JP4601579B2 - 外装構造の施工方法、及び外装構造 - Google Patents
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Description
また、吊子等の保持部材を用いて外装構造を構築する技術もよく知られているが、外装材を保持部材に保持させながら施工するため、施工性には優れているが、前記のビス止め等により固定する場合に比べて、外装材の取付強度は大きくなく、部材点数が多いという問題があった。
しかし、この構造では、外装材である外面板状材の取付強度は、非加硫ブチルゴム系の接着層の接着性能に依存しているため、施工後に経年劣化が生じた際には、外装材が浮き上がり意匠性を損ねたり、飛散する恐れがあった。また、非加硫ブチルゴム系の接着剤は、無機材料に比べて格段に耐候性が低いため、上記の経年劣化は容易に生じてしまう。さらに、この外装材を所定箇所に接着するには、貼り直しが実質的にできないため、極めて施工の手間がかかるものであった。
即ち本発明は、外装材の水上側の縁部又は縁部近傍を水流れ方向に直交するように固定する第一の工程、固定した部分から水下側へ延在する部分を、固定した部分を覆うように折り返すと共に水上側へ延在させて面板部として敷設する第二の工程、を繰り返して順次外装材を敷設することを特徴とする外装構造の施工方法となる。
さらに、本発明は、第一の工程にて固定する縁部又は縁部近傍と面板部との間に、予め溝状又は突条或いは段差を略直線状に形成していることを特徴とする前記の外装構造の施工方法を提案する。
さらに、水上側に隣接する外装材を重合させる水上側の縁部又は縁部近傍には、予め防水、接着の少なくとも1機能を有する部材が添設されている場合、上記の重合部分における防水性が向上する。
また、はぜ組をしないため、水上、水下方向、同じく左右方向の重ね代を任意の幅とすることができるので曲面屋根等に容易に対応することができる。例えば、一方の隅部分は併せて固定し、他方をずらして固定することで円弧状(すなわち曲面)に敷設することができる。
以下、平葺きの場合を想定して説明すると、本発明の施工方法は、外装材の縁部又は縁部近傍を水流れ方向に直交するように固定する第一の工程、固定した部分から水下側に延在する部分を固定した部分を覆うように折り返すと共に水上側へ延在させて面板部として敷設する第二の工程、を繰り返して順次外装材を敷設することを特徴とする。
第一の工程における固定は、確実且つ強固に固定できるものであれば、特にその手段を限定するものではなく、例えばビス止め等の固定具による固定を採用してもよい。
第二の工程における水下側に延在する部分を固定部分を覆うように折り返す場合、延在部分の表裏を逆に、即ち反転させて折り返すようにするものであり、水上側へ倒し込むように折り返すということもできる。
図示実施例に用いた外装材1は、一方の縁部(11)に対し、他方側へ延在する部分(12)を傾斜角度が約135度となるように折り曲げ加工している構成である。
まず、本発明の施工方法における第一の工程では、図1(a),(b)に示すように外装材1の一方の縁部(以下、固定部分11という)を水流れ方向に直交するように固定する。図示実施例ではビス2を用いて固定した。既に下地上に敷設された外装材1に対しては、固定部分11を、敷設された外装材1の水上側の縁部又は縁部近傍に重合させつつ第一の工程を行う。即ち固定部分11を敷設された外装材1の水上側の縁部又は縁部近傍に重合させた状態で一連にビス2で固定する。下地は、木造、鉄骨造、コンクリート造等、釘、ビス、アンカー等の固定具が取付可能な全ての建築躯体を用いることができ、この躯体上に断熱その他の必要に応じて敷設する木毛セメント板等のボード類を含み、その下地上にはアスファルト系等の公知の防水シート5が敷設されている。
次に、本発明の施工方法における第二の工程では、図1(c)に示すように固定部分11から水下側に延在する部分12を固定部分11を覆うように折り返して水上側へ延在させる。図中、黒塗り矢印で、水下側に延在する部分12が固定部分11を覆うように折り返す状況を示した。この部分が面板部12となる。
そして、上記の第一の工程と第二の工程とを順次繰り返し、平葺きの外装構造を施工することができる。
また、施工された外装構造は、固定部分11に対し、面板部12は覆うように折り返されて形成されているので、ビス止め等の固定部分11が面板部12の裏面側に位置するため、高い取付強度と高い雨仕舞い性とを併せ持つものとなる。特に図示実施例では、水上側、水下側の両縁部を重合した状態でビス2等の固定具で固定したので、外装材1の取付強度がより高いものとなる。
このような効果は、図示実施例に限らず、一方の縁部(11)と他方側へ延在する部分(12)を、予め傾斜角度が鈍角となるように折り曲げ加工した場合に得られ、固定時に干渉しない角度かつ、折り曲げ作業が簡易となる傾斜角度であれば良く、好ましくは100〜140度程度が作業性に優れる。また、後述する図9(a)〜(c)に示すように一方の縁部又は縁部近傍と面板部(12)との間に、予め溝状又は突条或いは段差を略直線状に形成している場合も同様に略直線状の折り曲げ部を得ることができる。
そして、この防水テープ3aは、前記第二の工程にて水下側に延在する部分12を折返して固定部分11を覆うように反転させた際に水上側の縁部の表面側に位置するため、次段の外装材1の敷設に際し、固定部分11を重合状に載置する部分となり、ビス止め(ビス2)する際の仮留め効果が得られ、さらにはビス止めした後には、この固定部分11はビス孔の止水作用と圧接による遮水作用が得られ、防水性を有するものとなる。
この実施例では、防水テープ3bは、前記図1の実施例における防水テープ3aと同様に、ビス止め(ビス2)する際には仮留め効果が得られ、さらにはビス止めした後には、この固定部分11はビス孔の止水作用と圧接による遮水作用が得られ、防水性を有するものとなる。
それ以外は、前記図1の実施例と全く同様であって、得られる外装構造もほぼ同様の効果を奏する。
この実施例では、第二の工程を行う前に、水返し用の起立片(13)を水下側へ倒し込んで水返し片13とすると共に固定部分11を覆うようにする。
それ以外は、前記図2の実施例と全く同様である。
また、水返し片13は、ビス2の頭部を覆っているため、面板部12の裏面にビス2の頭部が接触することがなく、面板部12を損傷したり、面板部12にビス2の頭部形状が現れる(跡が付く)ことがないという効果も果たす。
この実施例では、第二の工程を行う前に、水返し用の起立片(14)を水下側へ倒し込んで水返し片14とすると共に固定部分11を覆うようにする。
それ以外は、前記図1の実施例と全く同様である。
また、この実施例では、固定部分11の表裏に亘るように防水テープ3cが接着されているため、ビス止め時のビス孔に起因する水の浸入をより確実に防止することができ、雨仕舞い性がより向上する。
そして、第二の工程を行う前に、防水テープ3dの水上側の縁部から延出した部分を水下側へ折り曲げて固定部分11を覆うようにする。
それ以外は、前記図1の実施例と全く同様である。
この実施例では、前記の図2の外装構造と図5の外装構造とを併せた特性、効果を備えるものとなる。
そして、第二の工程を行う前に、防水テープ3eの水上側の縁部から延出した部分を水下側へ折り曲げて固定部分11を覆うようにする。
それ以外は、前記図1の実施例と全く同様である。
そのため、この実施例では、前記4の実施例と同様の効果を奏する。
図10(a)における外装材1の裏面には、ばたつき等を抑える目的で接着シート材4を介在させている。このような接着シート材4は全面的に接着している状態でもよいし、例えばドット状、縞状などのように部分的に接着していてもよい。また、図10(b)における面板部12の左右の一方の側縁には、予め防水テープ3fが接着されている。そのため、左右方向に隣接する外装材1を重合させて施工することができ、その重合部分は防水性を有するものとなる。尚、図中、16は水返しであり、17は端縁を保護するあざ折りである。
図11(a)〜(c)の実施例では、図2における防水テープ3bに比べて厚さが厚く、長さが長い防水テープ3gを用いており、図11(d)の実施例では、前記図6における防水テープ3b,3dを用いており、何れも敷設された外装材1の水上側の縁部にはビス2を打ち込まずに挟着状に重合させている。
11 固定部分
12 面板部
13 水返し片
14 水返し片
15a〜15c 折り曲げ部分
16 水返し
17 あざ折り
2 ビス
3a〜3g 防水テープ
4 接着シート材
5 防水シート
Claims (5)
- 外装材の一方の縁部又は縁部近傍を固定する第一の工程、固定した部分から他方側に延在する部分を、固定した部分を覆うように折り返すと共に一方側へ延在させて面板部として敷設する第二の工程、を繰り返して順次外装材を敷設する施工方法であって、他方側の端縁の裏面に防水及び接着を兼ねる部材を添接したことを特徴とする外装構造の施工方法。
- 敷設した外装材の水上側の縁部又は縁部近傍に重合させつつ第一の工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の外装構造の施工方法。
- 第一の工程にて固定する縁部又は縁部近傍と面板部とは、予め傾斜角度が鈍角となるように折り曲げ加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装構造の施工方法。
- 第一の工程にて固定する縁部又は縁部近傍と面板部との間に、予め溝状又は突条或いは段差を略直線状に形成していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の外装構造の施工方法。
- 外装構造を構成する各外装材は、一方側の縁部又は縁部近傍が固定され、他方側の端縁の裏面に防水及び接着を兼ねる部材を添接され、該縁部又は縁部近傍に対し、面板部は覆うように折り返されて形成されていることを特徴とする外装構造。
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