JP5898414B2 - 建物の外壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の外壁構造に関する。
従来、住居用家屋等の建物の外壁構造においては、複数の外壁材を取り付けて外壁を形成する場合、防水性を確保するために隣り合う外壁材同士の間にシーリング材を設けている。
図8に、従来の建物の外壁構造を示す。図示の外壁構造では、隣り合う左右の外壁材1間に、シーリング材40が設けられて密閉され、防水性が確保されている。また、窓などの開口部30においても、切り抜かれた外壁材1と開口部30との間にシーリング材40が設けられている。なお、上下に隣り合う外壁材1、1は、重ね合わせて取り付けるなどして、防水性が確保されている。
特表2007−521427号公報
上記のような建物の外壁構造においては、シーリング材40の部分あるいはシーリング材40と外壁材1との境界部分が、年月を経ると外壁材1に比べて劣化しやすく、劣化した部分から雨水などが浸水するなどして外壁の防水性を悪化させる場合があった。また、シーリング材40によって隣り合う外壁材1間を密閉する必要があり、施工に手間がかかる場合があった。また、シーリング材40の部分にひびや割れなどが生じると、外壁の外観を損ね、意匠性が悪くなるおそれがあった。
そこで、シーリング材40を用いずに外壁材1を施工して外壁を形成することが考えられる。外壁における隙間からの水の浸入は、風雨の強さ、言い換えれば風速(外風圧)及び降雨量に大きく依存する。そのため、ノンシーリング工法においては、図7に示すように、壁面を構成する建物躯体2と、外壁材1により構成される外壁との間に、通気空間3を設け、この通気空間3と建物の外部空間との圧力差を小さくして、風雨の侵入を防ぐ外壁構造が考えられる。このような通気空間3は、いわゆる等圧理論により設計されるものである。
等圧理論を利用した壁設計としては、ビル壁の構造が提案されている。例えば、特許文献1には、外側のパネルと内側のパネルとの間にスペースを設け、このスペースを密閉し、スペースの圧力を実質的に外部と均等になるようにしたビルディングの壁構造が開示されている。しかしながら、この壁構造では、隣り合う二つの外側のパネルの間に、フラッシングと称せられるパネル間のスペースを閉塞する密閉手段を設ける必要があり、この密閉手段は外壁全面に亘ってパネル接続部分に設けなければならないので、施工に手間がかかるものであった。また、密閉手段であるフラッシングは、下側に配置するパネルの外方にはみ出して取り付けられるものであるので、建物の外側に見えることとなり、意匠性を悪くするおそれがあった。
本発明者らは、等圧理論に基づく外壁構造の設計を試みたところ、建物の高さが高くなるほど壁面の面積が大きくなり、建物外部と通気空間3との差圧を小さくすることが難しくなることが分かった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、家屋等の建物において、防水性が高く、簡単に施工することができ、意匠性のよい外壁構造を提供することを目的とする。
本発明の建物の外壁構造は、建物躯体と外壁材との間に通気空間が設けられ、階の境界部に位置する上下の外壁材の間には水切り材が配設されるとともに、前記水切り材が配設された前記上下の外壁材の間には前記通気空間と建物外部とを連通する連通口が前記水切り材の上下両側に設けられ、前記水切り材の下側の連通口は前記水切り材の長手方向全体にわたって連続して形成され、前記上下の連通口を合わせた開口面積は、通気空間の水平断面積と略同等であり、前記建物躯体に前記通気空間のスペーサとなる胴縁が設けられるとともに、前記水切り材が前記胴縁の表面に設けられ、前記外壁材の裏面前記胴縁の表面との間の隙間L1は、前記水切り材とこの水切り材の下側の外壁材との間の隙間L2よりも小さく、かつ、前記水切り材とこの水切り材の上側の外壁材との間の隙間Wよりも小さいことを特徴とするものである。
また、更なる発明は、前記上下の連通口を合わせた開口面積は、壁面1mあたり65cm以上であることを特徴とするものである。
また、更なる発明は、前記上下の連通口を合わせた開口面積は、横方向の長さ1mあたり150cm以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、防水性が高く、簡単に施工することができ、意匠性のよい外壁構造を形成することができる。
本発明の建物の外壁構造の実施形態の一例を示す断面図である。 同上の一部を分解した斜視図である。 建物の一例を示す正面図である。 (a)及び(b)は、外壁構造の一例の一部の断面図である。 本発明の建物の外壁構造の実施形態の他の一例を示す断面図である。 同上の一部を分解した斜視図である。 本発明を説明する外壁構造の概念図である。 従来の建物の外壁構造の一例を示す正面図である。
図1及び図2に、本発明に係る建物の外壁構造の第一の実施形態を示す。本形態の外壁構造は、図3に示すような建物の上下階の境界部10に少なくとも形成されるものである。図3では、2階建ての家屋を示しているが、3階建てや、それ以上の階数の建物であってもよい。
建物躯体2は、柱に複数の面材が壁面を覆うように取り付けられて形成されるものであり、外壁の下地となるものである。建物躯体2の内部には断熱材及び内壁材などが順に配設されて内壁部が形成されおり、内壁部よりも屋内側が屋内空間となっている。建物躯体2の表面には通気防水シートが設けられており、雨水などが建物躯体2の中に浸入することを防ぐとともに、建物躯体2側からの湿気を排出することができる。
本明細書において壁面とは、建物の壁を構成する面のことであり、壁下地となる建物躯体2の表面により構成されるものであるが、概ね土台部20よりも上側でかつ軒天部23よりも下側の面状の、外壁材1を施工する壁下地の部分である(図3参照)。壁面には、窓や換気口などの開口部30の領域は含まれない。
建物の階の境界部10に位置する上下の外壁材1、1の間には水切り材5が配設されている。本形態では、建物躯体2の表面に水切り材5が直接配設されている。水切り材5は、水切り材5を建物躯体2に固定するための固定片5aと、屋外側に向かって突出した水切り片5bと、水切り片5bの先端から下方に垂下する水切り先片5cとを備えて形成されている。水切り材5は、例えば、ガルバリウム鋼板などの金属材料によって形成される。固定片5aの先端部分はU字状に表面側(屋外側)に折り返されて形成されている。水切り片5bは、屋外側に向かってわずかに下り傾斜しながら、外壁材1の表面よりもわずかに突出して形成されている。水切り先片5cは、下側の外壁材1の表面上部を覆うように形成されており、その先端部分はU字状に裏面側(屋内側)に折り返されて形成されている。
建物躯体2の表面には縦方向に延伸する胴縁6が取り付けられている。胴縁6は、水切り材5の固定片5aの屋外側に配設されている。胴縁6は、通常、建物躯体2内の柱に沿って配設されるものである。胴縁6の取り付けは釘やビスなどの固定具で柱に打ち付けることによって行うことができる。図示の形態では、長手方向を縦方向(垂直方向)にして延伸した縦胴縁として胴縁6が取り付けられている。本形態では、胴縁6は、少なくとも階の境界部10において上下方向で分断されており、各階毎に胴縁6が取り付けられている。
外壁材1は、建物躯体2を覆うように壁面のほぼ全域にわたって壁下地に取り付けられるものである。図2に示すように、胴縁6には外壁材1を取り付けるための外壁材取付金具8が所定の箇所に釘などの固定具で固定されている。そして、外壁材1は外壁材取付金具8に係合又は載置されるなどして、建物躯体2に取り付けられている。この取り付けられた複数の外壁材1によって、建物の外壁が、壁下地に平行な最外層として形成される。外壁材1は、少なくとも側端の下部において、外壁材取付金具8で固定されることが好ましい。また、側端部で外壁材1を固定するためには、胴縁6は外壁材1の側端部の位置に配設されていることが好ましい。その場合、外壁材1は縦胴縁を掛け渡して取り付けられ、いわゆる横張り構造の外壁となる。
横方向に隣り合う外壁材1、1の間に縦目地9として隙間が設けられてもよい。このとき、この縦目地9の外壁材1よりも屋内側に、建物躯体2を覆うように長尺の縦目地材7を配設してもよい。本形態では、縦目地材7は、胴縁6の表面に取り付けられており、縦目地9から建物躯体2を見えなくすることができ、意匠性を高めることができる。また、縦目地材7により、縦目地9からの雨水の侵入を抑制することができる。縦目地材7には、より防水性を高めるために、長手方向に延伸する複数の突出部7aを設けてもよい。
上記のようにして形成された建物躯体2と外壁材1との間の空間が、通気空間3となる。図2では、通気空間3の水平断面が、上方に平行移動させて投影した斜線領域で示されている。この通気空間3の厚みは、胴縁6の厚みと外壁材取付金具8の突出幅により確保されている。すなわち、胴縁6及び外壁材取付金具8がスペーサとなって通気空間3が形成されている。
通気空間3の水平断面積Sとは、通気空間3における水平方向での最小断面積であってよく、例えば、外壁材1と建物躯体2との間の、胴縁6と外壁材取付金具8とを除いた領域の面積であってよい。ただし、外壁材取付金具8は断面積が他に比べて十分小さいので計算上無視してもよい。したがって、この領域の面積は、通気空間3の幅(外壁材1と建物躯体2との間の距離)と、壁面の横方向の長さとを掛け合わせ、壁面に配された胴縁6の断面積を減じたものと略等しい。水平方向における通気空間3の最小断面積部分は、通気空間3内で空気が流れる際の律速部分となるものであり、この律速となる最小断面積と連通口4の開口面積とが所定の関係になることにより、空気の流れを妨げることを防いで圧力差を小さくすることができるものである。
通気空間3の厚みとしては、例えば、10〜33mm程度、好ましくは20〜23mmに設定することができる。通気空間3の厚みがこの範囲になることにより通気を確実に確保することができる。具体的には、厚さ18mmの胴縁6と、突出幅(働き幅)5mmの外壁材取付金具8とを用いれば、厚み(外壁材1の裏面から建物躯体2の表面までの幅)が23mmの通気空間3が形成される。
そして、水切り材5が配設された上下の外壁材1、1の間には、通気空間3と建物外部とを連通する連通口4が設けられている。それにより、通気空間3と外部との圧力差を小さくして屋内側に風雨が浸入することを防ぐことができ、防水性の高い外壁構造を形成することができるものである。すなわち、外壁の実体部である外壁材1によって壁面に向って吹く風を受けることができ、風が外壁材1によって遮断される。このとき、屋内側の圧力が外部圧力よりも小さいと、外壁材1の接合部分などの外壁に形成された隙間において、外部からの空気の流れを吸い込みやすくなるが、本形態においては、連通口4が設けられていることにより通気空間3と外部との圧力差が小さくなり等圧に近くなるために、空気の流れを吸い込みにくくすることができ、風圧を外壁材1によって遮断することができるのである。そして、通気空間3には風の力がそがれた雨水が浸入するが、この浸入した雨水は重力の作用によって外壁材1の裏面をつたって下方に流下し、下方から外部に排出されるので、屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができるのである。また、もし建物躯体2に雨水がかかったとしても建物躯体2に防水シートが貼着されるなどして防水加工が施されていれば、建物躯体2よりも屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができるのである。
通気空間3と外部との圧力差としては、風速20m/sec以下において通気空間3と外部との圧力差(差圧)が50Pa以下となるように通気空間3を形成することが好ましい。なお、風としては、正面風(壁面に垂直な風)と斜面風(上斜め45°から壁面に向って吹き降ろす風)との少なくとも一方、好ましくは両方で、上記の差圧を満たすことが好ましい。建物に対する散水加圧試験としては、JISA1414「建築構成材(パネル)およびその構造部分の性能試験、6.5 水密試験」に準じて行うことができる。
なお、従来、外壁材1の縦張り構造で横目地部に水切り材5を設けた外壁構造が知られているが、そのような外壁構造は、水の排出を目的とするためだけのものであり、空気の取り入れや取り出しを求めることはできなかった。それに対し、本形態では、水切り材5が配設される箇所において連通口4を設けることにより、水切りを行いながら通気空間3と外部とを確実に連通させることができるものである。
連通口4は、開口面積が通気空間3の水平断面積Sと略同等であるように開口が設けられる。連通口4の開口面積がこのように設定されることで、通気空間3を等圧空間により近づけることができる。
本形態では、連通口4は、少なくとも階の境界部10の上側に配置された外壁材1の下端部と水切り材5との間に隙間が設けられて形成されており、水切り材5の上側に配設されている。すなわち、階の境界部10の上側に配置された外壁材1は、その下端部が、水切り材5の水切り片5bに接触せずに垂下しており、それにより、連通口4の開口が形成されている。この開口によって階の境界部10に直線状の連通口4が、水切り材5の長手方向に沿って横方向に亘って形成されている。このように、本形態では、連通口4により、水切り材5の上側に広い開口を形成することで、外壁面積に応じた開口面積を確保することができる。
連通口4は、外壁材1と水切り材5との間の隙間として、横方向に延びる直線状に形成されているため、その開口面積は、直線の幅(隙間幅W)と直線の長さ(壁面の横方向の距離)とをかけ合せて計算することができる。
ここで、連通口4の開口面積は、壁面1mあたり65cm以上であることが好ましい。すなわち、壁面1mに対して65cm以上の開口を設けるものであり、壁面の面積をTmとした場合に連通口4の面積の合計が65×Tcm以上となっているようにするものである。開口面積が前記の数値よりも大きくなることで圧力差を小さくすることがより可能となる。開口面積の合計の上限は特に制限がないが、例えば、開口面積の合計を110cm/mまでの範囲にしてもよい。
また、前記の連通口4の開口面積は、横方向の長さ1mあたり150cm以上であることが好ましい。開口面積がこの範囲になることにより、外部と通気空間3の間における空気の連通を確実に行うことがより可能となる。この値を満たすためには、例えば、横方向に直線状に延伸して開口する連通口4の場合、連通口4を形成する隙間幅を10〜30mm程度にすることが好ましい。例えば、本形態では連通口4の上下方向の長さ(隙間幅W)を18mmに設定することができる。このとき、連通口4の上下方向の長さを胴縁6の厚みよりも大きくしてもよい。
なお、本形態では、水切り材5の水切り先片5cの裏面と下側の外壁材1の表面とが密着されていてもよいが、後述の第二の実施形態のように、水切り材5の下側にも連通口4(連通下部口)を設けるようにしてもよい。すなわち、水切り材5の水切り片5bの突出長さを長くして水切り先片5cと下側の外壁材1の表面との間に隙間を設けるとともに、水切り片5bと下側の外壁材1の上端との間に隙間を設けるようにすれば、水切り材5の下側にも連通口4を設けることができる。この場合、垂下する水切り先片5cが、水切り材5の下側に設けられた連通口4の開口前面を覆っているので、水切り材5の下側の連通口4に直接風雨が吹き込み難くすることができる。
本形態にあっては、建物の上部及び下部の外壁構造は、特に限定されるものではないが、例えば、図4の形態のように構成することができる。
図4(b)は、建物の下部を構成する土台部20の一例である。土台部20は、例えば、土台の上に横方向に延伸する長尺の基台柱が設けられて形成されるものである。基台柱は、縦方向の柱などを取り付けるための基礎となるものである。図4に示すように、この土台部20には、土台水切り21が設けられてもよい。
土台水切り21は、上記の水切り材5と同様の形状で構成されるものである。例えば、土台水切り21は、土台水切り21を建物躯体2に固定するための土台固定片21aと、屋外側に向かって突出した土台水切り片21bと、土台水切り片21bの先端から下方に垂下する土台水切り先片21cとを備えて形成されている。土台水切り片21bは、屋外側に向かってわずかに下り傾斜しながら、外壁材1よりも突出して形成されることが好ましい。
土台部20には通気空間3と建物外部とを連通する土台連通口22が設けられてもよい。土台連通口22が設けられることにより、通気空間3と建物外部との差圧を小さくすることがより可能となる。
土台連通口22は、土台水切り21と外壁材1との間に設けられている。本形態では、外壁の下端に配置した外壁材1は、その下端部が、土台水切り21に接触せずに垂下しており、それにより、土台連通口22の開口が形成されている。この開口によって壁面の下端部に直線状の土台連通口22が、外壁の下端に亘って形成されている。また、土台水切り22の土台水切り片22bが外壁材1よりも屋外側に突出しており、壁面の下端部に配置された外壁材1の下側には、空間をおいて土台水切り片22bが配置されている。このような構造で土台水切り22が設置されることにより、外壁材1の裏面をつたって通気空間3を流下した雨水は土台水切り22の土台水切り片22b上に落下し、この土台水切り22の表面をつたって外部に排出されるものであり、排出される水を所定の位置に流すことができるものである。また、土台水切り22によって通気空間3の下方が閉塞されるので、下から巻き上がる風雨が通気空間3に吹き込まれることを少なくして通気空間3内に風力が侵入することを防ぐことができるものである。
土台連通口22の開口面積は、連通口4の開口面積と略同じかそれ以上であることが好ましい。また、土台連通口22は、開口面積が通気空間3の水平断面積Sと略同等又はそれ以上であるように開口が設けられてもよい。土台部20に広い開口を設けることで、通気空間3内における空気の流れをよりスムーズにすることができる。
土台連通口22は、壁面に対する開口面積が65cm/m以上になるようにしてもよい。それにより、外部と通気空間3の差圧を小さくすることがより可能となる。またさらに、土台連通口22は、壁面の横方向の長さ1mあたり150cm以上の面積の開口量であるようにしてもよい。開口量がこの範囲になることにより、外部と通気空間3の間における空気の連通を確実に行うことがより可能となる。これらの開口面積を満たすためには、例えば、横方向に直線状に延伸して開口する土台連通口22の場合、土台連通口22の上下方向の長さ(隙間幅)を10〜30mm程度、例えば、18mmにすることが好ましい。また、土台連通口22の上下方向の長さを胴縁6の厚みよりも大きくすることも好ましい。
図4(a)は、建物の上部を構成する軒天部23の一例である。軒天部23は、屋根が外壁材1からせり出すことにより設けられている。この軒天部23には、通気空間3と建物外部とを連通する軒天連通口24が設けられてもよい。軒天連通口24が設けられることにより、通気空間3内の空気の流れをスムーズにして、外部と通気空間3との差圧を小さくすることがより可能となる。本形態では、外壁の上端に配置した外壁材1は、その上端部が軒天部23と接触せずに突出しており、それにより、軒天連通口24の開口が形成されている。この開口によって壁面の上端部に直線状の軒天連通口24が、外壁の上端に亘って形成されている。
軒天連通口24の開口面積は、連通口4及び土台連通口22のいずれの開口面積よりも小さくすることが好ましい。また、軒天連通口24の開口面積の合計は、壁面1mに対して6.0cm以下であることが好ましい。軒天連通口24の開口面積がこれよりも大きくなると、意匠性を損なうおそれがある。
連通口4と土台連通口22との間の距離、及び、連通口4と軒天連通口32との間の距離は、いずれも3m以内であることが好ましい。また、連通口4が複数形成される場合、各連通口4、4間の距離は3m以内であることが好ましい。外部に連通する開口が所定の距離範囲内で設けられることにより、通気空間3内の空気の流れをよりスムーズにすることができる。
本形態では、土台連通口22及び軒天連通口24は直線状に形成されているため、その開口面積は、直線の幅(隙間幅)と直線の長さ(壁面の横方向の距離)とをかけ合せて計算することができる。
上記のように、通気空間3は、連通口4を介して、より好ましくはさらに土台連通口22及び軒天連通口24を介して、外部と連通している。そのために、通気空間3は、外気が侵入し通り抜ける空間となる。例えば、外気は土台連通口22及び連通口4から通気空間3内に侵入し、侵入した外気は通気空間3内を上昇し、上昇した外気は軒天連通口24を通って再び外部に排出される。こうして、通気空間3内に外気が流れ込み排出されることによって、外部と通気空間3との差圧をより小さくすることができるのである。
2階建て以上の建物では、壁面の高さが高くなり、壁面の面積も必然的に大きくなるため、空気の流れをスムーズにするためには通気空間3の外部への開口面積も大きくすることが好ましくなる。図4に示す例では、階の境界部10に加えて、土台部20の上側と軒天部23の下側との少なくとも三箇所の位置に開口を形成することにより、通気空間3と外部とを連通する開口を分散させて意匠性を損なうことなく全体の開口面積を大きくすることができるものである。
本形態では、階の境界部10に水切り材5を用いることにより、階の境界部10で水切りを行うことができるとともに連通口4の開口を目立たなくすることができる。また、外壁1、1間にはシーリングを施さなくてもよく、ノンシーリング工法に対応するものである。よって、防水性が高く、簡単に施工することができ、意匠性のよい外壁構造を形成することができる。
図5及び図6に、建物の外壁構造の第二の実施形態を示す。本形態の外壁構造は、図3に示すような建物の上下階の境界部10に少なくとも形成されるものである。階の境界部10以外の構成は、例えば図3及び図4のように、第一の実施形態と同様の構成にすることができる。
第二の実施形態においては、建物の階の境界部10に位置する上下の外壁材1、1の間に配設されている水切り材5は、胴縁6の表面に取り付けられている。そのため、胴縁6は階の境界部10で分断されることなく、建物躯体2の表面側に胴縁6を直接配設することができる。
そして、第二の実施形態では、図5及び図6に示すように、連通口4の開口は、水切り材5の上下両側に形成されている。水切り材5の上側には、階の境界部10の上側に配置された外壁材1の裏面と胴縁6の表面との間の隙間L1によって、連通上部口4aが形成されている。この隙間L1は、外壁材取付金具8の表面側への突出によって形成されるものである。また、水切り材5の下側には、階の境界部10の下側に配置された外壁材1の表面と水切り材5の水切り先片5cとの間の隙間L2によって、連通下部口4bが形成されている。この隙間L2は、下側の外壁材1の上端と水切り片5bとの間の隙間幅と同じかそれよりも長く形成されている。そして、連通上部口4aの開口と連通下部口4bの開口とを合わせたものが、連通口4の開口となる。この開口によって階の境界部10に直線状の連通口4が、水切り材5に沿って横方向に亘って水切り材5の上下に形成されている。このように、第二の実施形態では、連通口4により、水切り材5の上下両方に開口を形成することで、上下両側の階における通気空間3をより等圧に近づけることができる。また、水切り材5が胴縁6の表面に設けられているので、水切り材5で上下の通気空間3を分断することがなく、胴縁6がスペーサとなって階の上下の通気空間3を連通させることができる。また、開口を水切り材5の上下に分散させることで、開口をより目立たなくさせることができ、意匠性を向上することができる。
第二の実施形態では、連通口4の開口面積は、連通上部口4aの開口面積と連通下部口4bの開口面積とを足し合わせた合計として計算することができる。そして、連通上部口4aは、外壁材1と胴縁6との間の隙間として、横方向に延びる直線状に形成されているため、その開口面積は、直線の幅(隙間幅L1)と直線の長さ(壁面の横方向の距離)とをかけ合せて計算することができる。また、連通下部口4bは、水切り材5と外壁材1との間の隙間として、横方向に延びる直線状に形成されているため、その開口面積は、直線の幅(隙間幅L2)と直線の長さ(壁面の横方向の距離)とをかけ合せて計算することができる。
連通口4は、開口面積が通気空間3の水平断面積Sと略同等であるように開口が設けられる。連通口4の開口面積がこのように設定されることで、通気空間3を等圧空間により近づけることができる。
連通口4の開口面積は、壁面1mあたり65cm以上であることが好ましい。すなわち、壁面1mに対して65cm以上の開口を設けるものであり、壁面の面積をTmとした場合に連通口4の面積の合計が65×Tcm以上となっているようにするものである。開口面積が前記の数値よりも大きくなることで圧力差を小さくすることがより可能となる。開口面積の合計の上限は特に制限がないが、例えば、開口面積の合計を110cm/mまでの範囲にしてもよい。
また、連通口4の開口面積は、横方向の長さ1mあたり150cm以上であることが好ましい。開口面積がこの範囲になることにより、外部と通気空間3の間における空気の連通を確実に行うことがより可能となる。この値を満たすためには、例えば、横方向に直線状に延伸して開口する連通口4の場合、連通口4を形成する各隙間幅(L1、L2)を1〜30mm程度にすることが好ましい。ここで、隙間L1は、通常、外壁材取付金具8の突出幅により確保される小さいものなので、隙間L2は隙間L1よりも幅が大きくなるようにしてもよい。例えば、本形態では、連通上部口4aの隙間L1を5mmにし、連通下部口4bの隙間L2を13mmにし、連通口4の全体の隙間合計を18mmに設定することができる。このとき、連通口4の隙間合計(L1+L2)を胴縁6の厚みよりも大きくしてもよい。なお、本形態では、連通上部口4aの水平方向の隙間幅Wは、特に限定されるものではないが、通気性を妨げないためには隙間L1よりも大きいことが好ましい。この隙間幅Wは、1〜30mm程度に設定することができ、例えば、10mmにすることができる。
本形態では、階の境界部10に水切り材5を用いることにより、階の境界部10で水切りを行うことができるとともに連通口4の開口を目立たなくすることができる。そして、垂下する水切り先片5cが、水切り材5の下側に設けられた連通下部口4bの開口前面を覆っているので、連通下部口4bに直接風雨が吹き込み難くすることができる。また、外壁1、1間にはシーリングを施さなくてもよく、ノンシーリング工法に対応するものである。よって、防水性が高く、簡単に施工することができ、意匠性のよい外壁構造を形成することができる。
なお、第一及び第二の実施形態においては縦胴縁を用いた横張り式の外壁構造を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、胴縁6として横胴縁を用いた縦張り式の外壁構造であってもよい。ただし、通気空間3の外部との差圧を小さくするためには、横胴縁を用いた形態よりも、縦胴縁を用いた形態の方が好ましい。また、第一及び第二の実施形態においては階の境界部10に連通口4を設けた外壁構造を示したが、階の途中にも連通口4を設けるようにしてもよい。このとき、通気空間3の外部との差圧を小さくするためには、各連通口4間の距離は3m以内であることが好ましい。
1 外壁材
2 建物躯体
3 通気空間
4 連通口
5 水切り材
6 胴縁
7 縦目地材
8 外壁材取付金具
9 縦目地
10 階の境界部
20 土台部
21 土台水切り
22 土台連通口
23 軒天部
24 軒天連通口

Claims (3)

  1. 建物躯体と外壁材との間に通気空間が設けられ、階の境界部に位置する上下の外壁材の間には水切り材が配設されるとともに、前記水切り材が配設された前記上下の外壁材の間には前記通気空間と建物外部とを連通する連通口が前記水切り材の上下両側に設けられ、前記水切り材の下側の連通口は前記水切り材の長手方向全体にわたって連続して形成され、前記上下の連通口を合わせた開口面積は、通気空間の水平断面積と略同等であり
    前記建物躯体に前記通気空間のスペーサとなる胴縁が設けられるとともに、前記水切り材が前記胴縁の表面に設けられ、
    前記外壁材の裏面前記胴縁の表面との間の隙間L1は、前記水切り材とこの水切り材の下側の外壁材との間の隙間L2よりも小さく、かつ、前記水切り材とこの水切り材の上側の外壁材との間の隙間Wよりも小さいことを特徴とする、建物の外壁構造。
  2. 前記上下の連通口を合わせた開口面積は、壁面1mあたり65cm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の建物の外壁構造。
  3. 前記上下の連通口を合わせた開口面積は、横方向の長さ1mあたり150cm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建物の外壁構造。
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