JP2003017320A - 永久磁石薄膜 - Google Patents
永久磁石薄膜Info
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- H01F10/126—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing rare earth metals
Abstract
て、基板1に接して配置され、Ti、Ta、Nb、Z
r、Cr、V、W、およびMoからなる群から選択され
た少なくともひとつの材料から形成された高融点金属層
2と、高融点金属層2上に配置され、主たる構成相が正
方晶R2Fe14B(Rは希土類元素)である希土類合金
磁性層3とを備えている。基板1は単結晶シリコンから
形成されている。高融点金属層2の厚さは、希土類合金
磁性層3の厚さの1/200以上1/5以下に調節され
ている。基板1上に形成された各層の内部応力の平均
は、2×108Pa以下である。
Description
マイクロアクチュエータ、磁気記録媒体などに好適に用
いられる永久磁石薄膜に関する。
磁石薄膜を用いたマイクロモータやマイクロアクチュエ
ータなどの開発が進められている。この種のデバイスの
サイズや性能は、永久磁石薄膜の磁気特性に左右され
る。このため、永久磁石薄膜の材料として、最大エネル
ギー積の高いNd−Fe−B系磁石材料やSm−Co系
磁石材料が注目され、その研究開発が盛んに行われてい
る。なかでも、Nd−Fe−B系磁石材料の主相を構成
する正方晶Nd2Fe14B化合物は、その飽和磁化がS
mCo5やSm2Co17の飽和磁化よりも大きいため、高
性能永久磁石薄膜の材料として注目されている。
石薄膜に磁気特性の高性能化が求められる一方で、永久
磁石薄膜を利用するデバイスの種類に依存して、磁気特
性以外にも様々な要求が永久磁石薄膜に課せられる。中
でも、マイクロモータやマイクロアクチュエータなどの
デバイスに永久磁石薄膜を利用する場合、永久磁石薄膜
にも厳しい機械的精度が要求されることが多い。永久磁
石薄膜の内部応力の絶対値が大きいと、永久磁石薄膜を
支持する基板の反りが大きくなるため、永久磁石薄膜の
内部応力の絶対値を低減することが求められる。
薄膜4を単結晶シリコン1上に直接堆積した場合、成膜
方法や成膜条件によって程度の差はあるが、R−Fe−
B合金膜に引っ張り応力が発生することが多い。このた
め基板1には、薄膜と付着した面を上にして凹状の反り
が発生する。内部応力の絶対値がさらに大きくなると、
基板1からR−Fe−B合金薄膜4が剥離したり、基板
1の薄膜付着部近傍にクラックが生じることもある。
材料系で古くからしばしば取り上げられてきた。これに
も関わらず、R−Fe−B合金薄膜においては、従来、
磁気特性と内部応力の絶対値の低減を両立させる技術が
確立しておらず、このことが、R−Fe−B合金膜を各
種デバイスに応用していくにあたっての、大きな障害と
なっていた。
であり、その目的とするところは優れた磁気特性を保ち
ながら、しかも内部応力の絶対値が小さいR2Fe14B
を主体とする永久磁石薄膜を提供することである。
膜は、基板に支持された永久磁石薄膜であって、前記基
板に接して配置され、Ti、Ta、Nb、Zr、Cr、
V、W、およびMoからなる群から選択された少なくと
もひとつの材料から形成された高融点金属層と、前記高
融点金属層上に配置され、主たる構成相が正方晶R2F
e14B(Rは希土類元素)である希土類合金磁性層とを
備え、前記基板は単結晶シリコンから形成され、前記高
融点金属層の厚さは、前記希土類合金磁性層の厚さの1
/200以上1/5以下であり、前記基板上に形成され
た各層の内部応力の絶対値の平均は、2×108Pa以
下である。
金磁性層の上に設けられた積層構造をさらに備え、前記
積層構造は、高融点金属層および希土類合金磁性層を含
み、前記高融点金属層は、Ti、Ta、Nb、Zr、C
r、V、W、およびMoからなる群から選択された少な
くともひとつの材料から形成され、前記希土類合金磁性
層の主たる構成相は、正方晶R2Fe14Bである。
金磁性層が磁気異方性を有している。
の少なくとも一部が保護層で覆われている。
は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、
およびWからなる群から選択された少なくとも1種類の
材料から形成されている。
ずれかの永久磁石薄膜を備えていることを特徴とする。
用に適した永久磁石薄膜を実現するため、希土類合金磁
性層を種々の基板材料上に、直接あるいは種々異なった
下地膜を介在させて製作し、その磁気特性と内部応力を
詳細に調査した結果、本発明を完成させるに到った。
基板上に高融点金属層を配し、さらにその高融点金属層
に接して希土類合金磁性層を配置した構成を有してい
る。
r、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から
選択された少なくとも1種類の材料から形成されてお
り、希土類合金磁性層は、正方晶R2Fe14Bを主たる
構成相としている。ここで、Rは希土類元素であり、N
d、Pr、またはNdとPrの両方を含むことが好まし
い。また、Feの一部は、CoやNi等の遷移金属元素
と置換していても良い。
ることによって、優れた永久磁石特性を発揮し、しかも
内部応力の著しく小さい永久磁石薄膜が実現することを
見出した。
石薄膜について、その好ましい実施形態の詳細を説明す
る。図1は、本実施形態における永久磁石薄膜の断面構
成を示している。図示されるように、磁性を担う希土類
合金磁性層3が単結晶シリコン基板1に支持されてい
る。この希土類合金磁性層3と単結晶シリコン基板1と
は接しておらず、両者の間には、適切な範囲に厚さを有
する高融点金属層2が配置されている。
性層3の主たる構成相である正方晶R2Fe14B化合物
が磁気的性質を主に担っている。R−Fe−B系合金の
三元状態図には、多くの熱平衡相及び準安定相の存在が
知られているが、正方晶R2Fe14B化合物は室温で安
定な化合物であり、結晶磁気異方性エネルギーと飽和磁
化のいずれもが大きく、磁気エネルギー積の理論値が最
も高い。従って、希土類合金磁性層に占めるR2Fe14
B化合物の割合は、できるだけ大きいことが望ましい。
なお、希土類合金磁性層3の厚さは特に制限されない
が、100〜5000nmの厚さを有していることが好
ましい。
属層2と接触する面(主面)の結晶方位は任意に選択さ
れ得る。ただし、通常の半導体デバイスに用いられる
(100)面や(111)面を主面として選択すること
により、半導体デバイス製造技術を応用して本発明の永
久磁石薄膜を備えたデバイスを生産性良く、高精度に製
作することが可能となる。なお、本発明の永久磁石薄膜
を用いたデバイスとその周辺回路を同一シリコン基板上
にモノリシックに集積する場合、回路要素であるトラン
ジスタなどの特性はシリコン基板の面方位に依存する。
トランジスタ特性の向上という観点からも、シリコン基
板の主面は(100)や(111)の結晶面方位を持つ
ことが好ましい。
重なった積層構造を更に希土類合金磁性層3の上部に設
けても良い。付加的に堆積する高融点金属層も、Ti、
V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWか
らなる群から選択された少なくとも1種類の材料から選
択されることが好ましい。また、付加的に堆積される希
土類金属層も、正方晶R2Fe14Bを主たる構成相とす
ることが好ましい。
り、基板上の単位面積あたりに配置される磁性材料の体
積を増大させながら、しかも、各希土類合金磁性層に含
まれる正方晶R2Fe14B化合物の結晶成長を抑制し、
微細組織化できるため、保磁力を向上させることができ
る。これは、複数の高融点金属層が永久磁石薄膜中の希
土類合金を膜厚方向に分断することにより、正方晶R2
Fe14B化合物の結晶成長を抑えるように働くからであ
る。
まれた高融点金属層が厚くなりすぎると、上下2層の希
土類合金磁性層間の磁気的結合が弱くなるため、好まし
くない。
護膜を設けることにより、磁性層が大気中の酸素や水分
と反応することを防止することができる。
合金磁性層3が形成される際に生じる引っ張り応力の緩
衝層として機能し、単結晶シリコン基板1の表面に作用
する応力を著しく低減させる。基板1上に形成された各
層の平均内部応力は、高融点金属層2と希土類合金磁性
層3の厚さ比率によって変化する。より具体的には、希
土類合金磁性層3の厚さに対する高融点金属層2の厚さ
の比が小さいと、基板上の各層に引っ張り応力が発生
し、逆の場合には圧縮応力が発生する。これらの引っ張
り応力/圧縮応力の何れもが永久磁石薄膜の剥がれや単
結晶シリコン基板の反りの原因となり、永久磁石薄膜を
利用するデバイスの特性や機械精度の悪化を招く。この
ため、本発明では、希土類合金磁性層層3の厚さに対す
る高融点金属層2の厚さの比は、1/200以上1/5
以下に設定している。その結果、基板上に形成した各層
の内部応力の平均を2×108Pa以下に抑制すること
ができる。
法を説明する。
シリコン基板とが十分な強度で接合するように、単結晶
シリコン基板1の表面をポリッシングした後、その表面
を洗浄する。このような清浄化方法としては、純水や有
機溶剤による洗浄に加え、紫外線の照射洗浄、酸素プラ
ズマ洗浄、逆スパッタリング等が有効であり、さらにこ
れらの方法を組み合わせることでより高い効果が得られ
る。
層2を形成する。高融点金属層2の堆積工程は、スパッ
タリング法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーショ
ン法などの物理蒸着法や、化学気相成長(CVD)法、
さらにはメッキ法など任意の薄膜堆積手段を用いて行う
ことが可能である。
2の上に形成する。希土類合金磁性層3の堆積工程は、
希土類合金磁性層3を構成する希土類金属または希土類
金属を含む合金が容易に酸化するため、堆積装置内の雰
囲気を高真空または不活性ガスとすることが望ましい。
好ましい薄膜堆積方法としては、スパッタ法、真空蒸着
法やレーザーアブレーション法などが挙げられる。
的、物理的、金属組織的特性は、堆積工程時の諸条件に
左右される。R−Fe−B系合金は非晶質化しやすいの
で、堆積時の基板温度を300℃以上800℃以下の範
囲に制御するか、または、堆積後に400℃以上800
℃以下の加熱処理によって、結晶化する必要がある。
加熱方法は任意であり、例えばシースヒータや赤外線ラ
ンプヒータによって直接または間接的に基板を加熱して
もよい。また、積層構造形成後に行う加熱処理は、永久
磁石薄膜を酸化しないように真空中または不活性ガス雰
囲気中で実行することが望ましい。この加熱処理の時間
は、熱処理温度によっても異なるが、例えば、熱処理温
度が650℃のとき、0.2〜2時間程度の加熱処理を
行うことが好ましい。
00)の単結晶シリコン基板(長さ10mm、幅2m
m、厚み0.1mmの短冊状)を用意した。次に、DC
ダイオードマグネトロンスパッタ装置を用いて、上記単
結晶シリコン基板上にTa、Nb、Zr、Ti層のいず
れか一種からなる高融点金属層を堆積させた。この後、
基板を550℃まで加熱・保持した状態で、Nd−Fe
−B合金層(希土類合金磁性層)、またはNd−Fe−
B合金層と高融点金属層の積層構造を形成した。ここで
は、Nd−Fe−B合金層の合計膜厚が1000nmに
なるようにそろえた。各試料における薄膜の内部応力お
よび磁気特性を下記の表1に示す。
施例であり、試料No.1、試料No.8および試料N
o.9は比較例である。試料No.1〜8は、基板とし
て単結晶シリコン基板を用いているが、試料No.9
は、長さ10mm、幅2mm、厚さ0.1mmの短冊型
ガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、ガラスコードN
o.7059)を用いている。
ぞれ、純金属ターゲットを用い、投入電力3〜6W/c
m2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度0.1〜0.8n
m/sの条件で行った。Nd−Fe−B合金層の形成
は、ターゲットに原子比でNd 14Fe71B15の組成を有
する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm2、Ar圧
力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で行った。
却した後、取り出し、触針式段差計を使って基板の反り
量を測定した。その値をもとに、金原粲、藤原英夫著
「応用物理学選書3.薄膜」(1979年、裳華房)
p.129に記載されている近似式を使って、薄膜の内
部応力を算出した。
磁力計(VSM)で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁
化曲線を測定した。そのデータをもとに、Nd−Fe−
B合金層のみが一様に磁化されるものと仮定して特性値
を計算し、それによって得た残留磁束密度Brと保磁力
HcJを内部応力と共に表1に示している。ここで、内部
応力の負号は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であ
り、正号は圧縮応力であることを表している。
部応力の絶対値は、比較例(試料No.1)であるシリ
コン基板上に直接堆積したNd−Fe−B合金膜の内部
応力の絶対値と比べて著しく小さい。
も、残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に垂直な方向
により高い、いわゆる垂直磁化膜が得られた。膜面に垂
直な方向の磁気特性を比較してみると、実施例の試料で
は、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brのいずれについ
ても、単層のNd−Fe−B合金層のみを形成した比較
例(試料No.1)と遜色ないか、あるいはそれを上回
る優れた特性が得られた。
示し、試料No.3の実施例の磁化曲線を図4に示す。
これらの磁化曲線を比較すると明らかなように、膜面に
垂直な方向の磁化曲線の角型性は、比較例の試料よりも
実施例の試料のほうが良好であって、磁気エネルギー積
の高い永久磁石薄膜が得られている。
を本発明の実施例とを比較すると、高融点金属層を基板
と希土類合金磁性層との間に配置することによって得ら
れる本発明の効果は、下地基板がガラスの場合には発揮
されないことがわかる。
層だけを堆積すると、基板の薄膜堆積側が凸状に湾曲す
るように応力が発生し、また、希土類合金磁性層だけを
堆積したときは、基板の薄膜堆積側が凹状に湾曲するよ
うに応力が発生する。しかし、本発明の構成を採用した
場合は、基板の湾曲が大きく抑制される。
00)の単結晶シリコン基板(長さ10mm、幅2m
m、厚み0.1mmの短冊状)を用意した。次に、DC
ダイオードマグネトロンスパッタ装置を用いて、上記単
結晶シリコン基板上に厚さ5nmのTa層を堆積させ
た。この後、基板を550℃まで加熱・保持した状態
で、Pr−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)を厚さ
1000nm堆積させた試料と、Pr−Fe−B合金層
(希土類合金磁性層)のみを厚さ1000nm堆積させ
た試料を作製した。各試料における内部応力および磁気
特性を下記の表2に示す。
であり、試料No.10が比較例である。
い、投入電力6W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積
速度0.8nm/sの条件で行った。Pr−Fe−B合
金層の形成は、ターゲットに原子比でPr14Fe72B14
の組成を有する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm
2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で
行った。
却した後、取り出し、触針式段差計を使って基板の反り
量を測定した。その値をもとに、前述の近似式を使っ
て、膜の内部応力を算出した。
磁力計で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁化曲線を測
定した。そのデータをもとに、Pr−Fe−B合金層の
みが一様に磁化されるものと仮定して特性値を計算し、
それによって得た残留磁束密度Brと保磁力HcJを内部
応力と共に表2に示している。ここで、内部応力の負号
は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であり、正号は
圧縮応力であることを表している。
部応力は、比較例(試料No.10)であるシリコン基
板上に直接成膜されたPr−Fe−B合金膜のそれと比
べて著しく小さい。
残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に垂直な方向によ
り高い、いわゆる垂直磁化膜になっている。膜面に垂直
な方向の磁気特性を比較してみると、実施例の試料は、
保磁力HcJ、残留磁束密度B rいずれも、単層のPr−
Fe−B合金層のみを形成した比較例(試料No.1
0)を上回っている。
(100)なる、長さ10mm、幅2mm、厚み0.1
mmの短冊状の単結晶シリコン基板上にDCダイオード
マグネトロンスパッタ装置で、Taを5nm堆積させ、
その後Nd−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)を厚
さ1000nm堆積させた試料と、Nd−Fe−B合金
層(希土類合金磁性層)のみを厚さ1000nm堆積さ
せた試料を作製した。各試料について、積層構造および
熱処理条件を下記の表3に示す。
であり、試料No.12が比較例である。
い、投入電力6W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積
速度0.8nm/sの条件で行った。Nd−Fe−B合
金層の形成は、ターゲットに原子比でNd14Fe71B15
の組成を有する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm
2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で
行った。
の熱処理を行った。その後、触針式段差計を使って基板
の反り量を測定した。そのデータを基に、前述の近似式
を使って、膜の内部応力を算出した。
磁力計で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁化曲線を測
定した。そのデータをもとに、Nd−Fe−B合金層の
みが一様に磁化されるものと仮定して特性値を計算し、
それによって得た残留磁束密度Brと保磁力HcJを内部
応力と共に表4に示している。ここで、内部応力の負号
は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であり、正号は
圧縮応力であることを表している。
o.13)の薄膜の内部応力は、単層のNd−Fe−B
合金層のみを形成した比較例(試料No.12)の内部
応力に比べて格段に小さい。この例では、比較例と実施
例の試料共に、残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に
垂直な方向により高い、いわゆる垂直磁化膜になってい
る。膜面に垂直な方向の磁気特性を比較してみると、実
施例(試料No.13)は、保磁力HcJおよび残留磁束
密度Brのいずれについても、単層のNd−Fe−B合
金層のみを形成した比較例(試料No.12)の特性を
上回っている。
用い、正方晶R2Fe14B化合物を主体とする永久磁石
薄膜の優れた磁気特性を損なうことなく、内部応力を著
しく低減させることが可能となる。その結果、永久磁石
薄膜を支持する単結晶シリコン基板に反りの少ない、機
械精度に優れたマイクロアクチュエータやマイクロデバ
イス、磁気記録媒体等を実現することができる。
断面図である。
を示すグラフである。横軸が外部磁界の大きさを示し、
縦軸が磁化強度を示している。
を示すグラフである。横軸が外部磁界の大きさを示し、
縦軸が磁化強度を示している。
Claims (6)
- 【請求項1】 基板に支持された永久磁石薄膜であっ
て、 前記基板に接して配置され、Ti、Ta、Nb、Zr、
Cr、V、W、およびMoからなる群から選択された少
なくともひとつの材料から形成された高融点金属層と、 前記高融点金属層上に配置され、主たる構成相が正方晶
R2Fe14B(Rは希土類元素)である希土類合金磁性
層と、 を備え、 前記基板は単結晶シリコンから形成され、 前記高融点金属層の厚さは、前記希土類合金磁性層の厚
さの1/200以上1/5以下であり、 前記基板上に形成された各層の内部応力の絶対値の平均
は、2×108Pa以下である永久磁石薄膜。 - 【請求項2】 前記希土類合金磁性層の上に設けられた
積層構造をさらに備え、 前記積層構造は、高融点金属層および希土類合金磁性層
を含み、 前記高融点金属層は、Ti、Ta、Nb、Zr、Cr、
V、W、およびMoからなる群から選択された少なくと
もひとつの材料から形成され、 前記希土類合金磁性層の主たる構成相は、正方晶R2F
e14Bである、請求項1に記載の永久磁石薄膜。 - 【請求項3】 前記希土類合金磁性層が磁気異方性を有
している請求項1または2に記載の永久磁石薄膜。 - 【請求項4】 前記積層構造の少なくとも一部が保護層
で覆われている、請求項1から3のいずれかに記載の永
久磁石薄膜。 - 【請求項5】 前記保護層は、Ti、V、Cr、Zr、
Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から選択
された少なくとも1種類の材料から形成されている請求
項4に記載の永久磁石薄膜。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の永久
磁石薄膜を備えたマイクロマシーン。
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