JPH11329254A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

Info

Publication number
JPH11329254A
JPH11329254A JP10127989A JP12798998A JPH11329254A JP H11329254 A JPH11329254 A JP H11329254A JP 10127989 A JP10127989 A JP 10127989A JP 12798998 A JP12798998 A JP 12798998A JP H11329254 A JPH11329254 A JP H11329254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
electrode
oxide
glass
plasma display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10127989A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Aoki
正樹 青木
Yasuhisa Ishikura
靖久 石倉
Katsuyoshi Yamashita
勝義 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10127989A priority Critical patent/JPH11329254A/ja
Priority to EP03075263A priority patent/EP1310975A3/en
Priority to DE69935882T priority patent/DE69935882T2/de
Priority to EP99303665A priority patent/EP0957502B1/en
Priority to US09/309,428 priority patent/US6439943B1/en
Priority to KR1019990016882A priority patent/KR19990088205A/ko
Publication of JPH11329254A publication Critical patent/JPH11329254A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルにおける絶縁耐
圧の課題等を克服することによって、精細なセル構造の
場合にも高輝度で信頼性が高いようにする。 【解決手段】 第1の電極12が形成された前面ガラス
基板11を備えた前面パネル10と、第2の電極22が
形成された背面ガラス基板21を備えた背面パネル20
とを有したプラズマディスプレイパネルである。第1の
電極12上と第2の電極22上との少なくともいずれか
一方に、平均粒径0.1μm〜1.5μmでその最大粒
径が平均粒径の3倍をこえないガラス粉を用いて焼結さ
れた誘電体ガラス層13、23が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルに関し、特に誘電
体層の改良及び誘電体ガラス層の材料の改良を図ったプ
ラズマディスプレイパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンをはじめとする高品
位、大画面テレビへの期待が高まっている。このような
テレビのための表示デバイスとして、従来、CRTや液
晶やプラズマディスプレイが用いられている。このう
ち、CRTは、解像度・画質の点でプラズマディスプレ
イや液晶に対して優れているが、奥行きと重量の点で4
0インチ以上の大画面には向いていない。一方液晶は、
消費電力が少なく、駆動電圧も低いという優れた性能を
有しているが、画面の大きさや視野角に限界がある。こ
れに対して、プラズマディスプレイは、大画面の実現が
可能であり、すでに40インチクラスの製品が開発され
ている(例えば、「機能材料」1996年2月号Vo
l.16、No.2 7ページ)。
【0003】図7は、従来の交流型(AC型)のプラズ
マディスプレイパネルの要部斜視図を示したものであ
る。この図7において、51は、フロート法による硼硅
酸ナトリウム系ガラスよりなる前面ガラス基板、すなわ
ちフロントカバープレートである。この前面ガラス基板
51の表面には、銀電極からなる表示電極52が形成さ
れている。また前面ガラス基板51の表面には、表示電
極52の表面を含んで誘電体ガラス層53が形成され、
この誘電体ガラス層53の表面を酸化マグネシウム(M
gO)誘電体保護層54が覆っている。誘電体ガラス層
53は、コンデンサの働きをする平均粒径2μm〜15
μmのガラス粉末を用いて形成されている。
【0004】55は背面ガラス基板すなわちバックプレ
ートであり、この背面ガラス基板55の表面にアドレス
電極(ITOと銀電極)56、誘電体ガラス層57が設
けられ、さらにその表面に隔壁58、蛍光体層59が設
けられている。そして、隔壁58間が、放電ガスを封入
する放電空間60となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年期待されているフ
ルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルは、画素
数が1920×1125となり、ドットピッチも、42
インチクラスで、0.15mm×0.48mmである。
このため、1セルの面積は0.072mm2 の細かさに
なる。この1セルの面積は、同じ42インチの大きさで
ハイビジョンテレビを作製したときに、従来のNTSC
(画素数640×480個、ドットピッチ0.43mm
×1.29mm、1セルの面積0.55mm2 )と比較
すると、1/7〜1/8の細かさとなる。
【0006】従って、フルスペックのハイビジョンテレ
ビでは、パネルの輝度が低くなってしまう(例えば、
「ディスプレイアンドイメージング」 1997、Vo
l.6、pp.70)。
【0007】また、放電電極すなわち表示電極間距離が
短くなるばかりでなく放電空間も狭くなる。このため、
特に誘電体ガラス層53、57は、セル面積が減少する
ために、コンデンサとしての同一容量を確保しようとす
れば、その膜厚を従来よりも薄くすることが必要とな
る。
【0008】ところが、従来使用されている軟化点が5
50〜600℃の誘電体ガラス(酸化鉛系ガラスまたは
酸化ビスマス系ガラス)は、使用されている粉末ガラス
の粒径が2μm〜15μmと大きいため、550〜65
0℃で焼成(焼結)した場合に、ガラスの表面粗さが5
〜6μmの荒い面となる。このため、スリガラス状とな
って可視光の乱反射が発生したり、誘電体中に気泡やピ
ンホールが発生しやすくなる。そのため、可視光の透過
率が低下したり、誘電体ガラス層53の耐圧が低下した
りしている(例えば、特開平9−50769号公報)。
【0009】もちろん、誘電体中の気泡やピンホールを
なくすためには、誘電体ガラスの焼成温度を高くすれば
良い。例えば、ガラスの軟化点より150℃以上高く、
約650℃以上で焼成するのが良い。しかし、この場合
は、電極材料であるITO、Ag、Cr、Cuと誘電体
ガラスとが反応してしまい、耐圧が低下したり、誘電体
が着色してしまって、プラズマディスプレーパネルとし
て好ましくない。すなわち、Ag、Cr、Cuを使用す
る場合は、650℃以下で焼成することが必要となる。
【0010】そのため、誘電体ガラス層53、57を軟
化点の異なる2種類のガラス層で形成する方法が開発さ
れている(例えば、特開平9−50769号公報)。す
なわち、2層構成の下地層に、気泡や表面の凹凸は発生
するが電極と反応しない、軟化点が550〜600℃の
ガラス層を、550〜600℃で焼成し、次に上層に
は、550〜600℃で焼成すると、気泡や表面荒れは
ないが、電極とは反応する軟化点が450〜500℃の
ガラス層を焼成して、所要の誘電体を得る方法が開発さ
れている。
【0011】このような2層構造とすることで、可視光
の透過率と絶縁耐圧性の向上とを図っている。しかし、
このような2層構造では、誘電体ガラス層53、57を
作成する工程が繁雑になるばかりか、15μm以下の薄
い誘電体膜を形成するのが困難になる。
【0012】それに加えて、従来のプラズマディスプレ
イパネルにおいては、図7に示すように表示電極52及
びアドレス電極56がそれぞれ前面ガラス基板51及び
背面ガラス基板55上に作製されていたため、通常、電
極52、56が誘電体ガラス層53、57側にその厚み
相当分だけ突入している。このため、誘電体ガラス層5
3、57における電極52、56の周辺で電界が局所的
に大きくなりやすい。例えば、表示電極52とアドレス
電極56との間に信号を送る時すなわちアドレス放電を
おこす時などに絶縁破壊を惹起しやすいという、絶縁耐
圧の点での課題がある。
【0013】この問題を解決するために、電極と誘電体
ガラス層との間に、中間膜として、ゾルゲル法によるS
iO2 やAl2 3 を、スピンコート法や浸漬法すなわ
ちデッピング法によって、500〜10000Åの厚み
で形成する方法が開発されている。しかし、十分な特性
は得られていない(例えば、特開昭62−194225
号公報)。また、工程も増加するという課題がある。
【0014】そこで本発明は、このような絶縁耐圧の課
題等を克服することによって、精細なセル構造の場合に
も高輝度で信頼性の高いプラズマディスプレイパネルを
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、フロントカバープレートの第1の電極と
バックプレートの第2の電極との少なくともいずれか一
方の電極上に、平均粒径が0.1μm〜1.5μmで最
大粒径が平均粒径の3倍を越えないガラス粉を用いて焼
結された誘電体ガラス層を形成したものである。
【0016】これにより、電極との反応なしに、誘電体
ガラスの表面荒れ(表面の凹凸)が少なく、気泡やピン
ホールのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形成
できる。
【0017】また、このように平均粒径が細かく、その
うえに最大粒径が平均粒径の3倍を越えない粒度分布の
そろったガラス粉体を使用することで、可視光の透過率
が向上し、しかも誘電体ガラス層を15μm以下にして
も絶縁耐圧が良好で、高い輝度、効率のパネルが得られ
る。
【0018】すなわち、ガラス粉末の粒径を細かくし、
しかも粒度分布をそろえることで、ガラス粒子の焼結性
が高められ、表面が平滑で、ガラス内に内在する気泡が
0.5μm以下で均一に分布した状態が得られるため、
15μm以下の誘電体ガラス層を形成しても、絶縁破壊
されにくい信頼性の高い誘電体層を薄く形成できる。し
たがって放電電圧を低くすると同時に、誘電体の絶縁耐
圧の向上を図ることができる。
【0019】また、誘電体層を薄くすることによって、
パネルの輝度の向上も図ることができる。ただし、あま
りガラスの粒径を細かくして0.1μm未満にすると、
焼成時に有機バインダーの成分が誘電体ガラス層内に閉
じ込められてしまうので、好ましくない。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、第1の
電極が形成されたフロントカバープレートを備えた前面
パネルと、第2の電極が形成されたバックプレートを備
えた背面パネルとを有したプラズマディスプレイパネル
において、前記第1の電極上と第2の電極上との少なく
ともいずれか一方に、平均粒径0.1μm〜1.5μm
でその最大粒径が平均粒径の3倍をこえないガラス粉を
用いて焼結された誘電体ガラス層が形成されているよう
にしたものである。
【0021】これによれば、電極との反応なしに、誘電
体ガラスの表面荒れが少なく、気泡やピンホールのない
誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形成でき、また、
このように平均粒径が細かく、そのうえに最大粒径が平
均粒径の3倍を越えない粒度分布のそろったガラス粉体
を使用することで、可視光の透過率が向上し、しかも誘
電体ガラス層を15μm以下にしても絶縁耐圧が良好
で、高い輝度、効率のパネルが得られる。
【0022】請求項2記載の本発明は、ガラス粉が、酸
化鉛系ガラス粉と酸化ビスマス系ガラス粉とのいずれか
であるようにしたものである。これによれば、電極との
反応なしに、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡や
ピンホールのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで
形成できる。
【0023】請求項3記載の本発明は、第1の電極上に
形成された誘電体ガラス層を構成するガラス粉のガラス
成分が、全体を100重量%として、酸化鉛(PbO)
45重量%〜65重量%、酸化硼素(B2 3 )10重
量%〜30重量%、酸化硅素(SiO2 )10重量%〜
30重量%、酸化カルシウム(CaO)1重量%〜10
重量%、酸化アルミニウム(Al2 3 )0重量%〜3
重量%からなるようにしたものである。
【0024】これによれば、前面パネルにおいて、特定
の酸化鉛系ガラス粉によって、第1の電極との反応なし
に、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡やピンホー
ルのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形成でき
る。
【0025】請求項4記載の本発明は、前面パネルが、
酸化鉛(PbO)−酸化硼素(B23 )−酸化硅素
(SiO2 )−酸化カルシウム(CaO)からなるガラ
ス粉体成分45重量%〜70重量%と、エチルセルロー
ズ1重量%〜20重量%を含んだα−タピネオールから
なる溶剤成分55重量%〜30重量%とで構成されたペ
ーストを第1の電極上に塗布し、乾燥した後、560℃
〜590℃で焼成して得られる構成としたものである。
【0026】これによれば、前面パネルにおいて、特定
の酸化鉛系ガラス粉によって、第1の電極との反応なし
に、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡やピンホー
ルのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形成でき
る。
【0027】請求項5記載の本発明は、第1の電極上に
形成された誘電体ガラス層を構成するガラス粉のガラス
成分が、全体を100重量%として、酸化ビスマス(B
23 )35重量%〜45重量%、酸化亜鉛(Zn
O)25重量%〜30重量%、酸化硼素(B2 3 )1
7重量%〜25重量%、酸化硅素(SiO2 )5重量%
〜10重量%、酸化カルシウム(CaO)3重量%〜1
0重量%からなるようにしたものである。
【0028】これによれば、前面パネルにおいて、特定
の酸化ビスマス系ガラス粉粉によって、第1の電極との
反応なしに、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡や
ピンホールのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで
形成できる。
【0029】請求項6記載の本発明は、前面パネルが、
酸化ビスマス(Bi2 3 )−酸化亜鉛(ZnO)−酸
化硼素( B2 3 )−酸化硅素(SiO2 )−酸化カル
シウム(CaO)からなるガラス粉体成分55重量%〜
60重量%と、エチルセルローズ1重量%〜20重量%
を含んだα−タピネオールから成る溶剤成分45重量%
〜40重量%とで構成されたペーストを第1電極上に塗
布し、乾燥した後、575℃〜590℃で焼成して得ら
れる構成としたものである。
【0030】これによれば、前面パネルにおいて、特定
の酸化ビスマス系ガラス粉によって、第1の電極との反
応なしに、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡やピ
ンホールのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形
成できる。
【0031】請求項7記載の本発明は、前面パネルが、
酸化鉛(PbO)60重量%〜70重量%、酸化硼素(
2 3 )10重量%〜20重量%、酸化硅素(SiO
2 )10重量%〜20重量%、酸化カルシウム(Ca
O)0重量%〜10重量%からなり、合計が100重量
%であるガラス粉体と、平均粒径が0.1μm〜0.5
μmの酸化チタン(TiO2 )粉体と、エチルセルロー
ズを2重量%含むターピネオールからなる溶剤成分とで
構成されたペーストを第2の電極上に塗布し、乾燥した
後、550℃〜590℃で焼成して得られる構成とした
ものである。
【0032】これによれば、背面パネルにおいて、特定
の酸化鉛系ガラス粉によって、第2の電極との反応なし
に、誘電体ガラスの表面荒れが少なく、気泡やピンホー
ルのない誘電体ガラス層が、一種類のガラスで形成でき
るのみならず、誘電体ガラス中にTiO2 を添加するこ
とにより、真空紫外光により発光した可視光を効率良く
反射でき、信頼性と輝度のさらなる向上を図ることがで
きる。
【0033】請求項8記載の本発明は、第1の電極と第
2の電極とが銀(Ag)電極であるようにしたものてあ
る。
【0034】以下に、本発明の原理について概説する。
図1は、本発明にもとづく交流面放電型プラズマディス
プレイパネル(以下「PDP」という)の要部斜視図で
ある。この図1において、10は前面パネルであり、フ
ロントカバープレートすなわち前面ガラス基板11と、
この基板11の表面の第1の電極としての放電電極(表
示電極)12と、誘電体ガラス層13と、保護層14と
を有する。また20は背面パネルであり、バックプレー
トすなわち背面ガラス基板21とこの基板21の表面の
第2の電極としてのアドレス電極22と、誘電体ガラス
層23とを有する。
【0035】いま、表示電極12の面積をS、表示電極
12上の誘電体ガラス層13の厚みをd、誘電体ガラス
層13の誘電率をε、誘電体ガラス層13上の電荷をQ
とすると、表示電極12とアドレス電極22との間の静
電容量Cは、下記式1で表される。
【0036】(式1) C=εS/d また、表示電極12とアドレス電極22との間に印加さ
れる電圧をV、表示電極12上の誘電体ガラス層13に
たまる電荷量をQとすると、VとQとの間には下記式2
の関係がある。
【0037】(式2) V=dQ/εS ただし、放電空間は、放電中はプラズマ状態なので導電
体となる。上記式1、式2において、dを小さくする
と、コンデンサーとしての静電容量Cが大きくなり、ま
たアドレス時や表示時の放電電圧Vが低下することにな
る。
【0038】つまり、誘電体ガラス層12、22の厚さ
を薄くすることにより、同じ電圧Vを印加しても電荷Q
がたくさん溜まるので、高容量化と放電電圧の低減化と
を図ることができる。
【0039】しかし、単に誘電体ガラス層12、22の
膜厚を薄くしただけでは、絶縁耐圧が低下し、アドレス
パルスや表示パルスを印加する時に誘電体層が絶縁破壊
され易くなってしまう。
【0040】そこで本発明者らは、誘電体層に使用され
ているガラス粉体の平均粒径を0.1μm〜1.5μm
と細かくすることによって、従来のNTSC並以下の放
電電圧とセルの静電容量を確保しつつ、絶縁耐圧の向上
及び可視光の透過率の向上を図った。
【0041】〔実施の形態〕図1は上述のように本発明
の実施の形態にかかるPDPの要部斜視図、図2は図1
におけるX−X線矢視断面図、図3は図1におけるY−
Y線矢視断面図である。なお、これらの図では便宜上セ
ルが3つだけ示されているが、実際には赤(R)、緑
(G)、青(B)の各色を発光するセルが多数配列され
てPDPが構成されている。
【0042】このPDPの構成を詳細に説明すると、図
1〜図3に示すように、前面パネル10においては、フ
ロントカバープレートすなわち前面ガラス基板11に放
電電極(表示電極)12が形成されている。なお、表示
電極は、図示していないが、ITOやSnO2 の透明電
極上にバスラインとしてAg電極が設けられた構成にな
っている。そして、その表面上に、平均粒径が0.1μ
m〜1.5μmで最大粒径が平均粒径の3倍をこえない
ガラス粉末を用いて作成した誘電体ガラス層13が配さ
れている。この誘電体ガラス層13は、保護層14で覆
われている。
【0043】また背面パネル20においては、バックプ
レートすなわち背面ガラス基板21にアドレス電極22
が形成されている。そして、その表面上に、蛍光体の発
光を反射する酸化チタン(TiO2 )入りの、平均粒径
が0.1μm〜1.5μmで最大粒径が平均粒径の3倍
をこえないガラス粉末を用いて作成された誘電体ガラス
層23が形成されている。さらに、隔壁24と、R、
G、B各色の蛍光体層25とが配されている。
【0044】そして、前面パネル10と背面パネル20
とを張り合わせ、これら前面パネル10と背面パネル2
0との間に形成される放電空間30内に放電ガスが封入
された構成となっている。
【0045】このPDPは、以下に示すようにして作製
される。
【0046】前面パネル10の作成:前面パネル10
は、前面ガラス基板11に放電電極(表示電極)12を
作成し、その表面上を誘電体ガラス層13で覆い、この
表面上に保護層14を形成することによって作製する。
誘電体ガラス層13は、平均粒径が0.1μm〜1.5
μmで最大粒径が平均粒径の3倍を越えないガラス粉末
であって、その軟化点が550℃以下のものを用いて作
成する。
【0047】(放電電極の作成について)第1の電極と
しての放電電極12は、以下のようにして前面ガラス基
板11に形成する。図4を用いながら説明する。
【0048】まず、同図(a)に示す前面ガラス基板1
1上に、(b)に示すように厚さ0.12μmのITO
(酸化インジウムと酸化スズからなる透明導体)81を
スパッタ法で全面に形成する。その後、(c)に示すよ
うにフォトレジスト層82を形成し、(d)に示すよう
にマスク83を用いて光線84を照射することにより、
フォトリソグラフ法にて、(e)に示すように幅150
μmのストライプ状のITO電極85を形成する。電極
間距離は50μmとする。次に感光性の銀ペーストを全
面に形成後、同じくフォトリソグラフ法にて、幅30μ
mのAgバスライン86をITO電極85上に形成し、
その後、このAgを550℃で焼成することによって、
(f)に示すように第1の電極としての放電電極12を
形成する。
【0049】(誘電体ガラス層の作成について)誘電体
ガラス層13は、以下のようにして、前面ガラス基板1
1及び放電電極12の表面上に形成する。
【0050】まず、誘電体用ガラス( 例えば、PbO−
2 3 −SiO2 −CaO系ガラス)を、ジェットミ
ル〔例えば、(株)スギノマシン製 HJP300−0
2型〕を用いて、平均粒径が0.1μm〜1.5μmに
なるまで粉砕し、粉砕されたガラスの最大粒径が平均粒
径の3倍以内になるようにふるいをかける。次に、この
ガラス粉末45重量%〜65重量%と、エチルセルロー
ス、またはアクリル樹脂を1重量%〜20重量%を含む
ターピネオールまたはブチルカルビトールアセテートか
らなるバインダー成分35重量%〜55重量%とを、三
本ロールでよく混練し、印刷用ペーストを作成する。な
お、必要に応じて可塑剤や分散剤を少量添加して、印刷
性を向上させても良い。
【0051】次に、このペーストをガラス基板11、電
極12上にスクリーン印刷法で印刷し、乾燥した後、5
00℃〜650℃で焼成する。誘電体ガラス層13の厚
みは、薄いほどパネル輝度の向上と放電電圧を低減する
という効果が顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない範
囲内であればできるだけ薄く設定するのが望ましい。
【0052】したがって、ここでは、誘電体ガラス層1
3の厚みを、従来の厚みである略15μmよりも薄い所
定厚みに設定する。
【0053】(CVD法による保護層の形成について)
次に、誘電体ガラス層13上にMgOからなる保護層1
4を形成する。ここでは、CVD法(熱CVD法または
プラズマCVD法)を用いて、(100)面または(1
10)面配向の酸化マグネシウム(MgO)からなる保
護層を、たとえば1.0μmの厚みに形成する。CVD
法による保護層14の形成については、金属酸化物と同
様の方法を適用する。
【0054】図5は、保護層14を形成する際に用いる
CVD装置40の概略図である。このCVD装置40
は、熱CVD及びプラズマCVDのいずれも行うことが
できるものであって、CVD装置本体45の中には、放
電電極12及び誘電体層13を形成した前面ガラス基板
11を加熱するヒータ部46が設けられ、CVD装置本
体45内は排気装置49で減圧できるようになってい
る。
【0055】また、CVD装置本体45の中にプラズマ
を発生させるための高周波電源48が設置されている。
41a、41bはArガスボンベで、キャリアであるア
ルゴン[Ar]ガスを、バブラーすなわち気化器42、
43を経由してCVD装置本体45に供給するものであ
る。気化器42、43は、保護層14を形成するための
MgOの原料(ソース)となる金属キレートを加熱して
貯え、Arガスボンベ41a、41bからArガスを吹
き込むことによって、この金属キレートを蒸発させてC
VD装置本体45に送り込むことができるようになって
いる。キレートの具体例としては、アセチルアセトンマ
グネシウム〔Mg(C5 7 2 2 〕、マグネシウム
ジピバブロイルメタン〔Mg(C11192 2 〕があ
る。酸素ボンベ44は、反応ガスである酸素[O2 ]を
CVD装置本体45に供給するものである。
【0056】このCVD装置40を用いて熱CVDを行
う場合、ヒータ部46の上に、誘電体ガラス層13を上
にしてガラス基板11を置き、所定の温度(250℃)
に加熱すると共に、反応容器内を排気装置49で減圧す
る(数十Torr程度)。
【0057】そして、アセチルアセトンマグネシウムよ
りMgO保護層14を形成する時は気化器42で、また
マグネシウムジピバブロイルメタンよりMgO保護層1
4を形成する時は気化器43で、ソースとなるキレート
を、所定の気化温度に加熱しながら、Arガスボンベ4
1a又は41bからArガスを送り込む。また、これと
同時に、酸素ボンベ44から酸素を流す。
【0058】これによって、CVD装置本体45内に送
り込まれるキレート化合物が、酸素と反応し、ガラス基
板47の電極上にMgO保護層14が形成される。上記
の構成のCVD装置40を用いて、上記の熱CVDに代
えてプラズマCVDを行う場合も、熱CVDの場合とほ
ぼ同様に行う。詳細には、ヒータ部46によるガラス基
板11の加熱温度は250℃程度に設定し、排気装置4
9を用いて反応容器内を10Torr程度に減圧し、高
周波電源48を駆動して13.56MHzの高周波電界
を印加することにより、CVD装置本体45内にプラズ
マを発生させながら、金属酸化物層またはMgOからな
る保護層14を形成する。
【0059】このように熱CVD法あるいはプラズマC
VD法によって保護層14を形成すれば、緻密な保護層
を形成することができる。
【0060】背面パネル20の作製:まず、背面ガラス
基板21に前述したフォトレジスト法によりレジストの
凹部を形成し、この凹部に放電電極12と同様にして第
2の電極としてのアドレス電極22を形成する(リフト
オフ法)。そして、その表面上に、前面パネル10の場
合と同様にして、平均粒子径が0.1μm〜1.5μm
のガラス粉末に平均粒子径が0.1μm〜0. 5μmの
酸化チタンTiO2 を添加した白色誘電体ガラス層23
を形成する。この白色誘電体ガラス層23の形成方法や
印刷用インキペーストの作成方法は、前面パネル10の
誘電体ガラス層13に適用したものと同様の方法であ
る。この白色誘電体ガラス層の焼成温度は、550℃〜
590℃とする。
【0061】そして、スクリーン印刷法やプラズマ溶射
法によって作成された隔壁24を所定のピッチで固着す
る。さらに、この隔壁24に挟まれた各空間内に、赤色
(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体の
中の1つを配設することによって、蛍光体層25を形成
する。各色R、G、Bの蛍光体としては、一般的にPD
Pに用いられている蛍光体を用いることができるが、こ
こでは次の蛍光体を用いる。 「赤色蛍光体」: Y2 3 :Eu3+ 「緑色蛍光体」: Zn2 SiO4 :Mn 「青色蛍光体」: BaMgAl1017:Eu2+
【0062】次に、上記の隔壁24内に入れる蛍光体の
作成方法について、図6を用いて説明する。まず、平均
粒径2.0μmの赤色蛍光体であるY2 3 :Eu3+
末50重量%と、エチルセルローズ1重量%と、溶剤
(α−ターピネオール)49重量%とからなる蛍光体混
合物をサンドミルで混合攪拌し、15センチポイズとし
た塗布液を、サーバー71内に入れる。そして、この赤
色蛍光体形成用液体を、ポンプ72の圧力で噴射装置の
ノズル部73(ノズル径60μm)からストライプ形状
の隔壁24内に噴射させる。かつ、これと同時に基板2
1を直線状に移動させて、赤色の蛍光体層を形成する。
【0063】同様にして、青色(BaMgAl1017
Eu2+)、緑色(Zn2 SiO4 :Mn)の蛍光体層を
形成し、その後に500℃で10分間焼成し、蛍光体層
25を形成する。
【0064】前面パネル10及び背面パネル20の張り
合わせによるPDPの作製:次に、図1〜図3に示すよ
うに、前述のようにして作製した前面パネル10と背面
パネル20とを封着用ガラスを用いて張り合わせると共
に、隔壁24で仕切られた放電空間30内を高真空(8
×10-7Torr)に排気した後、所定の組成の放電ガ
スを所定の圧力で封入することによって、PDPを作製
する。
【0065】このようにして作製されたPDPは、各電
極すなわち表示電極12及びアドレス電極22が誘電体
ガラス層13、23と緻密に結合し、気泡が極めて少な
い構造をなす。
【0066】なお、詳細には、PDPのセルサイズは、
40インチクラスのハイビジョンテレビに適合するよ
う、セルピッチを0.2mm以下、放電電極12の電極
間距離を0.1mm以下に設定する。
【0067】また、封入する放電ガスの組成は、従来か
ら用いられているNe−Xe系が好適であるが、Xeの
含有量を5体積%以上にすると共に、封入圧力を500
〜760Torrに設定することで、セルの発光輝度の
向上を図ることができる。
【0068】以上のようにして得られるPDPは、放電
電圧の低減化を図れるので、動作時にパネルの各構成部
位に掛かる負荷が低減される。しかも絶縁耐圧が向上さ
れているので、例えば長期に及ぶ繰り返し使用に対し
て、高いパネル輝度や低い放電電圧等の優れた初期性能
を維持することができ、信頼性に優れたものである。
【0069】なお、背面パネル20側の誘電体ガラス層
23よりも、前面パネル10側の誘電体ガラス層13の
方が、輝度及び放電電圧に与える影響が大きいので、前
面パネル10側の誘電体ガラス層23をより薄くすれ
ば、輝度向上効果及び放電電圧低減効果を得ることがで
きる。
【0070】
【実施例】〔実施例1〜6及び9〜12、比較例7、
8、13、14〕表1は、前面パネル10の誘電体ガラ
ス層13のための試料の条件を示す。また表2は、背面
パネル20の誘電体ガラス層23のための試料の条件を
示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】表1及び表2に示した試料番号1〜6及び
9〜12のPDPは、前記実施の形態に基づいて、放電
電極12及びアドレス電極22の双方の表面上を、平均
粒径が0.1〜1.5μmで、最大粒径が平均粒径の3
倍をこえないガラス粉末を用いた誘電体ガラス層13、
23で覆ったものである。その膜厚は、10μm〜15
μmである。試料番号7、8、13、14のPDPは、
比較例である。
【0076】PDPのセルサイズについて説明すると、
42インチのハイビジョンテレビ用のディスプレイに合
わせて、隔壁24の高さは0.15mm、隔壁24どう
しの間隔すなわちセルピッチは0.15mmに設定し、
放電電極12の電極間距離は0.05mmに設定した。
そして、Xeの含有量が5体積%のNe−Xe系の混合
ガスを、封入圧600Torrにて封入した。
【0077】MgO保護層14はプラズマCVD法で作
製した。また、プラズマCVD法においては、アセチル
アセトンマグネシウム〔Mg(C5 7 2 2 〕また
はマグネシウムジピバブロイルメタン〔Mg(C1119
2 2 〕をソースとして用いた。
【0078】その他の条件としては、プラズマCVD法
を適用するときに、気化器42、43の温度を125
℃、ガラス基板11の加熱温度を250℃とした。ま
た、Arガスを1リットル/分、酸素を2リットル/分
で1分間ガラス基板11上に流し、10Torrに減圧
し、高周波電源48から13.56MHzの高周波電界
を300Wで20秒間印加した。これにより、膜厚1.
0μmのMgO保護層14を形成した。膜形成速度は
1.0μm/分であった。
【0079】このようにして形成したMgO保護層14
につき、X線解析で結晶面を調べたところ、Mg(C5
7 2 2 、Mg(C11192 2 のいずれのソー
スでも、全ての試料において(100)面に配向した結
晶であった。
【0080】試料番号1〜8のPDPは、前面パネル1
0の誘電体ガラス層13に、PbO−B2 3 −SiO
2 −CaO−Al2 3 ガラスを使用し、また試料番号
9〜14ではBi2 3 −ZnO−B2 3 −SiO2
−CaO系の誘電体ガラスを用いた。
【0081】なお、表1及び表2から明らかなように、
ここではPbO−B2 3 −SiO 2 −CaO系、また
はPbO−B2 3 −SiO2 −CaO−Al2
3 系、またはBi2 3 −ZnO−B2 3 −SiO2
−CaO系のガラスを用いたが、一般的にPDPの誘電
体に用いられる鉛系、ビスマス系、リン酸素ガラスも同
様にして用いることが可能である。
【0082】背面パネル20の誘電体ガラス層23に
は、PbO−B2 3 −SiO2 −CaO系ガラスにフ
ィラーとして酸化チタン(TiO2 )を添加した誘電体
を用いた。
【0083】放電ガスは、Ne−Xe(5体積%)の混
合ガスを使用した。なお、MgOの保護層14の形成
は、全てプラズマCVD法で行なった。このプラズマC
VD法に用いるMgOの原料ガスは、マグネシウムアセ
セルアセトンと、マグネシウムジピバブロイルメタンと
の違いによっては、ほとんど特性に違いがなかった。
【0084】試料番号7、8、13、14のPDPは、
上述のように比較例であって、誘電体ガラス層13、2
3を形成する時に使用した誘電体ガラスの粉体が、試料
番号7は平均粒径が3μmで最大粒径が6μm、試料番
号8は平均粒径が1.5μmで最大粒径が6μm(平均
粒径の4倍)、試料番号13は平均粒径が3μmで最大
粒径が9μm、試料番号14は平均粒径が1.5μmで
最大粒径が6.0μm(平均粒径の4倍)であった。そ
して、それ以外の条件については、試料番号1〜6、9
〜12のPDPと同様の設定にした。
【0085】〔実験〕 実験1;以上のようにして作製した試料番号1〜14の
PDPについて、第1電極上の誘電体ガラスの気泡の大
きさを、電子顕微鏡で観察して平均値で求めた。
【0086】実験2;誘電体ガラス層の耐電圧テスト
は、次のようにして行った。すなわち、パネルを封着す
る前に前面パネル10を抜き取り、放電電極12をプラ
スとし、また誘電体ガラス層13上に銀ペーストを印刷
し、乾燥後それをマイナスとしたうえで、電圧を印加す
ることにより行った。そして、絶縁破壊がおこる電圧を
耐電圧とした。
【0087】パネル輝度は、各試作PDPで、絶縁破壊
しにくい条件である放電維持電圧150V程度、また周
波数30kHz程度で放電させた時の測定値から求め
た。
【0088】実験3;次に、試料番号1〜14のPDP
と同様のものを20枚ずつ作製し、これらを加速寿命テ
ストに供した。
【0089】この加速寿命テストは、通常の使用条件よ
りもかなり過酷な条件下で行い、放電維持電圧200
V、周波数50kHzで4時間連続で放電した。その
後、パネル内の誘電体ガラス層等の破壊状況(パネルの
絶縁耐圧欠陥)を調べた。
【0090】これら実験1〜実験3の結果を表3に示
す。
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】考察;表3より明らかなように、試料番号
1〜6、9〜12についての輝度の測定結果では、従来
のPDPのパネル輝度が400cd/m2 程度(「FL
AT−PANEL DISPLAY」 1997、PP
198)であるのに比べ、優れたパネル輝度を示してい
る。
【0094】これより、誘電体ガラス層を薄く形成する
ことにより、パネル輝度を向上できることが分かる。
【0095】また、気泡の大きさの観察、誘電体の耐電
圧試験、パネルの加速寿命テストの結果から、平均粒径
が0.1μm〜1.5μmで最大粒径が平均粒径の3倍
をこえないガラスを用いて誘電体ガラス層を作成した試
料番号1〜6及び9〜12のPDPでは、平均粒径を
1.5μm以上にしたガラス、または、平均粒径が1.
5μm以下でも最大粒径が平均粒径の3倍をこえるをガ
ラス用いて誘電体ガラス層を作成した試料番号7、8、
13、14のPDPと比べて、絶縁耐圧に優れているこ
とが明らかである。
【0096】これらの結果から、平均粒径が0.1μm
〜1.5μmで最大粒径が平均粒径の3倍をこえないガ
ラス粉末を用いて作成した誘電体層でAg電極をコート
すれば、誘電体ガラス層を従来よりも薄い15μm以下
に形成して輝度の向上を図る場合でも、絶縁耐圧の向上
を図ることが可能であることが分かる。
【0097】なお試料番号7、13のPDPでガラスの
平均粒径を3μm以上にしたもの、及び試料番号8、1
4のPDPで、ガラスの平均粒径は1.5μmである
が、最大粒径を6μm(平均粒径の4倍)としたもので
誘電体層を作成した場合は、試料番号1〜6及び9〜1
2のものと比べてAg電極上の誘電体ガラス層の厚みが
厚いにも係わらず絶縁破壊しやすいことがわかる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1の電
極が形成されたフロントカバープレートと、第2の電極
が形成されたバックプレートとを有したプラズマディス
プレイパネルにおいて、前記第1の電極上と第2の電極
上との少なくともいずれか一方に、平均粒径が0.1μ
m〜1.5μmでその最大粒径が平均粒径の3倍をこえ
ないガラス粉末を用いた誘電体ガラス層を設けることに
より、低い放電電圧で高輝度の、またアドレッシングや
耐久性における信頼性が高いプラズマディスプレイパネ
ルが得られる。
【0099】また、バックプレートが第2の電極を覆う
誘電体ガラス層を配してなるものである場合に、誘電体
ガラス中にTiO2 を添加することにより、真空紫外光
により発光した可視光が効率良く反射され、信頼性と輝
度のさらなる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの要部斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線矢視断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線矢視断面図である。
【図4】前面ガラス基板への電極の形成方法を示す模式
図である。
【図5】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルを製造する際に用いるCVD装置の概略図である。
【図6】蛍光体層を形成する際に用いる装置の概略構成
図である。
【図7】従来の交流型のプラズマディスプレイパネルの
要部斜視図である。
【符号の説明】
10 前面パネル 11 前面ガラス基板 12 放電電極(表示電極) 13 誘電体ガラス層 14 保護膜 20 背面パネル 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 誘電体ガラス層 24 隔壁 25 蛍光体層 30 放電空間

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極が形成されたフロントカバー
    プレートを備えた前面パネルと、第2の電極が形成され
    たバックプレートを備えた背面パネルとを有したプラズ
    マディスプレイパネルであって、前記第1の電極上と第
    2の電極上との少なくともいずれか一方に、平均粒径
    0.1μm〜1.5μmでその最大粒径が平均粒径の3
    倍をこえないガラス粉を用いて焼結された誘電体ガラス
    層が形成されていることを特徴とするプラズマディスプ
    レイパネル。
  2. 【請求項2】 ガラス粉が、酸化鉛系ガラス粉と酸化ビ
    スマス系ガラス粉とのいずれかであることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 第1の電極上に形成された誘電体ガラス
    層を構成するガラス粉のガラス成分が、全体を100重
    量%として、酸化鉛(PbO)45重量%〜65重量
    %、酸化硼素(B2 3 )10重量%〜30重量%、酸
    化硅素(SiO 2 )10重量%〜30重量%、酸化カル
    シウム(CaO)1重量%〜10重量%、酸化アルミニ
    ウム(Al2 3 )0重量%〜3重量%からなることを
    特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレ
    イパネル。
  4. 【請求項4】 前面パネルは、酸化鉛(PbO)−酸化
    硼素(B2 3 )−酸化硅素(SiO2 )−酸化カルシ
    ウム(CaO)からなるガラス粉体成分45重量%〜7
    0重量%と、エチルセルローズ1重量%〜20重量%を
    含んだα−タピネオールからなる溶剤成分55重量%〜
    30重量%とで構成されたペーストを第1の電極上に塗
    布し、乾燥した後、560℃〜590℃で焼成して得ら
    れることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ
    ディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 第1の電極上に形成された誘電体ガラス
    層を構成するガラス粉のガラス成分が、全体を100重
    量%として、酸化ビスマス(Bi2 3 )35重量%〜
    45重量%、酸化亜鉛(ZnO)25重量%〜30重量
    %、酸化硼素(B2 3 )17重量%〜25重量%、酸
    化硅素(SiO2 )5重量%〜10重量%、酸化カルシ
    ウム(CaO)3重量%〜10重量%からなることを特
    徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイ
    パネル。
  6. 【請求項6】 前面パネルは、酸化ビスマス(Bi2
    3 )−酸化亜鉛(ZnO)−酸化硼素( B2 3 )−酸
    化硅素(SiO2 )−酸化カルシウム(CaO)からな
    るガラス粉体成分55重量%〜60重量%と、エチルセ
    ルローズ1重量%〜20重量%を含んだα−タピネオー
    ルから成る溶剤成分45重量%〜40重量%とで構成さ
    れたペーストを第1電極上に塗布し、乾燥した後、57
    5℃〜590℃で焼成して得られることを特徴とする請
    求項1、2、5のいずれか1項記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  7. 【請求項7】 背面パネルは、酸化鉛(PbO)60重
    量%〜70重量%、酸化硼素( B2 3 )10重量%〜
    20重量%、酸化硅素(SiO2 )10重量%〜20重
    量%、酸化カルシウム(CaO)0重量%〜10重量%
    からなり、全体で100重量%であるガラス粉体と、平
    均粒径が0.1μm〜0.5μmの酸化チタン(TiO
    2 )粉体と、エチルセルローズを2重量%含むターピネ
    オールからなる溶剤成分とで構成されたペーストを第2
    の電極上に塗布し、乾燥した後、550℃〜590℃で
    焼成して得られることを特徴とする請求項1から6まで
    のいずれか1項記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 第1の電極と第2の電極とが銀(Ag)
    電極であることを特徴とする請求項1から7までのいず
    れか1項記載のプラズマディスプレイパネル。
JP10127989A 1998-05-12 1998-05-12 プラズマディスプレイパネル Pending JPH11329254A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10127989A JPH11329254A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 プラズマディスプレイパネル
EP03075263A EP1310975A3 (en) 1998-05-12 1999-05-11 Manufacturing method of plasma display panel and plasma display panel
DE69935882T DE69935882T2 (de) 1998-05-12 1999-05-11 Herstellungsverfahren einer Plasmaentladungs-Anzeigeplatte
EP99303665A EP0957502B1 (en) 1998-05-12 1999-05-11 Manufacturing method of plasma display panel
US09/309,428 US6439943B1 (en) 1998-05-12 1999-05-11 Manufacturing method of plasma display panel that includes adielectric glass layer having small particle sizes
KR1019990016882A KR19990088205A (ko) 1998-05-12 1999-05-12 플라즈마디스플레이패널의제조방법및플라즈마디스플레이패널

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10127989A JPH11329254A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 プラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11329254A true JPH11329254A (ja) 1999-11-30

Family

ID=14973707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10127989A Pending JPH11329254A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11329254A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001043158A1 (fr) * 1999-12-08 2001-06-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production d'un ecran a plasma
JP4915890B2 (ja) * 2000-07-21 2012-04-11 トムソン プラズマ エス アー エス 導電性材料で作られた電極を設けたガラスプレート
CN108010602A (zh) * 2017-11-29 2018-05-08 华东理工大学 一种纳米玻璃粉的制备工艺

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001043158A1 (fr) * 1999-12-08 2001-06-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production d'un ecran a plasma
US6758062B2 (en) 1999-12-08 2004-07-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Plasma display panel production method
JP4915890B2 (ja) * 2000-07-21 2012-04-11 トムソン プラズマ エス アー エス 導電性材料で作られた電極を設けたガラスプレート
CN108010602A (zh) * 2017-11-29 2018-05-08 华东理工大学 一种纳米玻璃粉的制备工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6160345A (en) Plasma display panel with metal oxide layer on electrode
US6439943B1 (en) Manufacturing method of plasma display panel that includes adielectric glass layer having small particle sizes
JP3389243B1 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
US6774558B2 (en) Plasma display panel and method of making the same
JP2000156168A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3442634B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3457199B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3414236B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JPH11329254A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003007217A (ja) プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2003338248A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2002063842A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2001266753A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3234567B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2003045322A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2002015664A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH11354035A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2002358894A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3851118B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2000156165A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2002329462A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2013058431A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2002063850A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070806

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806