JP4457530B2 - 永久磁石薄膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロモータやマイクロアクチュエータ、磁気記録媒体などに好適に用いられる永久磁石薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種電気機器の小型化が進む中で、永久磁石薄膜を用いたマイクロモータやマイクロアクチュエータなどの開発が進められている。この種のデバイスのサイズや性能は、永久磁石薄膜の磁気特性に左右される。このため、永久磁石薄膜の材料として、最大エネルギー積の高いNd−Fe−B系磁石材料やSm−Co系磁石材料が注目され、その研究開発が盛んに行われている。なかでも、Nd−Fe−B系磁石材料の主相を構成する正方晶Nd2Fe14B化合物は、その飽和磁化がSmCo5やSm2Co17の飽和磁化よりも大きいため、高性能永久磁石薄膜の材料として注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、永久磁石薄膜に磁気特性の高性能化が求められる一方で、永久磁石薄膜を利用するデバイスの種類に依存して、磁気特性以外にも様々な要求が永久磁石薄膜に課せられる。中でも、マイクロモータやマイクロアクチュエータなどのデバイスに永久磁石薄膜を利用する場合、永久磁石薄膜にも厳しい機械的精度が要求されることが多い。永久磁石薄膜の内部応力の絶対値が大きいと、永久磁石薄膜を支持する基板の反りが大きくなるため、永久磁石薄膜の内部応力の絶対値を低減することが求められる。
【0004】
図2に示すように、R−Fe−B系合金の薄膜4を単結晶シリコン1上に直接堆積した場合、成膜方法や成膜条件によって程度の差はあるが、R−Fe−B合金膜に引っ張り応力が発生することが多い。このため基板1には、薄膜と付着した面を上にして凹状の反りが発生する。内部応力の絶対値がさらに大きくなると、基板1からR−Fe−B合金薄膜4が剥離したり、基板1の薄膜付着部近傍にクラックが生じることもある。
【0005】
薄膜の内部応力の絶対値の問題は、多くの材料系で古くからしばしば取り上げられてきた。これにも関わらず、R−Fe−B合金薄膜においては、従来、磁気特性と内部応力の絶対値の低減を両立させる技術が確立しておらず、このことが、R−Fe−B合金膜を各種デバイスに応用していくにあたっての、大きな障害となっていた。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは優れた磁気特性を保ちながら、しかも内部応力の絶対値が小さいR2Fe14Bを主体とする永久磁石薄膜を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による永久磁石薄膜は、基板に支持された永久磁石薄膜であって、前記基板に接して配置され、Ti、Ta、Nb、Zr、Cr、V、W、およびMoからなる群から選択された少なくともひとつの材料から形成された高融点金属層と、前記高融点金属層上に配置され、主たる構成相が正方晶R2Fe14B(Rは希土類元素)である希土類合金磁性層とを備え、前記基板は単結晶シリコンから形成され、前記高融点金属層の厚さは、前記希土類合金磁性層の厚さの1/200以上1/5以下であり、前記基板上に形成された各層の内部応力の絶対値の平均は、2×108Pa以下である。
【0008】
好ましい実施形態において、前記希土類合金磁性層の上に設けられた積層構造をさらに備え、前記積層構造は、高融点金属層および希土類合金磁性層を含み、前記高融点金属層は、Ti、Ta、Nb、Zr、Cr、V、W、およびMoからなる群から選択された少なくともひとつの材料から形成され、前記希土類合金磁性層の主たる構成相は、正方晶R2Fe14Bである。
【0009】
好ましい実施形態において、前記希土類合金磁性層が磁気異方性を有している。
【0010】
好ましい実施形態において、前記積層構造の少なくとも一部が保護層で覆われている。
【0011】
好ましい実施形態において、前記保護層は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から選択された少なくとも1種類の材料から形成されている。
【0012】
本発明によるマイクロマシーンは、上記いずれかの永久磁石薄膜を備えていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者は、各種デバイスへの応用に適した永久磁石薄膜を実現するため、希土類合金磁性層を種々の基板材料上に、直接あるいは種々異なった下地膜を介在させて製作し、その磁気特性と内部応力を詳細に調査した結果、本発明を完成させるに到った。
【0014】
本発明の永久磁石薄膜は、単結晶シリコン基板上に高融点金属層を配し、さらにその高融点金属層に接して希土類合金磁性層を配置した構成を有している。
【0015】
上記高融点金属層は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から選択された少なくとも1種類の材料から形成されており、希土類合金磁性層は、正方晶R2Fe14Bを主たる構成相としている。ここで、Rは希土類元素であり、Nd、Pr、またはNdとPrの両方を含むことが好ましい。また、Feの一部は、CoやNi等の遷移金属元素と置換していても良い。
【0016】
本発明者は、上記のような膜構造を採用することによって、優れた永久磁石特性を発揮し、しかも内部応力の著しく小さい永久磁石薄膜が実現することを見出した。
【0017】
以下、図1を参照しながら本発明の永久磁石薄膜について、その好ましい実施形態の詳細を説明する。図1は、本実施形態における永久磁石薄膜の断面構成を示している。図示されるように、磁性を担う希土類合金磁性層3が単結晶シリコン基板1に支持されている。この希土類合金磁性層3と単結晶シリコン基板1とは接しておらず、両者の間には、適切な範囲に厚さを有する高融点金属層2が配置されている。
【0018】
本永久磁石薄膜においては、希土類合金磁性層3の主たる構成相である正方晶R2Fe14B化合物が磁気的性質を主に担っている。R−Fe−B系合金の三元状態図には、多くの熱平衡相及び準安定相の存在が知られているが、正方晶R2Fe14B化合物は室温で安定な化合物であり、結晶磁気異方性エネルギーと飽和磁化のいずれもが大きく、磁気エネルギー積の理論値が最も高い。従って、希土類合金磁性層に占めるR2Fe14B化合物の割合は、できるだけ大きいことが望ましい。なお、希土類合金磁性層3の厚さは特に制限されないが、100〜5000nmの厚さを有していることが好ましい。
【0019】
単結晶シリコン基板1において、高融点金属層2と接触する面(主面)の結晶方位は任意に選択され得る。ただし、通常の半導体デバイスに用いられる(100)面や(111)面を主面として選択することにより、半導体デバイス製造技術を応用して本発明の永久磁石薄膜を備えたデバイスを生産性良く、高精度に製作することが可能となる。なお、本発明の永久磁石薄膜を用いたデバイスとその周辺回路を同一シリコン基板上にモノリシックに集積する場合、回路要素であるトランジスタなどの特性はシリコン基板の面方位に依存する。トランジスタ特性の向上という観点からも、シリコン基板の主面は(100)や(111)の結晶面方位を持つことが好ましい。
【0020】
高融点金属層と希土類金属層が交互に積み重なった積層構造を更に希土類合金磁性層3の上部に設けても良い。付加的に堆積する高融点金属層も、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から選択された少なくとも1種類の材料から選択されることが好ましい。また、付加的に堆積される希土類金属層も、正方晶R2Fe14Bを主たる構成相とすることが好ましい。
【0021】
このような積層構造を採用することにより、基板上の単位面積あたりに配置される磁性材料の体積を増大させながら、しかも、各希土類合金磁性層に含まれる正方晶R2Fe14B化合物の結晶成長を抑制し、微細組織化できるため、保磁力を向上させることができる。これは、複数の高融点金属層が永久磁石薄膜中の希土類合金を膜厚方向に分断することにより、正方晶R2Fe14B化合物の結晶成長を抑えるように働くからである。
【0022】
なお、上下の希土類合金磁性層によって挟まれた高融点金属層が厚くなりすぎると、上下2層の希土類合金磁性層間の磁気的結合が弱くなるため、好ましくない。
【0023】
上記の積層構造の表面(特に最上部)に保護膜を設けることにより、磁性層が大気中の酸素や水分と反応することを防止することができる。
【0024】
本発明における高融点金属層2は、希土類合金磁性層3が形成される際に生じる引っ張り応力の緩衝層として機能し、単結晶シリコン基板1の表面に作用する応力を著しく低減させる。基板1上に形成された永久磁石薄膜の内部応力は、高融点金属層2と希土類合金磁性層3の厚さ比率によって変化する。より具体的には、希土類合金磁性層3の厚さに対する高融点金属層2の厚さの比が小さいと、基板上の各層に引っ張り応力が発生し、逆の場合には圧縮応力が発生する。これらの引っ張り応力/圧縮応力の何れもが永久磁石薄膜の剥がれや単結晶シリコン基板の反りの原因となり、永久磁石薄膜を利用するデバイスの特性や機械精度の悪化を招く。このため、本発明では、希土類合金磁性層3の厚さに対する高融点金属層2の厚さの比は、1/200以上1/5以下に設定している。その結果、基板上に形成した永久磁石薄膜の内部応力の絶対値を2×108Pa以下に抑制することができる。
【0025】
以下、本発明による永久磁石薄膜の製造方法を説明する。
【0026】
まず、本発明による永久磁石薄膜と単結晶シリコン基板とが十分な強度で接合するように、単結晶シリコン基板1の表面をポリッシングした後、その表面を洗浄する。このような清浄化方法としては、純水や有機溶剤による洗浄に加え、紫外線の照射洗浄、酸素プラズマ洗浄、逆スパッタリング等が有効であり、さらにこれらの方法を組み合わせることでより高い効果が得られる。
【0027】
次に、シリコン基板1の表面に高融点金属層2を形成する。高融点金属層2の堆積工程は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーション法などの物理蒸着法や、化学気相成長(CVD)法、さらにはメッキ法など任意の薄膜堆積手段を用いて行うことが可能である。
【0028】
次に、希土類合金磁性層3を高融点金属層2の上に形成する。希土類合金磁性層3の堆積工程は、希土類合金磁性層3を構成する希土類金属または希土類金属を含む合金が容易に酸化するため、堆積装置内の雰囲気を高真空または不活性ガスとすることが望ましい。好ましい薄膜堆積方法としては、スパッタ法、真空蒸着法やレーザーアブレーション法などが挙げられる。
【0029】
これらの方法によって堆積された層の化学的、物理的、金属組織的特性は、堆積工程時の諸条件に左右される。R−Fe−B系合金は非晶質化しやすいので、堆積時の基板温度を300℃以上800℃以下の範囲に制御するか、または、堆積後に400℃以上800℃以下の加熱処理によって、結晶化する必要がある。
【0030】
希土類合金磁性層3の形成時における基板加熱方法は任意であり、例えばシースヒータや赤外線ランプヒータによって直接または間接的に基板を加熱してもよい。また、積層構造形成後に行う加熱処理は、永久磁石薄膜を酸化しないように真空中または不活性ガス雰囲気中で実行することが望ましい。この加熱処理の時間は、熱処理温度によっても異なるが、例えば、熱処理温度が650℃のとき、0.2〜2時間程度の加熱処理を行うことが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0032】
(実施例1)
本実施例では、面方位が(100)の単結晶シリコン基板(長さ10mm、幅2mm、厚み0.1mmの短冊状)を用意した。次に、DCダイオードマグネトロンスパッタ装置を用いて、上記単結晶シリコン基板上にTa、Nb、Zr、Ti層のいずれか一種からなる高融点金属層を堆積させた。この後、基板を550℃まで加熱・保持した状態で、Nd−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)、またはNd−Fe−B合金層と高融点金属層の積層構造を形成した。ここでは、Nd−Fe−B合金層の合計膜厚が1000nmになるようにそろえた。各試料における薄膜の内部応力および磁気特性を下記の表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004457530
【0034】
ここで、試料No.2〜7は、本発明の実施例であり、試料No.1、試料No.8および試料No.9は比較例である。試料No.1〜8は、基板として単結晶シリコン基板を用いているが、試料No.9は、長さ10mm、幅2mm、厚さ0.1mmの短冊型ガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、ガラスコードNo.7059)を用いている。
【0035】
Ta、Mb、Zr、Ti層の形成は、それぞれ、純金属ターゲットを用い、投入電力3〜6W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度0.1〜0.8nm/sの条件で行った。Nd−Fe−B合金層の形成は、ターゲットに原子比でNd14Fe7115の組成を有する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で行った。
【0036】
試料は、スパッタ装置のチャンバー内で冷却した後、取り出し、触針式段差計を使って基板の反り量を測定した。その値をもとに、金原粲、藤原英夫著「応用物理学選書3.薄膜」(1979年、裳華房)p.128に記載されている近似式を使って、薄膜の内部応力を算出した。
【0037】
さらに、すべての試料について試料振動型磁力計(VSM)で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁化曲線を測定した。そのデータをもとに、Nd−Fe−B合金層のみが一様に磁化されるものと仮定して特性値を計算し、それによって得た残留磁束密度Brと保磁力HcJを内部応力と共に表1に示している。ここで、内部応力の負号は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であり、正号は圧縮応力であることを表している。
【0038】
表1からわかるように、実施例の薄膜の内部応力の絶対値は、比較例(試料No.1)であるシリコン基板上に直接堆積したNd−Fe−B合金膜の内部応力の絶対値と比べて著しく小さい。
【0039】
上記の比較例および実施例では、いずれも、残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に垂直な方向により高い、いわゆる垂直磁化膜が得られた。膜面に垂直な方向の磁気特性を比較してみると、実施例の試料では、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brのいずれについても、単層のNd−Fe−B合金層のみを形成した比較例(試料No.1)と遜色ないか、あるいはそれを上回る優れた特性が得られた。
【0040】
試料No.1の比較例の磁化曲線を図3に示し、試料No.3の実施例の磁化曲線を図4に示す。これらの磁化曲線を比較すると明らかなように、膜面に垂直な方向の磁化曲線の角型性は、比較例の試料よりも実施例の試料のほうが良好であって、磁気エネルギー積の高い永久磁石薄膜が得られている。
【0041】
ガラス基板を用いた試料No.9の比較例を本発明の実施例とを比較すると、高融点金属層を基板と希土類合金磁性層との間に配置することによって得られる本発明の効果は、下地基板がガラスの場合には発揮されないことがわかる。
【0042】
基板が単結晶シリコンの場合、高融点金属層だけを堆積すると、基板の薄膜堆積側が凸状に湾曲するように応力が発生し、また、希土類合金磁性層だけを堆積したときは、基板の薄膜堆積側が凹状に湾曲するように応力が発生する。しかし、本発明の構成を採用した場合は、基板の湾曲が大きく抑制される。
【0043】
(実施例2)
本実施例では、面方位が(100)の単結晶シリコン基板(長さ10mm、幅2mm、厚み0.1mmの短冊状)を用意した。次に、DCダイオードマグネトロンスパッタ装置を用いて、上記単結晶シリコン基板上に厚さ5nmのTa層を堆積させた。この後、基板を550℃まで加熱・保持した状態で、Pr−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)を厚さ1000nm堆積させた試料と、Pr−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)のみを厚さ1000nm堆積させた試料を作製した。各試料における内部応力および磁気特性を下記の表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004457530
【0045】
ここで、試料No.11が本発明の実施例であり、試料No.10が比較例である。
【0046】
Ta層の形成は、純金属のターゲットを用い、投入電力6W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度0.8nm/sの条件で行った。Pr−Fe−B合金層の形成は、ターゲットに原子比でPr14Fe7214の組成を有する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で行った。
【0047】
試料は、スパッタ装置のチャンバー内で冷却した後、取り出し、触針式段差計を使って基板の反り量を測定した。その値をもとに、前述の近似式を使って、膜の内部応力を算出した。
【0048】
さらに、すべての試料について試料振動型磁力計で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁化曲線を測定した。そのデータをもとに、Pr−Fe−B合金層のみが一様に磁化されるものと仮定して特性値を計算し、それによって得た残留磁束密度Brと保磁力HcJを内部応力と共に表2に示している。ここで、内部応力の負号は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であり、正号は圧縮応力であることを表している。
【0049】
表2からわかるように、実施例の薄膜の内部応力は、比較例(試料No.10)であるシリコン基板上に直接成膜されたPr−Fe−B合金膜のそれと比べて著しく小さい。
【0050】
この例では、比較例と実施例の試料共に、残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に垂直な方向により高い、いわゆる垂直磁化膜になっている。膜面に垂直な方向の磁気特性を比較してみると、実施例の試料は、保磁力HcJ、残留磁束密度Brいずれも、単層のPr−Fe−B合金層のみを形成した比較例(試料No.10)を上回っている。
【0051】
(実施例3)
本実施例では、まず面方位が(100)なる、長さ10mm、幅2mm、厚み0.1mmの短冊状の単結晶シリコン基板上にDCダイオードマグネトロンスパッタ装置で、Taを5nm堆積させ、その後Nd−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)を厚さ1000nm堆積させた試料と、Nd−Fe−B合金層(希土類合金磁性層)のみを厚さ1000nm堆積させた試料を作製した。各試料について、積層構造および熱処理条件を下記の表3に示す。
【0052】
【表3】
Figure 0004457530
【0053】
ここで、試料No.13が本発明の実施例であり、試料No.12が比較例である。
【0054】
Ta層の形成は、純金属のターゲットを用い、投入電力6W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度0.8nm/sの条件で行った。Nd−Fe−B合金層の形成は、ターゲットに原子比でNd14Fe7115の組成を有する鋳造合金を用い、投入電力10W/cm2、Ar圧力0.5Pa、堆積速度3nm/sの条件で行った。
【0055】
試料に対して、真空中で650℃、1時間の熱処理を行った。その後、触針式段差計を使って基板の反り量を測定した。そのデータを基に、前述の近似式を使って、膜の内部応力を算出した。
【0056】
さらに、すべての試料について試料振動型磁力計で膜面内方向と膜面に垂直な方向の磁化曲線を測定した。そのデータをもとに、Nd−Fe−B合金層のみが一様に磁化されるものと仮定して特性値を計算し、それによって得た残留磁束密度Brと保磁力HcJを内部応力と共に表4に示している。ここで、内部応力の負号は、薄膜に働いているのが引っ張り応力であり、正号は圧縮応力であることを表している。
【0057】
【表4】
Figure 0004457530
【0058】
表4からわかるように、実施例(試料No.13)の薄膜の内部応力は、単層のNd−Fe−B合金層のみを形成した比較例(試料No.12)の内部応力に比べて格段に小さい。この例では、比較例と実施例の試料共に、残留磁束密度が膜面内方向よりも膜面に垂直な方向により高い、いわゆる垂直磁化膜になっている。膜面に垂直な方向の磁気特性を比較してみると、実施例(試料No.13)は、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brのいずれについても、単層のNd−Fe−B合金層のみを形成した比較例(試料No.12)の特性を上回っている。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、シリコン単結晶基板を用い、正方晶R2Fe14B化合物を主体とする永久磁石薄膜の優れた磁気特性を損なうことなく、内部応力を著しく低減させることが可能となる。その結果、永久磁石薄膜を支持する単結晶シリコン基板に反りの少ない、機械精度に優れたマイクロアクチュエータやマイクロデバイス、磁気記録媒体等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における永久磁石薄膜を示す断面図である。
【図2】従来の永久磁石薄膜を示す断面図である。
【図3】表1における試料No.1の比較例の磁化曲線を示すグラフである。横軸が外部磁界の大きさを示し、縦軸が磁化強度を示している。
【図4】表1における試料No.7の実施例の磁化曲線を示すグラフである。横軸が外部磁界の大きさを示し、縦軸が磁化強度を示している。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板
2 高融点金属層
3 希土類合金磁性層
4 希土類合金磁性層

Claims (5)

  1. 基板に支持された永久磁石薄膜であって、
    前記基板に接して配置され、Taから形成された高融点金属層と、
    前記高融点金属層上に配置され、主たる構成相が正方晶R2Fe14B(Rは希土類元素)であり、かつ、磁気異方性を有している希土類合金磁性層と、
    を備え、
    前記基板は単結晶シリコンから形成され、
    前記高融点金属層の厚さは、前記希土類合金磁性層の厚さの1/200以上1/5以下であり、
    前記基板上に形成された永久磁石薄膜の内部応力の絶対値は、2×108Pa以下である永久磁石薄膜。
  2. 前記希土類合金磁性層の上に設けられた積層構造をさらに備え、
    前記積層構造は、高融点金属層および希土類合金磁性層を含み、
    前記高融点金属層は、Taから形成され、
    前記希土類合金磁性層の主たる構成相は、正方晶R2Fe14Bである、請求項1に記載の永久磁石薄膜。
  3. 前記積層構造の少なくとも一部が保護層で覆われている、請求項1または2に記載の永久磁石薄膜。
  4. 前記保護層は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWからなる群から選択された少なくとも1種類の材料から形成されている請求項3に記載の永久磁石薄膜。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の永久磁石薄膜を備えたマイクロマシーン。
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