JP2002063842A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法Info
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- JP2002063842A JP2002063842A JP2000250643A JP2000250643A JP2002063842A JP 2002063842 A JP2002063842 A JP 2002063842A JP 2000250643 A JP2000250643 A JP 2000250643A JP 2000250643 A JP2000250643 A JP 2000250643A JP 2002063842 A JP2002063842 A JP 2002063842A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラズマディスプレイパネルの輝度むら低減
と低消費電力化を図る。 【解決手段】 誘電体ペーストを細いノズルからライン
状に電極近傍に吐出させることによって、誘電体層を形
成し、輝度むらや、放電むらのない低消費電力のプラズ
マディスプレイパネルを得る。
と低消費電力化を図る。 【解決手段】 誘電体ペーストを細いノズルからライン
状に電極近傍に吐出させることによって、誘電体層を形
成し、輝度むらや、放電むらのない低消費電力のプラズ
マディスプレイパネルを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルに関し、特に誘電
体ガラス層の改良を図ったプラズマディスプレイパネル
に関するものである。
に用いるプラズマディスプレイパネルに関し、特に誘電
体ガラス層の改良を図ったプラズマディスプレイパネル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細な表示(ハイビジョン等)
や大画面化などディスプレイのさらなる高性能化が要求
されるようになり、種々のディスプレイの研究開発がな
されている。その代表的なディスプレイとしては、CR
Tディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)などが挙げられる。
や大画面化などディスプレイのさらなる高性能化が要求
されるようになり、種々のディスプレイの研究開発がな
されている。その代表的なディスプレイとしては、CR
Tディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)などが挙げられる。
【0003】このうちPDPはガス放電パネルの一種で
あり、2枚の薄いガラス板を隔壁(リブ)を介して対向
させ、隔壁の間の一方のガラス板上に複数対の表示電極
(一般的に良好な導電性を確保するためにITO上にA
gまたはCr/Cu/Crのバス電極からなる)と誘電
体層と蛍光体層とをこの順に形成し、両ガラス板の間に
放電ガスを封入して気密接着した構成を備え、放電ガス
中で放電して蛍光発光させるものである。したがって、
大画面化してもCRTのように奥行き寸法や重量が増加
しにくく、またLCDのように視野角が限定される問題
も回避できる点で優れている。
あり、2枚の薄いガラス板を隔壁(リブ)を介して対向
させ、隔壁の間の一方のガラス板上に複数対の表示電極
(一般的に良好な導電性を確保するためにITO上にA
gまたはCr/Cu/Crのバス電極からなる)と誘電
体層と蛍光体層とをこの順に形成し、両ガラス板の間に
放電ガスを封入して気密接着した構成を備え、放電ガス
中で放電して蛍光発光させるものである。したがって、
大画面化してもCRTのように奥行き寸法や重量が増加
しにくく、またLCDのように視野角が限定される問題
も回避できる点で優れている。
【0004】このうち誘電体層は電極上を均一に30μ
m〜40μmコーティングされている一般に低融点ガラ
スで構成される。この場合、十分な耐電圧を有するこ
と、透明度が高いこと、焼成温度ができるだけ低いこと
(具体的には600℃以下で焼成できること)、といっ
た各性質が望まれる。実際の誘電体層用のガラスとして
は、前記各性質を備えるガラスとして、酸化鉛(Pb
O)または酸化ビスマス(Bi2O3)を含むガラス(誘
電率ε=10〜15)などが用いられることが多い(例
えば特開平9−50769号公報を参照)。
m〜40μmコーティングされている一般に低融点ガラ
スで構成される。この場合、十分な耐電圧を有するこ
と、透明度が高いこと、焼成温度ができるだけ低いこと
(具体的には600℃以下で焼成できること)、といっ
た各性質が望まれる。実際の誘電体層用のガラスとして
は、前記各性質を備えるガラスとして、酸化鉛(Pb
O)または酸化ビスマス(Bi2O3)を含むガラス(誘
電率ε=10〜15)などが用いられることが多い(例
えば特開平9−50769号公報を参照)。
【0005】ところでPDPでは、できるだけ消費電力
を抑えしかも低コストな電気製品が望まれる今日におい
て、さらにその駆動時の電力消費量を低くすることが期
待されている。特に昨今のディスプレイの大画面化およ
び高精細化の動向によって、PDPの電力消費量やコス
トは増加傾向にあるので、いっそうの積極的に省電力
化、低コスト化を実現させることが望まれている。
を抑えしかも低コストな電気製品が望まれる今日におい
て、さらにその駆動時の電力消費量を低くすることが期
待されている。特に昨今のディスプレイの大画面化およ
び高精細化の動向によって、PDPの電力消費量やコス
トは増加傾向にあるので、いっそうの積極的に省電力
化、低コスト化を実現させることが望まれている。
【0006】ここで、従来のAC型プラズマディスプレ
イパネルの概要を以下に示す。図9は、従来の交流型
(AC型)のプラズマディスプレイパネルの要部斜視図
を示したものである。この図9において、131は、フ
ロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスよりなる前面
ガラス基板である。この前面ガラス基板131の表面に
は、ITO透明電極上にバス電極として銀電極或いは、
Cr−Cu−Crからなる表示電極132が形成されて
いる。また前面ガラス基板131の表面には、表示電極
132の表面を含んで誘電体ガラス層133が電極上を
均一に形成され、この誘電体ガラス層133の表面を酸
化マグネシウム(MgO)誘電体保護層134が覆って
いる。誘電体ガラス層133は、コンデンサの働きをす
る平均粒子径2μm〜15μmのガラス粉末を用いてス
クリーン印刷法やダイコート法で形成されている。
イパネルの概要を以下に示す。図9は、従来の交流型
(AC型)のプラズマディスプレイパネルの要部斜視図
を示したものである。この図9において、131は、フ
ロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスよりなる前面
ガラス基板である。この前面ガラス基板131の表面に
は、ITO透明電極上にバス電極として銀電極或いは、
Cr−Cu−Crからなる表示電極132が形成されて
いる。また前面ガラス基板131の表面には、表示電極
132の表面を含んで誘電体ガラス層133が電極上を
均一に形成され、この誘電体ガラス層133の表面を酸
化マグネシウム(MgO)誘電体保護層134が覆って
いる。誘電体ガラス層133は、コンデンサの働きをす
る平均粒子径2μm〜15μmのガラス粉末を用いてス
クリーン印刷法やダイコート法で形成されている。
【0007】135は背面ガラス基板であり、この背面
ガラス基板135の表面にアドレス電極(銀電極からな
る)136、誘電体ガラス層137が設けられ、さらに
その表面に隔壁138、蛍光体層139が設けられてい
る。そして、隔壁138間が、放電ガスを封入する放電
空間140となっている。
ガラス基板135の表面にアドレス電極(銀電極からな
る)136、誘電体ガラス層137が設けられ、さらに
その表面に隔壁138、蛍光体層139が設けられてい
る。そして、隔壁138間が、放電ガスを封入する放電
空間140となっている。
【0008】このAC型プラズマディスプレイパネルの
省電力化を実現する方法の一つとして、誘電体層の誘電
率εを低減する工夫が挙げられる。誘電体層の誘電率ε
は、誘電体層に蓄積される電荷量と比例するので、Pb
O系またはBi2O3系などの組成よりも誘電率εの低い
誘電体層を用いることが考えられ、ZnO系のガラスが
用いられている(例えば、特開平9−278482号公
報、特開平8−77930号公報)。又、省電力化を実
現する方法のもう一つとして、放電電圧を低減すること
が上げられる。放電電圧を低減するためには誘電体の膜
厚を薄くすれば良いことが知られているが、薄すぎると
誘電体の絶縁破壊がおこるという課題がある。そのた
め、誘電体の厚みは最低でも20μm以上必要である。
省電力化を実現する方法の一つとして、誘電体層の誘電
率εを低減する工夫が挙げられる。誘電体層の誘電率ε
は、誘電体層に蓄積される電荷量と比例するので、Pb
O系またはBi2O3系などの組成よりも誘電率εの低い
誘電体層を用いることが考えられ、ZnO系のガラスが
用いられている(例えば、特開平9−278482号公
報、特開平8−77930号公報)。又、省電力化を実
現する方法のもう一つとして、放電電圧を低減すること
が上げられる。放電電圧を低減するためには誘電体の膜
厚を薄くすれば良いことが知られているが、薄すぎると
誘電体の絶縁破壊がおこるという課題がある。そのた
め、誘電体の厚みは最低でも20μm以上必要である。
【0009】ところで従来の方法で、誘電体ガラス層を
形成するのには主に以下説明する3つの方法がある。
形成するのには主に以下説明する3つの方法がある。
【0010】第一の方法は、ガラス粉体の平均粒子径が
2〜15μmでガラスの軟化点が550℃〜600℃の
ガラス粉末とエチルセロースを含有するターピネオール
や、ブチルカルビトールアセテートを溶剤として、3本
ロールを用いてペースト化し、スクリーン印刷法により
(スクリーン印刷法に適したペーストの粘度である50
Pas〜100Pas(パスカルセック)に調整してあ
る)前面板上に電極上全面均一に塗布後乾燥し、次にガ
ラスの軟化点付近(550℃〜600℃)で焼結させて
誘電体層を形成する方法である。
2〜15μmでガラスの軟化点が550℃〜600℃の
ガラス粉末とエチルセロースを含有するターピネオール
や、ブチルカルビトールアセテートを溶剤として、3本
ロールを用いてペースト化し、スクリーン印刷法により
(スクリーン印刷法に適したペーストの粘度である50
Pas〜100Pas(パスカルセック)に調整してあ
る)前面板上に電極上全面均一に塗布後乾燥し、次にガ
ラスの軟化点付近(550℃〜600℃)で焼結させて
誘電体層を形成する方法である。
【0011】この方法の特徴は、軟化点付近での焼成で
ありガラスがあまり流動しない不活性な状態であるた
め、溶融したガラスが電極であるAg、ITO、Cr−
Cu−Cr等とほとんど反応しない。したがって、電極
の抵抗値が上昇したり、ガラス中に電極成分が拡散して
着色したりしないこと、および1回の焼成処理で誘電体
層が形成できることである。
ありガラスがあまり流動しない不活性な状態であるた
め、溶融したガラスが電極であるAg、ITO、Cr−
Cu−Cr等とほとんど反応しない。したがって、電極
の抵抗値が上昇したり、ガラス中に電極成分が拡散して
着色したりしないこと、および1回の焼成処理で誘電体
層が形成できることである。
【0012】又、スクリーン印刷法はガラス基板にうね
りやそり、凹凸等が多少あっても、各場所での膜厚は比
較的均一であるが、メッシュ跡のために放電開始電圧
(全面に放電が点灯する電圧)や放電維持電圧のばらつ
きが存在する。
りやそり、凹凸等が多少あっても、各場所での膜厚は比
較的均一であるが、メッシュ跡のために放電開始電圧
(全面に放電が点灯する電圧)や放電維持電圧のばらつ
きが存在する。
【0013】又、この方法では、ガラス粉末の平均粒子
径2μm〜15μmと大きくガラスの軟化点付近で焼成
するためにガラスの流動性が悪く、スクリーン版のメッ
シュ跡が残ったりするため表面粗さが比較的粗い面(4
μm〜6μm)となり可視光が散乱し、スリガラス状と
なり誘電体ガラス層の可視光の透過率が低下し、更に気
泡やピンホールが誘電体中に発生し、誘電体ガラス層の
耐圧が低下する。又、電極全体を均一に被覆するため維
持電極間に誘電体があるため、放電電圧を低下させるこ
とはむつかしい。
径2μm〜15μmと大きくガラスの軟化点付近で焼成
するためにガラスの流動性が悪く、スクリーン版のメッ
シュ跡が残ったりするため表面粗さが比較的粗い面(4
μm〜6μm)となり可視光が散乱し、スリガラス状と
なり誘電体ガラス層の可視光の透過率が低下し、更に気
泡やピンホールが誘電体中に発生し、誘電体ガラス層の
耐圧が低下する。又、電極全体を均一に被覆するため維
持電極間に誘電体があるため、放電電圧を低下させるこ
とはむつかしい。
【0014】第2の方法としては、スクリーン印刷法の
ようにスクリーン版を使用せずに、細いスリット(すき
間)から誘電体を面状に塗布する、いわゆるダイコータ
ーを用いたダイコート法がある。この方法は、スクリー
ン印刷法と同じく平均粒径が2μm〜15μmで軟化点
が550℃〜600℃のガラス粉末を用いて、ガラスペ
ーストを作成後(ペースト粘度は30Pas〜50Pa
sに調整する)ダイコーターで電極上全面均一に塗布
し、乾燥後510℃〜610℃で焼成して誘電体を形成
する方法である。
ようにスクリーン版を使用せずに、細いスリット(すき
間)から誘電体を面状に塗布する、いわゆるダイコータ
ーを用いたダイコート法がある。この方法は、スクリー
ン印刷法と同じく平均粒径が2μm〜15μmで軟化点
が550℃〜600℃のガラス粉末を用いて、ガラスペ
ーストを作成後(ペースト粘度は30Pas〜50Pa
sに調整する)ダイコーターで電極上全面均一に塗布
し、乾燥後510℃〜610℃で焼成して誘電体を形成
する方法である。
【0015】この方法の特徴は一度に大面積を塗布でき
ることであるが、誘電体ペーストを細いスリットからラ
イン状に塗布していくため、塗布の始めと終りの形状
(始終端の形状)を均一に精度良く(切れ良く)形成し
にくいこと(始終端を均一にするためには、高精度な制
御が必要である)、および、基板にうねりやそり,凹凸
がある場合、42インチ全面にわたって同じ厚みで誘電
体を形成できず、そのため厚みむらが発生する。この厚
みむらのためPDPの放電開始電圧(全面が点灯する電
圧)や放電維持電圧が場所によって異なり画面にむらが
発生する。又、厚みむら発生のため膜厚は30μm程度
必要となる。
ることであるが、誘電体ペーストを細いスリットからラ
イン状に塗布していくため、塗布の始めと終りの形状
(始終端の形状)を均一に精度良く(切れ良く)形成し
にくいこと(始終端を均一にするためには、高精度な制
御が必要である)、および、基板にうねりやそり,凹凸
がある場合、42インチ全面にわたって同じ厚みで誘電
体を形成できず、そのため厚みむらが発生する。この厚
みむらのためPDPの放電開始電圧(全面が点灯する電
圧)や放電維持電圧が場所によって異なり画面にむらが
発生する。又、厚みむら発生のため膜厚は30μm程度
必要となる。
【0016】第三の方法は、ブレードコート法やスピン
コート法と考えられる。しかし、これらはいずれもダイ
コート法と同様な課題を有している。(始終端の形状処
理と、基板にうねり、そり、凹凸があった場合の厚みむ
ら)また、これら上記の3つの誘電形成方法の共通の課
題として電極上を均一に塗布する方法であるため、誘電
体の絶縁耐圧を考慮すると、20〜30μmは最低必要
であり放電電圧の低減が困難であった。
コート法と考えられる。しかし、これらはいずれもダイ
コート法と同様な課題を有している。(始終端の形状処
理と、基板にうねり、そり、凹凸があった場合の厚みむ
ら)また、これら上記の3つの誘電形成方法の共通の課
題として電極上を均一に塗布する方法であるため、誘電
体の絶縁耐圧を考慮すると、20〜30μmは最低必要
であり放電電圧の低減が困難であった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで,AC型プラ
ズマディスプレイパネルにおいては,放電を維持してい
る時は放電維持電極間の誘電体は不必要であり(ただし
電極はAC型であるため完全に被覆することが必要)こ
こに誘電体があると、その誘電率に比例した電力が維持
放電中に消費される。したがって、本来低消費電力化を
計るためには電極のまわりだけ誘電体で被覆すれば良い
わけである。しかし、それには誘電体をフォトリソグラ
フィー法や、リフトオフ法で電極形状に合わせた微細な
誘電体パターンの成形が必要となるという課題がある。
ズマディスプレイパネルにおいては,放電を維持してい
る時は放電維持電極間の誘電体は不必要であり(ただし
電極はAC型であるため完全に被覆することが必要)こ
こに誘電体があると、その誘電率に比例した電力が維持
放電中に消費される。したがって、本来低消費電力化を
計るためには電極のまわりだけ誘電体で被覆すれば良い
わけである。しかし、それには誘電体をフォトリソグラ
フィー法や、リフトオフ法で電極形状に合わせた微細な
誘電体パターンの成形が必要となるという課題がある。
【0018】本発明は、上記課題に鑑み、放電開始電圧
が低く、点灯むらや、輝度むらがなく消費電力の少ない
プラズマディスプレイパネルを提供することを目的とす
る。
が低く、点灯むらや、輝度むらがなく消費電力の少ない
プラズマディスプレイパネルを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、第一の電極と当該第一の電極を覆う誘電
体ガラス層とを配した前記ガラス基板と、第二の電極と
誘電体層、蛍光体層とを配した背面ガラス基板とが対向
してなるプラズマディスプレイパネルにおいて、前記第
一あるいは第二の電極が、インクジェット法(ノズルよ
り誘電体ペーストを吐出させて電極近傍にライン状に誘
電体を形成する方法)によって第一、第二の電極近傍上
のみをライン状にパターニング(形成)することによっ
て、前記課題(放電電圧のばらつく放電電圧が高くな
る、耐電圧が低下する等の課題)を解決し、ハイビジョ
ンのような高精細パネルの電極を高精度かつ安価に製造
できる。したがって高品質な高精細パネルが得られる。
成するために、第一の電極と当該第一の電極を覆う誘電
体ガラス層とを配した前記ガラス基板と、第二の電極と
誘電体層、蛍光体層とを配した背面ガラス基板とが対向
してなるプラズマディスプレイパネルにおいて、前記第
一あるいは第二の電極が、インクジェット法(ノズルよ
り誘電体ペーストを吐出させて電極近傍にライン状に誘
電体を形成する方法)によって第一、第二の電極近傍上
のみをライン状にパターニング(形成)することによっ
て、前記課題(放電電圧のばらつく放電電圧が高くな
る、耐電圧が低下する等の課題)を解決し、ハイビジョ
ンのような高精細パネルの電極を高精度かつ安価に製造
できる。したがって高品質な高精細パネルが得られる。
【0020】すなわち、誘電体ペーストのガラス粒径や
粒度分布の最適化やペースト中に導入する界面活性剤や
可塑剤の最適化によって細いノズルから均一にペースト
が連続的に電極近傍に山形(凸形状)に形成することに
よって前記の課題を解決する。
粒度分布の最適化やペースト中に導入する界面活性剤や
可塑剤の最適化によって細いノズルから均一にペースト
が連続的に電極近傍に山形(凸形状)に形成することに
よって前記の課題を解決する。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の形態)まず、本発明の実
施の形態に係るプラズマディスプレイパネル(以下「P
DP」という)の構成について図面を参照しながら説明
する。
施の形態に係るプラズマディスプレイパネル(以下「P
DP」という)の構成について図面を参照しながら説明
する。
【0022】図1は、本実施形態に係る交流面放電型P
DPの要部斜視図であり、図2は、図1のX−X線を含
む垂直断面図、図3は、図1のY−Y線を含む垂直断面
図をそれぞれ詳細に示したものである。なお、これらの
図では便宜上セルが3つだけ示されているが、実際には
赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光するセルが
多数配列されてPDPが構成されている。
DPの要部斜視図であり、図2は、図1のX−X線を含
む垂直断面図、図3は、図1のY−Y線を含む垂直断面
図をそれぞれ詳細に示したものである。なお、これらの
図では便宜上セルが3つだけ示されているが、実際には
赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光するセルが
多数配列されてPDPが構成されている。
【0023】各図(図2、3)に示すように、このPD
Pは、前面ガラス基板11の上に、放電電極(表示電
極)12、放電電極近傍が山形になった誘電体ガラス層
13及び保護層14が配されてなる前面パネル10と、
背面ガラス基板21の表面にアドレス電極22、アドレ
ス電極近傍が山形になった誘電体ガラス層23、隔壁2
4、R、G、B各色の蛍光体層25が配されてなる背面
パネル20とを張り合わせ、前面パネル10と背面パネ
ル20との間に形成される放電空間30内に放電ガスが
封入された構成である。なお、図示していないが、放電
電極は、ITOやSnO2の透明電極上にバスラインと
してAg、Cu−Cr−Cuなどからなる金属電極が設
けられた構成になっている。
Pは、前面ガラス基板11の上に、放電電極(表示電
極)12、放電電極近傍が山形になった誘電体ガラス層
13及び保護層14が配されてなる前面パネル10と、
背面ガラス基板21の表面にアドレス電極22、アドレ
ス電極近傍が山形になった誘電体ガラス層23、隔壁2
4、R、G、B各色の蛍光体層25が配されてなる背面
パネル20とを張り合わせ、前面パネル10と背面パネ
ル20との間に形成される放電空間30内に放電ガスが
封入された構成である。なお、図示していないが、放電
電極は、ITOやSnO2の透明電極上にバスラインと
してAg、Cu−Cr−Cuなどからなる金属電極が設
けられた構成になっている。
【0024】いま、放電電極12間で維持放電が行なわ
れている状態を考えると図3から誘電体が放電電極近傍
に限定されているため(電極間は誘電体層が薄いかほと
んどないため)従来例図6のように均一に誘電体がある
場合と比較して、放電電圧が下る。
れている状態を考えると図3から誘電体が放電電極近傍
に限定されているため(電極間は誘電体層が薄いかほと
んどないため)従来例図6のように均一に誘電体がある
場合と比較して、放電電圧が下る。
【0025】又、放電電極上には誘電体の厚みが15μ
m以上になるように山形(凸型)に誘電体を形成するの
で、絶縁耐圧が低下することもない。
m以上になるように山形(凸型)に誘電体を形成するの
で、絶縁耐圧が低下することもない。
【0026】発明者らは、誘電体ガラス層に使用するガ
ラス紛体の平均粒子径及びその最大粒子径や誘電体ペー
ストの組成、粘度およびノズルの形状を規定することに
よって、絶縁耐圧の向上や放電電圧の低減、更には可視
光の透過率の向上を図った。
ラス紛体の平均粒子径及びその最大粒子径や誘電体ペー
ストの組成、粘度およびノズルの形状を規定することに
よって、絶縁耐圧の向上や放電電圧の低減、更には可視
光の透過率の向上を図った。
【0027】次に、上記構成のPDPの製造方法につい
て具体的に説明する。
て具体的に説明する。
【0028】(前面パネル10の作製)前面パネル10
は、前面ガラス基板11の表面上に、公知のフォトリソ
グラフ法により放電電極12をストライプ状に形成し、
次に、この放電電極12を覆うようにガラス材料を用い
てインクジェット法により誘電体ガラス層13を形成し
(これについて詳細は後述する)、更に誘電体ガラス層
13の表面上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保
護層14を形成することによって作製する。
は、前面ガラス基板11の表面上に、公知のフォトリソ
グラフ法により放電電極12をストライプ状に形成し、
次に、この放電電極12を覆うようにガラス材料を用い
てインクジェット法により誘電体ガラス層13を形成し
(これについて詳細は後述する)、更に誘電体ガラス層
13の表面上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保
護層14を形成することによって作製する。
【0029】ここで、放電電極12を形成するフォトリ
ソグラフ法について簡単に説明する。
ソグラフ法について簡単に説明する。
【0030】図4は、フォトリソグラフ法による放電電
極12を形成する方法を示した工程図である。まず、
(a)に示すように前面ガラス基板11上に所定の厚み
(例えば、0.12μm)のITO層41をスパッタ法
にて形成する。その後(b)に示すようにフォトレジス
ト層42を形成し、(c)に示すようにマスク43を用
いて光線44を照射することにより、フォトリソグラフ
法にて(d)に示すように所定の幅(例えば、150μ
m)のストライプ状(電極間距離例えば、80μm)の
ITO電極45を形成する。次に、(e)に示すよう
に、感光性の銀ペーストを全面に形成後、同じくフォト
リソグラフ法にて、所定の幅(例えば、40μm)のA
gバスライン46(金属電極)をITO電極45(透明
電極)上に形成し、その後、所定温度にて焼成すること
によって放電電極12を完成させる。バスライン(金属
電極)として、Cu−Cr−Cuの三層の金属層からな
るものを用いる場合には、各金属層をスパッタ法によ
り、上記のようにして予めパターニングした透明電極の
上に蒸着させ、レジストを蒸着層の上面に塗布してフォ
トリソグラフ法によりパターニングを行うことで金属電
極を形成する。
極12を形成する方法を示した工程図である。まず、
(a)に示すように前面ガラス基板11上に所定の厚み
(例えば、0.12μm)のITO層41をスパッタ法
にて形成する。その後(b)に示すようにフォトレジス
ト層42を形成し、(c)に示すようにマスク43を用
いて光線44を照射することにより、フォトリソグラフ
法にて(d)に示すように所定の幅(例えば、150μ
m)のストライプ状(電極間距離例えば、80μm)の
ITO電極45を形成する。次に、(e)に示すよう
に、感光性の銀ペーストを全面に形成後、同じくフォト
リソグラフ法にて、所定の幅(例えば、40μm)のA
gバスライン46(金属電極)をITO電極45(透明
電極)上に形成し、その後、所定温度にて焼成すること
によって放電電極12を完成させる。バスライン(金属
電極)として、Cu−Cr−Cuの三層の金属層からな
るものを用いる場合には、各金属層をスパッタ法によ
り、上記のようにして予めパターニングした透明電極の
上に蒸着させ、レジストを蒸着層の上面に塗布してフォ
トリソグラフ法によりパターニングを行うことで金属電
極を形成する。
【0031】(保護層の形成について)図5を参照しな
がら、スパッタ法によって保護層を形成する方法につい
て説明する。
がら、スパッタ法によって保護層を形成する方法につい
て説明する。
【0032】図5は、保護層14を形成する際に用いる
スパッタ装置50の概略図である。
スパッタ装置50の概略図である。
【0033】このスパッタ装置50は、スパッタ装置本
体55の中には、ガラス基板57(図1における放電電
極12や誘電体ガラス層13を形成した前面ガラス基板
11)を加熱するヒータ部56が設けられ、スパッタ装
置本体55内は排気装置59で減圧にすることができる
ようになっている。また、スパッタ装置本体55の中に
プラズマを発生させるための高周波電源58が設置され
ている。又、MgOをスパッタするためのMgターゲッ
トが52に設置されているArガスボンベ51、スパッ
タガスであるアルゴン(Ar)ガスをスパッタ装置本体
55に供給するものである。
体55の中には、ガラス基板57(図1における放電電
極12や誘電体ガラス層13を形成した前面ガラス基板
11)を加熱するヒータ部56が設けられ、スパッタ装
置本体55内は排気装置59で減圧にすることができる
ようになっている。また、スパッタ装置本体55の中に
プラズマを発生させるための高周波電源58が設置され
ている。又、MgOをスパッタするためのMgターゲッ
トが52に設置されているArガスボンベ51、スパッ
タガスであるアルゴン(Ar)ガスをスパッタ装置本体
55に供給するものである。
【0034】酸素ボンベ54は、反応ガスである酸素
(O2)をスパッタ装置本体55に供給するものであ
る。
(O2)をスパッタ装置本体55に供給するものであ
る。
【0035】上記のスパッタ装置を用いてスパッタ法で
保護層14の形成を行なう場合は、ヒータ部56の上
に、電極が形成された面を上にしてガラス基板57を置
き、所定の温度(300℃前後)に加熱すると共に、反
応容器内を排気装置59で減圧(1Pas程度)にす
る。
保護層14の形成を行なう場合は、ヒータ部56の上
に、電極が形成された面を上にしてガラス基板57を置
き、所定の温度(300℃前後)に加熱すると共に、反
応容器内を排気装置59で減圧(1Pas程度)にす
る。
【0036】Arガスボンベ51からArガスを送り込
む。また、これと同時に、酸素ボンベ54から酸素を供
給する。更に高周波電源58を駆動して高周波電解(1
3.56MHz)を印加することにより、スパッタ装置
本体55内にプラズマを発生させながら、Mgターゲッ
トをスパッタし、保護層14の形成を行なう。
む。また、これと同時に、酸素ボンベ54から酸素を供
給する。更に高周波電源58を駆動して高周波電解(1
3.56MHz)を印加することにより、スパッタ装置
本体55内にプラズマを発生させながら、Mgターゲッ
トをスパッタし、保護層14の形成を行なう。
【0037】(背面パネル20の作製)まず、背面ガラ
ス基板21の表面に、上述した放電電極12の形成と同
様のフォトリソグラフ法により、アドレス電極22を形
成する。なお、このアドレス電極は、金属電極のみから
なる。
ス基板21の表面に、上述した放電電極12の形成と同
様のフォトリソグラフ法により、アドレス電極22を形
成する。なお、このアドレス電極は、金属電極のみから
なる。
【0038】そして、このアドレス電極22を覆うよう
に前面パネル10の場合と同様のノズルからインキを吐
出させる方法(インクジェット法)で塗布し焼成するこ
とによって誘電体ガラス層23を形成する(これについ
ては後述する)。
に前面パネル10の場合と同様のノズルからインキを吐
出させる方法(インクジェット法)で塗布し焼成するこ
とによって誘電体ガラス層23を形成する(これについ
ては後述する)。
【0039】次に、誘電体ガラス層23の上に、ガラス
製の隔壁24を所定のピッチで設置する。
製の隔壁24を所定のピッチで設置する。
【0040】そして、隔壁24に挟まれた各空間内に、
赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光
体の中の1つを配設することによって、蛍光体層25を
形成する。各色R、G、Bの蛍光体としては、一般的に
PDPに用いられている蛍光体を用いることができる
が、ここでは次の蛍光体を用いる。 赤色蛍光体:(YXGd1-X)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn 青色蛍光体:BaMgAl10O17:Eu2+或はBaMg
Al14O23:Eu2+ 上記の隔壁間に入れる蛍光体の作成方法について一例を
図6を用いて述べる。
赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光
体の中の1つを配設することによって、蛍光体層25を
形成する。各色R、G、Bの蛍光体としては、一般的に
PDPに用いられている蛍光体を用いることができる
が、ここでは次の蛍光体を用いる。 赤色蛍光体:(YXGd1-X)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn 青色蛍光体:BaMgAl10O17:Eu2+或はBaMg
Al14O23:Eu2+ 上記の隔壁間に入れる蛍光体の作成方法について一例を
図6を用いて述べる。
【0041】図6は、蛍光体層25を形成する際に用い
るインキ塗布装置60の概略構成図である。先ずサーバ
ー61内に所定の粒子径(例えば、平均粒子径2.0μ
m)の赤色蛍光体であるY2O3:Eu3+粉末、エチルセ
ルローズ、溶剤(α−ターピネオール)から成る蛍光体
混合物(混合比率、50重量%:1.0重量%:49重
量%)をサンドミルで混合撹拌し、所定の粘度(例え
ば、1.5Pas)とした塗布液を入れ、ポンプ62の
圧力で噴射装置のノズル部63(ノズル径60μm)か
ら赤色蛍光体形成用液体64をストライプ形状の隔壁内
に噴射させると同時に基板を直線状に移動させて、赤色
蛍光体ライン25を形成する。同様にして、青色(Ba
MaAl10O17:Eu2+)、緑色(Zn2SiO4:M
n)のラインを形成した後、所定温度(例えば、500
℃)で所定時間(例えば、10分間)焼成し、蛍光体層
25を形成する。
るインキ塗布装置60の概略構成図である。先ずサーバ
ー61内に所定の粒子径(例えば、平均粒子径2.0μ
m)の赤色蛍光体であるY2O3:Eu3+粉末、エチルセ
ルローズ、溶剤(α−ターピネオール)から成る蛍光体
混合物(混合比率、50重量%:1.0重量%:49重
量%)をサンドミルで混合撹拌し、所定の粘度(例え
ば、1.5Pas)とした塗布液を入れ、ポンプ62の
圧力で噴射装置のノズル部63(ノズル径60μm)か
ら赤色蛍光体形成用液体64をストライプ形状の隔壁内
に噴射させると同時に基板を直線状に移動させて、赤色
蛍光体ライン25を形成する。同様にして、青色(Ba
MaAl10O17:Eu2+)、緑色(Zn2SiO4:M
n)のラインを形成した後、所定温度(例えば、500
℃)で所定時間(例えば、10分間)焼成し、蛍光体層
25を形成する。
【0042】(前面パネル10及び背面パネル20の貼
り合わせによるPDPの作製)前述のようにして作製し
た前面パネル10と背面パネル20とを、封着用ガラス
を用いて貼り合わせると共に、隔壁24で仕切られた放
電空間30内を高真空(1.1×10-4Pa)に排気し
た後、所定の組成の放電ガスを所定の圧力で封入するこ
とによってPDPが作製される。
り合わせによるPDPの作製)前述のようにして作製し
た前面パネル10と背面パネル20とを、封着用ガラス
を用いて貼り合わせると共に、隔壁24で仕切られた放
電空間30内を高真空(1.1×10-4Pa)に排気し
た後、所定の組成の放電ガスを所定の圧力で封入するこ
とによってPDPが作製される。
【0043】なお、本実施の形態では、PDPのセルサ
イズは、40インチクラスのハイビジョンテレビに適合
するよう、隔壁24のピッチを0.2mm以下、放電電
極12の電極間距離を0.1mm以下に設定する。
イズは、40インチクラスのハイビジョンテレビに適合
するよう、隔壁24のピッチを0.2mm以下、放電電
極12の電極間距離を0.1mm以下に設定する。
【0044】また、封入する放電ガスの組成は、従来か
ら用いられているHe−Xe系、Ne−Xe系である
が、セルの発光輝度の向上を図るために、Xeの含有量
を5体積%以上とし、封入圧力を6.5×104〜1
0.1×104Paに設定する。
ら用いられているHe−Xe系、Ne−Xe系である
が、セルの発光輝度の向上を図るために、Xeの含有量
を5体積%以上とし、封入圧力を6.5×104〜1
0.1×104Paに設定する。
【0045】(誘電体ガラス層の形成について)誘電体
層の形成は、蛍光体塗布装置とほぼ同じ装置を用いる前
記誘電体ガラス層13は、平均粒子径が0.1μm〜
2.5μmで最大粒子径が平均粒子径の3倍を超えない
ガラス粉末を用いて、図7に示したインキ(ペースト)
塗布装置(インクジェット法)によって放電電極12が
形成された前面ガラス基板11の放電電極上に形成され
ている。
層の形成は、蛍光体塗布装置とほぼ同じ装置を用いる前
記誘電体ガラス層13は、平均粒子径が0.1μm〜
2.5μmで最大粒子径が平均粒子径の3倍を超えない
ガラス粉末を用いて、図7に示したインキ(ペースト)
塗布装置(インクジェット法)によって放電電極12が
形成された前面ガラス基板11の放電電極上に形成され
ている。
【0046】このような粒子径のガラス粉末を用いるこ
とにより、細いノズルから目づまりすることなく誘電体
ペーストを吐出できしかも気泡量の少ない緻密で表面が
比較的平坦な金属酸化物の焼結体である誘電体ガラス層
が得られる。なお、粒子径は、粒子径ごとの個数計数を
計数するコールターカウンタ粒度分析計(コールター株
式会社製の粒度測定装置)を用いて測定した(以下の実
施例でも同様)。
とにより、細いノズルから目づまりすることなく誘電体
ペーストを吐出できしかも気泡量の少ない緻密で表面が
比較的平坦な金属酸化物の焼結体である誘電体ガラス層
が得られる。なお、粒子径は、粒子径ごとの個数計数を
計数するコールターカウンタ粒度分析計(コールター株
式会社製の粒度測定装置)を用いて測定した(以下の実
施例でも同様)。
【0047】粒子径の調整は、ガラス粗材料をポールミ
ルやジェットミルなどの紛砕装置を用いて所定の粒子径
が得られるように紛砕することにより行う。このガラス
粗材料には、例えば、成分G1、G2、G3、・・・、
GNからなるガラスを使用する場合には、成分G1、G
2、G3、・・・、GNを成分比に相当する比率で秤量
し、これを例えば1300℃の炉中で加熱溶融し、その
後これを水中に投入して得られたものである。ガラス粗
材料としては、PbO−B2O3−SiO2−CaO−C
u2O系ガラス、PbO−B2O3−SiO2−MgO系ガ
ラスおよび、ZnO−B2O3−SiO2−K2O−Cu2
O系ガラスが好ましい。
ルやジェットミルなどの紛砕装置を用いて所定の粒子径
が得られるように紛砕することにより行う。このガラス
粗材料には、例えば、成分G1、G2、G3、・・・、
GNからなるガラスを使用する場合には、成分G1、G
2、G3、・・・、GNを成分比に相当する比率で秤量
し、これを例えば1300℃の炉中で加熱溶融し、その
後これを水中に投入して得られたものである。ガラス粗
材料としては、PbO−B2O3−SiO2−CaO−C
u2O系ガラス、PbO−B2O3−SiO2−MgO系ガ
ラスおよび、ZnO−B2O3−SiO2−K2O−Cu2
O系ガラスが好ましい。
【0048】ガラス単体又はこれらの混合物を用いるこ
とができる。なお、この他にも一般的にPDPの誘電体
に用いられるガラスも同様にして用いることが可能であ
る。
とができる。なお、この他にも一般的にPDPの誘電体
に用いられるガラスも同様にして用いることが可能であ
る。
【0049】このように所定の粒子径のガラス粉末を、
バインダとバインダ溶解溶剤とともに、ボールミル、デ
ィスパー或いはジェットミルによりよく混練し、混合ガ
ラスペーストを作製する。ここで用いるバインダとして
は、アクリル樹脂、エチルセルロース、エチレンオキサ
イド単体又はブチラール樹脂あるいはこれらの混合物を
用いることができる。バインダ溶解溶剤としては、ター
ピネオール、プチルカルビトールアセテート、或いはペ
ンタジオール単体、又はこれらの混合物を用いることが
できる。バインダ溶解溶剤の混合ペースト中に含有させ
る量を調整することによって、混合ペーストの粘度を採
用する成膜法に適した値に設定する。
バインダとバインダ溶解溶剤とともに、ボールミル、デ
ィスパー或いはジェットミルによりよく混練し、混合ガ
ラスペーストを作製する。ここで用いるバインダとして
は、アクリル樹脂、エチルセルロース、エチレンオキサ
イド単体又はブチラール樹脂あるいはこれらの混合物を
用いることができる。バインダ溶解溶剤としては、ター
ピネオール、プチルカルビトールアセテート、或いはペ
ンタジオール単体、又はこれらの混合物を用いることが
できる。バインダ溶解溶剤の混合ペースト中に含有させ
る量を調整することによって、混合ペーストの粘度を採
用する成膜法に適した値に設定する。
【0050】そして、この混合ガラスペーストには、必
要に応じて可塑剤や界面活性剤(分散剤)を添加するこ
とが望ましい。これは、可塑剤を添加すれば乾燥時に誘
電体中に発生するクラックが防止できるからである。ま
た、界面活性剤を添加すると乾燥時に発生するピンホー
ルが防止できるからである。ペースト(インキ)の粘度
は、誘電体の山形(凸形)形状に合わせて1Pas〜1
00Pasにするのが好ましい。
要に応じて可塑剤や界面活性剤(分散剤)を添加するこ
とが望ましい。これは、可塑剤を添加すれば乾燥時に誘
電体中に発生するクラックが防止できるからである。ま
た、界面活性剤を添加すると乾燥時に発生するピンホー
ルが防止できるからである。ペースト(インキ)の粘度
は、誘電体の山形(凸形)形状に合わせて1Pas〜1
00Pasにするのが好ましい。
【0051】この混合ペーストの組成は、ガラス粉末3
5重量%〜70重量%、バインダ5重量%〜15重量%
が添加されたバインダ成分30重量%〜65重量%が好
ましい。添加する可塑剤は、バインダ成分に対して1重
量%〜10重量%界面活性剤(分散剤)の添加量は、バ
インダ成分に対して0.1重量%〜3.0重量%である
ことが好ましい。
5重量%〜70重量%、バインダ5重量%〜15重量%
が添加されたバインダ成分30重量%〜65重量%が好
ましい。添加する可塑剤は、バインダ成分に対して1重
量%〜10重量%界面活性剤(分散剤)の添加量は、バ
インダ成分に対して0.1重量%〜3.0重量%である
ことが好ましい。
【0052】前記界面活性剤(分散剤)としては例え
ば、ポリカルボン酸、アルキルジフェニルエーテルスル
ホン酸ナトリウム塩、アルキルリン酸塩、高級アルコー
ルのリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンエチレンジ
グリセリンホウ酸エステルのカルボン酸塩、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレート、ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物、グリセロールモノオレート、ソル
ビタンセスキオレート、又はモホゲノールを用いること
ができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジオクチルを用いることが出来る。これらは、
単体ではなく、複数種を混合して使用することもでき
る。
ば、ポリカルボン酸、アルキルジフェニルエーテルスル
ホン酸ナトリウム塩、アルキルリン酸塩、高級アルコー
ルのリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンエチレンジ
グリセリンホウ酸エステルのカルボン酸塩、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレート、ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物、グリセロールモノオレート、ソル
ビタンセスキオレート、又はモホゲノールを用いること
ができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジオクチルを用いることが出来る。これらは、
単体ではなく、複数種を混合して使用することもでき
る。
【0053】こんどは、誘電体ガラス層23の形成につ
いて説明する。
いて説明する。
【0054】アドレス電極上の誘電体ガラス層23は、
誘電体ガラス層13の形成に用いたガラス粉末にTiO
2を5重量%〜30重量%添加した粉体を用いて誘電体
ガラス層13を形成したのと同じ方法で形成される。こ
のようにTiO2を添加することにより、背面ガラス基
板側の誘電体ガラス層は、蛍光体からの発光を、前面パ
ネル側に反射させる役目を担う。
誘電体ガラス層13の形成に用いたガラス粉末にTiO
2を5重量%〜30重量%添加した粉体を用いて誘電体
ガラス層13を形成したのと同じ方法で形成される。こ
のようにTiO2を添加することにより、背面ガラス基
板側の誘電体ガラス層は、蛍光体からの発光を、前面パ
ネル側に反射させる役目を担う。
【0055】TiO2の添加量が多ければ多いほど反射
率が高くなるのでその点では好ましいが、他方、多すぎ
ると絶縁耐圧が低下するため誘電体ガラス材料に対して
30重量%が限界と思われる。
率が高くなるのでその点では好ましいが、他方、多すぎ
ると絶縁耐圧が低下するため誘電体ガラス材料に対して
30重量%が限界と思われる。
【0056】また、TiO2の添加量が比較的多くなる
と、気泡生成に影響を与えることになるので、前期誘電
体ガラス層13の場合と同様に、平均粒子径が0.1μ
m〜2.5μmで最大粒子径が平均粒子径の3倍以下で
あるガラス粉末を用いることが好ましく、より好ましく
は、平均粒子径0.1μm〜1.5μmのものを用いる
ことが好ましい。
と、気泡生成に影響を与えることになるので、前期誘電
体ガラス層13の場合と同様に、平均粒子径が0.1μ
m〜2.5μmで最大粒子径が平均粒子径の3倍以下で
あるガラス粉末を用いることが好ましく、より好ましく
は、平均粒子径0.1μm〜1.5μmのものを用いる
ことが好ましい。
【0057】次に、上記混合ガラスペーストを用い、イ
ンクジェット法にて混合ペーストを放電電極12が表面
に形成された前面ガラス基板11上に塗布し、乾燥させ
た後、所定温度(550℃〜590℃)でガラスペース
ト中のガラス粉体を焼結させる。
ンクジェット法にて混合ペーストを放電電極12が表面
に形成された前面ガラス基板11上に塗布し、乾燥させ
た後、所定温度(550℃〜590℃)でガラスペース
ト中のガラス粉体を焼結させる。
【0058】又ノズル吐出法(インクジェット法)のノ
ズル径は、インキの粘度および電極巾電極間隔によって
異なるが、PDPの場合電極巾が30μm〜400μm
程度であるため、ノズル径は30μm〜350μmが好
ましい。
ズル径は、インキの粘度および電極巾電極間隔によって
異なるが、PDPの場合電極巾が30μm〜400μm
程度であるため、ノズル径は30μm〜350μmが好
ましい。
【0059】なおインクジェット法にて、電極上に誘電
体層を形成する一例を図7及び図8を用いて述べる。
体層を形成する一例を図7及び図8を用いて述べる。
【0060】図7及び図8は、誘電体層13、23を形
成する際に用いるインキ塗布装置80(インクジェット
装置)の概略図である。
成する際に用いるインキ塗布装置80(インクジェット
装置)の概略図である。
【0061】先づサーバー81内に所定の粒子径(例え
ば、平均粒径が2.0μmで最大粒径がその3倍以内)
のPbO系ガラス粉末65重量%と、エチルセルロース
が10重量%、ターピネオールとブチルカルビトールア
セテートの混合溶剤に溶解されたものに可塑剤(フタル
酸ジブチル)5重量%と、界面活性剤(ポリエチレンオ
キシソルビタンモノオレート)0.1重量%添加されて
なる有機バインダー成分35重量%をサンドミルで混合
撹拌し所定の粘度(50Pas)とした塗布ペーストを
入れポンプ82の圧力で噴射装置のノズル部83(ノズ
ル径100μm)から電極13、23上にストライプ形
状になるように、噴射させると同時にノズルヘッドある
いは、基板を直線状に移動させて誘電体層を形成させ
る。
ば、平均粒径が2.0μmで最大粒径がその3倍以内)
のPbO系ガラス粉末65重量%と、エチルセルロース
が10重量%、ターピネオールとブチルカルビトールア
セテートの混合溶剤に溶解されたものに可塑剤(フタル
酸ジブチル)5重量%と、界面活性剤(ポリエチレンオ
キシソルビタンモノオレート)0.1重量%添加されて
なる有機バインダー成分35重量%をサンドミルで混合
撹拌し所定の粘度(50Pas)とした塗布ペーストを
入れポンプ82の圧力で噴射装置のノズル部83(ノズ
ル径100μm)から電極13、23上にストライプ形
状になるように、噴射させると同時にノズルヘッドある
いは、基板を直線状に移動させて誘電体層を形成させ
る。
【0062】この時インキの粘度、ノズル径、ポンプ圧
力によって誘電体形状(山形、凸形の形状)をコントロ
ールする。
力によって誘電体形状(山形、凸形の形状)をコントロ
ールする。
【0063】特に本発明では電極巾が150μm〜40
0μm程度であるので、ノズル径は、60μm〜200
μmが特に好ましい。
0μm程度であるので、ノズル径は、60μm〜200
μmが特に好ましい。
【0064】又、ペーストの粘度は、10Pas〜10
0Pasが好ましい。
0Pasが好ましい。
【0065】次に塗布した後は、乾燥後、(130℃1
5分)所定温度(例えば580℃)で所定時間(例えば
15分間)焼成し、誘電体層13、23を形成する。
5分)所定温度(例えば580℃)で所定時間(例えば
15分間)焼成し、誘電体層13、23を形成する。
【0066】なお、この焼結処理は、焼結が可能な限り
誘電体ガラスの軟化点付近で行うのが好ましい。これは
軟化点よりあまりに高い温度で焼結を行うと、溶融した
ガラスの流動性が高くなるため、放電電極と反応し、気
泡が発生する要因となるからである。
誘電体ガラスの軟化点付近で行うのが好ましい。これは
軟化点よりあまりに高い温度で焼結を行うと、溶融した
ガラスの流動性が高くなるため、放電電極と反応し、気
泡が発生する要因となるからである。
【0067】誘電体ガラス層の厚みは、薄いほどパネル
輝度の向上と放電電圧を低減する効果が顕著になるの
で、絶縁耐圧が維持される範囲内であればできるだけ薄
く設定するのが望ましい。本実施の形態では、誘電体ガ
ラス層13、23の最大厚みは従来の厚み30〜40μ
mよりも薄い所定の厚みに設定する。
輝度の向上と放電電圧を低減する効果が顕著になるの
で、絶縁耐圧が維持される範囲内であればできるだけ薄
く設定するのが望ましい。本実施の形態では、誘電体ガ
ラス層13、23の最大厚みは従来の厚み30〜40μ
mよりも薄い所定の厚みに設定する。
【0068】
【実施例】上記実施の形態に基いて、実施例に示す具体
的実験を行ったのでこれについて説明する。
的実験を行ったのでこれについて説明する。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】上記表1〜3は、前面パネル10の誘電体
ガラス層13の形成条件(ガラスの組成、平均粒子径、
ガラスペーストの組成、焼成温度等)等を示す。また上
記表4〜6は、背面パネル20の誘電体ガラス層23の
形成条件(ガラスの組成、平均粒子径、ガラスペースト
の組成、焼成温度等)等を示す。
ガラス層13の形成条件(ガラスの組成、平均粒子径、
ガラスペーストの組成、焼成温度等)等を示す。また上
記表4〜6は、背面パネル20の誘電体ガラス層23の
形成条件(ガラスの組成、平均粒子径、ガラスペースト
の組成、焼成温度等)等を示す。
【0076】実施例における表1〜6に記載された試料
番号No.1〜8、11〜18、21〜26の誘電体ガ
ラス層の形成は、すべてノズル吐出法(インクジェット
法)で行った。
番号No.1〜8、11〜18、21〜26の誘電体ガ
ラス層の形成は、すべてノズル吐出法(インクジェット
法)で行った。
【0077】表1〜表6に示した資料番号No.1〜2
8のPDPは、前記実施の形態に基いて、放電電極12
及びアドレス電極22の双方の表面上を平均粒子径が
0.1μm〜2.5μmで、最大粒子径が平均粒子径の
3倍を超えないガラス粉末を用いた誘電体ガラス層1
3、23で覆ったものである。その膜厚は、15μm〜
30μm(平均値)である。
8のPDPは、前記実施の形態に基いて、放電電極12
及びアドレス電極22の双方の表面上を平均粒子径が
0.1μm〜2.5μmで、最大粒子径が平均粒子径の
3倍を超えないガラス粉末を用いた誘電体ガラス層1
3、23で覆ったものである。その膜厚は、15μm〜
30μm(平均値)である。
【0078】PDPのセルサイズについて説明すると、
42インチのハイビジョンテレビ用のディスプレイに合
わせて、隔壁24の高さは130μm、隔壁24どうし
の間隔すなわちセルピッチは150μmに設定し、放電
電極12の電極間距離は80μmに設定し電極巾は15
0μmに設定した。そして、Xeの含有量が5体積%の
Ne−Xe系の混合ガスを、封入圧7.5×104Pa
にて封入した。
42インチのハイビジョンテレビ用のディスプレイに合
わせて、隔壁24の高さは130μm、隔壁24どうし
の間隔すなわちセルピッチは150μmに設定し、放電
電極12の電極間距離は80μmに設定し電極巾は15
0μmに設定した。そして、Xeの含有量が5体積%の
Ne−Xe系の混合ガスを、封入圧7.5×104Pa
にて封入した。
【0079】MgO保護層14はスパッタ法で作製し
た。
た。
【0080】試料番号No.1〜10のPDPは、前面
パネル10の誘電体ガラス層13に、PbO−B2O3−
SiO2−CaO−Cu2O系ガラスを使用し、また試料
番号No.11〜20ではZnO−B2O3−SiO2−
K2O−Cu2O系の誘電体ガラスを用い、No.21〜
28ではPbO−B2O3−SiO2−K2O−CaO系の
誘電体ガラスを用いた。
パネル10の誘電体ガラス層13に、PbO−B2O3−
SiO2−CaO−Cu2O系ガラスを使用し、また試料
番号No.11〜20ではZnO−B2O3−SiO2−
K2O−Cu2O系の誘電体ガラスを用い、No.21〜
28ではPbO−B2O3−SiO2−K2O−CaO系の
誘電体ガラスを用いた。
【0081】背面パネル20の誘電体ガラス層23に
は、上記3種のガラスにフィラーとして酸化チタン(T
iO2)を添加したガラス材料を用いた。
は、上記3種のガラスにフィラーとして酸化チタン(T
iO2)を添加したガラス材料を用いた。
【0082】試料番号No.9、10、19、20、2
7、28のPDPは比較例であって、誘電体ガラス層1
3、23を形成する時に使用した方法が印刷法あるいは
ダイコート法である。そして、それ以外の条件について
は、試料番号No.1〜8、11〜17、21〜26の
PDPと同様の設定にした。
7、28のPDPは比較例であって、誘電体ガラス層1
3、23を形成する時に使用した方法が印刷法あるいは
ダイコート法である。そして、それ以外の条件について
は、試料番号No.1〜8、11〜17、21〜26の
PDPと同様の設定にした。
【0083】(実験1)以上のように作製した試料番号
No.1〜28のPDPについて、パネルが全面点灯す
る時の電圧を測定した。
No.1〜28のPDPについて、パネルが全面点灯す
る時の電圧を測定した。
【0084】(実験2)パネルを20枚作成し、それぞ
れのパネルの全面点灯(すべての画素が点灯する電圧)
する電圧を測定して、その点灯電圧のばらつきを測定し
た。
れのパネルの全面点灯(すべての画素が点灯する電圧)
する電圧を測定して、その点灯電圧のばらつきを測定し
た。
【0085】また、パネル輝度(cd/cm2)と消費
電力を、各試作PDPで、全面点灯電圧を放電維持電圧
とし、周波数30kHz程度で放電させた時の測定値か
ら求めた。
電力を、各試作PDPで、全面点灯電圧を放電維持電圧
とし、周波数30kHz程度で放電させた時の測定値か
ら求めた。
【0086】(実験3)パネルを全面点灯し、輝度むら
を目視で観察した。
を目視で観察した。
【0087】以上実験1〜実験3の結果を下記表7〜9
に示す。
に示す。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】(考察)上記表7〜表9に記載した実験結
果から明らかなように、試料番号No.1〜8、11〜
18、21〜26についての全面点灯電圧、全面点灯電
圧のばらつき、パネルの輝度、消費電力、放電むらの測
定結果では、従来の工法である、印刷工法やダイコート
工法で作成したパネルと比較して優れたパネル特性を示
している。
果から明らかなように、試料番号No.1〜8、11〜
18、21〜26についての全面点灯電圧、全面点灯電
圧のばらつき、パネルの輝度、消費電力、放電むらの測
定結果では、従来の工法である、印刷工法やダイコート
工法で作成したパネルと比較して優れたパネル特性を示
している。
【0092】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明のプラズ
マディスプレイパネルによると、第一の電極と当該第一
の電極を覆う誘電体ガラス層とを配したフロントカバー
プレートと、第二の電極と蛍光体層とを配したバックプ
レートとが対向してなるプラズマディスプレイパネルに
おいて、前記第一および第二の電極上近傍に誘電体ペー
ストをノズルから吐出させ(インクジェット法によって
吐出させ)、誘電体を電極近傍にライン状に形成するこ
とにより放電開始電圧(全面に放電が点灯する電圧)が
低く、点灯むらや、輝度むらがなく消費電力の少ないプ
ラズマディスプレイパネルを提供することが出来る。
マディスプレイパネルによると、第一の電極と当該第一
の電極を覆う誘電体ガラス層とを配したフロントカバー
プレートと、第二の電極と蛍光体層とを配したバックプ
レートとが対向してなるプラズマディスプレイパネルに
おいて、前記第一および第二の電極上近傍に誘電体ペー
ストをノズルから吐出させ(インクジェット法によって
吐出させ)、誘電体を電極近傍にライン状に形成するこ
とにより放電開始電圧(全面に放電が点灯する電圧)が
低く、点灯むらや、輝度むらがなく消費電力の少ないプ
ラズマディスプレイパネルを提供することが出来る。
【図1】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルの要部斜視図
レイパネルの要部斜視図
【図2】前記プラズマディスプレイパネルのX―X線矢
視断面図
視断面図
【図3】前記プラズマディスプレイパネルのY―Y線矢
視断面図
視断面図
【図4】前面ガラス基板への電極の形成方法を示す模式
図
図
【図5】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルを製造する際に用いるスパッタ装置の概略図
レイパネルを製造する際に用いるスパッタ装置の概略図
【図6】蛍光体層25を形成する際に用いるインキ塗布
装置60の概略構成図
装置60の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルの誘電体層を製造する際に用いるインクジェ
ット装置の概略図
レイパネルの誘電体層を製造する際に用いるインクジェ
ット装置の概略図
【図8】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルの誘電体層を製造する際に用いるインクジェ
ット装置(ノズル吐出装置)の概略図
レイパネルの誘電体層を製造する際に用いるインクジェ
ット装置(ノズル吐出装置)の概略図
【図9】従来の交流型プラズマディスプレイパネルの要
部斜視図
部斜視図
10 前面パネル 11 前面ガラス基板 12 放電電極(表示電極) 13 誘電体ガラス層 14 保護膜 20 背面パネル 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 誘電体ガラス層 24 隔壁 25 蛍光体層 30 放電空間 41 ITO 42 フォトレジスト層 43 マスク 44 UV光線 45 ITO電極 46 金属電極 50 スパッタ装置 51 アルゴンガスボンベ 52 Mgターゲット 54 酸素ガスボンベ 55 スパッタ装置本体 56 基板加熱ヒータ 57 誘電体ガラス層が形成された前面ガラス基板 58 高周波電源 59 排気装置 60 インキ塗布装置(蛍光体) 61 サーバ 62 加圧ポンプ 63 ヘッダ(ノズル部) 64 インキ流 80 インキ塗布装置(誘電体) 81 サーバ 82 加圧ポンプ 83 ヘッダ(ノズル部) 84 ペースト流 131 前面ガラス基板 132 表示電極 133 誘電体ガラス層 134 MgO 135 背面ガラス基板 136 アドレス電極 137 誘電体ガラス層 138 隔壁 139 蛍光体層 140 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米原 浩幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 5C040 FA01 GB03 GB14 GD01 GD07 KB09 MA02 MA12 5C058 AA11 AB01 BA02 BA06 BA26
Claims (7)
- 【請求項1】 第一の電極及び第一の誘電体ガラス層が
形成された前面ガラス基板を備えた前面パネルと、第二
の電極及び蛍光体層が形成された背面ガラス基板を備え
た背面パネルとを有し、前記第一の電極と前記第二の電
極とが所定の距離離間して対向する前記前面パネルと前
記背面パネルとを配置するとともに、前記前面パネルと
前記背面パネルとの間に隔壁を設置し、前記前面パネ
ル、前記背面パネル及び前記隔壁により形成された空間
に放電可能なガス媒体を封入してなるプラズマディスプ
レイパネルの製造方法であって、ノズルから連続的に誘
電体ペーストを前記第一の電極上近傍に吐出させ乾燥
後、焼成して前記第一の誘電体層を形成することを特徴
とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項2】 第一の電極及び第一の誘電体ガラス層が
形成された前面ガラス基板を備えた前面パネルと、第二
の電極及び蛍光体層が形成された背面ガラス基板を備え
た背面パネルとを有し、前記第一の電極と前記第二の電
極とが所定の距離離間して対向する前記前面パネルと前
記背面パネルとを配置するとともに、前記前面パネルと
前記背面パネルとの間に隔壁を設置し、前記前面パネ
ル、前記背面パネル及び前記隔壁により形成された空間
に放電可能なガス媒体を封入してなるプラズマディスプ
レイパネルであって、粘度が10Pasから100Pa
sである誘電体ペーストを、前記第一の電極上を走査し
ながらノズルから吐出させ乾燥後焼成して、前記第一バ
ス電極近傍を略凸状におおうように形成したプラズマデ
ィスプレイパネル。 - 【請求項3】 前記第一の誘電体層を形成するのに用い
る誘電体ペーストは、平均粒子径0.1μm〜2.5μ
mでその最大粒子径が平均粒子径の3倍以下であるガラ
ス粉体と、可塑剤と界面活性剤と、バインダと、バイン
ダ溶解溶剤とが混合されてなるガラスペーストから成る
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方
法。 - 【請求項4】 背面パネルは第二の誘電体ガラス層を備
えており、平均粒子径0.1μm〜2.5μmでその最
大粒子径が平均粒子径の3倍以下であるガラス紛体と、
可塑剤と界面活性剤と、バインダと、バインダ溶解溶剤
とが混合されてなるガラスペーストをノズルから吐出さ
せて第二の電極上に塗布したのち、ガラスペースト中の
ガラス粉体を焼却させることによって、前記第二の誘電
体ガラス層を形成することを特徴とするプラズマディス
プレイパネルの製造方法。 - 【請求項5】 第一の電極及び第一の誘電体ガラス層が
形成された前面ガラス基板を備えた前面パネルと、第二
の電極、第二の誘電体ガラス層及び蛍光体層が形成され
た背面ガラス基板を備えた背面パネルとを有し、前記第
一の電極と前記第二の電極とが所定の距離離間して対向
するよう前記前面パネルと前記背面パネルとを配置する
とともに、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に隔
壁を設置し、前記前面パネル、前記背面パネル及び前記
隔壁により形成された空間に放電可能な媒体を封入して
なるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
平均粒子径0.1μm〜2.5μmでその最大粒子径が
平均粒子径の3倍以下である酸化物系ガラス粉体35重
量%〜70重量%と、エチルセルロースがターピネオー
ル、ブチルカルビトールアセテート、又はペンタジオー
ルに溶解されたものに可塑剤1重量%〜10重量%と界
面活性剤を0.1重量%〜3.0重量%添加させてなる
バインダ成分30重量%〜65重量%を三本ロールある
いは、ビーズミルで混練し、ペーストの粘度を10Pa
s〜100Pasにしたガラスペーストを、ノズルから
吐出させることにて前面ガラス基板及び第一の電極上に
塗布したのち、ガラスペースト中のガラス紛体を焼結さ
せることによって前記第一の誘電体ガラス層を形成する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方
法。 - 【請求項6】 第一の電極及び第一の誘電体ガラス層が
形成された前面ガラス基板を備えた前面パネルと、第二
の電極、第二の誘電体ガラス層及び蛍光体層が形成され
た背面ガラス基板を備えた背面パネルとを有し、前記第
一の電極と前記第二の電極とが所定の距離離間して対向
する前記前面パネルと前記背面パネルとを配置するとと
もに、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に隔壁を
設置し、前記前面パネル、前記背面パネル及び前記隔壁
により形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して
成るプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
平均粒子径0.1μm〜2.5μmでその最大粒子径が
平均粒子径の3倍以下である酸化物系ガラス粉体に、こ
れに対して平均粒子径が0.1μm〜0.5μmの酸化
チタンの紛体を30重量%混合した酸化チタン含有ガラ
ス紛体35重量%〜70重量%と、エチルセルロース又
はエチレンオキサイドがターピネオール、ブチルカルビ
トールアセテート、又はペンタジオールに溶解されたも
のに可塑剤1重量%〜10重量%と界面活性剤を0.1
重量%〜3.0重量%添加させてなるバインダ成分30
重量%〜65重量%を三本ロールあるいは、ビーズミル
で混練し、ペーストの粘度を1Pas〜100Pasに
したガラスペーストを、ノズルから吐出させることにて
背面ガラス基板及び第二の電極上に塗布したのち、ガラ
スペースト中のガラス紛体を焼結させることによって前
記第二の誘電体ガラス層を形成することを特徴とするプ
ラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項7】 前記誘電体層に用いられているガラス
が、PbO−B2O3−SiO2−CaO−Cu2O系ガラ
ス、PbO−B2O3−SiO2−CaO系ガラス、およ
びZnO−B2O3−SiO2−K2O−Cu2O系ガラス
からなる群から選ばれたガラス紛体を用いて前記第一の
誘電体ガラス層又は第二の誘電体ガラス層を形成するこ
とを特徴するプラズマディスプレイパネル製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250643A JP2002063842A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250643A JP2002063842A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002063842A true JP2002063842A (ja) | 2002-02-28 |
Family
ID=18740176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000250643A Pending JP2002063842A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002063842A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004086448A1 (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-07 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | プラズマディスプレイパネル |
WO2006100775A1 (ja) * | 2005-03-24 | 2006-09-28 | Shinoda Plasma Co., Ltd. | カラー表示装置 |
KR100705288B1 (ko) * | 2005-05-30 | 2007-04-09 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 및 그의 제조방법 |
JP2007157689A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Lg Electronics Inc | プラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法 |
KR100885581B1 (ko) | 2007-10-12 | 2009-02-24 | 시노다 프라즈마 가부시끼가이샤 | 컬러 표시 장치 |
US7564188B2 (en) | 2004-05-13 | 2009-07-21 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel comprising a dielectric layer with a convex portion |
-
2000
- 2000-08-22 JP JP2000250643A patent/JP2002063842A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004086448A1 (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-07 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | プラズマディスプレイパネル |
US7151343B2 (en) | 2003-03-27 | 2006-12-19 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Plasma display panel having priming discharge cell |
CN100338714C (zh) * | 2003-03-27 | 2007-09-19 | 松下电器产业株式会社 | 等离子体显示面板 |
US7564188B2 (en) | 2004-05-13 | 2009-07-21 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel comprising a dielectric layer with a convex portion |
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US7656082B2 (en) | 2005-03-24 | 2010-02-02 | Shinoda Plasma Co., Ltd. | Color display device |
KR100705288B1 (ko) * | 2005-05-30 | 2007-04-09 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 및 그의 제조방법 |
JP2007157689A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Lg Electronics Inc | プラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法 |
KR100885581B1 (ko) | 2007-10-12 | 2009-02-24 | 시노다 프라즈마 가부시끼가이샤 | 컬러 표시 장치 |
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