JP5089925B2 - 換気瓦及び該換気瓦を用いた換気構造 - Google Patents

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Description

本発明は換気瓦及び該換気瓦を用いた換気構造に関し、更に詳しくは、簡単な構造で、漏水を防止するとともに、瓦下の空気を換気し温度上昇を防ぐことができ、棟換気装置の適用できない屋根にも簡単に適用できる換気瓦及び該換気瓦を用いた換気構造に関するものである。
従来、この種の瓦下換気装置としては、瓦を流れ方向に対し略垂直に隆起させ、その隆起側面に換気孔を設けたり、ベンチレーターを設けたものが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、野地板の軒側上面に、軒側の面から棟側の面への貫通孔を隣接状態で複数有する通気軒部材を渡し、軒の瓦を、下部下側に通気軒部材を有する状態で固定し、軒の瓦から軒の瓦までを、軒から棟にわたり野地板から離れた空間部分を有する状態で固定し、棟の瓦の上面に、軒側の面から棟側の面への貫通孔を隣接状態で複数有する通気棟部材を渡し、通気棟部材の上側に、冠瓦を載せることを特徴とする瓦施工方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
宮野秋彦著、「屋根の物理学」2000年11月26日 株式会社日本屋根経済新聞社発行 97頁、41頁 特開2005−188254号公報
しかしながら、前者の隆起側面に換気孔を設けたり、ベンチレーターを設ける換気装置は、台風等の少ないヨーロッパ等では特に問題がないものの、日本のように台風が多く横からの雨風の強い地域では、隆起側面に設けた換気孔から雨風が吹き込み、漏水するという問題がある。
一方、後者の通気軒部材は多数の通気孔を有し、軒瓦と野地板との間に配されるため、前者の隆起側面に換気孔を設けたのと略同様の状態となり、横からの雨風が吹き込み漏水するという問題を内包している。
また、軒側の通気軒部材と棟側の通気棟部材との間で通気させるため、通気路が非常に長く、従って、通気抵抗が大きくなるため、換気効率が十分とは云い難い。更に、構造が複雑であるため高コストとなり、また施工方法も煩雑とならざるを得ない。更にまた、この種の棟換気装置は、方形屋根、片流れ屋根、下屋部分等、屋根の形状や部位によっては取り付けられない場合がある。
本発明は、かかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解決し、簡単な構造で、瓦下に雨水が入り込むのを防止し、しかも瓦下を効率的に換気することができ、棟換気装置が取り付けられない屋根にも容易に適用できる換気瓦及びこれを用いた換気構造を提供するものである。
上記課題を解決するための請求項1に係る本発明は、瓦に換気孔が穿設されるとともに、該換気孔の下方に、空気入り口、通気路及び排水口を有する受け部材が吊設されていることを特徴とする換気瓦を内容とする。
請求項2に係る発明は、換気孔が横長であり、瓦本体の前方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気瓦を内容とする。
請求項3に係る発明は、瓦の前端部下側に排水孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の換気瓦を内容とする。
請求項4に係る発明は、換気孔の後端部側が瓦の下面に対して90度より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の換気瓦を内容とする。
請求項5に係る発明は、受け部材が平板部と、該平板部の両側から立設された側壁部とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の換気瓦を内容とする。
請求項6に係る発明は、平板部の後端部側に側壁部よりも低い水返し部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の換気瓦を内容とする。
請求項7に係る発明は、受け部材の平板部の外面にシール材が貼着されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の換気瓦を内容とする。
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の換気瓦が葺設されてなり、上部換気瓦の受け部材が下部瓦の後端部付近に接触していることを特徴とする換気構造を内容とする。
本発明の換気瓦は、瓦に換気孔が穿設されるとともに、該換気孔の下方に、空気入り口、通気路及び排水口を有する受け部材が吊設されているため、瓦−野地板間(以下、瓦下と記す)の空間部の空気はこの換気孔から排出される。また、瓦下の空気の温度が上昇した場合は、この換気孔から排熱され、瓦下や小屋裏の温度上昇が抑制されるので、室内の居住性が向上するばかりでなく、冷房等に要するエネルギーを節約することができる。
また、本発明の換気瓦によれば、換気や排熱は直近の瓦の換気孔からなされるので、従来のように、軒と棟との間の長い通気路で行われる排熱方式に比べて非常に短く、従って、その換気効率は極めて高いという特徴を有する。
更に、棟換気装置が適用できない屋根や部位にも容易に適用することができる。
請求項2に係る発明の換気瓦は、横長の換気孔が換気瓦の前方に設けられているため、換気孔と受け部材の後端部との距離が相対的に長くなり、雨水が換気孔から受け部材内に侵入したとしても後端部から瓦下に侵入することが防止され、雨水は前端部側に流下し排水口から下部の換気瓦上に落下し上下換気瓦の隙間から排出される。
請求項3に係る発明の換気瓦は瓦の前端部下側に排水孔が設けられているため、上記の如く、下部の換気瓦上に落下した雨水がこの排水孔を通じて速やかに排出される。従って、下部の瓦上に落下した水が溜まり、これが逆流して瓦下に流れ込むようなトラブルが防止される。
請求項4に係る発明の換気瓦は、換気孔の少なくとも後端部側が瓦の下面に対して90度より小さくされており、横からの雨風を受けても雨風は瓦の表面に沿って誘導され、その結果、換気孔内に入り込み難くなる。
請求項5に係る発明の換気瓦は、受け部材が平板部とその両側から立設された側壁部とからなるので、換気孔から侵入した雨水は受け部材内に受け止められるとともに、受け止られた雨水は平板部上を前端部側に流下し、排水口から排出される。
請求項6に係る発明の換気瓦は、受け部材の平板部の後端部側に、側壁部よりも低い水返し部が設けられているため、侵入した雨水が万一平板部の後端部側に逆流したとしても該水返し部により堰止められ反対側の前端部側に流下し、排水口から排出される。
請求項7に係る発明の換気瓦は、受け部材の平板部の外面にシール材が貼着されているので、上部換気瓦の受け部材を下部瓦の前端部付近に気密的に接触させることができ、その結果、上部換気瓦の受け部材と下部瓦との隙間から雨水が瓦下に侵入するといったトラブルが一層確実に防止される。
請求項8に係る発明の換気構造は、上部換気瓦の受け部材が下部瓦の前端部付近に接触している換気構造であり、上記したように、上部換気瓦の換気孔から受け部材に侵入した雨水は平板部上を前端部の排水口に向かって流下し、該排水口より下部瓦の後端部付近に落下し、上下瓦の隙間から排出される。一方、瓦下の空気は、受け部材の後端部の開口部(空気入り口)から、瓦の裏面と受け部材とにより形成される通気路に入り、該通気路を通って換気孔より外部へ排出される。
本発明の換気瓦は、瓦に換気孔が穿設されるとともに、該換気孔の下方に、通気路及び排水口を有する受け部材が吊設されていることを特徴とする。
尚、以下の記載において、換気瓦を葺設した場合、屋根の流れ方向(即ち、下方)を前端部と記載し、反対の方向(即ち、上方)を後端部と記載する。
本発明の換気瓦に用いられる瓦の種類は特に制限されず、例えば、平板瓦、和瓦、波形瓦、S形瓦等の屋根材が挙げられ、また素材も特に制限されず、例えば、粘土瓦、陶器瓦、プレスセメント瓦、コンクリート瓦、金属製瓦等が挙げられる。
本発明の換気瓦は、上記瓦に換気孔が穿設される。換気孔は瓦の表面から裏面に貫通する孔であり、その形状は特に制限されず、例えば、縦、横、斜の長孔、円形、楕円形、矩形、多角形等の孔が挙げられる。限られた面積内で換気孔の面積を大きくできる点で長孔からなる換気孔が望ましく、特に横長の換気孔が好ましい。これらの換気孔は所望の換気能力に応じて1個又は複数個設けられる。
換気孔のサイズは、昆虫やコウモリ等の侵入を防ぐとともに、雨水が侵入しにくいという点からは長孔の幅、円形の直径、矩形の1辺はそれぞれ10mm程度以下が好ましい。一方、余り小さくなると換気能力が低下するので、下限は3mm程度が適当である。また、換気孔幅(直径、1辺)Wと深さ(瓦の厚み)Dの比(D/W)を1対1以上とするか、又は、通常、風雨の直撃を受ける換気孔の後端部側と瓦の下面との角度αを90度より小さくすると、通常、最大の屋根勾配である約45度(約10.0寸)に葺設しても雨風が入りにくくなるので好ましい。好ましくは、角度αは60度以下である。また、角度αは余り小さくなると、換気孔の後端部側のみを傾斜させる場合は、換気孔の開口部が大きくなるので、下限は30度程度が適当である。
換気孔の位置は瓦の前方に設けるのが好ましく、より好ましくは、瓦の中央よりも前方寄りに設けられる。更に好ましくは、瓦の前端部から40%程度上方までであって、且つ、中央部寄りの約80%の範囲内に設けられる。
これにより、換気孔と受け部材の後端部の空気入り口との距離が相対的に長くなり、雨水が換気孔から受け部材内に侵入した場合、後端部の空気入り口から瓦下に入り込むことが防止され、雨水は前端部側に流下して排水口から下部の瓦上に落下し、上下瓦の隙間から排出される。
本発明の換気瓦は、換気孔の下方に、空気入り口、通気路及び排水口を有する受け部材が吊設される。
本発明における受け部材は、換気瓦の換気孔から侵入してきた雨水を受け止め、後端部の空気入り口から瓦下内に漏出させることなく前端部側に流下させ、排水口より下部瓦上に排出するとともに、換気瓦の裏面との間に通気路を形成し、瓦下の空気を後端部の空気入り口より通気路に導き、該通気路内を通過させ換気孔より外部へ排出させる役割を果たすものである。
このような受け部材の好ましい例としては、例えば、平板部とその両側から立設された側壁部とからなる断面が凹状のものが挙げられる。受け部材は、両側壁部が換気孔を覆うように設けられ、換気瓦の裏面と凹状の受け部材とで通気路が形成され、前端部の開口部は排水口となり、後端部の開口部は瓦下の空気の入り口となる。尚、前端部の開口部は通常は排水口として機能するが、同時に瓦下の空気の入り口としても機能する。この場合、受け部材内に侵入した雨水が平板部の後端部、即ち、空気入り口より瓦下に漏出する場合は、漏出しない程度にまで長さを大きくすることにより防ぐことができる。
従って、受け部材のサイズは特に制限されないが、平板部の幅は換気孔を覆うように大き目に設計され、また長さは換気孔より侵入した雨水が平板部上に止まる長さに設計される。例えば、平板部の幅は換気孔の端部よりも10〜30mm程度大きく、また長さ(奥行き)は雨風の強さ、上記した換気孔の形状等を勘案して決定されるが、通常、換気孔の後端部よりも50mm程度以上大きく設計される。側壁部の高さは、余り小さいと空気の入り口及び通気路、更には排出口が小さくなり、換気性能や排水性能に影響を与え、一方、余り大きくすると、換気瓦を葺設する際に、下部瓦との配置関係に支障を来すので、通常、5〜30mm程度が適当で、好ましくは10〜20mm程度である。
上記した平板部の長さを大きくして後端部の空気入り口からの雨水の漏出を防止する代わりに、受け部材の平板部の後端部側に側壁部の高さよりも低い水返し部を設けることにより、漏出を防ぐこともできる。水返し部を側壁部の高さよりも低くするのは、側壁部と同じ高さとすれば瓦下の空気の入り口が塞がれ、前端部の入り口(同時に排水口)のみとなり瓦下の空気の排出能力に影響する場合があるからである。従って、換気瓦の裏面と水返し部との間の空間部が空気入り口とされる。水返し部の高さは、通常、5〜10mm程度でよい。
受け部材は、換気孔の下に吊設される。吊設の方法は特に制限されず、接着やビス等により瓦の裏面に取り付けられる。必要に応じ、側壁部の両側に固定部を設けてもよい。ビスで取り付ける場合、換気瓦の裏面と固定部との間にシール材を介装してもよい。シール材としては、EPDMシーラー、軟質ウレタンフオーム、ポリエチレンフオーム、ブチルゴムシート等が例示される。
受け部材は、平板部の外面にシール材を貼着することができる。このように、シール材を貼着した受け部材は、葺設の際に、下部瓦と気密的に接触させることができるので、雨水の漏水を一層確実に防止することができる。シール材としては、上記したものが好適に用いられる。
受け部材の材質は特に限定されず、雨水に侵食されない素材であれば特に制限されないが、造形性(成形性)、耐久性の面からプラスチック製、金属製のものが好ましい。
本発明に用いられるプラスチックとしては特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチロール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が挙げられる。また本発明に用いられる金属としては特に制限されないが、鉄、銅、アルミ、ステンレス等が挙げられる。
本発明の換気瓦は、換気孔より侵入した雨水を換気孔の下方に吊設した受け部材により受け止め、前端部の排水口より下部の瓦上に落下させ、上下瓦の隙間から外部に排出される。しかし、雨水の量が多い場合や、上下瓦の隙間がゴミ等で詰まったような場合にはうまく排出できず、瓦下に漏水する場合がある。従って、本発明の換気瓦の前端部下側に排水孔を設けるのが好ましい。排水孔のサイズは特に制限されず適宜決定すればよいが、通常、幅5〜30mm程度、高さ2〜4mm程度が適当である。排水孔は1個又は必要に応じ複数個設けられる。
以上の如き本発明の換気瓦は、上部換気瓦の受け部材が下部瓦の後端部付近に接触するように葺設される。瓦が後端部側に水返し部を有する場合は、下部瓦の水返し部に接触するように葺設するのが好ましい。平板部の外面にシール材が貼着されている受け部材の場合は、該シール材により下部瓦の後端部付近と接触し、瓦下への漏水防止効果は一層確実なものとなる。従って、シール材を貼着していない受け部材の場合は、葺設の際に、上部換気瓦の受け部材の平板部と下部瓦の後端部付近との間にシール材を介装するのが望ましい。このようなシール材としては、前記したシール材が好適に用いられる。
また、下部瓦は本発明の換気瓦、受け部材を備えていない通常の瓦のいずれであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
実施例1
図1〜図3は本発明の換気瓦の実施例を示すもので、図1は上面図、図2はX−X要部断面図、図3は正面図である。
これらの図に示す如く、本実施例の換気瓦1は、前端部1aと後端部1bとを備え、一方の側にはウオーターチャネル上側重合部1c、他方の側にはウオーターチャネル下側重合部1dを備え、後端部1b付近には水返し部1eを備えている。
換気瓦1の前端部寄りには、表側から裏側に貫通する横長の換気孔2が穿設され(図では2個)、前端部の下側には排水孔4が設けられている(図では2個)。
一方、換気孔2の下方には、受け部材3が吊設されている。受け部材3は平板部3aと該平板部3aの両側から立設された側壁部3bとからなる略凹状からなっている。本実施例では側壁部3bには略水平に外方向に延設された固定部3cを備え、この固定部3cが換気瓦1の裏面に接着されている。勿論、接着の代わりに、ビス等で固定することも可能で、また、必要に応じ、シール材を介装してビス等で固定することもできる。
上記の構成からなり換気瓦1は、受け部材3の前端部側開口部を排水口3dとし、後端部側開口部を空気入り口3eとし、換気瓦1の裏面と受け部材3とにより画成された空間部からなる通気路5を備えている。
かくして、図2に矢示する如く、瓦下からの空気は入り口3eから通気路5内に入り、換気瓦1の換気孔2から外部に排出される。尚、瓦下の空気の一部は排水口3dからも通気路5内に入り、同様に換気孔2から外部に排出される。
一方、換気孔2から侵入した雨水は、図1に破線で矢示する如く、受け部材3により受け止められ、平板部3a上を奥の方(後端部側)へ逆流した雨水は空気入り口3eの手前でUターンして前端部側に流下し、排水口3dより排出される。
実施例2
本実施例の換気瓦1は、図4、図5に示す如く、受け部材3が平板部3aと該平板部3aの両側から立設された側壁部3bとからなり、更に、該平板部3aの後端部側に水返し部3fが設けられている他は、実施例1と同様である。
水返し部3fは、両側壁部3bの高さよりも低い高さに設けられており、換気瓦1の裏面と水返し部3fとの間の空間部が入り口3eを構成している。
本実施例においては、図4に破線で矢示する如く、換気孔2から侵入した雨水は受け部材3により受け止められ、平板部3上を奥の方(後端部が側)へ逆流しようとする雨水は水返し部3fに堰止められ、ここで強制的にUターンさせられて前端部の方に流下し、排水口3dより排出される。瓦下の空気の流れ及び排出は、空気入り口3eが水返し部3fの分だけ小さくなっている他は実施例1の場合と同様である。
本実施例の換気瓦1は、受け部材3に雨水の逆流を強制的に堰止める水返し部3fを設けたので、実施例1の場合に比べて、平板部3aの長さを短くすることができ、受け部材3をコンパクトにできる特徴がある。
実施例3
本実施例の換気瓦1は、図6に示す如く、受け部材3の平板部3aの外面にシール材6を貼着した他は実施例1と同様である。
本実施例の換気瓦1は、後述するように、本発明の換気瓦を葺設する際に、下部の換気瓦と上記シール材6を介して気密的に接触させることができ、その結果、雨水の漏出を一層確実に防ぐことができる。
実施例4
本実施例の換気瓦1は、図7に示す如く、縦長の換気孔(図では3個)を穿設した他は実施例1と同様である。
実施例5
本実施例の換気瓦1は、図8に示す如く、円形の換気孔(図では15個)を穿設した他は実施例1と同様である。
実施例6
図9は、上記実施例1〜5において、換気孔2の形状の例を示し、更に、換気孔2の形状と雨風の侵入との関係を概念的に示したものである。
図では、屋根勾配を通常、最も勾配が大きく漏水し易いとされる約45度(約10.0寸)の急勾配で葺設とした場合を想定したものである。
a1は、換気孔2が長孔の場合の幅、円形の場合の直径と深さ(換気瓦の厚み)との比を1/1とし、換気孔2の換気瓦1の下面に対する角度αを約90度とした場合で、この換気瓦1を急勾配で葺設した場合は、a2示すように、雨水の一部が換気孔2内に入る場合があるが、大半は換気瓦1の表面に沿って誘導される。
b1は、換気孔2の換気瓦1の下面に対する角度αを約45度とした例で、この換気瓦1を急勾配で葺設した場合は、b2に示す如く、、雨水は換気瓦1の表面に沿って誘導され、実質的に換気孔2内に入り込まない。
c1は、換気孔2の後端部例のみの角度αを約45度とした例で、この換気瓦1を急勾配で葺設した場合は、c2に示す如く、雨水は換気瓦1の表面に沿って誘導され、実質的に換気孔2内に入り込まない。
上記は屋根勾配が急勾配の約45度(約10.0寸)という厳しい場合であり、通常はこれよりも緩やかな約24度(約4.5寸)程度であるから、雨水の換気孔からの侵入は実質的に防止される。
実施例7
図10は、本発明の実施例1で示した換気瓦を用いた換気構造の例を示す。
同図において、上部換気瓦1Aは、その受け部材3の下面、即ち、平板部3aの外面が下部換気瓦1Bの後端部付近、即ち、水返し部10と接触するように葺設されている。尚、図中、7は野地板、8はアスファルトルーフィング、ゴムアスルーフィング等の下葺き材、9は瓦桟、10は水返し部である。
かくして、瓦下の空気は、上部換気瓦1Aで矢示するように、受け部材3の後端部の空気入り口3eから換気瓦1Aの裏面と受け部材3とで形成される換気路5内に入り、換気瓦1Aの換気孔2より外部に排出される。
一方、雨水は下部換気瓦1Bで矢示するように、換気瓦1Bの換気孔2から受け部材3内に侵入し、平板部3a上を後端部の空気入り口3eの方に逆流しようとするが、途中でUターンして反対の排水口3d側に向かって流下し、該排出口3dより排出され、更に下方の下部換気瓦1B′の後端部付近(図では水返し部10)より前端部側に排出される。この排出された雨水は、下部換気瓦1Bの排水孔4より下部換気瓦1B′上に排出される。
尚、念のために説明すると、外部の空気は換気孔2より受け部材3の通気路5内に入り、更に空気入り口3eから瓦下に入り、温度の上昇した瓦下の空気を冷やし、更には、瓦下の空気を伴って換気孔2から外部に排出し換気が行われることは云うまでもない。
実施例8
本実施例の換気構造は、実施例3で示した、シール材を貼着した受け部材3を用いた他は実施例7の換気構造と同様である。
本実施例の換気構造は、上部換気瓦1Aがその受け部材3のシール材6を介して下部換気瓦1B(図では、水返し部10)に気密的に接触するため、瓦下への漏水は一層確実に防止される。
試験例
実施例7の換気構造を構築し、耐風雨漏水試験を実施した。
試験に用いた換気瓦及び換気構造の詳細は図12〜13に示すとおりである。また、換気孔の幅Wと深さ(瓦の厚み)Dとの比(D/W)は約1.0(9mm/9mm)、換気孔の換気瓦の下面に対する角度αは90度とした。
雨量は一定(150mm/min)とし、風速を20〜40m/sの範囲で変化させ、屋根勾配2.5寸〜10.0寸(14度〜45度)で葺設した場合の漏水(受け部材からの瓦下への漏水)の有無を観察した。結果を表1に示す。尚、表中、○は「漏水なし」、×は「漏水あり」を示す。
Figure 0005089925
上記表1の結果から、通常の屋根勾配である4.5寸(24度)では風速40mでも漏水はなく、また、急勾配の6.0寸(31度)でも風速35mまで耐え、更に、相当急勾配の8.0寸(39度)でも風速30mまで耐え、最も急勾配の10.0寸(45度)でも風速25mまで耐えることがわかる。
この耐風雨漏水性能は、換気孔の幅(9mm)を小さくしたり、換気孔の深さ(瓦の厚さ)(9mm)を大きくしたり、換気孔の角度α(90度)を小さくしたり、受け部材の長さ(180mm)を長くしたりすること等により、性能を上げることができ、10.0寸の急勾配でも風速40mまで耐えるようにすることも可能である。
以上の実施例、試験例は代表的な平板瓦について説明したが、和瓦、波形瓦、S字瓦等他の種類の瓦についても同様に適用できることは云うまでもない。波形瓦については、例えば、受け部材の固定部を波形瓦の波形と同様の形状とすることにより容易に適用することができる。S字瓦について同じである。
また、換気構造については、上部、下部とも本発明の換気瓦を用いた例を示したが、本発明の換気瓦と、受け部材を有しない通常の瓦とを組み合わせて用いてもよいことはいうまでもない。
叙上のとおり、本発明の換気瓦は極めて簡単な構造で、雨水の侵入を防止し、且つ換気性能に優れた換気構造を安価に提供することができ、台風が多く、高温多湿の我国において、快適な居住性を約束するものである。
また、本発明の換気瓦によれぱ、エアコンや除湿機等の稼動を減少させることができるので、これらに要するエネルギー消費量の節減が期待できる。
更に、本発明の換気瓦は棟換気装置の取り付けが困難又は不可能な方形屋根、片流れ屋根、下屋部分等にも適用でき、その有用性は頗る大である。
本発明の換気瓦の実施例を示す上面図である。 図1におけるX−X要部断面図である。 図1の正面図である。 本発明の換気瓦の他の実施例を示す上面図である。 図4におけるY−Y要部断面図である。 本発明の換気瓦の更に他の例を示す要部断面図である。 本発明の換気瓦の更に他の例を示す上面図である。 本発明の換気瓦の更に他の例を示す上面図である。 本発明の換気瓦の更に別の実施例(換気孔の形状)を示す要部断面図である。 本発明の換気瓦を用いた換気構造の実施例を示す断面図である。 本発明の換気瓦を用いた換気構造の他の実施例を示す断面図である。 試験例に用いた換気瓦の詳細を示す図である。 図12におけるX−X要部断面図である。
符号の説明
1 換気瓦
1A 上部換気瓦
1B、1B’下部換気瓦
2 換気孔
3 受け部材
3a 平板部
3b 側壁部
3c 固定部
3d 排水口
3e 空気入り口
3f 水返し部
4 排水孔
5 通気路
6 シール材
7 野地板
8 下葺き材
9 瓦桟
10 水返し部

Claims (8)

  1. 瓦に換気孔が穿設されるとともに、該換気孔の下方に、空気入り口、通気路及び排水口を有する受け部材が吊設されていることを特徴とする換気瓦。
  2. 換気孔が横長であり、瓦本体の前方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気瓦。
  3. 瓦の前端部下側に排水孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の換気瓦。
  4. 換気孔の少なくとも後端部側が瓦の下面に対して90度より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の換気瓦。
  5. 受け部材が平板部と、該平板部の両側から立設された側壁部とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の換気瓦。
  6. 平板部の後端部側に側壁部よりも低い水返し部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の換気瓦。
  7. 受け部材の平板部の外面にシール材が貼着されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の換気瓦。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の換気瓦が葺設されてなり、上部換気瓦の受け部材が下部瓦の後端部付近に接触していることを特徴とする換気構造。
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