JP2002063850A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

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JP2002063850A
JP2002063850A JP2000250654A JP2000250654A JP2002063850A JP 2002063850 A JP2002063850 A JP 2002063850A JP 2000250654 A JP2000250654 A JP 2000250654A JP 2000250654 A JP2000250654 A JP 2000250654A JP 2002063850 A JP2002063850 A JP 2002063850A
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glass
dielectric
back plate
cover plate
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JP2000250654A
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Masaki Aoki
正樹 青木
Hiroyuki Yonehara
浩幸 米原
Hiroshi Watanabe
拓 渡邉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精細なセル構造の場合にも高輝度で信頼性の
高いプラズマディスプレイパネルを得る。 【解決手段】 平均粒径が0.8μm〜2.5μmで最
大粒径7.5μm、最小粒径0.3μmの範囲のガラス
粉末を用いて誘電体ガラス層を形成する。これにより気
泡、ピンホール、欠陥の発生を抑え絶縁耐圧に優れた高
輝度のパネルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関す
るものであって、特に、高品位のディスプレイに適した
プラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンをはじめとする高品
位で大画面のテレビに対する期待が高まっている中で、
CRT、液晶ディスプレイ(以下、LCDと記載す
る)、プラズマディスプレイパネル(Plasma D
isplay Panel、以下PDPと記載する)と
いった各ディスプレイの分野において、これに適したデ
ィスプレイの開発が進められている。
【0003】従来からテレビのディスプレイとして広く
用いられているCRTは、解像度・画質の点で優れてい
るが、画面の大きさに伴って奥行き及び重量が大きくな
る点で40インチ以上の大画面には不向きである。ま
た、LCDは、消費電力が少なく、駆動電圧も低いとい
う優れた性能を有しているが、大画面を作製するのに技
術上の困難性があり、視野角にも限界がある。
【0004】これに対して、PDPは、小さい奥行きで
も大画面を実現することが可能であって、既に40イン
チクラスの製品も開発されている。
【0005】PDPは、大別して直流型(DC型)と交
流型(AC型)とに分けられるが、現在では大型化に適
したAC型が主流となっている。
【0006】図6は、従来の交流面放電型PDPの一例
を示す要部斜視図である。
【0007】図6において、101は前面ガラス基板、
105は背面ガラス基板であり、ソーダライムガラスか
らなる基板である。
【0008】前面ガラス基板101の表面上には、放電
電極(表示電極)102が配設され、その上から、コン
デンサの働きをする誘電体ガラス層103で覆われ、更
に酸化マグネシウム(MgO)からなる誘電体保護層1
04で被覆されている。
【0009】一方、背面ガラス基板105上にアドレス
電極106が配設され、その上を誘電体ガラス層107
が覆い、その上に隔壁108や蛍光体層109が設けら
れており、隔壁108の間隙には放電ガスが封入されて
放電空間110となっている。
【0010】放電電極102やアドレス電極106とし
ては、銀電極やCr−Cu−Cr電極などが広く用いら
れており、銀電極はフォリソグラフィー法や印刷法で容
易に形成することができる。
【0011】ディスプレイの高品位化に対する要求が高
まる中で、PDPにおいても微細なセル構造のものが望
まれている。特に微細なセル構造では、電極の抵抗値を
下げる目的でAgが主に用いられている。
【0012】例えば、従来のNTSCではセル数が64
0×480で、40インチクラスではセルピッチが0.
43mm×1.29mm、1セル面積が約0.55mm
2であったが、フルスペックのハイビジョンテレビの画
素レベルでは、画素数が1920×1125となり、4
2インチクラスでのセルピッチは0.15mm×0.4
6mm、1セルの面積は0.072mm2の細かさとな
る。
【0013】セル構造が微細になると、放電電極(表示
電極)やアドレス電極の本数が3倍近く増大しなく、放
電空間も狭くなる。したがって、誘電体層の欠陥(ピン
ホールや気泡)を従来の1/3以下にする必要がある。
又放電電圧の均一化を図るためには、誘電体ガラス層の
膜厚を従来よりも薄く、均一にすることが必要となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】先ず誘電体ガラス層を
形成するのに3つの方法があり、第1の方法は、平均粒
径が2μm〜5μmで、その粒径分布が0.1μm〜1
5μmのガラスを用いガラスの軟化点近くの温度でガラ
スを焼結させて、1種類のガラス材料で短時間に誘電体
層を形成する方法である。
【0015】この方法は最も工程が少なく簡単でコスト
も低い。ところがこの方法では、ガラスが完全に溶解
(溶融)しない温度(ガラスの軟化点付近の温度)で誘
電体ガラス層を形成するためガラス粉末の粒径や粒度分
布粉体の形状および誘電体ガラスペースト(ガラスと、
有機バインダー溶剤の混合物)の中のガラスの充填量や
分散の度合によって、誘電体ペーストを電極上にコート
後乾燥、焼成する工程で誘電体ガラス層に微少なピンホ
ールやクラック気泡が入り誘電体層の絶縁耐圧に影響を
与える。特にパネルを放電維持電極間で放電を行なっ
て、パネルをエージングする工程において、誘電体が絶
縁破壊することがあった。
【0016】また、電極に使用されている金属材料との
濡れ性が悪いので、これらの電極上の誘電体ガラス層に
ピンホールが入るため誘電体層を薄く且つ均一的にコー
トすることは困難で、絶縁耐圧が問題となる。特に、銀
電極の場合は、Cr−Cu−Cr電極などと比べて、電
極表面の凹凸が大きいので、電極上に誘電体ガラス層を
薄く均一にコートすることが難しく、絶縁耐圧の問題の
ほかにパネルの輝度むらも顕著である。
【0017】第2の誘電体層の形成方法は、誘電体ガラ
ス材料を焼成する温度を出来るだけガラスの軟化点より
も高く(ガラスの軟化点より100℃以上)して、ガラ
スの流動性を良くして(ガラスの軟化点の定義はガラス
の粘度が45000Pasと高く、流動性にとぼしい。
ピンホールや欠陥、気泡がなくなる粘度は、少なくとも
10Pas以下と考えられるため、ガラスの軟化点より
100℃以上の高温での焼成が必要となる)、ピンホー
ルや気泡あるいは、欠陥を少なくすることは可能とな
る。
【0018】しかし、この方法では、誘電体ガラスと、
電極が反応をおこし、電極近傍の変色(特にAgの場合
は、黄変、銅の場合は、緑変)したり、ITOが断線し
たりする課題がある。
【0019】第3の誘電体層の形成方法は、2種類の誘
電体ガラスを使用する方法である。すなわち又、第3の
方法は、第1の方法と第2の方法を組み合わせる方法で
ある(例えば特開平7−105855号公報、特開平9
−50769号公報)。すなわち電極上にはガラスの平
均粒径が2μm〜5μm(粒径の分布は0.1μm〜2
0μm)でガラスの軟化点が550℃〜600℃のガラ
ス粉体を用いて、これを同じくペースト化した後、スク
リーン印刷法にて印刷、乾燥を行い軟化点付近で焼成
後、この誘電体層上に同じく平均粒径が2μm〜5μm
でガラスの軟化点が450℃〜500℃のガラス粉末を
用いて同じくペースト化した後、スクリーン印刷法にて
印刷、乾燥を行い、軟化点より100℃高い550℃〜
600℃で焼成して、誘電体層を形成する方法である。
【0020】この方法の特長はこのような2層構造の構
成にすることで、電極とガラスの反応をおさえ、あわせ
てガラス表面を平坦化し、可視光の透過率と絶縁耐圧性
の向上を計ることが出来る。
【0021】しかしこのような2層構成では、誘電体ガ
ラスを作成工程が繁雑になるばかりか15μm以下の薄
い誘電体膜を形成するのが困難になるし、一層目の誘電
体に気泡が存在し透過率があまり向上しない。又誘電体
が薄い場合は、表示電極およびアドレス電極それぞれが
前面・背面ガラス基板上に作製されていた従来のプラズ
マディスプレイパネルにおいては、通常、誘電体ガラス
層側には電極がその厚み相当突入しているので、誘電体
ガラス層の電極周辺で電界が局所的に大きくなりやす
く、例えば、表示電極と電極間に電圧を印加し、放電さ
せる時(維持放電をおこす時)などに、やはり下層のピ
ンホール、欠陥、気泡などが原因で絶縁破壊を惹起され
やすいという絶縁耐圧の点で課題があった。
【0022】そこで、本発明は、このような問題に鑑み
てなされたものであって、一層構成の軟化点焼成タイプ
の誘電体であってもパネルエージング中のガラスの流動
性不足による耐圧不良の原因となるピンホールや気泡欠
陥のない信頼性の高いプラズマディスプレイパネルを得
ることができるプラズマディスプレイパネルの製造方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現するた
めに、第1の電極が表面に配されている第1プレートに
対して、当該第1のプレート表面にガラス材料を焼成す
ることによって第1の誘電体層を形成する第1ステップ
と、第1プレートと第2の電極が表面に配された第2の
プレートとを第1及び第2の電極を対向させた状態で平
行に配置すると共に、両プレート間に放電空間を形成す
る第2ステップとを備えるプラズマディスプレイパネル
の製造方法であって、第1ステップで第1の誘電体層の
形成に用いるガラス材料の平均粒子径が0.8μm〜
2.5μmでその最大粒径が7.5μm以下でかつ最小
粒径が0.3μm以上であるガラス粉末、好ましくは平
均粒径が1.0μm〜2.0μmでその最大粒径が5μ
m以下で最小粒径が0.5μm以上のガラス粉末を用い
ることである。又、好ましいガラスペースト組成は平均
粒径0.8μm〜2.5μmでその最大粒径が7.5μ
m以下で最小粒径が0.3μm以上のガラス粉末成分が
65重量%以上で樹脂を含む溶剤、可塑剤、分散剤(界
面活性剤)から成るバインダー成分が35重量%以下で
ある。
【0024】最も好ましいガラスの形状は、球状でその
粒径分布は、平均粒径が0.8μm〜2.5μmでその
最大粒径が7.5μm以下でかつ最小粒径が0.3μm
以上のガラス粉体成分が70重量%以上でバインダー成
分が30%以下のペーストを用いることである。
【0025】このように用いるガラス材料の平均粒径
と、最大粒径、最小粒径を規定し(粒径分布を従来より
シャープにして)、ペースト中のガラス成分を多くし、
しかもガラスの粒形状を球に近づけることによって、一
層構成の軟化点焼成タイプの誘電体を形成することによ
って誘電体層内部のピンホールや欠陥を抑えパネルエー
ジング時の絶縁破壊をなくすことが出来ると同時に従来
の一層構成の誘電体の着色を抑えしかも透過率を向上さ
せることが出来る効果が得られる。
【0026】前記ガラス材料の具体例としては、例えば
PbO−B23−SiO2−CaO系ガラス又はZnO
−B23−SiO2−K2O−Cu2O系ガラスを挙げる
ことができる。
【0027】また、前記ガラス材料として、酸化チタン
を配合したものを用いれば、誘電率が向上するので望ま
しい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態に係るP
DPについて図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】図1は、本実施の形態に係る交流面放電型
PDP1の要部斜視図、図2は、図1のX−X線矢視断
面図、図3は、図1のY−Y線矢視断面図である。
【0030】なお、これらの図では便宜上セルが3つだ
け示されているが、実際には赤(R)、緑(G)、青
(B)の各色を発光するセルが多数配列されてPDPが
構成されている。
【0031】各図に示すように、このPDPは、前面ガ
ラス基板11の上に、銀からなる放電電極(表示電極)
12、誘電体ガラス層13及び保護層14が配されてな
る前面パネル10と、背面ガラス基板21の表面にアド
レス電極22、誘電体ガラス層23、隔壁24、R、
G、B各色の蛍光体層25が配されてなる背面パネル2
0とを張り合わせ、前面パネル10と背面パネル20と
の間に形成される放電空間30内に放電ガスが封入され
た構成であって、以下に示すように作製される。
【0032】(前面パネル10の作製)前面パネル10
は、前面ガラス基板11の表面上に、公知のフォトレジ
スト法により放電電極(表示電極)12をストライプ状
に形成し、その上にガラス材料を用いて誘電体ガラス層
13を形成し(これについて詳細は後述する)、更に誘
電体ガラス層13の表面上に酸化マグネシウム(Mg
O)からなる保護層14を形成することによって作製す
る。
【0033】(保護層の形成について)図4を参照とし
ながら、CVDによって保護層を形成する方法について
説明する。
【0034】図4は、保護層14を形成する際に用いる
CVD装置40の概略図である。
【0035】このCVD装置40は、熱CVD及びプラ
ズマCVDのいずれも行うことができるものであって、
CVD装置本体45の中には、ガラス基板47(図1に
おける放電電極12や誘電体ガラス層13を形成した前
面ガラス基板11)を加熱するヒータ部46が設けら
れ、CVD装置本体45内は排気装置49で減圧にする
ことができるようになっている。また、CVD装置本体
45の中にプラズマを発生させるための高周波電源48
が設置されている。
【0036】Arガスボンベ41a、41bは、キャリ
アであるアルゴン(Ar)ガスを、気化器(バブラー)
42、43を経由してCVD装置本体45に供給するも
のである。
【0037】気化器42及び気化器43には、保護層を
形成するための原料であるマグネシウム化合物が貯えら
れている。その具体例としては、アセチルアセトンマグ
ネシウム(Mg(C5722)、シクロペンタジエニ
ルマグネシウム(Mg(C552)を挙げることがで
きる。
【0038】酸素ボンベ44は、反応ガスである酸素
(O2)をCVD装置本体45に供給するものである。
【0039】上記のCVD装置を用いて熱CVD法で保
護層14の形成を行なう場合は、ヒータ部46の上に、
電極が形成された面を上にしてガラス基板47を置き、
所定の温度(300℃前後)に加熱すると共に、反応容
器内を排気装置49で減圧し数十Torr(数kPa)
程度にする。
【0040】そして、気化器42又43において、ソー
スとなる金属キレートまたはアルコキシド化合物を、所
定の気化温度に加熱しながら、Arガスボンベ41a又
は41bからArガスを送り込む。また、これと同時
に、酸素ボンベ44から酸素を供給する。
【0041】これによって、CVD装置本体45内に送
り込まれるキレート又はアルコキシド化合物と酸素とが
反応し、ガラス基板47の電極を配した表面上に、酸化
マグネシウム(MgO)からなる保護層14が形成され
る。
【0042】一方、上記のCVD装置を用いてプラズマ
CVD法で保護層14の形成を行なう場合、上記の熱C
VDの場合とほぼ同様の操作を行なうが、更に高周波電
源48を駆動して高周波電解(13.56MHz)を印
加することにより、CVD装置本体45内にプラズマを
発生させながら、保護層14の形成を行なう。
【0043】(背面パネル20の作製)まず、背面ガラ
ス基板21の表面に、上述した放電電極12の形成と同
様のフォトレジスト法により、アドレス電極22を形成
する。
【0044】そして、その上に前面パネル10の場合と
同様に、誘電体ガラス層13と同じガラス材料をスクリ
ーン印刷で塗布し焼成することによって誘電体ガラス層
23を形成する(これについては後述する)。
【0045】次に、誘電体ガラス層23の上に、ガラス
製の隔壁24を所定のピッチで設置する。
【0046】そして、隔壁24に挟まれた各空間内に、
赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光
体の中の1つを配設することによって、蛍光体層25を
形成する。各色R、G、Bの蛍光体としては、一般的に
PDPに用いられている蛍光体を用いることができる
が、ここでは次の蛍光体を用いる。
【0047】 赤色蛍光体:(YXGd1-X)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn 青色蛍光体:BaMgAl1017:Eu2+或はBaMg
Al1423:Eu2+ (前面パネル10及び背面パネル20の貼り合わせによ
るPDPの作製)前述のようにして作製した前面パネル
10と背面パネル20とを、封着用ガラスを用いて貼り
合わせると共に、隔壁24で仕切られた放電空間30内
を高真空(8×10-7Torr)に排気した後、所定の
組成の放電ガスを所定の圧力で封入することによってP
DPが作製される。
【0048】なお、本実施の形態では、PDPのセルサ
イズは、40インチクラスのハイビジョンテレビに適合
するよう、隔壁24のピッチを0.2mm以下、放電電
極12の電極間距離を0.1mm以下に設定する。
【0049】また、封入する放電ガスの組成は、従来か
ら用いられているHe−Xe系であるが、セルの発光輝
度の向上を図るために、Xeの含有量を5体積%以上と
し、封入圧力を500〜760Torr(66.5〜1
01kPa)に設定する。
【0050】(誘電体ガラス層の形成について)まず、
市販のガラス材料をボールミルやジェットミルなどの粉
砕装置および分級機を用いて平均粒子径が0.8μm〜
2.5μmで最大粒径が7.5μm、最小粒径が0.3
μmとなるように粉砕する。
【0051】特に球状のガラス粉末を得るにはジェット
ミル粉砕装置が好ましい。ジェットミル粉砕は、ガラス
粗粉を高速度のジェット気流やジェット水流を用いて、
ガラス粉体同士を衝突させる方法であるため、ボールミ
ル粉砕と比較して、ガラス粉末のエッジ(かど)部分が
粉砕されやすく球状に近い粉体が得られやすい。又、ガ
ラス粉末同士をぶつけて粉砕するためボールミル粉砕
(Al23やZrO2のボールを用いて粉砕する)より
も不純物の混入が少なく、耐電圧や透過率の良好なガラ
ス粉末が得られる。
【0052】又、特に真球に近いガラス粉末を得るのに
はゾルゲル法が最も適している。ゾルゲル法は例えば、
ガラスの材料である各種金属酸化物(PbO、B23
SiO2、ZnO、CaO、K2O、Cu2O等)のアル
コキシドM(O・R)nの混合物をアルコール溶液に溶
解させ加水分解、重縮合を行なって作成される(ここで
Mは金属、Rはアルキル基、nは金属の酸化数)。
【0053】このゾルゲル法で得られたガラス粉末がほ
ぼ球状に近く、これを用いて作成された誘電体ガラス層
は膜密度の向上と合いまって最も耐圧と透過率が高い。
【0054】誘電体層に用いられるガラス材料として
は、酸化鉛系ガラスや酸化亜鉛系ガラスなどを用いるこ
とができる。酸化鉛系ガラスの組成として、例えば、酸
化鉛(PbO)、酸化硼素(B23)、酸化硅素(Si
2)及び酸化カルシウム(CaO)の混合物を挙げる
ことができ、酸化亜鉛系ガラスの組成として例えば、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B23)、酸化硅素(S
iO2)、酸化カリウム(K2O)、酸化銅(Cu2O)
の混合物を挙げることができる。
【0055】ガラス材料の粉砕分級後の平均粒子径は、
0.8μm〜2.5μmでその粒度分布は、0.3μm
〜7.5μmの大きさが、ピンホールや欠陥の形成を抑
える上では望ましく、平均粒径が1.0μm〜2.0μ
mでその粒度分布が0.5μm〜5μmであることがよ
り望ましい。
【0056】また、最も好ましいのがガラス形状が球形
に近く、上記の粒度分布のものである。
【0057】平均粒子径は、コールターカウンタ粒度分
析計(コールター株式会社製の粒度測定装置)を用いて
測定した(以下の実施例でも同様)。なお、このコール
ターカウンタ粒度分析計は、個数平均方法によって平均
粒子径を算出するものである。又ガラスの形状は電子顕
微鏡で観察する。
【0058】そして、このようにして調整したガラス材
料の粉体を適量のバインダ成分と混合して、この混合物
を例えば3本ロールやビースミルで良く混練することに
よりダイコート用や印刷用ペーストを作製する。バイン
ダ成分としては、エチルセルロース又はアクリル樹脂を
ターピネオール又はブチルブチルカルビトールアセテー
トで溶解させたものが挙げられる。ダイコート用や印刷
用ペーストとし、好ましい組成はガラス材料成分が65
重量%、以上でエチルセルロース又はアクリル樹脂を1
重量%〜20重量%含むバインダ成分35重量%以下の
配合比率に調整したものである。これは、ガラス成分が
多い方がガラス膜の充填密度が上り、ガラス膜にピンホ
ールや欠陥が入りにくいためである。
【0059】背面ガラス基板側の誘電体ガラス層23に
おいては、TiO2の含有量が多ければ多い方が誘電率
を高くできると共に可視光反射率を高められるので望ま
しい。
【0060】なお、このように添加材を用いる場合に
は、その配合量にも依るが、当該添加材の平均粒子径も
後述するようにピンホールや欠陥の発生を抑制するとい
う観点では0.8μm〜2.5μm以下に、より好まし
くは1.0μm〜2.0μmに設定すべきである。
【0061】そしてダイコート用や印刷用ペーストをダ
イコート法やスクリーン印刷法により前面ガラス基板1
1、放電電極12上及び背面ガラス基板21、アドレス
電極22に配設する。そして、このように誘電体ガラス
ペーストが配設された前面ガラス基板11及び背面ガラ
ス基板21をペースト中のガラス材料の所定の温度で焼
成することにより誘電体ガラス層を作製する。この焼成
温度は、ガラス材料の組成によっても多少変動するが、
上記した組成のガラス成分にあっては、ガラスの軟化点
近くで500℃〜600℃の範囲で焼成するのが好まし
い。
【0062】このように用いるガラス材料の平均粒子径
と分布範囲を規定して誘電体ガラス層を作製することに
より、当該層形成時に前面ガラス基板11又は背面ガラ
ス基板21との境界面、放電電極12又はアドレス電極
22との境界面或は誘電体ガラス層13又は23内部に
ピンホールや欠陥が発生する現象を抑えることができ
る。
【0063】なおピンホールや欠陥の発生を抑える観点
からガラス材料を焼成する温度は、更にガラス材料の所
定の粘度を基準にして測定した軟化点(本実施の形態で
は、粘度が4.5×107ポアズ以下になる温度を軟化
点とする)、近傍の温度であることがより好ましい。こ
のように焼成温度を規定することにより、電極とガラス
材料との化学的反応が防止できるからである。上記した
ガラス材料の焼成温度である500℃〜600℃は、こ
のような温度範囲でもある。
【0064】ちなみに、このように低温で焼成しても、
平均粒子径が、0.8μm〜2.5μmであるので、成
膜後の誘電体ガラス層の表面の表面粗さは小さい。
【0065】また、同様の観点から、焼成時間は、焼成
可能な範囲であまり長くない時間であることが望まし
い。ガラス材料の組成にもよるが、上記ガラス材料の場
合には、15分前後で行うことが望ましい。
【0066】(用いるガラス材料の平均粒子径を0.8
μm〜2.5μmにし、その分布範囲を0.3μm〜
7.5μmと小さくするとピンホールや欠陥および気泡
の発生が抑えられる理由について)以下に、ピンホール
や欠陥気泡の発生が誘電体ガラス層の形成に用いるガラ
ス材料の平均粒子径や粒度分布に依存する原因について
考えてみる。つまり、相対的に粒子径の小さいガラス粒
子が相対的に粒子径が大きなガラス粒子よりも早く溶融
するため、焼成処理が終了するまでにはこのように先に
溶融したガラス成分がその流動性ゆえに凝集する。従っ
て、このようなガラス粒子の溶融速度の違いに起因し
て、いまだ、完全に溶融しない相対的に粒子径の大きな
ガラス粒子の間隙は気泡となって焼成後に残ることにな
るのである。この気泡が連続した場合ピンホールや欠陥
となる。このように平均粒子径やその分布が気泡生成や
欠陥の度合を決定する要因、即ち、ガラス材料の平均粒
子径と生成する気泡の径との間には強い相関関係があ
る。
【0067】一方、本実施の形態の場合のように平均粒
子径と粒度分布を規定することによっても(粒度分布を
シャープにする)、上記したように相対的に粒子径の小
さいガラス粒子が相対的に粒子径が大きなガラス粒子よ
りも早く溶融し、焼成処理が終了するときまでにはこの
ように先に溶融したガラス成分がその流動性ゆえに凝集
することになるが、溶融速度の差が小さくなるので、上
記したような気泡の発生は抑制されるのである。このこ
とは、後述する詳細な実験からも裏付けられるところで
ある。
【0068】このように平均粒子径を0.8μm〜2.
5μmにし、その分布範囲を0.3μm〜7.5μmで
あるガラス材料を用いれば、それを超える範囲のガラス
材料を用いる場合に比べて気泡の発生は抑制できるのだ
が、実質上は、発生する気泡の平均径が小さくなると共
に、その数が少なくなるのでピンホールや欠陥が少なく
なる。
【0069】本実施の形態で、ガラス材料の平均粒子径
を0.8μm〜2.5μmに規定するのは、2.5μm
を超えると気泡の形成が顕著である。又0.3μm〜
7.5μmの分布にしたのは、0.3μm以下のガラス
粉体では、ガラスが凝集しやすく良好なペーストが得ら
れにくいし、0.3μm以下の粒子では、より早く溶融
するために、均一にガラスが溶融する場合と比較して、
誘電体ガラス層に欠陥が入りやすい。
【0070】又7.5μm以上のガラスが存在すると巨
大気泡の発生がより顕著になるのに加えて、溶融速度が
7.5μm以下のガラスと比較して遅くなるため誘電体
ガラス層に欠陥が入りやすくなる。
【0071】(用いるガラスペーストのガラス成分の量
を多くするとピンホールや欠陥、気泡の発生が抑えられ
る理由について)誘電体ガラスペーストは、ガラス材料
と有機バインダーあるいは、ガラス材料とTiO2を主
体とするフィラーと有機バインダーからなる。特に有機
バインダーは、樹脂溶剤、可塑剤、界面活性剤から成
る。
【0072】これらのガラス材料と有機バインダーの比
率は、従来は35重量%〜65重量%が主に用いられて
きたが、ガラスの粒径と粒度分布をシャープにすること
や、ジェットミル法による粉砕で得られる球状に近いガ
ラス粉末やゾルゲル法で得られる球状粉体を用いること
によりガラス成分の比率が65重量%以上に上げること
が可能になる。ペーストにガラス成分がより多くなるこ
とで焼成後の欠陥(気泡やピンホール)が少なくなる
(ち密なガラス膜が形成できる)。
【0073】また、放電電極12及びアドレス電極22
形成後の表面はAgを用いているためどうしても凹凸が
残るが、このように平均粒分布が従来よりも小さくせま
いガラス材料を用いるので、それだけ径の小さいガラス
粒子が増す。そして、それが当該凹凸に入り込み凹部も
高い頻度で解消できることになる。
【0074】上記した粒子径の違うガラス材料の溶融速
度について以下に具体的なデータをもとに解説する。
【0075】図5は、ガラス材料の溶融速度とガラス材
料の平均粒子径との関係を示す図表であり、平均粒子径
が0.85μm又は平均粒子径が3.17μmのガラス
材料を所定の大きさの円柱形状に加圧成形し、これを昇
温速度10℃/minで加熱しながら高温加熱顕微鏡で
400℃〜880℃の温度範囲で20℃ごとに、写真撮
影した結果で試料の形状の変化を表している。黒塗りの
図形が円柱状の試料の側面形状を示す。この図表に示す
とおり、同じ温度であっても、用いるガラス材料の平均
粒子径が小さい方が溶融速度が大きいことがはっきりわ
かる。なお、この内容については、電気化学 Vol
56,No1,1988,23頁〜24頁に詳しく記載
されている。
【0076】このように誘電体ガラス層における気泡の
発生を抑えられるので、本実施の形態では、誘電体ガラ
ス層13及び23厚さを、従来の一般的な厚さよりも薄
く輝度の向上を図るに望ましい20μm以下に設定して
も、薄くすることによる当該層における絶縁耐圧の低下
を抑えることができる。つまり、このように絶縁耐圧を
ある程度確保して誘電体ガラス層13の厚みを薄くで
き、同時にパネル輝度を向上する効果と放電電圧を低減
する効果が得られる。
【0077】また、誘電体ガラス層13及び23の厚さ
を薄くした場合にも、絶縁耐圧は十分に確保されるの
で、繰り返しの使用に対しても、高いパネル輝度や低い
放電電圧といった優れた初期性能を長期にわたって維持
することができ、PDPを信頼性の優れたものとするこ
とができる。
【0078】なお、本実施の形態においては、前面パネ
ル10側及び背面パネル20側の双方において上記のよ
うにして気泡やピンホール、欠陥の発生を抑えた誘電体
ガラス層を形成する例を示したが、前面パネル10側或
は側面パネル20側だけにこれを適用することもでき
る。また、背面パネル20側に誘電体ガラス層が形成さ
れていないPDPにおいては、前面パネル10側だけに
これを適用することができる。
【0079】また、もともと銀電極の上に誘電体ガラス
層を薄く形成することが難しいことを考慮すれば、各電
極がCr−Cu−Cr電極などの場合においても同様に
実施することは可能である。
【0080】
【実施例】
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】上記実施の形態に基づいて、表1〜表4に
示すPDPを作製した。
【0086】No.1〜5およびNo.9〜No.13
は、実施の形態に基づく実施例であって、双方の誘電体
ガラス層13及び23を平均粒子径0.8μm〜2.5
μmで最大粒径7.5μm,最小粒径0.3μmのガラ
ス材料を用いて作製したものである。又No.2〜N
o.5は、ガラスペースト中のガラス成分が70重量%
以上のペーストを用いて作成したものである。又No.
2、10は、ガラス粉末をゾルゲル法で作成したもの
で、No.3、4、11、12は、ジェットミル粉砕を
行なったものである。その他のNo.1、5、6、7、
8、9、13、14、15、16は、ボールミルにて粉
砕したものである。
【0087】PDPのセルサイズは、42インチのハイ
ビジョンテレビ用のディスプレイに合わせて、隔壁24
の高さ0.15mm、隔壁の間隔(セルピッチ)は0.
15mm放電電極の間隔は0.05mmに設定した。
【0088】放電ガスは、Xeの含有量が5体積%のH
e−Xe系の混合ガスであって、600Torr(7
9.8kPa)の封入圧で封入した。
【0089】No.1〜8のPDPでは、誘電体ガラス
層13の形成に、PbO−B23−SiO2−CaO系
ガラスを使用し、又No.9〜16では、誘電体ガラス
層13形成に、ZnO−B23−SiO2−K2O−Cu
2O系ガラスを使用した。また、誘電体ガラス層23に
は、背面パネル側の誘電体ガラス層の形成にあたっては
上記ガラスにTiO2を添加しガラス材料を用いた。
【0090】No.6、7、8、14、15、16は比
較例であって、双方の誘電体ガラス層を従来と同様に平
均粒子径が2.5μmを超える3μmのものあるいは最
大粒径が7.5μmをこえるものを用いて作製したもの
である以外は、実施例に係るPDPと同じ条件で作製し
てある。No.1〜7、No.9〜15は、ペースト中
のガラス成分が65重量%以下のもの以外は、実施例に
係るPDPと同じ条件で作製してある。また、背面パネ
ル側の誘電体ガラス層の形成にあたっては各試料No.
と同じガラスにTiO2を添加しガラス材料を用いた。
【0091】なお、作製する条件の詳細については、上
記表1に表記してある。
【0092】(実験1;誘電体ガラス層におけるピンホ
ール、欠陥、気泡の観察)以上のようにして作製したN
o.1〜16のPDPについて、誘電体ガラス層に関し
て放電電極及びアドレス電極上に位置する部分を電子顕
微鏡で倍率250〜10万倍にて観察し、誘電体層のピ
ンホールや欠陥、気泡の測定を行なった。
【0093】この結果測定については、表5、6に示し
た。
【0094】
【表5】
【0095】
【表6】
【0096】(実験2;誘電体ガラス層の透過率の検
証)透過率は、分光計での透過率を測定した(波長55
0nmでの透過率)。ただしガラス基板の透過率をさし
引いた誘電体のみ(厚み30μm)の透過率である。
【0097】この結果は、表5、6に記載してある。
【0098】(実験3;PDPのエージング方法での絶
縁耐圧の検証)この実験では、No.1〜16のPDP
と同じものを20枚づつ作製し、パネルのエージングテ
ストに供した。
【0099】エージングテスト(加速寿命テスト)は、
通常の作動条件よりもかなり過酷な条件、放電維持電圧
350V、周波数50KHzで15秒間連続的に放電さ
せるという条件で行った。そして、20枚中何枚のPD
Pが絶縁破壊を生じているかを調べた。この結果も表
5、6に記載した。
【0100】(実験4;PDP輝度の測定)各PDPに
ついてパネルの輝度を以下の放電条件下で測定した。表
5、6に結果を併記する。
【0101】放電維持電圧:150V 周波数:30KHz (実験1の考察)表5、6に示したように、実施例に係
るPDPにあっては、ピンホール、欠陥、気泡のない均
一なガラス層であった。これに対して、比較例に係るP
DPにあっては、ピンホール、欠陥、気泡が存在し、そ
の結果後述するようにエージング中の耐圧不良の増加や
透過率の低下をきたしていることがわかった。
【0102】後述するように耐電圧特性において十分と
は言えない。
【0103】(実験2の考察)表5、6に示したよう
に、誘電体ガラス層の透過率について、実施例に係るP
DPは比較例に係るPDPよりも、膜厚を略同等(30
μm)に設定しているにも関らず高かった。
【0104】この結果は、実施例に係るPDPにおいて
は比較例に係るPDPに比べて、誘電体ガラス層に透過
率を低下させる主要因であるピンホール、欠陥、気泡の
形成が抑えられていることを間接的に示すものである。
【0105】また、実施例のPDPの中でも用いるガラ
ス材料の粒度分布のより小さく球状に近いゾルゲル法や
ジェットミル粉砕法で得られたガラスの方が透過率は高
かった。つまり、用いるガラス材料の平均粒子径がより
小さく粒度分布がそろっておりしかもガラスの充填密度
の高い誘電体膜の方がピンホール、欠陥、気泡の形成が
抑えられ、より緻密に成膜されるということである。
【0106】(実験3の考察)表5、6に示したよう
に、実施例に係るPDPにおいては、エージング中にお
ける絶縁破壊が生じたPDPは皆無であった。これに対
して、比較例に係るPDPにおいては、最悪の場合には
45%が破壊されていた。
【0107】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にPDP
は、第1の誘電体層の形成に用いるガラス材料の平均粒
子径が0.8μm〜2.5μmでありその最大粒径は、
7.5μmであり最小粒径は.03μmである。そのた
め第1のプレートとの境界面、放電電極との境界面或は
第1の誘電体層内部にピンホール、欠陥、気泡が発生す
る現象を抑えることができる。
【0108】これにより、第1の誘電体層の厚さを30
μmに設定しても高い透過率と向上を図るエージング中
における絶縁耐圧の低下を抑えることができる。つま
り、このようにエージングによる絶縁耐圧を確保して第
1の誘電体層の透過率を向上させたため、パネル輝度を
向上する効果が得られる。
【0109】また、第2の誘電体層の形成に用いるガラ
ス材料の平均粒子径が0.8μm〜2.5μmで最大粒
径7.5μm、最小粒径0.3μmである。これによ
り、第2の誘電体層を設ける場合において、第1の誘電
体層だけを上記したように形成した場合よりもパネルの
信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る交流面放電型の要部斜視図
【図2】図1のX―X線矢視断面図
【図3】図1のY―Y線矢視断面図
【図4】保護層を形成する際に用いるCVD装置の概略
【図5】ガラス材料の溶融速度とガラス材料の平均粒子
径との関係を示す図
【図6】従来の交流面放電型PDPの一例を示す要部斜
視図
【符号の説明】
10 前面パネル 11 前面ガラス基板 12 銀電極(放電電極) 13 誘電体ガラス層 14 MgO保護膜 20 背面パネル 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 誘電体ガラス層 24 隔壁 25 蛍光体層 30 放電空間 40 CVD装置 41a,41b Arガスボンベ 42,43 気化器 44 酸素ガスボンベ 45 CVD装置本体 46 基板加熱ヒータ 47 放電電極及び誘電体ガラス層が形成されたガラス
基板 48 高周波電源 49 排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 5C040 FA01 GB03 GB14 GD01 GD07 KB09 MA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極及び第1の誘電体ガラス層が
    形成されたフロントカバープレートと、第2の電極及び
    蛍光体層が形成されたバックプレートとを有し、前記第
    1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向
    するよう前記フロントカバープレートと前記バックプレ
    ートとを配置するとともに、前記フロントカバープレー
    トと前記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フ
    ロントカバープレート、前記バックプレート及び前記隔
    壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封入し
    て成るプラズマディスプレイパネルであって、前記第1
    電極上の誘電体ガラス層が平均粒径0.8μm〜2.5
    μmでその粒径分布が最大7.5μmでかつその最小
    0.3μmであるガラス紛体成分と樹脂を含む溶剤、可
    塑剤、分散剤から成るバインダー成分で構成されたペー
    ストをダイコート法、ブレードコート法にて第1電極上
    に塗布し、乾燥後560℃〜590℃で焼成して得られ
    ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2電極及び誘電体
    層、蛍光体層が形成されたバックプレートとを有し、前
    記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して
    対向するよう前記フロントカバープレートと前記バック
    プレートとを配置するとともに、前記フロントカバープ
    レートと前記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前
    記フロントカバープレート、前記バックプレート及び前
    記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封
    入して成るプラズマディスプレイパネルであって、 前記第2電極上の誘電体層が平均粒径0.8μm〜2.
    5μmでその粒径分布が最大7.5μmでかつその最小
    0.3μmであるガラス紛体および平均粒径が0.1μ
    m〜0.5μmから成る酸化チタン(TiO2)紛体と
    を含む固形成分と樹脂成分を含む溶剤、可塑剤、分散剤
    から成る成分で構成されたペーストを、ダイコート法に
    て第2電極上に塗布し、乾燥後550℃〜590℃で焼
    成して得られることを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネル。
  3. 【請求項3】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2の電極及び誘電体
    層、蛍光体層が形成されたバックプレートとを有し、前
    記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して
    対向するよう前記フロントカバープレートと前記バック
    プレートとを配置するとともに、前記フロントカバープ
    レートと前記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前
    記フロントカバープレート、前記バックプレート及び前
    記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封
    入して成るプラズマディスプレイパネルであって、 前記第1、第2電極上の誘電体層が、ジェットミル粉砕
    法で作成された略球状ガラス粉の焼成で得られることを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2電極及び蛍光体層
    が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電極
    と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう
    前記フロントカバープレートと前記バックプレートとを
    配置するとともに、前記フロントカバープレートと前記
    バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロントカ
    バープレート、前記バックプレート及び前記隔壁により
    形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプ
    ラズマディスプレイパネルであって、 前記第1電極上の誘電体ガラス層が略球状紛体でその粒
    径分布が0.3μm〜7.0μmの範囲にある、 ガラス粉体成分と樹脂を含む溶剤、可塑剤、分散剤(界
    面活性剤)から成るバインダー成分で構成されたペース
    トをダイコート法にて第1電極上に塗布し、乾燥後55
    0℃〜590℃で焼成して得られることを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2の電極及び蛍光体
    層が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電
    極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよ
    う前記フロントカバープレートと前記バックプレートと
    を配置するとともに、前記フロントカバープレートと前
    記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロント
    カバープレート、前記バックプレート及び前記隔壁によ
    り形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成る
    プラズマディスプレイパネルであって、 前記第1、第2電極上の誘電体ガラス層が、ゾルゲル法
    で作成された球状ガラス粉の焼成で得られることを特徴
    とするプラズマディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2の電極及び誘電体
    層、蛍光体層が形成されたバックプレートとを有し、前
    記第1の電極と前記第2の電極とが所定の距離離間して
    対向するよう前記フロントカバープレートと前記バック
    プレートとを配置するとともに、前記フロントカバープ
    レートと前記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前
    記フロントカバープレート、前記バックプレート及び前
    記隔壁により形成された空間に放電可能なガス媒体を封
    入して成るプラズマディスプレイパネルであって、 前記第1電極上の誘電体層が、ゾルゲル法で調整されそ
    の粒径分布が0.3μm〜7μmの範囲にあるガラス紛
    体成分と樹脂成分を含む溶剤、可塑剤、分散剤(界面活
    性剤)から成る成分で構成されたペーストを、ダイコー
    ト法、スプレー法、スピンコート法または、ブレードコ
    ート法にて第2電極上に塗布し、乾燥後550℃〜59
    0℃で焼成して得られることを特徴とするプラズマディ
    スプレイパネル。
  7. 【請求項7】 第1の電極及び誘電体ガラス層が形成さ
    れたフロントカバープレートと、第2の電極及び蛍光体
    層が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電
    極と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよ
    う前記フロントカバープレートと前記バックプレートと
    を配置するとともに、前記フロントカバープレートと前
    記バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロント
    カバープレート、前記バックプレート及び前記隔壁によ
    り形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成る
    プラズマディスプレイパネルであって、前記第1電極上
    の誘電体ガラス層がジェットミルで粉砕調整されて、そ
    の粒径分布が0.3μm〜7.0μmの範囲にあるガラ
    ス紛末と、樹脂を含む溶剤、可塑剤、分散剤から成るバ
    インダー成分で構成されたペーストをダイコート法にて
    塗布し、乾燥後焼成して得られることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 第1の電極が表面に配されている第1の
    プレートに対して、当該第1のプレート表面にガラス材
    料を焼成することによって第1の誘電体層を形成する第
    1ステップと、 第1のプレートと第2の電極が表面に配された第2のプ
    レートとを第1及び第2の電極を対向させた状態で平行
    に配置すると共に、両プレート間に放電空間を形成する
    第2ステップとを備えるプラズマディスプレイパネルの
    製造方法であって、前記誘電体層が平均粒径が0.8μ
    m〜2.5μmで、その最大粒径が7.5μm以下で、
    かつその最小粒径が0.3μm以上であるガラス粉体成
    分70重量%以上と樹脂を含む溶剤、可塑剤、分散剤か
    ら成るバインダー成分30重量%以下で構成された材料
    をサンドミルで分散させその粘度が10Pas〜50P
    asのペーストを作成し、次にこれをダイコート法で第
    1電極上に塗布後乾燥し、次にこれを550℃〜600
    ℃で焼成することを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の電極が表面に配されている第1の
    プレートに対して、当該第1のプレート表面にガラス材
    料を焼成することによって第1の誘電体層を形成する第
    1ステップと第1のプレートと第2の電極が表面に配さ
    れた第2のプレートとを第1及び第2の電極を対向させ
    た状態で平行に配置すると共に、両プレート間に放電空
    間を形成する第2ステップとを備えるプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法であって、前記第1、第2の電極
    が銀(Ag)から成り、同じく前記第1、第2の誘電体
    層が平均粒径0.8μm〜2.5μmで、その最大粒径
    が7.5μm以下で、かつその最小粒径が0.3μm以
    上であるガラス粉体成分65重量%以上と樹脂を含む溶
    剤、可塑剤、分散剤から成るバインダー成分で35重量
    以下で構成された材料をサンドミルで分散させその粘度
    が10Pa・s〜50Pa・sのペーストを作成し、次に
    これをダイコート法で第1電極上に塗布後乾燥し、次に
    これを550℃〜600℃で焼成することを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物のアルコキシド(M(O・
    R)n、ただし、MはPb、B、Si、Zn、Ca、
    K、Caのうちのいづれか1種類以上、Rは、アルキル
    基、nは金属の酸化数)の混合物をアルコール溶液に溶
    解させ加水分解、重縮合を行なって作成するプラズマデ
    ィスプレイ用誘電体ガラス粉末。
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