とする為に屋根葺きコストが高価となってしまう。
【0011】本発明は、このような問題点に鑑みなされ
たものであり、従来以上に単純な構造であり、簡単に施
工を行うことができるにも関わらず、屋根パネル材同士
の係合部の防水性を従来と同等かそれ以上とすることが
可能な屋根パネル材の防水構造及び屋根パネル材を提供
することを課題とする。また、本発明の屋根パネル材の
防水構造及び屋根パネル材をそれぞれ応用した外壁用パ
ネル材の防水構造及び外壁パネルを提供することを課題
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、建造
物の一部分を被覆するためのパネル材の防水構造であっ
て、長辺方向の両側縁にそれぞれ形成された係合部と、
短辺方向で隣接する他のパネル材と重複する重複部とを
備えるパネル材に用いられ、前記重複部から雨水の浸入
を防ぐパネル材の防水構造において、前記パネル材の防
水構造が、前記重複部に形成される等気圧空間とこの等
気圧空間内に浸入した雨水を排出する排出手段とからな
り、前記等気圧空間は、前記重複部に介設されたシール
材を側壁とし、前記重複部を成す上下のパネル材をそれ
ぞれ上底面及び下底面として、外部及び建造物内部とか
ら区画された区画部と、この区画部と外部とを連通する
ための通気手段とからなる、ことを特徴とするパネル材
の防水構造である。
【0013】請求項1の発明においては、シール材は重
複部を短辺方向に横断するように少なくとも2条設けら
れており、これらのシール材のうち、最も外部側に介設
されたシール材は、等気圧空間の壁面をなすと共に、外
部から雨水が等気圧空間内部に浸入することを防ぐ役割
を持っている。また、これらのシール材のうち、建造物
内部側に介設されたシール材は、等気圧空間の壁面をな
すと共に、仮に等気圧空間内部に雨水が浸入するような
ことがあったとしても、その雨水が建造物内部には侵入
しないようにする役割を持っている。
【0014】等気圧空間は通気手段を介して外部と連通
しているために、等気圧空間内部の圧力(P1)と外部
の圧力(P0)とがほぼ等しい状態(P1≒P0)とな
る。これにより、等気圧空間と外部との間で差圧が生じ
ないので、雨水が等気圧空間内部に吸い込まれることが
無くなる。
【0015】また、雨水がたとえ等気圧空間内部に浸入
するようなことがあったとしても、2列目以降のシール
材の存在でそれ以上内部には侵入することが無く、その
2列目のシール材で浸入を阻止された雨水は、パネル材
の傾斜に従い流下して排出手段(排出孔等)により外部
に排出されるので、建造物内部にまで雨水が浸入するこ
とを確実に防ぐことが可能となる。
【0016】請求項2の発明は、前記パネル材は屋根用
の矩形状の縦葺き用の屋根パネル材であり、前記係合部
はハゼ部であり、前記パネル材の防水構造が前記重複部
に形成される前記等気圧空間と前記排出手段とからな
り、前記等気圧空間が、短辺方向に前記屋根パネル材を
横断するように所定の間隔で介設された少なくとも2条
のシール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とか
らなり、前記排出手段が最も軒側に位置する前記シール
材に設けられたことを特徴とする請求項1記載のパネル
材の防水構造である。請求項2の発明においては、長辺
方向の両側縁に隣接する屋根パネル材をハゼ部で係合
し、該ハゼ部を止水性のあるハゼ構造とすることで、長
辺方向の両側縁部の防水性を保っている。
【0017】さらに、短辺方向に隣接する他の屋根パネ
ル材との重複部には前記少なくとも2条のシール材を壁
面として、重複部を形成する上下の屋根パネル材を両底
面とする区画部を形成し、この区画部に通気手段を設け
ることで前記等気圧空間を形成しており、効果的に等気
圧空間へ雨水が浸入することを防止している。
【0018】また、等気圧空間内に浸入した雨水を排出
するための排出手段を最も軒側に位置する前記シール材
に設けたので、たとえ等気圧空間に雨水が浸入するよう
なことがあったとしても、その雨水は屋根の傾斜に従っ
て流下し、シール材の一部を切り欠くなどして設けた排
出孔等の排出手段により外部に排出されるので、雨水が
等気圧空間を乗り越えて建造物内部にまで浸入すること
を確実に防ぐことができる。
【0019】請求項3の発明は、前記パネル材は屋根用
の矩形状の横葺き用の屋根パネル材であり、前記係合部
はハゼ部であり、前記パネル材の防水構造が、前記重複
部に形成される前記等気圧空間と前記排出手段とからな
り、前記等気圧空間が、短辺方向に前記屋根パネル材を
縦断するように所定の間隔で介設された少なくとも2条
のシール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とか
らなり、前記排出手段が、前記重複部を成す上側の屋根
パネル材で前記等気圧空間の上底面をなす部分の軒側端
部に設けられたことを特徴とする請求項1記載のパネル
材の防水構造である。
【0020】請求項3の発明は、長辺方向の両側縁に隣
接する屋根パネル材をハゼ部で係合し、該ハゼ部を止水
性のあるハゼ構造とすることで、長辺方向の両側縁部の
防水性を保っている。
【0021】さらに、短辺方向に隣接する他の屋根パネ
ル材との重複部には前記少なくとも2条のシール材を壁
面として、重複部を形成する上下の屋根パネル材を両底
面とする区画部を形成し、この区画部に通気手段を設け
ることで前記等気圧空間を形成しており効果的に等気圧
空間へ雨水が浸入することを防止している。
【0022】また、等気圧空間内に浸入した雨水を排出
するための排出手段を等気圧空間の上底面となる屋根パ
ネル材の軒側端部に設けたので、たとえ等気圧空間に雨
水が浸入するようなことがあったとしても、その雨水は
屋根の傾斜に従い軒側端部に向かって流下し、軒側端部
に設けられた排出孔等の排出手段により外部に排出され
るので、雨水が等気圧空間を乗り越えて建造物内部にま
で浸入することを確実に防ぐことができる。
【0023】請求項4の発明は、前記パネル材は外壁用
の矩形状の縦葺き用の外壁用パネル材であり、前記係合
部はハゼ部であり、前記パネル材の防水構造が前記重複
部に形成される前記等気圧空間と前記排出手段とからな
り、前記等気圧空間が、短辺方向に前記外壁用パネル材
を横断するように所定の間隔で介設された少なくとも2
条のシール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段と
からなり、前記排出手段が最も水下側に位置する前記シ
ール材に設けられたことを特徴とする請求項1記載のパ
ネル材の防水構造である。
【0024】請求項4の発明においては、長辺方向の両
側縁に隣接する外壁用パネル材をハゼ部で係合し、該ハ
ゼ部を止水性のあるハゼ構造とすることで、長辺方向の
両側縁部の防水性を保っている。
【0025】さらに、短辺方向に隣接する他の外壁用パ
ネル材との重複部には前記少なくとも2条のシール材を
壁面として、重複部を形成する上下の外壁用パネル材を
両底面とする区画部を形成し、この区画部に通気手段を
設けることで前記等気圧空間を形成しており、効果的に
等気圧空間へ雨水が浸入することを防止している。
【0026】また、等気圧空間内に浸入した雨水を排出
するための排出手段を前記シール材のうち最も水下側の
シール材の一部を切り欠くなどして等気圧空間の水下側
に設けたので、仮に等気圧空間に雨水が浸入するような
ことがあったとしても、その雨水は外壁面に従い水下側
に向かって流下し、排出手段により外部に排出されるの
で、雨水が等気圧空間を乗り越えて建造物内部にまで浸
入することを確実に防ぐことができる。
【0027】請求項5の発明は、前記パネル材は外壁用
の矩形状の横葺き用の外壁用パネル材であり、前記係合
部はハゼ部であり、前記パネル材の防水構造が、前記重
複部に形成される前記等気圧空間と前記排出手段とから
なり、前記等気圧空間が、短辺方向に前記外壁用パネル
材を縦断するように所定の間隔で介設された少なくとも
2条のシール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段
とからなり、前記排出手段が、前記重複部を成す上側の
外壁用パネル材で前記等気圧空間の上底面をなす部分の
水下側端部に設けられたことを特徴とする請求項1記載
のパネル材の防水構造である。請求項5の発明において
は、長辺方向の両側縁に隣接する外壁用パネル材をハゼ
部で係合し、該ハゼ部を止水性のあるハゼ構造とするこ
とで、長辺方向の両側縁部の防水性を保っている。
【0028】さらに、短辺方向に隣接する他の外壁用パ
ネル材との重複部には前記少なくとも2条のシール材を
壁面として、重複部を形成する上下の外壁用パネル材を
両底面とする区画部を形成し、この区画部に通気手段を
設けることで前記等気圧空間を形成しており効果的に等
気圧空間へ雨水が浸入することを防止している。
【0029】また、等気圧空間内に浸入した雨水を排出
するための排出手段を等気圧空間の上底面となる外壁用
パネル材の水下側端部に設けたので、たとえ等気圧空間
に雨水が浸入するようなことがあったとしても、その雨
水は外壁の傾斜に従い水下側端部に向かって流下し、水
下側端部に設けられた排出孔等の排出手段により外部に
排出されるので、雨水が等気圧空間を乗り越えて建造物
内部にまで浸入することを確実に防ぐことができる。
【0030】請求項6の発明は、矩形状の横葺き用の屋
根パネル材において、この屋根パネル材の長辺方向の棟
側縁及び軒側縁にそれぞれ設けられたハゼ部と、この屋
根パネル材の一方の短辺近傍に短辺方向にこの屋根パネ
ル材を縦断するように所定の間隔で設けられた少なくと
も2条のシール材とこのシール材で区画される位置に設
けた通気部とを有し、前記屋根パネル材の他方の短辺に
隣接する他の屋根パネル材との重複部において、前記シ
ール材の間に対応する位置で前記屋根パネル材の軒側側
縁の前記ハゼ部に、雨水を排出する排出孔を備えたこと
を特徴とする屋根パネル材である。
【0031】請求項6の発明においては、屋根パネル材
の一方の短辺近傍に少なくとも2条のシール材が設けら
れており、他方の短辺近傍の軒側側縁に設けられたハゼ
部には雨水を排出する排出孔が備えられている。この屋
根パネル材の一方の短辺を隣接する他の屋根パネル材の
他方の短辺の所定部分で覆うようにしながら屋根を葺い
ていく。ここで、この屋根パネル材と他の屋根パネル材
との重複部に着目すると、重複部には、前記シール材が
設けられたこの屋根パネル材を下底面とし、前記シール
材を壁面とし、重ねられた他の屋根パネル材を上底面と
した空間(区画部)が形成される。このシール材で区画
される位置には通気部が存在しており、外部と大気の流
通を行うことが可能であり、所謂等気圧空間となる。さ
らに、他の屋根パネル材の他方の短辺近傍の軒側側縁に
設けられたハゼ部には雨水の排出孔が存在し、この排出
孔は前記重複部における前記シール材の間に相当する位
置に位置するように設けられている。
【0032】このように、請求項6の発明の横葺き用の
屋根パネル材は、短辺方向で互いに係合したときに、重
複部に等気圧空間が形成される。等気圧空間は通気手段
を介して外部と連通しているために、等気圧空間と外部
との間で差圧が生じないので、雨水が等気圧空間内部に
吸い込まれるのを防ぐことが可能となる。また、仮に等
気圧空間内に雨水が浸入したとしても、その雨水は屋根
の傾斜に沿って流下し、排出孔から排出されるので、建
造物内部にまで雨水が浸入することを確実に防ぐことが
可能となる。なお、前記通気部と前記排水孔とは別々の
孔である必要は無く、両者が兼ねられた一つの孔であっ
ても構わない。
【0033】請求項7の発明は、矩形状の縦葺き用の屋
根パネル材において、この屋根パネル材の長辺方向の両
側縁にそれぞれ設けられたハゼ部と、この屋根パネル材
の一方の短辺近傍に短辺方向にこの屋根パネル材を横断
するように所定の間隔で設けられた少なくとも2条のシ
ール材とを有し、この屋根パネル材の他方の短辺に隣接
する他の屋根パネル材との重複部において、前記シール
材の最も軒側に位置するシール材に外部と連通する通気
部及び雨水を排出する排出孔とを備えたことを特徴とす
る屋根パネル材である。
【0034】請求項7の発明は、屋根パネル材の一方の
短辺近傍に少なくとも2条のシール材が設けられてお
り、最も軒側に位置するシール材には、このシール材を
一部切り欠く等して雨水を排出する排出孔が備えられて
いる。
【0035】この屋根パネル材と他の屋根パネル材との
重複部に着目すると、重複部には、前記シール材が設け
られたこの屋根パネル材を下底面とし、前記シール材を
壁面とし、重ねられた他の屋根パネル材を上底面とした
空間(区画部)が形成される。このシール材で区画され
る位置には通気部が存在しており、外部と大気の流通を
行うことが可能であり、所謂等気圧空間となる。ここ
で、前記シール材のうち最も軒側に設けられたシール材
には排出孔が設けられているので等気圧空間内に雨水が
浸入するようなことがあったとしてもそれを排出するこ
とが可能である。なお、前記通気部と前記排水孔とは別
々である必要は無く、両者が兼ねられた一つの孔であっ
ても構わない。
【0036】このように、請求項7の発明の縦葺き用の
屋根パネル材は、重複部に等気圧空間が形成されるの
で、等気圧空間は通気手段を介して外部と連通している
ために、等気圧空間と外部との間で差圧が生じないの
で、雨水が等気圧空間内部に吸い込まれるのを防ぐこと
が可能となる。また、仮に等気圧空間内に雨水が浸入す
るようなことがあったとしてもその雨水は屋根の傾斜に
沿って流下し、排出孔から排出されるので、建造物内部
にまで雨水が浸入することを確実に防ぐことが可能とな
る。
【0037】請求項8の発明は、矩形状の横葺き用の外
壁用パネル材において、この外壁用パネル材の長辺方向
の水上側側縁及び水下側側縁にそれぞれ設けられたハゼ
部と、この外壁用パネル材の一方の短辺近傍に短辺方向
にこの外壁用パネル材を縦断するように所定の間隔で設
けられた少なくとも2条のシール材とこのシール材で区
画される位置に設けた通気部とを有し、前記外壁用パネ
ル材の他方の短辺に隣接する他の外壁用パネル材との重
複部において、前記他の外壁用パネル材が有する前記シ
ール材の間に対応する位置で前記外壁用パネル材の水下
側側縁の前記ハゼ部に雨水を排出する排出孔とを備えた
ことを特徴とする外壁用パネル材である。
【0038】請求項8の発明は、外壁用パネル材の一方
の短辺近傍に少なくとも2条のシール材が設けられてお
り、他方の短辺近傍の水下側側縁に設けられたハゼ部に
は雨水を排出する排出孔が備えられている。
【0039】この外壁用パネル材と他の外壁用パネル材
との重複部に着目すると、重複部には、前記シール材が
設けられたこの外壁用パネル材を下底面とし、前記シー
ル材を壁面とし、重ねられた他の外壁用パネル材を上底
面とした空間(区画部)が形成される。この空間は、水
下側側縁のハゼ部において通気部を有しており、外部と
大気の流通を行うことが可能であり、所謂等気圧空間と
なる。ここで、他の外壁用パネル材の他方の短辺近傍の
水下側側縁に設けられたハゼ部には排出孔が存在し、こ
の排出孔は前記シール材の間に位置するように設けられ
ている。
【0040】このように、請求項8の発明の横葺き用の
外壁用パネル材は、短辺方向で互いに係合したときに、
重複部に等気圧空間が形成されるので、等気圧空間は通
気手段を介して外部と連通しているために、等気圧空間
と外部との間で差圧が生じないので、雨水が等気圧空間
内部に吸い込まれるのを防ぐことが可能となる。また、
仮に等気圧空間内に雨水が浸入するようなことがあった
としてもその雨水は壁面の傾斜に沿って水下側に流下
し、排出孔から排出されるので、建造物内部にまで雨水
が浸入することを確実に防ぐことが可能となる。なお、
前記通気部と前記排水孔とは別々である必要は無く、両
者が兼ねられた一つの孔であっても構わない。
【0041】請求項9の発明は、矩形状の縦葺き用の外
壁用パネル材において、この外壁用パネル材の長辺方向
の両側縁にそれぞれ設けられたハゼ部と、この外壁用パ
ネル材の一方の短辺近傍に短辺方向にこの外壁用パネル
材を横断するように所定の間隔で設けられた少なくとも
2条のシール材とを有し、この外壁用パネル材の他方の
短辺に隣接する他の外壁用パネル材との重複部におい
て、前記シール材の最も水下側に位置するシール材に外
部と連通する通気部及び雨水を排出する排出孔とを備え
たことを特徴とする外壁用パネル材である。
【0042】請求項9の発明は、等気圧空間を利用する
防水性に優れた縦葺き用の外壁用パネル材に関するもの
である。この外壁用パネル材は、一方の短辺近傍に少な
くとも2条のシール材が設けられており、前記シール材
のうちの最も水下側に位置するシール材には、このシー
ル材を一部切り欠く等して雨水を排出する排出孔が備え
られている。
【0043】この外壁用パネル材の一方の短辺を隣接す
る他の外壁用パネル材の他方の短辺の所定部分で覆うよ
うにしながら外壁を葺いていく。ここで、この外壁用パ
ネル材と他の外壁用パネル材との重複部に着目すると、
重複部には、前記シール材が設けられたこの外壁用パネ
ル材を下底面とし、前記シール材を壁面とし、重ねられ
た他の外壁用パネル材を上底面とした空間(区画部)が
形成される。この空間は、長辺方向の側縁のハゼ部にお
いて通気部を有しており、外部と大気の流通を行うこと
が可能であり、所謂等気圧空間となる。ここで、前記シ
ール材のうち最も水下側に設けられたシール材には排出
孔が設けられているので、等気圧空間内に雨水が浸入す
るようなことがあったとしてもそれを排出することが可
能である。
【0044】このように、請求項9の発明の縦葺き用の
外壁用パネル材は、短辺方向で互いに係合したときに、
重複部に等気圧空間が形成されるので、等気圧空間は通
気手段を介して外部と連通しているために、等気圧空間
と外部との間で差圧が生じないので、雨水が等気圧空間
内部に吸い込まれるのを防ぐことが可能となる。また、
仮に等気圧空間内に雨水が浸入するようなことがあった
としてもその雨水は壁面の傾斜に沿って水下側に流下
し、排出孔から排出されるので、建造物内部にまで雨水
が浸入することを確実に防ぐことが可能となる。なお、
前記通気孔と前記排水孔とは別々の孔である必要は無
く、両者が兼ねられた一つの孔であっても構わない。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態の説明を行うが、本発明はこの実施の形態にのみ
限定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化
する種々の変更が加えられうる。
【0046】図1は等気圧空間の概念図であり、図2は
横葺き用の屋根パネル材の斜視図及び断面図であり、図
3は横葺き用の屋根パネル材を葺いた状態を示す模式図
であり、図4は横葺き用の屋根パネル材の他のパネル材
との係合部を示す一部拡大図であり、図5は横葺き用の
屋根パネル材の係合状態における一部断面斜視図であ
り、図6は等気圧空間の種々の実施態様を示す図であ
る。
【0047】また、図7は第2の実施形態である縦葺き
用の外壁用パネル材の姿図及び断面図であり、図8は縦
葺き用の外壁用パネル材を葺いた状態の模式図及び重複
部の断面図である。
【0048】まず、本発明の等気圧空間を用いた防水構
造の概念を図1を用いて説明する。図1はあくまでも防
水構造の概念を説明するためのものであり、後記する実
施の形態とは細部において異なっていることは言うまで
もない。
【0049】図1は、建造物を被覆するためのパネル材
(屋根パネル材又は外壁用パネル材等)の一部を抜き出
したものである。図1の左右方向において上側パネル材
1と下側パネル材2が重複部6において一部重複して重
ねあわされて固定されているものとする。尚、図示はし
ないがこれらのパネル材1,2と上下方向に隣接する他
パネル材とはハゼ等で固定されているものとする。
【0050】重複部6において下側となる下側パネル材
2には重複部6の周囲に沿ってシール材3が接着により
固定されているが、上側パネル材1はシール材3と固定
されてはおらず、圧接しているだけである。また、この
シール材3の水下側端部は一部が切り欠かれて通気孔4
となっている。
【0051】等気圧空間5はこのシール材3を側壁とし
て、上側パネル材1を上底面、下側パネル材2を下底面
とした空間であり、外部及び建造物内部とから区画され
ている。なお、外部側に設けられたシール材3を第1の
シール材3aと、建造物内部側に設けられたシール材3
を第2のシール材3bとする。
【0052】ここで、重複部6が風雨に曝されている状
況を考える。このような状況下においては通気孔4が存
在しなければ、等気圧空間が形成される空間部5と外部
とに差圧が生じる為に上側パネル材1と第1のシール材
3aとの圧接面から雨水が等気圧空間が形成される空間
部5内部に浸入してしまう。
【0053】即ち、強い風が重複部6に吹き付けると、
建造物内部の圧力P2が外部の圧力P0よりも低くなっ
て差圧が発生し、建造物内部へ雨水を吸い込もうとす
る。しかし、本発明では、上記空間部5と外部とを連通
する通気孔4を設けているためにP2=P0と直ちに均
圧して上記空間部5が等気圧空間5となり、もはや両者
間で差圧が生じないので、雨水が吸い込まれて等気圧空
間5へ浸入することを極力防止することが可能となる。
【0054】また、第1のシール材3aと第2のシール
材3bは所定の間隔を持って設置されているので、たと
え等気圧空間内部5に上記パネル材1と第1のシール材
3aとの圧接面から毛細管現象によって僅かの雨水が浸
入したとしても、その雨水が第2のシール材3bで阻止
されるので建造物内部にまで浸入することを確実に防止
できる。
【0055】また、両パネル材1,2を通気孔4が水下
側となるように傾斜させておけば、等気圧空間5内部に
浸入した雨水を、水下側に流下させて通気孔4から排出
することが可能となる。
【0056】このように、上側パネル材1と下側パネル
材2との重複部6にシール材3で区画された等気圧空間
5を設けると言う簡単な構成で、効果的に建造物内部へ
の雨水の浸入を防ぐことができる。
【0057】続いて図2〜6を用いて本発明の第1の実
施形態である横葺き用の屋根パネル材及びその防水構造
について説明する。
【0058】図2は横葺き用屋根パネル材の斜視図(図
2(a))及び断面図(図2(b))である。図2
(a)によれば、横葺き用屋根パネル材10は略矩形状
であり、長辺方向の棟側側縁に設けられたS字型の第1
ハゼ部11と、軒側側縁に設けられたU字型の第2ハゼ
部12と、第1ハゼ部11と第2ハゼ部12との間の平
板部15とからなる。
【0059】また、両短辺の一方(図中左側)に第1の
シール材13aと第2のシール材13bとが所定の間隔
dをもって平板部15上に接着されている。第1のシー
ル材13aと第2のシール材13bの棟側端部は、横葺
き用屋根パネル材10の長辺方向に平行に設けられた第
3のシール材13cにより一体に連結されており、これ
によりシール材13は略コ字形状となっている。
【0060】また、両短辺の他方(図中右側)の軒側端
部(第2のハゼ部12)には、この横葺き用屋根パネル
材10を重複して等気圧空間を形成した際に、その等気
圧空間と外部とを連通する通気孔及び排出孔となる孔1
4が開口している。
【0061】次に、図2(b)を用いて横葺き用屋根パ
ネルの断面形状について説明する。尚、図2(b)は図
2(a)のI−I断面である。棟側側縁のS字型の第1
ハゼ部11は平板部15の棟側端部で平板部15と鋭角
を成すように前方に折り返され、さらにほぼ180度後
方に折り返されたS字部16と、このS字部16が後方
に延出した吊子を兼ねた野地板30への止付固定部17
とからなる。
【0062】また、軒側側縁のU字型の第2ハゼ部12
は平板部15の軒側端部から略直角に立ち下がる雨押部
18と、この雨押部18の下端から後方に折り返された
下端係止片19とからなる。さらに、第1のシール材1
3aが、平板部15を縦断して平板部15の軒側端部か
ら棟側端部まで接着されている。
【0063】この横葺き用屋根パネル材10を野地板3
0上に葺いた状態を図3に示す。軒側及び棟側に隣接す
る他の横葺き用屋根パネル材10とは、第1ハゼ部1
1、第2ハゼ部12により係合されている。この係合部
のII−II断面図を図4(a)に示した。
【0064】棟側となる横葺き用屋根パネル材10aの
下端係止片19は、軒側の横葺き用屋根パネル材10b
の平板部15に屈曲して当接する。このようにして棟側
の横葺き用屋根パネル材10aの平板部15、雨押部1
8及び下端係止片19により形成された凹部に軒側に隣
接する横葺き用屋根パネル材10bのS字部16が嵌り
込むことにより、棟側及び軒側の横葺き用屋根パネル材
10a,10bが係合される。係合部をこのように構成
したことにより、例えば台風時に雨水が逆流するような
ことがあっても、該係合部からの雨水の浸入も確実に防
止することができる。
【0065】また、軒側に隣接する横葺き用屋根パネル
材10bのS字部16から後方に延出する止付固定部1
7には、野地板30への止付用のボルト孔(不図示)が
開口しており、横葺き用屋根パネル材10bがこの開口
を介して木螺子31等で野地板30に固定される。
【0066】本実施の形態においては、軒側及び棟側に
隣接する他の横葺き用屋根パネル材10を係合するため
に上記のようなハゼ構造を用いているが、ハゼ構造は軒
側及び棟側に隣接する他の横葺き用屋根パネル材10を
係合し、ハゼ部からの雨水の浸入がなければ前記のもの
に限定されない。例えば、上記S字型ハゼ部もU字型ハ
ゼ部にして、その係合部にシール材を介装するようにし
ても良い。
【0067】図3において、左右方向に隣接する他の横
葺き用屋根パネル材10との間には積極的な係合手段は
なく、他の横葺き用屋根パネル材10と重複部20にお
いて重ね合わされているのみである。図3のIII−I
II断面図を図4(b)に、重複部20の軒側端部付近
の一部切り欠き斜視図を図5に示した。
【0068】重複部20の下側となる横葺き用屋根パネ
ル材10dには、前記した2条のシール材13a,13
bが所定の間隔dで接着されている。重複部20を構成
する上側となる横葺き用屋根パネル材10cは、このシ
ール材13a,13bに圧接しているのみである。この
シール材13a,13bと重複部20を構成する上下の
横葺き用屋根パネル材10c,10dとにより等気圧空
間21が形成されている。また、等気圧空間21を構成
する上側となる横葺き用屋根パネル材10cの軒側端部
には、外部と大気の流通を行うとともに、等気圧空間2
1内部に雨水が浸入したときにそれを排出するための孔
14が設けられている(図3,図5)。
【0069】この横葺き用屋根パネル材10は、このよ
うに等気圧空間21を有しているために、風圧などによ
り、急激に外部側の圧力が上昇したとしても、前記した
孔14より大気が等気圧空間21内部に流入し、等気圧
空間21内部と外部との差圧を解消するので、第1のシ
ール材13aと上側となる横葺き用屋根パネル材10c
との間隙から雨水が等気圧空間21内部に浸入し難くな
っている。また、たとえ等気圧空間21内に雨水が浸入
するようなことがあったとしても、その雨水は屋根の傾
斜に従い前記した孔14より排出されるので、建造物内
部にまで雨水が浸入することを確実に防止することが可
能となる。
【0070】また、重複部20を構成する上側となる横
葺き用屋根パネル材10cの端部を僅かに下方に折り曲
げて(図4(b)中二点鎖線)下側となる横葺き用屋根
パネル材10dの表面に近づけるようにすれば、より一
層重複部20からの雨水の浸入を防ぎ易くなる。
【0071】ここで、孔14の開口面積は、等気圧空間
21内部に侵入した雨水を容易に排出することができる
とともに、タイムラグ無く外部との差圧を無くして均圧
することが可能であれば開口面積に特に制限は無いが、
等気圧空間21の体積が約30000mm3の時に30
〜40mm2程度の開口面積を有する孔14を設けるこ
とが好ましい。
【0072】また、この横葺き用屋根パネル材10は、
左右方向に隣接する他の横葺き用屋根パネル材10との
重複部20は、2枚のパネル材を重ね合わせるだけの非
常に単純な構造であるために、この横葺き用屋根パネル
材10を製造する際に特別な加工を必要としないと共
に、現場において短辺方向にハゼ折りがない為、非常に
簡単に施工を行うことが可能となる。
【0073】図6に、前記以外の等気圧空間21の幾つ
かの態様を示した。前記の説明においては等気圧空間を
構成するためのシール材13a,13b,13cは全て
下側となる横葺き用屋根パネル材10dに接着されてい
たが(図4(b),図5)、例えば、図6(a)に示す
ように、シール材13aのみを上側となる横葺き用屋根
パネル材10cに接着し、シール材13b,13cを下
側となる横葺き用屋根パネル材10dに接着する等の各
種の変更を加えることが可能である。
【0074】また、図6(b)に示したように重複部2
0に複数の等気圧空間21a,21bを設けることも可
能であり、このような構成とすることで、より一層重複
部20における防水性が高まる。
【0075】以上、第1の実施形態は横葺き用屋根パネ
ル材10を例にして説明を行ったが、もちろん本発明は
縦葺き用屋根パネル材にも応用することが可能である。
【0076】続いて第2の実施形態である縦葺き用外壁
用パネル材について図7、図8を用いて説明する。図7
は、本発明の縦葺き用外壁用パネル材の斜視図(図7
(a))及び断面図(図7(b))である。
【0077】縦葺き用外壁用パネル材50は、長辺方向
の一方の側縁に設けられたS字型の第1ハゼ部51と他
方の側縁に設けられたU字型の第2ハゼ部52と両ハゼ
部51,52の間の平板部53とから構成される。第1
ハゼ部51は、縦葺き用外壁用パネル材50の平板部5
3の端部が上側に折り返され、更にほぼ180度折り返
されることにより形成されており、第2ハゼ部52は外
壁用パネル材50の平板部53の端部が下側に折り返さ
れることにより形成されている(図7(b))。
【0078】この縦葺き用外壁用パネル材50により外
壁を葺いていく際には、第1ハゼ部51と長辺方向に隣
接した縦葺き用外壁用パネル材50の下側に折り曲げら
れた第2ハゼ部52とを互いに係合することにより建造
物の外壁を被覆していく(図8拡大図)。このようにS
字型ハゼとU字型ハゼとで係合させているので、長辺に
直交する方向からの雨水の浸入を防止することができ
る。この実施の形態においては第1ハゼ部51をS字型
として、第2ハゼ部52をU字型としたが、両ハゼ部の
構造は長辺に直交する方向からの雨水の浸入を防止でき
るものであれば前記のものに限定されない。例えば、前
記第1のハゼ部51をU字型として、両ハゼ部51,5
2の係合部に防水のためにシール材を介装するようにし
ても良い。
【0079】また、この縦葺き用外壁用パネル材50の
水上側端部付近には、この縦葺き用外壁用パネル材50
の平板部53を横断するように第1のシール材54a及
び第2のシール材54bが接着されている。この2条の
シール材54a,54bは後記する等気圧空間56(図
8(b))を形成する壁面となる。なお、後記する等気
圧空間56(図8(b))と外部とを連通する孔57
(図8(a))を形成するために2条のシール材54
a,54bの内で水下側となる第1のシール材54aは
中央部付近で一部切断されている。
【0080】図8(a)に示すように、この縦葺き用外
壁用パネル材50により外壁を葺いていく際に、この2
条のシール材54a,54bは、短辺方向に隣接した他
の縦葺き用外壁用パネル材50により上側を覆われて重
複部55を形成する。図8(b)にこの重複部55のI
V−IV断面図を示した。重複部55は、表面が外部に
露出するとともに、裏面が前記した2条のシール材54
a,54bに圧接した外側パネル材50aと、建造物内
部側の内側パネル材50bと、この内側パネル材50b
の水上側端部付近の表面に接着された2条のシール材5
4a,54bとからなる。
【0081】重複部55にはこの2条のシール材54
a,54bを壁面として、内側パネル材50b及び外側
パネル材50aを両底面として外部及び建造物内部とか
ら区画された等気圧空間56が形成されている。さらに
この等気圧空間56は、外部と大気を流通するため及
び、等気圧空間56内部に浸入した雨水を排出するため
に、水下側に位置する第1のシール材54aの一部が切
断された孔57を有している(図8(a))。
【0082】この縦葺き用外壁用パネル材50は、この
ように等気圧空間56を有しているために、風圧などに
より、急激に外部側の圧力が上昇したとしても、前記し
た孔57より大気が等気圧空間56内部に流入し、等気
圧空間56内部と外部との差圧を解消するので、第1の
シール材54aと外側パネル材50aとの間隙から雨水
が等気圧空間56内部に浸入し難くなっている。また、
たとえ等気圧空間56内に雨水が浸入するようなことが
あったとしても、その雨水は外壁の傾斜に従い前記した
孔57より排出されるので、建造物内部にまで雨水が浸
入することを確実に防止できる。
【0083】このように、本発明の縦葺き用外壁用パネ
ル材50においては、上下に隣接する他の縦葺き用外壁
用パネル材50との重複部55は、2枚のパネル材5
0,50を重ね合わせるだけの非常に単純な構造である
ために、この縦葺き用外壁用パネル材50を製造する際
に特別な加工を必要としないと共に、現場において非常
に簡単に施工を行うことが可能となる。
【0084】以上、第2の実施形態は縦葺き用外壁用パ
ネル材50を例にして説明を行ったが、もちろん本発明
は横葺き用外壁用パネル材にも応用することが可能であ
る。
【0085】
【発明の効果】本発明は前記のように構成したので次の
ような顕著な効果を奏する。本発明の防水構造は、建造
物を被覆するための矩形状のパネル材(横葺き用屋根パ
ネル材、縦葺き用屋根パネル材、横葺き用外壁用パネル
材及び縦葺き用外壁パネル材)の短辺方向の重複部にシ
ール材により外部及び建造物内部から区画された等気圧
空間を形成した。この等気圧空間が有する通気手段によ
り、等気圧空間内部の圧力は外部の圧力と等しくなって
差圧が生じないので、風圧等による外部から等気圧空間
内部への雨水の浸入を抑制することが可能となる。ま
た、たとえ等気圧空間内部に雨水が浸入するようなこと
があったとしてもパネル材の傾斜により排出手段(排出
孔)より雨水を排出することができるので建造物内部へ
の雨水の浸入を確実に食い止めることが可能となる(請
求項1〜5)。
【0086】本発明の横葺き用屋根パネル材、縦葺き用
屋根パネル材、横葺き用外壁用パネル材及び縦葺き用外
壁パネル材は、短辺方向に隣接する他のパネル材との重
複部に前記した等気圧空間を有しているので、防水性に
優れている。また、これらのパネル材は、表面にシール
材を接着するという非常に簡単な構造であるため製造コ
ストが安いと共に、一部のハゼ掛け作業を省略できるた
めに現場での施工が簡単である(請求項6〜9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる等気圧空間の概念図である。
【図2】 本発明にかかる横葺き用の屋根パネル材の斜
視図及び断面図である。
【図3】 本発明にかかる横葺き用の屋根パネル材を葺
いた状態を示す模式図である。
【図4】 本発明にかかる横葺き用の屋根パネル材の他
のパネル材との係合部を示す一部拡大図である。
【図5】 本発明にかかる横葺き用の屋根パネル材の係
合状態における一部断面斜視図である。
【図6】 本発明にかかる等気圧空間の種々の実施態様
を示す図である。
【図7】 本発明にかかる外壁用パネル材の斜視図及び
断面図である。
【図8】 本発明にかかる外壁用パネル材を葺いた状態
の模式図及び重複部の断面図である。
【図9】 従来の屋根パネル材の斜視図及び断面図であ
る。
【図10】 従来の屋根パネルの防水構造の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 上側パネル材 2 下側パネル材 3 シール材 3a,13a,54a 第1のシール材 3b、13b,54b 第2のシール材 4 通気孔 5,21,56 等気圧空間 6,20,55 重複部 P0 外部の圧力 P1 等気圧空間内部の圧力 P2 建造物内部の圧力 10,10a,10b,10c,10d 横葺き用屋根
パネル材 11,51 第1ハゼ部 12,52 第2ハゼ部 14,57 孔 15,53 平板部 16 S字部 17 止付固定部 18 雨押部 19 下端係止片 30 野地板 31 木螺子 50 外壁用パネル材 50a 外側パネル材 50b 内側パネル材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DA02 FA04 FA16 GA12 HB01 HF02 LA04 MA02 MA04 NA07 NB01 NC01 ND11 ND28 2E108 AA02 AS02 AS03 BB04 BN01 CC01 DD03 DF05 GG09 2E110 AA09 AA14 AB04 AB22 DB22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の一部分を被覆するためのパネル
    材の防水構造であって、長辺方向の両側縁にそれぞれ形
    成された係合部と、短辺方向で隣接する他のパネル材と
    重複する重複部とを備えるパネル材に用いられ、前記重
    複部から雨水の浸入を防ぐパネル材の防水構造におい
    て、 前記パネル材の防水構造が、前記重複部に形成される等
    気圧空間とこの等気圧空間内に浸入した雨水を排出する
    排出手段とからなり、 前記等気圧空間は、前記重複部に介設されたシール材を
    側壁とし、前記重複部を成す上下のパネル材をそれぞれ
    上底面及び下底面として、外部及び建造物内部とから区
    画された区画部と、この区画部と外部とを連通するため
    の通気手段とからなる、ことを特徴とするパネル材の防
    水構造。
  2. 【請求項2】 前記パネル材は屋根用の矩形状の縦葺き
    用の屋根パネル材であり、前記係合部はハゼ部であり、
    前記パネル材の防水構造が前記重複部に形成される前記
    等気圧空間と前記排出手段とからなり、 前記等気圧空間が、短辺方向に前記屋根パネル材を横断
    するように所定の間隔で介設された少なくとも2条のシ
    ール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とからな
    り、 前記排出手段が最も軒側に位置する前記シール材に設け
    られたことを特徴とする請求項1記載のパネル材の防水
    構造。
  3. 【請求項3】 前記パネル材は屋根用の矩形状の横葺き
    用の屋根パネル材であり、前記係合部はハゼ部であり、
    前記パネル材の防水構造が、前記重複部に形成される前
    記等気圧空間と前記排出手段とからなり、 前記等気圧空間が、短辺方向に前記屋根パネル材を縦断
    するように所定の間隔で介設された少なくとも2条のシ
    ール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とからな
    り、 前記排出手段が、前記重複部を成す上側の屋根パネル材
    で前記等気圧空間の上底面をなす部分の軒側端部に設け
    られたことを特徴とする請求項1記載のパネル材の防水
    構造。
  4. 【請求項4】 前記パネル材は外壁用の矩形状の縦葺き
    用の外壁用パネル材であり、前記係合部はハゼ部であ
    り、前記パネル材の防水構造が前記重複部に形成される
    前記等気圧空間と前記排出手段とからなり、 前記等気圧空間が、短辺方向に前記外壁用パネル材を横
    断するように所定の間隔で介設された少なくとも2条の
    シール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とから
    なり、 前記排出手段が最も水下側に位置する前記シール材に設
    けられたことを特徴とする請求項1記載のパネル材の防
    水構造。
  5. 【請求項5】 前記パネル材は外壁用の矩形状の横葺き
    用の外壁用パネル材であり、前記係合部はハゼ部であ
    り、前記パネル材の防水構造が、前記重複部に形成され
    る前記等気圧空間と前記排出手段とからなり、 前記等気圧空間が、短辺方向に前記外壁用パネル材を縦
    断するように所定の間隔で介設された少なくとも2条の
    シール材を壁面とする前記区画部と前記通気手段とから
    なり、 前記排出手段が、前記重複部を成す上側の外壁用パネル
    材で前記等気圧空間の上底面をなす部分の水下側端部に
    設けられたことを特徴とする請求項1記載のパネル材の
    防水構造。
  6. 【請求項6】 矩形状の横葺き用の屋根パネル材におい
    て、この屋根パネル材の長辺方向の棟側縁及び軒側縁に
    それぞれ設けられたハゼ部と、この屋根パネル材の一方
    の短辺近傍に短辺方向にこの屋根パネル材を縦断するよ
    うに所定の間隔で設けられた少なくとも2条のシール材
    とこのシール材で区画される位置に設けた通気部とを有
    し、 前記屋根パネル材の他方の短辺に隣接する他の屋根パネ
    ル材との重複部において、前記シール材の間に対応する
    位置で前記屋根パネル材の軒側側縁の前記ハゼ部に、雨
    水を排出する排出孔を備えたことを特徴とする屋根パネ
    ル材。
  7. 【請求項7】 矩形状の縦葺き用の屋根パネル材におい
    て、この屋根パネル材の長辺方向の両側縁にそれぞれ設
    けられたハゼ部と、この屋根パネル材の一方の短辺近傍
    に短辺方向にこの屋根パネル材を横断するように所定の
    間隔で設けられた少なくとも2条のシール材とを有し、 この屋根パネル材の他方の短辺に隣接する他の屋根パネ
    ル材との重複部において、前記シール材の最も軒側に位
    置するシール材に外部と連通する通気部及び雨水を排出
    する排出孔とを備えたことを特徴とする屋根パネル材。
  8. 【請求項8】 矩形状の横葺き用の外壁用パネル材にお
    いて、この外壁用パネル材の長辺方向の水上側側縁及び
    水下側側縁にそれぞれ設けられたハゼ部と、この外壁用
    パネル材の一方の短辺近傍に短辺方向にこの外壁用パネ
    ル材を縦断するように所定の間隔で設けられた少なくと
    も2条のシール材と、このシール材で区画される位置に
    設けた通気部とを有し、 前記外壁用パネル材の他方の短辺に隣接する他の外壁用
    パネル材との重複部において、前記他の外壁用パネル材
    が有する前記シール材の間に対応する位置で前記外壁用
    パネル材の水下側側縁の前記ハゼ部に雨水を排出する排
    出孔とを備えたことを特徴とする外壁用パネル材。
  9. 【請求項9】 矩形状の縦葺き用の外壁用パネル材にお
    いて、この外壁用パネル材の長辺方向の両側縁にそれぞ
    れ設けられたハゼ部と、この外壁用パネル材の一方の短
    辺近傍に短辺方向にこの外壁用パネル材を横断するよう
    に所定の間隔で設けられた少なくとも2条のシール材と
    を有し、 この外壁用パネル材の他方の短辺に隣接する他の外壁用
    パネル材との重複部において、前記シール材の最も水下
    側に位置するシール材に外部と連通する通気部及び雨水
    を排出する排出孔とを備えたことを特徴とする外壁用パ
    ネル材。
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