JP2003010636A - ハロゲンガスの除去方法 - Google Patents
ハロゲンガスの除去方法Info
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Abstract
気、固形廃棄物発生等の難点を回避又は低減し、かつ、
Cl2等のハロゲンガスの分解除去処理能力が高い、ハ
ロゲンガスの除去方法の提供。 【解決手段】塩素ガス、臭素ガス及びヨウ素ガスからな
る群より選ばれる一種以上のハロゲンガスを含有するガ
スを炭酸水素塩の粉体又は粒体に接触させて前記ハロゲ
ンガスを除去する方法において、塩化水素、フッ化水
素、臭化水素及びヨウ化水素からなる群より選ばれる一
種以上の酸性ガスを、前記ハロゲンガスに対して1〜1
00体積%添加する。
Description
ス及びヨウ素ガスからなる群より選ばれる一種以上のハ
ロゲンガス(以下、本ハロゲンガスという)を含有する
ガスから本ハロゲンガスを除去する方法に関し、例え
ば、本ハロゲンガスを含有するドライエッチング排ガス
等から本ハロゲンガスを除去する方法に関する。
ンガスとハロゲン化合物とを含有するドライエッチング
排ガスやCVD(化学気相蒸着法)チャンバ排ガス等の
処理方法として、設備の小型化及び操作の簡便化のた
め、活性炭等の吸着剤を使用した乾式による処理方法等
が採用されている。しかし、活性炭等の吸着剤の吸着容
量が小さいため長時間にわたる処理ができないこと、ガ
ス吸着時の吸着熱による発火のおそれがあること、使用
済み吸着剤が臭気を有し、かつ、固形廃棄物として別途
処理を要すること等の問題があった。
に鑑み、吸着剤を使用することを要せず、したがって、
吸着剤の発火の問題、使用済み吸着剤の臭気や固形廃棄
物処理の問題がなく、かつ、本ハロゲンガスの処理能力
が高い、本ハロゲンガスの除去方法を提供することを目
的とする。
素ガス及びヨウ素ガスからなる群より選ばれる一種以上
のハロゲンガスを含有するガスを炭酸水素塩の粉体又は
粒体に接触させて前記ハロゲンガスを除去する方法にお
いて、塩化水素、フッ化水素、臭化水素及びヨウ化水素
からなる群より選ばれる一種以上の酸性ガスを、前記ハ
ロゲンガスに対して1〜100体積%添加することを特
徴とするハロゲンガスの除去方法を提供する。
ては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が使用
できる。特に、大量かつ安価に入手できることから工業
的に適していることや、吸湿性が少なく、造粒物の製造
や保存にあたって使用しやすいことから、炭酸水素ナト
リウムが好ましい。一方、除去処理後の排ガス等へのナ
トリウムの混入を防ぎたい場合は炭酸水素カリウムが好
ましい。
特定酸性ガスを添加して炭酸水素塩の粉体又は粒体に接
触させることにより、炭酸水素塩の反応性を向上させる
ことができ、効果をより長く持続できる。
ンガスの全量に対して、同圧力、同温度で1〜100体
積%である。添加量が1体積%未満であると、特定酸性
ガス添加の効果が充分に得られない。添加量が100体
積%超であると、炭酸水素塩の反応性のさらなる向上が
認められず、不必要に特定酸性ガスを使用することにな
る他、炭酸水素塩が特定酸性ガスとの反応によって消費
され、本ハロゲンガスの除去容量が低下する。より好ま
しい添加量は1〜80体積%である。
ガスを添加して炭酸水素塩の粉体又は粒体と接触させる
方法としては、本ハロゲンガス含有ガスにあらかじめ特
定酸性ガスを添加し、混合した後に炭酸水素塩に接触さ
せてもよく、炭酸水素塩に本ハロゲンガス含有ガスを接
触させる際に同時に特定酸性ガスを炭酸水素塩に接触さ
せてもよい。また、本ハロゲンガスや特定酸性ガスの沸
点が高い場合には、接触時の温度を高めたり、他のガス
で希釈したりして、気体状態で炭酸水素塩に接触させる
のがよい。
もよいが、粒体が好ましく、造粒物が特に好ましい。造
粒物は、炭酸水素塩を70%(特記しない限り質量基準
である)以上含有することが好ましい。造粒物中におい
て、炭酸水素塩が70%未満であると、本ハロゲンガス
除去剤としてのガス処理容量が低下し、除去剤充填層の
入れ替え頻度が高くなるので好ましくない。造粒物中の
炭酸水素塩の含有量は、80%以上であることが特に好
ましい。なお、造粒物中において、他に含まれる材料と
しては、炭酸水素塩以外の吸着剤、バインダー等が挙げ
られる。
水素塩の粉末は、一次粒子の平均粒子径が10〜500
μmであることが好ましい。一次粒子の平均粒子径が1
0μm未満であると、流動性が不充分で、ハンドリング
等が難しくなるので好ましくない。また、平均粒子径が
500μm超であると、技術的に造粒物の製造が困難で
あり、コスト的に高くなるので好ましくない。なお、一
次粒子とは炭酸水素塩の単結晶であり、平均粒子径とは
重量基準による平均粒子径である。
0.5〜20mmであることが好ましい。造粒物の平均
粒子径が0.5〜20mmであることにより、ハロゲン
ガス処理用に、従来から使用されている充填塔等を使用
できる。造粒物の平均粒子径が0.5mm未満である
と、本ハロゲンガス含有ガスが充填層等を通過する際の
圧力損失が高くなり、平均粒子径が20mmを超える
と、本ハロゲン含有ガスと造粒物との接触面積が低下
し、本ハロゲンガスの除去性能を低下させる。造粒物の
平均粒子径としては、特に0.5〜10mmが好まし
い。
測定することが好ましい。造粒物の粒子径に対応した範
囲の目開きの篩を重ねあわせ、最下部に底皿を設置し、
上から造粒物を注ぎ、振とう機で振とうさせた後、各篩
上残渣の質量を測定し、各目開き値に対する篩上残渣質
量の累計を折れ線グラフに表し、篩上残渣質量の累計が
50%のときの粒子径を平均粒子径とする。上下の篩の
目開きの差は、造粒物の粒子径にもよるが、0.5mm
のピッチを使用することが好ましい。
拌式造粒法等の様々な方法により得ことができる。ここ
で、圧縮成形法は、工程が簡略なため工業的に簡便であ
り、バインダーを使用しなくても造粒物を得ることがで
きること、また、硬度が高く壊れにくく、ガス処理容量
の大きな造粒物を得ることができることから特に好まし
い。
えば、圧縮成形機を使用し、乾式で成形した後、粗粉砕
し、篩分ける方法が挙げられる。また、水溶性のバイン
ダーを使用して湿式の圧縮成形機で成形し、その後乾燥
させる方法も挙げられる。
ガスを処理するために、充填層に充填されて使用される
場合、強度が低いと、粉化して充填層を通過する際の圧
力損失が上昇することがある。このため造粒物の強度は
高くすることが好ましい。
で、硬度とは、造粒物粒子の1個を上方より垂直に荷重
をかけて圧縮して破壊するに必要な力のことである。
物粒子を分級し、粒子径を揃えた粒子群について評価す
ることが好ましい。例えば、平均粒子径1.5mm以上
2.0mm未満の造粒物については、目開き1.5mm
の篩と目開き2.0mmの篩を使用して篩分け、1.5
mm篩上かつ2.0mm篩下の粒子を20個採取し、各
粒子の硬度を測定してその平均値を粒子強度の評価基準
として採用する。
均粒子径0.5mm以上1.0mm未満の造粒物の場合
は粒子径0.5mm以上1.0mm未満の造粒物の平均
硬度が1N以上であること、平均粒子径1.0mm以上
1.5mm未満の造粒物の場合は粒子径1.0mm以上
1.5mm未満の造粒物の平均硬度が4N以上であるこ
と、平均粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造粒物
の場合は粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造粒物
の平均硬度が10N以上であること、平均粒子径2.0
mm以上20mm未満の造粒物の場合は粒子径2.0m
m以上20mm未満の造粒物の平均硬度が30N以上で
あること、が好ましい。
例えば、本ハロゲンガスを含有するドライエッチング排
ガス等を処理して、該排ガス中の本ハロゲンガスを除去
する。その他にも、例えば、BCl3、CCl4、Si
Cl4、COCl2、SiF 4、COF2、NF3、W
F6及びClF3等のハロゲン化合物又はF2を含んで
もよい。
100℃であると、効率的に除去処理できるので好まし
い。被処理ガスの温度が0℃未満であると、反応速度が
低下するので好ましくない。また、被処理ガスの温度が
100℃以下であれば、充填塔等の設備を高価な耐熱材
料又は構造とする必要がなく、操作及び設備等を簡略化
できるので好ましい。被処理ガスの温度は0℃〜80℃
が特に好ましい。
ンガスと反応し、さらには、ハロゲン化合物とも反応し
て、水溶性の塩を生成する。炭酸水素塩自身も水溶性で
あるために、排ガス中の本ハロゲンガスの除去に使用し
た後、水に溶解でき、固形廃棄物が実質的に発生しな
い。また、後述のように、例えば、炭酸水素塩と活性炭
を併用した場合、固形廃棄物を減少できる。
本ハロゲンガス、さらには、ハロゲン化合物が脱離して
臭気を発生することがないため、充填層等の入れ替え作
業が容易にできる。また、炭酸水素塩自身に消火性があ
るため発火の危険性がない。
酸性ガスを添加することにより炭酸水素塩と本ハロゲン
ガスとの反応性が向上し、同量の炭酸水素塩を使用した
場合においてもより多量の本ハロゲンガスを除去でき
る。この機構については、明らかではないが、添加され
た特定酸性ガスが、Cl2、Br2又はI2と炭酸水素
塩が反応した際に生成する次亜ハロゲン酸塩の分解を促
進するためと推定される。通常、Cl2、Br2又はI
2と炭酸水素塩が反応したとき、式1に従い、次亜ハロ
ゲン酸塩が生成する。生成した次亜ハロゲン酸塩は、式
2に従い、分解してハロゲン化ナトリウムと酸素に分解
することが知られている。しかし、この次亜ハロゲン酸
塩が分解せずに残留している場合は炭酸水素塩とC
l2、Br2又はI2との反応が進みにくくなるものと
考えられる。
により、特定酸性ガス(例えば、HX)が式3にしたが
い、この次亜ハロゲン酸塩をハロゲン化物と次亜ハロゲ
ン酸に分解し、本ハロゲンガスの除去効率が向上するも
のと考えられる。なお、次亜ハロゲン酸は速やかに式4
にしたがい、分解してハロゲン化水素と酸素になること
が知られている。 NaHCO3+X2→NaXO+CO2+HX・・・式1。 (X=Cl、Br又はI) NaXO→NaX+1/2O2・・・式2。 NaXO+HX→NaX+HXO・・・式3。 HXO→HX+1/2O2・・・式4。
性炭とともに充填塔等の容器に充填して特定酸性ガスを
添加された本ハロゲンガス含有ガスと接触させて、本ハ
ロゲンガスを除去するのも好ましい。この方法により、
活性炭を単独使用した場合と比較して、本ハロゲンガス
の除去量を増加できるのみでなく、活性炭からの臭気の
発生も低減できる。具体的には、炭酸水素塩の造粒物と
活性炭を層状に充填塔等の容器に配置する等して使用す
る方法が挙げられる。
の木屋式デジタル硬度計KHT−20型を使用して測定
した。また、硬度は粒子の大きさにより異なるため篩分
けして粒子径を揃えたものについて測定した。
た。標準篩(内径:200mm、金網:ステンレス鋼
製)でそれぞれ目開き3.35mm、2.80mm、
2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.00
mmのものを重ねあわせ、最下部に底皿を設置した上
に、炭酸水素塩粉末の造粒物100gを注ぎ、飯田製作
所製ロータップシェーカー式振とう機(周波数60H
z、290回転/分、打数165回/分)で10分間振
とうさせた後、それぞれの標準篩上残渣の質量を測定
し、各目開き値に対する篩上残渣質量の累計を折れ線グ
ラフに表し、篩上残渣質量の累計が50%のときの粒子
径を平均粒子径とした。
の食品添加物用炭酸水素ナトリウムの粉末(旭硝子社
製)300kgをロールプレス式圧縮成形機(ターボ工
業社製、商品名:ローラーコンパクターWP型、ロール
外径230mm、ロール長80mm)を使用して線圧3
6.8kN/cmで圧縮成形し、フレーク状の炭酸水素
ナトリウムの粉末の成形体を得た。得られたフレーク状
の成形体をフレークブレーカーで粗砕し、ロータリー式
整粒機のメッシュ目開きを4.75mmに設定して全通
させた後、回転篩機(ターボ工業社製、商品名:ターボ
スクリーナーTS型)を使用して、粒子径4.0mm以
上の粒子と粒子径1.0mm以下の粒子を除去し、平均
粒子径が2.3mmの炭酸水素ナトリウムの粉末の造粒
物を得た。この造粒物はバインダーを含まず、炭酸水素
ナトリウム含有量は実質的に100%であった。
の粒子強度を測定した。すなわち得られた平均粒子径
2.3mmの造粒物を1.0mm、1.5mm、2.0
mm、2.5mmの目開きの篩で篩分け、各粒度の硬度
を20個測定し平均値を求めたところ、1.0〜1.5
mmの間の粒子の平均硬度が12N、1.5〜2.0m
mの間の粒子の平均硬度が23N、2.0〜2.5mm
間の粒子の平均硬度が63Nであった。
m、長さ1300mmのフッ素樹脂ライニング付きステ
ンレス鋼製の充填容器に、充填物として、前記造粒物を
30kg充填した。組成比がCl2:80体積%、アル
ゴン:20体積%の混合ガスを流量200cm3/分、
温度25℃、常圧下で、上記充填容器の底部から注入
し、さらに、100体積%のHClガスを40cm3/
分で上記充填容器の底部から同時に注入した。充填容器
の上部から流出したガスを分析したところ、Cl 2濃度
は0.1体積ppm以下であった。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。この時点で充填物を取り出したところ、造粒物粒子
の粉化や臭気の発生はなかった。また、この充填物を水
中に投じたところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はな
かった。
かった以外は、例1と同様にして試験した。例1と同様
にして流出ガスを分析したところ、Cl2濃度は0.1
体積ppm以下であった。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。この時点で充填物を取り出したところ、造粒物粒子
の粉化や臭気の発生はなかった。また、この充填物を水
中に投じたところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はな
かった。
末の造粒物30kgのかわりに活性炭30kgを使用し
た以外は、例1と同様にして試験した。例1と同様にし
て流出ガスを分析したところ、Cl2濃度は0.1体積
ppm以下であった。
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。この時点で充填物を取り出したところ、活性炭の粉
化はなかったが、臭気の発生があった。
るに際して、除去能力がより高く、効率のよいハロゲン
ガスの除去方法が得られる。また、本発明の方法は、従
来の活性炭を使用する充填塔等にそのまま適用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】塩素ガス、臭素ガス及びヨウ素ガスからな
る群より選ばれる一種以上のハロゲンガスを含有するガ
スを炭酸水素塩の粉体又は粒体に接触させて前記ハロゲ
ンガスを除去する方法において、塩化水素、フッ化水
素、臭化水素及びヨウ化水素からなる群より選ばれる一
種以上の酸性ガスを、前記ハロゲンガスに対して1〜1
00体積%添加することを特徴とするハロゲンガスの除
去方法。 - 【請求項2】前記炭酸水素塩の粉体又は粒体、平均粒子
径10〜500μmの炭酸水素塩一次粒子の造粒物であ
って、造粒物の平均粒子径が0.5〜20mmの造粒物
である請求項1に記載のハロゲンガスの除去方法。 - 【請求項3】前記造粒物が炭酸水素塩を70%以上含有
する請求項2に記載のハロゲンガスの除去方法。 - 【請求項4】前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであ
る請求項1、2又は3に記載のハロゲンガスの除去方
法。
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