JP4686376B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、建具に関し、詳しくは、上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された障子とを備えた建具に関する。
従来、建物の外壁等に設けられるサッシ窓等の建具が一般的に利用されており、建具における止水構造として、窓枠と障子との間に形成される空間に外気を導入し、この空間の気圧を外気と等圧にすることで、雨水等の浸入を防止しようとする構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された止水構造は、窓枠の上枠、下枠、および左右の縦枠における室内側および室外側の片と、障子の上框、下框、および左右の縦框における室内側の気密材および室外側の水返しとが当接することで、窓枠と各框材との間に空間が形成されている。そして、下枠に形成した外気導入部(外圧導入孔)から外気を導入して、窓枠と各框材との間の空間を外気との等圧空間とすることで、風圧力を伴う雨水等が等圧空間に吹き込まず、室内側の気密材を越えて室内側に浸入しにくくなっている。
さらに、この止水構造では、外気導入部の周囲に撥水処理を施し、外気導入部に水膜が形成されないようにすることで、外気導入部を小さくしても窓枠と各框材との間の空間が室外空間と等圧に維持できるとされている。
実開平7−1277号公報
しかしながら、従来の止水構造において外気導入部を小さく(狭く)してしまうと、例え外気導入部に水膜が形成されなかったとしても、強風時に室外空間の気圧が急激に上昇した場合には、窓枠と各框材との間の空間に差圧が生じて雨水が浸入し、水密性能が確保できない可能性があり、問題である。
本発明の目的は、外気導入経路を狭く設定して雨水の流入を防止しながら、窓枠と障子との間の空間を外気との等圧空間とすることができ、水密性能の向上を図ることが可能な建具を提供することにある。
本発明の建具は、上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された室内外一対の障子とを備えた建具であって、前記下枠は、前記室内外の障子の戸車をそれぞれ案内する室内側および室外側のレール部と、室内側レール部の室内側に対向して設けられた室内側側壁部と、室内側レール部および室内側側壁部の下側で室内側レール部の室内側に設けられた中空部とを備え、前記室内外の障子は、それぞれ上框、下框、および左右の縦框を備えて構成され、前記下框には、前記下枠のレール部上方に位置する底面部と、この底面部に連続して下方に延出する室内側および室外側の垂下片とが設けられ、前記室内側障子における前記室内側垂下片と前記下枠の室内側側壁部とが気密材を介して接続され、前記下枠と室内側障子との間には、前記室内側レール部、中空部の上面、室内側側壁部、気密材、前記下框の室内側垂下片および底面部で囲まれた室内側レール側方空間が形成され、この室内側レール側方空間が前記下枠の室内側レール部と下框の底面部との隙間、および室内側レール部と室外側垂下片との隙間を介して室外空間に連通され前記下枠の中空部の室外側側面には、当該中空部を室外空間に連通させる第1の連通孔が設けられ、前記中空部の上面には、前記室内側障子を閉じた状態において当該中空部を前記室内側レール側方空間に連通させる第2の連通孔が設けられ、前記第1の連通孔は、閉じた状態の前記室内側障子における召合せ框の下方位置に設けられ、前記第2の連通孔は、閉じた状態の前記室内側障子における召合せ框の下方位置および戸先框の下方位置に設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、下枠と障子との間に形成されたレール側方空間が、下枠のレール部と下框の底面部との隙間およびレール部と室外側垂下片との隙間である上部(第1)外気導通経路を介して室外空間に連通されているので、この上部外気導通経路を通してレール側方空間に外気を導入することができる。さらに、レール側方空間が、第1の連通孔、中空部、および第2の連通孔で構成される下部(第2)外気導通経路を介して室外空間に連通されているので、この下部外気導通経路を通してレール側方空間に外気を導入することもできる。
そして、上部外気導通経路は、風雨が直接かかりやすい下枠の上面側(レール部の上側)に形成されているため、レール側方空間への雨水の直接的な浸入を防止するために上部外気導通経路を狭く形成する、つまりレール部と下框の底面部との隙間およびレール部と室外側垂下片との隙間を狭く設定することが望ましい。このように上部外気導通経路を狭くした場合でも、下枠の中空部を介して雨水が直接かかりにくい下部外気導通経路を通してレール側方空間に外気を導入することができるので、強風時においてもレール側方空間が室外空間に対して差圧が生じにくく、等圧空間を維持することができる。
従って、強風を伴う雨水のレール側方空間への浸入を防止することができるので、このレール側方空間と室内空間とを仕切る気密材位置からの雨水の浸入を防止して、水密性能の向上を図ることができる。
また、室内外一対の障子を有した引き違い形式の建具において、室内側レール部よりも室内側に形成される室内側レール側方空間を、強風時においても室外空間と等圧な空間とすることができ、この室内側レール側方空間への強風を伴う雨水の浸入を防止して、水密性能の向上を図ることができる。
また、閉じた室内側障子における召合せ框の下方位置に第1の連通孔を設けたことで、第1の連通孔への雨がかりを防止して、第1の連通孔から中空部への雨水の浸入を防止することができる。そして、閉じた室内側障子における召合せ框の下方位置および戸先框の下方位置の、互いに離隔した少なくとも2箇所に第2の連通孔を設けたことで、室内側レール側方空間の広い範囲に効率よく外気を導入して、室内側レール側方空間をより確実に等圧化することができる。
また、本発明の建具では、前記下枠は、前記中空部の室外側下端部から室外側に延びて前記室外側レール部の基端に連続した下枠上面部と、前記中空部の室外側側面から室外側に延出した延出片部とを備え、前記室外側障子における前記室内側垂下片と前記下枠の延出片部とが気密材を介して接続され、前記下枠と室外側障子との間には、前記室外側レール部、下枠上面部、中空部の室外側側面、延出片部、気密材、前記下框の室内側垂下片および底面部で囲まれた室外側レール側方空間が形成され、この室外側レール側方空間が前記下枠の室外側レール部と下框の底面部との隙間、および室外側レール部と室外側垂下片との隙間を介して室外空間に連通され、前記下枠の中空部の室外側側面には、前記室外側障子を閉じた状態において当該中空部を前記室外側レール側方空間に連通させる第3の連通孔が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、室外側レール部よりも室内側に形成される室外側レール側方空間に、第1の連通孔、中空部、および第3の連通孔を介して外気を導入することで、強風時においても室外側レール側方空間を室外空間と等圧な空間とすることができ、この室外側レール側方空間への強風を伴う雨水の浸入を防止して、水密性能のさらなる向上を図ることができる。
さらに、本発明の建具では、前記下枠の下枠上面部における閉じた状態の前記室外側障子の下方位置には、当該下枠上面部上の水を止める止水部材が設けられ、この止水部材よりも前記室外側障子の戸先框が当接する縦枠寄りに前記第3の連通孔が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、下枠上面部に雨水が浸入したとしても、この雨水が止水部材で阻止されて室外側障子の戸先框が当接する縦枠側に流れていくことが防止されるとともに、止水部材と室外側障子の戸先框が当接する縦枠との間に位置する室外側レール側方空間に第3の連通孔が開口して設けられているので、この部分の室外側レール側方空間が室外空間と等圧になって雨水の浸入が防止できる。従って、室外側障子の戸先框が当接する縦枠と下枠との接合部分(メタルタッチ部分)に雨水が浸入しにくくなるので、縦枠と下枠との隙間を介して室内空間への雨水の浸入が防止でき、水密性能をより一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である引違い窓1の一部を示す縦断面図である。図2は、引違い窓1を示す横断面図である。図3および図4は、それぞれ引違い窓1の下枠4を拡大して示す縦断面図であり、図3は、閉じた状態の室内側障子10A位置での縦断面図であり、図4は、閉じた状態の室外側障子10B位置での縦断面図である。図5(
A),(B)は、それぞれ下枠4を示す平面図および正面図であり、図6および図7は、そ
れぞれ下枠4を示す斜視図である。図8は、下枠4と縦枠5との接合部分を示す斜視図である。
図1および図2において、引違い窓1は、建物の外壁開口部に固定される窓枠2と、窓枠2の内部に開閉自在に支持された室内外一対の障子10(室内側障子10A、室外側障子10B)とを有して構成されている。窓枠2は、それぞれアルミ形材製の上枠(不図示)、下枠4、および左右の縦枠5を四周枠組みして形成されている。障子10は、それぞれアルミ形材製の上框(不図示)、下框12、左右の縦框である戸先框13および召合せ框14(内召合せ框14A、外召合せ框14B)と、これらを四周框組みした内部に嵌め込んだガラスパネル15とを有して構成されている。そして、室内側障子10Aおよび室外側障子10Bは、各々の戸先框13が縦枠5に当接するとともに、内外の召合せ框14A,14Bが見込み方向に重なって閉じるようになっている。
下枠4は、図3、図4に示すように、室外側に向かって下り勾配を有した下枠上面部41と、この下枠上面部41から上方に延びて形成された室内側レール部42および室外側レール部43と、室内側レール部42の室内側に対向して設けられた室内側側壁部44と、室内側レール部42および室内側側壁部44を連結して設けられた下枠中空部(ホロー部)45と、この下枠中空部45の室外側側面453から室外側に延出した延出片部46とを備えて形成されている。下枠中空部45は、室内側レール部42および室内側側壁部44よりも下方位置に設けられた上面部451と、この上面部451に対向し下枠上面部41の室内側基端部に連続した底面部452と、室内側レール部42の基端部分で構成された室外側側面部453と、室内側側壁部44で構成された室内側側面部454とを有して、略角筒状に形成されている。そして、室内側レール部42に室内側障子10Aの戸車121が案内され、室外側レール部43に室外側障子10Bの戸車121が案内されるようになっている。
一方、障子10の下框12には、下枠4の室内外の各レール部42,43上方に位置する底面部122と、この底面部122に連続して下方に延出する室内側垂下片123および室外側垂下片124とが設けられている。そして、下枠4の室内側側壁部44の上端部には、気密材44Aが取り付けられており、この気密材44Aが室内側障子10Aの室内側垂下片123の室内側側面に当接することで、室内側障子10Aの下框12と下枠4との間の気密ラインが形成されている。また、下枠4の延出片部46の室外側端部には、気密材46Aが取り付けられており、この気密材46Aが室外側障子10Bの室内側垂下片123の室内側側面に当接することで、室外側障子10Bの下框12と下枠4との間の気密ラインが形成されている。
以上のような下枠4と室内側障子10Aの下框12との間には、室内側レール部42、下枠中空部45の上面部451、室内側側壁部44、気密材44A、下框12の室内側垂下片123および底面部122で囲まれた室内側レール側方空間47が形成されている。この室内側レール側方空間47は、室内側レール部42と室内側障子10Aの下框12の底面部122との隙間、および室内側レール部42と下框12の室外側垂下片124との隙間を介して室外空間に連通されている。このような室内側レール部42の上側を通って室内側レール側方空間47を室外空間に連通させる経路によって、室内側障子10Aにおける上部(第1)外気導通経路が構成される。
また、下枠4と室外側障子10Bの下框12との間には、室外側レール部43、下枠上面部41、下枠中空部45の室外側側面部453、延出片部46、気密材46A、下框12の室内側垂下片123および底面部122で囲まれた室外側レール側方空間48が形成されている。この室外側レール側方空間48は、室外側レール部43と室外側障子10Bの下框12の底面部122との隙間、および室外側レール部43と下框12の室外側垂下片124との隙間を介して室外空間に連通されている。このような室外側レール部43の上側を通って室外側レール側方空間48を室外空間に連通させる経路によって、室外側障子10Bにおける上部(第1)外気導通経路が構成される。
また、図5および図6に示すように、下枠中空部45の室外側側面部453には、当該室外側側面部453を貫通する第1連通孔455が設けられ、この第1連通孔455を介して下枠中空部45が室外空間に連通されている。そして、第1連通孔455は、閉じた状態の室内側障子10Aにおける内召合せ框14Aの下方位置に設けられている。
また、下枠中空部45の上面部451おいて、閉じた状態の室内側障子10Aにおける内召合せ框14Aの下方位置および戸先框13の下方位置の互いに離隔した2箇所には、第2連通孔456が設けられている。これらの第2連通孔456を介して下枠中空部45が室内側レール側方空間47に連通されている。
以上のような第1連通孔455および第2連通孔456によって、室内側レール側方空間47が室外空間に連通されており、このような下枠中空部45を介した経路によって、室内側障子10Aにおける下部(第2)外気導通経路が構成される。
さらに、室内側レール部42における、閉じた状態の室内側障子10Aにおける内召合せ框14Aの下方位置には、当該室内側レール部42を見込み方向に貫通する召合せ部連通孔458が設けられている。この召合せ部連通孔458は、内召合せ框14Aの中空内部空間を室外空間に連通させるもので、内召合せ框14A内部に外気を導入して等圧空間とするためのものである。
また、図7および図8に示すように、下枠中空部45の室外側側面部453おいて、閉じた状態の室外側障子10Bの下方位置には、第3連通孔457が設けられ、この第3連通孔457を介して下枠中空部45が室外側レール側方空間48に連通されている。また、閉じた状態の室外側障子10Bの下方位置における下枠上面部41には、当該下枠上面部41上を流れる水を止める止水ブロック(止水部材)49が設けられている。そして、第3連通孔457は、止水ブロック49よりも室外側障子10Aの戸先框13が当接する縦枠5(図2中左側の縦枠5)寄りに設けられている。このような第3連通孔457および前記第1連通孔455によって、室外側レール側方空間48が室外空間に連通されており、このような下枠中空部45を介した経路によって、室外側障子10Bにおける下部(第2)外気導通経路が構成される。
止水ブロック49は、樹脂製の部材であって、室外側レール部43の基端部および下枠上面部41に密接する底面部491と、延出片部46の下側に隙間を介して対向する上面部492と、室外側障子10Bの室内側垂下片123に沿った側面部493とを有して形成されている。そして、止水ブロック49の上面部492と延出片部46との間に隙間が形成されることで、この隙間を介して通気がなされるため、止水ブロック49で仕切られた室外側レール側方空間48の左右の空間が連通されている。
以上の下枠4と障子10(特に、室内側障子10A)との間の水密構造を図9および図10に基づいて詳しく説明する。
図9(A)は、下枠4の室内側レール部42近傍と室内側障子10Aの下框12との水密構造を説明する縦断面図であり、図9(B)は、室内側レール部42近傍における通気状態を説明する図である。図10は、下枠4の室内側レール部42近傍と室内側障子10Aの下框12との水密構造を具体的に説明する縦断面図である。
図9(A)および図10に示すように、室内側レール部42と下框12の室外側垂下片124との隙間寸法がW1 であり、室外側垂下片124の下端縁から室内側レール部42の上端縁までの高さ寸法がhであり、室内側レール部42の上端縁と下框12の底面部122との隙間寸法がW2 である。一方、図9(B)に示すように、室外空間の気圧がPo 、室内空間の気圧がPi 、室内側レール側方空間47の気圧がPc であり、室内側レール部42の上側を通る上部外気導通経路における通気量がQa であり、下枠中空部45を介した下部外気導通経路における通気量がQb であり、室内側垂下片123と気密材44Aとの隙間から室内空間に流入する通気量がQi である。
以上の条件において、通気量Qa ,Qb ,Qi は、Qa +Qb =Qi を満足する関係となる。
また、一般的に通気量Qは、次の式(1)で算出される。この式(1)において、Cは空気流量係数であり、Aは開口面積であり、ΔPは圧力差(ΔP=Po−Pc)であり、ρは空気密度である。
Figure 0004686376
一方、上部外気導通経路は、風雨が直接かかりやすい位置に形成されているため、この上部外気導通経路を介して室内側レール側方空間47への雨水の直接的な浸入を防止するために上部外気導通経路を狭く形成する必要がある。すなわち、次の式(2)に示すように、水が室内側レール部42を越えるのに必要な位置エネルギ(左辺)を、水の運動エネルギ(右辺)よりも大きく設定すれば、室内側レール側方空間47への雨水の浸入が防止できる。
Figure 0004686376
以上の式(2)において、mは質量であり、gは重力加速度であり、Vは流速である。ここで、流速Vは、V=Q/(C・A)により算出される。従って、上部外気導通経路における通気量Qa 、空気流量係数Ca 、開口面積Aa から流速Vを求めれば、必要とされる室内側レール部42上端の高さ寸法hが算出される。
さらに、隙間寸法W1 部分(室内側レール部42と室外側垂下片124との隙間)の開口面積A1 および空気流量係数C1 と、隙間寸法W2 部分(室内側レール部42上端と下框12の底面部122との隙間)の開口面積A2 および空気流量係数C2 とを、式(2)に代入することで、次の式(3)が導かれる。そして、式(3)から、式(4)のような開口面積A1 ,A2 同士の関係式、および式(5)のような隙間寸法W1 ,W2 同士の関係式が導かれる。この式(4)、あるいは式(5)を満足するように、開口面積A2 あるいは隙間寸法W2 を設定する、つまり室内側レール部42上端と下框12の底面部122との隙間間隔を小さく設定することで、室内側レール部42を越えて室内側レール側方空間47に雨水が浸入することが防止できるようになる。
Figure 0004686376
Figure 0004686376
Figure 0004686376
次に、図10において、各部寸法等を以下のように設定した。
下框12の室外側垂下片124下端縁から室内側レール部42の上端縁までの高さ寸法hを、7.0mmに設定した(h=7.0mm)。
また、上部外気導通経路における隙間寸法W1 を、6.1mmに設定し(W1 =6.1mm)、隙間寸法W2 を、2.4mmに設定した(W2 =2.4mm)。これにより、室内側障子10Aの幅寸法を1.0m とした場合の上部外気導通経路における開口面積Aa は、隙間寸法の小さいW2 に基づいて、次のようになる。
Aa =2.4×10-3 (m 2)
また、下部外気導通経路における開口面積Ab は、第1連通孔455および第2連通孔456としてφ8の孔を6個設けたとすれば、次のようになる。
Ab =3.02×10-4(m2)
さらに、室内側垂下片123と気密材44Aとの隙間(室内側開口面積Ai )として、次のように設定した。
Ai =4.1×10-5(m2)
次に、室外空間の気圧Po を、次のように設定した。
Po =1500Pa=1500/9.8(kg/m2)
また、室内側レール側方空間47の気圧Pc を、次のように設定した。
Pc =1430(Pa)=1430/9.8(kg/m2)
さらに、空気流量係数Cとして、室内側の空気流量係数Ci を1.0と設定し(Ci =1.0)、上部外気導通経路における空気流量係数Ca を水膜が張ったものとして0.8と設定した(Ca =0.8)。
以上の各設定から室内側の通気量Qi は、前記式(1)に基づき、次のように算出される。
Qi =2.0×10-3(m3/s)
そして、Qa +Qb =Qi の関係式、および開口面積Aa ,Ab の比率より、上部外気導通経路における通気量Qa は、次のように算出される。
Qa =Aa/(Aa+Ab)・Qi=1.77×10-4(m3/s)
これにより、上部外気導通経路における流速Vは、次のようになる。
V=Qa/(Ca・Aa)=363.6×10-3(m/s)
この流速Vを前記式(2)に代入することで、室内側レール部42の必要高さ寸法hreq が以下のように算出される。
hreq>1/2g・(Qa/CaAa)2=6.74×10-3(m)=6.74(mm)
従って、下框12の室外側垂下片124下端縁から室内側レール部42の上端縁までの高さ寸法hを7.0mmに設定するとともに、室内側レール部42上端と下框12の底面部122との隙間寸法W2 を2.4mmに設定したことで、雨水が室内側レール部42を越えて室内側レール側方空間47に浸入することがないことが分かった。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、室内側障子10の下框12と下枠4との間に形成される室内側レール側方空間47は、室内側レール部42の上側を通る上部外気導通経路と、下枠中空部45を介した下部外気導通経路とによって、室外空間に連通されているので、この室内側レール側方空間47が室外空間と等圧な空間になりやすく、室内側レール側方空間47への雨水の浸入が防止できる。
さらに、上部外気導通経路(特に、隙間寸法W2 )を狭く設定し、室内側レール部42を越える雨水の浸入を防止した場合でも、下部外気導通経路を通して室内側レール側方空間47に外気を導入することができるので、強風時においても室内側レール側方空間47が室外空間に対して差圧が生じにくく、等圧空間を維持することができる。
従って、強風を伴う雨水の室内側レール側方空間47への浸入を防止することができるので、この室内側レール側方空間47と室内空間とを仕切る気密材44A位置からの雨水の浸入を防止して、水密性能の向上を図ることができる。
(2)そして、閉じた状態の室内側障子10Aにおける召合せ框14Aの下方位置に第1連通孔455を設けたことで、第1連通孔455への雨がかりを防止して、第1連通孔455から下枠中空部45への雨水の浸入を防止することができるとともに、第1連通孔455を目立たなくして引違い窓1の外観意匠性を向上させることができる。さらに、閉じた状態の室内側障子10Aにおける召合せ框14Aの下方位置および戸先框13の下方位置の、互いに離隔した少なくとも2箇所に第2連通孔456を設けたことで、室内側レール側方空間47の広い範囲に効率よく外気を導入して、室内側レール側方空間47をより確実に等圧化することができる。
(3)また、室外側障子10Bの下方に形成される室外側レール側方空間48へも、室外側レール部43の上側を通る上部外気導通経路と、下枠中空部45を介した下部外気導通経路とからなる2つの経路を介して外気を導入することで、強風時においても室外側レール側方空間48を室外空間と等圧な空間とすることができ、この室外側レール側方空間48への強風を伴う雨水の浸入を防止して、水密性能のさらなる向上を図ることができる。
(4)さらに、室外側障子10Bの下方位置における下枠上面部41に止水ブロック49が設けられているので、下枠上面部41に雨水が浸入したとしても、この雨水が止水ブロック49で阻止されて室外側障子10Aの戸先框13が当接する縦枠5側に流れていくことを防止することができる。従って、前述のように室外側レール側方空間48が等圧化されることと併せて、室外側障子10Bの戸先框13が当接する縦枠5と下枠4との接合部分(メタルタッチ部分)に雨水が浸入しにくくなるので、縦枠5と下枠4との隙間を介して室内空間への雨水の浸入が防止でき、水密性能をより一層向上させることができる。
(5)また、閉じた状態の室内側障子10Aにおける内召合せ框14Aの下方位置における室内側レール部42に召合せ部連通孔458が設けられているので、この召合せ部連通孔458を介して内召合せ框14A内部に外気を導入し、内召合せ框14A内部空間を室外空間と等圧な空間とすることができ、内召合せ框14A内部への雨水の浸入を防止することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、室内外一対(二枚)の障子10を有した引違い窓1について説明したが、本発明の建具は、三枚建ての引違い窓や四枚建ての引違い窓でもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る建具を示す縦断面図である。 前記建具を示す横断面図である。 前記建具の下枠を拡大して示す縦断面図である。 前記下枠を拡大して示す縦断面図である。 (A),(B)は、前記下枠を示す平面図および正面図である。 前記下枠を示す斜視図である。 前記下枠を示す斜視図である。 前記下枠と縦枠との接合部分を示す斜視図である。 (A),(B)は、前記建具の下枠における水密構造を説明する図である。 前記水密構造を説明する縦断面図である。
符号の説明
2…枠体である窓枠、4…下枠、5…縦枠、10…障子、10A…室内側障子、10B…室外側障子、12…下框、13…戸先框(縦框)、14…召合せ框、14A…内召合せ框、14B…外召合せ框、41…下枠上面部、42…室内側レール部、43…室外側レール部、44…室内側側壁部、44A,46A…気密材、45…下枠中空部、46…延出片部、47…室内側レール側方空間、48…室外側レール側方空間、49…止水ブロック(止水部材)、122…底面部、123…室内側垂下片、124…室外側垂下片、451…上面部、453…室外側側面部、455…第1連通孔、456…第2連通孔、457…第3連通孔。

Claims (3)

  1. 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された室内外一対の障子とを備えた建具であって、
    前記下枠は、前記室内外の障子の戸車をそれぞれ案内する室内側および室外側のレール部と、室内側レール部の室内側に対向して設けられた室内側側壁部と、室内側レール部および室内側側壁部の下側で室内側レール部の室内側に設けられた中空部とを備え、
    前記室内外の障子は、それぞれ上框、下框、および左右の縦框を備えて構成され、前記下框には、前記下枠のレール部上方に位置する底面部と、この底面部に連続して下方に延出する室内側および室外側の垂下片とが設けられ、前記室内側障子における前記室内側垂下片と前記下枠の室内側側壁部とが気密材を介して接続され、
    前記下枠と室内側障子との間には、前記室内側レール部、中空部の上面、室内側側壁部、気密材、前記下框の室内側垂下片および底面部で囲まれた室内側レール側方空間が形成され、この室内側レール側方空間が前記下枠の室内側レール部と下框の底面部との隙間、および室内側レール部と室外側垂下片との隙間を介して室外空間に連通され、
    前記下枠の中空部の室外側側面には、当該中空部を室外空間に連通させる第1の連通孔が設けられ、前記中空部の上面には、前記室内側障子を閉じた状態において当該中空部を前記室内側レール側方空間に連通させる第2の連通孔が設けられ、
    前記第1の連通孔は、閉じた状態の前記室内側障子における召合せ框の下方位置に設けられ、
    前記第2の連通孔は、閉じた状態の前記室内側障子における召合せ框の下方位置および戸先框の下方位置に設けられている建具。
  2. 前記下枠は、前記中空部の室外側下端部から室外側に延びて前記室外側レール部の基端に連続した下枠上面部と、前記中空部の室外側側面から室外側に延出した延出片部とを備え、前記室外側障子における前記室内側垂下片と前記下枠の延出片部とが気密材を介して接続され、
    前記下枠と室外側障子との間には、前記室外側レール部、下枠上面部、中空部の室外側側面、延出片部、気密材、前記下框の室内側垂下片および底面部で囲まれた室外側レール側方空間が形成され、この室外側レール側方空間が前記下枠の室外側レール部と下框の底面部との隙間、および室外側レール部と室外側垂下片との隙間を介して室外空間に連通され、
    前記下枠の中空部の室外側側面には、前記室外側障子を閉じた状態において当該中空部を前記室外側レール側方空間に連通させる第3の連通孔が設けられている請求項1に記載の建具。
  3. 前記下枠の下枠上面部における閉じた状態の前記室外側障子の下方位置には、当該下枠上面部上の水を止める止水部材が設けられ、この止水部材よりも前記室外側障子の戸先框が当接する縦枠寄りに前記第3の連通孔が設けられている請求項2に記載の建具。
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