JP2018131893A - 通気部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外空間と小屋裏とで通気可能な通気部材において、屋外側開口から吹き込んだ風雨が、小屋裏側開口にまで至るのを抑制することができる通気部材を提供する。【解決手段】通気部材4は、屋外空間に開口する屋外側開口41と、小屋裏3に開口する小屋裏側開口513とを通じさせる通気路を有する通気部材4である。通気路は、小屋裏側開口513よりも下側且つ屋外側に位置して屋内外方向に開口する開口部92と、該開口部92から上方に延びる縦通気路93と、該縦通気路93の上端から屋内側に水平に延びてその上方に位置する小屋裏側開口513に繋がる横通気路94とを有している。横通気路94には、開口部92から入って小屋裏側開口513に向かう気流を受ける気流受け部512が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、通気部材に関し、特に、屋外空間と小屋裏とで通気可能な通気部材に関する。
特許文献1には、従来の通気部材が開示されている。この特許文献1記載の通気部材は、通気見切材であり、外壁材の上端に取り付けられている。この通気見切材は、外壁の裏側に設けられた通気層と屋外空間とを連通する通気路を有しており、この通気路を介して通気層の換気を行うことができる。
特開2011−157696号公報
ところで、この種の通気見切材として、屋外空間と小屋裏とで通気を行う通気部材も存在する。
この種の通気部材は、屋外空間に開口する屋外側開口と、小屋裏に開口する小屋裏側開口とを連通する通気路を有しているが、屋外側開口から流入する気流が勢いよく小屋裏側開口にまで至ると、気流と共に雨水が小屋裏側開口を通じて小屋裏に入ってしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、屋外空間と小屋裏とで通気可能な通気部材において、屋外側開口から吹き込んだ風雨が、小屋裏側開口にまで至るのを抑制することができる通気部材を提供することにある。
本発明の一態様の通気部材は、屋外空間に開口する屋外側開口と、小屋裏に開口する小屋裏側開口とを通じさせる通気路を有する通気部材であって、前記通気路は、前記小屋裏側開口よりも下側且つ屋外側に位置して屋内外方向に開口する開口部と、該開口部から上方に延びる縦通気路と、該縦通気路の上端から屋内側に水平に延びてその上方に位置する前記小屋裏側開口に繋がる横通気路と、を有し、前記横通気路には、前記開口部から入って前記小屋裏側開口に向かう気流を受ける気流受け部が設けられていることを特徴とする。
本発明の通気部材によれば、屋外空間と小屋裏とで通気可能な通気部材において、屋外側開口から吹き込んだ風雨が、小屋裏側開口にまで至るのを抑制することができる。
本発明の実施形態1の通気部材が設置された外壁構造の断面図である。 同上の通気部材の斜視図である。 同上の通気部材の断面図である。 本発明の実施形態2の通気部材の断面図である。 同上の通気部材の通気路を説明するための断面図である。 同上の通気部材が設置された外壁構造の断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
実施形態1の通気部材4は、通気見切材であり、住宅家屋の外壁の上端部に取り付けられる。本実施形態の通気部材4は、平入側の外壁及び妻側の外壁のいずれの上端部においても取り付けられるが、以下においては、主に平入側の外壁について説明する。
本実施形態の住宅家屋は、図1に示すように、外壁と、屋根と、小屋裏3とを備えている。小屋裏3は、屋根の下方の空間であり、例えば、天井板87と野地板86との間の空間により構成される。なお、図中、符号81は桁(または母屋),符号82は垂木,符号83は鼻隠し下地,符号84は鼻隠しを示す。
外壁は、住宅家屋において、居住空間と屋外空間とを仕切る壁である。本実施形態の外壁は、壁下地1と、壁下地1の屋外側に配置された外壁材2と、外壁材2と壁下地1との間に形成された通気層21とを備えている。
壁下地1は、外壁材2の下地となる躯体である。壁下地1は、複数の柱(または、小屋束)11と、複数の柱11間にわたって設置された透湿防水シート12とを備えている。透湿防水シート12の屋外側には、複数の縦胴縁13が取り付けられている。複数の縦胴縁13は、水平方向に一定の間隔をおいて配置されている。
外壁材2は、複数の縦胴縁13に取り付けられている。外壁材2は、パネル状の外壁材2であり、例えば、窯業系サイディング材や、金属サイディング材などにより構成される。本実施形態の外壁材2は、横張り用の外壁材であるが、縦張り用の外壁材により構成されてもよい。なお、外壁材2を縦張りする場合には、例えば、横胴縁により壁下地1に取り付けられる。
外壁材2と壁下地1との間には、通気層21が形成されている。通気層21には、外壁の下方から空気が流入し、流入した空気が通気層21を上昇し、その後、通気部材4を介して、屋外空間又は小屋裏3に流出する。この通気層21内を移動する空気により、通気層21が換気され、外壁材2の裏面や壁下地1の表面(透湿防水シート12の表面)に生じる結露が抑制される。また、外壁材2と壁下地1との間に空気層21が設けられていることで、断熱効果を得ることができる。
また、外壁材2を縦張りする場合、横胴縁により壁下地1と外壁材2との間に隙間が形成され、これにより通気層21が形成される。横胴縁は、水平方向に延びているが、水平方向に隣り合う横胴縁との間に通気用の隙間が形成される。また、通気層21は、外壁材2を壁下地1に取り付ける取付金具によって形成されてもよい。
なお、外壁の下方から空気が流入する構造については、周知のスタータ金具を用いて実現されている。このため、説明を省略する。
通気部材4は、通気層21と小屋裏3と屋外空間とで通気を行うための部材である。通気部材4は、水平に延びており、外壁材2の上端の全長にわたって取り付けられる。通気部材4は、図2に示すように、屋外側開口41,通気層側開口42および小屋裏側開口513を有する本体部5と、本体部5を外壁に固定する取付部6とを備えている。本体部5と取付部6とは板金加工により一体に成形されている。
本体部5は、通気部材4の主体を構成する部分である。本体部5の内部には、屋外側開口41,通気層側開口42および小屋裏側開口513に相互に連通する通気路を有している。本体部5は、天板部51と、屋外側縦片部52と、底板部53と、一対の側面部54,55と、屋外側横片部56と、屋内側横片部57と、縦板部58と、縦片部59とを備えている。
天板部51は、本体部5の上面を構成する部分であり、本実施形態の天板部51は、小屋裏側開口513と天板510とを備えている。天板部51は、水平面に沿って延びており、天板510と小屋裏側開口513とが同一平面上に位置している。
屋外側縦片部52は、天板510の屋外側の端部から下方に延出している。屋外側縦片部52は、鉛直面に沿って形成されている。屋外側縦片部52の上下方向の中間部分には、屋内側に向かって延出する屋外側横片部56が形成されている。
屋外側横片部56は、天板510の下方に隙間を介して位置している。屋外側横片部56の屋内側の端部には、下方に延出する側面部54(以下、屋外側側面部54という)が形成されている。屋外側開口41は、屋外側横片部56と屋外側側面部54とに跨って形成されており、通気部材4の長手方向に一定のピッチで複数並設されている。屋外側側面部54の下端部には、屋内側に向かって延出する底板部53が形成されている。
底板部53は、本体部5の底面を構成する部分であり、天板部51の下方に対向して配置されている。底板部53は、屋外側側面部54に略直交しているが、詳しくは、屋外側側面部54に向かってやや下り傾斜している。屋外側側面部54と底板部53とのコーナー部分には、水抜き孔60が形成されており、水抜き孔60を介して底板部53に付着した雨水を排出できる。底板部53の屋内側の端部には、上方に延出する側面部55(以下、屋内側側面部55という)が形成されている。
屋内側側面部55は、通気部材4の屋内側の面の大部分を構成する部分である。屋内側側面部55は、鉛直面に沿って延びており、通気部材4が設置されると、縦胴縁13に当たって接する。屋内側側面部55の上端には、屋内側に向かって延出する屋内側横片部57が形成されている。
屋内側横片部57は、天板510の下方に隙間を介して位置しており、水平面に沿って延びている。屋内側横片部57には、複数の通気層側開口42が形成されている。通気層側開口42は、通気部材4の長手方向に沿って一定のピッチで複数形成されている。通気層側開口42は、天板510の屋内側の端部よりも屋内側に位置している。屋内側横片部57の屋内側の端部には、上方に延出する縦板部58が形成されている。
縦板部58は、鉛直面に沿って形成されており、屋内側横片部57に直交している。縦板部58は、通気層側開口42に近接して配置されている。縦板部58の上端部は、屋外側に下方へ折り返されており、いわゆるヘミング曲げがなされている。縦板部58は、通気部材4が設置されると、図1に示すように、屋外側の面(以下、気流受け面581)が通気層21の厚み方向の中程に位置するように構成されている。これにより、万が一、屋外側開口41から雨水が吹き込み、気流受け面581に雨水が付着しても、縦板部58から落下する雨水が、壁下地1及び外壁の裏面に付着しにくくできる。
縦板部58の上端部は、図2に示すように、天板510の屋内側の端部との間で小屋裏側開口513を形成する。小屋裏側開口513は小屋裏3に向かって開口する。小屋裏側開口513は、主に、屋外側開口41との間で通気を行うが、通気層側開口42との間でも通気可能である。小屋裏側開口513は、通気部材4の長手方向の全長にわたって連続して形成されている。
また、天板部51において、屋内外方向の中間部分には、下方に延出する縦片部59が形成されている。縦片部59は、本体部5の内部を仕切って、本体部5の内部に通気路を形成する。縦片部59は、鉛直面に沿って延びて板状に形成されており、縦片部59の下端は、底板部53との間に隙間を介して位置している。また、縦片部59は、屋内側側面部55の屋外側に隙間を介して配置されており、具体的には、屋内側側面部55に対して平行に延びている。
このような構成の本体部5の内部には通気路が形成されている。通気路は、上述したように、屋外側開口41,通気層側開口42および小屋裏側開口513を相互に連通する。通気路は、図3に示すように、屋外側縦通気路91と、開口部92と、屋内側縦通気路93(単に、縦通気路93という)と、横通気路94とが、この順番で連続的に形成されている。
屋外側縦通気路91は、天板510と屋外側横片部56の間,縦片部59と屋外側側面部54の間が連続することで形成されて、少なくとも一部が上下方向に延びた通路である。屋外側縦通気路91の下端には開口部92が繋がっている。
開口部92は、縦片部59の下端と底板部53の間で形成されており、屋内外方向に開口している。開口部92の開口縁のうちの下側の縁は、底板部53の上面に含まれる。開口部92は、小屋裏側開口513よりも下側で且つ屋外側に位置している。開口部92は、通気路の途中に設けられており、屋外側縦通気路91と縦通気路93とを連通させる。この開口部92から上方に縦通気路93が延びている。
縦通気路93は、屋内側側面部55と縦片部59の間で形成されている。縦通気路93は、開口部92から上方に空気を通す通路である。縦通気路93は、本実施形態では、上下方向に延びており、屋外側縦通気路91の上下方向に延びた部分と平行に形成されている。縦通気路93の上端には、水平に延びる横通気路94が形成されている。
横通気路94は、天板510と屋内側横片部57と縦板部58とで囲まれており、小屋裏側開口513および通気層側開口42に繋がっている。横通気路94の流路断面積は、縦通気路93の流路断面積よりも大きくなるように形成されている。また、横通気路94の流路断面積は、小屋裏側開口513の開口面積と同一に形成されている。なお、横通気路94の底面部は、屋内側横片部57により構成されており、横通気路94の上面部は天板510の屋内側の一部により構成されている。
ところで、この通気部材4は、設置された状態において、屋外空間と小屋裏3との間で通気可能に構成されるが、風雨が強い場合には、屋外側開口41から雨水が吹き込むことがある。このため、本実施形態の通気部材4は、通気路において、雨水が小屋裏側開口513にまで至りにくい構造が採用されている。
図3に示すように、天板510は、横板部511と、気流受け部512とを備えている。
横板部511は、天板510において縦片部59に対応する部分から、開口部92の上縁(縦片部59の下端)と、側面部の上端(縦通気路93と横通気路94との接続部分における下側のコーナー部95)とを通る仮想直線7に至るまで延びる部分である。横板部511は、開口部92を通る気流に含まれる水分、または、底板部53の上面に付着した水滴などが直線状に飛散した場合に、当該水滴を受けることができる部分である。これにより、横板部511は、気流を受けることができ、また、底板部53に付着した雨水が風に煽られて飛散し、縦片部59と屋内側側面部55との間を通過した場合に、雨水を受けることができる。
気流受け部512は、開口部92から入って小屋裏側開口513に向かう気流を受けると共に飛散した雨水を受ける部分である。気流受け部512は横通気路94に設けられている。気流受け部512は、仮想直線7と天板510との交点から屋内側に延出しており、すなわち、気流受け部512は、横板部511の屋内側の端部から屋内側に延びる延出部位で構成されている。気流受け部512は、その先端が小屋裏側開口513の開口縁を構成し、つまり、小屋裏側開口513は仮想直線7よりも屋内側に配置されている。気流受け部512は、開口部92を通る気流に含まれる水分、または、底板部53の上面に付着した水滴などが直線状に飛散して、横板部511に付着する前に、当該水滴が、横通気路94を通る気流によって移動した場合に、水滴を受けることができる部分である。本実施形態の通気部材4は、横板部511に加えて気流受け部512が設けられていることで、より効果的に、気流を受けることができる上に、飛散した雨水を受けることができる。なお、気流受け部512と横板部511との境界は、外観上現れず、一体に形成されている。
風雨が屋外側開口41から吹き込むと、雨水が、縦片部59の屋外側の面に付着し、底板部53に落下する。この状態で、更に屋外側開口41から風が吹き込むと、底板部53に付着した雨水は煽られて飛散する場合がある。このとき、飛散した雨水は、屋内側側面部55と縦片部59とに付着すると共に、一部が屋内側側面部55と縦片部59との間を通過する。
これに対し、本実施形態の通気部材4は、天板510において縦片部59に対応する部分から、仮想直線7と天板部51とが交わる部分まで延びる横板部511を有しているため、屋外側側面部54と縦片部59とを通過した雨水を効果的に受けることができる。特に、横板部511は、仮想直線7と天板部51とが交わる部分にまで延びているため、雨水が直線状に飛散する限りは、必ず受けることができる。
一方、雨水が放物線状に飛散する場合、雨水が横板部511よりも屋内側に至る場合もある。これに対して、本実施形態の通気部材4は、横板部511の屋内側の端部から屋内側に延出する気流受け部512を有しているため、当該雨水についても受けることができる。この結果、雨水がダイレクトに小屋裏側開口513を通過するのを抑制でき、小屋裏側開口513を通過して雨水が小屋裏3に浸入するのを抑制することができる。
このような構成の本体部5には、取付部6が設けられている。取付部6は、屋内側側面部55の下端部から下方に延出している。取付部6は、図1に示すように、縦胴縁13を介して壁下地1にねじ留めされて固定される。
なお、取付部6が壁下地1に固定された状態において、底板部53の下方において外壁材2が壁下地1に取り付けられる。この後、外壁材2と底板部53との間にシーリング85が配設される。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。なお、実施形態2は、実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
実施形態2の通気部材4も、実施形態1と同様、通気見切材であり、住宅家屋の外壁の上端部に取り付けられる。本実施形態に係る通気部材4は、図4に示すように、縦片部59及び屋内側側面部55の態様と、断熱材74及び断熱材保持部70を有する態様とが、実施形態1と異なり、その他の部分は同じ構造である。
本実施形態に係る縦片部59は、鉛直面に沿って延びて板状に形成された垂直片590と、垂直片590の下端から屋内側斜め上方に突出した突出片591とを備えている。縦片部59の下端は、実施形態1と同様、底板部53との間に隙間を介して位置している。
本実施形態に係る開口部92は、突出片591の先端と、底板部53の上面の一部とで囲まれる鉛直面からなる開口である。開口部92は、屋内外方向に開口しており、小屋裏側開口513よりも下側で且つ屋外側に位置している。
屋内側側面部55は、鉛直面に沿って延びており、通気部材4が設置されると、縦胴縁13に当たって接する。屋内側側面部55は、屋内側横片部57の屋内外方向の中間に対応する部分から下方に延びている。なお、本実施形態に係る屋内側側面部55は、屋内側横片部57が、屋外側の端部から屋内側に折り返されており、その折り返された先端に繋がっている。
ここで、図5には、通気路における各部分の区画を示す。縦通気路93は、開口部92から鉛直方向に延びる第1の縦路930と、横通気路94につながる第2の縦路932と、第1の縦路930と第2の縦路932とを接続する接続路931とで構成される。つまり、本実施形態に係る縦通気路93は、途中で曲がっているものの、全体としては開口部92から上方に延びている。
仮想直線7は、図4に示すように、開口部92の上縁(突出片591の先端)と、縦通気路93と横通気路94との接続部分における下側のコーナー部95とを通る。気流受け部512は、実施形態1と同様、天板510のうち、仮想直線7よりも屋内側に位置する部分である。
また、本実施形態に係る通気部材4は、断熱材保持部70と断熱材74とを有している。
断熱材保持部70は、縦板部58に対し、屋外側に断熱材74が位置した状態で、断熱材74を保持する。断熱材保持部70は、縦板部58の上端から下方に延びる保持用縦板71と、保持用縦板71の下端から屋内方向に突出する下受部72と、下受部72の屋内側の端部から上方に突出した立上部73とを備えている。立上部73は、壁下地1に対向する。立上部73の上端は、断熱材74の上下方向の中間部分に位置しており、これにより、断熱材74の屋内側の面のうちの少なくとも一部(本実施形態では上半部)が、断熱材保持部70で覆われないように構成される。
断熱材74は、図6に示すように、縦板部58と壁下地1との間に位置して、縦板部58から壁下地1に伝導する熱を断熱する。断熱材74は、例えば、スラグ石膏板,ウレタンフォームやフェノールフォーム等の樹脂発泡体、ブチルゴム系膨張材、エポキシ樹脂系膨張材等により構成される。本実施形態では、断熱材74は、石膏ボードである。
実施形態2に係る通気部材4は、実施形態1と同様、屋外側開口41から通気路内に風雨が吹き込んだ際に、底板部53に付着した雨水が風により飛散しても、気流受け部512によって、飛散した雨水を効果的に受けることができる。この結果、雨水を含む気流がダイレクトに小屋裏側開口513を通過するのを抑制でき、小屋裏側開口513を通過して雨水が小屋裏3に浸水するのを抑制することができる。
また、実施形態2に係る通気部材4は、縦板部58の屋内側に断熱材74が配置されるため、万が一、通気路に熱風が通り、縦板部58の温度が上がっても、その熱が壁下地1に伝導するのを抑えることができる。
〔効果〕
以上説明したように、実施形態1,2の通気部材4は、屋外空間に開口する屋外側開口41と、小屋裏3に開口する小屋裏側開口513とを通じさせる通気路を有する通気部材4である。通気路は、小屋裏側開口513よりも下側且つ屋外側に位置して屋内外方向に開口する開口部92と、該開口部92から上方に延びる縦通気路93と、該縦通気路93の上端から屋内側に水平に延びてその上方に位置する小屋裏側開口513に繋がる横通気路94とを有している。横通気路94には、開口部92から入って小屋裏側開口513に向かう気流を受ける気流受け部512が設けられている。
この構成によれば、屋外側開口41から通気路内に風雨が吹き込んだ際に、気流受け部512によって気流を受けることができると共に、そのとき、底板部53に付着した雨水が風により飛散しても、気流受け部512によって、飛散した雨水を受けることができる。この結果、雨水を含む気流がダイレクトに小屋裏側開口513を通過するのを抑制でき、小屋裏側開口513を通過して雨水が小屋裏3に浸水するのを抑制することができる。
また、実施形態1,2の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、横通気路94の上面部は、屋内外方向と直交する水平な方向から見て、縦通気路93と横通気路94との接続部分における下側のコーナー部95及び開口部92の上縁を結ぶ仮想直線7と、横通気路94の上面部と、の交点よりも屋内側に延びる延出部位を有している。気流受け部512は、この延出部位で構成されている。
この構成によれば、より広い範囲で気流を受けることができると共に、雨水の飛散を受けることができるため、雨水を含む気流がダイレクトに小屋裏側開口513を通過するのを一層抑制できる。
また、実施形態1の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、横通気路94の断面積は、小屋裏側開口513の開口面積と同一となるように構成されている。
この構成によれば、横通気路94の断面積を拡大することで、横通気路94内での気圧を下げることができるため、横通気路94の露点が下がり、横通気路94内の空気を凝縮させることができる。この結果、気流に含まれる水蒸気の量を減らすことができ、小屋裏側開口513から比較的乾燥した気流を流入させることができる。
また、実施形態1の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、前記横通気路94は、外壁材2と壁下地1との間に形成された通気層21に開口する通気層側開口42を有している。
この構成によれば、屋外空間と通気層21と小屋裏3とで通気を行うことができる。
また、実施形態1の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、通気層側開口42は、小屋裏側開口513の下方に位置する。
この構成によれば、横通気路94に入ったものの、気流受け部512により受けられた水を、通気層側開口42を介して通気層21に排出できる。
また、実施形態1の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、横通気路94の通気層21側に配置され、下端部が通気層21の厚み方向中程に位置する気流受け面581を備える。
この構成によれば、気流受け面581に付着した雨水を、通気層21を通して排水できる。このとき、気流受け面581は、通気層21の厚み方向中程に位置するため、気流受け面581から落下する水を、外壁材2と壁下地1との間に流すことができる。このため、落下する水を、外壁材2又は壁下地1に付着するのを抑制できる。
また、実施形態1,2の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、通気層側開口42は、横通気路94の底面部に形成される。気流受け面581は、横通気路94の底面部から上方に延びて、上端部が屋外側に折り返されている縦板部58によって構成されている。
この構成によれば、縦板部58の上端部が屋外側に折り返されているため、水が小屋裏側開口513に入るのを防ぐことができる。
また、実施形態2の通気部材4は、次の付加的な構成を備える。すなわち、本実施形態の通気部材4において、横通気路94は、縦通気路93側とは反対側の端部を形成する縦板部58を有する。通気部材4は、縦板部58に対して屋内側に断熱材74を保持する断熱材保持部70を有する。
この構成によれば、万が一、通気路に熱風が通り、縦板部58の温度が上がっても、その熱が壁下地1に伝導するのを抑えることができる。
〔応用〕
上記実施形態の通気部材4は、小屋裏3と屋外空間とを通気するものであるため、小屋裏3との通気が必要な妻側の外壁の上端部にも好適に使用できる。一方、上記実施形態の通気部材4は、例えば、通気構造を有しない外壁の構造にも用いることができる。すなわち、上記実施形態の通気部材4は、小屋裏側開口513から水が通過するのを防ぐことができるため、例えば、破風下地等が小屋裏側開口513を塞ぐように通気部材4が取り付けられても、破風下地等が雨水で濡れるのを防ぐことができる。この結果、上記実施形態の通気部材4であれば、小屋裏3と屋外空間との通気を要する場所に限らず、小屋裏3と屋外空間との通気を要しない場所にも設置でき、1種類の通気部材4で各場所に対応できるため、在庫管理が容易となる。
上記実施形態の小屋裏側開口は、仮想直線7よりも屋内側に位置していたが、仮想直線7上に小屋裏側開口の縁部が位置していてもよい。つまり、気流受け部512は必須な構成ではない。
上記実施形態の小屋裏3の下方には、天井板87が設けられていたが、上記実施形態の通気部材4は、小屋裏の下方に天井板87が設けられていない、いわゆる化粧屋根裏天井を有する住宅家屋にも適用できる。つまり、本発明において「小屋裏」とは、天井板87により居室と仕切られた空間に加え、天井板87により区画されていない屋根裏も含むものとする。
その他、上記実施形態の構成は、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宜設計変更を行うことができる。
21 通気層
3 小屋裏
4 通気部材
41 屋外側開口
42 通気層側開口
512 気流受け部
513 小屋裏側開口
58 縦板部
581 気流受け面
7 仮想直線
70 断熱材保持部
74 断熱材
92 開口部
93 縦通気路
94 横通気路
95 コーナー部

Claims (7)

  1. 屋外空間に開口する屋外側開口と、小屋裏に開口する小屋裏側開口とを通じさせる通気路を有する通気部材であって、
    前記通気路は、前記小屋裏側開口よりも下側且つ屋外側に位置して屋内外方向に開口する開口部と、該開口部から上方に延びる縦通気路と、該縦通気路の上端から屋内側に水平に延びてその上方に位置する前記小屋裏側開口に繋がる横通気路と、を有し、
    前記横通気路には、前記開口部から入って前記小屋裏側開口に向かう気流を受ける気流受け部が設けられている
    ことを特徴とする通気部材。
  2. 前記横通気路の上面部は、屋内外方向と直交する水平な方向から見て、前記縦通気路と前記横通気路との接続部分における下側のコーナー部及び前記開口部の上縁を結ぶ仮想直線と、前記上面部と、の交点よりも屋内側に延びる延出部位を有しており、
    前記気流受け部は、前記延出部位で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の通気部材。
  3. 前記横通気路は、外壁材と壁下地との間に形成された通気層に開口する通気層側開口を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通気部材。
  4. 前記通気層側開口は、前記小屋裏側開口の下方に位置する
    ことを特徴とする請求項3に記載の通気部材。
  5. 前記横通気路の前記通気層側に配置され、下端部が前記通気層の厚み方向中程に位置する気流受け面を備える
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の通気部材。
  6. 前記通気層側開口は、前記横通気路の底面部に形成され、
    前記気流受け面は、前記横通気路の底面部から上方に延びて、上端部が屋外側に折り返されている縦板部によって構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の通気部材。
  7. 前記横通気路は、前記縦通気路側とは反対側の端部を形成する縦板部を有し、
    前記縦板部に対して屋内側に断熱材を保持する断熱材保持部を有している
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の通気部材。
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