JP5379557B2 - 通気見切材及び建築物の外壁構造 - Google Patents

通気見切材及び建築物の外壁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5379557B2
JP5379557B2 JP2009123067A JP2009123067A JP5379557B2 JP 5379557 B2 JP5379557 B2 JP 5379557B2 JP 2009123067 A JP2009123067 A JP 2009123067A JP 2009123067 A JP2009123067 A JP 2009123067A JP 5379557 B2 JP5379557 B2 JP 5379557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ventilation
wall
opening
water
water return
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009123067A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010001732A (ja
Inventor
正美 藤戸
祐樹 魚田
林  哲也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KMEW Co Ltd
Original Assignee
Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
KMEW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd, KMEW Co Ltd filed Critical Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
Priority to JP2009123067A priority Critical patent/JP5379557B2/ja
Publication of JP2010001732A publication Critical patent/JP2010001732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5379557B2 publication Critical patent/JP5379557B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、外壁材の上端部に取り付けられ、外壁材と壁下地との間の通気空間と屋外との間の通気性を確保する通気見切材、及びこの通気見切材が取り付けられた建築物の外壁構造に関する。
建築物の壁下地4に外壁材2を設置する場合、壁下地4と外壁材2との間に縦胴縁23を介在させることで、壁下地4と外壁材2との間に通気空間5を形成することがある。この通気空間5と屋外との通気性が確保されることで、外壁材2と壁下地4との間の湿気の上昇が抑制され、カビや腐食の発生が防止されている。
この通気空間5の上端は例えば図8に示すように小屋裏27に連通される。この場合、通気空間5と屋外との通気性は、小屋裏27と連通する換気棟等を介して確保される(図8中の矢印参照)。
しかし、通気空間5と小屋裏27とを連通するためには、縦胴縁23が小屋裏27まで突出していなければならない。このため、建築物の施工上の制約が大きくなってしまう。また、既存の建築物の外壁を改装するために既存の外壁材2を壁下地4とし、縦胴縁23等を介して改装用の新たな外壁材2を設置する場合には、通気空間5を小屋裏27へ連通することができなくなる。
そこで、外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられる見切材に、屋外と通気空間5との間の通気性を確保するための機能を付与することも行われている。図9に示す例では、外壁材2の上端部を覆う見切材1’の内部に通気用の経路を形成し、更にこの見切材1’に屋外側に連通する開口28と、屋内側の通気空間5に連通する開口29とを形成することで、屋外と通気空間5の間の通気性が確保されている(図9中の矢印参照)。また、内側の開口29を屋外側の開口28よりも上方に位置させることで、屋外側の開口28から見切材1’内に水が浸入しても、この水が内側の開口29まで到達しにくくなっている。これに類する見切材が、例えば特許文献1に開示されている。
しかし、このように見切材1’を用いて屋外と通気空間5とを連通しても、建築物が強い風雨に曝された場合等には雨水が内側の開口29から見切材1’に浸入し、更にこの雨水が見切材1’内で吹き上げられて、開口28を介して通気空間5内に浸入することがある。この場合、外壁材2と壁下地4との間の湿気が上昇するおそれがある。
また、特に見切材1’が妻側の外壁材2に取り付けられる場合には、見切材1’は屋根の傾斜に沿って斜めに配置され、且つ内側の開口29の高さ位置が軒側ほど低くなる。この場合、外側の開口28から見切材1’内に浸入した水が軒側に移動しながら屋内側へ移動し、内側の開口29まで到達してしまうことがある。
特開2002−317549号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、外壁材の上端部に取り付けられることで、外壁材と壁下地との間の通気空間と屋外との間の通気性を確保する通気見切材であって、この通気見切材を介した通気空間への雨水等の水分の流入を抑制することができる通気見切材、並びにこの通気見切材を使用した建築物の外壁構造を提供することを目的とす
る。
本発明に係る通気見切材1は、外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられ、前記外壁材2と壁下地4との間の通気空間5と屋外との間の通気を確保する。この通気見切材1は、屋外側に開口する外開口6と、前記通気空間5側に開口する内開口7と、前記外開口6と内開口7との間を連通する通気路8とを備える。前記内開口7は前記外開口6よりも上方に位置する。前記通気路8の内面からこの通気路8へ向けて突出する水返し9を備える。
本発明に係る通気見切材1によれば、この通気見切材1を外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けることで、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記外壁材2と壁下地4との間の通気空間5が屋外と連通し、通気空間5における外気の流通を確保することができる。また外開口6から雨水等が通気路8内に浸入しても通気路8内の水は外開口6よりも上方に位置する内開口7へは達しにくくなり、更に強風等によって雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込む場合でも、通気路8内の水は水返し9によって遮蔽されて内開口7へ到達しにくくなる。このため通気空間5への水の浸入が防止される。
本発明に係る通気見切材1においては、前記水返し9として、前記外開口6よりも上方に突出するように形成された水返し9aを備える。この水返し9aが、上端側ほど屋外側に近づくように湾曲し、この水返し9aの上端縁から下方に向けて、補助返し片15が延出している。
この場合、外開口6から雨水等が通気路8内に浸入してもこの雨水等が水返し9aを乗り越えにくくすることができ、通気見切材1が妻側の外壁材2に取り付けられる場合でも、通気路8内の水は水返し9aによって遮蔽されて内開口7へ到達しにくくなる。
また、前記水返し9として、前記外開口6の上方で通気路8を横切る方向に突出するように形成された水返し9bを備えることも好ましい。
この場合、外開口6から雨水等が通気路8内に浸入してもこの雨水等が水返し9bの下面で遮蔽されて内開口7へ到達しにくくなる。
また、前記通気路8の内面に、前記内開口7の下端へ向けて屋外側から通気空間5側へ下り傾斜する傾斜面31が形成されていることも好ましい。
この場合、通気路8内の内開口7の付近まで達した僅かな雨水等については、これを傾斜面31によって内開口7まで誘導し、この内開口7から通気空間5へ排出することができ、通気路8内に雨水等が溜まらないようにすることができる。
本発明に係る建築物の外壁構造では、建築物の壁下地4の屋外側に外壁材2が設置されると共に、この壁下地4と外壁材2との間に通気空間5が形成される。前記外壁材2の屋根3に臨む上端部に、上記通気見切材1が取り付けられる。前記外壁材2の上端部と通気見切材1との間にシーリング材10が介装している。
本発明に係る建築物の外壁構造によれば、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記外壁材2と壁下地4との間の通気空間5が屋外と連通し、通気空間5における外気の流通を確保することができる。また外開口6から雨水等が通気路8内に浸入しても通気路8内の水は外開口6よりも上方に位置する内開口7へは達しにくくなり、更に強風等によって雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込んでも通気路8内の水は水返し9によって遮蔽される。更に、外壁材2の上端部と通気見切材1との間への水の浸入もシーリング材10によって防止される。このため外壁の屋根3に臨む上端部において屋外から通気空間5への水の浸入が確実に防止される。
本発明に係る建築物の外壁構造では、前記壁下地4が妻側の壁下地4であり、前記外壁材2が妻壁材であることが好ましい。
通気見切材1が妻側の外壁に取り付けられる場合は通気見切り材1は傾斜して取り付けられるため、水返し9が設けられていない場合には外開口6から浸入した水が軒側に移動しながら屋内側に移動して内開口7まで到達するおそれがあるが、水返し9を備える通気見切材1が妻側の外壁に取り付けられることで通気見切材1に浸入した水が水返し9によって遮蔽され、水が内開口7まで到達することが防止される。
本発明によれば、外壁材の屋根に臨む上端部において通気見切材より屋外と通気空間との間の通気性を確保しつつ、屋外から通気空間への水の浸入が抑制され、外壁材と壁下地との間での湿気の上昇が抑制され、カビや腐食の発生が効果的に防止される。
本発明の第一の実施形態を示すものであり、(a)は概略断面図、(b)は斜視図である。 本発明の第二の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の第三の実施形態を示す概略断面図である。 同上の通気見切材の一例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は分解斜視図である。 本発明の第四の実施形態を示す概略断面図である。 (a)は建物の妻側の外壁を示す正面図、(b)は(a)のイ部分を示す一部破断した拡大図である。 (a)は妻側の外壁材に取り付けられる第一の実施形態に係る通気見切材を示す端面図、(b)は妻側の外壁材に取り付けられる第二の実施形態に係る通気見切材を示す端面図である。 従来技術の一例を示すものであり、(a)は概略断面図、(b)は破断した斜視図である。 従来技術の他例を示すものであり、(a)は概略断面図、(b)は破断した斜視図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第一の実施形態]
図1に通気見切材1の第一の実施形態を示す。この通気見切材1は、例えば金属製の板材に折り曲げ加工や打ち抜き加工等が施されることで形成されたり、アルミニウム押出成形品に孔あけ加工等が施されたりすることで形成される。以下、通気見切材1が外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられた状態を想定して、本実施形態に係る通気見切材1の構造を説明する。尚、外壁材2の屋根3に臨む上端部とは、外壁材2の最も屋根3に近接する端縁部分をいい、外壁に複数の外壁材2が設置される場合には、この複数の外壁材2で構成される外壁面の上部における屋根3に沿った縁部に配置される外壁材2の端縁部分をいう。
この通気見切材1は外壁材2の上端面の上方に配置される基体12と、この基体12の屋外側端部から下方に向けて垂下して外壁材2の上端部の屋外側外面に沿って配置される外垂下体13と、基体12の屋内側端部から下方に垂下して外壁材2の上端部の屋内側外面に沿って配置される内垂下体14とから構成される。外垂下体13と内垂下体14との間の幅寸法は、外壁材2の厚み寸法と同一又はこの厚み寸法よりもやや大きく形成される。この通気見切材1は外壁材2の横方向に沿って長い長尺物である。
内垂下体14は平板状に形成される。一方、基体12と外垂下体13の各内部は互いに連通する中空状に形成されている。この基体12と外垂下体13の内部の中空部分が通気路8となる。
通気見切材1の屋外側外面には通気見切材1の長手方向(横方向)に沿って長い外開口6が形成されている。この外開口6を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。一方、通気見切材1の基体12の屋内側外面には内開口7が形成されている。この内開口7は通気見切材1の長手方向に沿って長い長孔状であり、且つ通気見切材1の長手方向に沿って複数の内開口7が列設されている。この内開口7を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。従って、外開口6と内開口7は通気路8を介して連通している。
内開口7は外開口6よりも上方に位置するように形成される。内開口7と外開口6の高低差は適宜設定されるが、内開口7の下端縁と外開口6の上端縁との間の高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。また、この内開口7は、基体12内における通気路8の内面の底部よりも上方の位置に形成されている。
通気路8内には通気見切材1の長手方向に沿って水返し9(9a)が設けられている。この水返し9aは、通気路8内において、外垂下体13の屋内側内面の上端縁から上方に向かって延出している。水返し9aの上端縁は、外開口6の上端縁よりも上方に突出している。水返し9aの突出寸法は適宜設定されるが、水返し9aの上端と外開口6の上端縁との高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。また水返し9aは上端側ほど屋外側に近づくように湾曲し、水返し9aの上端縁は通気路8の屋外側内面に臨むと共に、前記上端縁と内面との間には隙間が形成される。この水返し9aの上端縁からは下方に向けて、通気路8の屋外側内面と対向する補助返し片15が延出している。
また通気路8の上側内面には水返し9として上水返し16が設けられている。上水返し16は水返し9aの上端縁よりも屋内側に、通気見切材1の長手方向に沿って設けられ、下方に向かって垂下するように形成される。
また、外垂下体13の下面には、水抜き孔17が形成されている。この水抜き孔17は通気見切材1の長手方向に沿って長い長孔状であり、且つ通気見切材1の長手方向に沿って複数の水抜き孔17が列設されている。
また基体12の外部の上面には、突出片18が設けられている。この突出片18は通気見切材1の長手方向に沿って設けられ、上方に向かって突出するように形成されている。
[第二の実施形態]
図2に通気見切材1の第二の実施形態を示す。この通気見切材1は、例えば金属製の板材に折り曲げ加工や打ち抜き加工等が施されることで形成されたり、アルミニウム押出成形品に孔あけ加工等が施されたりすることで形成される。以下、本実施形態においても、通気見切材1が外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられた状態を想定して、通気見切材1の構造を説明する。
この通気見切材1は外壁材2の上端面の上方に配置される基体12と、この基体12の屋外側端部から下方に向けて垂下して外壁材2の上端部の屋外側外面に沿って配置される外垂下体13と、基体12の屋内側端部から下方に垂下して外壁材2の上端部の屋内側外面に沿って配置される内垂下体14とから構成される。外垂下体13と内垂下体14との間の幅寸法は、外壁材2の厚み寸法と略同一又はこの厚み寸法よりもやや大きく形成される。この通気見切材1は外壁材2の横方向に沿って長い長尺物である。
内垂下体14は平板状に形成される。一方、基体12と外垂下体13の各内部は互いに連通する中空状に形成されている。この基体12と外垂下体13の内部の中空部分が通気路8となる。外垂下体13の下端部の屋内側の外面には、下方側と屋内側とに開口する凹所25が通気見切材1の長手方向(横方向)に沿って形成されている。
通気見切材1の屋外側外面には通気見切材1の長手方向(横方向)に沿って長い外開口6が形成されている。外開口6は外垂下体13に屋外側に向けて開口するように形成されている。この外開口6を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。外開口6の上縁及び下縁からは、屋外側斜め下方に向けてルーバー状の外傾斜片19,20がそれぞれ延出している。またこの外開口6の下縁からは、屋内側斜め上方に向けて内傾斜片21が延出している。下側の外傾斜片20と内傾斜片21とが一体となって排出用傾斜片22を構成している。この排出用傾斜片22の上面には、外開口6に向けて下り傾斜する傾斜面30が形成される。前記内傾斜片21によって、内傾斜片21と外垂下体13の下端との間の空間が通気路8から分断されている。
一方、通気見切材1の基体12の屋内側外面には内開口7が形成されている。この内開口7は通気見切材1の長手方向に沿って長い長孔状であり、且つ通気見切材1の長手方向に沿って複数の内開口7が列設されている。この内開口7を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。従って、外開口6と内開口7は通気路8を介して連通している。
内開口7は外開口6よりも上方に位置するように形成される。内開口7と外開口6の高低差は適宜設定されるが、第一の実施形態と同様に内開口7の下端縁と外開口6の上端縁との間の高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。また、この内開口7は、基体12内における通気路8の内面の底部よりも上方の位置に形成されている。
通気路8内には通気見切材1の長手方向に沿って水返し9(9a)が設けられている。この水返し9aは、外垂下体13の屋内側内面の上端縁から直上に向かって延出している。水返し9aの上端縁は、外開口6の上端縁よりも上方に突出している。水返し9aの突出寸法は適宜設定されるが、水返し9aの上端と外開口6の上端縁との高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。水返し9aの上端縁と通気路8の上側内面との間には隙間が形成される。この水返し9aの下部の屋外側外面に、上記内傾斜片21の屋内側端縁が接続している。この水返し9aの上端縁からは屋外側に向けて、通気路8の上側内面と対向する補助返し片15が延出している。
また基体12の外部の上面には、突出片18が設けられている。この突出片18は通気見切材1の長手方向に沿って設けられ、上方に向かって突出するように形成されている。
[第三の実施形態]
図3に通気見切材1の第三の実施形態を示す。この通気見切材1は、例えば金属製の板材に折り曲げ加工や打ち抜き加工等が施されることで形成されたり、アルミニウム押出成形品に孔あけ加工等が施されたりすることで形成される。以下、本実施形態においても、通気見切材1が外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられた状態を想定して、通気見切材1の構造を説明する。
この通気見切材1は外壁材2の上端面の上方に配置される基体12と、この基体12の屋外側端部から下方に向けて垂下して外壁材2の上端部の屋外側外面に沿って配置される外垂下体13と、基体12の屋内側端部から下方に垂下して外壁材2の上端部の屋内側外面に沿って配置される内垂下体14とから構成される。外垂下体13と内垂下体14との間の幅寸法は、外壁材2の厚み寸法と略同一又はこの厚み寸法よりもやや大きく形成される。また外垂下体13の上下寸法は例えば70mmに形成される。この通気見切材1は外壁材2の横方向に沿って長い長尺物である。
内垂下体14は平板状に形成される。一方、基体12と外垂下体13の各内部は互いに連通する中空状に形成されている。この基体12と外垂下体13の内部の中空部分が通気路8となる。
通気見切材1の屋外側外面には通気見切材1の長手方向(横方向)に沿って長い外開口6が形成されている。外開口6は外垂下体13の下端部で屋外側に向けて開口するように形成されている。外開口6の上下の開口幅は例えば5mmに形成される。この外開口6を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。また、外垂下体13の下端部は、屋内側から外開口6の下縁に向けて下り傾斜するように形成され、これにより、外垂下体13内には通気路8の内面の底部に、屋内側から外開口6の下縁に向けて下り傾斜する傾斜面30が形成されて、外開口6の下端と傾斜面30の屋外側端縁の位置が一致するようになっていると共に、外垂下体13の下端部の屋内側の外面に下方側と屋内側とに開口する凹所25が通気見切材1の長手方向(横方向)に沿って形成されている。
一方、通気見切材1の基体12の屋内側外面には内開口7が形成されている。この内開口7は例えば直径8mmの丸孔状であり、且つ通気見切材1の長手方向に沿って所定の間隔(例えば40mm間隔の定ピッチ)をあけて複数の内開口7が列設されている。この内開口7を介して、通気見切材1の屋外側の外部と通気路8とが連通している。従って、外開口6と内開口7は通気路8を介して連通している。
内開口7は外開口6よりも上方に位置するように形成される。内開口7と外開口6の高低差は適宜設定されるが、第一の実施形態と同様に内開口7の下端縁と外開口6の上端縁との間の高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。また、基体12内には、通気路8の内面の底部に、前記内開口7の下端へ向けて屋外側から通気空間5側へ下り傾斜する傾斜面31が形成され、内開口7の下端と傾斜面31の屋外側端縁の位置が一致するようになっている。
通気路8内には、外開口6の上方に、屋外側の内面から屋内側に向けて通気路8を横切る方向に突出する水返し9(9b)が形成されている。この水返し9bは、通気路8内の外開口6から上方に向かう経路を横切るように形成されている。本実施形態では水返し9bは外垂下体13内の上部に形成されている。また、水返し9bは、先端縁側に向けて若干下り傾斜するように形成されている。
また基体12の外部の上面には、突出片18が設けられている。この突出片18は通気見切材1の長手方向に沿って設けられ、上方に向かって突出するように形成されている。
この通気見切材1は、例えば図4に示すように、金属板材を折り曲げ成形することで形成された上部材34と下部材35とを組み合わせることで作製することができる。
上部材34には、屋内側で下方に垂下する上垂下片37と、上垂下片37の上端縁から屋外側へ延出する上横片38と、上横片38の屋外側端縁から下方に垂下する外垂下片39とが形成されている。上垂下片37の下端部には内開口7が形成されている。また、上横片38には、その一部が上方に向けて逆U字状に突出するように折り曲げ成形されることで、突出片18が形成されている。また、外垂下片39の下端が屋内側へ向けて折り返し成形されることで、この外垂下片39の屋内側に添って折り返し片40が形成されている。折り返し片40の上端からは屋内側へ向けて下り傾斜するように延出する水返し9bが形成されている。
一方、下部材35には、屋内側で下方に垂下する下垂下片48と、下垂下片48の上端縁から屋外側へ延出すると共に屋内側へ向けて下り傾斜する下横片41と、下横片41の屋外側端縁から下方に垂下する内垂下片42と、内垂下片42の下端から屋外側へ向けて下り傾斜するように延出する下片43とが形成されている。下垂下片48の下端縁と下片43の先端縁は共に折り返し成形されている。
この上部材34と下部材35とが、連結部材36を介して組み合わされることで、通気見切材1が構成される。このとき、上部材34の上横片38の下方に下部材35の下横片41を間隔をあけて配置し、上部材34の上垂下片37の下方に上部材34の下垂下片48を、内開口7の下端位置と下垂下片48の上端位置とが重なるようにして配置し、上部材34の外垂下片39の屋内側に下部材35の内垂下片42を間隔をあけて配置する。これにより、外垂下片39、上横片38、上垂下片37、下横片41、内垂下片42及び下片43によって、基体1及び外垂下体13が構成され、この外垂下片39、上横片38、上垂下片37、下横片41、内垂下片42及び下片43で囲まれる空間が、通気路8となる。また下垂下片48によって、内垂下体14が構成される。また、外垂下片39の下端と下片43の先端との間には間隙が形成され、この間隙が外開口6となる。また、下横片41の上面が傾斜面31となり、下片43の上面が傾斜面30となると共に下面が凹所25となる。
連結部材36は、図4に示されるようにスペーサ片44とその上下両端縁からそれぞれ延出する連結片45を有する断面コ字状に形成されており、例えば金属板材を折り曲げ成形することにより形成される。各連結片45にはビス等の固定具47が挿通される固定孔46が形成されていると共に、上部材34の上横片38と下部材35の下横片41にも、前記連結片45の固定孔46に対応する固定孔46が形成されている。この連結部材36を、上部材34の上横片38と、下部材35の下横片41との間に介在させると共に、前記各固定孔46にビス等の固定具47を挿通してこの固定具47で各連結片45をそれぞれ上横片38と下横片41に固定することで、下部材35の下横片41との間隔をスペーサ片44で規制すると共に上部材34と下部材35とを連結することができる。このとき複数の連結部材36を用い、この連結部材36で上部材34と下部材35とを、その長手方向に沿った複数箇所で連結することができる。このため、連結部材36は通気路8内に配置されながらこの通気路8を閉塞することなく上部材34と下部材35とを連結することができる。
このようにして通気見切材1を構成すると、金属板を折り曲げ成形して得られる部材を組み合わせて通気見切材1を構成することができ、通気見切材1を低コストで容易に得ることができるようになる。
[第四の実施形態]
図5に通気見切材1の第四の実施形態を示す。この通気見切材1は、第三の実施形態において、更に通気見切材1の長手方向に沿って水返し9(9a)が設けられている。この水返し9aは、通気路8内において、外垂下体13の屋内側内面の上端縁から上方に向かって延出している。水返し9aの上端縁は、外開口6の上端縁よりも上方に突出している。水返し9aの突出寸法は適宜設定されるが、第一の実施形態と同様に水返し9aの上端と外開口6の上端縁との高低差が25〜70mmの範囲であることが好ましい。この水返し9aの上端縁からは屋外側に向けて、補助返し片15が延出している。補助返し片15の先端縁は通気路8の屋外側内面に臨むと共に、前記上端縁と内面との間には隙間が形成される。水返し9bは、前記水返し9aの補助返し片15の先端縁よりも下方に形成されている。
また、外垂下体13には、外開口6の下端から下方に延出する水切片33が形成されている。
他の構成は第三の実施形態と同一である。
[建築物の外壁構造]
第一の実施形態に係る通気見切材1は、図1に示すように、次のようにして軒側の外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられる。
下地板や防水シート等で構成される壁下地4の屋外側外面に、上下方向に長い複数の部材(縦胴縁23)が、壁下地4に沿って間隔をあけて設置される。この縦胴縁23に対して、外壁材2が設置される。このため外壁材2と壁下地4との間に縦胴縁23が介在し、隣り合う縦胴縁23同士の間で、外壁材2と壁下地4との間に通気空間5が形成される。外壁材2と縦胴縁23は、共に軒天井材24よりも下方に設置される。前記壁下地4は、改装前の建築物における既存の外壁材であっても良く、この場合、壁下地4の屋外側に設置される外壁材2は建築物の改装のための新たな外壁材2である。
この外壁材2の屋根3に臨む上端部(軒天井材24と対向する端部)に通気見切材1が取り付けられる。通気見切材1の基体12は外壁材2の上端面の上方に配置され、且つ外垂下体13と内垂下体14とがそれぞれ外壁材2の屋外側外面と屋内側外面に沿って配置される。更に突出片18の上端は軒天井材24の下側外面に当接している。基体12の下側外面と外壁材2の上端面との間にはシーリング材10が介装されている。このシーリング材10は、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1の基体12の下側外面に予め取り付けられていても良い。基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との間にもシーリング材10が介装されている。この上側のシーリング材10は屋外側から前記基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との隙間に押し入れられることでこの隙間に充填されるが、このシーリング材10は屋内側で突出片18によって支持されるため、充填作業が容易である。勿論、このシーリング材10も、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1に予め取り付けられていても良い。尚、シーリング材10としては、例えば一般に湿式系と称される変性シリコン等から成るコーキング剤、乾式系と称される発泡樹脂や発泡ゴムなどからなるガスケットなどが使用される。
このように通気見切材1が取り付けられると、通気見切材1の外開口6が屋外に開口すると共に、内開口7が壁下地4と外壁材2との間の通気空間5に開口し、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記通気空間5が屋外と連通する。このため、通気空間5と外気との間の通気性が確保され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が抑制される(図1中の矢印参照)。
また、外開口6から雨水等が通気路8内に浸入した場合、この水は外開口6から外垂下体13内に落ち込む。また風等により雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込んでも、内開口7は外開口6よりも上方に位置するため水は内開口7まで到達しにくくなる。更に外開口6と内開口7との間には水返し9aが設けられているので、水の流入が水返し9aによって遮られ、この水は水返し9aに沿って外垂下体13内に落ち込む。この水返し9aに付着した水が更に風等により吹き上げられても、この水は水返し9aの上端で補助返し片15によって遮られ、この補助返し片15から外垂下体13内に落ち込むことになる。更に水が通気路8の屋外側内面と補助返し片15との隙間から吹き込んでも、この水は上返し片16によって遮蔽される。このため、屋外から通気空間5への水の流入が防止され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気路8内に水が溜まっている状態で強風時に気流が外開口6から通気路8内に勢いよく流れ込んで通気路8内の圧力が通気空間5内の圧力よりも高くなると、圧力差により通気路8から通気空間5へ向けて強い気流が発生し、この気流に乗って通気路8内の水が内開口7を介して通気空間5に流れ込むおそれがあるが、本実施形態では外開口6から通気路8内に流れ込んだ気流は水返し9a及び上水返し16によって遮蔽されるため、通気路8内の水返し9a及び上水返し16を介した外開口6側の圧力が上昇しても、内開口7側の圧力の上昇は抑制される。このため、通気路8内の内開口7側と通気空間5との間に圧力差が生じることが抑制され、通気路8内から通気空間5への水の流入が防止されて、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気路8内に浸入した水の大部分は外垂下体13に落ち込むが、この水は水抜き孔17を介して屋外に排出されるため、通気路8内には水が溜まりにくくなる。このため、通気路8内で蒸発した水分が内開口7を介して通気空間5に流入することが抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気見切材1と外壁材2の上端部との間にはシーリング材10が介装しているため、この通気見切材1と外壁材2との間への水の浸入も防止され、更に通気見切材1と軒天井材24との間にもシーリング材10が介装しているため通気見切材1と軒天井材24との間への水の浸入も防止される。このため、通気空間5への水の流入が更に抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
第二の実施形態に係る通気見切材1も、図2に示すように、第一の実施形態の場合と同様に、軒側の外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられる。この場合も通気見切材1の基体12は外壁材2の上端面の上方に配置され、且つ外垂下体13と内垂下体14とがそれぞれ外壁材2の屋外側外面と屋内側外面に沿って配置される。更に突出片18の上端は軒天井材24の下側外面に当接している。外垂下体13の凹所25にはシーリング材10が充填され、これにより通気見切材1と外壁材2との間にシーリング材10が介装されている。このシーリング材10は通気見切材1が外壁材2の上端に取り付けられた状態で屋外側から凹所25へ押し入られることでこの凹所25に充填されるため、充填作業が容易である。勿論、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1の凹所25に予めシーリング材10が充填されていても良い。また、基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との間にもシーリング材10が介装されている。この上側のシーリング材10は屋外側から前記基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との隙間に押し入れられることでこの隙間に充填されるが、このシーリング材10は屋内側で突出片18によって支持されるため、充填作業が容易である。勿論、このシーリング材10も、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1に予め取り付けられていても良い。
このように通気見切材1が取り付けられると、通気見切材1の外開口6が屋外に開口すると共に、内開口7が壁下地4と外壁材2との間の通気空間5に開口し、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記通気空間5が屋外と連通する。このため、通気空間5と外気との間の通気性が確保され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が抑制される(図2中の矢印参照)。
また、外開口6から通気路8内への雨水等の流入は、上側の外傾斜片19によって抑制される。外開口6から雨水等が通気路8内に浸入した場合は、この水は排出用傾斜片22の上面の傾斜面30に沿って屋外へ排出される。また風等により雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込んでも、内開口7は外開口6よりも上方に位置するため水は内開口7まで到達しにくなる。更に外開口6と内開口7との間には水返し9aが設けられているので、水の流入が水返し9aによって遮られ、この水は水返し9aに沿って排出用傾斜片22へ到り、排出用傾斜片22の上面の傾斜面30に沿って屋外へ排出される。この水返し9aに付着した水が更に風等により吹き上げられても、この水は水返し9aの上端で補助返し片15によって遮られ、同様に排出用傾斜片22の上面の傾斜面30に沿って屋外へ排出される。このため、屋外から通気空間5への水の流入が防止され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、本実施形態では外開口6から通気路8内に流れ込んだ気流は水返し9aによって遮蔽されるため、通気路8内の水返し9aを介した外開口6側の圧力が上昇しても、内開口7側の圧力の上昇は抑制される。このため、通気路8内の内開口7側と通気空間5との間に圧力差が生じることが抑制され、通気路8内から通気空間5への水の流入が防止されて、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気路8内に浸入した水の大部分は排出用傾斜片22の上面の傾斜面30に沿って屋外へ排出されるため、通気路8内には水が溜まりにくくなる。このため、通気路8内で蒸発した水分が内開口7を介して通気空間5に流入することが抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気見切材1と外壁材2の上端部との間にはシーリング材10が介装しているため、この通気見切材1と外壁材2との間への水の浸入も防止され、更に通気見切材1と軒天井材24との間にもシーリング材10が介装しているため通気見切材1と軒天井材24との間への水の浸入も防止される。このため、通気空間5への水の流入が更に抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
第三の実施形態に係る通気見切材1も、図3に示すように、第一の実施形態の場合と同様に、軒側の外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられる。この場合も通気見切材1の基体12は外壁材2の上端面の上方に配置され、且つ外垂下体13と内垂下体14とがそれぞれ外壁材2の屋外側外面と屋内側外面に沿って配置される。更に突出片18の上端は軒天井材24の下側外面に当接している。外垂下体13の凹所25にはシーリング材10が充填され、これにより通気見切材1と外壁材2との間にシーリング材10が介装されている。このシーリング材10は通気見切材1が外壁材2の上端に取り付けられた状態で屋外側から凹所25へ押し入られることでこの凹所25に充填されるため、充填作業が容易である。勿論、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1の凹所25に予めシーリング材10が充填されていても良い。また、本実施形態では基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との間にはシーリング材10は介装されていないが、第一及び第二の実施形態と同様にシーリング材10を介装してもよい。
このように通気見切材1が取り付けられると、通気見切材1の外開口6が屋外に開口すると共に、内開口7が壁下地4と外壁材2との間の通気空間5に開口し、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記通気空間5が屋外と連通する。このため、通気空間5と外気との間の通気性が確保され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が抑制される(図3中の矢印参照)。
また、外開口6から雨水等が通気路8内に浸入した場合、この水は外開口6から外垂下体13内に落ち込む。また風等により雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込んでも、内開口7は外開口6よりも上方に位置するため水は内開口7まで到達しにくくなる。更に外開口6と内開口7との間には、外開口6の上方に水返し9bが設けられているので、水の流入が水返し9bによって遮られ、この水は水返し9bから外垂下体13内に落ち込む。このため、屋外から通気空間5への水の流入が防止され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。このとき、水返し9bの下面に付着した水はこの水返し9bの傾斜によって誘導されて水返し9bの先端側から落下し、また水返し9bの上面側に水が付着した場合もこの水は同様に前記傾斜によって誘導されて水返し9bの先端側から落下するため、水返し9bに付着した水が通気路8内に残留することが抑制される。
また、通気路8内に浸入した水の大部分は外垂下体13に落ち込むが、この水は外垂下体13の底部の傾斜面30の傾斜によって外開口6まで誘導され、屋外側へ排出されるため、通気路8内には水が溜まりにくくなる。このため、通気路8内で蒸発した水分が内開口7を介して通気空間5に流入することが抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、水返し9bを越えて通気路8内の内開口7の付近まで達した僅かな水は、基体12の底部の傾斜面31の傾斜によって内開口7まで誘導され、通気空間5側へ排出される。このため、通気路8内に雨水等が溜まりにくくなり、通気見切材1に錆びなどの腐食が発生することが抑制される。この場合、通気空間5側へ排出される水は僅かであるため、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇は充分に抑制される。また外開口6から通気路8内に流れ込んだ気流は水返し9bによって遮蔽されるため、通気路8内の水返し9bを介した外開口6側の圧力が上昇しても、内開口7側の圧力の上昇は抑制される。このため、通気路8内の内開口7側と通気空間5との間に圧力差が生じることが抑制され、これにより内開口7から通気空間5側へ排出される水が壁下地4まで吹き飛ばされることが抑制されて、壁下地4に水が付着することによる腐食等の発生が抑制される。
また、通気見切材1と軒天井材24との間にもシーリング材10が介装しているため通気見切材1と軒天井材24との間への水の浸入が防止される。このため、通気空間5への水の流入が更に抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
第四の実施形態に係る通気見切材1も、図5に示すように、第一の実施形態の場合と同様に、軒側の外壁材2の屋根3に臨む上端部に取り付けられる。この場合も通気見切材1の基体12は外壁材2の上端面の上方に配置され、且つ外垂下体13と内垂下体14とがそれぞれ外壁材2の屋外側外面と屋内側外面に沿って配置される。更に突出片18の上端は軒天井材24の下側外面に当接している。外垂下体13の凹所25にはシーリング材10が充填され、これにより通気見切材1と外壁材2との間にシーリング材10が介装されている。このシーリング材10は通気見切材1が外壁材2の上端に取り付けられた状態で屋外側から凹所25へ押し入られることでこの凹所25に充填されるため、充填作業が容易である。勿論、外壁材2に取り付けられる前の通気見切材1の凹所25に予めシーリング材10が充填されていても良い。また、本実施形態では基体12の上側外面と軒天井材24の下側外面との間にはシーリング材10は介装されていないが、第一及び第二の実施形態と同様にシーリング材10を介装してもよい。
このように通気見切材1が取り付けられると、通気見切材1の外開口6が屋外に開口すると共に、内開口7が壁下地4と外壁材2との間の通気空間5に開口し、外開口6、通気路8及び内開口7を通じて、前記通気空間5が屋外と連通する。このため、通気空間5と外気との間の通気性が確保され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が抑制される(図5中の矢印参照)。
また、外開口6から雨水等が通気路8内に浸入した場合、この水は外開口6から外垂下体13内に落ち込む。また風等により雨水等が外開口6から通気路8内に吹き込んでも、内開口7は外開口6よりも上方に位置するため水は内開口7まで到達しにくくなる。更に外開口6と内開口7との間には、外開口6の上方に水返し9bが設けられているので、水の流入が水返し9bによって遮られ、この水は水返し9bから外垂下体13内に落ち込む。このとき、水返し9bの下面に付着した水はこの水返し9bの傾斜によって誘導されて水返し9bの先端側から落下し、また水返し9bの上面側に水が付着した場合もこの水は同様に前記傾斜によって誘導されて水返し9bの先端側から落下するため、水返し9bに付着した水が通気路8内に残留することが抑制される。更に水が通気路8の屋外側内面と水返し9bとの隙間から吹き込んでも、この水は水返し9aによって遮蔽され、この水は水返し9aから外垂下体13内に落ち込む。この水返し9aに付着した水が更に風等により吹き上げられても、この水は水返し9aの上端で補助返し片15によって遮られ、外垂下体13内に落ち込む。このため、屋外から通気空間5への水の流入が防止され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
また、通気路8内に浸入した水の大部分は外垂下体13に落ち込むが、この水は外垂下体13の底部の傾斜面30の傾斜によって外開口6まで誘導され、屋外側へ排出されるため、通気路8内には水が溜まりにくくなる。このため、通気路8内で蒸発した水分が内開口7を介して通気空間5に流入することが抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。外開口6から屋外側へ排出された水は、水切片33に沿って下方に落下することになり、通気見切材1に水滴が付着して残存することが抑制されると共にこの水滴が外壁材2の外面に付着して雨筋汚れが生じるようなことが抑制される。
また、水返し9b及び水返し9aを越えて通気路8内の内開口7の付近まで達した僅かな水は、基体12の底部の傾斜面31の傾斜によって内開口7まで誘導され、通気空間5側へ排出される。このため、通気路8内に雨水等が溜まりにくくなり、通気見切材1に錆びなどの腐食が発生することが抑制される。この場合、通気空間5側へ排出される水は僅かであるため、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇は充分に抑制される。また外開口6から通気路8内に流れ込んだ気流は水返し9b及び水返し9aによって遮蔽されるため、通気路8内の水返し9b及び水返し9aを介した外開口6側の圧力が上昇しても、内開口7側の圧力の上昇は抑制される。このため、通気路8内の内開口7側と通気空間5との間に圧力差が生じることが抑制され、これにより内開口7から通気空間5側へ排出される水が壁下地4まで吹き飛ばされることが抑制されて、壁下地4に水が付着することによる腐食等の発生が抑制される。
また、通気見切材1と軒天井材24との間にはシーリング材10が介装しているため通気見切材1と軒天井材24との間への水の浸入が防止される。このため、通気空間5への水の流入が更に抑制され、壁下地4と外壁材2との間の湿気の上昇が更に抑制される。
各実施形態に係る通気見切材1は、軒側の外壁材4、妻側の外壁材4のいずれにも取り付けられる。通気見切材1が妻側の外壁材2に取り付けられる場合、通気見切材1は、妻側の壁下地4に対して縦胴縁23を介して設置された妻側の外壁材2の上端部と、屋根3の妻側の天井材(妻側の軒天井材24)との間に取り付けられる。図6に示すように、妻側の外壁が複数の外壁材4で構成される場合、複数の外壁材4のうち、屋根3に沿って配置される外壁材2の、屋根3に沿って傾斜する端縁部分が、通気見切材1が取り付けられる上端部となる。
このように妻側の外壁材2に通気見切材1が取り付けられると通気見切材1は傾斜して配置されるため、通気見切材1に水返し9aが設けられていない場合には外開口6から浸入した水が傾斜に沿って軒側に移動しながら屋内側に移動して内開口7まで到達してしまうおそれがある。しかし、第一、第二及び第四の実施形態では水返し9aを備える通気見切材1が妻側の外壁に取り付けられるため、水が内開口7まで到達することが防止される。
通気見切材1が妻側の外壁材2に取り付けられる場合、各実施形態に係る通気見切材1の軒側端部1aには、端部水抜き孔11が形成されていることが好ましい。
図7(a)は、第一の実施形態に係る通気見切材1に形成される端部水抜き孔11の一例を示す。この通気見切材1の軒側端部1aの端面では、通気路8が端面閉塞片26で閉塞されている。この端面閉塞片26に、通気路8に連通する端部水抜き孔11が形成されている。端部水抜き孔11は基体12の下端部に形成され、この端部水抜き孔11(11a)は基体12の下面に沿って長いスリット状に形成されている。また、端部水抜き孔11は外垂下体13の下端部にも形成され、この端部水抜き孔11(11b)は外垂下体13の下面に沿って長いスリット状に形成されている。
図7(b)は、第二の実施形態に係る通気見切材1に形成される端部水抜き孔11の一例を示す。この通気見切材1の軒側端部1aの端面も通気路8が端面閉塞片26で閉塞されている。この端面閉塞片26に、通気路8に連通する端部水抜き孔11が形成されている。端部水抜き孔11は基体12の下端部に形成され、この端部水抜き孔11は基体12の下面に沿って長いスリット状に形成されている。
通気見切材1が妻側の外壁材4に取り付けられる場合、通気見切材1は屋根3の傾斜に沿って斜めに傾斜するように取り付けられるため、通気路8内に僅かでも水が溜まると、この水が傾斜に沿って軒側に移動する。しかし、通気見切材1に端部水抜き孔11が形成されていると、水はこの端部水抜き孔11から屋外へ排出される。このため、通気路8内の軒側に大量の水が溜まることが防止され、この水が内開口7から通気空間5へ溢れ出したり、この水から大量の水分が蒸発して通気空間5へ流入したりすることが防止される。
また、第三及び第四の実施形態の場合には、妻側の外壁材2に取り付けられる通気見切材1の軒側端部1aが、端部水抜き孔11を有さない端面閉塞片26で閉塞されていてもよい。この場合、既に説明したとおり通気路8内の内開口7の付近まで達した僅かな雨水等は傾斜面31によって内開口7まで誘導されて通気空間5へ排出されるため、通気路8内の軒側に大量の水が溜まることが防止される。またこの場合は通気見切材1の軒先側端部から水が一気に排出されて落下するようなことがないため、この通気見切材1の軒先の下方における地面等が水によって侵食されることや、外壁に雨筋汚れが生じることが抑制される。尚、第三及び第四の実施形態の場合に、通気見切材1に端部水抜き孔11が形成されることで、通気空間5へ排出されずに通気見切材1の軒先まで到達した水を端部水抜き孔11から屋外へ排出されるようにしてもよい。
1 通気見切材
2 外壁材
3 屋根
4 壁下地
5 通気空間
6 外開口
7 内開口
8 通気路
9 水返し
9a 水返し
9b 水返し
10 シーリング材
31 傾斜面

Claims (5)

  1. 外壁材の屋根側に臨む上端部に取り付けられ、前記外壁材と壁下地との間の通気空間と屋外との間の通気を確保する通気見切材であって、
    屋外側に開口する外開口と、前記通気空間側に開口する内開口と、前記外開口と内開口との間を連通する通気路とを備え、
    前記内開口は前記外開口よりも上方に位置し、
    前記通気路の内面からこの通気路へ向けて突出する水返しを備え
    前記水返しとして、前記外開口よりも上方に突出するように形成された水返しを備え、この水返しが、上端側ほど屋外側に近づくように湾曲し、この水返しの上端縁から下方に向けて、補助返し片が延出していることを特徴とする通気見切材。
  2. 前記水返しとして、前記外開口の上方で通気路を横切る方向に突出するように形成された水返しを備えることを特徴とする請求項1に記載の通気見切材。
  3. 前記通気の内面の底部に、前記内開口の下端へ向けて屋外側から屋内側へ下り傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の通気見切材。
  4. 建築物の壁下地の屋外側に外壁材が設置されると共に、この壁下地と外壁材との間に通気空間が形成され、
    前記外壁材の屋根に臨む上端部に、請求項1乃至のいずれかに記載の通気見切材が取り付けられ、
    前記外壁材の上端部と通気見切材との間にシーリング材が介装していることを特徴とする建築物の外壁構造。
  5. 前記壁下地が妻側の壁下地であり、前記外壁材が妻側の外壁材であることを特徴とする請求項に記載の建築物の外壁構造。
JP2009123067A 2008-05-21 2009-05-21 通気見切材及び建築物の外壁構造 Expired - Fee Related JP5379557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009123067A JP5379557B2 (ja) 2008-05-21 2009-05-21 通気見切材及び建築物の外壁構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008133598 2008-05-21
JP2008133598 2008-05-21
JP2009123067A JP5379557B2 (ja) 2008-05-21 2009-05-21 通気見切材及び建築物の外壁構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010001732A JP2010001732A (ja) 2010-01-07
JP5379557B2 true JP5379557B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=41583658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009123067A Expired - Fee Related JP5379557B2 (ja) 2008-05-21 2009-05-21 通気見切材及び建築物の外壁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5379557B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5457862B2 (ja) * 2010-01-29 2014-04-02 ケイミュー株式会社 通気見切材及び建築物の外壁構造
JP5507491B2 (ja) * 2011-04-20 2014-05-28 パナソニック株式会社 通気部材とその取付構造
JP5806179B2 (ja) * 2012-08-03 2015-11-10 株式会社ハウゼコ 軒天換気構造体
JP5551293B1 (ja) * 2013-05-22 2014-07-16 株式会社ハウゼコ 換気構造体
JP6803609B2 (ja) * 2016-12-26 2020-12-23 株式会社ハウゼコ 換気構造体
JP7075198B2 (ja) * 2017-02-15 2022-05-25 ケイミュー株式会社 通気部材
JP2021055499A (ja) 2019-10-02 2021-04-08 ニチハ株式会社 通気部材および壁材施工構造
JP7262158B1 (ja) * 2023-01-11 2023-04-21 株式会社ハウゼコ 換気装置及びこれを用いた軒天換気構造体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56171912U (ja) * 1980-05-21 1981-12-18
JPS6279008U (ja) * 1985-11-06 1987-05-20
JPH1061050A (ja) * 1996-08-26 1998-03-03 Ig Tech Res Inc 軒天部の外壁構造
JP3542333B2 (ja) * 2001-03-23 2004-07-14 ニチハ株式会社 通気見切縁及びそれを使用した外壁施工構造
JP2003074178A (ja) * 2002-07-15 2003-03-12 Nichiha Corp 通気見切縁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010001732A (ja) 2010-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5379557B2 (ja) 通気見切材及び建築物の外壁構造
JP6606440B2 (ja) 外壁の通気構造およびこれに用いられる換気部材
US20230228092A1 (en) Off-ridge roof ventilation device
JP2009084962A (ja) 防水及び防雪型換気ルーバ
JP2006257821A (ja) オーバーハング部の水切り構造
JP4880084B1 (ja) 軒先換気構造体
JP2018091002A (ja) 通気部材およびこれを備えた外壁構造
JP3155946U (ja) 換気棟
JP2007023571A (ja) サイディングの連結構造
JP6882927B2 (ja) 通気部材のエンドキャップ及び外壁構造
JP5385168B2 (ja) 通気見切材の端部部材及び建築物の外壁構造
JP4151044B2 (ja) 換気棟
JP3713029B2 (ja) 換気棟構造
JP2018131893A (ja) 通気部材
JP5089925B2 (ja) 換気瓦及び該換気瓦を用いた換気構造
JP5613343B2 (ja) 換気構造及び建物
JP6962542B2 (ja) 笠木構造体
JP5374283B2 (ja) 換気構造及び建物
JP5457862B2 (ja) 通気見切材及び建築物の外壁構造
JP2013144901A (ja) 換気構造及び建物
JP5613346B2 (ja) 換気構造及び建物
JP4745431B2 (ja) 換気棟
JP5152090B2 (ja) 外壁構造
JP3141032U (ja) ダクト一体型換気ルーバ
JP5466481B2 (ja) 換気構造及び建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5379557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees