JP3701741B2 - 有害ガスの浄化剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有害ガスの浄化剤に関し、さらに詳細には、フッ化水素、フッ素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素など、主として半導体製造工程などで使用された後、排出される有害ガス、特にフッ素原子を含むフッ素系ガスの浄化に用いる浄化剤に関する。
【0002】
近年、半導体工業やオプロエレクトロニクス工業の発展とともにフッ化水素、フッ素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素などフッ素系ガスの種類および使用量が増加している。
これらのフッ素系ガスはシリコン半導体や化合物半導体製造工業などにおいて、結晶性シリコン、アモルファスシリコンあるいは酸化シリコン膜の膜成長、あるいは、エッチングガスとして不可欠な物質である。またこれらのフッ素系ガスは、半導体製造工程などでそのまま、あるいはヘリウム、アルゴン、窒素、水素などで希釈された状態で使用された後、そのまま、あるいはさらに窒素、空気などのガスで希釈された状態で排出されることから、そのガス濃度は一定していない。
そしてこれらのフッ素系ガスは、いずれも毒性が高く、人体および環境に悪影響を与えるので、これらフッ素系ガスを含む有害ガスは半導体製造工程などで使用された後、大気に放出するに先立って浄化する必要がある。
【0003】
【従来の技術】
従来、ガス中に含まれるフッ素系ガスを含めハロゲン系ガスを除去する手段として、スクラバー、スプレー塔、回転式微細気泡発生装置などを用い、これらのガスを水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液と接触させて吸収分解させる湿式法(特開昭61−204022号公報、特開昭62−125827号公報など)、およびマグネシウム、ナトリウム、カリウムの酸化物、炭酸塩などの吸着剤(特開昭63−232844号公報、特開昭60−68051号公報)、あるいはソーダライムなどを有効成分とする浄化剤など固形状のものを充填筒に充填し、これらの有害ガスを流して浄化する乾式法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、湿式法は一般的に後処理に困難性があり、装置が複雑で大型となるばかりでなく、設備、保守ともに多額の費用を要するという問題点がある。
一方、乾式法として、マグネシウム、ナトリウム、カリウムの酸化物、炭酸塩などの吸着剤が用いられるが、吸着剤単位容積当たりの除去能力が小さいという不都合がある。
また、亜鉛化合物とアルカリ金属化合物などを活性炭に含浸させた浄化剤も知られているが、その除去容量が必ずしも十分とはいえず、フッ素系ガス濃度が高かったり、処理ガス量が多い場合には、処理しきれないという問題点があるばかりでなく、活性炭を用いた浄化剤はフッ素など反応性の極めて高いガスの処理においては火災の危険性もある。
【0005】
さらに、ソーダライムは上記の浄化剤よりは幾分処理量が大きいものの、浄化剤が乾燥したり、フッ素系ガス濃度が低濃度の場合には、除去能力が大幅に低下するという問題点がある。
従って、有害ガスが低濃度であり、しかも乾燥状態といった、半導体製造プロセスなどから排出されるような種々のフッ素系ガスに対して除去性能が優れ、浄化の際に火災などの危険性がなく、かつ、高い効率で除去できる浄化剤の出現が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、主成分として水酸化ストロンチウムに成形剤として有機系粘結剤を用いるとともに、成形助剤としてストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物を用いて浄化剤とすることにより、フッ素系ガスの除去に対し、大きな浄化能力を有するとともに、乾燥した状態においても除去能力の低下することがなく、しかも、火災の恐れがない、優れた安全性を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、水酸化ストロンチウム、有機系粘結剤、及び水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物を用いて成形し、該有機系粘結剤は無水物換算で水酸化ストロンチウム100重量部に対して0.1〜40重量部、該水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物は水酸化ストロンチウム1モルに対して0.05〜1モルであり、有害なフッ素系ガスを含むガスと接触させ、該フッ素系ガスを除去する有害ガスの浄化剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化剤は、半導体プロセスから排出される排ガスなど、フッ素系ガスを含む有害なガスの浄化に適用される。
浄化の対象となる有害ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、および空気などにフッ素系ガス、例えば、フッ化水素、フッ素、三フッ化硼素、六フッ化タングステンまたは四フッ化珪素などのフッ素系ガスの1種以上を含むガスである。
【0008】
本発明において、浄化剤の主成分として水酸化ストロンチウムが用いられる。水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ]は、例えば、塩化ストロンチウムと苛性ソーダとの反応によって製造することもできるが、8水和物などの形で純度98%以上のもが市販されているので、通常はこれらの市販品を用いることができる。
水酸化ストロンチウムが8水和物の場合には、そのまま用いてもよいが、80℃程度に加熱すると比較的容易に安定な1水和物が得られるので、この1水和物相当とした形で用いてもよく、また結晶水を含まない無水物を用いてもよい。
【0009】
水酸化ストロンチウムは成形して浄化剤とされるが、成形に際しては成形性および成形強度を高めるなどの目的で、成形剤としてポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの有機系の粘結剤をそれぞれ単独、あるいはこれらを併用して用いられる。成形剤の添加量は、水酸化ストロンチウムの結晶水量、成型条件などによって定められるが、水酸化ストロンチウムの無水物換算で100重量部に対し、通常は0.1〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0010】
また、さらに成形性を高めるために、成形助剤としてストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物が添加される。ストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物は水酸化ストロンチウムの浄化能力を低下させることなく成形性を高められるほか、それ自身も浄化能力を有することから、好都合である。
さらにフッ素、フッ化水素のような除去対象の有害ガス種によっては、成型助剤として加えた水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物が水酸化ストロンチウムと相乗効果を示すことから極めて好都合である。
それらのアルカリ土類金属としては、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2 ]、水酸化カルシウム[Ca(OH)2 ]、水酸化バリウム[Ba(OH)2 ]などであり、通常はこれらの市販品を用いることができる。
【0011】
これらのストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物はそれぞれ単独で用いることもできるが、2種以上混合して用いてもよい。
水酸化ストロンチウムに対するストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物との混合割合については、ストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物の割合が多すぎる場合は浄化能力が低下すること、また少なすぎる場合は浄化能力が低下するとともに成形性も悪くなることから、水酸化ストロンチウムおよびストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物合計量(以下Mと略記する)のモル比(Sr:M)で通常は1:0.05〜1、好ましくは1:0.1〜0.5程度である。
【0012】
本発明の浄化剤におけるフッ素系ガスの浄化能力は、浄化剤中の水分量によって影響されることが少なく、浄化剤中の水分が微量であっても浄化することができる。しかし、浄化能力をより高めるなどの目的で浄化剤に適量の水を含ませてもよい。その場合の水の含有量としては、水酸化ストロンチウムの水和物を構成している水分などを含め、成形調製後の含水率として、通常は30重量%以下、好ましくは15重量%以下とされる。
【0013】
浄化剤を調製する方法には種々の方法があるが、例えば水酸化ストロンチウムとその他のアルカリ土類金属水酸化物を所定の割合で予備的に混合したものに、有機系粘結剤の水溶液を加えてかき混ぜ、得られたスラリーまたはケーキを押し出し成型し、適当な長さに切断して得られたペレットを乾燥機中で所定の水分量になるように乾燥して浄化剤とする方法、または、上記のようなスラリーまたはケーキを乾燥した後粉砕し、打錠成型する方法、あるいはスラリーまたはケーキを造粒機などを用いて、粒状に成型する方法などがある。
このほか、水酸化ストロンチウム、有機系粘結剤、ストロンチウム以外のアルカリ土類金属の水酸化物を所定割合で均一に混合し、成形できる方法であれば本発明の浄化剤の調製方法に適用することができる。
これらのうち成形性および形状、大きさの選択の容易さなどから押し出し成型によりペレット状とするのが一般的に好ましい。
【0014】
成形体の大きさおよび形状には特に制限はないが、球形、円柱状、円筒形および粒状などが代表例として挙げられる。その大きさは球状であれば直径0.5〜10mm、ペレット、タブレットなど円柱状であれば直径0.5〜10mm、高さ2〜20mm程度であり、粒状、破砕状など不定形のものであれば、ふるいの目の開きで0.8〜6mm程度のものである。
成形体を浄化筒に充填した場合の充填密度は通常は0.4〜2.0g/ml程度のものである。
【0015】
本発明の浄化剤は固定床の他、移動床、流動床として用いることも可能であるが、通常は固定床として用いられる。浄化剤は浄化筒内に充填され、フッ素系ガスを含有する有害ガスはこの浄化筒内に流され、浄化剤と接触させることにより、有害成分であるフッ素系ガスが除去される。
本発明の浄化剤が適応される有害ガス中に含まれるフッ素系ガスの濃度に特に限定はないが、一般的に半導体製造時に排出される数万ppmの高濃度から数ppmの低濃度まで浄化が可能である。
【0016】
浄化筒はフッ素系ガスの濃度、浄化対象となる有害ガスの量、許容できる圧力損失などに応じて設計される。
浄化筒内の浄化剤の充填長はガスの流量および有害ガスの濃度などによって異なり一概に特定はできないが、実用上通常は50〜1500mm程度とされる。
浄化筒の内径は筒内を流れるガスの空筒基準線速度(LV)が0.1〜150cm/sec程度となるように設計される。
一般的にはこれらの条件は充填層の圧力損失、ガスの接触効率およびフッ素系ガスの濃度などによって定められる。
【0017】
接触温度は通常は0〜90℃、好ましくは室温付近の温度(0〜40℃)で操作され、特に加熱や冷却を必要としない。なお、接触開始後は反応熱により、フッ素系ガスの種類、濃度などによっては温度が若干上昇することもあるが、活性炭など可燃物を使用していないため発火などの危険性はない。
接触時の圧力に特に制限はなく、通常は常圧で行われるが、0.5〜2kg/cm2 absのような減圧乃至加圧下で操作することも可能である。
次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O](純度99%)248gを乾燥機中80℃で18時間乾燥することによって、乾燥水酸化ストロンチウム130gを得た。このものは1水和物に相当する重量であった。
この乾燥水酸化ストロンチウム130gに水酸化カルシウム(関東化学(株)製、試薬1級、)35gを混合し(モル比、Sr:Ca=1:0.5)、これにポリビニルアルコール(PVAと略記、信越化学工業(株)製、PA−05)8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを1.6mmφのノズル板より押し出し、得られた成形物を切断して長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥機中100℃で約24時間乾燥することによって160gの浄化剤Aを得た。この浄化剤Aの充填密度は0.60g/mlであった。
また、浄化剤Aの含水率を乾量式水分計(株式会社チノー製、CZA1000)で測定したところ、0.9重量%であった。
【0019】
次に、この浄化剤Aを内径40mm、長さ200mmの石英ガラス製の浄化筒に125.6ml(充填長100mm)充填し、これに六フッ化タングステンガスを1000ppm含有する窒素を20℃、常圧下で2260ml/min(空筒基準線速度LV=3cm/sec)の流量で流通させ、破過までの時間を測定し、これより浄化剤1リットル当たりに対する六フッ化タングステンガスの除去量を求めた。
六フッ化タングステンガスの破過の検知は浄化筒出口ガスの一部をサンプリングし、フッ化物用の検知器(バイオニクス機器(株)製、TG−3700)を用いて測定した。なお、六フッ化タングステンガスの検知下限界は0.6ppmである。浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0020】
実施例2〜6
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]247gに水酸化カルシウム35gを混合し、これにポリビニルアルコール8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキから実施例1と同様の方法で、158gの浄化剤Bを得た。この浄化剤Bの充填密度は0.57g/mlであった。また、含水率は1.2重量%であった。
【0021】
この浄化剤Bについて、実施例1と同様の方法で、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化ホウ素、フッ素、フッ化水素の浄化試験を行った。
それぞれのフッ素系ガスの供給濃度はいずれも1000ppmで行った。また破過検知は浄化筒出口ガスの一部をサンプリングし、下記フッ化物用の検知器(バイオニクス機器(株)製)を用いて測定した。なお、それぞれのフッ素系ガスの検知下限界は下記の通りである
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0022】
実施例7
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]247gに水酸化カルシウム35gを混合し、これにメチルセルロース(MCと略記、関東化学(株)製)8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキから実施例1と同様の方法で160gの浄化剤Cを得た。
この浄化剤Cの充填密度は0.58g/mlであった。また、含水率は1.0重量%であった。
この浄化剤Cについて、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0023】
実施例8
水酸化カルシウムの添加量を7gに変えたほかは、実施例2と同様にして、135gの浄化剤Dを得た。
この浄化剤Dの充填密度は0.55g/mlであった。また、含水率は1.2重量%であった。
この浄化剤Dについて、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0024】
実施例9
水酸化カルシウムに代えて水酸化マグネシウム[Mg(OH)2 ](関東化学(株)製、試薬1級)54gを用いたほかは、実施例2と同様にして、181gの浄化剤Eを得た。
この浄化剤Eの充填密度は0.65g/mlであった。また、含水率は1.2重量%であった。
この浄化剤Eについて、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0025】
実施例10
水酸化カルシウムに代えて、水酸化バリウム[Ba(OH)2 ・8H2 O](関東化学(株)製、試薬1級)80gを用いたほかは、実施例2と同様にして、209gの浄化剤Fを得た。この浄化剤Fの充填密度は0.68g/mlであった。また、含水率は1.3重量%であった。
この浄化剤Fについて、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0026】
実施例11
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]247gに水酸化カルシウム35g、水酸化マグネシウム54gを混合し、これにポリビニルアルコール8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを実施例1と同様にして、215gの浄化剤Gを得た。この浄化剤Gの充填密度は0.64g/mlであった。また、含水率は0.9重量%であった。
この浄化剤Gについて、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。
浄化剤組成を表1に、浄化試験結果を表2に示した。
【0027】
比較例1
粒径が3.5〜5.5mmのソーダーライム(和光純薬(株)製、ソーダーライム2号)を窒素気流中、100℃の乾燥噐にて24時間乾燥させた。この乾燥ソーダーライムの充填密度は0.78g/mlであり、含水率は1.0重量%であった。
この乾燥ソーダーライムを用い、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。結果を表3に示した。
【0028】
比較例2
粒度5〜8meshのヤシガラ活性炭(BET法表面積で1200m2 /g)に水酸化ナトリウム水溶液を含浸させた後、窒素気流中、100℃の乾燥器で24時間乾燥させ、水酸化ナトリウム10重量%担持の浄化剤Iを得た。この浄化剤Iの充填密度は0.63g/mlであり、含水率は0.5重量%であった。
この浄化剤Iを用い、実施例1と同様にして、六フッ化タングステンを1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。結果を表3に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
実施例12
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]266gに水酸化カルシウム74gを混合し、これにポリビニルアルコール8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを押し出し成型し、直径1.6mmφ、長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥器中100℃で24時間乾燥し、202gの浄化剤Jを得た。この浄化剤Jの充填密度は0.6g/mlであった。また含水率は0.9重量%であった。
この浄化剤Jについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素を1000ppm含有する窒素について浄化試験を行った。浄化剤組成を表4に、浄化試験結果を表5に示した。
【0033】
実施例13
水酸化カルシウムの添加量を37gに変えたほかは、実施例12と同様にして160gの浄化剤Kを得た。この浄化剤Kの充填密度は0.5g/mlであった。また含水率は0.9重量%であった。
この浄化剤Kについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素を1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。浄化剤組成を表4に、浄化試験結果を表5に示した。
【0034】
実施例14
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]266gに水酸化カルシウム14gを混合し、これにポリビニルアルコール6gを36gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを押し出し成型し、直径1.6mmφ、長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥器中100℃で24時間乾燥し、135gの浄化剤Lを得た。この浄化剤Lの充填密度は0.57g/mlであった。また含水率は1.2重量%であった。
この浄化剤Lについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素を1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。浄化剤組成を表4に、浄化試験結果を表5に示した。
【0035】
実施例15
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]266gに水酸化カルシウム3.5gを混合し、これにポリビニルアルコール4gを24gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを押し出し成型し、直径1.6mmφ、長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥器中100℃で24時間乾燥し、120gの浄化剤Mを得た。 この浄化剤Mの充填密度は0.58g/mlであった。また含水率は1.0重量%であった。
この浄化剤Mについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素を1000ppm含有する窒素の浄化試験を行った。浄化剤組成を表4に、浄化試験結果を表5に示した。
【0036】
実施例16〜19
実施例12〜15で調製した浄化剤J〜Mについて、実施例1と同様の方法でフッ素を1000ppm含有する窒素の浄化実験を行った。浄化剤組成を表4に、浄化試験結果を表5に示した。
【0037】
比較例3
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]266gに水酸化カルシウム111gを混合し、これにポリビニルアルコール10gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを押し出し成型し、直径1.6mmφ、長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥器中100℃で24時間乾燥し、235gの浄化剤Nを得た。この浄化剤Nの充填密度は0.55g/mlであった。また含水率は1.2重量%であった。
この浄化剤Nについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素の浄化試験を行った。浄化剤組成を表6に、浄化試験結果を表7に示した。
【0038】
比較例4
水酸化ストロンチウム[Sr(OH)2 ・8H2 O]266gにポリビニルアルコール8gを48gの水に溶かした溶液を加えてかき混ぜた。得られたケーキを押し出し成型し、直径1.6mmφ、長さ3〜5mm程度のペレットとし、乾燥器中100℃で24時間乾燥し、120gの浄化剤Oを得た。この浄化剤Oの充填密度は0.48g/mlであった。また含水率は1.2重量%であった。
なお、この浄化剤Oの調製において、押し出し成形時の形状保持性が悪かったほか、乾燥の過程で一部が粉化した。
この浄化剤Oについて、実施例1と同様の方法でフッ化水素の浄化試験を行った。浄化剤組成を表6に、浄化試験結果を表7に示した。
【0039】
比較例5〜6
比較例3〜4で調製した浄化剤N〜Oについて、実施例1と同様の方法でフッ素の浄化実験を行った。浄化剤組成を表6に、浄化試験結果を表7に示した。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【発明の効果】
本発明の有害ガスの浄化剤は、フッ素系ガスの除去能力が大きく、六フッ化タングステン、フッ化水素、フッ素、四フッ化珪素などのフッ素系ガスを効率よく、しかも、安全に除去することができるので、半導体製造工程などから排出されるフッ素系ガスを含む有害ガスの浄化に優れた効果が得られる。
Claims (4)
- 水酸化ストロンチウム、有機系粘結剤、及び水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物を用いて成形し、該有機系粘結剤は無水物換算で水酸化ストロンチウム100重量部に対して0.1〜40重量部、該水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物は水酸化ストロンチウム1モルに対して0.05〜1モルであり、有害なフッ素系ガスを含むガスと接触させ、該フッ素系ガスを除去する有害ガスの浄化剤。
- 有機系粘結剤がポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の浄化剤。
- 成形助剤として用いる水酸化ストロンチウム以外のアルカリ土類金属水酸化物が水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の浄化剤。
- フッ素系ガスがフッ化水素、フッ素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素の少なくとも1種以上である請求項1に記載の浄化剤。
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