JP5839346B2 - 断熱パネル、及びその接続構造 - Google Patents
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Description
上記特許文献1,2などに開示されるサンドイッチパネルは、表裏面材間に発泡性の充填材を注入し、発泡させることで一体化を図るものであり、耐火、断熱性、漏水防止が果たされるものである。
一方、これらサンドイッチパネルを用いた屋根防水構造が特許文献3などに提案されている。
上記特許文献3に記載の屋根防水構造は、表裏面材のうちの表面材が、防水層として合成樹脂層を被覆した金属板であり、このようなサンドイッチパネルを接続し、該接続部分(繋ぎ目部J)にネジ部材10にて円盤状の押さえプレート11を固定し、更にその上から帯状繋ぎ目防水シート4を覆うように取り付けた構成である。
また、前記特許文献3に記載の屋根防水構造は、パネル同士の接続部分(繋ぎ目部J)にネジ部材10を打ち込む構造であるため、その上の帯状繋ぎ目防水シート4に破損が生じたり、端縁が捲れたりして雨水の浸入があった場合に漏水が避けられないという問題があった。
また、表皮材の成形部と水返し部とで略樋状の排水部分を形成するので、その接続構造において、仮に雨水の浸入があった場合にも、前記排水部分にて浸入した雨水等を流下させてその浸入を確実に防止することができ、防水構造として利用することができる。
したがって、本発明の断熱パネルを用いた防水構造は、従来では断熱パネル等の採用が難しかった住宅等の小規模建築物や倉庫等においても容易に採用でき、安価に断熱性能の優れた居住空間や作業空間を得ることができる。また、安価であるが故に、従来、断熱等が考慮されなかった畜舎等への採用も可能であり、近年の異常気象等から家畜を守ることができる。さらに、本発明の断熱パネルを用いた防水構造を適用した畜舎等は、密封された状態となる(密閉された建築物となる)ため、空気中のチリ等の侵入をも防止でき、チリ等の浮遊物を媒体とした病原菌や、病原菌の媒体となり得る小動物等が建物内に侵入するのを防ぐことも可能である。
また、後述する図1(c)等に示す参考例のように成形部に表面側へ突出する第2水返し部を設けてもよく、この場合、成形部と第2水返し部とで略樋状の(第2の)排水部分が形成される。即ち前記第1の排水部分の面板部側に第2の排水部分が形成されるので、雨水の浸入を防止する効果は更に一層高いものとなる。或いは後述する参考例のように第2の排水部分の外側に固定具を打ち込むようにしてもよい。
なお、後述する図示実施例では、左右の端縁に対称状の成形部及び水返し部を設けたが、これらに限定されるものではなく、異なる形状(左右非対称状)に成形してもよく、例えば一方が他方に重合する形状でもよい。
また、この表皮材は、前記金属素材に限定されるものではなく、例えば金属板の表面に防水シート材が一体的に固定(積層)されている構成でもよい。その場合、金属板の表面に一体化させる防水シート材は、溶着、融着等を含む各種の接着手段にて金属板と一体化できるものであれば特に限定するものではなく、例えば塩ビ系、オレフィン系のプラスチックシート材でもよい。また、塩ビ等の樹脂層に、ポリクロス、フェルト層、ガラス繊維基布、金属等の芯体又は補強体が積層された構成の複合防水シートでもよく、さらに、表皮材と同質の金属等であってもよく、特に耐火(防火)性能に優れた複合防水シートが望ましい。さらに、前述のようにその接続構造において、断熱パネル間を覆うように取り付けられる防水シート材を、その表面に容易に接着(融着を含む)できる表面特性を備えるものが望ましい。
また、一次発泡させた合成樹脂発泡体を、加熱等の条件を与えて二次発泡させて断熱材としてもよい。この一次発泡体は、二次発泡体に比べて厚みが薄いものであり、特に二次発泡させた際に膨張してその表面にベタ付き(タック)が生ずる(或いは残存する)ものが望ましい。
この断熱材は、後述する図示実施例に示すように全体的には略均一厚みのボード状であるが、その少なくとも一方の端部が薄肉に形成された構成を有する。即ち後述する図1(a),(b)等に示す第1及び第2実施例のように一方のみの端部が薄肉に形成される構成でもよいし、後述する図1(c)等に示す参考例のように両端部が薄肉に形成される構成でもよい。
この防水シート材は、溶着、融着等を含む各種の接着手段にて断熱パネルの表皮材と一体化できるものであれば特に限定するものではなく、例えば塩ビ系、オレフィン系のプラスチックシート材でも、金属シート材でも、複合シート材でもよい。また、塩ビ等の樹脂層に、ポリクロス、フェルト層、ガラス繊維基布等の芯体又は補強体が積層された構成の複合防水シートでもよく、特に耐火(防火)性能に優れた複合防水シートが望ましい。
また、下地は、鉄骨・木造からなる躯体(梁、母屋、胴縁、垂木等)、RC等の躯体であってもよく、或いは前記躯体上に断熱や耐火等の機能を有する板状部材を配したものでもよく、固定具が固着可能なものであればよい。
さらに、左右に隣り合う断熱パネルの断熱材同士は、後述する図示実施例のように突き合わせるように配設してもよいし、対向するように配設してもよく、或いは重合するように配設してもよい。
この連結材は、断熱パネルと同等の長さ、又はそれ以上長尺でもよいし、後述する図示実施例のようにピース材でもよい。長尺の連結材を用いた場合には一体化強度が向上する他に水返し部間を覆う被覆効果も果たされる。
そして、当該実施例のように重合部が隣接する表皮材上に配設されると共に、当該接続部分に防水シート材を取り付けてなる接続構造は、流れ方向における接続部分も防水シート材にて密封された状態とすることができる。
この連結材4は、中央頂部41の左右の側縁を下方へ折曲して成形部32,32の横片に沿わせた押さえ部42,42を有する断面略ハット状のピース状の成形体であり、取付ボルトである固定具5を中央頂部41の上方から打ち込んで表皮材3A,3Aの成形部32,32を下地に固定している。
なお、下地は、前述のように鉄骨・木造からなる躯体(梁、母屋、胴縁、垂木等)を指し、断熱材2Aの下面に位置するものであるが、特に符号を付していない。
この第2実施例では、第1実施例と全く同じ連結材4及び固定具5を用い、固定具5を連結材4の中央頂部41の上方から打ち込んで表皮材3B,3Bの成形部32,32を下地に固定している。
この参考例では、取付ボルトである固定具5',5'を前記連結材4を用いることなく直接的に成形部32,32に打ち込んで下地に固定している。
第2実施例における表皮材3Bは、面板部31と成形部32との間に、断熱材2B側へ段状に折曲した段部34が形成されている点で、第1実施例における表皮材3Aと相違する。
また、参考例における表皮材3Cは、成形部32が横長で、その略中央に表面側へ突出する第2水返し部35が形成され、該第2水返し部35と成形部32とで略樋状の第2排水部分36'を形成している点で、第1実施例における表皮材3Aと相違する。
第2実施例における断熱材2Bは、前記段部34を沿わせるくびれ部22が形成されている点で、第1実施例における断熱材2Aと相違する。
即ち該接続構造は、前記第1実施例を例にすると、左右に隣り合う断熱パネル1A,1Aの各表皮材3A,3Aの水返し部33,33が対向するように下地上に固定し、当該接続部分を覆うように防水シート材6を取り付ける。
このように形成される接続構造では、表皮材3Aの成形部32と水返し部33とで略樋状の排水部分36を形成するので、その接続構造において、仮に防水シート材6に破損が生じたり端縁が捲れたりして雨水の浸入があった場合にも、前記排水部分36にて浸入した雨水等を流下させてその浸入を確実に防止することができ、防水構造として利用することができる。
まず、図6(a)に示すように左右に隣接させて配設した断熱パネル1A,1Aの水上側左方に、予め表皮材3Aの流れ方向端縁、即ち水下側の端縁を断熱材2Aの端縁より長く延出させた重合部37を有する断熱パネル1A"を臨ませる。
次に、図6(b)に示すように既に敷設している左側の断熱パネル1Aの成形部32に、断熱パネル1A"の断熱材2Aの端縁より水下側へ延在させた成形部32が重合するように配設する。なお、その際、成形部32ばかりでなく、図6(f)に示すように面板部31についても同様に重合させており、更に断熱パネル1A"の断熱材2Aの水下側の端縁は既に敷設している断熱パネル1Aの断熱材2Aの水上側の端縁に突き合わせている。
続いて、同様に図6(c)に示すように水上側右方に、予め表皮材3Aの水下側の端縁を断熱材2Aの端縁より長く延在させて一体化した断熱パネル1A"を臨ませる。
次に、図6(d)に示すように既に敷設している右側の断熱パネル1Aの成形部32に、断熱パネル1A"の断熱材2Aの端縁より水下側へ延在させた成形部32が重合するように配設する。
そして、図6(e)に示すように左右方向及び流れ方向に隣接する合計4枚の断熱パネル1A,1A,1A",1A"に防水シート材6を一連に敷き渡す(跨る)ように敷設して融着固定した。
さらに、図6(e)に示したように、左右方向及び流れ方向における接続部分を防水シート材6で覆うので、雨水等が侵入するのを簡易的構造で防ぐことができ、断熱パネル1A,1A"によって構築される屋根面や壁面を接続部分が密封された状態の防水構造とすることができる。
2A〜2C 断熱材
21 薄肉部
3A〜3C 表皮材
31 面板部
32 成形部
33 水返し部
34 段部
35 第2水返し部
36,36' 排水部分
4 連結材
5,5' 固定具
6,6' 防水シート材
Claims (5)
- 表皮材の左右方向の幅より断熱材の左右方向の幅が長い断熱パネルであって、断熱材の表裏のうちの少なくとも一方に表皮材が一体化されてなる断熱パネルであり、
前記表皮材の左右の端縁には、面板部から裏面側へ折曲され、その下端を端縁側へ延在させた成形部がそれぞれ設けられ、各成形部の先端には表面側へ折曲された水返し部が設けられ、
前記断熱材の左右方向の一方のみの端部に薄肉部分を形成し、
前記表皮材の一方の成形部を前記断熱材の薄肉部分に添わせ、他方の成形部を前記断熱材の端縁から突出させてなり、
左右に隣り合う断熱パネルの各表皮材の水返し部が前記断熱材の薄肉部分上にて対向するように下地上に固定し、当該接続部分を覆うように防水シート材を取り付けて接続可能であることを特徴とする断熱パネル。 - 流れ方向端縁に表皮材が断熱材端縁より延出する重合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の断熱パネル。
- 請求項1又は2に記載の断熱パネルを左右に隣接させて接続する接続構造であって、
左右に隣り合う断熱パネルの各表皮材の水返し部が前記断熱材の薄肉部分上にて対向するように下地上に固定し、当該接続部分を覆うように防水シート材を取り付けてなることを特徴とする断熱パネルの接続構造。 - 重合部が隣接する表皮材上に配設されると共に、当該接続部分に防水シート材を取り付けてなることを特徴とする請求項3に記載の断熱パネルの接続構造。
- 各表皮材の水返し部に跨る連結材を配し、該連結材を固定具にて下地に固定したことを特徴とする請求項3又は4に記載の断熱パネルの接続構造。
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