JP4880084B1 - 軒先換気構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 迅速な設置を可能にすると共に、通気機能及び防水機能の信頼性の高い軒先換気構造体を提供する。
【解決手段】 軒先換気構造体1は、軒先部材10と、軒先部材10内に取付けられた換気部材20とから構成されている。軒先部材10は、屋根材50に平行状態に取付けられた傾斜部11と、傾斜部11に庇部12を介して接続された第1垂直部13と、第1垂直部13に垂下部14を介して接続された、開口18を有する底面部15と、底面部15に接続され、シール部材23を介して鼻隠し56の外面に沿って設置された第2垂直部16とを備えている。換気部材20は、上下に貫通する多数の通気孔を有している。このように、軒先換気構造体1は軒先部分9に対応した形状の軒先部材10に換気部材20が一体化された状態となっている。従って、軒先換気構造体1の軒先部分9への取付けが容易になると共に、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
【選択図】 図7

Description

この発明は軒先換気構造体に関し、特に、家屋における小屋裏空間の自然換気を図るために、軒先部分に取付けられる軒先換気構造体に関するものである。
図25は特許文献1で開示された軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図であり、図26は図25で示したX部分の拡大図である。
これらの図を参照して、軒先部分80は、幅方向(図の左方向)に向かって斜め下方に延びる垂木81上に設置された屋根板82と、その外面に外壁84が取付けられた、垂木81を下方から支持する柱83と、垂木81の下端に接続され下方に延びる鼻隠し材85と、その一方端が鼻隠し材85の下端に接続され、その他方端が軒先換気構造体である軒裏の換気構造70を介して外壁83に接続される軒天材86とから構成されている。
軒裏の換気構造70は、幅方向の断面が凹凸板形状に形成され、長手方向(図の貫通方向)に延びる換気部材71と、幅方向の断面が凹凸板形状に形成され、換気部材71に対して外方側(図の左側)から嵌合する、軒天材86の他方端を支持する軒天材支持金具75とから構成されている。
換気部材71は、後述する軒天材支持金具75の固定片76と共に固定金具87で外壁84に固定される外壁固定部72と、外壁固定部72の下端に接続され、外方側に突出する凸形状の取付部73と、取付部73の下端に接続された凹形状の内包部74とを備えている。尚、取付部73の頂点側部分には、通気孔79が長手方向に複数形成されている。又、内包部74と外壁84との間にはスペースが形成されている。
軒天材支持金具75は、換気部材71の外壁固定部72と共に固定金具87で外壁84に固定される固定片76と、固定片76の下端に接続され、外方側に突出する凸形状の嵌合部77と、嵌合部77の下端に接続され、軒天材86の他方端を支持する凹形状の固定部78とを備えている。そして、図で示す取付状態においては、換気部材71の取付部73に嵌合部77が嵌合している。尚、軒天材86の他方端は固定部78の角部88と先端部89とによって支持されており、図26の二点鎖線で示すように、軒天材支持金具75は水平から所定の角度までの間の配置状態の軒天材86を自在に支持することができる。
このような軒裏の換気構造70においては、通気状態にあっては、図26の矢印で示されているように換気部材71の内包部74と外壁84との間から外気が侵入し、換気部材71の取付部73の通気孔79を介して軒裏内(小屋裏内)へと移動する。一方、軒裏内の空気は、図26の矢印と反対の流れで外部へと排出される。
又、雨水は空気と同じく換気部材71の内包部74と外壁84との間から浸入する場合がある。しかしながら、換気部材71の内包部74と外壁84との間から通気孔79までの距離が長く、換気部材71は幅方向の断面が凹凸板形状に形成されているため、雨水が軒裏内に浸入し難くなる。このように、軒裏の換気構造70は通気性能と防水性能とを合わせて発揮する構成となっている。
特開2008−101395号公報
上記のような従来の軒先換気構造体では、設置時に換気部材に対して軒天材支持金具を嵌合して組合わせた状態で外壁などに取付ける必要があるため、迅速な設置が困難であった。
又、雨水の浸入は凹凸板形状の換気部材によって移動距離を長くして防止しているのみであるため、暴風雨等で雨量が極端に増加した時の防水機能としての信頼性が十分ではなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、迅速な設置を可能にすると共に、通気機能及び防水機能の信頼性の高い軒先換気構造体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、斜め下方に延びる屋根材と鼻隠しとからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、屋根材に対して平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる傾斜部と、傾斜部の下方側に接続され、下方に延びる第1垂直部と、第1垂直部の下方側に接続され、鼻隠しの外面に向かって延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された底面部と、底面部に接続され、鼻隠しの外面に沿って上方に延びる第2垂直部とを有する軒先部材と、第1垂直部の内面と第2垂直部の内面との間に取り付けられ、幅方向の断面が四角形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状を有し、下方の面から上方の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材とを備え、底面部の内面と換気部材の下方の面との間に空間が設けられるものである。
このように構成すると、換気部材は軒先部材に一体化される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、底面部は水平状態に配置され、第1垂直部と底面部とは、第1垂直部から下方に延長される垂直面と、垂直面の下端に接続され、底面部に向かって斜め上方に延びる傾斜面とからなる垂下部を介して接続されるものである。
このように構成すると、垂下部の下端は幅方向の断面において鋭角に形成される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、傾斜面には、長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成されるものである。
このように構成すると、垂下部の内面に溜まる水が排出される。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、開口の各々は、底面部から垂下部の傾斜面の一部まで連続して形成されるものである。
このように構成すると、垂下部の内面に溜まる水が開口を介して排出される。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、底面部は水平状態に配置され、第1垂直部と底面部とは、第1垂直部から斜め外方下方に延長される第1傾斜面と、第1傾斜面の下端に接続され、底面部に向かって第1傾斜面と平行に斜め上方に延びる第2傾斜面とからなる鍔部を介して接続されるものである。
このように構成すると、鍔部の下方端から雨滴は落下する。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、底面部は水平状態に配置され、第1垂直部と底面部とは、第1垂直部から下方に延長される第1垂直面と、第1垂直面の下端に接続され、底面部に向かって第1垂直面と平行に上方に延びる第2垂直面とからなる垂下部を介して接続されるものである。
このように構成すると、垂下部の両面はいずれも垂直になる。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、底面部は第2垂直部に向かって斜め上方に延びるように配置され、底面部には、第1垂直部の近傍で長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成されるものである。
このように構成すると、第1垂直部と底面部との接続部分が単純化する。
請求項8記載の発明は、斜め下方に延びる屋根材と鼻隠しとからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、屋根材に対して平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる傾斜部と、傾斜部の下方側に接続され、下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第1垂直部と、第1垂直部の下方側に接続され、鼻隠しの外面に向かって斜め上方に延びる底面部と、底面部に接続され、鼻隠しの外面に沿って上方に延びる第2垂直部とを有する軒先部材と、第1垂直部の内面と第2垂直部の内面との間に取り付けられ、幅方向の断面が四角形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状を有し、下方の面から上方の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材とを備え、換気部材の第1垂直部に取り付けられる面は開口より上方に位置し、底面部には、第1垂直部の近傍で長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成されるものである。
このように構成すると、換気部材は軒先部材に一体化されると共に、第1垂直部と底面部との接続部分が単純化する。又、開口の通気方向と換気部材の通気方向とが交差する。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の構成において、底面部と第2垂直部とは、底面部から鼻隠しの外面に向かって延長される第1水平面と、第1水平面の鼻隠し側の端部に接続され、第2垂直部に向かって第1水平面と平行に延びる第2水平面とからなる鍔部を介して接続され、鍔部の先端は、鼻隠しの外面に当接するものである。
このように構成すると、鍔部と鼻隠しの外面とが当接状態となる。
請求項10記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の発明の構成において、換気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、通気孔はその断面がほぼ1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも25mmであるものである。
このように構成すると、一定要件下における水の浸入が確実に阻止される。
請求項11記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の発明の構成において、傾斜部と第1垂直部とは、傾斜部から斜め下方に延長される第1延長面と、第1延長面の下端に接続され、第1垂直部に向かって第1延長面と平行に斜め上方に延びる第2延長面とからなる庇部を介して接続されるものである。
このように構成すると、庇部は屋根材の下面に位置する。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、換気部材は軒先部材に一体化されるため、軒先部分への取付が容易で通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、垂下部の下端は幅方向の断面において鋭角に形成されるため、垂直面に沿って流れる雨滴の水切れが向上する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、垂下部の内面に溜まる水が排出されるため、垂下部の耐久性が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、垂下部の内面に溜まる水が開口を介して排出されるため、垂下部の耐久性が向上すると共に水抜き孔が不要となる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、鍔部の下方端から雨滴は落下するため、樋の設置許容範囲が拡大する。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、垂下部の両面はいずれも垂直になるため、垂下部の内外面に沿った雨滴の水切れが向上する。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1垂直部と底面部との接続部分が単純化するため、製造が容易になると共に開口の形成スペースが拡大する。
請求項8記載の発明は、換気部材は軒先部材に一体化されるため、軒先部分への取付が容易で通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。又、第1垂直部と底面部との接続部分が単純化するため、製造が容易になる。更に、開口の通気方向と換気部材の通気方向とが交差するため、通気機能が向上する。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、鍔部と鼻隠しの外面とが当接状態となるため、防火上の信頼性が向上する。
請求項10記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、一定要件下における水の浸入が確実に阻止されるため、軒先換気構造体の軽量化及びコスト低減に寄与する。
請求項11記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の発明の効果に加えて、庇部は屋根材の下面に位置するため、後で設置される屋根材の位置決めが容易になる。
この発明の第1の実施の形態による軒先換気構造体の外観形状を示した正面図である。 図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。 図2で示したIII−IIIラインから見た縮小図である。 図2で示した換気部材の外観形状を示した概略斜視図である。 図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への第1の取付工程を示す概略端面図である。 図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への図5で示す第1の取付工程に続く第2の取付工程を示す概略端面図である。 図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への図6で示す第2の取付工程が完了した取付状態を示す概略端面図である。 図1で示した軒先換気構造体の他の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。 この発明の第2の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図9で示したX−Xラインから見た縮小図である。 図9で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。 この発明の第3の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図12で示したXIII−XIIIラインから見た縮小図である。 この発明の第4の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図14で示したXV−XVラインから見た縮小図である。 この発明の第5の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図16で示したXVII−XVIIラインから見た縮小図である。 この発明の第6の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図18で示したXIX−XIXラインから見た縮小図である。 この発明の第7の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図20で示したXXI−XXIラインから見た縮小図である。 この発明の第8の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図である。 図22で示したXXIII−XXIIIラインから見た縮小図である。 図22で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。 従来の軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。 図25で示したX部分の拡大図である。
図1はこの発明の第1の実施の形態による軒先換気構造体の外観形状を示した正面図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、軒先換気構造体1は、鋼板のプレス加工によって形成された軒先部材10と、軒先部材10内に取付けられた換気部材20とから構成されている。
軒先部材10は、幅方向(図2の右方向)に向かって斜め下方に延びる傾斜部11と、傾斜部11の下方側に庇部12を介して接続され、下方に延びる第1垂直部13と、第1垂直部13の下方側に垂下部14を介して接続され、後述する図示しない鼻隠しの外面(図2の左側)に向かって水平状態で延びる底面部15と、底面部15に接続され、第1垂直部13と平行に上方に延びる第2垂直部16とから構成されている。尚、底面部15には、長手方向(図3の上下方向)に所定間隔で複数の開口18が形成されている。又、第2垂直部16の外面の下方には、幅方向の断面が矩形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状に形成された、ゴム発泡体等よりなるシール部材23が接着剤等によって取付けられている。
又、庇部12は、傾斜部11から同一勾配で斜め下方に延長される第1延長面31と、第1延長面31の下端に接続され、第1垂直部13に向かって第1延長面31と平行に斜め上方に延びる第2延長面32とから構成されている。尚、第2延長面32と第1垂直部13との接続角度、即ち傾斜部11と第1垂直部13との接続角度θは63°に設定されている。
更に、垂下部14は、第1垂直部13から下方に延長される垂直面33と、垂直面33の下端に接続され、底面部15に向かって斜め上方に延びる傾斜面34とから構成されている。
換気部材20は、幅方向の断面が矩形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状に形成されている。そして、換気部材20は軒先部材10の第1垂直部13の内面と第2垂直部16の内面との間に接着剤又は両面テープ等によって取付けられており、その下方の面と軒先部材10の底面部15の内面との間には空間35が形成されている。
ここで、換気部材20の詳細な構造及び効果について説明する。
図4は図2で示した換気部材の外観形状を示した概略斜視図である。
図を参照して、上述した通り、換気部材20は幅方向の断面が矩形形状を有し、長手方向に対しては軒先部材の長手方向の長さとほぼ同一長さを有する棒形状を有している。具体的には、換気部材20は各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって相互に接続して一体化されている。そして、下方の面から上方の面へ貫通する通気孔21が多数形成されている。
この実施の形態においては、矩形断面形状の幅方向の長さAは30mmであり、高さに相当する長さBは25mmとなっている。又、通気孔21はほぼ1mm×4mmの長方形形状の開口寸法に設定されている。尚、このような換気部材20は、特許第2610342号において開示されている棟カバー材と基本的に同一構造である。これによって一定条件下にあっては、換気部材20は通気孔21を介しての通気を可能にすると共に、通気孔21を介しての雨水の浸入を阻止する通気性能及び防水性能を発揮するものとなる。そして、このような換気部材20を使用することによって、軒先換気構造体の軽量化及びコスト低減に寄与することになる。
このように、図1で示した軒先換気構造体1は、軒先部材10と通気性能及び防水性能を発揮する換気部材20とを一体化したものである。
次に、図1で示した軒先換気構造体1の軒先部分への取付けについて説明する。
図5は図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への第1の取付工程を示す概略端面図である。
図を参照して、軒先部分9は、幅方向に向かって斜め下方に延びる、屋根材の一部を構成する野地板51と、野地板51の下端側部分に設置され、垂直下方に延びる鼻隠し下地55及び鼻隠し56とから構成されている。尚、鼻隠し下地55及び鼻隠し56の上端には、長手方向に延びる矩形形状の開口57が形成されている。
そして、軒先部分9の野地板51の上面及び鼻隠し56の外面を覆うように、軒先換気構造体1を外方側(図の右側)から移動させ、傾斜部11を野地板51上に設置すると共にシール部材23を鼻隠し56の外面に当接させる。この時、ゴム発泡体等よりなるシール部材23は鼻隠し56の外面に当接して変形するため、第2垂直部16を鼻隠し56の外面に直接的に沿わせて設置する場合に比べて、軒先換気構造体1を容易に設置できる。
図6は図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への図5で示す第1の取付工程に続く第2の取付工程を示す概略端面図である。
図を参照して、第1の取付工程によって軒先換気構造体1が軒先部分9に設置されると、傾斜部11が野地板51に対して平行状態で設置されると共に、第2垂直部16がシール部材23を介して鼻隠し56の外面に沿って設置される。この時、シール部材23を接着剤等で鼻隠し56に固定しても良い。そして、この状態で傾斜面11を複数の釘29で野地板51に固定する。更に、シール部材23の下面をシーリング材48で被覆して、シール部材23の下面と第2垂直部16及び鼻隠し56の各々との間をシーリングする。
次に、野地板51に固定された傾斜部11の上面を覆うように防水紙52を野地板51及び傾斜部11に設置する。すると、傾斜部11が野地板51の外方側にシール状態で設置される。そして、防水紙52の上に下葺材53を軒先換気構造体1の庇部12の先端を基準にして設置する。このように、庇部12によって下葺材53の位置決めが容易になる。その後、下葺材53の上に平板瓦54を設置することで、屋根材50が完成する。
次に、鼻隠し56の外面における軒先換気構造体1の下方部分に、図示しない釘等によって受金具61を固定し、受金具61上に長手方向に延びる軒樋62を設置する。そして、軒樋62設置後に受金具61の先端部分(爪部分)の各々を内方側に折り返し、軒樋62を受金具61に固定する。
図7は図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への図6で示す第2の取付工程が完了した取付状態を示す概略端面図である。
図を参照して、第2の取付工程で説明した通り、野地板51上に防水紙52、下葺材53及び平板瓦54を設置して屋根材50を形成すると共に、鼻隠し56に軒樋62を取付けることによって、軒先換気構造体1の軒先部分9への取付けが完了する。
そして、上述した通り、通気性能及び防水性能を有する換気部材20は、軒先部分9の形状に対応した軒先部材10に一体化された状態となっている。そのため、軒先換気構造体1の軒先部分9への取付けが容易になると共に、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
又、上述した通り、第1垂直部13と底面部15とは、垂下部14を介して接続されている。そして、垂下部14の下端は幅方向の断面において鋭角に形成されているため、降雨時において垂下部14の垂直面に沿って流れる雨滴が底面部15側に廻らず水切れが向上する。従って、底面部15の開口18を介して不用意に軒先部材10内に雨水が浸入する虞が低減する。
そして、通気状態にあっては、図の矢印で示されているように軒先部材10の底面部15の開口18の各々から侵入した外気は、換気部材20の通気孔を介して上方側に通過する。そして、換気部材20を通過した空気は鼻隠し下地55及び鼻隠し56の野地板51との間に形成された開口57を介して小屋裏側(図の左側)へと移動する。又、小屋裏内の空気が外部に排出される状況の場合には、図の矢印と反対の流れになる。
又、上述した通り、換気部材20の下方の面と軒先部材10の底面部15の内面との間には空間35が形成されている。従って、換気部材20の下方の面の全面が露出され、全ての通気孔を介して通気可能な状態となるため、換気部材20の通気機能が確実に発揮される。
一方、雨水は主に軒先部材10の底面部15の開口18の各々を介して軒先部材10内に浸入する。浸入した雨水は上述した通り換気部材20の通気孔を介しては上方側に移動することが出来ないように構成されている。従って、軒先部材10内に浸入した雨水は、再度底面部15の開口18を介して外方に流れ出ることになる。
図8は図1で示した軒先換気構造体の他の軒先部分への取付状態を示す概略端面図であって、図7に対応するものである。
図を参照して、この取付状態においては、軒先部分9の鼻隠し下地55及び鼻隠し56が幅方向に向かって斜め上方に延びる配置形状となっている。従って、図2で示した幅方向の断面が矩形状のシール部材では、軒先換気構造体1の第2垂直部16が鼻隠し56の外面に沿ってシール状態で設置し難くなる。そこで、この取付状態においては、第2垂直部16と鼻隠し56との間に、幅方向の断面がこれらの間の形状に対応した台形形状のシール部材24が設置されている。このようなシール部材24によって、第2垂直部16が配置形状の異なる軒先部分9の鼻隠し56に対しても容易にシール状態で設置できると共に、軒先換気構造体1の取付状態が安定する。
図9はこの発明の第2の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第1の実施の形態の図2に対応するものであり、図10は図9で示したX−Xラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体2の基本的な構造は、第1の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、第1垂直部13と底面部15との接続部の形状が相違している。即ち、第1垂直部13と底面部15とは、特定形状の鍔部25を介して接続されている。
鍔部25は、第1垂直部13の下端から斜め外方下方に延長される第1傾斜面26と、第1傾斜面26の下端に接続され、底面部15に向かって第1傾斜面26と平行に斜め上方に延びる第2傾斜面27とから構成されている。尚、第2傾斜面27の下端側部分には、長手方向に所定間隔で複数の水抜き孔28が形成されている。
次に、鍔部25の効果について図11を参照して説明する。
図11は図9で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。
図を参照して、軒先部分9への軒先換気構造体2の取付方法については、図5及び図6で示した第1の実施の形態による取付方法と同様である。そして、軒先部分9に設置された軒先換気構造体2においては、鍔部25が外方側へ突出した状態となる。従って、図の一点鎖線矢印で示すように、第1垂直部13に沿って流れる雨滴は、第1傾斜面26を介して最も外方側に位置する鍔部25の下方端から落下することになる。従って、雨滴が確実に軒樋62に落下すると共に、図の二点鎖線で示すように軒樋62を更に外方側へ設置できる等、軒樋62の設置許容範囲が拡大する。
更に、鍔部25の内面に溜まる水は水抜き孔28を介して外部に排出される。従って、溜まり水による錆等が防止されるため、鍔部25の耐久性が向上する。
図12はこの発明の第3の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第1の実施の形態の図2に対応するものであり、図13は図12で示したXIII−XIIIラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体3の基本的な構造は、第1の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、第1垂直部13と底面部15との接続部の形状が相違している。即ち、第1垂直部13と底面部15とは、特定形状の垂下部36を介して接続されている。
垂下部36は、第1垂直部13から下方に延長される第1垂直面37と、第1垂直面37の下端に接続され、底面部15に向かって第1垂直面37と平行に上方に延びる第2垂直面38とから構成されている。尚、第1垂直面37と第2垂直面38との接続部分(垂下部36の下端)には、長手方向に所定間隔で複数の水抜き孔39が形成されている。
このような垂下部36においては、第1垂直面37と第2垂直面38とはいずれも垂直になるため、垂下部36の内外面に沿った雨滴の水切れが更に向上する。そして、垂下部36の内面に溜まる水は水抜き孔39を介して外部に排出されるため、垂下部36の耐久性が向上する。
図14はこの発明の第4の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第1の実施の形態の図2に対応するものであり、図15は図14で示したXV−XVラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体4の基本的な構造は、第1の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、第1垂直部13と底面部15との接続部の形状が相違している。即ち、第1垂直部13と底面部15とは、特定形状の垂下部40を介して接続されている。
垂下部40は、第1の実施の形態による軒先換気構造体の垂下部と相似状であるが、若干大きく形成されている。更に、垂下部40の傾斜面34の下端側部分には、長手方向に所定間隔で複数の水抜き孔41が形成されている。
このような垂下部40においては、第1の実施の形態と同様、雨滴の水切れが向上すると共に、傾斜面34に形成された水抜き孔41を介して、垂下部40の内面に溜まる雨水が外部に排出される。従って、溜まり水による錆等が防止されるため、垂下部40の耐久性が向上する。
図16はこの発明の第5の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第4の実施の形態の図14に対応するものであり、図17は図16で示したXVII−XVIIラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体5の基本的な構造は、第4の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、底面部15の開口18の形状が相違していると共に、垂下部45に水抜き孔が形成されていない。即ち、底面部15の開口18の各々は、幅方向における底面部15の中央付近から垂下部45の傾斜面34の下方部分まで連続して形成されている。
従って、垂下部45の内面に溜まる雨水は、開口18における傾斜面34に形成された部分を介して外部に排出される。そのため、垂下部45の耐久性が向上すると共に水抜き孔が不要となる。
更に、開口18の各々は底面部15の中央付近から垂下部45の傾斜面34の一部まで連続して形成されているため、第4の実施の形態による垂下部の水抜き孔に比べて、水抜き用の開口面積が増大する。従って、垂下部45の内面に溜まる雨水の排出能力が大きくなる。
図18はこの発明の第6の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第1の実施の形態の図2に対応するものであり、図19は図18で示したXIX−XIXラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体6の基本的な構造は、第1の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、第1垂直部13と底面部15との接続部の形状と、底面部15の配置状態とが相違している。即ち、第1垂直部13と底面部15とが直接的に接続されていると共に、底面部15は第2垂直部16に向かって斜め上方に延びるように傾斜状態で配置されている。更に、底面部15には、第1垂直部13の近傍で長手方向に所定間隔で複数の水抜き孔42が形成されている。
このような軒先換気構造体6においては、第1垂直部13と底面部15とが直接的に接続されているため、これらの接続部がプレス工程において単純化する。従って、軒先換気構造体6の製造が容易になる。更に、水平状態に配置された底面部15と比べ、斜めに配置された底面部15は表面積が拡大する、即ち開口18の形成スペースを拡大することができるため、通気機能が更に向上する。
図20はこの発明の第7の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第6の実施の形態の図18に対応するものであり、図21は図20で示したXXI−XXIラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体7の基本的な構造は、第6の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、底面部15には開口が形成されておらず、第1垂直部13に開口19が形成されている点が相違している。即ち、第6の実施の形態に比べて第1垂直部13及び第2垂直部16が下方に長くなるように形成されており、第1垂直部13において換気部材20が取付けられる面より下方側の部分に、長手方向に所定間隔で複数の開口19が所謂切起しによって形成されている。従って、換気部材20は開口19の水平レベルより上方に位置する。
このような軒先換気構造体7においては、通気状態にあっては、図20の矢印で示されているように第1垂直部13の開口19の各々から侵入した外気は、換気部材20の通気孔を介して上方側に通過する。そして、換気部材20を通過した空気は図示しない鼻隠しの開口を介して小屋裏側へと移動する。尚、開口19は第1垂直部13に形成されているため、開口19の通気方向(水平方向)と換気部材20の通気方向(垂直方向)とが交差する。即ち、外気は開口19を介して略水平に軒先部材10内に侵入することができる。従って、開口19が底面部15に形成されている場合、即ち外気が略垂直に軒先部材10内に侵入する場合に比べて、外気が通り抜け易くなるため、通気機能が更に向上する。
又、雨水は主に軒先部材10の第1垂直部13の開口19の各々を介して軒先部材10内に浸入する。浸入した雨水は上述した通り換気部材20の通気孔を介しては上方側に移動することが出来ないように構成されている。従って、軒先部材10内に浸入した雨水は、底面部15の水抜き孔42を介して外方に流れ出ることになる。
尚、この実施の形態においては、換気部材20の下方の面が水平状態になっているが、図20の破線で示すように、換気部材20の下方の面が第2垂直部16に向かって斜め下方に延びる傾斜状態となるようにしても良い。これによって、換気部材20の幅方向の断面が第2垂直部16側において大きくなるため、換気部材20に形成されている通気孔は第2垂直部16側に行くに従って長くなる。即ち、換気部材20は第2垂直部16側に行くに従って防水機能が高くなる。そして、外気が開口19を介して換気部材20を通過して上方側へ移動する際、その移動距離は第1垂直部13側より第2垂直部16側の方が長くなる。従って、換気部材20を通過する外気の速度は第2垂直部16側において大きくなるため、換気部材20の第2垂直部16側において雨水が浸入し易くなる。そのため、換気部材20の下方の面を上述した傾斜状態にすることによって、換気部材20の防水機能が効率的に向上すると共に、換気部材20の下方の面と底面部15の内面との間のスペースを有効に利用できる。
図22はこの発明の第8の実施の形態による軒先換気構造体を示す断面図であって、第7の実施の形態の図20に対応するものであり、図23は図22で示したXXIII−XXIIIラインから見た縮小図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体8の基本的な構造は、第7の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、底面部15と第2垂直部16との接続部の形状が特に相違している。即ち、底面部15と第2垂直部16とは、特定形状の鍔部65を介して接続されている。又、底面部15の傾斜状態も若干相違しており、第1垂直部13と底面部15との接続角度が第7の実施の形態のものより小さくなっている。そのため、水切り効果が更に向上している。
鍔部65は、底面部15から図示しない鼻隠しの外面(図22の左側)に向かって延長される第1水平面66と、第1水平面66の鼻隠し側の端部に接続され、第2垂直部16に向かって第1水平面66と平行に延びる第2水平面67とから構成されている。そして、鍔部65の第2水平面67上には、幅方向の断面が矩形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状に形成された、ゴム発泡体等よりなるシール部材68が接着等により取付けられている。尚、シール部材68の一方端部は、平面視において第2水平面67から鼻隠し側に若干突出するように設置されている。
次に、鍔部65の効果について図24を参照して説明する。
図24は図22で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略端面図である。
図を参照して、軒先部分9への軒先換気構造体8の取付方法については、図5及び図6で示した第1の実施の形態による取付方法と略同様である。軒先部分9に設置された軒先換気構造体8においては、鍔部65の先端及びシール部材68が、鼻隠し56に当接している。そして、この状態で鍔部65の下面の先端側部分と鼻隠し56との間をシーリング材69で被覆している。従って、軒先部材10は鼻隠し56に対して確実にシール状態で設置される。
又、軒先換気構造体を備える家屋に火災が発生した場合、例えば第1の実施の形態による軒先換気構造体では、図7で示したシール部材23等が火災による熱で溶けてしまい、軒先部材10の第2垂直部16と鼻隠し56との間に隙間が生じる。すると、この隙間から外気が大量に小屋裏内に侵入し、火災の被害が大きくなってしまう虞がある。しかしながら、この実施の形態による軒先換気構造体8にあっては、例えば火災による熱でシール部材68が溶けた場合であっても、鋼板よりなる鍔部65の先端が鼻隠し56に当接しているため、外気が不用意に小屋裏内に侵入する虞が無くなる。そのため、防火上の信頼性が向上する。
尚、上記の各実施の形態では、軒先部分の構造を特定しているが、斜め下方に延びる屋根材と、その上端側部分に開口が形成された鼻隠しとに相当する構造であれば、他の構造であっても同様に適用出来る。
又、上記の各実施の形態では、鼻隠しの開口は長手方向に延びる矩形形状に形成されているが、例えば複数の矩形形状の開口が整列する不連続形状等、他の開口形状に形成されていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、傾斜部は屋根材の野地板と防水紙との間に設置されているが、傾斜部は屋根材に対して平行状態となるように設置されていれば、他の設置状態であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、傾斜部と第1垂直部との接続角度が63°に設定されているが、軒先部分の屋根材と鼻隠しとの種々の配置状態に合わせて、他の接続角度に設定しても良い。
更に、上記の各実施の形態では、底面部又は第1垂直部に対して特定形状の開口が形成されているが、軒先換気構造体の通気機能を確保できる形状であれば、開口は他の形状であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材の寸法、形状を特定しているが、同様の通気性能及び防水性能を発揮するものであって、幅方向の断面が四角形形状を有していれば、他の寸法、形状であっても良い。この場合、特許第2610342号の明細書に記載されている風雨試験と同一の条件で同一の効果を奏するものであることが好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材は単体で使用されているが、例えば幅方向の断面が矩形状の換気部材を上下方向に所定間隔で複数設置しても良い。これによって、換気部材の各々の通気孔が不連続になるので、雨水が通気孔を介して小屋裏側へ移動し難くなる。従って、通気機能は損なわずに、軒先換気構造体の防水機能が向上する。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材は接着剤又は両面テープによって第1垂直部の内面と第2垂直部の内面とに取付けられているが、例えばネジによる固定等、換気部材は他の方法で取付けられていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、傾斜部と第1垂直部とは庇部を介して接続されているが、庇部は無くても良く、傾斜部と第1垂直部とが直接的に接続されていても良い。
更に、上記の第1〜第7の実施の形態では、第2垂直部の外面に特定形状のシール部材が取付けられているが、シール部材は第2垂直部を鼻隠しの外面にシール状態で取付けることができるものであれば、他の形状であっても良い。又は、シール部材は無くても良く、その場合、第2垂直部を鼻隠しの外面に直接的に沿わせて設置すれば良い。
更に、上記の第1〜第5の実施の形態では、底面部は水平状態に配置されているが、第6〜第8の実施の形態のように、底面部は傾斜状態で配置されていても良い。
更に、上記の第1〜第5の実施の形態では、第1垂直部と底面部とは垂下部等の特定の接続部を介して接続されているが、このような特定の接続部は無くても良く、第1垂直部と底面部とが直接的に接続されていても良い。
更に、上記の第2〜第4の実施の形態では、第1垂直部と底面部との接続部(垂下部等)に水抜き孔が形成されているが、水抜き孔は無くても良い。
更に、上記の第1の実施の形態では、垂下部には水抜き孔が形成されていないが、垂下部での溜まり水を外部に排出できるように、垂下部に水抜き孔を形成しても良い。
更に、上記の第5の実施の形態では、開口の各々は底面部の中央付近から垂下部の傾斜面の一部として下方部分まで連続して形成されているが、傾斜面の一部としては例えば底面部の中央付近から垂下部の傾斜面の上方部分まで連続して形成されているものであっても良い。
更に、上記の第8の実施の形態では、鍔部の第2水平面上にシール部材が取付けられているが、シール部材は無くても良い。
1〜8…軒先換気構造体
9…軒先部分
10…軒先部材
11…傾斜部
12…庇部
13…第1垂直部
14、36、40、45…垂下部
15…底面部
16…第2垂直部
18、19…開口
20…換気部材
21…通気孔
25、65…鍔部
26…第1傾斜面
27…第2傾斜面
31…第1延長面
32…第2延長面
33…垂直面
34…傾斜面
35…空間
37…第1垂直面
38…第2垂直面
41、42…水抜き孔
50…屋根材
56…鼻隠し
66…第1水平面
67…第2水平面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (11)

  1. 斜め下方に延びる屋根材と鼻隠しとからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、
    前記屋根材に対して平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる傾斜部と、前記傾斜部の下方側に接続され、下方に延びる第1垂直部と、前記第1垂直部の下方側に接続され、前記鼻隠しの外面に向かって延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された底面部と、前記底面部に接続され、前記鼻隠しの前記外面に沿って上方に延びる第2垂直部とを有する軒先部材と、
    前記第1垂直部の内面と前記第2垂直部の内面との間に取り付けられ、前記幅方向の断面が四角形形状を有すると共に前記長手方向に延びる棒形状を有し、下方の面から上方の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材とを備え、
    前記底面部の内面と前記換気部材の前記下方の面との間に空間が設けられる、軒先換気構造体。
  2. 前記底面部は水平状態に配置され、
    前記第1垂直部と前記底面部とは、前記第1垂直部から下方に延長される垂直面と、前記垂直面の下端に接続され、前記底面部に向かって斜め上方に延びる傾斜面とからなる垂下部を介して接続される、請求項1記載の軒先換気構造体。
  3. 前記傾斜面には、前記長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成される、請求項2記載の軒先換気構造体。
  4. 前記開口の各々は、前記底面部から前記垂下部の前記傾斜面の一部まで連続して形成される、請求項2記載の軒先換気構造体。
  5. 前記底面部は水平状態に配置され、
    前記第1垂直部と前記底面部とは、前記第1垂直部から斜め外方下方に延長される第1傾斜面と、前記第1傾斜面の下端に接続され、前記底面部に向かって前記第1傾斜面と平行に斜め上方に延びる第2傾斜面とからなる鍔部を介して接続される、請求項1記載の軒先換気構造体。
  6. 前記底面部は水平状態に配置され、
    前記第1垂直部と前記底面部とは、前記第1垂直部から下方に延長される第1垂直面と、前記第1垂直面の下端に接続され、前記底面部に向かって前記第1垂直面と平行に上方に延びる第2垂直面とからなる垂下部を介して接続される、請求項1記載の軒先換気構造体。
  7. 前記底面部は前記第2垂直部に向かって斜め上方に延びるように配置され、
    前記底面部には、前記第1垂直部の近傍で前記長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成される、請求項1記載の軒先換気構造体。
  8. 斜め下方に延びる屋根材と鼻隠しとからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、
    前記屋根材に対して平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる傾斜部と、前記傾斜部の下方側に接続され、下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第1垂直部と、前記第1垂直部の下方側に接続され、前記鼻隠しの外面に向かって斜め上方に延びる底面部と、前記底面部に接続され、前記鼻隠しの前記外面に沿って上方に延びる第2垂直部とを有する軒先部材と、
    前記第1垂直部の内面と前記第2垂直部の内面との間に取り付けられ、前記幅方向の断面が四角形形状を有すると共に前記長手方向に延びる棒形状を有し、下方の面から上方の面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材とを備え、
    前記換気部材の前記第1垂直部に取り付けられる面は前記開口より上方に位置し、
    前記底面部には、前記第1垂直部の近傍で前記長手方向に所定間隔で水抜き孔が形成される、軒先換気構造体。
  9. 前記底面部と前記第2垂直部とは、前記底面部から前記鼻隠しの前記外面に向かって延長される第1水平面と、前記第1水平面の前記鼻隠し側の端部に接続され、前記第2垂直部に向かって前記第1水平面と平行に延びる第2水平面とからなる鍔部を介して接続され、
    前記鍔部の先端は、前記鼻隠しの前記外面に当接する、請求項8記載の軒先換気構造体。
  10. 前記換気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、前記通気孔はその断面がほぼ1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも25mmである、請求項1から請求項9のいずれかに記載の軒先換気構造体。
  11. 前記傾斜部と前記第1垂直部とは、前記傾斜部から斜め下方に延長される第1延長面と、前記第1延長面の下端に接続され、前記第1垂直部に向かって前記第1延長面と平行に斜め上方に延びる第2延長面とからなる庇部を介して接続される、請求項1から請求項10のいずれかに記載の軒先換気構造体。
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