JP4759648B1 - 換気棟 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通気機能及び防水機能を有すると共に、片流れ屋根に容易に取り付けることの出来る換気棟を提供する。
【解決手段】 換気棟1は、片流れ屋根7上に設置された棟板部材10と、棟板部材10の下面に取り付けられた幅方向の断面が台形形状の換気部材20とから主に構成されている。棟板部材10は、屋根材72から所定距離離れた傾斜部11と、外壁71の外方側に位置する垂下部15とを備えている。換気部材20は、幅方向に貫通する多数の通気孔を有しており、その上底より長い下底に対応する面が傾斜部11の下方側に位置するように、プレート部材31によって傾斜部11に取り付けられている。このように、換気棟1においては、片流れ屋根7に対応した形状の棟板部材10に換気部材20が一体化された状態となっている。従って、換気棟1の片流れ屋根7への取り付けが容易になると共に、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
【選択図】 図6

Description

この発明は換気棟に関し、特に、家屋における小屋裏空間の自然換気を図るために、片流れ屋根に取り付けられる換気棟に関するものである。
図9は特許文献1で開示された換気棟の外観形状を示した平面図であり、図10は図9で示したX−Xラインの断面図であって、換気棟の屋根材への取付状態を示したものである。
これらの図を参照して、換気棟60は、棟板部材61と、棟板部材61の下面に取り付けられた一対の換気部材62a、62bとによって主に構成されている。棟板部材61は、頂点から幅方向(図9の上下方向)に向かって斜め下方に延びる傾斜部64a、64bを備えており、傾斜部64a、64bの各々にはその長手方向(図9の左右方向)に平行に延びる換気口65が複数形成されている。そして、傾斜部64a、64bの各々の下面であって、頂点と換気口65の各々との間のスペースに換気部材62a、62bが取り付けられている。
換気部材62a、62bの各々は、幅方向の断面が台形形状に形成されていると共に、幅方向において一方の側面から他方の側面へ貫通する複数の図示しない通気孔が形成されている。そして、換気部材62a、62bの各々は、その上底より長い下底に対応する面が棟板部材61の傾斜部64a、64bの各々の下面側に位置するように取り付けられている。尚、換気部材62a、62bの各々は、特許文献2で開示された棟カバー材と基本的に同一構造であるため、一定条件下にあっては図示しない通気孔を介しての通気性能及び防水性能を発揮することが出来る。
このように構成された換気棟60は、ほぼ山形形状でその中央部が開口された形状の屋根材67上に設置した後、固定釘69によって屋根材67に固定する。この時、換気部材62a、62bにおける台形断面形状の下底に対応する面が傾斜部64a、64bの各々の下面側に取り付けられているため、これらの中央側下方のスペースが拡大する。従って、設置時において屋根材67の捨水切68と緩衝する虞が少なくなるため、換気棟60の設置が容易となる。
換気棟60は、通気状態にあっては、図10の矢印で示されているように屋根材67の中央部において捨水切68の間から上昇した空気は、換気部材62a、62bの各々の通気孔を介して内方側から外方側に通過する。そして、通過した空気は傾斜部64a、64bの各々に形成されている換気口65の各々を介して外方に排出される。
又、雨水は主に換気口65の各々を介して傾斜部64a、64bの下方に浸入する。そして、上述した通り換気部材62a、62bは、浸入した雨水が換気部材62a、62bの各々の通気孔を介しては内方側に移動出来ないように構成されている。従って、通気機能及び防水機能を有する換気棟60となる。
図11は特許文献1で開示された他の換気棟の屋根材への取付状態を示す図であって、図10に対応するものである。
図を参照して、換気棟70の基本的な構造は、図10で示した換気棟60と同様であるので、相違点を中心に説明する。換気棟70においては、換気部材62a、62bの取付状態が異なっている。即ち、換気部材62a、62bの各々の上底に対応する面が棟板部材61の傾斜部64a、64bの各々の下面に位置するように取り付けられている。従って、換気部材62a、62bの各々に形成されている通気孔の長さは下方に行くに従って長くなることになる。そして、上述した外方から浸入した雨水は、換気棟70の内部の下方側(屋根材67側)に多く存在することになるため、換気部材62a、62bの防水機能をより効率的に発揮することが出来る。
特開2006−9293号公報 特許第2610342号公報
上記のような図11で示した換気棟では、通気機能及び防水機能については問題無いが、その設置形態について問題があった。即ち、図11で示した換気棟においては、山形形状の所謂切妻屋根に対してのみ設置出来る形状であり、片流れ屋根に対しては設置出来ない形状となっていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、通気機能及び防水機能を有すると共に、片流れ屋根に容易に取り付けることの出来る換気棟を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、垂直下方に延びる外壁と、その頂点側部分に開口が形成された斜め下方に延びる屋根材とを有する片流れ屋根に設置する換気棟であって、屋根材に対して所定距離離れた平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる、長手方向に平行な換気口が形成された傾斜部と、外壁の外方側にシール状態で設置され、傾斜部の頂点から垂直下方に延びる垂下部とを有する棟板部材と、傾斜部の下面における換気口と開口の上方に対応する部分との間に取り付けられ、幅方向の断面が四角形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状を有し、幅方向に一方の側面から他方の側面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材と、換気部材と屋根材との間に設けられ、これらの間を遮水するシール手段とを備え、シール手段は、換気部材の下面に接するように長手方向に延びると共に、その両端部において棟板部材から支持されて固定されるプレート部材と、プレート部材の下面に設置され、長手方向に延びるシール部材とを含み、棟板部材、換気部材及びシール手段は、一体化状態で屋根材に設置されるものである。
このように構成すると、換気部材及びシール部材は棟板部材に一体化される。又、換気部材が保護され、シール性が安定する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、開口は長手方向に延びる矩形形状を有し、開口の頂点の側の縁部と傾斜部の下面との間のスペースを長手方向に沿って塞ぐ塞ぎ部材を更に備え、換気部材は、幅方向の断面が台形形状を有し、その上底より長い下底に対応する面が傾斜部の下面側に位置するように取り付けられるものである。
このように構成すると、換気部材を通過する気流の速度は上底側より下底側において増加する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、塞ぎ部材は、傾斜部の下面を支持する構造を有するものである。
このように構成すると、塞ぎ部材で支持された部分の棟板部材の強度が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3記載の発明の構成において、塞ぎ部材と換気部材との間における傾斜部の下面に取り付けられた断熱材を更に備えたものである。
このように構成すると、気流による棟板部材からの結露が防止される。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、換気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、通気孔はその断面がほぼ1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも23mmであるものである。
このように構成すると、一定要件下における水の浸入が確実に阻止される。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、換気部材及びシール手段は棟板部材に一体化されるため、換気棟の片流れ屋根への取付が容易になると共に通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。又、換気部材が保護され、シール性が安定するため、設置状態の信頼性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、換気部材を通過する気流の速度は上底側より下底側において増加するため、換気部材の遮水性能が効率的に発揮される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、塞ぎ部材で支持された部分の棟板部材の強度が向上するため、換気棟の取付状態が安定する。
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、気流による棟板部材からの結露が防止されるため、結露による水滴の落下防止により信頼性が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、一定要件下における水の浸入が確実に阻止されるため、換気棟の軽量化及びコスト低減に寄与する。
この発明の第1の実施の形態による換気棟の外観形状を示した平面図である。 図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。 図2で示したIII−IIIラインの断面図である。 図2で示した換気部材の外観形状を示した概略斜視図である。 図1で示した換気棟の片流れ屋根への取付け前の状態を示した概略分解端面図である。 図1で示した換気棟の片流れ屋根への取付け状態を示した概略端面図である。 図1で示した換気棟内の気流の状態を示す概略端面図である。 この発明の第2の実施の形態による換気棟を示す概略端面図である。 従来の換気棟の外観形状を示した平面図である。 図9で示したX−Xラインの断面図である。 従来の他の換気棟の屋根材への取付状態を示す図である。
図1はこの発明の第1の実施の形態による換気棟の外観形状を示した平面図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインの断面図である。
これらの図を参照して、換気棟1は、鋼板のプレス加工によって形成された棟板部材10と、棟板部材10の下面に取り付けられた換気部材20とから主に構成されている。
棟板部材10は、幅方向(図1の上下方向)に向かって斜め下方に延びる傾斜部11と、傾斜部11の頂点41から垂直下方に延びる垂下部15とを備えている。又、傾斜部11の下方側には、長手方向(図1の左右方向)に平行な換気口42が複数形成されていると共に、後述する固定釘等を挿通させるための取付孔43が長手方向に複数形成されている。更に、傾斜部11の下方端にはほぼ垂直下方に延びる垂直部12が接続されていると共に、垂直部12の下方端には、傾斜部11とほぼ平行に外方に延びる第1フランジ部13が接続されている。
又、垂下部15の下方端にはほぼ水平に内方側に延びる水平部16が接続されていると共に、水平部16の内方端には、垂下部15とほぼ平行に下方に延びる第2フランジ部17が接続されている。更に、水平部16の上面及び垂下部15の内面に沿うように、幅方向の断面が矩形状の長手方向に延びる棒形状の桟木51が、水平部16の上面にボルト52によって取り付けられている。更に、第2フランジ部17の下方側の内面には、長手方向に延びる弾性体等よりなるシール部材53が取り付けられている。
換気部材20は、幅方向の断面が台形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状に形成されている。そして、その上底より長い下底に対応する面が傾斜部11の下面側に位置するように傾斜部11に取り付けられている。換気部材20の詳細な構造及び効果については後述する。
又、換気棟1は、換気部材20の下方側に配置された、鋼板のプレス加工によって形成されたプレート部材31と、プレート部材31の上方側の下面に設置された、長手方向に延びる弾性体等よりなるシール部材35とからなるシール手段を更に備えている。プレート部材31は、換気部材20の下面に接するように配置された長手方向に延びるプレート板32と、プレート板32の両端部の各々を棟板部材10の傾斜部11に固定するための断面S字状の固定板33とから構成されている。尚、プレート板32の上方側の端部には水切部37が形成されている。又、固定板33の各々は、その下面が換気部材20の下方側に配置されると共に、その上面がボルト38によって傾斜部11に取り付けられている。
又、後述する塞ぎ部材と換気部材20との間における傾斜部11の下面には断熱材19が取り付けられている。
次に、換気部材20の詳細な構造について説明する。
図4は図2で示した換気部材の外観形状を示した概略斜視図である。
図を参照して、上述した通り、換気部材20は幅方向の断面が台形形状を有し、長手方向に対しては棟板部材の傾斜部の長手方向の長さとほぼ同一長さを有する棒形状を有している。具体的には、換気部材20は各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって相互に接続して一体化されている。そして、一方の側壁から他方の側壁へ貫通する通気孔21が多数形成されている。
この実施の形態においては、台形断面形状の上底に対応する下面24の幅方向の長さAは23mmであり、下底に対応する上面23の幅方向の長さBは40mmであり、台形形状の高さに相当する長さCは18mmとなっている。又、通気孔21はほぼ1mm×4mmの長方形形状の開口寸法に設定されている。尚、このような換気部材20は従来例と同様に特許文献2において開示されている棟カバー材と基本的に同一構造である。これによって一定条件下にあっては、換気部材20は通気孔21を介しての通気を可能にすると共に、通気孔21を介しての雨水の浸入を阻止する通気性能及び防水性能を発揮するものとなる。そして、このような換気部材20を使用することによって、換気棟の軽量化及びコスト削減に寄与することになる。
このように、図1で示した換気棟1は、主に棟板部材10と通気性能及び防水性能を発揮する換気部材20とを一体化したものである。
次に、図1で示した換気棟1の屋根材への取付けについて説明する。
図5は図1で示した換気棟の片流れ屋根への取付け前の状態を示した概略分解端面図である。
図を参照して、片流れ屋根7は、垂直下方に延びる外壁71と、その頂点側部分に長手方向に延びる矩形形状の開口73が形成された斜め下方に延びる屋根材72とを有している。具体的には、屋根材72は、図示しない垂木の上に設置された野地板85と、野地板85の上面に布設された防水紙86と、防水紙86の上に設置された下葺材87と、下葺材87の上に設置された平板瓦88とから構成されている。又、開口73の下方側の縁部に設けられた捨水切75と、開口73の上方側の縁部に設けられた断面逆C字状の塞ぎ部材76とは、防水紙86の上に取り付けられ、その状態で下葺材87が設置されるものである。
このように構成された片流れ屋根7に、換気棟1を片流れ屋根7を覆うように上方から降下させる。すると、プレート部材31及びシール部材35が、開口73より下方側の屋根材72上に設置されると共に、第1フランジ部13が屋根材72上に設置される。即ち、プレート部材31とシール部材35とによって、換気部材20と屋根材72との間が遮水される。更に、棟板部材10の傾斜部11の下面が塞ぎ部材76の上面上に設置される。更に、垂下部15、水平部16及び第2フランジ部17が、外壁71の外方側に位置し、桟木51とシール部材53とが外壁71に当接状態となる。
このようにして片流れ屋根7上に換気棟1を設置すると、図6で示す状態となる。
図6は図1で示した換気棟の片流れ屋根への取付け状態を示した概略端面図である。
図を参照して、換気棟1を片流れ屋根7に取り付ける際には、図1で示した傾斜部11の取付孔43の各々の下方側に防水パッキン44を取り付けた状態で固定釘45を挿入し、打ち込む。更に、第2フランジ部17においては、シール部材53を貫通するように外方側から外壁71に向かって固定釘46を打ち込む。このようにして、換気棟1を外壁71及び屋根材72に固定する。すると、換気棟1の片流れ屋根7への取付けが完了する。
上述した通り、通気性能及び防水性能を有する換気部材20は、片流れ屋根7の形状に対応した棟板部材10に一体化された状態となっている。そのため、換気棟1の片流れ屋根7への取り付けが容易になると共に、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
又、シール手段であるプレート部材31とシール部材35とによって、換気部材20が保護されると共に、換気部材20と屋根材72との間のシール性が安定する。従って、換気部材20の耐久性が向上すると共に、換気棟1の設置状態の信頼性が向上する。
更に、棟板部材10の傾斜部11は塞ぎ部材76の上面上に設置されているため、塞ぎ部材76で支持された部分の傾斜部11の強度が向上する。従って、換気棟1の片流れ屋根7への取付状態が安定する。
更に、棟板部材10の傾斜部11の下面に取り付けられた断熱材19は、上述した通り塞ぎ部材76と換気部材20との間に位置するように取り付けられている。従って、気流による棟板部材10からの結露が防止される。そのため、屋根材72の開口73を介しての小屋裏空間への水滴の落下が阻止されるので、換気棟1の信頼性が向上する。
そして、通気状態にあっては、矢印で示されているように屋根材72の開口73から上昇した空気は、塞ぎ部材76の効果によって換気部材20側へのみ移動する。その後、換気部材20の通気孔を介して外方側に通過する。そして、換気部材20を通過した空気は傾斜部11の換気口42の各々を介して外方に排出される。
一方、雨水は主に換気口42の各々を介して傾斜部11の下方に浸入する。浸入した雨水は上述した通り換気部材20の通気孔を介しては内方側に移動することが出来ないように構成されている。従って、浸入した雨水は、プレート部材31の上面を介して第1フランジ部13の下面と屋根材72の上面との間の隙間から外方に流れ出ることになる。
ここで、換気部材20の形状による更なる防水効果について説明する。
図7は図1で示した換気棟内の気流の状態を示す概略端面図である。
図を参照して、矢印で示すように、換気口42を介して外方から侵入した空気は、換気部材20の通気孔を介して内方側へと移動する。そして、内方側へ移動した空気は屋根材72の開口73を介して小屋裏空間へと移動することになる。この時、内方側へ移動した空気は塞ぎ部材76より上方側へは移動出来ないため、ほぼ全ての空気が開口73内へと移動することになる。即ち、塞ぎ部材76によって、換気部材20から開口73に向かう気流は、あたかも直角ダクト内を通過する状態になる。
そのため、換気棟1内の上方と下方とを流れる空気の各々は、開口73を介して小屋裏空間に到達するまでの移動距離が異なる。即ち、下方側を流れる空気より、上方側を流れる空気のほうが小屋裏空間まで長い距離を移動することになる。従って、上方側の気流の速度Vは、下方側の気流の速度Vより増加する。即ち、換気部材20の下底側(上面側)を通過する気流の速度Vは、上底側(下面側)を通過する気流の速度Vより大きくなることになる。従って、換気口42を介して浸入してきた雨水が換気部材20の通気孔を通過しようとする時、速度Vを有する上面側の気流によって移動する雨水は、速度Vを有する下面側の気流によって移動する雨水より速く移動することになる。
そして、上述した通り、換気部材20はその上底より長い下底に対応する面(上面)が棟板部材10の傾斜部11の下面側に位置するように取り付けられている。従って、換気部材20の各々に形成されている通気孔の長さは上方に行くに従って長くなることになる。即ち、上方に行くに従って防水機能が高くなるため気流の速度分布に対応し、換気部材20の遮水性能が効率的に発揮される。
図8はこの発明の第2の実施の形態による換気棟を示す概略端面図であって、第1の実施の形態の図6に対応するものである。
図を参照して、この実施の形態による換気棟2の基本的な構造は、図1で示した換気棟1と同様であるので、相違点を中心に説明する。この実施の形態においては、塞ぎ部材77が木材によって構成されている点が相違している。塞ぎ部材77は、幅方向の断面が矩形形状に形成されていると共に、開口73の頂点41側の縁部に沿って長手方向に延びる棒形状に形成されている。このような塞ぎ部材77は、その材質が木材であるため加工し易いと共に屋根材72上に設置するのみであるため、工事期間の短縮及びコスト的に有利となる。尚、塞ぎ部材77によっても、気流の分布状態は先の実施の形態と何ら変わらない。
尚、上記の各実施の形態では、片流れ屋根の構造を特定しているが、垂直下方に延びる外壁と、その頂点側部分に開口が形成された斜め下方に延びる屋根材とを有する構造であれば、他の構造であっても同様に適用出来る。
又、上記の各実施の形態では、棟板部材の傾斜部の下方端には垂直部及び第1フランジ部が接続されているが、傾斜部の設置状態が保持出来れば、垂直部及び第1フランジ部は無くても良い。
更に、上記の各実施の形態では、棟板部材は垂下部、水平部及び第2フランジ部を備えているが、垂下部が屋根材の外壁にシール状態で設置されていれば、水平部及び第2フランジ部は無くても良い。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材の寸法、形状を特定しているが、同様の通気性能及び防水性能を発揮するものであって、幅方向の断面が四角形形状を有していれば、他の寸法、形状であっても良い。この場合、特許文献2の明細書に記載されている風雨試験と同一の条件で同一の効果を奏するものであることが好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、シール手段はプレート部材とシール部材とによって構成されているが、換気部材と屋根材との間を遮水するものであれば、他の形状及び部材で構成されていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、プレート部材はプレート板と固定板とによって構成されているが、換気部材の下面に接するように長手方向に延びると共に、その両端部において棟板部材から支持されるものであれば、他の形状及び部材で構成されていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、屋根材の開口は長手方向に延びる矩形形状に形成されているが、例えば複数の矩形形状の開口が整列する不連続形状等、他の開口形状に形成されていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、特定形状の塞ぎ部材を備えているが、塞ぎ部材は屋根材の開口の頂点側の縁部と傾斜部の下面との間のスペースを長手方向に沿って塞ぐものであれば、他の形状であっても良い。その場合、塞ぎ部材は傾斜部の下面を支持するような構造で無くても良い。又は、塞ぎ部材は無くても良い。
更に、上記の各実施の形態では、傾斜部の下面に断熱材が取り付けられているが、断熱材は無くても良い。
1、2…換気棟
7…片流れ屋根
10…棟板部材
11…傾斜部
15…垂下部
19…断熱材
20…換気部材
21…通気孔
31…プレート部材
35…シール部材
41…頂点
42…換気口
71…外壁
72…屋根材
73…開口
76、77…塞ぎ部材
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. 垂直下方に延びる外壁と、その頂点側部分に開口が形成された斜め下方に延びる屋根材とを有する片流れ屋根に設置する換気棟であって、
    前記屋根材に対して所定距離離れた平行状態で幅方向に向かって斜め下方に延びる、長手方向に平行な換気口が形成された傾斜部と、前記外壁の外方側にシール状態で設置され、前記傾斜部の頂点から垂直下方に延びる垂下部とを有する棟板部材と、
    前記傾斜部の下面における前記換気口と前記開口の上方に対応する部分との間に取り付けられ、前記幅方向の断面が四角形形状を有すると共に前記長手方向に延びる棒形状を有し、前記幅方向に一方の側面から他方の側面へ貫通する複数の通気孔を有する換気部材と、
    前記換気部材と前記屋根材との間に設けられ、これらの間を遮水するシール手段とを備え、
    前記シール手段は、前記換気部材の下面に接するように前記長手方向に延びると共に、その両端部において前記棟板部材から支持されて固定されるプレート部材と、前記プレート部材の下面に設置され、前記長手方向に延びるシール部材とを含み、
    前記棟板部材、前記換気部材及び前記シール手段は、一体化状態で前記屋根材に設置される、換気棟。
  2. 前記開口は前記長手方向に延びる矩形形状を有し、
    前記開口の前記頂点の側の縁部と前記傾斜部の下面との間のスペースを前記長手方向に沿って塞ぐ塞ぎ部材を更に備え、
    前記換気部材は、前記幅方向の断面が台形形状を有し、その上底より長い下底に対応する面が前記傾斜部の下面側に位置するように取り付けられる、請求項1記載の換気棟。
  3. 前記塞ぎ部材は、前記傾斜部の下面を支持する構造を有する、請求項2記載の換気棟。
  4. 前記塞ぎ部材と前記換気部材との間における前記傾斜部の下面に取り付けられた断熱材を更に備えた、請求項2又は請求項3記載の換気棟。
  5. 前記換気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、前記通気孔はその断面がほぼ1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも23mmである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の換気棟。
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