JP2003016949A - プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネル及びその製造方法Info
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Abstract
画質化を図ることを目的とする。 【解決手段】 放電空間が間に形成されるように対向配
置した一対の前面パネル10及び背面パネル20と、こ
の前面パネル10及び背面パネル20間に複数の放電セ
ルが形成されるように配列して設けた少なくともAgを
含有する電極とを有し、かつ少なくとも前記前面パネル
10をフロート法によって製造されたガラス基板11に
より構成するとともに、ガラス基板11の表面に金属酸
化物層11aを形成した。これにより、電極端子間のA
gのマイグレーションとガラス基板の黄変を防止し、高
画質のプラズマディスプレイパネルが得られる。
Description
に用いるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと
いう)及びその製造方法に関するものである。
位、大画面テレビへの期待が高まっている。CRTは解
像度・画質の点でプラズマディスプレイや液晶に対して
優れているが、奥行きと重量の点で40インチ以上の大
画面には向いていない。一方液晶は、消費電力が少な
く、駆動電圧も低いという優れた性能を有しているが、
画面の大きさや視野角に限界がある。これに対して、プ
ラズマディスプレイは、大画面の実現が可能であり、す
でに40インチクラスの製品が開発されている(例え
ば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.2
7ページ)。
た表示装置の構成について、図7〜図10を用いて説明
する。
部を断面で示す斜視図であり、図8にそのPDPにおけ
る前面ガラス基板を取り除いた概略平面図を示してい
る。なお、図8においては表示電極群、表示スキャン電
極群、アドレス電極群の本数などについては分かり易く
するため一部省略して図示している。両図を参照しなが
らPDPの構造について説明する。
は、フロート法による硼硅素ナトリウム系ガラスよりな
る前面ガラス基板101と背面ガラス基板102とから
なり、前面ガラス基板101にはN本の表示電極103
とN本の表示スキャン電極104(N本目を示す場合は
その数字を付す)とが設けられ、その表示電極103及
び表示スキャン電極104上には誘電体ガラス層105
とMgOからなる保護層106が設けられることにより
前面パネルが構成されている。
のアドレス電極107群(M本目を示す場合はその数字
を付す)が設けられ、そのアドレス電極107上に誘電
体ガラス層108が形成されると共に、隔壁109が設
けられ、そしてその隔壁109間に蛍光体層110R、
110G、110Bを設けることにより、背面パネルが
構成されている。
とを周辺部に形成した気密シール層121により張り合
わせると共に、周辺部を封着し、前面パネルと背面パネ
ルとの間に形成される放電空間122内に放電ガスが封
入されることにより構成されている。なお、このような
構成のPDPにおいては、各電極103、104、10
7により3電極構造の電極マトリックスを有しており、
表示スキャン電極104とアドレス電極107との交点
に放電セルが形成されている。
(a)、(b)に示すように、前面ガラス基板101上
に透明電極111と銀電極112とから電極を形成した
ものと、前面ガラス基板101上に銀電極113からな
る電極を形成したものがある。
は、図10に示すようにPDP100の各電極に接続し
た表示ドライバ回路131、表示スキャンドライバ回路
132、アドレスドライバ回路133及びこれらの回路
の制御を行うコントローラ134からなる駆動装置13
5を設け、コントローラ134の制御に従い、点灯させ
ようとする放電セルにおいて表示スキャン電極104と
アドレス電極107に所定の波形の電圧を印加して、そ
の間でアドレス電極を行った後に、表示電極103と表
示スキャン電極104間にパルス電圧を印加して維持放
電を行う構成である。この維持放電により、当該放電セ
ルにおいて紫外線が発生し、この紫外線により励起され
た蛍光体層が発光することで、放電セルが点灯し、各色
セルの点灯、非点灯の組み合わせによって画像が表示さ
れる。
では各電極に銀(Ag)電極を使用しているため、PD
Pの駆動中(特に高温高湿中)に電極中のAgが対向す
る電極に向けてマイグレーション(移動)を起こし、端
子間がショートしたり、端子間に電流がリークしたりす
る課題がある。特に、前面ガラス基板や背面ガラス基板
に、ガラス成分中にナトリウム(Na)やカリウム
(K)を3重量%〜15重量%で含有するフロートガラ
スを用いると、Agのマイグレーションを特に高温高湿
中で加速することが知られている。
Pの電極引出し部を示しており、この図11に示すよう
に、従来のNTSC(VGA)仕様のPDPでは、電極
端子間の距離はアドレス電極107(1)と107
(2)の間の場合、160μm程度で、表示スキャン電
極104(1)と104(2)の間の場合、500μm
程度であるが、ハイビジョンやSXGAのような高精細
パネルでは、電極端子間の距離は、NTSC(VGA)
の1/2程度になると考えられる。そのため、電極間の
電解強度が2倍程度増大し、Agのマイグレーションが
益々起こり易くなる。
も、フロートガラスを基板に用いた場合、Ag電極の焼
成工程や誘電体ガラス層の焼成工程中に電極中のAgが
ガラス基板中あるいは誘電体中にAgイオンの形で拡散
し、そしてこの拡散したAgイオンがガラス基板中のス
ズ(Sn)イオンあるいはNaイオンや誘電体ガラス中
のナトリウム(Na)イオンあるいはPbイオンに還元
されてAgのコロイド粒子を折出する。いわゆるAgコ
ロイドによるガラスの黄変が発生し、(例えばJ.E.
SHELBY and J.VITKO.Jr. Jo
urnal ofNon Crystalline S
olids Vol.50(1982)107−11
7)パネルの画質を著しく劣化させるという課題があっ
た。特に、Agコロイドによる黄変は、400nmの波
長に吸収域があるため、青色の輝度の低下及び色度の悪
化が起こり、パネルの色温度が低下するという課題が発
生していた。
ョンやAgによる黄変を解決するために、ナトリウムを
含有するフロートガラス上にSiO2膜をコートする方
法が行われてきたが、SiO2膜の熱膨張係数が4.5
×10-6(1/℃)と、フロートガラスの8.0×10
-6(1/℃)より低いため、SiO2を成膜した後の焼
成工程で膜中にクラックが生じるため、耐マイグレーシ
ョン特性やAgによる黄変防止効果が不充分であった。
特にハイビジョンやSXGA等の高精細パネルにおいて
は、特に不充分であった。
になされたもので、パネルのマイグレーションの防止と
黄変の低減とを実現し、高輝度で高画質なPDPを提供
することを目的とする。
成するために、少なくとも前面パネルをフロート法によ
って製造されたガラス基板により構成するとともに、ガ
ラス基板の表面に金属酸化物層を形成したものである。
載の発明は、放電空間が間に形成されるように対向配置
した一対の前面パネル及び背面パネルと、この前面パネ
ル及び背面パネル間に複数の放電セルが形成されるよう
に配列して設けた少なくともAgを含有する電極とを有
し、かつ少なくとも前記前面パネルをフロート法によっ
て製造されたガラス基板により構成するとともに、ガラ
ス基板の表面に金属酸化物層を形成したことを特徴とす
る。
物層は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタニウ
ム(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニ
オブ(Nb2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化アンチ
モン(Sb2O3)、酸化インジウム(In2O3)、酸化
ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、
酸化亜鉛(ZnO)のうちのいずれか1種以上から成る
ことを特徴とする。
化物層は、4価のスズを含有する酸化物であることを特
徴とし、請求項4に記載の発明は、4価のスズを含有す
る酸化物は、MgO、CaO、SrO、BaO、TiO
2、SiO2とSnO2との固溶体であることを特徴とす
る。また、請求項5に記載の発明は、4価のスズを含有
する酸化物は、チタン酸スズ(SnTiO4)、硅酸ス
ズ(SnSiO2)、スズ酸マグネシウム(MgSn
O3)、スズ酸カルシウム(CaSnO3)、スズ酸スト
ロンチウム(SrSnO3)、スズ酸バリウム(BaS
nO3)のうちのいずれか1種以上から成ることを特徴
とする。
物層は、異なる金属酸化物層を積層形成したものであ
り、請求項7に記載の発明は、金属酸化物層は、下層に
Al2O3、TiO2、ZrO2、Nb2O3、SnO2、S
b2O3、In2O3、HfO2、Ta2O5、ZnO、Sn
TiO4、SnSiO2、MgSnO3、CaSnO3、S
rSnO3、BaSnO3のうちのいずれか1種を形成
し、その上にAl2O3、あるいはSiO2を積層したも
のである。
間が間に形成されるように対向配置した一対の前面パネ
ル及び背面パネルと、この前面パネル及び背面パネル間
に複数の放電セルが形成されるように配列して設けた少
なくともAgを含有する電極とを有し、かつ少なくとも
前記前面パネルをフロート法によって製造されたガラス
基板により構成するとともに、ガラス基板の表面にスパ
ッタ法、CVD法あるいはディップ法で金属酸化膜を形
成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
製造方法である。
が間に形成されるように対向配置した一対の前面パネル
及び背面パネルと、この前面パネル及び背面パネル間に
複数の放電セルが形成されるように配列して設けた少な
くともAgを含有する電極とを有し、かつ少なくとも前
記前面パネルをフロート法によって製造されたガラス基
板により構成したプラズマディスプレイパネルの製造方
法において、フロート法によって製造されたガラス基板
表面に金属酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜上に透
明電極膜をスパッタ法で形成する工程と、前記透明電極
膜をフォトリソ法でパターニングして、透明電極を形成
する工程と、前記透明電極上に感光性銀材料を用いてフ
ォトリソ法でバス電極を形成する工程とを有するプラズ
マディスプレイパネルの製造方法である。
作製されたナトリウムを含有するガラス基板上に、熱膨
張係数がそのガラス基板に近い金属酸化物層を形成し、
その上に少なくともAgを含有する金属電極を形成する
ことにより、電極端子間におけるAgのマイグレーショ
ンを防止することができ、また次の誘電体の塗布焼成工
程を経ても、電極によるガラス基板や誘電体の黄変を抑
制することができる。そして、これにより従来のAg電
極を用いたパネルに比べて、信頼性を高めることができ
るとともに、青色の輝度及び色度を向上させることがで
き、高画質のパネルが得られる。なお、PDPにおいて
は、電極に透明電極を用いずAgが用いられている場合
には、ガラス基板上に金属酸化物層を1層あるいは2層
スパッタリング法、CVD法、ディップコート法、スプ
レー熱分解法等によって形成した後、感光性のAgペー
ストを用いて、フォトリソグラフィー法によって電極形
状パターンを作製し、次にこれを焼成してAg電極を作
製する。また、透明電極(ITO)を用いる場合は、ガ
ラス基板上に金属酸化物層を1層あるいは2層スパッタ
リング法、CVD法、ディップコート法、スプレー熱分
解法等によって形成した後、その上にITOやネサ膜を
スパッタリング法で成膜し、その後フォトリソ法でIT
Oを電極形状にエッチングして透明電極を形成し、次に
このITO電極パターンのバス電極として、ITO上に
Ag電極を同じくフォトリソグラフィー法を用いて形成
する。
について、図面を用いて説明する。
面放電型PDPを示す図であり、図1(a)は要部を示
す斜視図、図1(b)、(c)はそれぞれ図1(a)の
放電電極部分の詳細図であり、図1(b)は、図1
(a)におけるX−X線矢視断面図、図1(c)は、図
1(a)におけるY−Y線矢視断面図である。なお、こ
れらの図では便宜上セルが3つだけ示されているが、実
際には赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する
セルが多数配列されてPDPが構成されている。
によるPDPは、前面パネル10と背面パネル20とを
張り合わせ、前面パネル10と背面パネル20の間に形
成される放電空間30内に放電ガスを封入した構成であ
る。
よって作製されかつ表面に金属酸化物層(図示せず)が
形成されたフロントカバープレートとしての前面ガラス
基板11上に、放電ギャップを設けて形成した一対の走
査電極及び維持電極からなる放電電極12を複数配列し
て形成し、その上に誘電体ガラスペーストをダイコート
法、あるいはブレードコート法にて塗布した後焼成して
作製した誘電体ガラス層13を形成し、さらにこの表面
上に酸化マグネシウムからなる保護層14を形成するこ
とによって構成されている。また、図示していないが、
放電電極12を構成する走査電極及び維持電極それぞれ
は、放電ギャップを設けて形成したITOなどの透明電
極とこの透明電極に通電するための抵抗値の低い少なく
ともAgを含む金属電極のバス電極とから構成されてい
る。
って作製されかつ表面に金属酸化物層(図示せず)が形
成されたバックプレートとしての背面ガラス基板21上
に、少なくともAgを含む金属電極からなるアドレス電
極22を前記放電電極12と交差するように複数列配列
して形成し、その上に前記誘電体ガラス層13と同様に
して、誘電体ガラス層23を形成するとともに、前記放
電空間30を複数の空間に仕切るための隔壁24をアド
レス電極22間に形成し、そしてその隔壁24間にR、
G、Bの各色の蛍光体層25を形成することにより構成
されている。
20との間には、放電電極12とアドレス電極22とが
交差する箇所に隔壁24によって仕切られた複数の放電
セルが形成されている。
方法について、詳細に説明する。まず、前面パネル10
の製造方法について説明する。
ート法によって作製された前面ガラス基板11表面に金
属酸化膜を形成し、その上に放電電極12を形成すると
ともに、その放電電極12を軟化点が600℃以下のガ
ラス粉末を用いて作製された誘電体ガラス層13で覆
い、この表面上に酸化マグネシウムからなる保護層14
を形成することによって作製される。
ト法によって作製された前面ガラス基板11上に作製す
る。
成について 図2は金属酸化物層をアルカリ含有のフロートガラス基
板上に形成する際に用いるスパッタ装置の概略図であ
る。このスパッタ装置40は、スパッタ装置本体41の
中にガラス基板42(図1における前面ガラス基板1
1)を加熱するヒータ部43が設けられ、スパッタ装置
本体41内は排気装置44で減圧にすることができるよ
うに構成されている。また、スパッタ装置本体41の中
には、プラズマを発生させるための高周波電源45に接
続された電極46が設置され、金属酸化物の原料となる
酸化物(TiO2、Al2O3、あるいはNb2O5、Ba
SnO3、SnO2、Sb2O3、In2O3、SnTi
O4、SnSiO2等のターゲット47が取り付けられ
る。
るアルゴン(Ar)ガスを、スパッタ装置本体41に供
給するものである。酸素ボンベ49は、反応ガスである
酸素(O2)をスパッタ装置本体41に供給するもので
ある。
グを行う場合、ヒータ部43の上に、誘電体層を上にし
てガラス基板42を置き、所定の温度(250℃)に加
熱すると共に、反応容器内を排気装置44で減圧にする
(10-2Pa程度)。次にArを装置内に導入し、高周
波電源45を駆動して13.56MHzの高周波電界を
印加することにより、スパッタ装置本体41内で金属酸
化物をスパッタさせながら、金属酸化物層を形成する。
本実施の形態では、スパッタ法で0.05〜1μmの厚
みに形成している。
について 図3は金属酸化物層をフロートガラス基板上に形成する
際に用いるCVD装置の概略図である。
ズマCVDのいずれも行うことができるものであって、
CVD装置本体51の中には、ガラス基板52(図1に
おける前面ガラス基板11)を加熱するヒータ部53が
設けられ、CVD装置本体51内は排気装置54で減圧
にすることができるように構成されている。また、CV
D装置本体51の中にプラズマを発生させるための高周
波電源55に接続された電極56が設置されている。
アであるアルゴン(Ar)ガスを、気化器(バブラー)
58a、58bを経由してCVD装置本体51に供給す
るものである。気化器58a、58bは、金属酸化物の
原料(ソース)となる金属キレートを加熱して貯え、A
rガスボンベ57a、57bからArガスを吹き込むこ
とによって、この金属キレートを蒸発させてCVD装置
本体51に送り込むことができるようになっている。
トンジルコニウム〔Zr(C5H7O 2)2〕、ジルコニウ
ムジピバブロイルメタン〔Zr(C11H19O2)2〕であ
る。その他の金属酸化物も同様な金属キレートが考えら
れる(Zrの所が、Al、Si、Sn、Sb、Ba、I
n、Hf、Zn、Ca等のアセチルアセトンやジピバブ
ロイルメタン)。
(O2)をCVD装置本体51に供給するものである。
合、ヒータ部53の上に誘電体層側を上にしてガラス基
板52を置き、所定の温度(250℃)に加熱すると共
に、反応容器内を排気装置54で減圧にする(数十To
rr程度)。
ウムよりZr2を形成する時は気化器58aを、Alジ
ピバブロイルメタンよりAl2O3を形成する時は気化器
58bをそれぞれ用い、ソースとなるキレートを、所定
の気化温度に加熱しながら、Arガスボンベ57aまた
はArガスボンベ57bからArガスを送り込む。ま
た、これと同時に、酸素ボンベ59から酸素を流す。
り込まれるキレート化合物が、酸素と反応し、ガラス基
板52上に金属酸化物膜が形成される。
CVDを行う場合も、熱CVDの場合とほぼ同様に行う
が、ヒータ部53によるガラス基板52の加熱温度は2
50℃程度に設定し、排気装置54を用いて反応容器内
を1330Torr(176.89kPa)程度に減圧
し、高周波電源55を駆動して13.56MHzの高周
波電界を印加することより、CVD装置本体51内にプ
ラズマを発生させながら、金属酸化物層を形成する。な
お、酸化物の複合膜を形成する場合は、キレートを混合
して使用する。
D法によって金属酸化物層を形成すれば、緻密な層を形
成することができる。なお、SnTiO4をコーティン
グするために、このCVD装置を用いて行ったSnTi
O4を生成するための原料ガスは、テトラエトキシシラ
ン(TEOS)チタニウムアセチルアセトンと酸素ガス
を用いた。
酸化物層の形成について 図4はアルカリが含有するフロート法で得られたガラス
基板上に金属酸化物層を形成する際に用いるディップ装
置の概略図である。
体61の中に金属キレート(アセチルアセトン、アルコ
キド等)を有機溶剤に溶解した溶液62(ディップ液)
が入っており、ガラス基板63をこの溶液につけて引き
上げた後、乾燥、焼成することで得られる。
ルコニウム、ジルコニウムジピバブロイルメタン、ジル
コニウムアルコキシド等を用いる。アチルアセトン金属
キレートとしては、M〔(C5H7O2)2〕(ただしM
は、Zr、Al、Ti、Zn、Si)がある。ジピバブ
ロイルメタンとしてはM〔(C11H19O2)2〕(ただし
Mは、Zr、Al、Ti、Zn、Si、Sn、Mo、
W、Ta、Hf、Sb、In)がある。
ルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類を使
用する。焼成温度は400℃〜600℃で焼成する。
O2、Al2O3、TiO2、ZnO、SnO2、Ta
2O5、HfO2、Sb2O5、In2O3の熱膨張係数は、
70×10-6〜90×10-6(1/℃)であり、Naを
含有するフロート法によるガラス基板の熱膨張係数80
×10-6(1/℃)に近い。また、金属酸化物の厚み
は、1層、2層合わせて0.1μm〜1.0μmが必要
である。
形成された金属酸化物層上に形成する。次に、放電電極
の作製方法について、図5(a)、(b)に示す2つの
方法を説明する。
基板11の全面に、1層または2層の金属酸化物層11
aを0.1μm〜1μmの厚みでスパッタリング法、C
VD法、ディップコーティング法で形成した後、感光性
のAgペースト70を全面に塗布し、マスク71を配置
して露光、現像、エッチングのフォトリソグラフィー法
でAg電極となるべき所をパターニングする。その後こ
れを焼成して、金属電極72を形成して表示電極とす
る。
ガラス基板11の全面に、1層または2層の金属酸化物
層11aを0.1μm〜1μmの厚みでスパッタリング
法、CVD法、ディップコーティング法で形成した後、
全面にスパッタ法でITO(酸化インジウム−スズ透明
導電膜)73を0.1μm〜0.2μmの膜厚でスパッ
タリング法で形成する。次に、レジスト74を形成した
後、マスク75を配置して露光、現像、エッチングのフ
ォトリソグラフィー法を用いてITO73のパターニン
グを行う。その後、図5(a)と同様に、感光性のAg
ペースト70をITO73上から全面に形成し、マスク
76を配置して露光、現像、エッチングのフォトリソグ
ラフィー法でAg電極となるべき所をパターニングし、
その後これを焼成して、バス電極77を形成して、表示
電極とする。
いて説明する。この誘電体ガラス層13は、以下のよう
にして金属酸化物層がコートされた前面ガラス基板11
及び放電電極12上に形成する。
硝子(株)製 商品名PLS−3244 PbO−B2
O3−SiO3−CaO系ガラス熱膨張係数78×10-6
(1/℃)をジェットミルで平均粒径が1.5μmまで
粉砕する。次にこのガラス粉末35重量%〜70重量%
とエチルセルロースを5重量%〜15重量%を含むター
ピネオール、ブチルカルビトールアセテート、あるいは
ペンタンジオールから成るバインダー成分30重量%〜
65重量%を、ジェットミルでよく混練し、ダイコート
用ペーストを作製する(またペースト混練中には界面活
性剤を0.1重量%〜3.0重量%添加して、ガラス粉
体の分散性の向上や沈降防止効果を向上させている)。
1、電極12上に印刷法やダイコート法で塗布し、次に
乾燥後、ガラスの軟化点より少し高い550℃〜590
℃で焼成する。
について説明する。この保護層14を形成する際に用い
るスパッタ装置は、図2に示す装置と同様な装置であ
り、図2に示すスパッタ装置において、ターゲット47
に保護層の原料となる酸化マグネシウム(MgO)、あ
るいはMgを取り付け、酸素ボンベ49から反応ガスで
ある酸素(O2)をスパッタ装置本体41に供給する。
を行う場合、ヒータ部43の上に、誘電体層を上にして
ガラス基板42を置き、所定の温度(250℃)に加熱
すると共に、反応容器内を排気装置44で減圧にする
(10-3Torr(133×10-3KPa)程度)。次
にArを装置内に導入し、高周波電源45を駆動して1
3.56MHzの高周波電界を印加することにより、ス
パッタ装置本体41内でMgOあるいはMgをスパッタ
させながらMgOからなる保護層14を形成する。本実
施の形態では、スパッタ法で1.0μmの厚みにMgO
を形成している。
て、説明する。
ガラス基板への金属酸化物層の形成方法及びAg電極の
形成方法と同様の方法で、第2の電極としてのアドレス
電極22を形成し、その上に前面パネル10の場合と同
様の種類の平均粒子径(1.5μm)と粒度分布を有す
るガラス粉末に、平均粒子径が0.1μm〜0.5μm
の酸化チタンTiO2を添加した白色誘電体ガラス層2
3を形成する。この白色誘電体層の形成方法や誘電体イ
ンキペーストの作製方法は、前面パネルの誘電体ガラス
と同様の方法であり、白色誘電体層の焼成温度は、54
0℃〜580℃とした。
ト法によって隔壁24を所定のピッチで形成し、この隔
壁24に挟まれた各空間内に、赤色(R)蛍光体、緑色
(G)蛍光体、青色(B)蛍光体がそれぞれ順次配列さ
れるように蛍光体層25を形成する。R、G、B各色の
蛍光体としては、一般的にPDPに用いられている蛍光
体を用いることができるが、ここでは次の蛍光体を用い
る。
について図6を用いて説明する。先ず、平均粒径2.0
μmの赤色蛍光体であるY2O3:Eu3+粉末50重量
%、エチルセルローズ5.0重量%、溶剤(α−ターピ
ネオール)45重量%から成る蛍光体混合物をサンドミ
ルで混合撹はんし、1.0Pas(パスカルセック)と
した塗布液81を準備し、その塗布液81をサーバー8
2内に入れ、ポンプ83の圧力で噴射装置のノズル径6
0μmのノズル部84からストライプ形状の隔壁24内
に流し込むとともに、基板を直線状に移動させて、赤色
の蛍光体ライン85を形成する。同様にして、青色(B
aMgAl10O17:Eu2+)、緑色(Zn2SiO4:M
n)の各蛍光体ライン85を形成し、その後、500℃
で10分間焼成し、蛍光体層25を形成する。
の張り合わせによりPDPを作製するのであるが、ま
ず、前述のようにして作製した前面パネル10と背面パ
ネル20との周辺部を封着用ガラスを用いて張り合わせ
ると共に、周辺部を封着用ガラスにより封着し、その後
隔壁24で仕切られた放電空間30内を高真空(1×1
0-4Pa)に排気した後、所定の組成の放電ガスを所定
の圧力で封入することによってPDPが完成される。
極(表示電極及びアドレス電極)の下地層が熱膨張係数
がフロート法によるガラス基板に近いためクラックがな
く、またガラス基板の表面には緻密な金属酸化物層が存
在するため、電極層が酸化物層及び誘電体ガラス層と緻
密に結合し、フロートガラスからのNaイオンやSnイ
オンの拡散を抑制することができ、これによりパネル動
作時のAgのマイグレーションがなく、しかも色差計の
b値が−1.6〜−1.0の範囲というようにAg電極
による黄変や変色が少ないPDPを得ることができる。
イズは、40インチクラスのSXGAに適合するよう
に、セルピッチを0.16mm、放電電極12の電極間
距離dを0.1mm、取り出し電極の端子間距離をアド
レス電極部で80μm、放電電極間で250μmに設定
した。また、封入する放電ガスの組成は、従来から用い
られているNe−Xe系であるが、Xeの含有量を5体
積%以上に、封入圧力は66.5KPa〜100KPa
に設定することで、セルの発光輝度の向上を図った。
属酸化物層が全面にコートされた基板上に各電極を形成
することで、電極のAgによるマイグレーションやガラ
ス基板の黄変を低減でき、これにより高い信頼性のあ
る、しかも高い色温度のPDPが得られる。
て、PDPを試作し、そのPDPの特性について、実験
した結果を示している。なお、表1に示した試料No.
1〜No.32のPDPは、前記実施の形態に基づい
て、放電電極として金属酸化物上あるいはITO上に、
少なくともAgを含む金属電極を形成し、その上から誘
電体ガラスペーストをダイコート法や印刷法で塗布した
後焼成して得られる膜厚が20μm〜40μmの誘電体
ガラス層で覆い、上記で説明したPDPを試作した。こ
のPDPのセルサイズは、42インチのSXGA用のデ
ィスプレイに合わせて、隔壁24の高さは0.15m
m、隔壁24の間隔(セルピッチ)は0.16mmに設
定し、放電電極12の電極間距離dは0.10mmに設
定した。また、Xeの含有量は5体積%のNe−Xe系
の混合ガスを封入圧75KPa(560Torr)で封
入した。MgOからなる保護層14の形成方法について
は、保護層をスパッタ法で作製した。
Pは、前面パネルの誘電体ガラス層にPbO−B2O3−
SiO2−CaO系ガラスを用い、背面パネルの誘電体
ガラス層には、前面パネルと同一のガラス組成に酸化チ
タン(TiO2)を添加した誘電体を用いた。なお、誘
電体ガラスについては、Bi2O3系、ZnO系でも同じ
結果が得られた。
No.1〜32のPDPについて、パネルの点灯実験を
行った。この時、表示電極間(維持電極間)は180
V、アドレス電極間は80Vの電位差になっていた。ま
た、パネルの点灯実験の雰囲気は60℃、95%の相対
湿度中で行い、100時間後のマイグレーションの有
無、耐圧不良の有無を調査した。
のパネルの表示電極間のマイグレーションとアドレス電
極間のマイグレーションの測定結果では、従来例のパネ
ル(表1中、試料No.16、32)が100時間で、
Agのマイグレーションや耐圧不良(絶縁不良)を示し
ているのに対して、本発明のサンプル(表1中、試料1
〜15、17〜31)は、マイグレーションや耐圧不良
が生じない。
No.1〜32のPDPについて、特にパネルの画質に
重要な第1電極上の誘電体ガラス層を含む、ガラス基板
について色差計〔日本電色工業(株)品番NF777〕
を用いて、ガラスの着色度合を示すa値、b値の値〔J
IS Z8730色差表示方法〕を測定した。a値は+
方向に大きくなると赤色が強く、−方向に大きくなると
緑色が強くなり、b値は+方向に大きくなると黄色が、
−方向に大きくなると青色が強くなる。a値が−5〜+
5の範囲、b値が−5〜+5の範囲であれば、ガラス基
板の着色(黄変)はほとんど見えない。特にb値が10
を超えると黄変が目立って来る。パネルの画面全白時の
色温度は、マルチチャンネル分光計〔大塚電子(株)M
CPD−7000〕により測定した。
のパネル(前面ガラス基板)のa値、b値の測定結果、
及びパネルの色温度の測定結果では、従来例のパネル
(表1中、試料No.16、32)のb値(黄変度合)
が+5.5及び+16.3であるのに対して、本発明
は、b値が−1.6〜+1.0と低い値(黄変がほとん
どない)になっており、変色の少ない優れたパネルが得
られる。また、従来のパネルの(表1中、試料No.1
6、32)色温度の値が7250゜K、6450°Kで
あるのに対して、本発明のパネルの色温度は、9100
〜9500°Kで色温度が高く、色再現性の良い、あざ
やかな画面のパネルが得られる。
マディスプレイパネルは、放電空間が間に形成されるよ
うに対向配置した一対の前面パネル及び背面パネルと、
この前面パネル及び背面パネル間に複数の放電セルが形
成されるように配列して設けた少なくともAgを含有す
る電極とを有し、かつ少なくとも前記前面パネルをフロ
ート法によって製造されたガラス基板により構成すると
ともに、ガラス基板の表面に金属酸化物層を形成したこ
とによって、電極にAgを用いてもAg電極中のAgの
マイグレーションを防止することができると共に、Ag
コロイドの折出による黄変を防止することができ、これ
により信頼性が高く色温度の高いパネルを得ることがで
きる。
ィスプレイパネルの要部斜視図 (b)前記プラズマディスプレイパネルのX−X線矢視
断面図 (c)前記プラズマディスプレイパネルのY−Y線矢視
断面図
レイパネルを製造する際に用いるスパッタリング装置の
概略図
レイパネルを製造する際に用いるCVD装置の概略図
レイパネルを製造する際に用いるディッピング装置の概
略図
レイパネルの電極の形成方法を示すフローチャート
レイパネルを製造する際に用いる蛍光体塗布装置の概略
図
構造を示す部分断面斜面図
を除いた平面図
スプレイパネルの電極構成例を示す断面図
置のブロック図
イパネルの要部を示す平面図
Claims (9)
- 【請求項1】 放電空間が間に形成されるように対向配
置した一対の前面パネル及び背面パネルと、この前面パ
ネル及び背面パネル間に複数の放電セルが形成されるよ
うに配列して設けた少なくともAgを含有する電極とを
有し、かつ少なくとも前記前面パネルをフロート法によ
って製造されたガラス基板により構成するとともに、ガ
ラス基板の表面に金属酸化物層を形成したことを特徴と
するプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項2】 金属酸化物層は、酸化アルミニウム(A
l2O3)、酸化チタニウム(TiO2)、酸化ジルコニ
ウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb2O3)、酸化スズ
(SnO2)、酸化アンチモン(Sb2O3)、酸化イン
ジウム(In2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸
化タンタル(Ta2O5)、酸化亜鉛(ZnO)のうちの
いずれか1種以上から成ることを特徴とする請求項1記
載のプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項3】 金属酸化物層は、4価のスズを含有する
酸化物であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ
ディスプレイパネル。 - 【請求項4】 4価のスズを含有する酸化物は、Mg
O、CaO、SrO、BaO、TiO2、SiO2とSn
O2との固溶体であることを特徴とする請求項3記載の
プラズマディスプレイパネル。 - 【請求項5】 4価のスズを含有する酸化物は、チタン
酸スズ(SnTiO4)、硅酸スズ(SnSiO2)、ス
ズ酸マグネシウム(MgSnO3)、スズ酸カルシウム
(CaSnO3)、スズ酸ストロンチウム(SrSn
O3)、スズ酸バリウム(BaSnO3)のうちのいずれ
か1種以上から成ることを特徴とする請求項3記載のプ
ラズマディスプレイパネル。 - 【請求項6】 金属酸化物層は、異なる金属酸化物層を
積層形成したものである請求項1記載のプラズマディス
プレイパネル。 - 【請求項7】 金属酸化物層は、下層にAl2O3、Ti
O2、ZrO2、Nb2O3、SnO2、Sb2O3、In2O
3、HfO2、Ta2O5、ZnO、SnTiO4、SnS
iO2、MgSnO3、CaSnO3、SrSnO3、Ba
SnO3のうちのいずれか1種を形成し、その上にAl2
O3、あるいはSiO2を積層したものである請求項6記
載のプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項8】 放電空間が間に形成されるように対向配
置した一対の前面パネル及び背面パネルと、この前面パ
ネル及び背面パネル間に複数の放電セルが形成されるよ
うに配列して設けた少なくともAgを含有する電極とを
有し、かつ少なくとも前記前面パネルをフロート法によ
って製造されたガラス基板により構成するとともに、ガ
ラス基板の表面にスパッタ法、CVD法あるいはディッ
プ法で金属酸化膜を形成することを特徴とするプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項9】 放電空間が間に形成されるように対向配
置した一対の前面パネル及び背面パネルと、この前面パ
ネル及び背面パネル間に複数の放電セルが形成されるよ
うに配列して設けた少なくともAgを含有する電極とを
有し、かつ少なくとも前記前面パネルをフロート法によ
って製造されたガラス基板により構成したプラズマディ
スプレイパネルの製造方法において、フロート法によっ
て製造されたガラス基板表面に金属酸化膜を形成する工
程と、前記酸化膜上に透明電極膜をスパッタ法で形成す
る工程と、前記透明電極膜をフォトリソ法でパターニン
グして、透明電極を形成する工程と、前記透明電極上に
感光性銀材料を用いてフォトリソ法でバス電極を形成す
る工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方
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