JPH11290641A - 腐食性ガスの高温除去方法 - Google Patents

腐食性ガスの高温除去方法

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JPH11290641A
JPH11290641A JP10104820A JP10482098A JPH11290641A JP H11290641 A JPH11290641 A JP H11290641A JP 10104820 A JP10104820 A JP 10104820A JP 10482098 A JP10482098 A JP 10482098A JP H11290641 A JPH11290641 A JP H11290641A
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JP
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exhaust gas
gas
corrosive gas
temperature
lime
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JP10104820A
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTAL LABORATORY KK
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SHINSEI DENTAL LAB KK
SHINSEI DENTAL LABORATORY KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉の排出ガス中に含まれる塩素ガスなど
の腐食性ガスを高温下で除去する方法を提供する。 【解決手段】 RDFを焼却炉11中で燃焼させ、ここで
生じる高温の排ガスGの流路の基端側に炭酸カルシウム
と水ガラスと重曹とを混練し乾燥した造粒物、あるいは
消石灰と水ガラスとを混練し乾燥した造粒物からなる除
去剤を有する第1及び第2のフィルター13a、15aを設
ける。前記高温の排ガスGを該フィルター13a、15aを
流通させる。これにより、排ガスG中に含まれる腐食性
ガスを高温で除去することができる。しかも圧力損失が
少ないので、ボイラなどの煙管内に流通させることによ
り、高効率で熱交換可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉の排出ガス
中に含まれる塩素ガスなどの腐食性ガスを高温下で除去
する方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、エネルギーの有
効利用が求められるようになってきており、産業廃棄物
や一般廃棄物、あるいはこれらから製造されるごみ固形
燃料( RDF) などを焼却する際の熱発電や熱源などに
利用することが行われるようになってきている。このよ
うな廃棄物による発電のためのボイラとしては、炉筒煙
管ボイラなどが汎用されている。このようなボイラは、
焼却炉に連通した排ガス流路と、この排ガス流路からの
排ガスが導入されるボイラ本体と、炉筒と、排出路とを
備え、前記ボイラ本体内には熱交換器としての多数の煙
管群が設けられていて、前記排ガス流路から導入される
排ガスはこの煙管群内を流れる。一方、ボイラ本体内に
は水が投入されており、この煙管群内を排ガスが流通す
ると水との間で熱交換が行われ、高温高圧の蒸気により
エネルギーに変換する、というものである。
【0003】しかしながら、廃棄物を燃焼した排ガス中
には塩化水素ガス、塩素ガスなどの塩素系のガスやNO
x、SOxのなどの腐食性のガスが多量に含まれている
ため、排ガスが流通する煙管群は管壁温度320℃近辺
で急速に熱腐食が進行する。このため、流通する排ガス
の温度をある程度下げざるを得ず、これによりボイラ本
体内の水との熱交換の効率が低下するため、ボイラの蒸
気条件を高温高圧化するのが困難であり、発電効率が低
くコスト的に見合わないという問題点があった。このた
め、煙管群の管材にSTB340Eなどの鋼材にニッケ
ルベースの自溶性合金の溶射皮膜を形成したものなどを
用いて熱腐食を抑制したり、あるいは再加熱可能な特殊
なボイラ装置を用いたりしている。
【0004】しかしながら、このような対策によっても
完全に熱腐食を防止できないばかりか、ボイラ装置自体
が非常に高価なものとなるため、このことが廃棄物、特
にごみ固形燃料による発電が中小規模の施設にまで普及
していない一因となっていた。
【0005】そこで、排ガス中から腐食性のガスを除去
してやることが考えられるが、通常塩素系ガスなどの補
集に使用されるバグフィルターは、その耐用温度が20
0℃程度であるので高温となる燃焼炉周辺には使用でき
ないという問題点がある。また、排ガス温度を低下させ
たのでは脱硝率が低下する。これらの問題点は、煙管が
水中を流通するタイプのボイラ装置においても、あるい
は水管が排ガス流路内を流通して熱交換を行うタイプの
ボイラ装置においても共通するものである。このため、
廃棄物発電の普及のためには、焼却炉から排出された直
後の排気ガスから腐食性ガスを除去してやることが必要
である。また、焼却炉から排出した直後に腐食性ガスを
除去することができれば、ダイオキシンの合成、分解温
度よりも高温で塩素系ガスが除去されるのでダイオキシ
ンの生成を抑制できる。
【0006】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のであり、腐食性ガスを高温下で除去するための方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果本発明者は、石灰系の造粒物を用いて触媒フィル
タを作成し、これをごみ固形燃料の燃焼炉の排ガス流路
に設けて、燃焼排ガスがこのフィルターを通過するよう
にすれば、高温下でも塩素系ガスなどを塩化カルシウム
などとして補集することができ、そして、このフィルタ
ーをにおいては、触媒が造粒物でありある程度の径を有
するので、このフィルターを通過させても排ガス温度の
低下や圧力損失が少なく、したがってこの排ガスをボイ
ラなどの煙管内に流通させることにより、高効率で発電
などの熱源とすることが可能であることを見出した。ま
た、この石灰系の造粒物としては、生石灰のみならず、
炭酸カルシウムや消石灰を水ガラスとともに混練すると
ゲル状物が得られ、これを所望の大きさとして加熱しな
がら乾燥させて粒状あるいはペレット状に造粒して得ら
れる造粒物は、炭酸カルシウム(CaCO3)の場合に
は、約900℃で、消石灰(Ca(OH)2)の場合に
は550〜650℃程度の温度で加熱すれば生石灰(C
aO)に変成し、良好な腐食性ガスの除去効果を発揮す
ることを見出した。さらに、本発明者は、この炭酸カル
シウムや消石灰と水ガラスとにさらに高温で炭化する有
機質材などを多孔質化剤として配合し、加熱すればこの
多孔質化剤が除去されて多孔質化され、除去剤の表面積
を増大させることができることを見出した。これらに基
き本発明に想到した。
【0008】すなわち、本発明の請求項1記載の腐食性
ガスの高温除去方法は、ごみ固形燃料を焼却炉中で燃焼
させ、この際生じる高温の排ガスの流路に石灰系造粒物
を設け、前記高温の排ガスを該石灰系造粒物を流通させ
ることにより、前記排ガス中に含まれる腐食性ガスを除
去することを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の腐食性ガスの高温除
去方法は、請求項1記載の方法において、前記石灰系造
粒物が、炭酸カルシウムと水ガラスと重曹とを混練し加
熱乾燥した造粒物であるものである。
【0010】請求項3記載の腐食性ガスの高温除去方法
は、請求項1記載の方法において、前記石灰系造粒物
が、消石灰と水ガラスとを混練し加熱乾燥した造粒物で
あるものである。
【0011】請求項4記載の腐食性ガスの高温除去方法
は、請求項2又は3記載の方法において、前記加熱乾燥
を550〜1000℃の温度で行うものである。
【0012】さらに、請求項5記載の腐食性ガスの高温
除去方法は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法
において、前記腐食性ガスを除去した後、前記高温の排
ガスから熱交換によりエネルギーを取り出すものであ
る。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明の腐食性ガスの高温除
去方法について詳細に説明する。まず、本発明において
使用する腐食性ガスの除去フィルターについて説明す
る。本発明において使用するフィルターは、触媒たる除
去剤として石灰系造粒物を使用する。この石灰系造粒物
とは、基本的には生石灰の粒状物、塊状物、石灰石など
のことであるが、本発明においては、生石灰や石灰石を
破砕するなどしてそのまま用いてもよいし、以下のよう
な二種類の方法で得られるものを用いることもできる。
【0014】第一の方法においては、炭酸カルシウムと
水ガラスと重曹とを使用する。本発明で使用する炭酸カ
ルシウムは、天然炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウム
のいずれも用いることができ、天然炭酸カルシウムとし
ては、貝殻、石灰石、方解石、大理石などを用いること
ができる。その比表面積などは特に制限されない。ま
た、本発明において使用する水ガラスは、前記炭酸カル
シウムと混合してゲル状物を形成するためのものであ
り、重金属類の安定化にも寄与する。この水ガラスとし
ては、汎用の水溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ソーダ、ケ
イ酸カリウムなどが挙げられる。そのモル比(SiO2
/M2O:Mはアルカリ金属)は、通常の市販品の範
囲、すなわち0.5〜4.2の範囲内で任意に選択する
ことができる。このような水ガラスとしては特にケイ酸
ソーダが好ましく、濃度2〜30%程度の水溶液を使用
し、必要に応じて水ガラスに対して等量〜10倍量程度
の水を添加して炭酸カルシウムとの混練性を調整するこ
とができる。ただし、水ガラスの濃度があまり低くなり
すぎると造粒物とすることができなくなる。さらに、重
曹(炭酸水素ナトリウム)を配合する。この重曹は、炭
酸カルシウムと水ガラスとの混合物をゲル状化するのに
必要である。
【0015】上述したような炭酸カルシウムと水ガラス
と重曹との配合割合は、炭酸カルシウム100重量部に
対して、水ガラス(濃度10%の水溶液換算)5〜20
重量部とするのが好ましい。水ガラスが5重量部未満で
は炭酸カルシウムとの間にゲル状物を形成するのが困難
となる一方、20重量部を超えると乾燥に時間がかかる
ため好ましくない。また、重曹の配合割合は炭酸カルシ
ウム100重量部に対して1〜5重量部程度とするのが
好ましい。重曹が1重量部未満では、炭酸カルシウムと
の間にゲル状物を形成するのが困難となる一方、5重量
部を超えても意味がないばかりかかえってゲル化が早す
ぎて造粒が困難となる。
【0016】上述したような各成分からなるゲル化物
は、その水分が蒸発することにより多孔質化するが、さ
らに、本発明においては多孔質化剤を配合することがで
きる。この多孔質化剤とは、常温では固形状であるが所
定の温度以上に加熱すると、炭化や気化することにより
容積が大幅に減少して空隙を形成し、得られる炭酸カル
シウムの粒状化物を多孔質化するためのものであり、有
機粉末や低沸点固体などを用いることができる。具体的
には、木粉、コーヒー、コーンスターチ、大豆などの絞
り粕などの廃物を利用することができる。上述したよう
な多孔質化剤の配合割合は、炭酸カルシウム100重量
部に対して、5〜20重量部程度でよい。
【0017】上述したような各種成分からなる第一の方
法による除去剤は、前述した炭酸カルシウム、水ガラス
及び重曹と、必要に応じて添加される多孔質化剤とをそ
れぞれ所定の割合で配合し、十分に混練することにより
ゲル状組成物を調整し、このゲル状組成物を加熱乾燥す
ることにより、炭酸カルシウムのまま2〜30mm程度の
大きさの粒状物としての除去剤として使用することがで
きるが、好ましくは約900℃に加熱して乾燥すること
により、炭酸カルシウムを生石灰に変成して除去剤とし
て使用する。また、前述したゲル状組成物をスティック
状に成形して裁断した後加熱乾燥することによりペレッ
ト状物とすることもできる。さらに、ゲル状組成物の粘
度によっては、特に成形せずにそのまま乾燥させ、軽く
粉砕してもよい。
【0018】また、石灰系造粒物を製造する第二の方法
としては、消石灰と水ガラスとを使用する。本発明で使
用する消石灰としては、通常用いられているJIS特号
消石灰、あるいは他の市販品を用いることができ、その
比表面積などは特に制限されない。また、本発明におい
て使用する水ガラスは、前述した第一の方法と同じもの
を用いることができる。 上述したような炭酸カルシウ
ムと水ガラスとの配合割合は、炭酸カルシウム100重
量部に対して、水ガラス(濃度10%の水溶液換算)5
〜20重量部とするのが好ましい。水ガラスが5重量部
未満では炭酸カルシウムをゲル状化するのが困難となる
一方、20重量部を超えると、乾燥に時間がかかるため
好ましくない。
【0019】さらに、第二の方法においても多孔質化剤
を配合することができる。この多孔質化剤としては前述
した第一の方法と同じものを用いることができ、その配
合量も同じでよい。
【0020】第二の方法においては、前述した消石灰及
び水ガラスと、必要に応じて添加される多孔質化剤とを
それぞれ所定の割合で配合し、十分に混練することによ
りゲル状組成物を調整し、このゲル状組成物を加熱乾燥
することにより、消石灰のまま2〜30mm程度の大きさ
の粒状物としての除去剤として使用することができる
が、好ましくは約550〜650℃、特に約600℃に
加熱して乾燥することにより、消石灰を生石灰に変成し
て除去剤として使用する。また、前述したゲル状組成物
をスティック状に成形して裁断した後加熱乾燥すること
によりペレット状物とすることもできる。
【0021】このような第一及び第二の製造方法により
得られる腐食性ガスの高温除去剤は、例えば、石灰系増
粒物の大半を占める生石灰(CaO)が、400〜70
0℃の高温下で塩素ガスなどの腐食性ガスと接触する
と、塩素ガス(Cl2)と反応して塩化カルシウム(C
aCl2)としてその表面にこれを固定化するため排ガ
ス中の塩素系ガスを除去することができる。また、NO
xなども類似する反応により除去することができる。そ
して、生石灰(CaO)が、ある程度塩化カルシウムを
収着したら、生石灰は、水蒸気などによりわずかな量の
水分を供給すると、表面部分を主体として大幅に脆化し
て崩壊するという特性を有するので新たな表面が露出す
るため、前述した腐食性ガスの収着性を再現することが
できる。この繰り返しにより、除去剤の粒径が所定の大
きさ例えば2mm未満となったらふるい落として、少し
ずつ新しい除去剤を加えてやればよい。
【0022】特に、第一及び第二の方法に例示したよう
にゲル状組成物から加熱乾燥して石灰系造粒物を製造す
る方法では、この加熱乾燥の前に他の触媒物質、例えば
脱硝触媒や脱硫触媒などの粉末を混合することが可能で
あり、腐食性ガスの高温除去剤の性能の向上及び多機能
化が容易に図れるという効果も有する。
【0023】上述したような除去剤を有するフィルター
は、例えば図1に示すように、粒状あるいはペレット状
の除去剤1,1…を、該除去剤1,1…の粒径よりも目
の細かい2枚の金属製メッシュ板2,2を枠体3により
所定の間隔をもって接合し、この2枚の金属製メッシュ
板2,2間に形成される空間S内に充填することにより
形成することができる。この除去剤の粒径は、後述する
排ガスの圧力損失や該排ガス中の腐食性ガスの除去効率
を考慮して適宜設定すればよい。なお、前記枠体3は耐
熱性の材質とするのが望ましい。上述したようなフィル
ターは、単枚でもしくは複数枚を連続させて用いること
ができる。
【0024】また、図2に示すように、筒体5の上方に
目の粗いふるい6を介して所定の厚さに粒径の大きい粒
状の除去剤層7を形成し、さらにこれより下方に目の細
かいふるい9を介して所定の厚さに粒径の小さい除去剤
層8を形成し、下方から上方に向けてこの筒体5に焼却
炉からの排出ガスを流通させる。そして、ある程度腐食
性ガスが収着して除去剤の活性が低下したら、水蒸気な
どを流通させてやる。そうすると石灰系造粒物が自己崩
壊し、その粒径が小さくなるが、新たな表面が露出する
ことになるため活性を再現することができる。そして、
所定の粒径よりも小さくなると粒径の大きい粒状の除去
剤層7から粒径の小さい除去剤層8に落下するので、こ
の落下した分だけ新たな除去剤を除去剤層7に補充して
やればよい。さらに、除去剤層8の粒子がさらに細かく
なり粉末状となりふるい9から落下したものは取り出し
て、化学処理により腐食性ガスとの反応物を取り除いた
後、再利用すればよい。
【0025】次に上述したようなフィルターを用いた本
発明の腐食性ガスの高温除去方法に着いて説明する。図
3は本発明の方法を適用可能なボイラー装置を示し、同
図において、11はセラミック製の耐熱性の焼却炉であ
り、この焼却炉11の上側の投入口12の先にはごみ固形燃
料のストッカーが(図示せず)が連通していて、定量ず
つのごみ固形燃料が焼却炉11に供給されるようになって
いる。また、13は第1の管路14により焼却炉11の煙口11
aと連通した第1のフィルター層であり、この第1のフ
ィルター層13内には、第1のフィルター13aが複数枚設
けられており、さらに、この第1のフィルター層13の下
流側には、第2の管路16を経て第2のフィルター層15が
配置されていて、この第2のフィルター層15内には第2
のフィルター15aが複数枚設けられている。さらに、17
は第2のフィルター層15に接続された第3の管路であ
り、この第3の管路17は前述した第1の管路14に近接す
ることにより熱交換により再度高温にまで加熱された後
煙管などとしてボイラ18に送給される。また、20はボイ
ラ18に接続された排出路であり、この排出路20は、バグ
フィルター( 図示せず) などを経て外部環境等に連通し
ている。なお、19はボイラ18の管である。
【0026】ところで、本発明においてごみ固形燃料
(RDF)とは、廃棄物から選られる燃料(Refus
e Derived Fuel)の総称であり、金属
片、ガラス片、その他の除去可能な無機物を含有せず、
そのまま燃料として利用可能な形態の廃棄物のことであ
り、特に生ごみや可燃ごみなどを粉砕した後乾燥させて
発熱量、保存性を向上させ、これをペレット状などに圧
縮成形して保存性、搬送性を向上させたもののことであ
り、好ましくは乾燥前に消石灰や生石灰を添加すること
により脱臭及び有害ガスの発生を防止したものである。
【0027】上述したようなボイラ装置において、焼却
炉11でごみ固形燃料を燃焼させると、その高温の排ガス
Gが煙口11aから、第1の管路14を通って第1のフィル
ター層13に到達し、続いて第2の管路16を通って第2の
フィルタ層15に到達する。この第1のフィルタ層13及び
第2のフィルタ層15のフィルタ13a、15aは、前述した
ように石灰系造粒物、特に炭酸カルシウムあるいは消石
灰を水ガラスによりゲル状化し、これを加熱乾燥して粒
状化したものをメッシュ板2を設けた枠体3内に設けた
ものであるので、高温下に置くことが可能であり、高温
の排ガスG中に含まれる塩化水素ガス、塩素ガスなどの
塩素系のガスやNOxなどの腐食性のガスを除去するこ
とができる。そして、このようにして排ガス中の腐食性
のガスを除去した後は、第3の管路17を流通する浄化排
ガスgと第1の管路13を流通する排ガスGとの間で熱交
換が行われて、昇温された浄化排ガスgがボイラ18に供
給され、水管19内の水と熱交換が行われて、排ガスGの
熱を高温高圧の蒸気として、発電のエネルギーや熱源と
して再利用することができる。
【0028】このようなボイラ装置において水管19の外
壁面は排ガスに晒されることになる、焼却炉11から排出
された排ガスG中には、前述したとおり腐食性のガスが
多量に含まれているので、通常は320℃近辺で急速に
熱腐食が進行するためその耐用期間は大幅に短く、水管
19として熱腐食に強い材料を使用するとともに、ボイラ
18を流通する際の排ガス温度をある程度低くして、かつ
蒸気圧を低くせざるを得ず、これにより廃棄物を利用し
たボイラ装置の効率は大幅に低いものになっていた。こ
れに対し本実施例においては、第1及び第2のフィルタ
ー層13、15において、腐食の原因となる腐食性ガスを除
去しているので、このような熱腐食の懸念がないため、
水管19として通常の鋼材を使用することができ、しかも
温度及び蒸気圧を高くすることができるためエネルギー
変換効率の大幅に向上したものとなっている。また、第
2及び第3の管路15,17にも浄化排ガスgが流通するこ
とになるため、これらの管路の耐久性も向上したものと
なっている。
【0029】さらに、前記第1のフィルター層13の第1
のフィルター13aを構成する除去剤の粒径を粗くし、第
2のフィルター層15を構成する除去剤の粒径を細かくす
ることにより、最初に第1のフィルター層13で圧力損失
をできるだけ押さえながら、おおまかに腐食性ガスを除
去し、続いて第2のフィルター層15で十分に腐食性ガス
を除去するようにすれば、圧力損失を抑制しつつ腐食性
ガスの除去効率を高めることができて望ましい。
【0030】以上詳述したとおり、本発明の腐食性ガス
の高温除去方法は、RDFを焼却炉11中で燃焼させ、こ
こで生じる高温の排ガスGの流路の基端側に炭酸カルシ
ウムと水ガラスと重曹とを混練し乾燥した造粒物、ある
いは消石灰と水ガラスとを混練し乾燥した造粒物からな
る除去剤1,1…を有する第1及び第2のフィルター13
a、15aを設けており、前記高温の排ガスGを該フィル
ター13a、15aを流通させているので、前記排ガスG中
に含まれる腐食性ガスを高温で除去することができ、し
かも圧力損失が少ないので、ボイラなどの煙管内に流通
させることにより、高効率で熱交換可能となる。
【0031】次に本発明の第2実施例について図4及び
図5に基き説明する。図4は、本発明の方法を適用可能
な他のボイラ装置を示しており、前述した第1 実施例と
同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省
略する。本実施例においては、セラミック製の耐熱性の
焼却炉11の外壁22に流路21が形成されており、この流路
21の基端は第3の管路17に連通しており、また、流路21
の先端はボイラ18に連通している。図4に示すように焼
却炉11の外壁22は、第3の管路17に連通する開口部23と
円環状の溝部24とを有する底部部材25と、この底部部材
25の溝部24に開口する複数の立ち上がり孔26,26…を有
する複数の管状の予熱域部材27、27…と、前記立ち上が
り孔26,26…が開口する円環状の溝部28と吐出口29とを
有する頂部部材30とから構成されている。そして、この
吐出口29は水管19を有するボイラ18に接続した排出路31
に連通しており、この排出路31は、焼却炉11に供給され
るRDFを貯蔵しておくRDFストッカー32に連通して
いて、さらにバグフィルター( 図示せず) などを経て外
部環境等に開放している。
【0032】上述したようなボイラ装置において、焼却
炉11でごみ固形燃料を燃焼させると、その高温の排ガス
Gが煙口11aから第1の管路14を通って第1のフィルタ
ー層13に到達する。さらに、その後第2の管路16を通っ
て第2のフィルタ層15に到達し、排ガスG中に含まれる
塩化水素ガス、塩素ガスなどの塩素系のガスやNOxな
どの腐食性のガスが除去される。そして、このようにし
て排ガス中の腐食性のガスを除去した後は、第3の管路
17を流通する浄化排ガスgは、開口部23から流路21に導
入される。そうするとこの浄化排ガスgは、底部部材25
の環状の溝部24から立ち上がり孔26を流通しながら焼却
炉11内でのRDFの燃焼熱により高温に加熱され吐出口
29から吐出された後、ボイラ18の水管19内の水と熱交換
が行われて、水管19内の水を高温高圧の蒸気として、発
電のエネルギーや熱源として再利用することができる。
その後、本実施例においては浄化排ガスgは、RDFス
トッカー32内を流通するが、RDFには、消石灰や生石
灰が通常1〜2%添加されているので、粉塵や微量に残
存する塩素ガスなどを塩化カルシウム等として固定化す
ることができる。しかも、本実施例におては、ボイラ18
に到達する直前に焼却炉11の周囲に排ガスgを流通させ
て高温に加熱しているので、水管19内の水を高温高圧の
水蒸気とすることができる。そして、この排ガスg内の
腐食性ガスはある程度除去されているので、水管19が高
温でも熱腐食しにくいので水管19として通常の鋼材を使
用することができる。また、第2及び第3の管路15,17
にも浄化排ガスgが流通することになるため、これらの
耐久性も向上させることができる。
【0033】なお、本発明の方法を適用可能なボイラ装
置としては、前述した第1実施例に限定されるものでは
なく、ボイラ19にできるだけ高温のガスを供給したほう
が発電等の効率が高く、かつ熱腐食が抑制されることに
より、本実施例のような構造を採用することが可能とな
っている。
【0034】以上、本発明の腐食性ガスの高温除去方法
について、添付図面を参照して説明してきたが、本発明
は、前記第1及び第2実施例に限定されるものではな
い。たとえば、ボイラ19としては、炉筒煙管ボイラに限
らず、種々のボイラに適用可能である。また、前記各実
施例においては、第1のフィルター層13、第2のフィル
ター層15として、炭酸カルシウムなどからなるものを用
いたが、例えば、第1のフィルター層13を単に石灰石な
どにより形成してもよいし、あるいは一方のフィルター
層だけとしてもよい。さらには、脱硝触媒や脱硫触媒な
どを併存させてもよい。
【0035】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。実施例1〜4 炭酸カルシウム130重量部と、重曹2重量部と、濃度
50%の水ガラス20重量部と、水30重量部を配合
し、十分に混練してゲル状組成物を調整した。そして、
このゲル状組成物を約900℃で乾燥させながら造粒
し、平均粒径20mmの粒状の腐食性ガスの高温除去剤
を製造した。
【0036】この除去剤を図6に示すように直径100
mmφ(約80cm2)の筒体41内の途中に10cmの
間隔をあけて厚さ30cmに2層に充填して除去層42を
形成した。この筒31の下方から、15、20、25及び
30リットル/分の流量で塩酸溶液中を通過させた約6
50℃のエアAを流通させ、この上部から排出されてき
たエアA1酸性度をPHメータにより測定した。結果を
表1に示す。なお、このPHメータの測定値は、その値
が小さいほど酸性を示すが、相対値であって各流量間
(実施例間)での数値の大小は関連性を有しない。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明の製造方
法により選られた除去剤を通過してきたエアA1のPH
メータの値は安定しており、急激な酸性度の上昇は認め
られなかった。これは、除去層42を通過する間に塩酸に
由来する塩素系のガスが除去されているためであると思
われる。なお、前記各実施例において、筒体41の下端
(入口)と上端(出口)との圧力差は、ほぼ200mm
Aqであった。実施例5〜7 消石灰130重量部と、濃度50%の水ガラス30重量
部と、水20重量部を配合し、十分に混練してゲル状組
成物を調整した。そして、このゲル状組成物を約600
℃で乾燥させながら造粒し、平均粒径20mmの粒状の
腐食性ガスの高温除去剤を製造した。また、この高温除
去剤を粉砕して粉状の高温除去剤を製造した。
【0039】この除去剤を図7に示すように直径100
mmφ(約80cm2)の筒体31の下方に厚さ10cm
の粉状の除去剤層33を形成し、さらに10cmの間隔を
あけて厚さ20cmに粒状の除去剤層34を形成した。こ
の筒41の下方から、30、35及び40リットル/分の
流量で塩酸溶液中を通過させた約650℃のエアAを流
通させ、この上部から排出されてきたエアA1の酸性度
をPHメータにより測定した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明の製造方
法により選られた除去剤を通過してきたエアA1のPH
メータの値は安定しており、急激な酸性度の上昇は認め
られなかった。これは、除去層44を通過する間に塩酸に
由来する塩素系のガスが除去されているためであると思
われる。なお、前記実施例5及び6において、筒体41の
下端(入口)と上端(出口)との圧力差はほぼ300m
mAqであり、実施例7では粉状の除去剤層43からエア
が抜けているのが認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の腐食性ガスの高
温除去方法は、ごみ固形燃料を焼却炉中で燃焼させ、こ
の際生じる高温の排ガスの流路に石灰系造粒物を設け、
前記高温の排ガスを該石灰系造粒物を流通させることに
より、排ガス中に含まれる腐食性ガスを高温で除去する
ことができ、しかも圧力損失が少ないので、ボイラなど
の煙管内に流通させることにより、高効率で熱交換する
ことが可能となる。
【0043】なた、請求項2記載の腐食性ガスの高温除
去方法は、前記石灰系造粒物が、炭酸カルシウムと水ガ
ラスと重曹とを混練し加熱乾燥した造粒物であるので、
得られる除去剤においては、炭酸カルシウムが粒状など
ある程度の塊状の生石灰となるため、これを触媒として
高温となる燃焼炉周辺の排ガス流路に設けることにより
排ガス中の腐食性ガスを除去することができる。また、
他の触媒物質を練り込むことが可能となる。
【0044】請求項3記載の腐食性ガスの高温除去方法
は、前記石灰系造粒物が、消石灰と水ガラスとを混練し
加熱乾燥した造粒物であるので、得られる除去剤におい
ては、消石灰が粒状などある程度の塊状の生石灰となる
ため、これを触媒として高温となる燃焼炉周辺の排ガス
流路に設けることにより排ガス中の腐食性ガスを除去す
ることができる。また、他の触媒物質を練り込むことが
可能となる。
【0045】請求項4記載の腐食性ガスの高温除去方法
は、前記加熱乾燥を550〜1000℃の温度で行うも
のであるので、炭酸カルシウムや消石灰を効率よく、生
石灰に変成することができる。
【0046】さらに、請求項5記載の腐食性ガスの高温
除去方法は、前記腐食性ガスを除去した後、前記高温の
排ガスから熱交換によりエネルギーを取り出すものであ
るので、排ガスが流れる管材や排ガスと接触する個所が
高温でも熱腐食しないので効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する触媒フィルタを示す部
分破断斜視である。
【図2】他の触媒フィルタを示す部分破断斜視である。
【図3】本発明を適用可能な第1実施例によるボイラー
装置を示す概略図である。
【図4】本発明を適用可能な第2実施例によるボイラー
装置を示す概略図である。
【図5】前記第2実施例によるボイラー装置の炉壁を示
す概略図である。
【図6】実施例1乃至4で使用した装置を示す概略図で
ある。
【図7】実施例5乃至7で使用した装置を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 除去剤 11 焼却炉 13a 第1のフィルター 15a 第2のフィルター G 排ガス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ固形燃料を焼却炉中で燃焼させ、こ
    の際生じる高温の排ガスの流路に石灰系造粒物を設け、
    前記高温の排ガスを該石灰系造粒物を流通させることに
    より、前記排ガス中に含まれる腐食性ガスを除去するこ
    とを特徴とする腐食性ガスの高温除去方法。
  2. 【請求項2】 前記石灰系造粒物が、炭酸カルシウムと
    水ガラスと重曹とを混練し加熱乾燥した造粒物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の腐食性ガスの高温除去方
    法。
  3. 【請求項3】 前記石灰系造粒物が、消石灰と水ガラス
    とを混練し加熱乾燥した造粒物であることを特徴とする
    請求項1記載の腐食性ガスの高温除去方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱乾燥を550〜1000℃の温
    度で行うことを特徴とする請求項2又は3記載の腐食性
    ガスの高温除去方法。
  5. 【請求項5】 前記腐食性ガスを除去した後、前記高温
    の排ガスから熱交換によりエネルギーを取り出すことを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の腐食性
    ガスの高温除去方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003010636A (ja) * 2001-07-04 2003-01-14 Sanwa Chemical Kk ハロゲンガスの除去方法
KR20210011233A (ko) * 2019-07-22 2021-02-01 주식회사 포스코건설 탈황 부산물을 이용한 보일러 부식 억제 장치 및 방법

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